(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受信機から警戒区域に引き出した回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器から火災信号を前記受信機で受信した場合に、火災発生場所を特定した火災警報を出力する警報システムに於いて、
警戒区域に、無線通信機能を備えた制御用中継装置を設置すると共に、前記無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
前記制御用中継装置は、前記回線を介して前記受信機から火災信号を受信した場合に光警報の制御電文を前記光警報装置に送信して光警報を出力させ、前記警戒区域に設置した非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、非常通報信号を前記受信機に送信して非常通報を報知させると共に、前記非常通報電文を送信した前記非常通報装置に対応した警戒区域に設置している光警報装置を指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させることを特徴とする警報システム。
請求項5記載の警報システムに於いて、前記制御用中継装置は、前記照明装置のオンオフ及び又は単位時間当りの点灯総計時間を示す信号を前記受信機に送信して表示及び又は記憶させることを特徴とする警報システム。
請求項10記載の警報システムに於いて、前記制御装置は、前記照明装置のオン、オフ動作及び又は単位時間当たりの点灯総計時間を、所定の手順により記憶し、所定の手順により読み出すことを特徴とする警報システム。
受信機から警戒区域に引き出した回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器から火災信号を前記受信機で受信した場合に、火災発生場所を特定した火災警報を出力する警報システムに於いて、
警戒区域に、外部装置と信号を授受する機能を備えた制御用中継装置を設置すると共に、前記制御用中継装置と信号を授受する機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、前記制御用中継装置は前記受信機からの回線に接続すると共に前記光警報装置と非常通報装置を別の回線を介して接続し、
前記制御用中継装置は、前記受信機から火災信号を受信した場合に光警報の制御信号を生成して前記光警報装置に送信して光警報を出力させ、前記警戒区域に設置した非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、非常通報信号を前記受信機に送信して非常通報を報知させると共に、前記非常通報信号を送信した前記非常通報装置に対応した警戒区域に設置している光警報装置を指定した光警報の制御信号を送信して光警報を出力させることを特徴とする警報システム。
複数の区画を有する施設に、外部装置と信号を授受する機能を備えた制御装置を設置すると共に、前記複数の区画の各々に前記制御装置と信号を授受する機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
前記制御装置は、前記複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、前記非常通報信号を送信した前記非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御信号を送信して光警報を出力させることを特徴とする警報システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように既設の建物に警備システムを増設するためには、警備員が常時滞在している場所に設置した警報盤とトイレ等に設置した非常押釦装置や放火監視センサとの間に配線の追加工事が必要となり、設備工事が大変でコストも嵩む問題がある。
【0009】
また、非常通報警報に対し警備員が現場に駆けつけても、トイレ個室のような場合、非常押釦装置が押された場所を特定することが難しい場合があり、トイレ個室を1つ1つ確認する必要がある。
【0010】
また、聴覚不自由者がトイレ個室等に入っている場合に、音響鳴動による火災警報があっても、火災の発生を知ることができない。この問題を解決するため、トイレエリア内に光警報装置を設置して火災時に光警報を行っても、ドアを閉じたトイレ個室内には点滅する光が十分に届かず、トイレ個室等を利用している聴覚不自由者が火災の発生に気付かない場合もある。
【0011】
また、人体センサで照明をオン、オフするシステムを導入した場合にも、人体センサと照明装置との間の配線の追加工事が必要となり、更に、人体センサによる照明のオン、オフが節電にどの程度効果があるかは、照明装置をオン、オフしている様子がわからないことから、判断できない状況にある。
【0012】
本発明は、個室として利用されるトイレ個室等の複数の区画を有する警戒区域の異常監視するシステムの増設を簡単に実現すると共に、光警報装置を利用して異常発生に対する対処を適切に行うことを可能とする警報システムを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、人体センサによる照明制御の状況を簡単に把握して管理可能とする警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[火災報知設備と連携した警報システム]
(警報システム)
本発明は、受信機から警戒区域に引き出した回線に火災感知器を接続し、火災感知器から火災信号を受信機で受信した場合に、火災発生場所を特定した火災警報を出力する警報システムに於いて、
警戒区域に、無線通信機能を備えた制御用中継装置を設置すると共に、無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
制御用中継装置は、回線を介して受信機から火災信号を受信した場合に光警報の制御電文を光警報装置に送信して光警報を出力させ、警戒区域に設置した非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、非常通報信号を前記受信機に送信して非常通報を報知させると共に、非常通報電文を送信した非常通報装置に対応した警戒区域に設置している光警報装置を指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させることを特徴とする。
