特許第6472910号(P6472910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6472910掃除機用充電器及びその急速充電制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472910
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】掃除機用充電器及びその急速充電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20190207BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20190207BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20190207BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20190207BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20190207BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20190207BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20190207BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20190207BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20190207BHJP
   H01M 10/6572 20140101ALI20190207BHJP
   H01M 10/62 20140101ALI20190207BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20190207BHJP
【FI】
   H02J7/02 F
   H02J7/02 G
   H02J7/02 J
   H02J7/00 S
   H02J7/04 Q
   H02H7/18
   H01M10/44 Q
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
   H01M10/613
   H01M10/6551
   H01M10/6563
   H01M10/6572
   H01M10/62
   H01M10/653
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-24676(P2018-24676)
(22)【出願日】2018年2月15日
(65)【公開番号】特開2019-22429(P2019-22429A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】201710582148.4
(32)【優先日】2017年7月17日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201710598933.9
(32)【優先日】2017年7月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201720889124.9
(32)【優先日】2017年7月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201710598935.8
(32)【優先日】2017年7月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514236854
【氏名又は名称】江蘇美的清潔電器股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】万徳康
【審査官】 猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−198232(JP,A)
【文献】 特開2014−200379(JP,A)
【文献】 特開2004−282857(JP,A)
【文献】 特開2015−192565(JP,A)
【文献】 特開2016−208649(JP,A)
【文献】 特開2012−139009(JP,A)
【文献】 特開平11−122839(JP,A)
【文献】 特開2017−017806(JP,A)
【文献】 特開2011−108550(JP,A)
【文献】 特開2004−274874(JP,A)
【文献】 特開2011−229337(JP,A)
【文献】 特開2001−149289(JP,A)
【文献】 特開平01−209929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H01M 10/42−10/48
H01M 10/60−10/667
H02H 7/00; 7/10− 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機に対応する機器充電インターフェースと、バッテリパックに対応するバッテリ充電インターフェースと、を少なくとも含む複数の第1充電インターフェースと、
入力端が交流電源に接続され、前記交流電源によって出力される交流電流を受電し、前記交流電流を整流処理して直流電流を出力する整流モジュールと、
複数の充電制御モジュールであって、前記複数の充電制御モジュールにおける各充電制御モジュールが前記整流モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続される複数の充電制御モジュールと、
各第1充電インターフェースとそれぞれ通信して各第1充電インターフェースに被充電バッテリパック及び/又は被充電掃除機を含む被充電装置が接続されているか否かを識別し、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、前記被充電装置のパラメータを取得し、前記被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行う制御モジュールと、
を含み、
前記被充電装置が前記被充電バッテリパックである場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電バッテリパックの温度及び電圧を含み、
前記被充電装置が前記被充電掃除機である場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックの温度及び電圧を含み、
前記制御モジュールは、
前記バッテリパックの電圧を取得する第1取得モジュールと、
前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する判断モジュールと、
前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧以上である場合、前記バッテリパックの温度を取得する第2取得モジュールと、
前記バッテリパックの温度に基づいて前記バッテリパックへの充電制御を行う制御サブモジュールと、
を含み、
前記制御サブモジュールは、
前記バッテリパックの温度を判断し、
前記バッテリパックの温度が第1所定温度より高く且つ第2所定温度より低い場合、第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、
前記バッテリパックの温度が前記第1所定温度以下であり且つ第3所定温度以上である場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第2所定温度以上であり且つ第4所定温度以下である場合、前記第1充電電流より小さい第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、
前記バッテリパックの温度が前記第3所定温度より低い場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第4所定温度より高い場合、前記バッテリパックへの充電を禁止し、
前記制御サブモジュールは、さらに、
前記第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が第1充電電圧に達した場合、前記第1充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が第2充電電流まで低下した場合、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、また、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が前記第1充電電圧より小さい第2充電電圧に達した場合、前記第2充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が前記第2充電電流より小さい第3充電電流まで低下した後、前記バッテリパックの充電が完了したと判断し、
前記第1充電電流は、急速充電モードにおける電流値であり、
前記第2充電電流は、普通充電モードにおける電流値であって、前記第1充電電流の1/3以上3/5以下の範囲にあり、
前記第3充電電流は、前記バッテリパックの充電が完了したと判断するための電流値であって、前記第1充電電流の1/10以上1/5以下の範囲にある、
ことを特徴とする掃除機用充電器。
【請求項2】
前記被充電バッテリパックのみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電バッテリパックへの充電制御を行い、
前記被充電掃除機のみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電掃除機への充電制御を行い、
前記被充電バッテリパック及び前記被充電掃除機がそれぞれ第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機への充電制御を優先的に行い、前記被充電掃除機の充電が完了した後、前記被充電バッテリパックへの充電制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の掃除機用充電器。
【請求項3】
前記掃除機用充電器は、
USB充電インターフェースと、TYPE−C充電インターフェースと、12VDC充電インターフェースとのうち少なくとも一種を含む少なくとも一つの第2充電インターフェースと、
前記整流モジュールの出力端に接続され、前記整流モジュールによって出力される直流電流を昇圧変換又は降圧変換して前記少なくとも一つの第2充電インターフェースに印加する少なくとも一つの電圧変換モジュールと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の掃除機用充電器。
【請求項4】
前記掃除機用充電器は、提示モジュールをさらに含み、
前記制御サブモジュールは、さらに、前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧より小さい場合、第1充電電流より小さい予備充電電流で前記バッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、前記バッテリパックの電圧が依然として前記第1所定電圧より小さい場合、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記提示モジュールを制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項5】
前記判断モジュールは、さらに、前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する前に、前記バッテリパックの電圧に基づいて前記バッテリパックが使用不能状態にあるか否かを判断し、
前記バッテリパックが前記使用不能状態にある場合、前記制御サブモジュールは、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記提示モジュールを制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項6】
前記掃除機用充電器は、複数の遮断制御モジュールをさらに含み、
前記複数の遮断制御モジュールにおける各遮断制御モジュールが、各充電制御モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続され、
