特許第6472968号(P6472968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6472968サーマルヘッドの断線チェック装置およびサーマルヘッドの断線チェック方法、並びにプリントユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472968
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】サーマルヘッドの断線チェック装置およびサーマルヘッドの断線チェック方法、並びにプリントユニット
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/355 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   B41J2/355 B
   B41J2/355 Z
【請求項の数】7
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-200982(P2014-200982)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-68436(P2016-68436A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【弁理士】
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】種山 史訓
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−238037(JP,A)
【文献】 特開2011−148232(JP,A)
【文献】 特開昭63−062751(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0242254(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/355
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドと、
前記各発熱体の各々に通電制御を行うヘッドコントローラと、
前記各発熱体に各々に通電制御したときの各発熱体における出力値を測定する出力値測定部と、
前記出力値測定部により測定された測定対象の発熱体の出力値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値との差を算出する出力値差算出部と、
前記出力値差算出部により出力値差が予め設定された数値より大きいときには、前記測定対象の発熱体が断線していると判定する断線判定部と、
を備え、
前記断線判定部は、
測定対象の発熱体の出力値の上限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の上限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第1の閾値と、
前記測定対象の発熱体の前後のいずれかの発熱体が断線している場合、測定対象の発熱体の出力値の下限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の下限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第2の閾値と、
を有することを特徴とするサーマルヘッドの断線チェック装置。
【請求項2】
複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドと、
前記各発熱体の各々に通電制御を行うヘッドコントローラと、
前記各発熱体に各々に通電制御したときの各発熱体における出力値を測定する出力値測定部と、
前記出力値測定部により測定された測定対象の発熱体の出力値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値との差を算出する出力値差算出部と、
前記出力値差算出部により出力値差が予め設定された数値より大きいときには、前記測定対象の発熱体が断線していると判定する断線判定部と、
を備え、
前記断線判定部は、
通電制御開始後の第1番目の発熱体の通電制御をする前の測定値と通電制御時の測定値との差が、断線がなく正常であるか否かを判定するための第4の閾値を有することを特徴とするサーマルヘッドの断線チェック装置。
【請求項3】
前記断線判定部は、
通電制御開始後の第1番目の発熱体の通電制御をする前の測定値と通電制御時の測定値との差が、断線がなく正常であるか否かを判定するための第4の閾値を有することを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッドの断線チェック装置。
【請求項4】
前記断線判定部は、
各発熱体に通電制御を行わない(開始しない)状態において、前記出力値測定部で検出された測定値が、通電経路にショートが発生しているか否かを判定するための第3の閾値を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のサーマルヘッドの断線チェック装置。
【請求項5】
一端側が断線チェック用電源に接続された電圧検出用抵抗素子に主電流が流れる主電流経路と、
その主電流経路に接続される第1の電流経路と第2の電流経路とが形成され、
前記第1の電流経路は前記電圧検出用抵抗素子の他端側と基準電位との間に接続され、
前記第2の電流経路は前記電圧検出用抵抗素子の他端側と前記第1の電流経路との接続ノードに対して、前記サーマルヘッドの各発熱体が並列に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載のサーマルヘッドの断線チェック装置。
【請求項6】
複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドの各発熱体の各々に、断線チェックのために順次通電制御を行う通電制御ステップと、
前記各発熱体に各々に通電制御したときの各発熱体における出力値を測定する出力値測定ステップと、
前記出力値測定ステップにより測定された測定対象の発熱体の出力値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値との差を算出する出力値差算出ステップと、
前記出力値差算出ステップにより出力値差が予め設定された数値より大きいときには、前記測定対象の発熱体が断線していると判定する断線判定ステップと、
を備え、
前記断線判定ステップにおいては、
測定対象の発熱体の出力値の上限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の上限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第1の閾値と、
前記測定対象の発熱体の前後のいずれかの発熱体が断線している場合、測定対象の発熱体の出力値の下限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の下限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第2の閾値と、
を用いることを特徴とするサーマルヘッドの断線チェック方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一に記載のサーマルヘッドの断線チェック装置を備え、前記サーマルヘッドの各発熱体を選択的に通電制御することにより印字を行うプリンタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドの断線チェック装置およびサーマルヘッドの断線チェック方法、並びにプリントユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドは、カード状媒体等の表面に印字を行うプリントユニットに用いられている。このサーマルヘッドは、例えば、加熱されたインクリボンのインクを転写することで、カードの表面に文字等を印字する。
【0003】
このようなサーマルヘッドでは、物理的な衝撃や熱磨耗などにより発熱体部分に損傷が生じ、その結果断線が起きる。発熱体に断線が起きると、その部位の印字ができなくなるため、カード状媒体等の搬送方向にスジが発生するなどして印字品質に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0004】
サーマルヘッドを構成する発熱体の断線チェック装置および方法については、複数の発熱体を1つ1つ選択して断線チェックを行うことが知られている(たとえば特許文献1)。この技術では、サーマルヘッドの各発熱体について、断線チェックのために順次通電制御を行って通電開始時の過渡状態における単位時間の電圧変化量を検出する。そして、前回検出した電圧変化量と今回検出した電圧変化量の差が、設定した許容差の範囲外になっているか否かを判定し、差が許容差の範囲外になっていないことを判定すると、断線が無いとして次の発熱体の断線チェックに移行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-268918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に開示された方式では、通電開始時の過渡状態における各発熱体の電圧変化量を検出し、今回と前回の電圧変化量との差を閾値と比較し、範囲外になった場合には、通常状態での絶対値による判定等を行う必要があり、断線チェックを短時間で行うことが困難であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、サーマルヘッドを構成する複数の発熱体の1つ1つの断線チェックのチェック時間を短時間で行うことを可能とするサーマルヘッドの断線チェック装置およびサーマルヘッドの断線チェック方法、並びにプリントユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のサーマルヘッドの断線チェック装置は、複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドと、前記各発熱体の各々に通電制御を行うヘッドコントローラと、前記各発熱体に各々に通電制御したときの各発熱体における出力値を測定する出力値測定部と、前記出力値測定部により測定された測定対象の発熱体の出力値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値との差を算出する出力値差算出部と、前記出力値差算出部により出力値差が予め設定された数値より大きいときには、前記測定対象の発熱体が断線していると判定する断線判定部と、を備え
