特許第6472983号(P6472983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6472983
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/675 20180101AFI20190207BHJP
   F21S 41/365 20180101ALI20190207BHJP
   F21S 41/147 20180101ALI20190207BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20190207BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190207BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20190207BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20190207BHJP
【FI】
   F21S41/675
   F21S41/365
   F21S41/147
   F21Y101:00 300
   F21Y115:10
   F21Y115:20
   F21Y115:30
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-229072(P2014-229072)
(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公開番号】特開2016-91976(P2016-91976A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆芳
(72)【発明者】
【氏名】中澤 美紗子
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−163921(JP,A)
【文献】 特開2014−053184(JP,A)
【文献】 特開2014−175097(JP,A)
【文献】 特開2009−259654(JP,A)
【文献】 特開2007−156056(JP,A)
【文献】 特開2013−132984(JP,A)
【文献】 特開2013−023182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
投影レンズと、
前記投影レンズの後方に配置され、前記光源から出射した光を選択的に該投影レンズへ反射する反射装置と、
前記反射装置が搭載面に固定されたプレートと、
前記プレートと前記投影レンズとを支持する支持部材と、
前記投影レンズと前記プレートとを前記支持部材に対して固定可能であるとともに、該投影レンズと該プレートとの相対的な位置を調整可能な調整機構と、を備え
前記調整機構は、前記プレートを前記投影レンズの光軸を中心とした回転方向に回転できるように構成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記光源は、前記支持部材の所定位置に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記支持部材は、一体成型によって製造された部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記反射装置は、マトリックス状に配列したマイクロミラーアレイを有し、
前記マイクロミラーアレイの各ミラー素子は、光源から出射された光を所望の配光パターンの一部として有効に利用されるように前記投影レンズへ向けて反射する第1反射位置と、光源から出射された光が有効に利用されないように反射する第2反射位置とを切り替え可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マトリックス状に配列された複数の反射素子が表面に設けられた反射装置により、光源から出射した光を選択的に反射することで、車両前方を所定の配光パターンで照射する車両用照明装置が考案されている(特許文献1、2)。反射装置は、多数個の反射素子がそれぞれ傾倒可能に配置されており、多数個の反射素子の位置を第1位置と第2位置とに切り替え可能である。そして、反射装置は、各反射素子を、光源からの光の反射方向が配光パターンの形成に寄与する第1位置と配向パターンの形成に寄与しない第2位置とに適宜変化させることで、路面などを照明する配光パターンを形成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−104288号公報
【特許文献2】特開2004−210127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両用灯具を組み立てた際に反射装置が所定の位置からずれて配置されていると、所望の配光パターンが得られない。このような反射装置が組み込まれた車両用灯具は、そのままでは車両に搭載できないため、他の反射装置に交換したり、反射装置を所定の位置にずらしたりする必要があり、不良品の増大や作業の増大によるコスト上昇のおそれがある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用灯具における反射装置の位置を調整する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、光源と、投影レンズと、投影レンズの後方に配置され、光源から出射した光を選択的に該投影レンズへ反射する反射装置と、反射装置が搭載面に固定されたプレートと、プレートと投影レンズとを支持する支持部材と、投影レンズとプレートとを支持部材に対して固定可能であるとともに、該投影レンズと該プレートとの相対的な位置を調整可能な調整機構と、を備える。