前記制御サブモジュールは、該当する遮断制御モジュールを制御することにより、前記バッテリパックへの充電を停止させる、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項7】
前記掃除機用充電器は、複数の充電電圧検出モジュール及び/又は複数の充電電流検出モジュールをさらに含み、
前記複数の充電電圧検出モジュールにおける各充電電圧検出モジュールが、各遮断制御モジュールと各第1充電インターフェースとの間に対応して設けられ、且つ前記制御サブモジュールに接続され、前記充電電圧検出モジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電圧を検出し、前記制御サブモジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電圧に異常が発生した場合、前記遮断制御モジュールを制御することにより、前記バッテリパックへの充電を停止させ、
前記複数の充電電流検出モジュールにおける各充電電流検出モジュールが、各遮断制御モジュールと各第1充電インターフェースとの間に対応して設けられ、且つ前記制御サブモジュールに接続され、前記充電電流検出モジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電流を検出し、前記制御サブモジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電流に異常が発生した場合、前記遮断制御モジュールを制御することにより、前記バッテリパックへの充電を停止させる、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項8】
前記バッテリパックは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置するバッテリと、
前記ハウジング内に位置し、前記バッテリを放熱させる放熱アセンブリと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項9】
前記ハウジングの対向する二つの側壁は第1側壁及び第2側壁であり、前記第1側壁は第1貫通孔を有し、前記第2側壁は第2貫通孔を有し、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが対向しており、前記バッテリと前記放熱アセンブリとは、いずれも前記第1側壁と前記第2側壁との間に位置している、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項10】
前記放熱アセンブリは、風車と、放熱フィンと、放熱シリカゲル層と、半導体放熱部材と、相変化材料とのうち少なくとも一種を含み、
前記放熱アセンブリが前記放熱フィンである場合、前記放熱フィンの一端は前記バッテリに接続され、前記放熱フィンの他端は前記ハウジングに向かって延伸し、且つ前記放熱フィンの前記他端は間隔をあけた複数の溝を有し、
前記放熱アセンブリが前記放熱シリカゲル層である場合、前記放熱シリカゲル層は前記バッテリの外周を被覆している、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項11】
前記バッテリパックは前記掃除機の通風路内に位置している、
ことを特徴とする請求項に記載の掃除機用充電器。
【請求項12】
掃除機用充電器の急速充電制御方法であって、
掃除機用充電器は、複数の第1充電インターフェースと、整流モジュールと、複数の充電制御モジュールとを含み、前記複数の第1充電インターフェースは、掃除機に対応する機器充電インターフェースと、バッテリパックに対応するバッテリ充電インターフェースと、を少なくとも含み、前記整流モジュールの入力端は交流電源に接続され、前記整流モジュールは、前記交流電源によって出力される交流電流を受電し、前記交流電流を整流処理して直流電流を出力し、前記複数の充電制御モジュールにおける各充電制御モジュールが前記整流モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続され、前記方法は、
前記掃除機用充電器が通電した後、各第1充電インターフェースに被充電バッテリパック及び/又は被充電掃除機を含む、被充電装置が接続されているか否かを識別するステップと、
いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、前記被充電装置のパラメータを取得するステップと、
前記被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行うステップと、
を含み、
前記被充電装置が前記被充電バッテリパックである場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電バッテリパックの温度及び電圧を含み、
前記被充電装置が前記被充電掃除機である場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックの温度及び電圧を含み、
前記被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行う前記ステップは、
前記バッテリパックの電圧を取得するステップと、
前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断するステップと、
前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧以上である場合、前記バッテリパックの温度を取得するステップと、
前記バッテリパックの温度に基づいて前記バッテリパックへの充電制御を行うステップと、
を含み、
第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が第1充電電圧に達した場合、前記第1充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が第2充電電流まで低下した場合、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、また、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が前記第1充電電圧より小さい第2充電電圧に達した場合、前記第2充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が前記第2充電電流より小さい第3充電電流まで低下した後、前記バッテリパックの充電が完了したと判断し、
前記第1充電電流は、急速充電モードにおける電流値であり、
前記第2充電電流は、普通充電モードにおける電流値であって、前記第1充電電流の1/3以上3/5以下の範囲にあり、
前記第3充電電流は、前記バッテリパックの充電が完了したと判断するための電流値であって、前記第1充電電流の1/10以上1/5以下の範囲にある、
ことを特徴とする掃除機用充電器の急速充電制御方法。
【請求項13】
前記被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行う前記ステップは、
前記被充電バッテリパックのみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電バッテリパックへの充電制御を行うステップと、
前記被充電掃除機のみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電掃除機への充電制御を行うステップと、
前記被充電バッテリパック及び前記被充電掃除機がそれぞれ第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機への充電制御を優先的に行い、前記被充電掃除機の充電が完了した後、前記被充電バッテリパックへの充電制御を行うステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の掃除機用充電器の急速充電制御方法。
【請求項14】
前記バッテリパックの温度に基づいて前記バッテリパックへの充電制御を行う前記ステップは、
前記バッテリパックの温度を判断するステップと、
前記バッテリパックの温度が第1所定温度より大きく且つ第2所定温度より低い場合、第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電するステップと、
前記バッテリパックの温度が前記第1所定温度以下であり且つ第3所定温度以上である場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第2所定温度以上であり且つ第4所定温度以下である場合、前記第1充電電流より小さい第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電するステップと、
前記バッテリパックの温度が前記第3所定温度より低い場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第4所定温度より高い場合、前記バッテリパックへの充電を禁止するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の掃除機用充電器の急速充電制御方法。
【請求項15】
前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧より小さい場合、第1充電電流より小さい予備充電電流で前記バッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、前記バッテリパックの電圧が依然として前記第1所定電圧より小さい場合、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記掃除機を制御する、
ことを特徴とする請求項12に記載の掃除機用充電器の急速充電制御方法。
【請求項16】
前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する前に、さらに、前記バッテリパックの電圧に基づいて前記バッテリパックが使用不能状態にあるか否かを判断し、
前記バッテリパックが前記使用不能状態にある場合、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記掃除機を制御する、
ことを特徴とする請求項15に記載の掃除機用充電器の急速充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機の技術分野に関し、具体的には、掃除機用充電器及び掃除機用充電器の急速充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
掃除機業界の技術面においての不断な進歩及びブレイクスルーに伴い、より新しくより使いやすい掃除機が次第に多くの家庭に入るようになり、ハンディコードレス式充電掃除機は、そのうちの極めて優れたものである。しかし、それとともに、充電式掃除機に対するユーザの要求も益々高くなり、充電時間が短いこと及び作動時間が長いことは、人々が充電式掃除機を選ぶ重要な条件となっている。
【0003】
現在、掃除機の充電案は、以下の案1及び案2を含む。案1は、ウォールプラグ式アダプタにより掃除機全体を充電するか、又はウォールプラグ式アダプタで壁に設置したラックを介して掃除機全体を充電する方法である。このような案は、一つのバッテリパックの充電しかサポートすることができず、掃除機使用完了後しか充電することができず、充電時間と使用時間とを並行することができない。案2は、バッテリパックが着脱可能であり、バッテリパックを充電器に置いて充電することができるという方法である。バッテリパックを二つ配置すれば、一つのバッテリパックが充電され、もう一つのバッテリパックが使用されるシーンを実現することができる。かかる充電案は、一つのバッテリパックの充電しか実現することができず、ユーザ体験に影響を与えることが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記技術における少なくとも一つの技術的課題をある程度解決することを目的とする。そのため、本発明の第1の目的は、掃除機用充電器を提案することであり、該充電器は、掃除機を充電することができるだけでなくバッテリパックを充電することもでき、ユーザの時間を節約し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0005】