前記断線判定部は、測定対象の発熱体の出力値の上限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の上限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第1の閾値と、前記測定対象の発熱体の前後のいずれかの発熱体が断線している場合、測定対象の発熱体の出力値の下限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の下限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第2の閾値と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のサーマルヘッドの断線チェック方法では、複数の発熱体が配置されたサーマルヘッドの各発熱体の各々に、断線チェックのために順次通電制御を行う通電制御ステップと、前記各発熱体に各々に通電制御したときの各発熱体における出力値を測定する出力値測定ステップと、前記出力値測定ステップにより測定された測定対象の発熱体の出力値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値との差を算出する出力値差算出ステップと、前記出力値差算出ステップにより出力値差が予め設定された数値より大きいときには、前記測定対象の発熱体が断線していると判定する断線判定ステップと、を備え、前記断線判定ステップにおいては、測定対象の発熱体の出力値の上限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の上限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第1の閾値と、前記測定対象の発熱体の前後のいずれかの発熱体が断線している場合、測定対象の発熱体の出力値の下限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の下限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第2の閾値と、を用いることを特徴とする。
【0010】
本発明では、サーマルヘッドを構成する複数の発熱体の1つ1つの断線チェックのチェック時間を従来に比べて短時間で行うことを可能となる。
【0011】
本発明において、前記断線判定部は、測定対象の発熱体の出力値の上限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の上限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第1の閾値と、前記測定対象の発熱体の前後のいずれかの発熱体が断線している場合、測定対象の発熱体の出力値の下限値とその測定対象の発熱体の前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値の下限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための第2の閾値と、を有することが好ましい。これにより、たとえ、測定対象の前後のいずれかの発熱体が断線している場合に第1の閾値で判定できない場合でも、第2の閾値を用いて断線チェックを行うことが可能となる。このため、確実に断線チェックを行うことが可能となる。
【0012】
また、本発明において、前記断線判定部は、各発熱体に通電制御を行わない(開始しない)状態において、前記出力値測定部で検出された測定値が、通電経路にショートが発生しているか否かを判定するための第3の閾値を有することが好ましい。これにより、サーマルヘッドのショート状態を的確にかつ迅速に検出することが可能となり、ひいては断線チェックの処理時間を短縮することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明において、前記断線判定部は、通電制御開始後の第1番目の発熱体の通電制御をする前の測定値と通電制御時の測定値との差が、断線がなく正常であるか否かを判定するための第4の閾値を有することが好ましい。これにより、通電制御開始後の第1番目の発熱体が断線しているか否かのチェックを正確に行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明において、一端側が断線チェック用電源に接続された電圧検出用抵抗素子に主電流が流れる主電流経路と、その主電流経路に接続される第1の電流経路と第2の電流経路とが形成され、前記第1の電流経路は前記電圧検出用抵抗素子の他端側と基準電位との間に接続され、前記第2の電流経路は前記電圧検出用抵抗素子の他端側と前記第1の電流経路との接続ノードに対して、前記サーマルヘッドの各発熱体が並列に接続されていることが好ましい。これにより、サーマルヘッドの状態に応じた測定値を的確に検出することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明のプリンタユニットは、上述したサーマルヘッドの断線チェック装置を備え、前記サーマルヘッドの各発熱体を選択的に通電制御することにより印字を行うことを特徴とする。これにより、サーマルヘッドの各発熱体における断線チェックを連続的に正確に行うことが可能となり、品質の高い印字を保持可能なプリンタユニットを実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サーマルヘッドを構成する複数の発熱体の1つ1つの断線チェックのチェック時間を従来に比べて短時間で行うことを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るサーマルヘッドの断線チェック装置が適用されるプリンタユニットの要部構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係るヘッドコントローラ、電源部、サーマルヘッド、断線チェック装置、の一構成例を示す回路図である。
図3】本実施形態に係るプリンタユニットにおける制御部としてのCPUの判断処理系の一構成例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る断線チェックのための電圧検出に関連する電流経路について説明するための図である。
図5】本実施形態に係る断線チェック処理を説明するためのフローチャートである。
図6】断線チェックの開始からの全体的な処理であって、主として正常時の処理を説明するための図である。
図7】断線チェックにおいて通電制御開始後の一連の断線チェック処理であって、1つの発熱体の断線がある場合の処理を含めて説明するための図である。
図8】断線チェックにおいて全ドット断線(ヘッド未接続)時の断線チェック波形を示す図である。
図9】断線チェックにおいて充放電を考慮した場合の断線チェック波形を示す図である。
図10】本実施形態に係るプリンタユニット全体の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
なお、本実施形態は本発明をカード状媒体等に対して印字を行うプリンタユニットに適用した例について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るサーマルヘッドの断線チェック装置が適用されるプリンタユニットの要部構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態のサーマルヘッドの断線チェック装置は、搬送路で搬送されるカード状媒体等(以下、「カード」という)の表面に加熱されたインクリボンのインクを転写して印字を行う熱転写方式のプリンタユニットに適用されている。プリンタユニットは、カードの表面に文字等を印字して発行するカード発行装置に備えられており、カード発行装置には、プリンタユニット以外に、たとえば、複数のカードを収納するカードホッパ(カード収納ユニット)と、カードを搬送路上を搬送するカード搬送ユニット、カードに記録された情報の再生やカードへの情報の記録を行うカードリーダ等が設けられている。
【0021】
さらに、カード発行装置は、ネットワークを介してこのカード発行装置に接続されるホストコンピュータを備えるカード発行システムが知られている。このカード発行システムでは、ホストコンピュータからのカード種情報に基づいて指定された種類のカードがカード収納部から搬出され、搬出されたカードの情報がカードリーダで読み取られる。印字部は、ホストコンピュータから指定された情報に基づいて取得される印字補正条件でカードへの印字を行う。
【0022】
本実施形態に係るプリンタユニットで処理されるカードは、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の表面には、感熱方式によって印字が行われる印字部(図示省略)が形成されている。なお、本明細書における「印字」には、カードに記された文字の他、カードに記された図形、記号および模様等が含まれるものとする。また、本明細書における「印字を行う」には、カードに文字を記すことの他、カードに図形、記号あるいは模様等を記すことが含まれるものとする。
【0023】
[プリンタユニットの全体構成の概要]
図1に示すプリントユニット10は、カード発行装置に配置されている搬送路で搬送されるカードの表面に加熱されたインクリボンのインクを転写して印字を行う熱転写方式のプリンタユニットであり、プリンタユニット全体を制御する制御部、プリンタユニットを構成する各部を駆動する駆動部、カードの表面に文字等を印字する印字部、ホストコンピュータとカード発行装置を介してコマンド等で情報のやりとりを行う通信I/F(インターフェース)等を主な構成としている。
(プリンタユニットの制御部)
【0024】
