特許第6473020号(P6473020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473020
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】車両用ディスクブレーキ
(51)【国際特許分類】
   F16D 55/226 20060101AFI20190207BHJP
   F16D 55/2265 20060101ALI20190207BHJP
   F16D 65/02 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   F16D55/226 104F
   F16D55/2265 108
   F16D65/02 A
   F16D65/02 L
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-56061(P2015-56061)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-176508(P2016-176508A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226677
【氏名又は名称】日信工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 靖
(72)【発明者】
【氏名】樋口 祐多
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−250576(JP,A)
【文献】 特開2008−202631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 55/226
F16D 55/2265
F16D 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、一対のスライドピン及び該スライドピンがそれぞれ軸線方向に移動可能に挿入される一対のピン挿通部を介してディスク軸方向にスライド可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、
前記キャリパボディは、前記スライドピンとの当接面が、ディスク回出側からディスク回入側に向けて、漸次、前記ディスクロータに近付く傾斜面で形成され、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて取り付けられることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【請求項2】
ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、一対のスライドピン及び該スライドピンがそれぞれ軸線方向に移動可能に挿入される一対のピン挿通部を介してディスク軸方向にスライド可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、
前記スライドピンは、前記ピン挿通部に挿通される摺動軸部と、前記キャリパボディに取り付けられる頭部とを備え、該頭部は、前記キャリパボディに当接する座面が、ディスク回入側からディスク回出側に向けて、漸次、前記ディスクロータに近付く傾斜面で形成され、
前記キャリパボディは、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて取り付けられることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【請求項3】
ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、一対のスライドピン及び該スライドピンがそれぞれ軸線方向に移動可能に挿入される一対のピン挿通部を介してディスク軸方向にスライド可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、
前記一対のスライドピンは、それぞれ平行に取り付けられ、
前記キャリパボディは、前記キャリパブラケット取り付け時に、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて形成されることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ディスクブレーキに関し、詳しくは、キャリパブラケットに一対のスライドピンを介して、キャリパボディをディスク軸方向にスライド可能に取り付けたピンスライドタイプの車両用ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピンスライドタイプの車両用ディスクブレーキとして、キャリパボディの作用部の両側部にピン取付腕を設け、該ピン取付腕にスライドピンを突設し、スライドピンの摺動軸部を、キャリパブラケットに設けた袋状のピン挿通部に摺動可能に収容させ、キャリパボディをキャリパブラケットにディスク軸方向に移動可能に取り付けたものがあった。
【0003】
このピンスライドタイプのディスクブレーキでは、スライドピンとピン挿通部との間のクリアランスによってキャリパボディが傾動しやすく、キャリパボディの傾動に伴って、作用部側の摩擦パッドのディスク回入側が、ディスク回出側よりもディスクロータに近付くと、ディスクロータと摩擦パッドとの間に負圧が生じ、摩擦パッドがディスクロータに引き寄せられて引き摺りが発生することがあった。このため、キャリパボディや摩擦パッドに、制動時に摩擦パッドのディスク回入側がディスク回出側よりもディスクロータに近付くことを抑制する異方向性抵抗力付与装置を配設し、摩擦パッドの引き摺りを軽減させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−89012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1のものでは、異方向性抵抗力付与装置の構造が複雑でコストが嵩んでいた。