特許第6472948号(P6472948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイの特許一覧

特許6472948タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口
<>
  • 特許6472948-タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口 図000002
  • 特許6472948-タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口 図000003
  • 特許6472948-タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口 図000004
  • 特許6472948-タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口 図000005
  • 特許6472948-タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口 図000006
  • 特許6472948-タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472948
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】タンパー・エビデンスを備えるキャップ、及び飲み口
(51)【国際特許分類】
   B65D 55/02 20060101AFI20190207BHJP
   B65D 51/22 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   B65D55/02
   B65D51/22
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-510580(P2013-510580)
(86)(22)【出願日】2011年5月16日
(65)【公表番号】特表2013-526462(P2013-526462A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2011057886
(87)【国際公開番号】WO2011144569
(87)【国際公開日】20111124
【審査請求日】2014年4月28日
【審判番号】不服2017-6401(P2017-6401/J1)
【審判請求日】2017年5月2日
(31)【優先権主張番号】1000541-1
(32)【優先日】2010年5月20日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダール、ゲーラン
(72)【発明者】
【氏名】ホカンソン、ベングト
【合議体】
【審判長】 長屋 陽二郎
【審判官】 高木 彰
【審判官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−534258(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/148764(WO,A2)
【文献】 実開昭57−159647(JP,U)
【文献】 特表2003−519602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 55/02
B65D 51/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲み口(300;500)と相互作用するように構成されたキャップ(200;400)であって、
頂部セクションと、
前記頂部セクションに取り付けられた側壁セクションと、
引裂き境界部で前記側壁セクションに取り付けられたタンパー要素(204;404)であって、前記引裂き境界部がウィーク・ライン(208)を備え、該ウィーク・ライン(208)は、前記キャップ(200;400)が旋回により取り外されるときに破断するように構成され、それによって前記タンパー要素(204;404)が前記側壁セクションから分離されるタンパー要素と
を有し、
前記キャップ(200;400)が旋回により前記飲み口(300;500)から取り外されるとき、前記飲み口(300;500)の膜(302)が前記飲み口から分離される前に前記ウィーク・ライン(208)は破断するように構成されている、キャップ(200;400)において、
少なくとも1つの弾性切断要素(202)が前記側壁に構成され、前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)は、可撓性のナイフ状であり、前記キャップ(200;400)が旋回により取り外されるときに前記飲み口(300;500)の前記膜(302)を切り離すように構成されていること、