【0015】
(複数の区画毎の光警報)
警戒区域は複数の区画から形成され、
複数の区画の各々に無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、非常通報信号を受信機に送信して非常通報を報知させると共に、非常通報電文を送信した非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させる。
【0016】
(警戒区域外側の光警報)
警戒区域の外側に前記光警報装置を設置し、
制御用中継装置は、受信機から火災信号を受信した場合又は非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、光警報装置に制御電文を送信して光警報を出力させる。
【0017】
(放火監視センサ)
警戒区域内に無線通信機能を備えた放火監視センサを設置し、
制御用中継装置は、放火監視センサから放火検出電文を受信した場合に制御電文を光警報装置に送信して光警報を出力させると共に、放火検出信号を受信機に送信して放火発生場所を特定した放火警報を出力させる。
【0018】
(人体検出による照明制御)
複数の区画の各々に、無線通信機能を備えた人体センサと照明装置を設置し、
制御用中継装置は、複数の区画の何れかに設置した人体センサから人体検出電文を受信した場合に、人体センサと同じ区画に設置している照明装置を指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させ、続いて、人体センサから人体非検出電文を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置に照明オフの制御電文を送信して消灯させる。
【0019】
(照明装置の動作通知)
制御用中継装置は、照明装置の点灯消灯及び又は単位時間当りの点灯総計時間を示す信号を受信機に送信して表示及び又は記憶させる。
【0020】
[火災報知設備と連携しない警報システム]
(警報システム)
また、本発明の別の形態にあっては、警報システムに於いて、
複数の区画を有する施設に、無線通信機能を備えた制御装置を設置し、施設及び施設の外側に無線通信機能を備えた光警報装置を設置すると共に、複数の区画の各々に、無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
制御装置は、複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、非常通報電文を送信した非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させる。
【0021】
(施設及び施設外側の光警報)
施設内の区画を除く領域及び施設の外側に光警報装置を設置し、
制御装置は、非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、光警報装置に制御電文を送信して光警報を出力させる。
【0022】
(放火監視センサ)
施設内に放火監視センサを設置し、
制御装置は、放火監視センサから放火検出電文を受信した場合に制御電文を光警報装置に送信して光警報を出力させる。
【0023】
(人体検出による照明制御)
複数の区画の各々に、無線通信機能を備えた人体センサと照明装置を設置し、
制御装置は、複数の区画の何れかに設置した人体センサから人体検出電文を受信した場合に、人体センサと同じ区画に設置している照明装置を指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させ、続いて、人体センサから人体非検出電文を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置に照明オフの制御電文を送信して消灯させる。
【0024】
(照明装置の動作履歴記憶)
制御装置は、照明装置のオン、オフ動作及び又は単位時間当りの点灯総計時間を、所定の手順で記憶して、所定の手順で読み出す。
【0025】
[有線式の火災報知設備と連携した警報システム]
(警報システム)
本発明の別の形態にあっては、受信機から警戒区域に引き出した回線に火災感知器を接続し、火災感知器から火災信号を受信機で受信した場合に、火災発生場所を特定した火災警報を出力する警報システムに於いて、
警戒区域に、外部装置と信号を授受する機能を備えた制御用中継装置を設置すると共に、制御用中継装置と信号を授受する機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、制御用中継装置は受信機からの回線に接続すると共に光警報装置と非常通報装置を別の回線を介して接続し、
制御用中継装置は、受信機から火災信号を受信した場合に光警報の制御信号を生成して光警報装置に送信して光警報を出力させ、警戒区域に設置した非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、非常通報信号を前記受信機に送信して非常通報を報知させると共に、非常通報信号を送信した非常通報装置に対応した警戒区域に設置している光警報装置を指定した光警報の制御信号を送信して光警報を出力させることを特徴とする。
【0026】
(複数の区画毎の光警報)
警戒区域は複数の区画から形成され、
複数の区画の各々に無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、非常通報信号を受信機に送信して非常通報を報知させると共に、非常通報信号を送信した非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御信号を送信して光警報を出力させる。
【0027】
(警戒区域外側の光警報)
警戒区域の外側に前記光警報装置を設置し、
制御用中継装置は、受信機から火災信号を受信した場合又は非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、光警報装置に制御信号を送信して光警報を出力させる。