本発明の第2の目的は、掃除機用充電器の急速充電制御方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1側面の実施例は掃除機用充電器を提案し、前記掃除機用充電器は、掃除機に対応する機器充電インターフェースと、バッテリパックに対応するバッテリ充電インターフェースと、を少なくとも含む複数の第1充電インターフェースと、入力端が交流電源に接続され、前記交流電源によって出力される交流電流を受電し、前記交流電流を整流処理して直流電流を出力する整流モジュールと、複数の充電制御モジュールであって、前記複数の充電制御モジュールにおける各充電制御モジュールが前記整流モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続される複数の充電制御モジュールと、各第1充電インターフェースとそれぞれ通信して各第1充電インターフェースに被充電バッテリパック及び/又は被充電掃除機を含む被充電装置が接続されているか否かを識別し、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、前記被充電装置のパラメータを取得し、前記被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行う制御モジュールと、を含み、前記被充電装置が前記被充電バッテリパックである場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電バッテリパックの温度及び電圧を含み、前記被充電装置が前記被充電掃除機である場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックの温度及び電圧を含み、前記制御モジュールは、前記バッテリパックの電圧を取得する第1取得モジュールと、前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する判断モジュールと、前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧以上である場合、前記バッテリパックの温度を取得する第2取得モジュールと、前記バッテリパックの温度に基づいて前記バッテリパックへの充電制御を行う制御サブモジュールと、を含み、前記制御サブモジュールは、前記バッテリパックの温度を判断し、前記バッテリパックの温度が第1所定温度より高く且つ第2所定温度より低い場合、第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、前記バッテリパックの温度が前記第1所定温度以下であり且つ第3所定温度以上である場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第2所定温度以上であり且つ第4所定温度以下である場合、前記第1充電電流より小さい第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、前記バッテリパックの温度が前記第3所定温度より低い場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第4所定温度より高い場合、前記バッテリパックへの充電を禁止し、前記制御サブモジュールは、さらに、前記第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が第1充電電圧に達した場合、前記第1充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が第2充電電流まで低下した場合、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、また、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が前記第1充電電圧より小さい第2充電電圧に達した場合、前記第2充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が前記第2充電電流より小さい第3充電電流まで低下した後、前記バッテリパックの充電が完了したと判断し、前記第1充電電流は、急速充電モードにおける電流値であり、前記第2充電電流は、普通充電モードにおける電流値であって、前記第1充電電流の1/3以上3/5以下の範囲にあり、前記第3充電電流は、前記バッテリパックの充電が完了したと判断するための電流値であって、前記第1充電電流の1/10以上1/5以下の範囲にある
【0007】
本発明の実施例における掃除機用充電器は、複数の第1充電インターフェースを設けることにより、複数の被充電装置の同時接続を実現することができ、さらには掃除機用充電器が通電した後、制御モジュールにより各第1充電インターフェースに被充電装置が接続されているか否かを識別し、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されると識別した場合、被充電装置のパラメータを取得し、被充電装置のパラメータに基づいて該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行う。これにより、掃除機、バッテリパック等異なるタイプの被充電装置の充電ニーズを実現することができ、ユーザ体験の向上に寄与する。
【0008】
また、本発明の上記実施例に係る掃除機用充電器は、以下のような付加的な技術的特徴をさらに有してもよい。
【0009】
本発明の一実施例によると、前記被充電バッテリパックのみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電バッテリパックへの充電制御を行い、前記被充電掃除機のみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常である場合、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電掃除機への充電制御を行い、前記被充電バッテリパック及び前記被充電掃除機がそれぞれ第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機への充電制御を優先的に行い、前記被充電掃除機の充電が完了した後、前記被充電バッテリパックへの充電制御を行う。
【0011】
本発明の一実施例によると、上記掃除機用充電器は、USB充電インターフェースと、TYPE−C充電インターフェースと、12VDC充電インターフェースとのうち少なくとも一種を含む少なくとも一つの第2充電インターフェースと、前記整流モジュールの出力端に接続され、前記整流モジュールによって出力される直流電流を昇圧変換又は降圧変換して前記少なくとも一つの第2充電インターフェースに印加する少なくとも一つの電圧変換モジュールと、をさらに含む。
【0014】
本発明の一実施例によると、上記掃除機用充電器は、提示モジュールをさらに含み、前記制御サブモジュールは、さらに、前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧より小さい場合、第1充電電流より小さい予備充電電流で前記バッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、前記バッテリパックの電圧が依然として前記第1所定電圧より小さい場合、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記提示モジュールを制御する。
【0015】
本発明の一実施例によると、前記判断モジュールは、さらに、前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する前に、前記バッテリパックの電圧に基づいて前記バッテリパックが使用不能状態にあるか否かを判断し、前記バッテリパックが前記使用不能状態にある場合、前記制御サブモジュールは、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記提示モジュールを制御する。
【0017】
本発明の一実施例によると、上記掃除機用充電器は、複数の遮断制御モジュールをさらに含み、前記複数の遮断制御モジュールにおける各遮断制御モジュールが、各充電制御モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続され、前記制御サブモジュールは、該当する遮断制御モジュールを制御することにより、前記バッテリパックへの充電を停止させる。
【0018】
本発明の一実施例によると、上記掃除機用充電器は、複数の充電電圧検出モジュール及び/又は複数の充電電流検出モジュールをさらに含み、前記複数の充電電圧検出モジュールにおける各充電電圧検出モジュールが、各遮断制御モジュールと各第1充電インターフェースとの間に対応して設けられ、且つ前記制御サブモジュールに接続され、前記充電電圧検出モジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電圧を検出し、前記制御サブモジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電圧に異常が発生した場合、前記遮断制御モジュールを制御することにより、前記バッテリパックへの充電を停止させ、前記複数の充電電流検出モジュールにおける各充電電流検出モジュールが、各遮断制御モジュールと各第1充電インターフェースとの間に対応して設けられ、且つ前記制御サブモジュールに接続され、前記充電電流検出モジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電流を検出し、前記制御サブモジュールは、前記第1充電インターフェースの充電電流に異常が発生した場合、前記遮断制御モジュールを制御することにより、前記バッテリパックへの充電を停止させる。
【0019】
本発明の一実施例によると、前記バッテリパックは、ハウジングと、前記ハウジング内に位置するバッテリと、前記ハウジング内に位置し、前記バッテリを放熱させる放熱アセンブリと、を含む。
【0020】
本発明の一実施例によると、前記ハウジングの対向する二つの側壁は第1側壁及び第2側壁であり、前記第1側壁は第1貫通孔を有し、前記第2側壁は第2貫通孔を有し、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが対向しており、前記バッテリと前記放熱アセンブリとは、いずれも前記第1側壁と前記第2側壁との間に位置している。
【0021】
本発明の一実施例によると、前記放熱アセンブリは、風車と、放熱フィンと、放熱シリカゲル層と、半導体放熱部材と、相変化材料とのうち少なくとも一種を含み、前記放熱アセンブリが前記放熱フィンである場合、前記放熱フィンの一端は前記バッテリに接続され、前記放熱フィンの他端は前記ハウジングに向かって延伸し、且つ前記放熱フィンの前記他端は間隔をあけた複数の溝を有し、前記放熱アセンブリが前記放熱シリカゲル層である場合、前記放熱シリカゲル層は前記バッテリの外周を被覆している。
【0022】