前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)は、前記飲み口(300;500)の外側まで延びる前記膜(302)の端部によって形成される膜突出部の補助により、径方向内側に向けられること、
前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)の長さは、前記飲み口(300;500)の前記膜(302)が前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)によって切り離される前に前記ウィーク・ライン(208)が破断するように選択されること、及び
前記タンパー要素がタンパー・リング(404)であり、前記タンパー・リングが複数のくさび形状の要素(402)を備え、前記複数のくさび形状の要素は、前記キャップが旋回により前記飲み口から取り外されるとき、前記飲み口に設けられた対応する複数のくさび形状の要素(502)と相互作用するように構成され、それにより前記ウィーク・ライン(208)が破断すること
を特徴とするキャップ(200;400)。
【請求項2】
前記キャップ(200;400)が一体に成形されている、請求項1に記載のキャップ(200;400)。
【請求項3】
前記キャップ(200;400)がポリプロピレンで作られる、請求項1又は2に記載のキャップ。
【請求項4】
キャップ(200;400)と相互作用するように構成された飲み口(300;500)であって、
膜(302)と、
切り離し領域で前記膜(302)に取り付けられる首部であって、前記膜(302)は、膜突出部が形成されるように前記首部の外側へ延びている、首部と、
前記キャップのタンパー要素(204;404)が該キャップと共に旋回により取り外されるのを防止するように構成されたタンパー要素保持部と
を有し、
前記キャップ(200;400)が旋回により前記飲み口(300;500)から取り外されるとき、前記膜(302)が前記首部から分離される前に前記タンパー要素(204;404)が前記キャップ(200;400)の側壁から分離されるように構成されている飲み口(300;500)において、
前記膜突出部は、前記キャップ(200;400)が旋回により取り外されるときに前記キャップ(200;400)の少なくとも1つの弾性切断要素(202)を径方向内側に向けるように構成され、前記少なくとも一つの弾性切断要素(202)は可撓性のナイフ状であり、それにより前記膜(302)が前記少なくとも1つの弾性切断要素によって前記首部から切り離され得ること、
前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)の長さは、前記首部の前記膜(302)が前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)によって切り離される前に前記タンパー要素(204;404)が前記キャップ(200;400)の前記側壁から分離されるように選択されること、及び
前記タンパー要素保持部が複数のくさび形状の要素(502)を有し、前記複数のくさび形状の要素は、前記キャップが旋回により前記飲み口から取り外されるとき、前記タンパー要素(404)に設けられた対応する複数のくさび形状の要素(402)と相互作用するように構成され、それにより前記タンパー要素が前記キャップの側壁から分離されこと
を特徴とする飲み口(300;500)。
【請求項5】
前記飲み口が一体に成形されている、請求項4に記載の飲み口(300;500)。
【請求項6】
前記飲み口は、前記キャップが旋回により取り外されるときに前記キャップ(200;400)のタンパー要素(204;404)が前記キャップ(200;400)の残りの部分と連結されたままになるのを防止するためのタンパー要素フランジを有している、請求項4又は5に記載の飲み口(300;500)。
【請求項7】
前記飲み口がHDPEで作られる、請求項4から6までのいずれか一項に記載の飲み口(300;500)。
【請求項8】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のキャップ(200;400)と、請求項4から7までのいずれか一項に記載の飲み口(300;500)とを有するボトル。
【請求項9】
前記ボトルが、
カートン・ベース・ラミネートで作られた本体セクションと、
プラスチックで作られた頂部セクションと
を有し、
前記頂部セクションが前記飲み口(300;500)を有している
請求項8に記載のボトル。
【請求項10】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のキャップ(200;400)を請求項4から7までのいずれか一項に記載の飲み口(300;500)に適用する方法であって、
前記キャップの前記少なくとも1つの弾性切断要素(202)が前記膜突出部を越えて引っ張られるように前記キャップ(200;400)を前記飲み口(300;500)に適用するステップ