【0028】
(放火監視センサ)
また、警戒区域内に制御装置と信号を授受する機能を備えた放火監視センサを設置し、
制御用中継装置は、放火監視センサから放火検出電文を受信した場合に制御信号を光警報装置に送信して光警報を出力させると共に、放火検出信号を受信機に送信して放火発生場所を特定した放火警報を出力させる。
【0029】
(人体検出による照明制御)
また、複数の区画の各々に、制御装置と信号を授受する機能を備えた人体センサと照明装置を設置し、
制御用中継装置は、複数の区画の何れかに設置した人体センサから人体検出信号を受信した場合に、人体センサと同じ区画に設置している照明装置を指定した照明オンの制御信号を送信して点灯させ、続いて、人体センサから人体非検出信号を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置に照明オフの制御信号を送信して消灯させる。
【0030】
[有線式の火災報知設備と連携しない警報システム]
(警報システム)
本発明の別の形態にあっては、警報システムに於いて、
複数の区画を有する施設に、外部装置と信号を授受する機能を備えた制御装置を設置すると共に、複数の区画の各々に制御装置と信号を授受する機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、
制御装置は、複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、非常通報信号を送信した非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御信号を送信して光警報を出力させることを特徴とする。
【0031】
(施設及び施設外側の光警報)
施設内の区画を除く領域及び施設の外側に光警報装置を設置し、
制御装置は、非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、光警報装置に制御信号を送信して光警報を出力させる。
【0032】
(放火監視センサ)
また、施設内に制御装置と信号を授受する機能を備えた放火監視センサを設置し、
制御装置は、放火監視センサから放火検出信号を受信した場合に制御信号を光警報装置に送信して光警報を出力させる。
【0033】
(人体検出による照明制御)
また、複数の区画の各々に、制御装置と信号を授受する機能を備えた人体センサと照明装置を設置し、制御装置は、複数の区画の何れかに設置した人体センサから人体検出信号を受信した場合に、人体センサと同じ区画に設置している照明装置を指定した照明オンの制御信号を送信して点灯させ、続いて、人体センサから人体非検出信号を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置に照明オフの制御信号を送信して消灯させる。
【0034】
(トイレエリアとトイレ個室)
警戒区域は施設のトイレエリアであり、区画はトイレ個室である。
【発明の効果】
【0035】
(警報システムの基本的な効果)
本発明は、受信機から警戒区域に引き出した回線に火災感知器を接続し、火災感知器から火災信号を受信機で受信した場合に、火災発生場所を特定した火災警報を出力する警報システムに於いて、警戒区域に、無線通信機能を備えた制御用中継装置を設置すると共に、無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、制御用中継装置は、回線を介して受信機から火災信号を受信した場合に光警報の制御電文を光警報装置に送信して光警報を出力させ、警戒区域に設置した非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、非常通報信号を前記受信機に送信して非常通報を報知させると共に、非常通報電文を送信した非常通報装置に対応した警戒区域に設置している光警報装置を指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させるようにしたため、警戒区域に設けた非常通報装置の押釦操作による通報信号を受信機に送って非常通報警報を出し、受信機設置場所に常駐している警備員による対処を可能とし、警報盤の新たな設置や、警報盤と非常通報装置との間の配線工事を必要とすることなく、自動火災報知システムとの連携で、非常通報による警備システムを簡単に増設することを可能とする。
【0036】
(複数の区画毎の光警報による効果)
また、警戒区域は複数の区画から形成され、複数の区画の各々に無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、非常通報信号を受信機に送信して非常通報を報知させると共に、非常通報信号を送信した非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御信号を送信して光警報を出力させるようにしたため、例えばトイレ個室等の区画からの非常通報に対し、同じトイレ個室に設けている光警報器を所定周期で発光駆動して光警報を出力するようにしているため、非常通報警報を受けて現場に駆け付けた警備員は、光警報から非常通報を行ったトイレ個室を確認して迅速且つ適切に対処することを可能とする。
【0037】
また、自動火災報知システムで火災を検出した場合、トイレ個室毎に設置している光警報装置を発光駆動して光警報を出力するため、聴覚不自由者がトイレ個室等に利用している場合に、火災の発生を確実に認識させることを可能とする。
【0038】
この点は、トイレ個室以外に、漫画喫茶、インターネットカフェ、個室ビデオボックスといった個室等の区画を有する適宜の警戒区域についても同様の効果が得られる。
【0039】
(警戒区域外側の光警報による効果)
また、警戒区域の外側に前記光警報装置を設置し、制御用中継装置は、受信機から火災信号を受信した場合又は非常通報装置から非常通報信号を受信した場合に、光警報装置に制御信号を送信して光警報を出力させるようにしたため、警戒区域の外側、例えばトイレエリアの外側に設置した光警報装置の光警報によって、警戒区域となるトイレエリア内で起きた異常を外側から知ることができ、この光警報を見て係員に通報する等により迅速に対処可能とする。
【0040】
(放火監視センサ)