本形態の制御部は、図1において、CPU11、ROM12、RAM13、ヘッドコントローラ15、モータドライバ19、21、23とから構成されている。CPU11は、プリントユニット10全体を制御する。また、CPU11は、通信用I/F14を介してホストコンピュータ30と通信を行い、ホストコンピュータ30からコマンドを受信するとそのコマンドに応じて各部を制御するように構成されている。
【0025】
ROM12は、CPU11が各部を制御するためのプログラムデータを記憶している。RAM13は、CPU11が処理や制御を行うときに使用する各種ワークエリア等して機能する。さらに、CPU11の制御に従ってプリンタユニット10に備えられているモータ18、20、22を駆動するモータドライバ19、21、23を備えている。モータドライバ19、21、23は、CPU11の制御の下、ヘッドコトローラ15を介してコマンドや信号の授受機能を所定の内外部配線を通して互いにバスラインBSを介して接続されている。各モータ18、20、22を駆動制御する。
【0026】
プリントユニット10では、これらCPU11、ROM12、RAM13、モータドライバ19、21、23は、バスライン13を介して互いに接続されている。なお、本形態では、プリンタユニット10は、ホストコンピュータ30と回線を介して通信する通信I/F(インターフェース)14を備えている。また、本形態では、図1の構成において、ヘッドコントローラ15は、プロブラマブル・ロジック・デバイス(PLD)により形成され、CPU11を補助し、プリントユニット10の各種を制御している。
【0027】
(プリンタユニットの駆動部)
プリンタユニット10の駆動部は、プリントユニット10の各部を駆動するモータ等を備えている。図1において、カード搬送用ステッピングモータ18は、カードホッパ(図示せず)から排出されるカードを受け取って、ローラ等の搬送手段(図示せず)を用いてプリンタユニット10へ搬送する。インクリボン巻取り用ステッピングモータ20は、サーマルヘッド16により加熱されてカードに文字等を印字するインクリボンを巻き取る。DCモータ22は、サーマルヘッド16の上下方向への移動を制御する。サーマルヘッド16がカードに接触可能な接触位置と、サーマルヘッド16が搬送路から退避する退避位置との間で、サーマルヘッド16を移動させる。
【0028】
(プリンタユニットの印字部)
図2は、本実施形態に係るヘッドコントローラ、電源部、サーマルヘッド、断線チェック装置、の一構成例を示す回路図である。
【0029】
プリンタユニットの印字部は、複数の発熱体をライン状(1列)に並べたサーマルヘッドに電圧を印加し、この状態で1ライン分の印字データの印字に対応する発熱体を選択的に一定時間通電することにより印字を行うものである。
【0030】
(ヘッドコントローラ)
ヘッドコントローラ15は、CPU11(プリントユニットの制御部)の制御下でサーマルヘッド20(の発熱体21)の発熱を制御するものである。また、ヘッドコントローラ15は、電源部、サーマルヘッド、断線チェック装置を制御する。
【0031】
次に、印字用電源部24および断線チェック用電源部25の構成例について説明する。
(印字用電源部)
印字用電源部24は、印字用電源241、連続通電保護回路242、印字用電源オン/オフ制御用の第1のスイッチングトランジスタSWT1、第1の電流経路を形成する抵抗素子R2、キャパシタC1、逆流防止用ダイオードD1、およびノードND173,ノードND174を有している。なお、キャパシタC1は、第1の電流経路が動作する際に直流電源の電圧が変動するのを避けるバイパスコンデンサとして機能する。逆流防止用ダイオードD1は、後述する測定値検出部17を構成する電圧検出用抵抗素子R1への不要な電流の回り込みを防止(阻止)している。
【0032】
第1のスイッチングトランジスタSWT1は、ドレインが印字用電源241に接続され、ソースがノードND174、さらにはノードND173に接続され、ゲートが連続通電保護回路242を介してヘッドコントローラ15から出力される印字用電源オン/オフ制御用信号S152の供給ラインに接続されている。なお、本形態では、第1のスイッチングトランジスタSWT1は、たとえばnチャネルの電界効果トランジスタ(FET)であるMOSトランジスタにより形成される。
【0033】
連続通電保護回路242は、各発熱体HEに対する通電時間が所定値以上となったときに、第1のスイッチングトランジスタSWT1を強制的にオフさせ、回路を保護するものである。この第1のスイッチングトランジスタSWT1は、基本的に、信号S152がハイレベルのときにオン状態となり、そのオン期間は必要に応じて連続通電保護回路242により制御される。
【0034】
なお、本形態では、後述するが、ノードND173はサーマルヘッド16の接続ノードND161に接続されている。また、ノードND174と基準電位VSSとの間には抵抗素子R2およびキャパシタC1が並列に接続されている。
【0035】
(断線チェック用電源部)
断線チェック用電源部25は、断線チェック用電源251、断線チェック用電源オン/オフ制御用の第2のスイッチングトランジスタSWT2を有している。第2のスイッチングトランジスタSWT2は、ドレインが断線チェック用電源251に接続され、ソースが測定値検出部17のノードND171に接続され、ゲートがヘッドコントローラ15から出力される断線チェック用電源オン/オフ制御用信号S153の供給ラインに接続されている。なお、本形態では、第2のスイッチングトランジスタSWT2は、たとえばnチャネルの電界効果トランジスタ(FET)であるMOSトランジスタにより形成される。第2のスイッチングトランジスタSWT2は、基本的に、信号S153がハイレベルのときにオン状態となる。
【0036】
逆流防止用ダイオードD1のアノードが測定値検出部17のノードND172に接続され、カソードがノードND173に接続されている。ノードND173は、ノードND174並びにサーマルヘッド16の接続ノードND161に接続されている。
【0037】
本形態のサーマルヘッド16においては、通常の印字時には、印字用電源241による印字用電圧、たとえば24Vに応じた印字用電力(電流)が接続ノードND161を通して各発熱体部(発熱体HEとトランジスタTrとの直列回路DC)に供給される。
【0038】
サーマルヘッド16において、断線チェック時には、各発熱体HEが発熱して印字動作を行わない程度の断線チェック用電圧、たとえば5Vに応じた断線チェック用電力(電流)が接続ノードND161を通して各発熱体部(発熱体HEとトランジスタTrとの直列回路DC)に供給される。
【0039】
(サーマルヘッド)
サーマルヘッド16は、複数の発熱体HE1〜HEn(nは整数)、複数のスイッチング素子としてのnpn型トランジスタTr1〜Trn、電解キャパシタ(コンデンサ)C161、接続ノードND161、およびデータ制御部161を含んで構成されている。なお、本形態では、各発熱体HEとnpn型トランジスタTrとの直列回路DCを発熱体部としている。
【0040】
サーマルヘッド16は、複数の発熱体、たとえば、720本の発熱体がライン状に配列され、カードに対して文字等を印字する。サーマルヘッド16においては、発熱体部(発熱体HEとトランジスタTrとの直列回路DC)が複数、接続ノードND161に対して並列に接続されている。具体的には、接続ノードND161と基準電位VSS〈ここでは接地電位GND〉との間に複数の直列回路DC1〜DCnが並列に接続されている。また、接続ノードND161と基準電位VSSとの間に電解キャパシタC161が接続されている。
【0041】
発熱体部(発熱体HEとトランジスタTrとの各直列回路DC(1〜n))においては、各発熱体HEの一端が接続ノードND161に接続され、他端がトランジスタTrのコレクタに接続されている。トランジスタTrのエミッタが基準電位VSSに接続され、ベースがデータ制御部161により通電信号S161の供給ラインに接続されている。発熱体HEとトランジスタTrとの各直列回路DC(1〜n)においては、基本的に通電信号S161によりトランジスタTrが選択的にオン状態、オフ状態に制御され、トランジスタTrがオン状態に制御されることにより発熱体HEが通電状態となる。
【0042】
(データ制御部)
データ制御部161は、サーマルヘッドの個々の発熱体の通電のオン、オフを制御するデータ制御する。たとえば、データ制御部161には、図示しないが、データ転送回路、ラッチ制御回路、ストローブ制御回路等が備えられている。データ転送回路は、プリンタユニットの制御部としてのCPU11の制御によりRAM14内の印刷データレジスタから読み出されてヘッドコントローラ15に与えられた1ライン分の印刷データを、印字速度制御回路(図示せず)から供給される一定時間間隔の印字速度制御信号に応じて印字データレジスタ25(図示せず)に転送すると共に、その転送終了信号をラッチ制御回路に供給する。ラッチ制御回路は、データ転送回路から供給される転送終了信号に応じて、データラッチ信号を印字バッファに出力すると共に、そのラッチ終了信号をストローブ制御回路に供給する。印字データレジスタに転送された1ライン印字データは、ラッチ信号に応じて印字バッファに記憶され、ストローブ制御回路からのストローブ信号に応じてデータ制御部161を介してサーマルヘッド15に出力されて1ライン印字される。
【0043】
本形態では、図2に示すように、ヘッドコントローラ15から印字データや断線チェック用データ、およびヘッド通電制御信号等を含む制御信号S151が供給され、供給される制御信号S151の内容に応じた通電信号S161を生成して、所望位置に対応する直列回路DCのトランジスタTrのオンオフ制御を行う。データ制御部161に供給される制御信号S151には、制御のタイミング等を示すパルス状のヘッドストローブ信号STRが含まれている。データ制御部161は、断線チェック時にはヘッドストローブ信号STRの所定のタイミングの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに応答して通電信号S161の生成および出力を行う。
【0044】
(断線チェック装置)
次に、断線チェック装置の構成の一例について説明する。なお、ここでは通常の印字用の構成も断線チェック装置に含まれているものとして説明する。
【0045】