を含む方法。
【請求項11】
流動物をボトル内にパッケージングするための方法であって、
カートン・ベース・ラミネートのスリーブの形態になるように前記ボトルの本体部分を形成するステップと、
前記ボトルの頂部セクションを形成するステップであって、前記頂部セクションが請求項4から7までのいずれか一項に記載の飲み口を有しているステップと、
前記頂部セクションを前記本体部分に接合するステップと、
前記ボトルの開端部を介して流動物で前記ボトルを充填するステップと、
前記ボトルの前記開端部を密封するステップと、
請求項1から3までのいずれか一項に記載のキャップを請求項10にしたがって前記飲み口に適用するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記ボトルの前記頂部セクションを形成する前記ステップが、前記飲み口を成形するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してパッケージング技術の分野に関する。より詳細には、本発明は、タンパー・エビデンス(改変証拠機構)を備えるキャップと、このキャップと相互作用するように構成された飲み口(或いは注ぎ口)と、この飲み口を備えたボトルと、飲み口にキャップを適用するための方法と、流動物をボトル内にパッケージングするための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
食品安全性は世界中の大きな関心事である。ある場所で製造及びパッケージングされて別の場所で消費される食品が確実に安全に消費されるようにするために、食品はパッケージに衛生的な状態でパックされなければならず、パッケージは開封されるまでこの状態を維持できなければならない。したがって、パッケージが開封されたか否かを知る必要がある。
【0003】
パッケージが開封されたか否かを知ることができるようにするために、いわゆるタンパー・エビデンスによる解決策が開発されている。例えば、キャップに取り付けられるタンパー・リングをボトルに設けることが知られている。最も多く使用されるタンパー・リングはキャップの一部として作られ、より具体的にはキャップの最下部分として作られる。また、キャップからタンパー・リングを分離するのを可能にするために、キャップとタンパー・リングとの間にウィーク・ライン(弱部ライン)が作られる。対して、飲み口には、キャップが旋回されて取り外されるときにタンパー・リングを飲み口上に留めるようにするためのタンパー・フランジが設けられる。タンパー・リングを備えるキャップ及びタンパー・フランジは、最初にキャップが飲み口上に適用されるとき、すなわちボトル内に流動物をパッケージングするときに、タンパー・リングがタンパー・フランジを越えて引っ張られ得るように設計され得る。
【0004】
現在のタンパー・エビデンスによる解決策は安全であるが、より安全なタンパー・エビデンスによる解決策が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、上述の問題を克服又は軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、キャップが旋回により取り外されるときに分離されるように構成されたタンパー要素を備えるキャップと、首部を有する飲み口であって、この首部は、キャップが旋回により取り外されるときに首部から分離されるように構成された膜を備えている飲み口とを使用することにより、キャップを旋回して取り外すときに2つの異なるプロセスが実施されることが認識された。パッケージ製品は、この膜が首部から分離されない限り安全な状態を維持するので、キャップ及び飲み口は、膜が首部から分離される前にタンパー要素がキャップから分離されること、すなわち膜を首部から分離するプロセスの前にタンパー要素をキャップから分離するプロセスが実施されるように構成されることができる。これには、タンパー・エビデンスの信頼性を非常に高くすることができるという利点がある。
【0007】
また一般に、カートン・ベース・ラミネート(又はボール紙ベースの積層体)のスリーブを形成し、膜を備える飲み口を成形することによりスリーブの第1の端部を閉じ、スリーブの第2の端部に製品を充填し、スリーブの第2の端部を密封することによって、閉じられたパッケージの食品安全性が非常に良好になること、すなわち、望ましくない物体がパッケージ内に入って製品に影響を与えるリスクが非常に低減されることが認識された。これらの食品安全性が良好になる1つの理由は、製品で充填されるときにパッケージが逆さまに維持されることであり、これには、飲み口が完全に閉じられていなければ、十分に閉じられてない飲み口領域を通って製品が流出するというプラス効果がある。したがって、飲み口の状態が不十分であることが原因で食品安全性が良好ではないようなパッケージを確認することができる。膜を飲み口に適用するのを後で行うケース、すなわちPETボトルのようにパッケージを製品で充填した後で膜を適用するケースでは、充填されているときはパッケージが底を下にして維持されることから、膜と飲み口との間の密封状態が不十分であることを確認することが容易ではなくなる。したがって、製品を入れる前に膜を含めて飲み口を一体に製造することにより、食品安全性の状態が向上する。
