【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、キャップが旋回により取り外されるときに分離されるように構成されたタンパー要素を備えるキャップと、首部を有する飲み口であって、この首部は、キャップが旋回により取り外されるときに首部から分離されるように構成された膜を備えている飲み口とを使用することにより、キャップを旋回して取り外すときに2つの異なるプロセスが実施されることが認識された。パッケージ製品は、この膜が首部から分離されない限り安全な状態を維持するので、キャップ及び飲み口は、膜が首部から分離される前にタンパー要素がキャップから分離されること、すなわち膜を首部から分離するプロセスの前にタンパー要素をキャップから分離するプロセスが実施されるように構成されることができる。これには、タンパー・エビデンスの信頼性を非常に高くすることができるという利点がある。
【0007】
また一般に、カートン・ベース・ラミネート(又はボール紙ベースの積層体)のスリーブを形成し、膜を備える飲み口を成形することによりスリーブの第1の端部を閉じ、スリーブの第2の端部に製品を充填し、スリーブの第2の端部を密封することによって、閉じられたパッケージの食品安全性が非常に良好になること、すなわち、望ましくない物体がパッケージ内に入って製品に影響を与えるリスクが非常に低減されることが認識された。これらの食品安全性が良好になる1つの理由は、製品で充填されるときにパッケージが逆さまに維持されることであり、これには、飲み口が完全に閉じられていなければ、十分に閉じられてない飲み口領域を通って製品が流出するというプラス効果がある。したがって、飲み口の状態が不十分であることが原因で食品安全性が良好ではないようなパッケージを確認することができる。膜を飲み口に適用するのを後で行うケース、すなわちPETボトルのようにパッケージを製品で充填した後で膜を適用するケースでは、充填されているときはパッケージが底を下にして維持されることから、膜と飲み口との間の密封状態が不十分であることを確認することが容易ではなくなる。したがって、製品を入れる前に膜を含めて飲み口を一体に製造することにより、食品安全性の状態が向上する。
【0008】
また、弾性切断要素を備えるキャップを使用することにより、キャップを飲み口に適用するときに飲み口は影響を受けなくなる。したがって、このようなキャップを使用することにより良好な食品安全性の状態を維持することができる。さらに、キャップの適用を後で行うことにより、多様なキャップを同じ飲み口に適用することができるようになることから、より柔軟性の高いシステムが得られるようになり、それにより、飲み口を変更することなく製品を差別化することが可能となり、また、機械の設定を変更することも減る。
【0009】
良好な食品安全性が得られることとは別に、消費される食品に真に信頼性があることを示すことも重要である。より具体的には、タンパー要素がキャップに取り付けられている限りは良好な食品安全性の状態が維持されることが重要である。したがって、飲み口の膜が切り離される前にキャップに取り付けたタンパー要素が破断するようにキャップを適用することにより、タンパー要素がキャップに完全な形で取り付けられている限りパッケージは閉じられていることから、消費される食品が真に有効であることが示される。反対に、膜が使用されない場合、又は、後で適用される膜が使用される場合、キャップがわずかに開いてもタンパー要素はキャップに取り付けられたままで製品内に望ましくない物体が入るための隙間ができることから、望ましくない物体が製品内に入る可能性が生じる。これは、弾性のタンパー要素の突出部が使用されるか否かに特に関連する。というのは、このようなタンパー・エビデンスによる解決策は、キャップがわずかに旋回されて取り外されていても影響を受けない可能性があるからである。したがって、このことを考慮して、キャップは、膜が完全に切り離される前にタンパー要素が良好に解放され、それにより真の食品安全性が示されるように作ることができる。
【0010】
容易に理解され得るように、膜の切り離しプロセスが開始される前に、タンパー要素が完全に解放される必要はない。言い換えると、キャップの残りの部分からのタンパー要素の解放プロセスが消費者によって確認されるくらいの状態になった後で膜の切り離しプロセスが開始される限りにおいては、良好な食品安全性が実現される。
【0011】
第1の観点によると、キャップが提供される。このキャップは飲み口と相互作用するように構成される。このキャップは、頂部セクションと、この頂部セクションに取り付けられた側壁セクションと、引裂き境界部で側壁セクションに取り付けられたタンパー要素であって、引裂き境界部にウィーク・ラインが設けられ、このウィーク・ラインは、上記キャップが旋回により取り外されるときに破断するように構成され、それによって上記タンパー要素が上記側壁セクションから分離されるタンパー要素と、上記側壁に構成される少なくとも1つの弾性の切断要素であって、上記キャップが旋回により取り外されるときに上記飲み口の膜を切り離すように構成された少なくとも1つの弾性の切断要素とを有しており、上記ウィーク・ラインは、上記キャップが上記飲み口から旋回により取り外されるときに上記飲み口の上記膜が切り離される前に破断するように構成されている。
【0012】
このキャップは一体に成形されてもよい。
【0013】
このタンパー要素はタンパー・リングであってもよい。
【0014】
タンパー要素突出部が上記タンパー要素に取り付けられてもよい。この利点は、キャップが旋回されて取り外されるときに、タンパー要素がキャップの残りの部分に連結されたままになることを防止できることである。さらに、このタンパー要素突出部は弾性であってよく、したがってタンパー要素は、最初にキャップが飲み口上に適用されるときに飲み口のタンパー要素フランジを越えて引っ張られ得る。
【0015】
キャップはポリプロピレンで作られてよい。ポリプロピレンは高密度ポリエチレン(High Density PolyEthylene(HDPE))より硬いことから、ポリプロピレンで作られるキャップは有利にはHDPEで作られる飲み口と共に使用され得る。
【0016】