そこで本発明は、コストを抑えながら、摩擦パッドの引き摺りを抑制することができる車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、一対のスライドピン及び該スライドピンがそれぞれ軸線方向に移動可能に挿入される一対のピン挿通部を介してディスク軸方向にスライド可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、前記キャリパボディは、前記スライドピンとの当接面が、ディスク回出側からディスク回入側に向けて、漸次、前記ディスクロータに近付く傾斜面で形成され、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて取り付けられることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、一対のスライドピン及び該スライドピンがそれぞれ軸線方向に移動可能に挿入される一対のピン挿通部を介してディスク軸方向にスライド可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、前記スライドピンは、前記ピン挿通部に挿通される摺動軸部と、前記キャリパボディに取り付けられる頭部とを備え、該頭部は、前記キャリパボディに当接する座面が、ディスク回入側からディスク回出側に向けて、漸次、前記ディスクロータに近付く傾斜面で形成され、前記キャリパボディは、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて取り付けられることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの一側部に配置され、ピストンを収容するシリンダ孔を備えた作用部と、前記ディスクロータの他側部に配置され、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結してキャリパボディを形成し、該キャリパボディを前記ディスクロータの一側部で車体に固設するキャリパブラケットに、一対のスライドピン及び該スライドピンがそれぞれ軸線方向に移動可能に挿入される一対のピン挿通部を介してディスク軸方向にスライド可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、前記一対のスライドピンは、それぞれ平行に取り付けられ、前記キャリパボディは、前記キャリパブラケット取り付け時に、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両用ディスクブレーキによれば、キャリパボディのディスク回出側が、ディスク回入側よりもディスクロータに近付くようにキャリパブラケットに取り付けられることにより、制動時にキャリパボディが傾動しても、作用部側の摩擦パッドのディスク回入側とディスクロータとのクリアランスを保つことができるので、負圧の発生を抑制でき、引き摺りの低減を図ることができる。
【0010】
さらに、キャリパボディのスライドピンとの当接面を、ディスク回出側からディスク回入側に向けて、漸次、ディスクロータに近付く傾斜面で形成し、或いは、スライドピンの頭部のキャリパボディに当接する座面を、ディスク回入側からディスク回出側に向けて、漸次、前記ディスクロータに近付く傾斜面で形成することにより、簡単な加工でキャリパブラケットに取り付ける姿勢を調整でき、コストを掛けることなく摩擦パッドの引き摺りの低減を図ることができる。
【0011】
また、キャリパボディは、キャリパブラケット取り付け時に、車両前進時におけるディスク回出側が、ディスク回入側よりも前記ディスクロータに近付くように傾けて形成されることにより、制動時にキャリパボディが傾動しても、作用部側の摩擦パッドのディスク回入側とディスクロータとのクリアランスを保つことができるので、負圧の発生を抑制でき、引き摺りの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図2のI-I断面図である。
図2】本発明の第1形態例を示す車両用ディスクブレーキの正面図である。
図3】本発明の第2形態例を示す車両用ディスクブレーキの断面平面図である。
図4】本発明の第3形態例を示す車両用ディスクブレーキの断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2は、本発明の車両用ディスクブレーキの第1形態例を示す図で、矢印Aは、車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向であり、以下で述べるディスク回出側及びディスク回入側とは車両前進時におけるものとする。
【0014】
本形態例の車両用ディスクブレーキ1は、ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3に、ディスクロータ2の外周をディスク軸方向へ延びる一対のキャリパ支持腕3a,3aを延設し、両キャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介して、キャリパボディ5をディスク軸方向へ移動可能に支持している。各スライドピン4は、キャリパボディ5の作用部5aの両側へ突出するピン取付腕5b,5bに、それぞれ取付ボルト6によって突設され、各キャリパ支持腕3aには、このスライドピン4をスライド可能に収容する袋状のピン挿通部3bがそれぞれ形成されている。また、各スライドピン4の露出部分は、ピンブーツ7でそれぞれ覆われている。
【0015】
キャリパブラケット3は、ディスクロータ2の一側部で車体取付部3c,3cに挿通される固定ボルトを、車体(いずれも図示せず)にねじ止めして固着されており、キャリパブラケット3の両端には、ディスクロータ2の外側を跨いでキャリパボディ5のブリッジ部5cのディスクロータ回入側と回出側とを挟みながら、作用部5a方向へ突出する前記一対のキャリパ支持腕3a,3aが延設されている。各キャリパ支持腕3aに形成される前記ピン挿通部3bは、作用部側に開口し、開口部に、ピンブーツ7の一端部を嵌着するブーツ装着溝3dが設けられている。また、キャリパ支持腕3a,3aの対向面には、パッドガイド溝3e,3eが設けられ、各パッドガイド溝3eには、制動時に摩擦パッド11からのトルクを受けるトルク受け面3fがそれぞれ形成されている。
【0016】
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の両側に対向配置される作用部5a及び反作用部5dと、キャリパ支持腕3a,3aの間でディスクロータ2の外周を跨いでこれらを連結するブリッジ部5cとからなっている。作用部5aには、上述のピン取付腕5b,5bと、ピストン8がピストンシール8aを介して収容されるシリンダ孔9と、該シリンダ孔9の底部に画成される液圧室10とが設けられ、各ピン取付腕5bの先端側には、取付ボルト6を挿通するボルト孔5eがディスク軸方向にそれぞれ貫通形成されている。また、反作用部5dには、反力爪5fが設けられ、ピストン8と反力爪5fとの間には、一対の摩擦パッド11,11が、ディスクロータ2を挟んで対向配置されている。各ピン取付腕5bは、反ディスクロータ側面5gがディスクロータ2の側面と平行に形成され、ディスクロータ側面5h(本発明のスライドピンとの当接面)が、ディスク回出側からディスク回入側に向けて、漸次、前記ディスクロータに近付く傾斜面で形成されている。