【0008】
また、弾性切断要素を備えるキャップを使用することにより、キャップを飲み口に適用するときに飲み口は影響を受けなくなる。したがって、このようなキャップを使用することにより良好な食品安全性の状態を維持することができる。さらに、キャップの適用を後で行うことにより、多様なキャップを同じ飲み口に適用することができるようになることから、より柔軟性の高いシステムが得られるようになり、それにより、飲み口を変更することなく製品を差別化することが可能となり、また、機械の設定を変更することも減る。
【0009】
良好な食品安全性が得られることとは別に、消費される食品に真に信頼性があることを示すことも重要である。より具体的には、タンパー要素がキャップに取り付けられている限りは良好な食品安全性の状態が維持されることが重要である。したがって、飲み口の膜が切り離される前にキャップに取り付けたタンパー要素が破断するようにキャップを適用することにより、タンパー要素がキャップに完全な形で取り付けられている限りパッケージは閉じられていることから、消費される食品が真に有効であることが示される。反対に、膜が使用されない場合、又は、後で適用される膜が使用される場合、キャップがわずかに開いてもタンパー要素はキャップに取り付けられたままで製品内に望ましくない物体が入るための隙間ができることから、望ましくない物体が製品内に入る可能性が生じる。これは、弾性のタンパー要素の突出部が使用されるか否かに特に関連する。というのは、このようなタンパー・エビデンスによる解決策は、キャップがわずかに旋回されて取り外されていても影響を受けない可能性があるからである。したがって、このことを考慮して、キャップは、膜が完全に切り離される前にタンパー要素が良好に解放され、それにより真の食品安全性が示されるように作ることができる。
【0010】
容易に理解され得るように、膜の切り離しプロセスが開始される前に、タンパー要素が完全に解放される必要はない。言い換えると、キャップの残りの部分からのタンパー要素の解放プロセスが消費者によって確認されるくらいの状態になった後で膜の切り離しプロセスが開始される限りにおいては、良好な食品安全性が実現される。
【0011】
第1の観点によると、キャップが提供される。このキャップは飲み口と相互作用するように構成される。このキャップは、頂部セクションと、この頂部セクションに取り付けられた側壁セクションと、引裂き境界部で側壁セクションに取り付けられたタンパー要素であって、引裂き境界部にウィーク・ラインが設けられ、このウィーク・ラインは、上記キャップが旋回により取り外されるときに破断するように構成され、それによって上記タンパー要素が上記側壁セクションから分離されるタンパー要素と、上記側壁に構成される少なくとも1つの弾性の切断要素であって、上記キャップが旋回により取り外されるときに上記飲み口の膜を切り離すように構成された少なくとも1つの弾性の切断要素とを有しており、上記ウィーク・ラインは、上記キャップが上記飲み口から旋回により取り外されるときに上記飲み口の上記膜が切り離される前に破断するように構成されている。
【0012】
このキャップは一体に成形されてもよい。
【0013】
このタンパー要素はタンパー・リングであってもよい。
【0014】
タンパー要素突出部が上記タンパー要素に取り付けられてもよい。この利点は、キャップが旋回されて取り外されるときに、タンパー要素がキャップの残りの部分に連結されたままになることを防止できることである。さらに、このタンパー要素突出部は弾性であってよく、したがってタンパー要素は、最初にキャップが飲み口上に適用されるときに飲み口のタンパー要素フランジを越えて引っ張られ得る。
【0015】
キャップはポリプロピレンで作られてよい。ポリプロピレンは高密度ポリエチレン(High Density PolyEthylene(HDPE))より硬いことから、ポリプロピレンで作られるキャップは有利にはHDPEで作られる飲み口と共に使用され得る。
【0016】
第2の観点によると、キャップと相互作用するように構成された飲み口が提供される。この飲み口は、膜と、切り離し領域で上記膜に取り付けられる首部であって、上記膜は、膜突出部が形成されるように上記首部の外側に延び、膜突出部は、上記キャップが旋回により取り外されるときに上記キャップの少なくとも1つの弾性の切断要素を径方向内側に向けるように構成され、それにより上記膜が上記首部から分離され得るようになされた首部と、上記キャップのタンパー要素が上記キャップと共に旋回により取り外されるのを防止するように構成されたタンパー要素保持部とを有しており、上記飲み口は、上記キャップが上記飲み口から旋回により取り外されるときに上記膜が上記首部から分離される前に上記タンパー要素が上記キャップの側壁から分離されるように構成されている。