また、警戒区域内に無線通信機能を備えた放火監視センサを設置し、制御用中継装置は、放火監視センサから放火検出電文を受信した場合に制御電文を光警報装置に送信して光警報を出力させると共に、放火検出信号を受信機に送信して放火発生場所を特定した放火警報を出力させるようにしたため、例えば既設のR型火災報知システムの回線に接続した制御用中継装置を経由して、トイレ等の監視エリアに設けた放火監視センサからの放火検出信号を受信機に送って放火警報を出し、受信機設置場所に常駐している警備員による対処を可能とし、警報盤の新たな設置や、警報盤と非常通報装置との間の配線工事を必要とすることなく、自動火災報知システムとの連携で、放火警報を行う警報システムを簡単に構築することを可能とする。
【0041】
また、トイレ等の監視エリアからの放火検出に対し、トイレエリア及びトイレ個室に設けている光警報装置を所定周期で発光駆動して光警報を出力することで、放火を行っている不審者に対し光警報による威嚇が可能となり、光警報に驚いた不審者が放火を止めて逃走するといった状況が期待できる。
【0042】
(人体検出による照明制御の効果)
また、複数の区画の各々に、無線通信機能を備えた人体センサと照明装置を設置し、制御用中継装置は、複数の区画の何れかに設置した人体センサから人体検出電文を受信した場合に、人体センサと同じ区画に設置している照明装置を指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させ、続いて、人体センサから人体非検出電文を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置に照明オフの制御電文を送信して消灯させるようにしたため、受信用制御装置の無線通信による制御機能を利用して、トイレ個室等に配線工事を必要とすることなく、人体センサにより照明装置をオン、オフする照明制御システムを簡単に設置することを可能とする。
【0043】
(照明装置の動作通知による効果)
また、制御用中継装置は、照明装置を点灯とした場合に点灯通知信号を受信機に送信し、照明装置を消灯した場合に消灯通知信号を受信機に送信して表示及び又は記憶させるようにし、また、照明装置の単位時間当りの点灯総計時間を受信機に送信して表示及び又は記憶させるようにしたため、トイレ個室等に人体センサにより照明装置をオン、オフする照明制御システムを設置した場合、自動火災報知システムの受信機に照明装置のオン、オフ動作を表示したり、単位時間当たりの点灯総計時間を表示または記憶させることで、人体センサにより制御している照明装置の動作状況を受信機側で把握して節電効果の度合を判断可能とする。
【0044】
[火災報知設備と連携しない警報システムの効果]
(警報システムの基本的な効果)
本発明の別の形態にあっては、警報システムに於いて、複数の区画を有する施設に、無線通信機能を備えた制御装置を設置すると共に、複数の区画の各々に無線通信機能を備えた光警報装置と非常通報装置を設置し、制御装置は、複数の区画の何れかに設置した非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、非常通報電文を送信した非常通報装置と同じ区画に設置している光警報装置を指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させ、更に、施設内の区画を除く領域及び施設の外側に光警報装置を設置し、制御装置は、非常通報装置から非常通報電文を受信した場合に、施設及び施設の外側に設置した光警報装置に制御電文を送信して光警報を出力させるようにしたため、例えば屋外に設置しているトイレ施設のトイレ個室に設けた非常通報装置からの非常通報信号により同じトイレ個室に設けている光警報器及びトイレ施設の外側に設置している光警報装置を所定周期で発光駆動して光警報を出力することで、巡回している警備員が光警報を見て駆けつけたり、トイレ施設の外側の光警報を見た人が警察等の関係機関に通報することを可能とし、また、トイレ施設に駆け付けた関係者は、光警報から非常通報を行ったトイレ個室を確認して迅速且つ適切に対処することを可能とする。
【0045】
(放火監視センサによる効果)
また、施設内に放火監視センサを設置し、制御装置は、放火監視センサから放火検出電文を受信した場合に制御電文を光警報装置に送信して光警報を出力させるようにしたため、放火検出により例えばトイレ施設の外側に設置している光警報装置を発光駆動して光警報を出力することで、巡回している警備員が光警報を見て駆けつけたり、トイレ施設の外側の光警報をみた人が警察等の関係機関に通報することを可能とし、放火検出に対し迅速且つ適切に対処することを可能とする。
【0046】
また、トイレ等の監視エリアの放火検出に対し、トイレ施設及びトイレ個室に設けている光警報器を所定周期で発光駆動して光警報を出力することで、放火を行っている不審者に対し光警報による威嚇が可能となり、光警報に驚いた不審者が放火を止めて逃走するといった状況が期待できる。
【0047】
(人体検出による照明制御の効果)
また、複数の区画の各々に、無線通信機能を備えた人体センサと照明装置を設置し、制御装置は、複数の区画の何れかに設置した人体センサから人体検出電文を受信した場合に、人体センサと同じ区画に設置している照明装置を指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させ、続いて、人体センサから人体非検出電文を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置に照明オフの制御電文を送信して消灯させるようにしたため、制御装置の無線通信による制御機能を利用して、トイレ個室等に配線工事を必要とすることなく、人体センサにより照明装置をオン、オフする照明制御システムを簡単に設置することができる。
【0048】
(照明装置の動作通知による効果)
また、制御装置は、照明装置のオン、オフ動作及び又は単位時間当りの点灯総計時間を、所定の手順で記憶し、所定の手順で読み出すようにしたため、トイレ個室等に人体センサにより照明装置をオン、オフする照明制御システムを設置した場合、例えば制御装置に記憶した単位時間当たりの点灯総計時間を、係員読み出して確認することで、人体センサにより制御している照明装置の動作状況を把握して節電効果の度合を判断可能とする。