【0017】
摩擦パッド11は、ディスクロータ2の側面と摺接するライニング11aと、金属製の裏板11bとからなっている。裏板11bの両側部には、耳片11c,11cが突設されており、各摩擦パッド11は、耳片11c,11cをキャリパ支持腕3a,3aに形成したパッドガイド溝3e,3eに挿入し、ディスク軸方向へスライド可能に吊持されている。
【0018】
各スライドピン4は、ピン挿通部3b内を摺動する先端側の摺動軸部4aと、該摺動軸部4aよりも大径に形成した頭部4bとをそれぞれ備えている。頭部4bは、中心軸上に基端面に開口する雌ねじ孔4cが形成され、また、頭部4bの外周には、ピンブーツ7の他端部を嵌着するブーツ嵌着溝4dが周設されている。これらスライドピンは、キャリパボディ5の各ピン取付腕5bに形成されたボルト孔5eに取付ボルト6を作用部側から差し込み、スライドピン4の雌ねじ孔4cに螺着させ、各スライドピン4をピン取付腕5bに取付けられ、各スライドピン4の摺動軸部4aを、キャリパブラケット3のキャリパ支持腕3aに形成されたピン挿通部3bにそれぞれ挿通させることにより、キャリパボディがキャリパブラケット3に取り付けられる。
【0019】
キャリパボディ5は、キャリパブラケット3に組み付けた状態で、ディスク回出側がディスク回入側よりもディスクロータ2に近付くように傾けて形成されている。また、シリンダ孔9とボルト孔5eとは、キャリパボディ5をキャリパブラケット3に取り付けた状態で、各軸線がディスク軸CL1と平行になるように形成されている。
【0020】
上述のように形成された車両用ディスクブレーキ1は、図示しない周知の液圧マスタシリンダで発生した液圧が、液圧室10に供給されると、ピストン8がシリンダ孔9をディスクロータ方向へ前進して、作用部側の摩擦パッド11をディスクロータ2の一側面へ押圧する。次に、この反作用によって、キャリパボディ5がスライドピン4,4に案内されながら、作用部5a方向へ移動していき、反作用部5dの反力爪5fが、反作用部側の摩擦パッド11をディスクロータ2の他側面へ押圧して制動作用が行われる。
【0021】
制動時の各摩擦パッド11は、ディスクロータ2とライニング11aとの摺接によってディスク回出方向へ引き摺られ、ディスク回出側の耳片11cのディスク回出側の側端面がトルク受け面3fと当接する。この時発生する制動トルクにより、キャリパボディ5には、ディスク回入側を反作用部方向へ、ディスク回出側を作用部方向へ挙動させるようとする曲げモーメントが生じるが、キャリパボディ5が予め、ディスク回出側がディスク回入側よりもディスクロータ2に近付くように傾けて取り付けられていることから、作用部側の摩擦パッド11の全面をディスクロータ2に対して略均一な力で押圧させることができる。
【0022】
制動が解除されると、ピストン8がピストンシール8aの復元力でシリンダ孔9の底部方向へ後退し、キャリパボディ5及び摩擦パッド11は初期位置に復帰する。このとき、摩擦パッド11は、全面をディスクロータ2に対して略均一な力で押圧されていたことから、ディスクロータ2に対して傾くことなく初期位置に復帰することができ、ディスクロータ2とライニング11aとの隙間が均一な状態を保持することができる。これにより、従来のように、ディスクロータ2とライニング11aとの隙間が不均一なことにより発生する負圧で、摩擦パッド11のライニング11aがディスクロータ2に張り付くことを防止でき、摩擦パッド11の引き摺りやジャダの発生を抑制することができる。
【0023】
図3及び図4は、本発明の他の形態例を示すもので、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図3は、本発明の第2形態例を示すもので、本形態例の各スライドピン12は、ピン挿通部3b内を摺動する先端側の摺動軸部12aと、該摺動軸部12aよりも大径に形成した頭部12bとをそれぞれ備え、頭部12bは、キャリパボディ5のピン取付腕5iのディスクロータ側面5jに当接する座面12cが、ディスク回入側からディスク回出側に向けて、漸次、ディスクロータ2に近付く傾斜面で形成されており、また、キャリパボディ5は、キャリパブラケット3に組み付けた状態で、ディスク回出側がディスク回入側よりもディスクロータ2に近付くように傾けて形成されている。
【0025】
図4は、本形態例の第3形態例を示すもので、本形態例の各ピン取付腕5iのディスクロータ側面5kとスライドピン13の座面13aとは、ディスクブレーキ2の側面と平行に形成されており、また、キャリパブラケット3に組み付けた状態のキャリパボディ5は、ディスク回出側がディスク回入側よりもディスクロータ2に近付くように傾けて形成されている。
【0026】
なお、本発明は上述の形態例に限るものではなく、摩擦パッドの耳片や、キャリパブラケットのトルク受部の位置や形状は任意であり、また、摩擦パッドをハンガーピンで吊持するタイプのものにも適用することができる。さらに、キャリパボディの形状も本形態例に限らず、ピストンや反力爪の数は任意である。
【符号の説明】
【0027】
1…車両用ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…キャリパ支持腕、3b…ピン挿通部、3c…車体取付部、3d…ブーツ装着溝、3e…パッドガイド溝、3f…トルク受け面、4…スライドピン、4a…摺動軸部、4b…頭部、4c…雌ねじ孔、4d…ブーツ嵌着溝、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…ピン取付腕、5c…ブリッジ腕、5d…反作用部、5e…ボルト孔、5f…反力爪、5g…反ディスクロータ側面、5h…ディスクロータ側面、5i…ピン取付腕、5j…ディスクロータ側面、5k…ディスクロータ側面、6…取付ボルト、7…ピンブーツ、8…ピストン、8a…ピストンシール、9…シリンダ孔、10…液圧室、11…摩擦パッド、11a…ライニング、11b…裏板、11c…耳片、12…スライドピン、12a…摺動軸部、12b…頭部、12c…座面、13…スライドピン、13a…座面
図1
図2
図3
図4