本発明の一実施例によると、前記バッテリパックは前記掃除機の通風路内に位置している。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明の第2側面の実施例は、掃除機用充電器の急速充電制御方法を提供し、掃除機用充電器は、複数の第1充電インターフェースと、整流モジュールと、複数の充電制御モジュールとを含み、前記複数の第1充電インターフェースは、掃除機に対応する機器充電インターフェースと、バッテリパックに対応するバッテリ充電インターフェースと、を少なくとも含み、前記整流モジュールの入力端は交流電源に接続され、前記整流モジュールは、前記交流電源によって出力される交流電流を受電し、前記交流電流を整流処理して直流電流を出力し、前記複数の充電制御モジュールにおける各充電制御モジュールが前記整流モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続され、前記方法は、前記掃除機用充電器が通電した後、各第1充電インターフェースに被充電バッテリパック及び/又は被充電掃除機を含む、被充電装置が接続されているか否かを識別するステップと、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、前記被充電装置のパラメータを取得するステップと、前記被充電装置のパラメータに基づいて該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行うステップと、を含み、前記被充電装置が前記被充電バッテリパックである場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電バッテリパックの温度及び電圧を含み、前記被充電装置が前記被充電掃除機である場合、前記被充電装置のパラメータは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックの温度及び電圧を含み、前記被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行う前記ステップは、前記バッテリパックの電圧を取得するステップと、前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断するステップと、前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧以上である場合、前記バッテリパックの温度を取得するステップと、前記バッテリパックの温度に基づいて前記バッテリパックへの充電制御を行うステップと、を含み、第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が第1充電電圧に達した場合、前記第1充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が第2充電電流まで低下した場合、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電し、また、前記第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電した後、前記バッテリパックの電圧が前記第1充電電圧より小さい第2充電電圧に達した場合、前記第2充電電圧により前記バッテリパックを定電圧充電し、前記バッテリパックの充電電流が前記第2充電電流より小さい第3充電電流まで低下した後、前記バッテリパックの充電が完了したと判断し、前記第1充電電流は、急速充電モードにおける電流値であり、前記第2充電電流は、普通充電モードにおける電流値であって、前記第1充電電流の1/3以上3/5以下の範囲にあり、前記第3充電電流は、前記バッテリパックの充電が完了したと判断するための電流値であって、前記第1充電電流の1/10以上1/5以下の範囲にある
【0024】
本発明の実施例における掃除機用充電器の急速充電制御方法は、掃除機用充電器が通電した後、各第1充電インターフェースに被充電装置が接続されているか否かを識別し、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、被充電装置のパラメータを取得し、被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行う。これにより、掃除機、バッテリパック等異なるタイプの被充電装置の充電ニーズを実現することができ、ユーザ体験の向上に寄与する。
【0025】
また、本発明の上記実施例に係る掃除機用充電器の急速充電制御方法は、以下のような付加的な技術的特徴をさらに有してもよい。
【0026】
本発明の一実施例によると、前記被充電装置のパラメータに基づいて該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電装置への充電制御を行う前記ステップは、前記被充電バッテリパックのみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電バッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電バッテリパックへの充電制御を行うステップと、前記被充電掃除機のみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、前記被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常である場合に、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより前記被充電掃除機への充電制御を行うステップと、前記被充電バッテリパック及び前記被充電掃除機がそれぞれ第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、前記制御モジュールは、前記被充電掃除機への充電制御を優先的に行い、前記被充電掃除機の充電が完了した後、前記被充電バッテリパックへの充電制御を行うステップとを含む。
【0029】
さらに、前記バッテリパックの温度に基づいて前記バッテリパックへの充電制御を行う前記ステップは、前記バッテリパックの温度を判断するステップと、前記バッテリパックの温度が第1所定温度より大きく且つ第2所定温度より低い場合、第1充電電流で前記バッテリパックを定電流充電するステップと、前記バッテリパックの温度が前記第1所定温度以下であり且つ第3所定温度以上である場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第2所定温度以上であり且つ第4所定温度以下である場合、前記第1充電電流より小さい第2充電電流で前記バッテリパックを定電流充電するステップと、前記バッテリパックの温度が前記第3所定温度より低い場合、又は、前記バッテリパックの温度が前記第4所定温度より高い場合、前記バッテリパックへの充電を禁止するステップと、を含む。
【0030】
本発明の一実施例によると、前記バッテリパックの電圧が前記第1所定電圧より小さい場合、第1充電電流より小さい予備充電電流で前記バッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、前記バッテリパックの電圧が依然として前記第1所定電圧より小さい場合、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記掃除機を制御する。
【0031】
本発明の一実施例によると、前記バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する前に、さらに、前記バッテリパックの電圧に基づいて前記バッテリパックが使用不能状態にあるか否かを判断し、前記バッテリパックが前記使用不能状態にある場合、前記バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように前記掃除機を制御する。
【0033】
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部は以下の説明において示され、一部は以下の説明により明らかになるか、又は本発明の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は本発明の第1実施例に係る掃除機用充電器のブロック図である。
図2図2は本発明の第2実施例に係る掃除機用充電器のブロック図である。
図3図3は本発明の一実施例に係る制御モジュールのブロック図である。
図4図4は本発明の実施例に係る充電電流とバッテリパックの温度との関係曲線図である。
図5図5は本発明の第3実施例に係る掃除機用充電器のブロック図である。
図6図6は本発明の実施例に係る充電電流と、充電電圧と、充電時間との関係曲線図である。
図7図7は本発明の具体的な一実施例に係るバッテリパックの急速充電のフローチャートである。
図8図8は本発明の第4実施例に係る掃除機用充電器のブロック図である。
図9図9は本発明の第5実施例に係る掃除機用充電器のブロック図である。
図10図10は本発明の第1実施例に係るバッテリパックの断面構造概略図である。
図11図11は本発明の第2実施例に係るバッテリパックの断面構造概略図である。
図12図12は本発明の第3実施例に係るバッテリパックの断面構造概略図である。
図13図13は本発明の第4実施例に係るバッテリパックの断面構造概略図である。
図14図14は本発明の実施例に係る掃除機用充電器の急速充電制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施例を詳しく説明する。前記実施例の例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する部品、或いは同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものと理解してはならない。
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施例における掃除機用充電器及びその急速充電制御方法を説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例に係る掃除機用充電器のブロック図である。図1に示すように、該掃除機用充電器は、複数の第1充電インターフェース10と、整流モジュール20と、複数の充電制御モジュール30と、制御モジュール40と、を含む。
【0038】
ここで、図1を参照すると、複数の第1充電インターフェース10は、掃除機に対応する機器充電インターフェース11と、バッテリパックに対応するバッテリ充電インターフェース12と、を少なくとも含む。整流モジュール20の入力端は交流電源ACに接続され、整流モジュール20は、交流電源ACによって出力される交流電流を受電し、交流電流を整流処理して直流電流を出力する。具体的には、交流電流を安定的な直流電流に変換するために、整流モジュール20は整流回路(例えばフルブリッジ整流回路、ハーフブリッジ整流回路など)と、定電圧回路(例えばboost回路、LC回路など)とを含んでもよい。複数の充電制御モジュール30における各充電制御モジュールが整流モジュール20の出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続される。制御モジュール40は、各第1充電インターフェースとそれぞれ通信して各第1充電インターフェースに被充電装置が接続されているか否かを識別し、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、被充電装置のパラメータを取得し、被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行う。
【0039】
本発明の実施例において、被充電装置は、被充電バッテリパック及び/又は被充電掃除機を含む。なお、被充電掃除機を充電する場合は、即ち被充電掃除機におけるバッテリパックを充電するのであって、且つ該バッテリパックは掃除機に対して着脱可能であり、ユーザは必要に応じて、掃除機を直接に充電すること、又は取り外されたバッテリパックを充電することを選ぶことができると理解できる。
【0040】
選択的には、バッテリパックを置くためのバッテリケースが設けられてもよい。該バッテリケースは、充電器に固定されてもよいし、例えば、係合部により充電器に係合されたり、接続ケーブルを介して充電器に接続されるなど、充電器に対し着脱可能に設けられてもよい。なお、バッテリケースは、接続ケーブルを介して充電器に接続される場合、該接続ケーブルの一端をバッテリ充電インターフェース12に挿入できると考えられる。
【0041】
具体的には、充電器が交流電源ACに接続された後、整流モジュール20は交流電源ACによって出力される交流電流を受電し、交流電流を整流処理して直流電流を出力する。掃除機のプラグが機器充電インターフェース11に挿入され、バッテリパックがバッテリケースに置かれてバッテリ充電インターフェース12に接続された場合、制御モジュール40は、機器充電インターフェース11と通信して機器充電インターフェース11に被充電装置が接続されていると識別し、且つバッテリ充電インターフェース12と通信してバッテリ充電インターフェース12に被充電装置が接続されていると識別する。この場合、制御モジュール40は、機器充電インターフェース11に対応する被充電装置を充電することを優先的に選んで、掃除機におけるバッテリパックのパラメータ(例えばバッテリパックの温度及び電圧)を取得し、掃除機におけるバッテリパックのパラメータに基づいて、機器充電インターフェース11に対応する充電制御モジュール31により掃除機への充電制御を行うことができる。
【0042】
さらに、充電器が掃除機への充電を完了した後、制御モジュール40は、掃除機への充電を停止させるとともに、バッテリケースにおけるバッテリパックへの充電を開始して、バッテリケースにおけるバッテリパックのパラメータ(例えばバッテリパックの温度及び電圧)を取得し、バッテリケースにおけるバッテリパックのパラメータに基づいて、バッテリ充電インターフェース12に対応する充電制御モジュール32によりバッテリパックへの充電制御を行うことができる。
【0043】
これにより、該掃除機用充電器は、掃除機の充電ニーズを実現することができるだけでなく、取り外されたバッテリパックを充電することもでき、さらにはユーザの待ち時間及び操作時間を節約し、ユーザ体験を向上させる。
【0044】