【0049】
[有線式の警報システムの効果]
有線式の火災報知設備と連携する警報システム及び火災報知設備と連携しない警報システムの効果は、前述した無線式の警報システムの効果から配線工事を不要とする効果を除いた効果と基本的に同じになる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[自動火災報知システムと連携した警報システム]
(警報システムの構成)
図1は自動火災報知システムと連携した無線式の警戒システムの実施形態を示したブロック図、
図2はトイレエリアに対するシステム機器の設置を平面で示した説明図であり、本実施形態の警報システムは、R型の自動火災報知システムとの連携を例にとっている。
【0052】
(R型の自動火災報知システム)
R型の自動火災報知システムは、防災センタ等に設置したR型の受信機10から監視対象とする建物の警戒区域に向けて伝送回線12を引き出し、伝送回線12に回線伝送機能を備えたR型の火災感知器14を接続し、また、回線伝送機能を備えた中継器16を介して引き出したP型の感知器回線15にP型の火災感知器20を接続し、更に、中継器16を介して有線式の光警報装置30を接続している。なお、伝送回線12には、これ以外に回線伝送機能を備えた中継器を介して発信機やガス漏れ警報器等の検出器や、地区音響装置等の制御装置が必要に応じて接続される。
【0053】
伝送回線12に接続した火災感知器14や中継器16を含む端末機器には固有のアドレスが予め割り当てられており、1回線当りの最大アドレスは例えば512アドレスであり、最大アドレスを超える端末機器を接続する場合は、伝送回線12の数を増やす。
【0054】
R型の受信機10による火災監視は次のようになる。受信機10は例えば1分周期で一括AD変換コマンド信号を伝送回線12に送信し、全てのR型の火災感知器14はセンサ部で検出している温度又は煙濃度のアナログ信号をデジタルデータに変換して保持する。続いて受信機10は感知器アドレスを順次指定したポーリングコマンド信号を送信し、火災感知器14の各々から温度データ又は煙濃度データを収集している。
【0055】
火災感知器14のセンサ部で検出している温度又は煙濃度が所定の火災レベルを超えると火災発報が検出され、伝送回線12に火災割込み信号が送信される。受信機10は伝送回線12から火災割込み信号を受信すると、グループ検索コマンド信号を送信して火災発報のあったR型の火災感知器14を含む感知器グループを特定し、続いてグループ内検索コマンド信号を送信して火災発報のあった火災感知器14のアドレスを取得し、火災発報場所を特定した火災警報を出力すると共に、出火階及び直上階に設置した地区音響警報用の中継器のアドレスを指定して地区音響制御信号を送信して地区音響警報を出力させる。
【0056】
また、受信機10は、火災発報のあった火災感知器14のアドレスを指定して集中的に温度データ又は煙濃度データを収集し、火災の進展状況を監視する。
【0057】
また、受信機10は火災警報の出力に伴い光警報装置18を接続した中継器16のアドレスを指定して光警報の制御信号を送信し、中継器16からの制御信号により光警報装置18の発光部を所定周期で発光駆動して光警報を出力させる。
【0058】
(トイレエリアの監視)
このようなR型の自動火災報知システムを利用し、本実施形態にあっては、建物のトイレエリア22に、監視用のシステム機器を設置し、異常を監視するようにしている。
【0059】
監視対象とするトイレエリア22は例えば
図2に示すように、女子トイレ22aと男子トイレ22bに分かれており、それぞれ複数のトイレ個室24を備えている。トイレ個室24には光警報装置30、非常通報装置として機能する非常押釦装置32、人体センサ34、及び照明装置36をシステム機器として設置している。ここで、トイレ個室24に設置した光警報装置30は個室内部及び個室外の両方から光警報が見えるように設置している。
【0060】
またトイレ個室24の外部となるトイレ共用部26には、
図1の受信機10からの伝送回線12に接続した制御用中継装置28を設置し、光警報装置30と放火監視センサ38を設置している。光警報装置28はトイレエリア22の出入口に近い外側にも設置している。また受信機10からの伝送回線12に接続したR型の火災感知器14も設置している。
【0061】
図1のトイレエリア22は、
図2の女子トイレ22aに設置した制御用中継装置28、光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38を示しており、それぞれ無線通信機能を備え、制御用中継装置28と光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38との間で各種の電文を送受信可能としている。
【0062】
制御用中継装置28は受信機10からの伝送回線12に接続しており、無線通信機能に加え、受信機10との間で信号を送受信する回線伝送機能を備え、信号伝送に必要なアドレスが予め割り当てられている。
【0063】
光警報装置30は制御用中継装置28から光警報の制御電文を受信した場合に、所定の発光周期で発光部を発光して光警報を出力する。非常押釦装置32はトイレの利用中に操作可能な場所に押釦スイッチを配置し、押釦操作を行うと非常通報電文を制御用中継装置28に送信する。
【0064】
人体センサ34は人体から放射される赤外線を検出し、人体検出電文を制御用中継装置28に送信する。照明装置36は制御用中継装置28から照明オンの制御電文を受信して照明器具を点灯し、その後に、照明オフの制御電文を受信すると点灯している照明器具を消灯する。なお、トイレ共用部にも照明装置40を設置しているが、これは無線通信機能をもたず、スイッチ操作によりオン、オフする。
【0065】
放火監視センサ38はライタ等の着火による大きさ程度の炎を検出して放火検出電文を制御用中継装置28に送信する。
【0066】
制御用中継装置28は、例えば、
(1)火災発報に対する光警報制御、
(2)非常通報に対する光警報制御
(3)放火検出に対する光警報制御
(4)人体検出に対する照明制御、
となる制御機能を備える。これらの制御機能は初期設定により全ての制御機能を選択して設定できるし、また、必要に応じて1又は複数の制御機能を選択して設定することができる。