本形態において、断線チェック装置40は、図1に示すように、サーマルヘッド16、ヘッドコントローラ15、断線チェック用電源部25、断線チェック部170とから構成されている。さらには、断線チェック部170は、図3に示すように、出力値測定部17、出力値差算出部112、断線判定部113を有している。
【0046】
(出力値測定部)
出力値測定部17は、各発熱体HEに各々に通電制御したときの各発熱体HEにおける出力値を測定する。なお、本形態では、各発熱体HEにおける出力値を電圧値として測定している。出力値測定部17は、図3に示すように、電圧検出部171、増幅回路172、電圧検出用抵抗素子R1、アナログデジタル変換器(AD変換器)111、およびノードND171,ND172を含んで構成されている。
【0047】
電圧検出用抵抗素子R1の一端がノードND171に接続され、他端がノードND172に接続されている。抵抗素子R1の両端に接続されたノードND171とノードND172間に発生する電圧(電位差)が測定値として電圧検出部171で検出される。増幅回路172は、電圧検出部171で検出された測定対象の発熱体の出力値の測定値(アナログ信号)を増幅してAD変換器111に出力する。本形態では、アナログデジタル変換器(AD変換器)111は、プリンタユニットの制御部としてのCPU11内部に形成されている。なお、AD変換器111は、CPU11内部に形成されているものに限定されるものではない。
【0048】
(出力値差算出部)
出力値差算出部112は、出力値測定部17により測定された測定対象の発熱体HEの出力値とその測定対象の発熱体HEの前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体の出力値との差を算出する。出力値測定部17は、ヘッドコントローラ15により通電制御が行われている段階において、AD変換器111によりアナログ信号から変換されたデジタル信号が出力される。デジタル化された出力値(電圧)は、出力値差算出部112に入力され、この出力値差算出部112が現在の発熱体HEおよびトランジスタTrを含む発熱体部(直列回路DC)の通電制御時の出力値の測定値(本形態では電圧値、後述するように出力値測定部17で検出)と測定対象の発熱体HEの前後のいずれかの、通電制御が行われた発熱体部(直列回路DC)の測定値(検出電圧)との差を算出する。
【0049】
図3は、本実施形態に係るプリンタユニットにおける制御部としてのCPUの判断処理系の一構成例を示すブロック図である。なお、図3においては、CPU11の判断処理系11Aと共に断線チェック部170を構成する出力値測定部17をあわせて示している。図3の出力値測定部17の構成は図2と同様である。
【0050】
断線チェック部170の判断処理系11Aは、図3に示すように、AD変換器111に加えて、出力値差算出部112、断線判定部113、およびメモリ114を含んで構成されている。また、メモリ114には、断線チェック用閾値VTH1,VTH2,VTH4およびショートチェック用閾値VTH3が格納されている。さらに、メモリ114には、出力値測定部17から出力された(デジタル化された)計測値および出力値差算出部112で算出された算出値が格納されている。
【0051】
(断線判定部)
断線判定部113は、出力値差算出部112により出力値差が予め設定された数値より大きいときには、測定対象の発熱体HEが断線していると判定する。断線判定部113は、この差と、断線であるか否かを判断するための断線チェック用閾値VTHとの比較結果に応じて断線であるか否かを判断し、断線チェックを少なくとも指定範囲の各発熱体HEに対して継続して実行する。ヘッドコントローラ15は、断線している発熱体HEが検知されると、断線している発熱体HEの通電制御時の測定値と次の発熱体HEの通電制御時の測定値との差と、断線がなく正常であるか否かを判定するための閾値との比較結果に応じて、次の発熱体HEが断線であるか否かを判定する。
【0052】
断線判定部113は、メモリ114に記憶されている閾値を状況に応じて読み出して、既に詳述したように、出力値差算出部112で算出された値との比較し、断線しているか否か判定処理を行う。
【0053】
(測定値メモリ)
メモリ114は、AD変換器111でデジタル値に変換された測定対象の発熱体HEの出力値の測定値を格納する。また、出力値差算出部112において、出力値測定部17により測定された測定対象の発熱体HEの出力値とその測定対象の発熱体HEの前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体HEの出力値との差を算出する算出値を格納する。
【0054】
(閾値メモリ)
メモリ114は、測定値と、断線判定部113において測定値と比較するための各種閾値VTH(VTH1、VTH2、VH3、VH4)が格納されている。本形態では、メモリ114は、不揮発性メモリ等により構成されている。また、メモリ114に格納されている各種閾値VTH(VTH1、VTH2、VH3、VH4)は、図3に示すように、断線チェック用閾値VTH1、VTH2、VTH4、ショートチェック用閾値VTH3となっている。
【0055】
(第1の閾値)
第1の閾値VTH1は、測定対象の発熱体HEの出力値(電圧)の上限値とその測定対象の発熱体HEの前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体HEの出力値(電圧)の上限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための閾値である。本形態では、互いに隣接する発熱体HEがその直列回路DCの電流経路において断線がなく正常である場合に、この隣接する発熱体の測定値(電圧値)の上限値は、第1の閾値VTH1の値を超えない差(差電圧内、ここでは、各発熱体における正常な測定電圧値のばらつきが0.3V内)に収まる所定の値をとるとの経験値等に基づきあらかじめ設定された電圧(範囲)値である。
【0056】
換言すれば、第1の閾値VTH1は、断線していない発熱体の検出電圧の上限値が第1の電流経路PI1の第1電流およびチェック対象(通電制御対象)の発熱体部の直流回路を含む第2の電流経路PI2の第2電流の両電流に依存する高い電圧となることから、隣接する正常な発熱体の検出電圧の差電圧は、所定電圧範囲に収まるという経験値等に基づきあらかじめ設定された電圧(範囲)値である。したがって、断線判定部113は、隣接する発熱体の検出電圧の差が第1の閾値VTH1(0.3V)内であれば現チェック対象の発熱体は断線がなく正常であると判定する。断線判定部113は、隣接する発熱体の検出電圧の差が第1の閾値VTH1(0.3V)より大きい値であれば、現チェック対象の発熱体は断線していると判定する。
【0057】
(第2の閾値)
第2の閾値VTH2は、測定対象の発熱体HEの前後のいずれかの発熱体HEが断線している場合、測定対象の発熱体HEの出力値(電圧)の下限値とその測定対象の発熱体HEの前後のいずれかの断線していないと判断された発熱体HEの出力値(電圧)の下限値との差と比較する、断線があるか否かを判定するための閾値である。
【0058】
本形態では、第2の閾値VTH2は、断線している発熱体の検出電圧が後述する第1の電流経路PI1による第1電流のみに依存することから低い電圧となり、断線していない発熱体の検出電圧は第1の電流経路PI1の第1電流およびチェック対象(通電制御対象)の発熱体の直流回路を含む第2の電流経路PI2の第2電流の両電流に依存する高い電圧となることから、その差電圧内または差電圧外(ここでは、断線した発熱体の測定電圧値と断線していない発熱体の測定電圧値の差電圧が0.3Vより大きい範囲)にある所定の値をとるとの経験値等に基づきあらかじめ設定された電圧(範囲)値である。したがって、断線判定部113は、断線している発熱体の通電制御時の検出電圧と次の発熱体の通電制御時の検出電圧との差が第2の閾値VTH2(0.3V)を超える場合には次の発熱体は断線がなく正常であると判定する。断線判定部113は、断線している発熱体部の通電制御時の検出電圧と次の発熱体部の通電制御時の検出電圧との差が0.3V以下であれば、次の発熱体部は断線していると判定する。
【0059】
(第3の閾値)
第3の閾値VTH3は、各発熱体HEに通電制御を行わない(開始しない)状態において、出力値測定部17で検出された測定値が、通電経路にショートが発生しているか否かを判定するための閾値である。本形態では、第3の閾値VTH3は、通電制御を行う前は、検出電圧が後述する第1の電流経路PI1による第1電流のみに依存することから低い電圧となるが、ショート状態にある発熱体が少なくとも一つあると、通電制御をしている状態と同様に、検出電圧は第1の電流経路PI1の第1電流およびチェック対象(通電制御対象)の発熱体の直流回路を含む第2の電流経路PI2の第2電流の両電流に依存する高い電圧となり、この高い電圧に応じた値を経験値等に基づきあらかじめ設定された電圧値(ここでは1.0V)として選定した値である。
【0060】
ヘッドコントローラ15は、断線チェックの判断処理において断線判定部113が、各発熱体HEおよびトランジスタTrを含む各発熱体部(直列回路DC)への通電制御を開始しない状態において、出力値測定部17で検出された測定値(ここでは電圧値)とあらかじめ設定された通電経路にショートが発生しているか否かを判定するための第3の閾値VTH3(たとえば1Vの範囲)とを比較する。比較の結果、この検出電圧が第3の閾値VTH3を超えた場合、サーマルヘッド16がショート状態にあると判定する。ヘッドコントローラ15は、上記判断処理において、出力値計測部17で検出された測定値(電圧値)が第3の閾値VTH3を超えサーマルヘッド16がショート状態にあると判断すると、断線チェックを中止する。ヘッドコントローラ15は、このショート状態の検知をRAM13に記憶する。ヘッドコントローラ15は、出力値計測部17で検出された検出電圧が第3の閾値VTH3以下であると、サーマルヘッド16はショート状態にはないものとして、断線チェックのための通電制御を開始させる。なお、第3の閾値VTH3を適用するタイミングは、断線チェック用電源231から断線チェック用電圧VCの供給を開始してから突入電流が安定するまでの時間(あらかじめ予測した時間)を経過後のタイミングとなるように制御される。
【0061】
(第4の閾値)