第2の観点によると、キャップと相互作用するように構成された飲み口が提供される。この飲み口は、膜と、切り離し領域で上記膜に取り付けられる首部であって、上記膜は、膜突出部が形成されるように上記首部の外側に延び、膜突出部は、上記キャップが旋回により取り外されるときに上記キャップの少なくとも1つの弾性の切断要素を径方向内側に向けるように構成され、それにより上記膜が上記首部から分離され得るようになされた首部と、上記キャップのタンパー要素が上記キャップと共に旋回により取り外されるのを防止するように構成されたタンパー要素保持部とを有しており、上記飲み口は、上記キャップが上記飲み口から旋回により取り外されるときに上記膜が上記首部から分離される前に上記タンパー要素が上記キャップの側壁から分離されるように構成されている。
【0017】
この飲み口は一体に成形されてもよい。飲み口を一体に成形することの利点は、より安全性の高いパッケージが得られることである。例えば、望ましくない物体が頂部を介してパッケージに入るリスクが減少する。
【0018】
飲み口は、上記キャップが旋回されて取り外されるときに上記キャップのタンパー要素が上記キャップの残りの部分に連結されたままになることを防止するためのタンパー要素フランジを有していてもよい。
【0019】
飲み口はHDPEで作られてもよい。HDPEで作られた飲み口を使用することの利点は、飲み口内に弾性のより高い材料が存在することで流動物が外部状態の影響を受けにくくなり、それによりこの飲み口を備えるボトル内で保管される流動物の貯蔵寿命が延びることである。より具体的には、HDPEで作られた飲み口は、例えば低密度ポリプロピレン(Low Density PolyPropylene(LDPE))で作られた飲み口より酸素透過率(OTR)が低く、これには、この飲み口を備えるボトル又はパッケージに飲み口を介して入る酸素が減少するというプラス効果があり、それにより、ボトル又はパッケージ内の流動物がより長期間保管され得るようになり、安全ではない状態で消費されないようになるという効果が得られる。
【0020】
HDPEで作られた飲み口を使用することの別の利点は、よりロバスト性の高いパッケージが得られることであり、これには、HDPEで作られた飲み口を備えるパッケージ又はボトルを互いの上により多く積み重ねることができるようになるという効果がある。
【0021】
本発明の第3の観点によると、ボトルが提供される。このボトルは、第1の観点によるキャップと、第2の観点による飲み口とを有する。
【0022】
ボトルは、カートン・ベース・ラミネートで作られた本体セクションと、プラスチックで作られた頂部セクションとを有していてよく、頂部セクションは上記飲み口を有する。
【0023】
第4の観点によると、第1の観点によるキャップを第2の観点による飲み口に適用するための方法が提供される。この方法は、上記キャップの上記少なくとも1つの弾性切断要素が上記膜突出部を越えて引っ張られ得るように、上記キャップを上記飲み口に適用するステップを含む。
【0024】
第5の観点によると、流動物をボトル内にパッケージングするための方法が提供される。この方法は、上記ボトルの本体部分を、カートン・ベース・ラミネートのスリーブの形態になるように形成するステップと、上記ボトルの頂部セクションを形成するステップであって、頂部セクションが第2の観点による飲み口を有しているステップと、上記頂部セクションを上記本体部分に接合するステップと、上記ボトルの開端部を介して流動物で上記ボトルを充填するステップと、上記ボトルの上記開端部を密封するステップと、第1の観点によるキャップを第4の観点による上記飲み口に適用するステップとを含む。
【0025】
上記ボトルの上記頂部セクションを形成するステップは、上記飲み口を成形するステップを含んでいてもよい。上記ボトルの頂部セクションを形成するステップ及び上記頂部セクションを上記本体部分に接合するステップが1つの成形ステップで同時に実施されてもよい。
【0026】
さらに、上記膜を有する上側飲み口セクションは予め作られてもよく、上記ボトルの上記頂部セクションを形成する上記ステップは、上記上側部分セクションが上記本体部分に接合されるように主要飲み口セクションを成形するステップを含んでいてもよい。
【0027】
予め作られた上側飲み口セクションを使用することの利点は、ねじ部及び/又は上記膜突出部を有し得る上側飲み口が、充填機に導入される前に、品質管理され得るようになることである。
【0028】
さらに、主要飲み口セクションで使用される材料とは異なる材料で上側部分セクションが作られ得るという利点が得られ、それにより、主要飲み口セクションで使用される材料が、成形プロセスを非常に高速にするように選択され得るようになり、さらには、上側部分セクションに対して選択される材料が、適切なねじ部及び/又は膜突出部が得られるように、選択され得るようになる。
【0029】
さらに、上側部分セクションがキャップで覆われることを考慮して、上側部分セクション及び主要飲み口セクションに対して異なる材料が選択され得るという利点が得られる。例えば、主要飲み口セクションに対して選択される材料は、製品まで到達する光を少量にするために良好な光バリア特性を有する材料であってよい。上側部分セクションに対して選択される材料は低い光バリア特性を有する材料であってよい。それでも、良好な光バリア特性を有する材料で作られるキャップを使用することにより、また上側部分セクションをキャップで覆うことにより、光バリア特性を高レベルに維持することができる。
【0030】
キャップは、上記上側部分セクションが上記本体部分に接合される前に、上記上側飲み口セクションに適用されてもよい。
【0031】
上記上側部分セクションを上記本体部分に接合する前にキャップを上側飲み口セクションに適用することの利点は、キャップを適用した状態で上側飲み口セクションを前もって作ることができ、その状態で充填機の配置場所まで送ることができることである。これには、現場においてキャップを適用するための機械を不要とし、それによりパッケージング・システムを設置するための初期コストが低減されるという利点がある。
【0032】
本発明の上記の又は追加の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明により、より良好に理解される。