【0067】
[警報システムの機能構成]
図3は
図1の警報システムを構成する機器の機能構成を示したブロック図である。
【0068】
(R型受信機)
R型の受信機10は、制御部42を備え、制御部42に対し伝送部44、表示部46、操作部48、警報部50及び移報部52を設けている。
【0069】
制御部42は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0070】
伝送部44は伝送回線12を介して接続した火災感知器14、中継器16およびトイレエリア22に設けた制御用中継装置28との間で信号の送受信をシリアル伝送により所定のデータ伝送速度で行う。
【0071】
表示部46には、火災代表灯、地区表示灯、その他火災監視に必要な各種の表示灯や液晶ディスプレイ等を設けている。操作部48には、主音響停止スイッチ、地区音響停止スイッチ、移報停止スイッチ、点検スイッチ等の火災監視に必要な各種のスイッチを設けている。警報部50はブザーやスピーカを備え、音響警報やメッセージ警報を出力する。移報部52は他の機器に火災移報信号を出力する。
【0072】
(制御用中継装置)
制御用中継装置28は、制御部54、伝送回線12を接続した伝送部56及びアンテナ60を接続した通信部58を備え、受信機10からの電源又は専用電源で動作する。
【0073】
制御部54は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0074】
伝送部56は伝送回線12を介して接続した受信機10との間で信号の送受信をシリアル伝送により所定のデータ伝送速度で行う。
【0075】
通信部58はトイレエリア内に設置している光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38との間で電文の送受信を行う。通信部58は、日本国内の場合には例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った無線通信を行っており、426.2500MHz〜426.8375MHzの12.5KHzの帯域を持つ48チャンネルの何れかの使用を可能とする。
【0076】
ここで、制御用中継装置16から送信する電文の信号形式は、スタートコード、送信元ID(送信元アドレス)、通信制御コード、制御情報、及びチェックサムで構成している。また、制御電文のサイズは100ビット程度となる。
【0077】
また、通信部58は、電文を送信する場合、所定の送信時間T1と送信休止時間T2からなる送信周期T0を複数回、例えば3回設定し、各送信時間T1の間に電文の送信を複数回、例えば4個の制御電文の送信を3回に分けて繰り返す。
【0078】
制御部54は前述した(1)〜(4)の制御を次のようにして行う。
【0079】
(火災発報に対する光警報制御)
制御部54は、伝送回線12を介して受信機10から火災信号を受信した場合、光警報の制御電文を生成してトイレ個室24の光警報装置30に送信して光警報を出力させる制御を行う。このため、聴覚不自由者がトイレ個室等に利用している場合であっても、光警報装置30の発光駆動による光警報により火災の発生を確実に知って迅速な対処を可能とする。
【0080】
(非常通報に対する光警報制御)
また、制御部54は、トイレ個室24の何れかに設置した非常押釦装置32から非常通報電文を受信した場合に、伝送路12を介して非常通報信号を受信機10に送信して非常通報警報を出力させると共に、非常通報電文を送信した非常押釦装置32と同じトイレ個室24に設置している光警報装置32のアドレスを指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させる制御を行う。
【0081】
このため、受信機10を設置した防災センタ等に常駐している警備員は、非常通報警報を受けて現場に駆け付け、発光駆動している光警報装置30から非常通報を行ったトイレ個室等を確認して迅速且つ適切に対処することを可能とする。
【0082】
なお、受信機10に対する非常通報信号の送信は、R型の火災感知器14と同様に、非常通報の割込み信号を送信し、この割込み信号に対し受信機10はグループ検索コマンド信号及びグループ内検索コマンド信号を送信して制御用中継装置28を特定し、非常通報信号を受信する。
【0083】
(放火検出に対する光警報制御)
また、制御部54は、放火監視センサ38から放火検出電文を受信した場合に警報制御電文をトイレエリア22の共用エリア及びトイレ個室24に設けた光警報装置30に送信して光警報を出力させると共に、放火検出信号を、非常通報信号の場合と同様にして受信機10に送信して火災発生場所を特定した放火警報を出力させる制御を行う。
【0084】
このため、R型受信機10を設置した防災センタ等に常駐している警備員は、放火警報を受けて現場に駆け付け、初期消火等を行って火災の拡大を未然に防止すること可能とする。
【0085】
また、放火検出に対応してトイレ共用部26及びトイレ個室24に設けている光警報装置30が発光駆動して光警報を出力することで、放火を行っている不審者は光警報による威嚇を受け、光これに驚いた不審者が放火を止めて逃走するといった状況が期待できる。
【0086】
(人体検出に対する照明制御)
また、制御部54は、トイレ個室24に設置した人体センサ34から検出オン電文(人体検出電文)を受信した場合に、この人体センサ34と同じトイレ個室24に設置している照明装置36のアドレスを指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させ、続いて、人体センサ34から検出オフ電文(人体非検出電文)を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置36に照明オフの制御電文を送信して消灯させる制御を行う。
【0087】
このため制御用中継装置28の無線通信による制御機能を利用して、トイレ個室24等に配線工事を必要とすることなく、人体センサ34により照明装置36をオン、オフする照明制御システムを簡単に構築することができる。
【0088】