第4の閾値は、通電制御開始後の第1番目の発熱体の通電制御をする前の測定値と通電制御時の測定値との差が、断線がなく正常であるか否かを判定するための閾値である。本形態では、ヘッドコントローラ15は、上記判断処理において、通電制御開始後の第1番目の発熱体HE1を含む直列回路DC1については、この第1番目の発熱体部の非通電制御時(通電制御していない通電制御する前)の検出電圧と通電制御時の測定値(電圧値)との差をとる。そして、断線判定部113は、この差とあらかじめ設定した断線がなく正常であるか否かを判定するための第4の閾値VTH4(たとえば0.3Vの範囲)とを比較し、比較の結果、この差が第4の閾値VTH4を超えると第1番目の発熱体HE1を含む直列回路(n=1)DC1を断線していないと判定する。断線判定部113は、この差が第4の閾値VTH4以下であると第1番目の直列回路DC1の発熱体HE1は断線していると判定する。なお、第4の閾値VTH4は、第2の閾値VTH2と同等の閾値を適用することが可能である。
【0062】
断線判定部113は、上記判断処理において、少なくとも指定範囲の各発熱体HEおよびトランジスタTrを含む直列回路DCにおいて、出力値測定部17で検出する測定値(電圧値)と第4の閾値VTH4とを比較する。比較の結果、検出電圧が第4の閾値VTH4を一度も超えることがない場合、サーマルヘッド16が未接続であると判定する。ヘッドコントローラ15は、このサーマルヘッド16が未接続である状態の検知をRAM13に記憶する。
【0063】
(主電流経路、第1の電流経路、第2の電流経路)
つぎに、本形態に係る断線チェックのための電圧検出に関連する電流経路について説明する。図4は、本形態に係る断線チェックのための電圧検出に関連する電流経路について説明するための図である。
【0064】
(主電流経路)
断線チェック装置40において、出力値計測部17の電圧検出用抵抗素子R1を流れる主電流Iの経路が主電流経路MPIであり、主電流経路MPIに接続される電流経路として第1の電流経路PI1と第2の電流経路PI2が形成される。
【0065】
(第1の電流経路)
第1の電流経路PI1は、ノードND173、ノードND174、抵抗素子R2、基準電位VSSに至る経路により形成される。本形態においては、この第1の電流経路PI1に流れる第1の電流をI1とする。
【0066】
(第2の電流経路)
第2の電流経路PI2は、サーマルヘッド16において、いずれかの発熱体(直列回路DC)がショート状態にあり、またはいずれかの発熱体(直列回路DC)が断線なく通電状態となっている場合に形成される。本形態では、この第2の電流経路PI2に流れる第2の電流をI2とする。
【0067】
(電流経路と閾値との関係)
このような構成において、主電流経路MPIに配置されている電圧検出用抵抗素子R1に流れる主電流Iは、基本的に、第1の電流経路PI1を流れる第1の電流I1と第2の電流経路PI2に流れる第2の電流I2との合計(I=I1+I2)となる。ただし、第2の電流I2は、サーマルヘッド16の状態(第2の電流経路PI2が形成されるか否か)によって流れるときと流れないときがある。したがって、主電流経路MPIに流れる主電流Iは第1の電流I1のみの第1のケース(I=I1)と、第1の電流I1と第2の電流I2の合計電流(I=I1+I2)の第2のケースとがある。その結果、電圧検出用抵抗素子R1で検出される電圧DVは、第1のケースの第1の検出電圧DV1より第2のケースの第2の検出電圧DV2の方が高くなる(DV2>DV1)。
【0068】
より具体的には、電圧検出用抵抗素子R1は、サーマルヘッド16がショート状態になっておらず、または非通電制御(通電制御していない通電制御する前)状態にあり、サーマルヘッド16に第2の電流経路PI2が形成されていないときは、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1に応じた電圧DV1(R×I1:Rは抵抗素子の抵抗値)を検出(発生)する。
【0069】
一方、電圧検出用抵抗素子R1は、サーマルヘッド16がショート状態にあり、または通電制御状態にあり、サーマルヘッド16に第2の電流経路PI2を形成しているときは、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1および第2の電流経路PI2に流れる第2の電流I2の合計電流に応じた電圧DV2(R×(I1+I2))を検出(発生)する。
【0070】
本形態においては、サーマルヘッド16がショート状態になく、通電制御状態にあり、サーマルヘッド16に第2の電流経路PI2を形成しているときは、断線のない各発熱体HEごとに検出される第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1および第2の電流経路PI2に流れる第2の電流I2の合計電流に応じた電圧DV2(R×(I1+I2))の誤差(ばらつき)は、第1の閾値VHT1の電圧範囲(たとえば±0.3V)内に収まる。
【0071】
また、サーマルヘッド16がショート状態になく、通電制御状態にあり、前のチェック対象の発熱体HEに断線がありその検出電圧(測定値)が第1の電流経路PI1のみに基づくDV1であって、次の発熱体HEに断線がなく、第2の電流経路PI2を形成しているときは、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1および第2の電流経路PI2に流れる第2の電流I2の合計電流に応じた電圧DV2(R×(I1+I2))の差電圧は、第2の閾値VHT1の電圧範囲(たとえば±0.3V)を超える。
【0072】
一方、サーマルヘッド16がショート状態になく、通電制御状態にあり、前のチェック対象の発熱体に断線がありその検出電圧(測定値)が第1の電流経路PI1のみに基づくDV1であって、次の発熱体HEに断線があり、第2の電流経路PI2が形成されていないときは、次の発熱体HEの検出電圧はDV1であり、その差電圧は、第2の閾値VHT1の電圧範囲(たとえば±0.3V)内となる。
【0073】
また、通電制御していない通電制御する前の状態である場合であって、サーマルヘッド16がショート状態にあり、サーマルヘッド16に第2の電流経路PI2を形成しているときは、検出電圧(測定値)は、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1および第2の電流経路PI2に流れる第2の電流I2の合計電流に応じた電圧DV2(R×(I1+I2)であり、検出電圧DV1より第3の閾値VTH3を超えた値(たとえば1V)となる。
【0074】
一方、通電制御していない通電制御する前の状態である場合であって、サーマルヘッド16がショート状態になく、サーマルヘッド16に第2の電流経路PI2を形成されていなときは、検出電圧(測定値)は、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1電流に応じた電圧DV1であり、第3の閾値VTH3内に収まる電圧となる。
【0075】
本形態では、断線チェック部170は、一つの断線チェックコマンドに応答して一連の断線チェックを行うように制御される。断線チェック部170は、印字用電源部24の第1のスイッチングトランジスタSWT1がオフ状態に制御され、断線チェック用電源部25の第2のスイッチングトランジスタSWT2がオン状態に制御され、電圧検出用抵抗素子R1、さらにはサーマルヘッド16に断線チェック用電源251によって電圧VCが印加されるようになる。そして、電圧検出用抵抗素子R1に第1のケースの第1の電流I1または第2のケースの合計電流(I1+I2)に応じた電圧DV1またはDV2が発生し(検出され)、この電圧を電圧検出部171が信号電圧として検出する。検出した電圧値(測定値)は信号S171として増幅回路172に供給され、増幅回路172で増幅された後、AD変換器111でデジタル信号に変換し、断線判定部113があらかじめプログラムにて設定してある閾値に従ってエラー判定を行い、判定結果をRAM13等に記録している。
【0076】
本実施形態における断線チェックは、第1番目の直列回路DC1から順番に通電制御が行われる。前述したように、断線チェック装置40は、ヘッドコントローラ15により通電制御が行われている段階において、出力値差算出部112は、AD変換器111に出力される現在の発熱体HEおよびトランジスタTrを含む発熱体部(直列回路)の通電制御時の出力値の測定値(本実施形態では電圧値、出力値測定部17で検出)と測定対象の発熱体の前後のいずれかの、通電制御が行われた発熱体部(直列回路)の測定値(検出電圧)との差をとる。そして、断線判定部113は、この差と、断線であるか否かを判断するための閾値VTHとの比較結果に応じて断線であるか否かを判断し、断線チェックを少なくとも指定範囲の各発熱体に対して継続して実行する。断線判定部113は、断線している発熱体が検知されると、断線している発熱体の通電制御時の測定値と次の発熱体の通電制御時の測定値との差と、断線がなく正常であるか否かを判定するための閾値との比較結果に応じて、次の発熱体が断線であるか否かを判定する。
【0077】
つぎに、断線判定部113のより具体的な処理について説明する。
断線判定部113は、測定対象の発熱体の測定値(本実施形態では電圧値)と一つ前の発熱体の測定値との差とあらかじめ設定した断線があるか否かを判定するための第1の閾値VTH1(たとえば0.3Vの範囲)とを比較し、比較の結果、この差が第1の閾値VHT1を超えない発熱体は断線していない(正常)と判定する。断線判定部113は、この差が第1の閾値VTH1を超えた発熱体は断線していると判定する。
【0078】
そして、断線判定部113は、断線している発熱体が検知されると、出力値差算出部112は、この断線している発熱体の通電制御時の測定値(電圧値)と次の発熱体の通電制御時の測定値(電圧値)との差をとる。断線判定部113は、この差とあらかじめ設定した断線がなく正常であるか否かを判定するための第2の閾値VTH2(たとえば0.3Vの範囲)とを比較する。比較の結果、第2の閾値VTH2を超えると、この次発熱体を断線していないと判定する。断線判定部113は、この差が第2の閾値VTH2以下であると次の発熱体は断線していると判定する。ヘッドコントローラ15は、この断線チェック処理を基本的な処理として、以上の第1の閾値VTH1および第2の閾値VTH2を適用した断線判定部113での判断処理を、少なくとも指定範囲の各発熱体およびトランジスタを含む発熱体(一部の範囲あるいは全発熱体)に対して継続して連続的に実行するように制御する。