なお、制御モジュール40は、いかなる充電期間においても、一つの第1充電インターフェースに対応する被充電装置に対してのみ充電制御を行う。
【0045】
具体的には、被充電バッテリパックのみが第1充電インターフェース(即ちバッテリ充電インターフェース12)に接続されていると識別した場合、制御モジュール40は、被充電バッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、被充電バッテリパックのパラメータが正常である場合、該バッテリ充電インターフェース12に対応する充電制御モジュール32により被充電バッテリパックへの充電制御を行う。被充電掃除機のみが第1充電インターフェース(即ち機器充電インターフェース11)に接続されていると識別した場合、制御モジュール40は、被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常である場合、該機器充電インターフェース11に対応する充電制御モジュール31により被充電掃除機への充電制御を行う。被充電バッテリパックがバッテリ充電インターフェース12に接続され、且つ被充電掃除機が機器充電インターフェース11に接続されていることを識別した場合、制御モジュール40は、被充電掃除機への充電制御を優先的に行い、被充電掃除機の充電が完了した後、被充電バッテリパックへの充電制御を行う。
【0046】
これにより、該掃除機用充電器は、掃除機の充電ニーズを実現することができるだけでなく、取り外されたバッテリパックを充電することもでき、さらにはユーザの待ち時間及び操作時間を節約し、ユーザ体験を向上させる。
【0047】
本発明の別の一実施例において、図2に示すように、掃除機用充電器は、USB充電インターフェースと、TYPE−C充電インターフェースと、12VDC充電インターフェースとのうち少なくとも一種を含む少なくとも一つの第2充電インターフェース50をさらに含んでもよい。これにより、掃除機用充電器は、異なるタイプの被充電装置の充電ニーズを実現することができる。
【0048】
さらに、図2に示すように、掃除機用充電器は、少なくとも一つの電圧変換モジュール60をさらに含み、少なくとも一つの電圧変換モジュール60は、整流モジュール20の出力端に接続され、少なくとも一つの電圧変換モジュール60は、整流モジュール20によって出力される直流電流を昇圧変換又は降圧変換して少なくとも一つの第2充電インターフェース50に印加する。
【0049】
例を挙げると、図2を参照し、第2充電インターフェース50は、USB充電インターフェースを含み、携帯電話を充電する必要がある場合、携帯電話に対応するデータケーブルのUSBプラグをUSB充電インターフェースに挿入することができる。充電器が交流電源に接続された後、整流モジュール20は、交流電源ACによって出力される220V交流電流を受電し、220V交流電流を整流処理して220V直流電流を出力し、USB充電インターフェースに対応する電圧変換モジュールは、整流モジュール20によって出力される直流電流を降圧変換して(例えば5Vに降圧する)、USB充電インターフェースに印加して携帯電話を充電する。
【0050】
なお、第1充電インターフェース10と第2充電インターフェース50とに同時に被充電装置が接続された場合、第1充電インターフェース10に接続された被充電装置を優先的に充電してもよいし、第1充電インターフェース10及び第2充電インターフェース50に同時に接続された被充電装置を同時に充電してもよい。ここで、被充電掃除機と被充電バッテリパックとが同時に接続された場合、被充電掃除機を優先的に充電し、被充電掃除機の充電が完了した後、被充電バッテリパックを充電する。第2充電インターフェース50に同時に複数の被充電装置が接続された場合、これらの複数の被充電装置を同時に充電することができる。
【0051】
これにより、複数の第1充電インターフェースと、少なくとも一つの第2充電インターフェースと、を設けることにより、複数の被充電装置の同時接続を実現することができ、制御モジュールにより被充電装置を識別し、被充電装置が接続されたと識別した場合、対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行い、これにより、掃除機、バッテリパック等異なるタイプの被充電装置の充電ニーズを実現し、ユーザ体験の向上に寄与する。
【0052】
さらに、本発明の一実施例によると、図3に示すように、制御モジュール40は、第1取得モジュール41と、判断モジュール42と、第2取得モジュール43と、制御サブモジュール44と、を含む。第1取得モジュール41は、バッテリパックの電圧(被充電バッテリパックを充電する場合、バッテリパックは被充電バッテリパックであり、被充電掃除機を充電する場合、バッテリパックは被充電掃除機におけるバッテリパックである)を取得する。判断モジュール42は、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する。第2取得モジュール43は、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上である場合、バッテリパックの温度を取得する。制御サブモジュール44は、バッテリパックの温度に基づいてバッテリパックへの充電制御を行う。ここで、第1所定電圧は、バッテリパックの過放電電圧制限値に設定され、バッテリパックの電圧が第1所定電圧より大きい場合、バッテリパックが過放電になっていないことを意味し、大電流を印加して急速充電することができる。
【0053】
さらに、制御サブモジュール44は、具体的には、バッテリパックの温度を判断し、バッテリパックの温度が第1所定温度より高く且つ第2所定温度より低い場合、第1充電電流でバッテリパックを定電流充電する。バッテリパックの温度が第1所定温度以下であり且つ第3所定温度以上である場合、又は、バッテリパックの温度が第2所定温度以上であり且つ第4所定温度以下である場合、第1充電電流より小さい第2充電電流でバッテリパックを定電流充電する。バッテリパックの温度が第3所定温度より低い場合、又は、バッテリパックの温度が第4所定温度より高い場合、バッテリパックへの充電を禁止する。
【0054】
具体的には、被充電バッテリパック又は被充電掃除機におけるバッテリパックを充電する場合、先ず、第1取得モジュール41によりバッテリパックの電圧を取得し、判断モジュール42によりバッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断し、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上である場合、第2取得モジュール43によりバッテリパックの温度を取得し、その後、制御サブモジュール44がバッテリパックの温度に基づいて急速充電モードに入るか否かを判定する。
【0055】
図4を参照すると、バッテリパックの温度が第1所定温度T1より高く且つ第2所定温度T2より低い場合、即ち区間(T1,T2)内にある場合、充電器は、急速充電モードに入る。即ち第1充電電流I1でバッテリパックを定電流充電する。バッテリパックの温度が第1所定温度T1以下であり且つ第3所定温度T3以上である場合、又は、第2所定温度T2以上であり且つ第4所定温度T4以下である場合、充電器は、急速充電モードに入らず、普通充電モードを選択する。即ち第2充電電流I2でバッテリパックを定電流充電する。バッテリパックの温度が充電が許容される充電温度範囲を超えた場合、即ちバッテリパックの温度が第3所定温度T3より低い場合、又は、第4の所定温度T4より高い場合、バッテリパックへの充電を禁止し、温度の回復を待ち、温度が回復した後、充電モードを改めて判断する。これにより、バッテリパックの充電安定性が向上し、バッテリパックの適切な温度での急速充電を実現することができる。ここで、一部の例において、第2充電電流I2と第1充電電流I1との関係として、I2の値が「I1/3,3*I1/5」の範囲内にあってもよい。
【0056】
本発明の一実施例によると、図5に示すように、上記掃除機用充電器は、提示モジュール70をさらに含み、制御サブモジュール44は、さらに、バッテリパックの電圧が第1所定電圧より小さい場合、第1充電電流より小さい予備充電電流でバッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、バッテリパックの電圧が依然として第1所定電圧より小さい場合、バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように提示モジュール70を制御する。
【0057】
具体的には、バッテリパックの電圧が第1所定電圧より小さく、例えば12Vである場合、制御サブモジュール44は、予備充電電流、例えば第1充電電流の1/10でバッテリパックを修復充電し、バッテリパックの電圧が所定の時間、例えば30分以内で12Vまで上昇した場合、第2取得モジュール43は、バッテリパックの温度を取得し、制御サブモジュール44は、バッテリパックの温度に基づいてバッテリパックの充電を制御する。予備充電電流でバッテリパックを所定の時間、例えば30分間修復充電した後に、バッテリパックの電圧が依然として第1所定電圧、例えば12Vより小さい場合、制御サブモジュール44は、バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように提示モジュール70を制御する。選択的には、提示モジュール70は、ブザーであってもよい。エラー情報を発信するように提示モジュール70を制御することは、「ピピピ」という音を出すようにブザーを制御することであってもよく、これにより、バッテリパックを交換したり、バッテリパックを修理したりするようにユーザに注意を促す。
【0058】
本発明の実施例において、バッテリパックの充電における安全性及び有効性を確保するために、判断モジュール42は、さらに、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する前に、バッテリパックの電圧に基づいてバッテリパックが使用不能状態にあるか否かを判断し、バッテリパックが使用不能状態にある場合、制御サブモジュール44は、バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように提示モジュール70を制御する。
【0059】
具体的には、バッテリパックの電圧が0であることを検出した場合、バッテリパックにおけるバッテリセルが短絡しており、バッテリパックが使用不能状態にあると判断することができ、この場合、バッテリパックへの充電を停止し、「ピピ、ピピ」という音を出すように提示モジュール70を制御して、バッテリパックを交換したり、バッテリパックを修理したりするようにユーザに注意を与える。
【0060】
さらに、本発明の一実施例によると、制御サブモジュール44は、さらに、第1充電電流でバッテリパックを定電流充電した後、バッテリパックの電圧が第1充電電圧に達した場合、第1充電電圧によりバッテリパックを定電圧充電し、バッテリパックの充電電流が第2充電電流まで低下した場合、第2充電電流でバッテリパックを定電流充電し、第2充電電流でバッテリパックを定電流充電した後、バッテリパックの電圧が第2充電電圧に達した場合、第2充電電圧によりバッテリパックを定電圧充電し、バッテリパックの充電電流が第3充電電流まで低下した後、バッテリパックの充電が完了したと判断する。ここで、第2充電電圧は第1充電電圧より小さく、第3充電電流は第2充電電流より小さい。選択的には、第3充電電流I3は、第1充電電流I1の1/10〜1/5で、例えばI3=I1/10であってもよい。
【0061】
具体的には、図6を参照すると、制御サブモジュール44は、第1充電電流I1でバッテリパックを定電流充電した後、バッテリパックの電圧が第1充電電圧V1に達した場合、第1充電電圧V1によりバッテリパックを定電圧充電する。このとき、充電電流が低下し始める。バッテリパックの充電電流が第2充電電流I2まで低下した場合、第2充電電流I2でバッテリパックを定電流充電する。第2充電電流I2でバッテリパックを定電流充電した後、バッテリパックの電圧が第2充電電圧V2に達した場合、第2充電電圧V2によりバッテリパックを定電圧充電し、バッテリパックの充電電流が第3充電電流I3まで低下した後、バッテリパックの充電が完了したと判断する。
【0062】
なお、本発明の実施例において、I1+V1、I2+V2という二段階のCC+CV充電制御に限らず、必要に応じて、三段階、四段階などのCC+CV充電制御を設定してもよい。
【0063】
当業者が容易に理解できるよう、図7を参照しながら、具体的な一実施例により本発明の実施例における急速充電について説明する。
【0064】