【0017】
この飲み口は一体に成形されてもよい。飲み口を一体に成形することの利点は、より安全性の高いパッケージが得られることである。例えば、望ましくない物体が頂部を介してパッケージに入るリスクが減少する。
【0018】
飲み口は、上記キャップが旋回されて取り外されるときに上記キャップのタンパー要素が上記キャップの残りの部分に連結されたままになることを防止するためのタンパー要素フランジを有していてもよい。
【0019】
飲み口はHDPEで作られてもよい。HDPEで作られた飲み口を使用することの利点は、飲み口内に弾性のより高い材料が存在することで流動物が外部状態の影響を受けにくくなり、それによりこの飲み口を備えるボトル内で保管される流動物の貯蔵寿命が延びることである。より具体的には、HDPEで作られた飲み口は、例えば低密度ポリプロピレン(Low Density PolyPropylene(LDPE))で作られた飲み口より酸素透過率(OTR)が低く、これには、この飲み口を備えるボトル又はパッケージに飲み口を介して入る酸素が減少するというプラス効果があり、それにより、ボトル又はパッケージ内の流動物がより長期間保管され得るようになり、安全ではない状態で消費されないようになるという効果が得られる。
【0020】
HDPEで作られた飲み口を使用することの別の利点は、よりロバスト性の高いパッケージが得られることであり、これには、HDPEで作られた飲み口を備えるパッケージ又はボトルを互いの上により多く積み重ねることができるようになるという効果がある。
【0021】
本発明の第3の観点によると、ボトルが提供される。このボトルは、第1の観点によるキャップと、第2の観点による飲み口とを有する。
【0022】
ボトルは、カートン・ベース・ラミネートで作られた本体セクションと、プラスチックで作られた頂部セクションとを有していてよく、頂部セクションは上記飲み口を有する。
【0023】
第4の観点によると、第1の観点によるキャップを第2の観点による飲み口に適用するための方法が提供される。この方法は、上記キャップの上記少なくとも1つの弾性切断要素が上記膜突出部を越えて引っ張られ得るように、上記キャップを上記飲み口に適用するステップを含む。
【0024】
第5の観点によると、流動物をボトル内にパッケージングするための方法が提供される。この方法は、上記ボトルの本体部分を、カートン・ベース・ラミネートのスリーブの形態になるように形成するステップと、上記ボトルの頂部セクションを形成するステップであって、頂部セクションが第2の観点による飲み口を有しているステップと、上記頂部セクションを上記本体部分に接合するステップと、上記ボトルの開端部を介して流動物で上記ボトルを充填するステップと、上記ボトルの上記開端部を密封するステップと、第1の観点によるキャップを第4の観点による上記飲み口に適用するステップとを含む。
【0025】
上記ボトルの上記頂部セクションを形成するステップは、上記飲み口を成形するステップを含んでいてもよい。上記ボトルの頂部セクションを形成するステップ及び上記頂部セクションを上記本体部分に接合するステップが1つの成形ステップで同時に実施されてもよい。
【0026】
さらに、上記膜を有する上側飲み口セクションは予め作られてもよく、上記ボトルの上記頂部セクションを形成する上記ステップは、上記上側部分セクションが上記本体部分に接合されるように主要飲み口セクションを成形するステップを含んでいてもよい。
【0027】
予め作られた上側飲み口セクションを使用することの利点は、ねじ部及び/又は上記膜突出部を有し得る上側飲み口が、充填機に導入される前に、品質管理され得るようになることである。
【0028】
さらに、主要飲み口セクションで使用される材料とは異なる材料で上側部分セクションが作られ得るという利点が得られ、それにより、主要飲み口セクションで使用される材料が、成形プロセスを非常に高速にするように選択され得るようになり、さらには、上側部分セクションに対して選択される材料が、適切なねじ部及び/又は膜突出部が得られるように、選択され得るようになる。
【0029】
さらに、上側部分セクションがキャップで覆われることを考慮して、上側部分セクション及び主要飲み口セクションに対して異なる材料が選択され得るという利点が得られる。例えば、主要飲み口セクションに対して選択される材料は、製品まで到達する光を少量にするために良好な光バリア特性を有する材料であってよい。上側部分セクションに対して選択される材料は低い光バリア特性を有する材料であってよい。それでも、良好な光バリア特性を有する材料で作られるキャップを使用することにより、また上側部分セクションをキャップで覆うことにより、光バリア特性を高レベルに維持することができる。
【0030】