【0079】
[サーマルヘッドの断線チェックの具体的な処理]
次に、上記構成を有する断線チェック装置40の具体的な断線チェック処理を図7図11に関連付けて説明する。
【0080】
図5は、本形態に係る断線チェック処理を説明するためのフローチャートである。
図6は、断線チェックの開始からの全体的な処理であって、主として正常時の処理を説明するための図である。
図7は、断線チェックにおいて通電制御開始後の一連の断線チェック処理であって、1発熱体部の断線がある場合の処理を含めて説明するための図である。
図8は、断線チェックにおいて全発熱体断線(ヘッド未接続)時の断線チェック波形を示す図である。
図9は、断線チェックにおいて充放電を考慮した場合の断線チェック波形を示す図である。
なお、図6図9において、横軸は時間を示し、縦軸は各信号の相対レベルを示している。
【0081】
図6図9において、S153は断線チェック用電源オン/オフ制御信号を示す。この断線チェック用電源オン/オフ制御信号S153はヘッドコントローラ15が第2のスイッチングトランジスタSWT2のゲートに供給する信号である。S171は断線チェック信号を示す。この断線チェック信号S171は出力値測定部171が検出する信号であり、本形態では測定値信号としての検出電圧信号である。STRはヘッドストローブ信号を示す。このヘッドストローブ信号STRはヘッドコントローラ15がサーマルヘッド16のデータ制御部161に供給する制御信号S151に含まれる制御のタイミング等を示すパルス状の信号である。
【0082】
本形態の断線チェック装置は、図5に示すように、サーマルヘッドの断線チェック処理を実行する。
(ステップST101):断線検知コマンドを実行する。
プリントユニットの制御部としてのCPU11は、ホストコンピュータ30からの断線チェックコマンドに従って、ヘッドコントローラ15を通して、サーマルヘッド16の断線チェックを実行する。
【0083】
(ステップST102):断線チェック用電源251をONする。
図6(A)に示すように、断線チェック用電源オン/オフ制御信号S153をハイレベルで出力して、断線チェック用電源251に接続された第2のスイッチングトランジスタSWT2をオン状態に制御する。
【0084】
(ステップST103):規定時間TW待機する。
第2のスイッチングトランジスタSWT2をオン(電源オン)してから規定時間TW(たとえば152ms)待機する。この規定時間TWは、サーマルヘッド(各発熱体およびトランジスタを含む各発熱体部(直列回路))への通電制御を開始しない状態である。
【0085】
換言すれば、断線チェック用電源オン/オフ制御信号S153により、断線チェック用電源251用の第2のスイッチングトランジスタSWT2をオン後、突入電流が安定するまであらかじめ設定した規定時間TWの間、ヘッドコントローラ15が制御信号S151によりヘッドストローブ信号STRをイネーブルにしないように、サーマルヘッド16のデータ制御部161を制御する。
【0086】
この場合、図6(C)に示すように、ヘッドストローブ信号STRは待機時間TWの間に、パルス状信号としてデータ制御部161に供給されているが、データ制御部161が制御信号S151の指示に従ってヘッドストローブ信号STRをイネーブルにせず、突入電流が安定するまで通電制御状態とならないように制御する。
【0087】
(ステップST104):ショート状態にあるか否かを判定する。
規定時間TW経過した後、サーマルヘッド(各発熱体およびトランジスタを含む各発熱体部(直列回路))がショート状態にあるか否かを判定する。具体的には、図6(C)中にt1で示すヘッドストローブ信号STRの立ち上がりエッジにて、断線判定部113が断線チェック信号S171(検出電圧DV)による測定値とショート状態にあるか否かを判定するための第3の閾値VTH3とを比較する。比較の結果、検出電圧DVが第3の閾値VTH3以下であれば、次に通常の通電制御を行う発熱体の断線チェックに移行する。この場合、電圧検出用抵抗素子R1は、サーマルヘッド16がショート状態ではなく、またはサーマルヘッドへの通電制御をしていない状態にあり、サーマルヘッド16に第2の電流経路PI2が形成されていないことから、電圧検出部171は、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1のみに応じた電圧DV1を検出する。この第1の電流I1のみによる検出電圧DV1(断線チェック信号S171)は第3の閾値VTH3(本例では1Vの範囲)以下となり、その結果に応じてサーマルヘッド15は次に通常の通電制御を行う発熱体HEのチェックに移行する。
【0088】
(ステップST105):断線検知エラーと判定する。
ステップST104において、検出電圧DVが第3の閾値VTH3を超えていると判断した場合には、断線検知エラー、具体的には、ショート検知エラーと判定する。この場合、断線判定部113は、各発熱体およびトランジスタを含む各直列回路の通電制御をいまだ開始していない状態にあることから、発熱体部のいずれかにショート箇所があって、第2の電流経路PI2が形成されているものと判定する。すなわち、発熱体部のいずれかがショート状態であると、電圧検出用抵抗素子R1は、第1の電流経路PI1に流れる第1の電流I1および第2の電流経路PI2に流れる第2の電流I2の合計電流(I1+I2)に応じた電圧DV2を検出する。この合計電流I1+I2による検出電圧DV2(断線チェック信号S171)は第3の閾値VTH3(本例では1Vの範囲)を超えるレベルとなり、その結果に応じてヘッドコントローラ15(断線判定部113)はヘッドショートであると判定する。出力値測定部17で検出された検出電圧が第3の閾値VTH3を超えサーマルヘッド16がショート状態にあると判定すると、断線チェックを中止する。ヘッドコントローラ15を通じて、プリンタユニットの制御部(CPU11)は、このヘッドショート状態の検知をRAM13に記憶する。
【0089】
(ステップST106):通電制御を開始する。
ヘッドコントローラ15は、サーマルヘッド16の断線チェックのための通電制御を開始する。具体的には、ステップS104において、出力値測定部17で検出された検出電圧DVが第3の閾値VTH3以下である場合、サーマルヘッド16はショートなどの断線しておらず、正常であると判定される。そこで、サーマルヘッド16を構成している各発熱体HEについて断線チェックのための通電制御を開始する。
【0090】
(ステップST107):ヘッド未接続であるか否かを判定する。
ヘッドコントローラ15は、サーマルヘッドへの通電制御を開始した後、第1番目の発熱体の断線チェックを実行する。具体的には、図6(C)に示すように、ヘッドストローブ信号STRの立ち下がりエッジのタイミングt2において、データ制御部161が所定のタイミングで信号S161により所望の発熱体への通電制御を開始する。出力値測定部17は、通電制御開始後の1番目の発熱体については、この1番目の発熱体のタイミングt3の通電制御時の検出電圧Vt3(測定値)を計測する。計測した検出電圧(測定値)は、出力値差算出部112に出力される。出力値差算出部112は、この1番目の発熱体の検出電圧Vt3(測定値)と一つ前のストローブ信号の立ち上がりエッジタイミングt1の通電制御する前の検出電圧Vt1(測定値)との差を算出する。そして、断線判定部113は、この差と第4の閾値VTH4(たとえば0.3Vの範囲)とを比較し、比較の結果、この差が第4の閾値VTH4を超えると1番目の発熱体(n=1)は断線していないと判定する。一方、断線判定部113は、この差が第4の閾値VTH4以下であると1番目の発熱体は断線していると判定する。このように、サーマルヘッドへの通電制御を開始する時には、ヘッドコントローラ15は、次の立ち上がりエッジ時の断線チェック信号(検出電圧)と、1つ前の立ち上がりエッジ時の断線チェック信号(検出電圧)との差が第4の閾値VTH4以上であれば、正常の発熱体と判断し、2番目の発熱体以降の断線チェックに移行する。なお、本形態では、上述したように、第4の閾値に基づく断線チェック処理は、第1番目の発熱体から最終番目の発熱体まで断線チェックを実行する。
【0091】
(ステップST113):エラー(サーマルヘッドが未接続である)と判定する。
断線判定部113は、比較の結果、図8に示すように、検出電圧が第4の閾値VTH4を一度も超えることがない場合、サーマルヘッド16が未接続であると判断する。すなわち、本形態では、断線チェック信号が一度も第4の閾値VTH4を超えない場合もエラー(ヘッド未接続)となる。プリンタユニットの制御部としてのCPU11は、ヘッドコントローラ15を通じて、このサーマルヘッド16が未接続である状態の検知をRAM13に記憶する。ヘッドコントロール15は、断線判断部113での比較の結果、図9に示すように、1番目の検出電圧が第4の閾値VTH4を一度も超えることがない場合、サーマルヘッド16が未接続であると判定する。すなわち、本形態では、断線チェック信号が一度も第4の閾値VTH4を超えない場合もエラーとなる。プリンタユニットの制御部としてのCPU11は、ヘッドコントローラ15を通じて、エラー信号を受けて、このサーマルヘッド16が未接続である状態の検知をRAM13に記憶する。
【0092】
(ステップST108):最終の発熱体であるかどうかを確認する。
ステップST107において正常な発熱体であると判定すると、最終の発熱体部の発熱体であるかをチェックし、最終の発熱体でない場合には、ステップST109においてつぎの第2番目の発熱体部の発熱体のチェックに移行する。
【0093】
(ステップST109):つぎの発熱体(部)の断線チェックを実行する。
ステップS107に戻り、図5に示すように、断線チェックが最終番目の発熱体であるかどうかを確認する。最終番目の発熱体でなければ、次の第n番目の発熱体HEnについて断線チェックを実行する。なお、発熱体全数について断線チェックすることに限定されるものではない、たとえば、印字範囲に基づき、指定した発熱体について断線チェックするようにしてもよい。
【0094】
(ステップST110):各発熱体の断線チェックを実行する。