【0007】
この態様によると、プレートの搭載面の所望の位置から反射装置がずれて固定された場合であっても、調整機構によりプレートと投影レンズとの相対的な位置が調整できる。そのため、反射装置が搭載面に固定されたプレート自体では、所望の特性を満たさないような部品であっても、車両用灯具として所望の特性を満たすことができる。
【0008】
調整機構は、プレートを投影レンズの光軸を中心とした回転方向に回転できるように構成されていてもよい。これにより、反射装置がプレートの所望の位置に対して投影レンズの光軸を中心とした回転方向にずれていても、車両用灯具に反射装置を組み込む際に、投影レンズと反射装置との相対的な位置を調整できるため、車両用灯具として所望の特性を満たすことができる。
【0009】
光源は、支持部材の所定位置に固定されていてもよい。これにより、プレートと投影レンズとの相対的な位置だけでなく、プレートと光源との相対的な位置の精度を向上できる。
【0010】
支持部材は、一体成型によって製造された部材であってもよい。これにより、プレート、投影レンズおよび光源の相対的な位置の精度が更に向上する。
【0011】
反射装置は、マトリックス状に配列したマイクロミラーアレイを有してもよい。マイクロミラーアレイの各ミラー素子は、光源から出射された光を所望の配光パターンの一部として有効に利用されるように投影レンズへ向けて反射する第1反射位置と、光源から出射された光が有効に利用されないように反射する第2反射位置とを切り替え可能に構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両用灯具における反射装置の位置を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施の形態に係る車両用灯具の斜視図である。
図2】第1の実施の形態に係る車両用灯具の分解斜視図である。
図3】第1の実施の形態に係る車両用灯具の側面図である。
図4】第1の実施の形態に係る車両用灯具の正面図である。
図5図4に示す車両用灯具のA−A断面図である。
図6】第1の実施の形態に係る車両用灯具の背面図である。
図7】第2の実施の形態に係る車両用灯具の分解斜視図である。
図8図8(a)は、第3の実施の形態に係る上下方向の調整機構に用いられるプレートの背面図、図8(b)は、第3の実施の形態の変形例に係る左右方向の調整機構に用いられるプレートの背面図である。
図9図9(a)は、反射装置の一例の概略構成を示す正面図、図9(b)は、図9(a)に示す反射装置のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る車両用灯具の斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る車両用灯具の分解斜視図である。図3は、第1の実施の形態に係る車両用灯具の側面図である。図4は、第1の実施の形態に係る車両用灯具の正面図である。図5は、図4に示す車両用灯具のA−A断面図である。
【0016】
第1の実施の形態に係る車両用灯具10は、例えば車両用前照灯に用いられる。車両用灯具10は、光源12と、集光部材14と、リフレクタ16と、反射装置18と、反射装置18が搭載面20aに固定されたプレート20と、投影レンズ22と、プレート20および投影レンズ22とを支持する支持部材24と、支持部材24と連結されている放熱部材26と、投影レンズ22とプレート20とを支持部材24に対して固定可能であるとともに、投影レンズ22とプレート20との相対的な位置を調整可能な調整機構28と、を備える。
【0017】
光源12は、LED(Light emitting diode)、LD(Laser diode)、EL(Electroluminescence)素子等の半導体発光素子や、電球、白熱灯(ハロゲンランプ)、放電灯(ディスチャージランプ)等を用いることができる。集光部材14は、光源12から出射した光の多くをリフレクタ16の反射面16a(図5参照)に導けるように構成されている。集光部材14は、例えば、内面が所定の反射面となっている反射鏡や砲弾形状の中実導光体等が用いられる。なお、光源12から出射した光を反射装置18の反射面に直接導ける場合は、集光部材を用いなくてもよい。
【0018】