図7に示すように、充電器がバッテリパック(被充電バッテリパック又は被充電掃除機におけるバッテリパック)に接続されてバッテリパックを充電する場合、第1取得モジュール41は、バッテリパックの電圧を取得し、判断モジュール42は、該電圧に基づいてバッテリパックが使用不能か否かを判断する。バッテリパックが使用不能の場合、制御サブモジュール44は、バッテリパックへの充電を停止し、提示モジュール70によりエラーを報告する。バッテリパックが使用不能でなく且つ電圧が第1所定電圧より小さい場合、制御サブモジュール44は、所定充電電流でバッテリパックを修復充電する。所定時間内でのバッテリパックの修復充電に失敗した場合、制御サブモジュール44は、バッテリパックへの充電を停止し、提示モジュール70によりエラーを報告する。バッテリパックが使用不能でなく且つ電圧が第1所定電圧以上である場合、又は、所定時間内でのバッテリパックの修復充電に成功した場合、第2取得モジュール43は、バッテリパックの温度Tを取得する。
【0065】
さらに、図3図5とを参照すると、T1<T<T2の場合、急速充電モードに入る。即ち、制御サブモジュール44は、第1充電電流I1でバッテリパックを定電流急速充電し、バッテリパックの電圧が第1充電電圧V1に達した場合、即ち1回目にCC(定電流)+CV(定電圧)点に達した場合、制御サブモジュール44は、V1によりバッテリパックを定電圧充電する。このプロセスにおいて、充電電流Iが低下し始め、IがI2まで低下した場合、I2でバッテリパックを定電流充電する。バッテリパックの電圧が第2充電電圧V2に達した場合、即ち2回目にCC+CV点に達した場合、制御サブモジュール44は、V2によりバッテリパックを定電圧充電し、バッテリパックの充電電流Iが第3充電電流I3まで低下した後、バッテリパックの充電が完了したと判断する。
【0066】
バッテリパックの温度TがT3≦T≦T1、又は、T2≦T≦T4を満たす場合、普通充電モードに入る。即ち、制御サブモジュール44がI2でバッテリパックを定電流充電する。このプロセスにおいて、T1<T<T2である場合、上記急速充電モードに入る。
【0067】
バッテリパックの温度TがT<T3、又はT>T4を満たす場合、充電待ちモードに入り、バッテリパックの温度がT3≦T≦T4を満たした場合、制御サブモジュール44は、温度Tに基づいて対応する充電モードに入る。
【0068】
なお、急速充電モードに入った後に、バッテリパックの温度TがT1<T<T2を満たさない場合、制御サブモジュール44は、Tに基づいて対応する充電モードに入る。
【0069】
これにより、上記充電プロセスを通じて、バッテリパックの急速充電を保証することができ、充電時間が短縮されるとともに、充電プロセスの安全性が高く、信頼性が高くなり、掃除機の使用利便性の向上とユーザ体験の向上に寄与する。
【0070】
さらに、本発明の一実施例によると、図8に示すように、上記掃除機用充電器は、複数の遮断制御モジュール80をさらに含み、複数の遮断制御モジュール80における各遮断制御モジュールが各充電制御モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続され、制御サブモジュール44は、該当する遮断制御モジュールを制御することにより、バッテリパックへの充電を停止させる。
【0071】
具体的には、バッテリパックを充電するプロセスにおいて、バッテリパックの電圧が第1所定電圧より小さい場合、制御サブモジュール44は、先ず、予備充電電流でバッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、バッテリパックの電圧が依然として第1所定電圧より小さい場合、制御サブモジュール44は、バッテリパックへの充電を停止する。この場合、制御サブモジュール44は、該バッテリパックに対応する遮断制御モジュール(例えばリレーなど)を制御することにより、バッテリパックへの充電を停止させ、エラー情報を発信するように提示モジュール70を制御することができる。バッテリパックが使用不能状態にある場合、制御サブモジュール44は、該バッテリパックに対応する遮断制御モジュールを制御することにより、バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように提示モジュール70を制御することができる。これにより、バッテリパックが破損された状況で引き続きバッテリパックを充電することによる安全問題を効果的に防ぐことができ、充電及び機器全体の安全性を効果的に向上させる。バッテリパックの充電が完了した場合、制御サブモジュール44は、該バッテリパックに対応する遮断制御モジュールを制御することにより、バッテリパックへの充電を停止することができる。これにより、バッテリパックが満充電の状況で引き続きバッテリパックを充電することによるバッテリパック使用寿命の減少及びエネルギー消耗の増加という問題を効果的に防ぐことができる。
【0072】
さらに、上記掃除機用充電器は、通信モジュール(具体的に図示せず)をさらに含み、通信モジュールは第1取得モジュール41及び第2取得モジュール43にそれぞれ接続され、第1取得モジュール41は、通信モジュールによりバッテリパックの電圧を取得し、第2取得モジュール43は、通信モジュールによりバッテリパックの温度を取得する。
【0073】
また、充電プロセスにおいて、さらに、通信モジュールにより、充電プロセスにおけるバッテリパックのその他の状態情報、例えばバッテリパックにおけるバッテリセルの電圧、バッテリセル間の電圧差などを受信して制御サブモジュール44に送信することができる。制御サブモジュール44は、充電プロセスにおけるバッテリパックの状態情報に基づいてバッテリパックに異常が発生したか否かを判断する。例えば、バッテリパックの温度が安全温度閾値より高い場合、又は、温度上昇率が一定の値より高い場合に、バッテリパックに異常が発生したと判断する。制御サブモジュール44がバッテリパックに異常が発生したと判断した場合、バッテリパックへの充電を停止するように遮断制御モジュールを制御する。これにより、バッテリパックが破損された状況で引き続きバッテリパックを充電することによる安全問題を効果的に防ぐことができ、充電及び機器全体の安全性を効果的に向上させる。
【0074】
本発明の実施例において、通信モジュールは、CAN通信モジュールと、RS232通信モジュールと、RS485通信モジュールとのうち一種又は複数種類を含みうる。
【0075】
具体的には、理論上、通信モジュールは、有線通信モジュールであっても、又は無線通信モジュールであってもよいが、掃除機の回転速度が比較的高く、高い回転速度は、無線信号に影響を与えることになるため、本発明では、有線通信モジュールの使用が好ましく、CAN通信モジュールの耐干渉能力がRS232通信モジュール及びRS485通信モジュールと比べてより優れているため、充電プロセスにおけるバッテリパックの状態情報を受信するように、CAN通信モジュールを用いて通信を行うことがより好ましい。
【0076】
さらに、本発明の一実施例によると、通信モジュールは、バッテリパックのバッテリマネージャーと通信することで、充電プロセスにおけるバッテリパックの状態情報を受信する。
【0077】
具体的には、通常、バッテリパックを充放電する場合にバッテリパックの状態情報を管理するために、各バッテリパックに一つのバッテリマネージャーが配置される。例えば、バッテリパックを充電する場合、バッテリマネージャーは、バッテリパックの各バッテリセルをリアルタイムに監視して、バッテリセルの電圧と、バッテリパック全体の電圧及び電荷量とを取得すると同時に、バッテリパックに設けられる温度検出モジュール(例えばサーモバルブ)によりバッテリパックの表面温度などを取得する。その後、バッテリマネージャーは、検出されたバッテリパックの状態情報を通信モジュールに送信する。
【0078】
ここで、データの伝送を実現するために、バッテリマネージャーには第2通信モジュールがさらに接続されており、該通信モジュールが充電器における通信モジュールとマッチングしている。バッテリマネージャーは、第2通信モジュールの信号出力端を介してバッテリパックの状態情報を通信モジュールに送信する。通信モジュールの信号受信端が該状態情報を受信し、その後、該状態情報を制御モジュール40に転送する。
【0079】
本発明の別の実施例によると、通信モジュールは、掃除機のメインコントロールパネル(例えばMCU)と通信することにより、充電プロセスにおけるバッテリパックの状態情報を受信する。
【0080】
具体的には、被充電掃除機を充電する場合、掃除機のメインコントロールパネルは、バッテリマネージャーと通信することにより、バッテリパックの状態情報を受信してもよいし、例えば、バッテリパックに設けられるバッテリ温度検出ユニット(例えばサーモバルブ)によりバッテリパックの表面温度を取得したり、バッテリ電圧検出モジュールによりバッテリパックにおける各バッテリセルの電圧と、バッテリパック全体の電圧及び電荷量とを検出するなど、しかるべき検出ユニットによりバッテリパックの状態情報を直接検出してもよい。その後、掃除機のメインコントロールパネルは、検出されたバッテリパックの状態情報を通信モジュールに送信する。例えば、メインコントロールパネルは、第3通信モジュールの信号出力端を介してバッテリパックの状態情報を通信モジュールに送信し、通信モジュールの信号受信端が該状態情報を受信し、その後、該状態情報を制御モジュール40に転送する。
【0081】
さらに、本発明の実施例において、バッテリパックを充電するプロセスにおいて、充電制御モジュールによって出力される充電電圧及び充電電流に対して、異常検出を行うことができる。
【0082】
本発明の一実施例によると、図9に示すように、上記掃除機用充電器は、複数の充電電圧検出モジュール90をさらに含む。複数の充電電圧検出モジュール90における各充電電圧検出モジュールは、各遮断制御モジュールと各第1充電インターフェースとの間に対応して設けられ、且つ制御サブモジュール44に接続される。充電電圧検出モジュールは、第1充電インターフェースの充電電圧を検出する。制御サブモジュール44は、第1充電インターフェースの充電電圧に異常が発生した場合、遮断制御モジュールを制御することにより、バッテリパックへの充電を停止させる。
【0083】
つまり、遮断制御モジュールと第1充電インターフェースとの間の充電回路に一つの充電電圧検出モジュール、例えば分圧抵抗器によって構成される検出回路が設けられて、充電プロセスにおいて充電制御モジュールによって出力される電圧値をリアルタイムに検出する。該電圧値が安全閾値を超えた場合、制御サブモジュール44は、現在、過電圧状態にあると判断し、この場合、バッテリパックへの充電を停止するように遮断制御モジュールを制御し、これにより、過電圧でバッテリパックを充電することを回避する。
【0084】
さらに、図9に示すように、上記掃除機用充電器は、複数の充電電流検出モジュール100をさらに含む。複数の充電電流検出モジュール100における各充電電流検出モジュールは、各遮断制御モジュールと各第1充電インターフェースとの間に対応して設けられ、且つ制御サブモジュール44に接続される。充電電流検出モジュールは、第1充電インターフェースの充電電流を検出する。制御サブモジュール44は、第1充電インターフェースの充電電流に異常が発生した場合、遮断制御モジュールを制御することにより、バッテリパックへの充電を停止させる。
【0085】
つまり、バッテリパックの充電回路に一つの充電電流検出モジュール、例えばサンプリング抵抗器によって構成される検出回路が設けられて、充電プロセスにおいて充電制御モジュールによって出力される電流値をリアルタイムに検出する。該電流値が安全閾値を超えた場合、制御サブモジュール44は、現在、過電流状態にあると判断し、この場合、バッテリパックへの充電を停止するように遮断制御モジュールを制御し、これにより、過電流条件でバッテリパックを充電することを回避する。
【0086】
これにより、バッテリパックを充電するプロセスにおいて、バッテリパックに満充電又は異常が発生した場合に、遮断制御モジュールを制御してバッテリパックの充電を適時に停止することにより、充電器の安全性を向上させることができるだけでなく、エネルギーの消耗を低減させ、エネルギーを節約することもできる。
【0087】