各発熱体の断線チェックを第1の閾値VTH1または第2の閾値VTH2をいずれかを用いて、第2番目から最終番目の発熱体までの断線チェックを実行する。
(第1の閾値を用いた断線チェック)
【0095】
サーマルヘッドへの通電制御を継続し、第2番目の発熱体から最終番目の発熱体まで断線チェックを実行する。具体的には、図7(C)に示すように、ヘッドストローブ信号STRの立ち下がりエッジのタイミングtm’において、データ制御部161が所定のタイミングで信号S161により所望の発熱体(m番目)への通電制御を開始する。出力値測定部17は、通電制御開始後のm番目の発熱体については、ヘッドストローブ信号STRの立ち上がりエッジのタイミングtm時、このm番目の発熱体の検出電圧Vtm(測定値)(本形態では上限値)を計測する。この発熱体(m番目)の検出電圧Vtm(測定値)(本形態では上限値)は、ヘッドストローブ信号STRの立ち上がりエッジのタイミングtm―1時、1つ前の発熱体(m−1番目)の検出電圧Vtm−1(測定値)(本形態では上限値)と比較する。その比較結果が第1の閾値VTH1以上であるか否かを判断し、VTH1以上であれば断線、VTH1以下であれば正常な発熱体と判断する。
【0096】
(第2の閾値を用いた断線チェック)
ステップST110にて断線を検知した場合、図7(C)に示すように、断線が検知された発熱体のストローブ信号の立ち上がりエッジのタイミングt6の検出電圧Vt6(本形態では下限値)と次の発熱体のストローブ信号の立ち上がりエッジのタイミングt7の検出電圧Vt7(本形態では上限値)との差異を比較し、第2の閾値VTH2以上の場合は、断線していない、正常な発熱体として判定する。一方、第2の閾値VTH2以下の場合は、断線が継続していると判定する。なお、このときの第2の閾値VTH2は通電開始時の上記第4の閾値VTH4と同じでよく、その処理の電流の流れ等の詳細は省略する。
上述したとおり、計測対象となっている発熱体(部)が断線していない、正常な発熱体として判定された場合には、第1の閾値での断線判定に戻る。
【0097】
(ステップST111):最終の発熱体であるかどうかを確認する。
ステップST110において正常な発熱体であると判定すると、最終の発熱体であるかをチェックし、最終の発熱体でない場合には、ステップST109において次の発熱体のチェックに移行する。そして、ステップST111、ST108にで、最終の発熱体であると判断した場合には、正常終了とする。
(ステップST108):最終の発熱体であるかどうかを確認する。
ステップST107において正常な発熱体であると判定すると、最終の発熱体であるかをチェックし、最終の発熱体でない場合には、ステップST109においてつぎの発熱体のチェックに移行する。
【0098】
(ステップST112):断線検知エラーと判定する。
第n+1番目の発熱体と第n番目の発熱体との検出電圧の上限値の差が第1の閾値VTH1以上あった場合は、断線検知エラー(発熱体断線)となる。断線を検知した場合にはステップST112の判断処理に移行する。
【0099】
このように、ヘッドコントローラ15は、通電制御が行われている段階において、現在の発熱体の通電制御時の検出電圧と一つ前に通電制御が行われた発熱体の検出電圧との差をとる。断線判定部113は、この差とあらかじめ設定した第1の閾値VTH1(たとえば0.3Vの範囲)とを比較し、比較の結果、この差が第1の閾値VHT1を超えない発熱体は断線していないと判断する。このように、正常な発熱体では前の発熱体とのレベル差が閾値以下のため、エラーとはならない。断線判定部113は、この差が第1の閾値VTH1を超えた発熱体は断線していると判定する。
【0100】
そして、CPU11は、断線している発熱体が検知されると、この発熱体部(直列回路)の通電制御時の検出電圧と次の発熱体部(直列回路)の通電制御時の測定電圧(検出電圧)との差をとる。断線判定部113は、この差とあらかじめ設定した第2の閾値VTH2(たとえば0.3Vの範囲)とを比較し、比較の結果、第2の閾値VTH2を超えると、次の発熱体を断線していないと判定する。断線判定部113は、この差が第2の閾値VTH2以下であると次の発熱体は断線していると判定する。断線判定部113は、以上の第1の閾値VTH1および第2の閾値VTH2を適用した判定処理を、少なくとも指定範囲の各発熱体(一部の範囲あるいは全発熱体)に対して継続して実行する。
【0101】
以上の処理を最終発熱体の断線チェックまで繰り返すと、RAM13内の該当する領域に記憶した、たとえば720本の発熱体HEの断線判定結果を、通信用I/F14からホストコンピュータ30に送信して一連の断線チェック処理を終了する。
【0102】
[本形態の優位性]
ここで、本形態の断線チェックの優位性について考察する。
出願人が実施していた従来の既存技術である、絶対値で断線を検知する方式(絶対値方式)では、高速で走査した場合、サーマルヘッド電源ラインに実装してある電解キャパシタ(コンデンサ)の充放電特性により、定常状態まで電圧が振り切らないという問題がある。そのため、絶対値方式の場合、安定したチェックのために充放電を考慮した長いチェック時間が必要となる(図9参照)。既存方式では、キャパシタ(コンデンサ)の充放電を待つ場合は、図9中の破線部分のように飽和するまでに時間がかかる(たとえば、10倍以上)。また、絶対値方式の場合、サーマルヘッドの抵抗値バラツキや、電解キャパシタ(コンデンサ)等による検知電圧のバラツキが大きいため、検知閾値設定が困難であるという問題がある。また、発熱体部(発熱体とトランジスタとからなる直列回路DC)のショートが発生した場合には、検知電圧が相対的に上昇してしまうため、断線を検知できなくなるという可能性がある。
【0103】
これに対し、本形態では、1の発熱体部前の信号レベルと現在の発熱体部の信号レベルを比較し、レベル差が閾値を超えた場合にエラーとする方式を採用している。この方式にすることにより、過渡状態における断線チェックを連続して行うことが可能となり、今回と前回の電圧変化量との差を閾値と比較した後、絶対値による判定等を行う必要がなく、大幅にチェック時間の短縮が可能となる(たとえば、1/10以下)。また、本形態では、突入電流により誤検知防止策およびヘッドショートを検知する方法として、チェック用電源がオンしてから、152msの待機時間とショート閾値を設けている。これにより、安定状態からの断線チェックを可能とすると共に、ヘッドショート状態を検知することが可能となっている。
【0104】
[プリンタユニットの全体の動作]
次に、本形態に係るプリンタユニット10の全体的な動作について説明する。
図10は、本形態に係るプリンタユニット10の全体の動作を説明するためのフローチャートである。
【0105】
(ステップST201):プリンタユニット10の電源が投入される。
(ステップST202):プリンタユニットの制御部としてのCPU11は通信I/F14を通して上位装置であるホストコンピュータ30との接続確認を行う。
【0106】
(ステップST203):接続確認に成功すると、プリントユニットの制御部としてのCPU11はステッピングモータ18,20、22等の駆動部の初期化を行う。本形態での初期化とは、プリンタユニット10が使用可能な状態となるように準備を行うための動作をいい、この初期化動作は、プリンタユニット10の電源投入時、始業開始前あるいは所定のエラー処理後等に行われる。たとえば、プリンタユニット10内のROM/RAMチェック、ポート設定、変数設定等のソフトウェア処理のことをいう。
(ステップST204):接続確認に失敗すると、CPU11は接続エラーとして扱う。
【0107】
(ステップST205):初期化に成功すると、CPU11は上位装置であるホストコンピュータ30からのコマンド待ちとなる。初期化が完了すると、CPU11においてホストコンピュータ30からのコマンドに従ってプリンタユニット10の主機能の処理を実行される。主機能の処理とは、たとえば、プリンタユニット10では、カードの読み取り機能、取り込み機能等、サーマルヘッドでの印字機能等のすべての機能を発揮する。
(ステップST206):初期化に失敗すると、CPU11は初期化エラーとして扱う。
なお、本形態では、断線チェックコマンドは後述べるステップS208で行うようにしたが、駆動部初期化の中に断線チェックコマンドを組み込む場合もある。
【0108】
(ステップST207):CPU11は、コマンド待ち状態で、カード発行コマンドの受信に成功する。
【0109】
(ステップST208):CPU11は、ヘッドコントローラ15を通して、たとえばここでサーマルヘッド16の断線チェックを行う。なお、サーマルヘッド16の断線チェックは、上述したとおりであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
(ステップST209):カード発行コマンドの受信に失敗すると、CPU11はタイムアウトエラーとして扱う。
【0110】
(ステップST210):ステップST208の断線チェックについて、エラーが検出されると、ヘッドショート、ヘッド未接続エラーを含めて断線チェックエラーとして処理される。尚、本エラーはそれぞれのエラーとして個別に処理するように構成する場合もある。
【0111】
(ステップST211):ステップST208の断線チェックにおいて、エラーがない場合には、カードホッピングユニット等からカードを繰り出す。
(ステップST212):プリンタユニットにカードを取り込む。
(ステップST213):カード取り込みに成功すると、CPU11はカードへの印字を行う。
【0112】
(ステップST214):プリントユニットは印字に成功すると、カード排出を行う。この断線チェックのタイミングは任意である。断線チェックを印字後、実施する場合もある。
【0113】
(ステップST215):必要な数のカードに印字が成功し、カード排出を行った後(ステップST205〜ST215)、CPU11は通信I/F14を通して上位装置であるホストコンピュータ30との接続を切断する。
【0114】
(ステップST216):ステップST212でプリンタユニットへのカード取り込みに失敗した場合、ステップST213でカードへの印字が失敗した場合、ステップST214でカード排出に失敗した場合には、CPU11はタイムアウトエラー、ジャムエラー等として扱う。
(ステップST217):上位装置であるホストコンピュータ30との接続が切断された後、たとえば電源が落とされる。