また、制御部54は、照明装置36のオン、オフ動作及び又は単位時間当りの点灯総計時間を示す信号を受信機10に送信して表示及び又は記憶させる制御を行う。このため、トイレ個室14に人体センサ34により照明装置36をオン、オフする照明制御機能を設けた場合、R型受信機10側で照明装置36のオンオフ動作を表示により確認でき、また、単位時間当たりの点灯総計時間を係員が読み出して確認することで、人体センサ34により制御している照明装置36の動作状況を把握し、節電効果の度合を判断可能とする。
【0089】
(光警報装置)
光警報装置30は、制御部62、アンテナ66を接続した通信部64、及び発光部68を備え、図示しない電池電源により動作する。
【0090】
制御部62は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0091】
通信部64はトイレエリアに設置している制御用中継装置28との間で電文の送受信を行い、制御用中継装置28と同じ400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った無線通信を行う。
【0092】
また、通信部64は通常監視状態で間欠受信を行っている。通信部64による間欠受信の周期は、制御用中継装置28の通信部58による送信時間T1に対応する所定周期に設定し、この間欠受信周期毎にキャリアセンス行い、キャリアセンスができれば継続受信に切り替えて制御用中継装置28からの電文受信を可能とする。
【0093】
発光部68には高輝度LEDやフラッシュライト等とその駆動回路を設けており、制御部62から発光指示を受けた場合、予め設定した発光周期Tf、例えばTf=2秒の周期で例えば100ミリ秒の発光時間となる点滅を繰り返す。
【0094】
制御部62は、通信部64を介して制御用中継装置28からの光警報の制御電文の受信した場合、発光部68に発光駆動を指示する制御を行い、発光部68に発光周期Tf毎に発光駆動を繰り返して光の点滅により光警報を出力する動作を行わせる。
【0095】
(非常押釦装置)
非常押釦装置32は、制御部70、アンテナ75を接続した通信部74、及びスイッチ部72を備え、図示しない電池電源により動作する。スイッチ部72は押釦操作でオンし、制御部70はスイッチ部72のオン信号を検出して非常通報信号を通信部70に出力し、通信部74は非常通報電文を、400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従って送信する。
【0096】
(人体センサ)
人体センサ34は、制御部76、アンテナ82を接続した通信部80、及びセンサ部78を備え、図示しない電池電源により動作する。制御部76はセンサ部78に設けた焦電素子等により人体から放射される赤外線エネルギーを検出して人体検出信号を通信部80に出力し、通信部80は検出オン電文を、400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従って送信する。また、制御部76は、センサ部78から出力している人体検出信号が停止すると、通信部80に指示して検出オフ電文を送信する。
【0097】
(照明装置)
照明装置36は、制御部84、アンテナ88を接続した通信部86、及び照明部90を備え、商用電源により動作する。通信部86は400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従って電文を受信する。制御部84は、人体センサ34の人体検出のオン、オフに基づき制御用中継装置28からの照明オンの制御電文の通信部86による受信を検出すると照明部90をオンし、その後、照明オフの制御電文の受信を検出すると所定の遅延時間を経過した後に照明部90をオフする。
【0098】
(放火監視センサ)
放火監視センサ38は、制御部92、アンテナ98を接続した通信部96、及びセンサ部94を備え、図示しない電池電源又は商用電源により動作する。センサ部94は焦電素子やUVトロン(登録商標)等により炎から放射される赤外線や紫外線のエネルギーを検出して炎検出信号を出力する。制御部92はセンサ部94からの炎検出信号のレベルからライタの炎以上の大きさの炎を判定して放火検出信号を出力し、通信部96は放火検出電文を、400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従って送信する。
【0099】
[警報システムの制御動作]
図4は
図1の警報システムに設けた制御用中継装置の制御動作を示したフローチャートである。
【0100】
図4に示すように、受信用制御装置28の制御部54は、ステップS1でトイレ個室24に設置した人体センサ34から人体検出に基づく検出オン電文を受信した場合に、ステップS2で人体センサ34と同じトイレ個室24に設置している照明装置36のアドレスを指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させる。
【0101】
続いて、ステップS3で人体センサ34から人体検出の停止に基づく検出オフ電文を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置36に照明オフの制御電文を送信して消灯させる。なお、ステップS2、S4で制御した照明装置36のオン、オフを示す信号を受信機10に送信して表示させ、また、1時間当りの点灯総計時間を示す信号をR型受信機10に送信して記憶させている。
【0102】
また、制御部54は、ステップS5で受信機10から火災信号を受信すると、ステップS6で光警報の制御電文をトイレ個室24及びトイレ共用部26の光警報装置30に送信して光警報を出力させる。続いてステップS7でR型受信機10から火災復旧信号を受信すると、ステップS8で警報停止の制御電文を送信し、トイレ個室24及びトイレ共用部26の光警報装置30の光警報を停止させる。
【0103】
また、制御部54は、ステップS9でトイレ個室24の非常押釦装置32から非常通報電文を受信すると、ステップS10で非常通報電文を送信した非常押釦装置32と同じトイレ個室24に設置している光警報装置30に光警報の制御電文を送信して光警報を出力させ、また、ステップS11で非常通報信号を受信機10に送信して非常通報警報を出力させる。
【0104】