キャップは、上記上側部分セクションが上記本体部分に接合される前に、上記上側飲み口セクションに適用されてもよい。
【0031】
上記上側部分セクションを上記本体部分に接合する前にキャップを上側飲み口セクションに適用することの利点は、キャップを適用した状態で上側飲み口セクションを前もって作ることができ、その状態で充填機の配置場所まで送ることができることである。これには、現場においてキャップを適用するための機械を不要とし、それによりパッケージング・システムを設置するための初期コストが低減されるという利点がある。
【0032】
本発明の上記の又は追加の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明により、より良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】プラスチックで作られた頂部セクションとカートン・ベース・ラミネートで作られた本体とを有するカートン・ベースのボトルを示す図である。
図2A】キャップ及び飲み口を有するタンパー・エビデンス開封デバイスを示す図である。
図2B】キャップ及び飲み口を有するタンパー・エビデンス開封デバイスを示す図である。
図2C】キャップ及び飲み口を有するタンパー・エビデンス開封デバイスを示す図である。
図3A】キャップ及び飲み口を有する別のタンパー・エビデンス開封デバイスを示す図である。
図3B】キャップ及び飲み口を有する別のタンパー・エビデンス開封デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1はボトル100の実例を示している。ボトル100はカートン・ベース・ラミネートで作られてよい本体部分102と、プラスチックで作られてよい頂部分104とを有し、キャップ106はタンパー・リング108を備える。
【0035】
このタイプのパッケージは、最初にカートン・ベース・ラミネートのスリーブを形成することにより作られることができる。第2のステップで、プラスチックの頂部が1つの成形ステップで形成され得る。プラスチックの頂部は、肩部セクション、首部分、及び膜を有することができる。肩部分は、本体部分の基礎を形成するスリーブを首部分に接合するように構成され得る。飲み口がスクリュ・キャップと相互作用するように構成される場合、首部分はねじ部又はカム・カーブを備えていていてもよい。膜は首部分に接合される蓋とすることができる。このようにして、プラスチックの頂部は一体に成形され得る。
【0036】
次のステップで、頂部分104に接合されたスリーブが、頂部分が下向きになるように配置された状態で製品を充填され得る。充填後、スリーブの開端部は密封されて平坦な底部を形成するように折りたたまれてよく、さらに、例えば首部分にねじ込まれるような形で、キャップが適用されてよく、その結果、図1によるパッケージが形成される。
【0037】
別法として、例えばパッケージが、吹き込み成形されるプラスチックのボトルである場合、パッケージが製品で充填された後に、膜が首部分に接合されてもよい。
【0038】
図2A〜Cは、第1の実施例によるキャップ及び飲み口の開封プロセスの3つの段階を示している。図2A及び図2Bに示される第1及び第2のステップでは、パッケージの内部は影響を受けず、したがって細菌又は別の望ましくない物体がパッケージ内に入ることはない。本明細書では、パッケージの内部は斜線で示されている。
【0039】
図2Aに示される最初のステップである第1の段階では、キャップ200が飲み口300上に配置されている。キャップ200は可撓性のナイフ(へら部)202又は別の切断要素を備えていてよい。この可撓性のナイフ202は可撓性であってよく、すなわちこれらのナイフは、キャップが飲み口上にねじ込まれるときに上方に折り曲げられてよく、したがってこれらの可撓性のナイフは、キャップ200が最初に飲み口300上にねじ込まれるときに飲み口300の膜302を越えて引っ張られ得る。示されるように、膜302の端部は首部分の外側まで延びて膜突出部を形成してよい。膜突出部の補助により、可撓性のナイフ202は、キャップ200が最初に旋回されて取り外されるときに径方向内側に誘導され得る。
【0040】
さらに、キャップ200は、タンパー・リング204又は任意の別のタンパー要素を備えていてよい。キャップを旋回して取り外すときにタンパー・リング204がキャップ200の残りの部分に連結されたままになるのを防止するために、タンパー・リング204は、飲み口300上でタンパー・リング・フランジ304と相互作用するように構成されたタンパー・リング突出部206を備えていてよい。タンパー・リング突出部206は、タンパー・リング204を含むキャップ200が飲み口300上にねじ込まれ得るようにするために弾性であってよい。さらに、タンパー・リング204がキャップ200の側壁から分離されるのを促進するために、タンパー・リング204とキャップ200の残りの部分との間の境界部にウィーク・ライン208が設けられてよい。同じように、膜302が飲み口の残りの部分から分離されるのを促進するために、膜302と飲み口300との間の境界部に膜ウィーク・ライン306が設けられてよい。