【0115】
上記フローにより、カード発行動作の中に断線チェックを組み込んだ場合、カード発行時間が長くなるため、発行時間を短縮するには、断線チェック時間の短縮が重要となる。既存技術では、断線チェックと同時にヘッドショート・コネクタ抜けなどによるヘッド未接続のチェックを行うものはなく、個別にコマンドを分けて実施するしかなかった。このため、個別に実施する場合は、コマンド遅延時間などを含め、走査時間が増えてしまう問題があった。発行時間を可能な限り短くするという観点では、本実施形態の1コマンドで断線チェック・ヘッドショート・ヘッド未接続が検知できる技術は、走査時間の短縮、ひいてはカード発行時間の短縮に繋がるという利点がある。
【0116】
[実施形態の主な効果]
本形態によれば、断線チェック用電源に接続されたスイッチングトランジスタSWT2をオン後、突入電流が安定するまでストローブ信号をイネーブルにせず、突入電流が安定するまで通電制御状態とならないように制御する。その直後にヘッド断線チェック信号を監視し、発熱体の通電する電流経路にショートが発生しているか否かを判定するための第3の閾値VTH3を超えたらヘッドショートと判定する。また、ヘッドショート判定処理を行った後にストローブ信号をイネーブルし、サーマルヘッド内部の各発熱体へ通電を開始する。この際、ストローブ信号の立ち上がりエッジに同期して、ヘッド断線チェック信号を監視し、下記判定を行う。
【0117】
チェック開始の第1番目の発熱体または計測対象となる発熱体の前の発熱体が断線が検知した場合の次の発熱体とのレベル差が正常と判定された発熱体であるか否かを判定するための第4の閾値VTH4または第2の閾値VTH2を超えたら、次の発熱体を正常な発熱体と判定する。前の発熱体とのレベル差が発熱体に断線があるか否かを判定するための第1の閾値VTH1を超えたら発熱体が断線していると判定する。チェック開始から一度も正常発熱体であるか否かを判定するための第4の閾値VTH4を超えない場合、全発熱体断線(ヘッド未接続)と判断する。したがって、本形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0118】
本形態のサーマルヘッドの断線チェック装置または断線チェック方法は、断線判定部が、断線している発熱体が検知されると、断線している発熱体の通電制御時の測定値と次の発熱体の通電制御時の測定値との差と、断線がなく正常であるか否かを判定するための断線チェック用閾値VTHとの比較結果に応じて、次の発熱体が断線であるか否かを判定する。これにより、サーマルヘッドを構成する複数の発熱体の1つ1つの断線チェックのチェック時間を従来に比べて短時間で行うことを可能となる。
【0119】
また、本形態の断線判定部は、現在の発熱体の通電制御時の測定値(上限値)と一つ前に通電制御が行われた発熱体の測定値(上限値)との差が、断線があるか否かを判定するための第1の閾値VTH1と、断線している発熱体が検知されると、断線している発熱体の通電制御時の測定値(下限値)と次の発熱体の通電制御時の測定値(上限値)との差が、断線がなく正常であるか否かを判定するための第2の閾値VTH2とを有しているので、これにより、たとえ、測定対象の前後のいずれかの発熱体が断線している場合に第1の閾値で判定できない場合でも、第2の閾値を用いて断線チェックを行うことが可能となる。このため、確実に断線チェックを行うことが可能となる。
【0120】
さらに、本形態の断線チェック装置において、断線判定部は、各発熱体への通電制御を開始しない状態において、出力値測定部で検出された測定値が、通電する電流経路にショートが発生しているか否かを判定するための第3の閾値を有している。これにより、測定値が、第3の閾値を超えていると判定された場合には、サーマルヘッドがショート状態にあると判定して断線チェックを中止する。測定値が第3の閾値以下である場合には、断線チェックのための通電制御を開始させる。このため、ショート状態を的確にかつ迅速に検出することが可能となり、ひいてはチェック時間を短縮することが可能となる。
【0121】
また、本形態の断線チェック装置において、断線判定部には、通電制御開始後の1番目の発熱体については、当該1番目の発熱体の通電制御をする前の測定値と通電制御時の測定値との差が、断線がなく正常であるか否かを判定するための第4の閾値を有している。たとえば、出力値差算出部で算出された値(差)が第4の閾値を超えた場合には1番目の発熱体は断線していないと判定し、もし、差が第4の閾値以下である場合には1番目の発熱体は断線していると判定している。これにより、通電制御開始後の第1番目の発熱体が断線しているか否かのチェックを正確に行うことが可能となる。
【0122】
さらに、本形態では、少なくとも指定した範囲の各発熱体第が第4の閾値を超えることがない場合、断線判定部は、サーマルヘッドが未接続であると判定しているので、サーマルヘッドの接続の有無を検知することが可能となる。
【0123】
本形態の断線チェック装置は、一端側が断線チェック用電源に接続された電圧検出用抵抗素子に主電流が流れる主電流経路と、その主電流経路に接続される第1の電流経路と第2の電流経路とが形成されている。電圧検出用抵抗素子は、サーマルヘッドがショート状態ではなく、または通電制御状態ではなくサーマルヘッドに第2の電流経路が形成されていないときは、第1の電流経路に流れる第1の電流に応じた電圧を検出し、サーマルヘッドがショート状態にあり、または通電制御状態にありサーマルヘッドに第2の電流経路が形成されているときは、第1の電流経路に流れる第1の電流および第2の電流経路に流れる第2の電流に応じた電圧を検出するようにしている。これにより、サーマルヘッドの状態に応じた測定値を的確に検出することが可能となる。
【0124】
また、本形態のサーマルヘッドの断線チェック装置は、上位装置からの一つの断線チェックコマンドに応答して一連の断線チェックを行うので、一つのコマンドだけで、少なくとも指定する範囲の発熱体の一連の断線チェックを行うことが可能となる。
【0125】
さらに、本形態のサーマルヘッドの断線チェック装置は、サーマルヘッドの各発熱体を選択的に通電制御することにより、搬送路で搬送されるカードの表面に加熱されたインクリボンのインクを転写して印字を行うプリンタユニットに適用されている。これにより、サーマルヘッドの各発熱体における断線チェックを連続的に正確に行うことが可能となり、品質の高い印字を保持可能なプリンタユニットを実現することが可能となる。
【0126】
本形態のサーマルヘッドの断線チェック装置は、断線検知用閾値VTHを1つ前の発熱体とのレベル差とすることにより、チェック開始後の発熱体および断線した次の発熱体を誤判定しにくくなるとともに、故障していると判定された発熱体を特定し易くなる。また、検査時間の短縮が可能となる。検査コマンド実施後の待機時間を入れることにより、定常状態からの検査が可能となり、突入電流により誤判定を防止することができる。サーマルヘッドに対し通電していない状態における定常状態での閾値を設けることにより、1発熱体(部)以上のヘッドショートを検知可能となる。また、断線チェックの開始から一度も閾値を超えない場合の判定処理を設けることにより、サーマルヘッド未接続を検知可能となる。上記効果により、印字前にサーマルヘッド不良を検出でき、印刷物(カード等)の書損を防止することができる。
【0127】
このように、本形態によれば、検知する閾値を、絶対値ではなく一つ前の発熱体の測定値(たとえば電圧)との差とすることで、断線している発熱体を特定し易くなる。また、前発熱体との電圧差で判定するため、過渡中の検査を連続して行うことが可能となり、チェック時間の短縮が可能となる。
検査コマンド実行後から規定時間待機を入れることにより、突入電流を無視した安定状態からの検査を可能とする。このヘッド無通電時の検知閾値を設けることにより、サーマルヘッドのショート状態も検知可能となる。また、サーマルヘッド断線走査時の電圧変動の有無を監視し、閾値を一度も越えなかった場合に、サーマルヘッド接続有無を検知可能となる。
【0128】
(他の実施の形態)
なお、本実施形態では、各種閾値を設定してヘッド断線やヘッドショートの判断処理を行うように構成したが、各判断ごとに別の閾値を設定する必要は必ずしもなく、たとえば第4の閾値VTH4は、第2の閾値VTH2と同等の閾値を適用することが可能である。
また、本形態では、PLDを用いているが、PLDの代わりにゲート・アレー(G/A)を適用することも可能である。
【0129】
なお、以上詳細に説明した方法は、上記手順に応じたプログラムとして形成し、CPU等のコンピュータで実行するように構成することも可能である。また、このようなプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体、この記録媒体をセットしたコンピュータによりアクセスし上記プログラムを実行するように構成可能である。
【符号の説明】
【0130】
10・・・プリンタユニット、11・・・CPU(制御部本体)、111・・・AD変換器、112・・・出力値差算出部、113・・・断線判定部、114・・・メモリ、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・通信I/F、15・・・ヘッドコントローラ、16・・・サーマルヘッド、17・・・出力値計測部、171・・・電圧検出部、172・・・増幅回路、18、20・・・ステッピングモータ、19、21・・・ステッピングモータドライバ、22・・・DCモータ、23・・・DCモータドライバ、HE1〜HEn・・・発熱体、Tr1〜Trn・・・トランジスタ、24・・・印字用電源部、241・・・印字用電源、242・・・連続通電保護回路、25・・・断線チェック用電源部、251・・・断線チェック用電源、SWT1・・・印字用電源オン/オフ制御用スイッチングトランジスタ、SWT2・・・断線チェック用電源オン/オフ制御用スイッチングトランジスタ、R1・・・電圧検出用抵抗素子、R2・・・第1の電流経路を形成する抵抗素子、C1・・・キャパシタ、D1・・・逆流防止用ダイオード、ND171〜ND174・・・ノード、24・・・印字用電源、30・・・ホストコンピュータ、40・・・サーマルヘッドの断線チェック装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10