反射装置18は、投影レンズ22の車両後方側であって、投影レンズ22の光軸X上に配置され、光源12から出射した光を選択的に投影レンズ22へ反射するように構成されている。反射装置18は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)やDMD(Digital Mirror Device)といった複数の微小ミラーをアレイ(マトリックス)状に配列したものである。なお、これらの複数の微小ミラーの反射面の角度をそれぞれ制御することで、光源12から出射した光の反射方向を選択的に変えることができる。つまり、光源12から出射した光の一部を投影レンズ22へ向けて反射し、それ以外の光を有効に利用されないような方向へ向けて反射することができる。ここで、有効に利用されないような方向とは、例えば、反射光の影響が少ない方向(例えば所望の配光パターンの形成に寄与しない方向)や光吸収部材(遮光部材)に向かう方向と捉えることができる。
【0019】
本実施の形態に係る投影レンズ22は、第1レンズ30と、第2レンズ32と、第2レンズ32を収容しつつ先端開口部に第1レンズ30が嵌め込まれている筒状のレンズケース34と、レンズケース34の先端開口部に装着するレンズカバー36と、を含む。また、第2レンズ32の焦点近傍にマイクロミラーアレイからなる反射装置18が配置されている。
【0020】
放熱部材26は、例えば、金属やセラミック等のヒートシンクであり、光源12が搭載される光源搭載部38を有する。光源搭載部38は、光源12を所望の位置に搭載できるように構成されている。
【0021】
集光部材14は、集光部材14および放熱部材26に形成された位置決め部(例えば、位置決め穴14aと位置決めピン26aとの組合せ。)で放熱部材26に対して位置決めされる。そして、集光部材14は、ネジ穴14bを通ったネジ15を放熱部材26に設けられた取付穴26bに締結することで、放熱部材26に対して位置決め固定される。
【0022】
リフレクタ16は、リフレクタ16および支持部材24に形成された位置決め部(例えば、位置決めボスと位置決め穴24aとの組合せ。)で支持部材24に対して位置決めされる。そして、リフレクタ16は、ネジ穴16bを通ったネジ17を支持部材24に設けられた取付穴24bに締結することで、支持部材24に対して位置決め固定される。
【0023】
投影レンズ22は、レンズケース34を介して、支持部材24に位置決め固定される。具体的には、レンズカバー36と一体化されるレンズケース34および支持部材24に形成された位置決め部(例えば、位置決めボスと位置決め穴24c)で支持部材24に対して位置決めされる。そして、投影レンズ22は、ネジ穴36aおよびネジ穴34aを通ったネジ37を支持部材24に設けられた取付穴24dに締結することで、支持部材24に対して位置決め固定される。
【0024】
上述のように構成された車両用灯具10は、部分的な点消灯を実現する可変配光前照灯に用いることができる。
【0025】
[調整機構]
次に、本実施の形態に係る調整機構について詳述する。図6は、第1の実施の形態に係る車両用灯具の背面図である。上述のように、本実施の形態に係る投影レンズ22は、支持部材24に対して位置決め固定されている。したがって、プレート20に搭載された反射装置18が所定の位置からずれていると、仮にプレート20を支持部材24に対して正確に位置決め固定したとしても、反射装置18により反射された光は投影レンズ22に対してずれて入射することになる。そのため、投影レンズ22を通過して車両前方に形成される配向パターンが照射する領域がずれたり、配向パターンの形状がゆがんだりといった現象が起きうる。
【0026】
そのため、プレート20の所定位置に対して反射装置18を正確に搭載することが重要であることは言うまでもないが、プレート20への反射装置18の位置決めを100%保証することは困難である。仮に、プレート20への反射装置18の位置決めの公差を極限まで小さくすると、製造工程が煩雑となったり、歩留りが低下したりするため、コストの増大を招くことにもなる。
【0027】
そこで、本実施の形態に係る車両用灯具10では、プレート20に対する反射装置18の位置ズレを、プレート20を支持部材24に固定する際に調整できるようにすることで、車両用灯具として求められる特性を満たすように考案されている。
【0028】
本実施の形態に係る調整機構28は、支持部材24とプレート20と4つのネジ40とを含む。プレート20は、ネジ40が通る円弧状の長穴20bが四隅に形成されている。また、プレート20の上下方向Yに隣接する2つの長穴20bの中間には、円弧状の回転方向位置決め穴20cが形成されている。一方、四角枠状の支持部材24において、プレート20と対向する側の面には、回転方向位置決め穴20cに挿入される位置決めピン24eが形成されている。
【0029】
プレート20は、位置決めピン24eが回転方向位置決め穴20cに挿入された状態で、プレート20の中心(光軸X)を軸として、所定の範囲で回動できるように構成されている。そして、反射装置18が所望の位置になった状態で、ネジ40を長穴20bに通し、支持部材24に形成された取付穴に締結することで、支持部材24に対してプレート20が位置決め固定される。
【0030】
これにより、プレート20の搭載面20aの所望の位置から反射装置18がずれて固定されていた場合であっても、調整機構28によりプレート20と投影レンズ22との相対的な位置(光軸Xを中心とする回転方向での位置)を所望の位置に調整できる。つまり、車両用灯具10は、反射装置18の位置を調整できる。そのため、反射装置18が搭載面20aに固定されたプレート20自体では、所望の位置決め精度を満たさないような部品であっても、車両用灯具10として所望の配光特性を満たすことができる。