【0041】
図2Bでは、キャップ200を旋回して取り外すプロセスの第2の段階である中間段階が示されている。示されるように、タンパー・リング突出部206がタンパー・リング・フランジ304に留まってよく、これにより、タンパー・リング204がキャップの残りの部分に連結されたままになることが防止されるという効果が得られ、それによりさらに、タンパー・リング204がキャップ200の残りの部分から分離されるという効果が得られる。
【0042】
キャップが上方に移動されること、膜突出部の下方にある首部分のデザイン、及び可撓性のナイフ202の設計によって、示されるように、可撓性のナイフ202が径方向内側に方向付けられる。しかし、キャップ200及び飲み口300は、タンパー・リング204がキャップ200の残りの部分から分離される前に膜ウィーク・ライン306で貫通が生じないようにするように設計され得る。これは、例えば、首部分の長さ、膜突出部の長さ、及び可撓性のナイフ202の長さを適切に選択することにより実現され得る。
【0043】
図2Cでは、一開封段階である第3の段階が示されている。可撓性のナイフ202が膜302を切り離している。示されるように、膜302は、切り離された後、キャップ200内で可撓性のナイフによって保持され得、したがってパッケージが開封されるときに廃棄物は出ない。
【0044】
キャップが飲み口の膜を容易に切り離すことができるようにするために、キャップは飲み口より硬い材料で作られてよく、例えば、キャップはポリプロピレンで作られてよく、飲み口は高密度ポリエチレン(HDPE)で作られてよい。しかし、流動物に対して使用されるのに適する低密度ポリエチレン(Low Density PolyEthylene(LDPE))及び中密度ポリエチレン(Medium Density PolyEthylene(MDPE))などの、別のプラスチック材料も同様に使用され得る。
【0045】
図3A〜Bは、その他の点では図2A〜Cに示される実施例に類似する、異なるタンパーによる解決策を有する別の実施例を示している。キャップ200が旋回されて取り外されるときに垂直方向の力が発生してそれによりタンパー・リング204がキャップ200の残りの部分から分離されることに基づいた、図2A〜Cに示されるタンパー・リングによる解決策とは異なり、図3A〜Bに示されるタンパーによる解決策は、キャップ400が飲み口500から旋回されて取り外されるときに水平方向の力が発生することに基づく。
【0046】
図3Bは、線Aに沿ったキャップ400及び飲み口500の断面を示している。示されるように、キャップ400はくさび形状の要素402を備えていてよく、飲み口500は対応するくさび形状の要素502を備えていてよい。くさび形状の要素402は、最初にキャップ400を飲み口500上にねじ込むときに、対応するくさび形状要素502を越えて引っ張られ得るように弾性であってよい。これには、キャップ400が旋回されて取り外されるときに、対応するくさび形状の要素502によって、くさび形状の要素402がキャップ400に連結されたままになることが防止されるという効果があり、それによって、タンパー・リング404がキャップ400の残りの部分から分離されるという効果が得られる。
【0047】
また、示されないが、さらに別の実施例によると、キャップはタンパー・リング・フランジを備えていてもよく、飲み口はタンパー・リング・フランジの直径より大きい直径を有する飲み口フランジを備えてもよい。キャップを飲み口上に適用した後、これらは、ボトルの内部からカートン・ベース・ラミネートの穴の中に配置される。穴は、タンパー・リング・フランジ及び飲み口フランジの両方より小さい直径を有し、したがってタンパー・リング・フランジ及び飲み口フランジの両方がカートン・ベース・ラミネートの内部に接触する。そして、例えばUV光を使用することによって、タンパー・リング・フランジ及び飲み口フランジを溶着してパッケージを形成することができる。図3A〜Cに示されるのと同様に、キャップは、キャップが飲み口から旋回されて取り外されるときに、キャップ部分とタンパー・リング部分とに分離され得る。この分離はウィーク・ラインによって促進され得る。
【0048】
また容易に理解され得るように、本発明の一般的な原理は、開封デバイスを備えるすべての種類のパッケージに適用され得る。
【0049】
ここまで、主としていくつかの実施例を参照して本発明を説明してきた。しかし、当業者には容易に認識され得るように、上で開示される実施例とは別の実施例が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で同様に可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B