また、急速充電は、大電流I1で充電し、充電の電力が大きいため、充電器とバッテリパックとの発熱が大きく、温度の上昇が高く、充電のプロセスにおいて、充電の信頼性及び安全性に影響を与える。このため、急速充電は、充電器、バッテリパックなどを含む充電システム全体に対して必要な放熱を行い、急速充電の信頼性及び安全性を保証する必要がある。しかし同時に、充電式掃除機の効率及び作動時間に対する消費者の要求も益々高くなっている。バッテリパックは、通常、温度制御に対する要求が厳しく、ある温度より高い場合、放電を停止しなければならず、増大するエネルギー密度及び効率の高い吸塵に対するニーズは、バッテリパックの発熱と矛盾している。関連技術において、バッテリパックは、自然放熱が主体となっており、放熱効果が悪く、且つ効率が低く、掃除機の性能のニーズを満たすことができない。そのため、バッテリパックの大電流による持続的充電及び大電流による持続的放電を如何に保証するかは、掃除機分野のボトルネックとなっている。
【0088】
本発明の一実施例によると、図10図13に示すように、バッテリパック200は、ハウジング210と、バッテリ220と、放熱アセンブリ230と、を含んでもよい。バッテリ220がハウジング210内に位置し、放熱アセンブリ230がハウジング210内に位置し、放熱アセンブリ230がバッテリ220を放熱させることができる。なお、ハウジング210に内チャンバ240が形成され、バッテリ220と放熱アセンブリ230とが内チャンバ240内に位置してもよい。バッテリ220が掃除機に電力供給する場合、又はバッテリ220を充電する場合、バッテリ220の温度が上昇し、熱を発生する。放熱アセンブリ230は、内チャンバ240を放熱及び降温させることにより、バッテリ220を適切な温度範囲内で作動させ、バッテリ220の性能を最大限に発揮させることができ、さらにはバッテリ220の使用寿命を向上させ、掃除機の作動時間及び作動効率を向上させ、また急速充電の信頼性及び安全性を保証することができる。また、急速放熱は、バッテリ220の使用後の充電待ち時間を減少させることもできる。
【0089】
なお、ハウジング210の具体的な形状は限定されず、直方体、立方体又は円錐台などの形状であってもよい。さらに、バッテリ220は、リチウムイオンバッテリでありうる。リチウムイオンバッテリは、充電バッテリの一種であり、主にリチウムイオンが正極と負極との間で移動することにより作動する。リチウムイオンバッテリは、高いエネルギー密度が益々高くなってきており、且つ容量が大きく、放電が長く持続するため、掃除機分野に適用されると、掃除機の作動時間を大幅に向上させることができる。また、リチウムイオンバッテリは、体積が小さく、占有スペースが小さく、掃除機の小型化と美しい外観に寄与する。
【0090】
本発明の一部の実施例によると、図10図11及び図13に示すように、ハウジング210の対向する二つの側壁はそれぞれ第1側壁212及び第2側壁214であり、第1側壁212は第1貫通孔211を有し、第2側壁214は第2貫通孔213を有し、第1貫通孔211と第2貫通孔213とが対向する。バッテリ220と放熱アセンブリ230とは、いずれも第1側壁212と第2側壁214との間に位置する。
【0091】
なお、ハウジング210は、対向する二つの側壁を有し、それぞれが第1側壁212と第2側壁214である。バッテリ220と放熱アセンブリ230とは、いずれも第1側壁212と第2側壁214との間に位置することができる。第1側壁212に第1貫通孔211が設けられ、第1貫通孔211は、ハウジング210の内チャンバ240と外部とを連通させることができる。第2側壁214に第2貫通孔213が設けられ、第2貫通孔213は、ハウジング210の内チャンバ240と外部とを連通させることができる。第1貫通孔211と第2貫通孔213とは対向して設けられる。
【0092】
例えば、本発明の一部の例において、図10図11及び図13に示すように、ハウジング210の断面は矩形である。バッテリ220と放熱アセンブリ230とが矩形の上下(図10図11及び図13に示す上下)二つの対向する側辺間に位置し、且つ上下二つの側辺上の真向かいの位置のところに、矩形の貫通孔がそれぞれ設けられる。
【0093】
これにより、内チャンバ240内の空気は、第1貫通孔211と第2貫通孔213とを介して外部の空気と連通することができ、これにより、内チャンバ240内の空気と外部の空気との熱交換効率を向上させることができ、さらにはバッテリパック200の放熱と冷却に寄与する。なお、ここで言及される「外部」とは、ハウジング210の、内チャンバ240に対する外部(図10に示す外)を指し、外部の空間を指してもよいし、掃除機内の他の構成スペース、例えば通風路を指してもよい。
【0094】
図10図11及び図13に示すように、本発明の一部の実施例において、第1側壁212から第2側壁214への方向に、バッテリ220と放熱アセンブリ230とが並列に設けられる。例えば、本発明の一実施例において、図10図11及び図13に示すように、第1側壁212から第2側壁214までの方向上で、即ち図10図11及び図13に示す上下方向上で、放熱アセンブリ230がバッテリ220の真上に位置し、放熱アセンブリ230が第2側壁214に隣接し、バッテリ220が第1側壁212に隣接する。これにより、バッテリ220に対する放熱アセンブリ230の作用範囲及び作用効果を向上させることができ、これによりバッテリパック200の温度を下げることができる。
【0095】
さらに、第1貫通孔211から第2貫通孔213への方向に、バッテリ220と放熱アセンブリ230とが並列に設けられる。よりさらに、第1貫通孔211の中心と、第2貫通孔213の中心と、バッテリ220の中心と、放熱アセンブリ230の中心とが、同一線上にある。これにより、放熱の効果を向上させることができる。
【0096】
図10図11及び図13に示すように、本発明の一部の例において、第1貫通孔211と第2貫通孔213とは、いずれも複数あり、且つ複数の第1貫通孔211と複数の第2貫通孔213とが一対一に対応する。なお、第1側壁212に複数の第1貫通孔211が設けられ、第2側壁214に複数の第1貫通孔211に対向する複数の第2貫通孔213が設けられる。これにより、複数の第1貫通孔211と複数の第2貫通孔213とはいずれもハウジング210の内チャンバ240とハウジング210の外部とを連通させて、空気の熱交換率を向上させることができる。さらに、複数の第1貫通孔211は第1側壁212に均一に分布している。これにより、内チャンバ240内における異なる領域の空気とハウジング210の外部空気との熱交換を均一化することができ、内チャンバ240内の温度が部分的に高くなりすぎるという状況が回避される。
【0097】
本発明の実施例において、放熱アセンブリ230は、風車と、放熱フィンと、放熱シリカゲル層と、半導体放熱部材と、相変化材料とのうち少なくとも一種を含む。
【0098】
本発明の一部の実施例によると、図10に示すように、放熱アセンブリ230は、風車231(又は放熱ファン)であってもよい。バッテリパック200が掃除機に挿入されて作動する場合、風車231は、内チャンバ240内で流動する空気を形成することができ、流動する空気は、第1貫通孔211と第2貫通孔213とを通ることができるため、バッテリ220の放熱を加速することができ、バッテリ220が急速放電の場合に直ちに温度保護に入らないようにすることができ、バッテリ220の放電時間を延長させ、掃除機の作動時間を延長させることができる。
【0099】
本発明の別の一部の実施例によると、図11に示すように、放熱アセンブリ230は、放熱フィン232であってもよい。放熱フィン232の一端がバッテリ220に接続され、放熱フィン232の他端がハウジング210に向かって延伸する。なお、放熱フィン232の一端がバッテリ220と直接接触し、放熱フィン232の他端がハウジング210の側壁に向かって延伸する。例えば、図10に示すように、放熱フィン232の一端がバッテリ220に接続され、放熱フィン232の他端が第2側壁214に向かって延伸する。
【0100】
放熱フィン232は、発熱しやすい電子素子の放熱装置であり、アルミニウム合金、黄銅又は青銅などの材料によって構成することができる。バッテリ220が作動して発熱した場合、熱を放熱フィン232に速く伝導することができる。放熱フィン232は、熱をハウジング210の側壁に近い空気に伝導することができるため、バッテリ220自身の温度をそれほど速く上昇させないとともに、充電時にバッテリ220を冷却する待ち時間を短縮させることができる。
【0101】
本発明の更なる実施例によると、図11に示すように、放熱フィン232の他端に、間隔をあけた複数の溝233を有する。つまり、放熱フィン232のバッテリ220から離れた一端に、間隔をあけた複数の溝233が設けられる。これにより、バッテリパック200内の空気量を増加させることができ、放熱フィン232の熱が、溝233内の空気を介して外部に伝導されるため、熱交換の効率を向上させることができる。さらに、複数の溝233が均一に分布しているため、放熱フィン232と空気との熱交換率を均一化することができる。なお、溝233の形状は具体的に限定されず、矩形、U形又は弧形などであってもよい。
【0102】
本発明の更なる一部の実施例によると、図12に示すように、放熱アセンブリ230は、バッテリ220の外周を被覆する放熱シリカゲル層234であってもよい。放熱シリカゲルは、低熱抵抗性及び高熱伝導性、高柔軟性である熱伝導材料である。該材料が有する高柔軟性は、バッテリ220への圧力を減少させることができるとともに、バッテリ220の平らではない表面を被覆できるため、バッテリ220が放熱シリカゲル層234と充分に接触して熱伝導効率を向上させことができ、バッテリパック200のスペースが制限される熱伝導ニーズを満たすことができる。バッテリパック200が作動して、温度がある値まで上昇した場合、放熱シリカゲル層234の形態変化を利用してバッテリ220の吸熱を実現することができ、大量の熱を放熱シリカゲル層234に保存し、バッテリ220の温度を低下させることができる。
【0103】
本発明の別の一部の実施例によると、図13に示すように、放熱アセンブリ230は、半導体放熱部材235であってもよい。半導体放熱部材235は信頼性が高く、冷媒による汚染がなく、スペースが制限される場合に適用可能である。半導体材料のPeltier効果を利用して、直流電流が、直列接続された二つの異なる半導体材料からなる電気双極子を通過する場合、電気双極子の両端でそれぞれ熱を吸収すること、及び熱を放出することができる。電気双極子の熱を吸収する一端がバッテリパック200内に設けられ、半導体を利用した冷却により、バッテリ220の熱を吸収し、降温の目的を達成することができる。
【0104】
本発明のさらなる一部の実施例によると、放熱アセンブリ230は、相変化材料であってもよい。相変化材料は、バッテリ220の表面を被覆して、バッテリ220が放出する熱を吸収することができる。
【0105】
図10図13に示すように、本発明の一部の例によると、バッテリ220は、間隔をあけて複数ある。つまり、複数のバッテリ220は、第1側壁212と第2側壁214との間に間隔をあけて配置される。例えば、本発明の一実施例において、図10図13に示すように、第1側壁212と第2側壁214との間に、且つ第1側壁212が延伸する方向に平行な方向に、複数のバッテリ220が順次配列され、且つ複数のバッテリ220の間隔が均一である。これにより、バッテリパック200の容量を向上させ、バッテリパック200の放電時間を延長させることができ、掃除機の使用時間を向上させることができる。
【0106】
これにより、バッテリパックのハウジング内に放熱アセンブリを設けることにより、バッテリによって発生した熱を放熱処理し、バッテリパック内の温度を低下させることができ、バッテリを適切な温度範囲内で作動させ、バッテリの性能を最大限に発揮させることができ、バッテリの使用寿命を向上させ、掃除機の作動時間及び作動効率を向上させ、急速充電の信頼性及び安全性を保証することができる。同時に、急速放熱は、さらに、バッテリ220の使用後の充電待ち時間を減少させることもできる。
【0107】
さらに、本発明の一部の実施例において、バッテリパック200は掃除機の通風路内に位置する。これにより、掃除機における通風路と内チャンバ240内の空気を利用して対流通路を形成し、空気の流動速度を加速させることができ、これにより、内チャンバ240内の空気と通風路内の空気との熱交換率を向上させ、バッテリパック200の放熱効率を向上させることができる。
【0108】
また、充電器を放熱させる場合、放熱フィンと、風車と、半導体放熱部材とのうち一種により放熱することができる。ここで、放熱フィンは大電力の発熱素子と接触し、発熱素子の熱を吸収し、放射伝熱を行う。風車は、充電器内に設けられ、大電力の発熱素子を対流放熱させることができる。半導体放熱部材は、大電力の発熱素子に隣接する位置に設けられ、大電力の発熱素子の熱を吸収することができる。これにより降温の目的を達成し、急速充電の信頼性及び安全性を保証することができる。
【0109】