【0031】
なお、本実施の形態に係る車両用灯具10においては、支持部材24と放熱部材26とは一部材で構成されており、放熱部材26は支持部材24の一部を構成している。したがって、本実施の形態に係る光源12は、支持部材24の所定位置に固定されている。これにより、プレート20と投影レンズ22との相対的な位置だけでなく、プレート20と光源12との相対的な位置の精度を向上できる。
【0032】
支持部材24は、例えば、金属等で構成されているが、加工精度、熱伝導性、強度等の諸元を満たす材料であればよい。また、支持部材24は、一体成型によって製造された部材であってもよい。これにより、プレート20、投影レンズ22および光源12の相対的な位置の精度が更に向上する。
【0033】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係る車両用灯具の分解斜視図である。第1の実施の形態に係る車両用灯具10は、光軸Xを中心としたプレート20と反射装置18との回転方向のズレを調整する調整機構28を備えている。一方、第2の実施の形態に係る車両用灯具50は、光軸Xを中心とした回転方向のズレに加えて、プレート20の搭載面20aと反射装置18の表面との平行からのズレを調整する調整機構52を備えている。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
【0034】
反射装置18をプレート20に搭載する際、搭載面20aの平滑度や、接合の際の接着剤等の厚さむら等によって、反射装置18がプレート20の搭載面20aに対して傾く場合が有り得る。
【0035】
そこで、車両用灯具50における調整機構52では、ネジ40とプレート20との間、プレート20と支持部材24との間に、それぞれバネ54が挟持されるようになっている。そして、ネジ40を支持部材24の取付穴に締結する際の回転角度を、個々に調整することで、支持部材24に対してプレート20を固定する際の傾きを調整できる。
【0036】
(第3の実施の形態)
図8(a)は、第3の実施の形態に係る上下方向の調整機構に用いられるプレートの背面図、図8(b)は、第3の実施の形態の変形例に係る左右方向の調整機構に用いられるプレートの背面図である。
【0037】
図8(a)に示すプレート56は、前述のプレート20回転方向位置決め穴20cと比較して、上下方向位置決め穴56aが上下方向Yに沿って直線状に設けられている。また、プレート56は、ネジ40が通る不図示の長穴が形成されている。これにより、プレート20の搭載面20aの所望の位置から上下方向Yに反射装置18がずれて固定されていた場合であっても、調整機構によりプレート20と投影レンズ22との相対的な位置を所望の位置に調整できる。
【0038】
図8(b)に示すプレート58は、前述のプレート20回転方向位置決め穴20cと比較して、左右方向位置決め穴58aが左右方向Zに沿って直線状に設けられている。また、プレート58は、ネジ40が通る不図示の長穴が形成されている。これにより、プレート20の搭載面20aの所望の位置から左右方向Zに反射装置18がずれて固定されていた場合であっても、調整機構によりプレート20と投影レンズ22との相対的な位置を所望の位置に調整できる。
【0039】
[反射装置(光偏向装置)]
図9(a)は、反射装置の一例の概略構成を示す正面図、図9(b)は、図9(a)に示す反射装置のB−B断面図である。
【0040】
反射装置18は、図9(a)に示すように、複数の微小なミラー素子102がマトリックス状に配列されたマイクロミラーアレイ104と、ミラー素子102の反射面102aの前方側(図9(b)に示す反射装置18の右側)に配置された透明なカバー部材106と、を有する。カバー部材は、例えば、ガラスやプラスチック等である。
【0041】
マイクロミラーアレイ104の各ミラー素子102は、光源から出射された光を所望の配光パターンの一部として有効に利用されるように投影光学系へ向けて反射する第1反射位置P1(図9(b)に示す実線位置)と、光源から出射された光が有効に利用されないように反射する第2反射位置P2(図9(b)に示す点線位置)とを切り替え可能に構成されている。
【0042】
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0043】
P1 第1反射位置、 P2 第2反射位置、 10 車両用灯具、 12 光源、 14 集光部材、 14a 位置決め穴、 14b ネジ穴、 15 ネジ、 16 リフレクタ、 16a 反射面、 16b ネジ穴、 17 ネジ、 18 反射装置、 20 プレート、 20a 搭載面、 20b 長穴、 20c 回転方向位置決め穴、 22 投影レンズ、 24 支持部材、 24a 位置決め穴、 24b 取付穴、 24c 位置決め穴、 24d 取付穴、 24e 位置決めピン、 26 放熱部材、 26a 位置決めピン、 26b 取付穴、 28 調整機構、 34a,36a ネジ穴、 37 ネジ、 38 光源搭載部、 40 ネジ、 102 ミラー素子、 104 マイクロミラーアレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9