以上により、本発明の実施例に係る掃除機用充電器は、掃除機、バッテリパックなど異なるタイプの被充電装置の充電ニーズを実現し、ユーザ体験の向上に寄与することができるだけでなく、バッテリパックの急速充電を保証し、バッテリパックの充電時間を短縮させることもでき、しかも充電プロセスにおける安全性が高く、信頼性が高く、掃除機の使用利便性の向上とユーザ体験の向上に寄与する。また、バッテリパックに満充電又は異常が生じた場合、遮断制御モジュールが、バッテリパックへの充電を停止することにより、充電器の安全性を向上させることができるほか、エネルギー消耗を低減させ、エネルギーを節約することができる。それに、バッテリパックのハウジング内に放熱アセンブリを設けることにより、バッテリによって発生した熱を放熱処理し、バッテリパック内の温度を低下させることができるため、バッテリを適切な温度範囲内で作動させ、バッテリの性能を最大限に発揮させることができ、バッテリの使用寿命を向上させ、掃除機の作動時間及び作動効率を向上させることができる。同時に、急速放熱は、使用後の充電待ち時間を減少させることができる。
【0110】
さらに、本発明は、掃除機用充電器の急速充電制御方法をさらに提案する。
【0111】
本発明の実施例において、図1を参照し、掃除機用充電器は、複数の第1充電インターフェースと、整流モジュールと、複数の充電制御モジュールと、を含み、ここで、複数の第1充電インターフェースは、掃除機に対応する機器充電インターフェースと、バッテリパックに対応するバッテリ充電インターフェースと、を少なくとも含む。整流モジュールの入力端が交流電源に接続され、整流モジュールは、交流電源によって出力される交流電流を受電し、交流電流を整流処理して直流電流を出力する。複数の充電制御モジュールにおける各充電制御モジュールが整流モジュールの出力端と各第1充電インターフェースとの間に対応して接続される。
【0112】
図14は、本発明の実施例に係る掃除機用充電器の急速充電制御方法のフローチャートである。図14に示すように、該掃除機用充電器の急速充電制御方法は、掃除機用充電器が通電した後、各第1充電インターフェースに被充電バッテリパック及び/又は被充電掃除機を含む、被充電装置が接続されているか否かを識別するS101と、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、被充電装置のパラメータを取得するS102と、被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行うS103と、を含む。
【0113】
本発明の実施例において、いかなる充電期間においても、一つの第1充電インターフェースに対応する被充電装置に対してのみ充電制御を行う。
【0114】
具体的には、被充電バッテリパックのみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、被充電バッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、被充電バッテリパックのパラメータが正常である場合、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電バッテリパックへの充電制御を行う。被充電掃除機のみが第1充電インターフェースに接続されていると識別した場合、制御モジュールは、被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常であるか否かを判断し、被充電掃除機におけるバッテリパックのパラメータが正常である場合、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電掃除機への充電制御を行う。被充電バッテリパック及び被充電掃除機がそれぞれ第1充電インターフェースに接続されていることを識別した場合、制御モジュールは、被充電掃除機への充電制御を優先的に行い、被充電掃除機の充電が完了した後、被充電バッテリパックへの充電制御を行う。
【0115】
ここで、被充電装置のパラメータは、被充電装置の温度及び電圧を含む。具体的には、被充電装置が被充電バッテリパックである場合、被充電装置のパラメータは、被充電バッテリパックの温度及び電圧を含み、被充電装置が被充電掃除機である場合、被充電装置のパラメータは、被充電掃除機におけるバッテリパックの温度及び電圧を含む。
【0116】
さらに、本発明の一実施例によると、被充電装置のパラメータに基づいて、該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行うステップは、バッテリパックの電圧を取得するステップと、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断するステップと、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上である場合、バッテリパックの温度を取得するステップと、バッテリパックの温度に基づいてバッテリパックへの充電制御を行うステップと、を含む。
【0117】
さらに、バッテリパックの温度に基づいてバッテリパックへの充電制御を行うステップは、バッテリパックの温度を判断するステップと、バッテリパックの温度が第1所定温度より高く且つ第2所定温度より低い場合、第1充電電流でバッテリパックを定電流充電するステップと、バッテリパックの温度が第1所定温度以下であり且つ第3所定温度以上である場合、又は、バッテリパックの温度が第2所定温度以上であり且つ第4所定温度以下である場合、第1充電電流より小さい第2充電電流でバッテリパックを定電流充電するステップと、バッテリパックの温度が第3所定温度より低い場合、又は、バッテリパックの温度が第4所定温度より高い場合、バッテリパックへの充電を禁止するステップと、を含む。
【0118】
本発明の一実施例によると、バッテリパックの電圧が第1所定電圧より小さい場合、第1充電電流より小さい予備充電電流でバッテリパックを修復充電し、所定の時間が経過した後、バッテリパックの電圧が依然として第1所定電圧より小さい場合、バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように掃除機を制御する。
【0119】
本発明の一実施例によると、さらに、バッテリパックの電圧が第1所定電圧以上であるか否かを判断する前に、バッテリパックの電圧に基づいてバッテリパックが使用不能状態にあるか否かを判断し、バッテリパックが使用不能状態にある場合、バッテリパックへの充電を停止し、エラー情報を発信するように掃除機を制御する。
【0120】
本発明の一実施例によると、第1充電電流でバッテリパックを定電流充電した後、バッテリパックの電圧が第1充電電圧に達した場合、第1充電電圧によりバッテリパックを定電圧充電し、バッテリパックの充電電流が第2充電電流まで低下した場合、第2充電電流でバッテリパックを定電流充電し、また、第2充電電流でバッテリパックを定電流充電した後、バッテリパックの電圧が第1充電電圧より小さい第2充電電圧に達した場合、第2充電電圧によりバッテリパックを定電圧充電し、バッテリパックの充電電流が第2充電電流より小さい第3充電電流まで低下した後、バッテリパックの充電が完了したと判断する。
【0121】
なお、本発明の実施例に係る掃除機用充電器の急速充電制御方法のその他の具体的な実施形態は、本発明の上記実施例の掃除機用充電器の具体的な実施形態を参照することができる。
【0122】
本発明の実施例に係る掃除機用充電器の急速充電制御方法は、掃除機用充電器が通電した後、各第1充電インターフェースに被充電装置が接続されているか否かを識別し、いずれかの第1充電インターフェースに被充電装置が接続されていると識別した場合、被充電装置のパラメータを取得し、さらに被充電装置のパラメータに基づいて該第1充電インターフェースに対応する充電制御モジュールにより被充電装置への充電制御を行う。これにより、掃除機、バッテリパック等異なるタイプの被充電装置の充電ニーズを実現することができ、ユーザ体験の向上に寄与する。
【0123】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実現される。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに保存され且つ適切なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアにより、実現することができる。例えば、ハードウェアにより実現される場合は、他の実施形態における場合と同じく、本分野で公知の、データ信号のロジック機能を実現するための論理ゲート回路を備えた離散論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を備えた専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの技術のうちいずれか一つ又はこれらの組み合わせにより実現することができる。
【0124】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいており、本発明を便利に又は簡単に説明するために使用されるものであって、その装置又は部品が必ず特定の方位を有していたり、特定の方位において構成、操作されることを指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはならない。
【0125】
なお、「第1」、「第2」の用語は、単に目的を説明するためのものであり、相対的重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に指示すると理解してはならない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は少なくとも一つの当該特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、少なくとも二つ、例えば、二つ、三つなどを意味する。
【0126】
本発明の説明において、別途明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体化することでもよい。機械的な接続や、電気的な接続でもよい。直接的接続や、中間媒体を介しての間接的接続でもよい。二つの部品の内部が連通することや、あるいは二つの部品の相互作用関係でもよい。当業者であれば、具体的な状況によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0127】
本発明において、別途明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にある場合、第1特徴と第2特徴とが直接接触してもよいし、又は第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にある場合、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあってもよいし、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にある場合、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあってもよいし、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表してもよい。
【0128】
本発明の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参照した説明は、該実施例或いは例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本発明の少なくとも一実施例或いは例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例に対するものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか一つ或いは複数の実施形態又は例において適切に結合することができる。なお、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例を、異なる実施例又は例の特徴と結合し、組み合わせることができる。
【0129】
以上に、本発明の実施例を示して説明したが、なお、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解してはならない。当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、取り替え及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14