続いてステップS12で受信機10から非常通報復旧信号を受信すると、ステップS13で光警報停止の制御電文をトイレ個室24の光警報装置30に送信して光警報を停止させる。
【0105】
また、制御部54は、ステップS14で放火監視センサ38から放火検出電文を受信すると、ステップS15に進んで光警報の制御電文をトイレエリア22のトイレ個室24及びトイレ共用部26に設けた光警報装置30に送信して光警報を出力させると共に、ステップS16で放火検出信号を受信機10に送信して発生場所を特定した放火警報を出力させる。
【0106】
その後、ステップS17で受信機10から放火復旧信号を受信すると、ステップS18で光警報停止の制御電文をトイレ個室24及びトイレ共用部26の光警報装置30に送信して光警報を停止させる。
【0107】
[自動火災報知システムと連携しない独立した警報システム]
図5は自動火災報知システムと連携しない無線式の警戒システムの実施形態を示したブロック図である。
【0108】
(トイレエリアの監視)
本実施形態の警報システムが監視するエリアは、公園などの屋外に設置した自動火災報知システムを設置していない施設であり、例えば屋外に設置している公衆トイレ等を監視対象としている。
【0109】
図5に示すように、監視対象とするトイレ施設100は、
図2に示したと同様に、女子トイレ22aと男子トイレ22bに分かれており、
図5は女子トイレ22aを例にとっている。
【0110】
女子トイレ22aには、制御装置102、光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38を設置しており、それぞれ無線通信機能を備え、制御装置100と光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38との間で各種の電文を送受信可能としている。
【0111】
制御装置102は、
図1の受信用制御装置28に相当するが、自動火災報知システムとは連携しておらず、独立した装置としてトイレエリア22に設置している。
【0112】
制御装置102は、例えば、
(A)非常通報に対する光警報制御
(B)放火検出に対する光警報制御
(C)人体検出に対する照明制御、
となる制御機能を備える。これらの制御機能は初期設定により全ての制御機能を選択して設定できるし、また、必要に応じて1又は複数の制御機能を選択して設定することができる。
【0113】
[警報システムの機能構成]
図6は
図5の警報システムを構成する機器の機能構成を示したブロック図である。
図6に示すように、光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38の機能構成は、
図3と同じになることから、同一符号を付して説明を省略する。
【0114】
制御装置100は、受信機10からの伝送回線12に接続していない点で、
図3の機能構成と相違し、制御部54、アンテナ60を接続した通信部58及び操作表示部104を備え、商用電源で動作する。
【0115】
制御部54は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0116】
通信部58はトイレエリア内に設置している光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38との間で、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った無線通信を行う。
【0117】
また、通信部58は、電文を送信する場合、所定の送信時間T1と送信休止時間T2からなる送信周期T0を複数回、例えば3回設定し、各送信時間T1の間に電文の送信を複数回、例えば4個の制御電文の送信を3回に分けて繰り返す。
【0118】
制御部54は前述した(A)〜(B)の制御を次のようにして行う。
【0119】
(非常通報に対する光警報制御)
制御部54は、トイレ個室24の何れかに設置した非常押釦装置32から非常通報電文を受信した場合に、屋外に設置している光警報装置30及び非常通報電文を送信した非常押釦装置32と同じトイレ個室24に設置している光警報装置32のアドレスを指定した光警報の制御電文を送信して光警報を出力させる制御を行う。
【0120】
このため、巡回している警備員が屋外に設置した光警報装置30による光警報を見て駆けつけたり、屋外の光警報をみた人が警察等の関係機関に通報することを可能とし、また、トイレ施設100に駆けつけた関係者は、光警報から非常通報を行ったトイレ個室24を確認して迅速且つ適切に対処することを可能とする。
【0121】
(放火検出に対する光警報制御)
また、制御部54は、放火監視センサ38から放火検出電文を受信した場合に光警報の制御電文を屋外及びトイレ個室24に設けた光警報装置30に送信して光警報を出力させる制御を行う。
【0122】
このため、巡回している警備員が屋外に設置した光警報装置30による光警報を見て駆け付けたり、屋外の光警報を見た人が警察等の関係機関に通報することを可能とし、初期消火等を行って火災の拡大を未然に防止すること可能とする。
【0123】
また、放火検出に対応して屋外及びトイレ個室24に設けている光警報装置30が発光駆動して光警報を出力することで、放火を行っている不審者は光警報による威嚇を受け、光これに驚いた不審者が放火を止めて逃走するといった状況が期待できる。
【0124】
(人体検出に対する照明制御)
また、制御部54は、トイレ個室24に設置した人体センサ34から人体検出を示す検出オン電文を受信した場合に、この人体センサ34と同じトイレ個室24に設置している照明装置36のアドレスを指定した照明オンの制御電文を送信して点灯させる。続いて、制御部54は、人体センサ34から人体非検出を示す検出オフ電文を受信した場合に、所定の遅延時間後に照明装置36に照明オフの制御電文を送信して消灯させる制御を行う。
【0125】
この場合にも、制御装置100の無線通信による制御機能を利用して、トイレ個室24等に配線工事を必要とすることなく、人体センサ34により照明装置36をオン、オフする照明制御システムを簡単に構築することができる。
【0126】
また、制御部54は、照明装置36のオン、オフ動作の履歴及び又は単位時間当りの点灯総計時間を記憶させる制御を行う。このため、係員が制御装置102から照明オン、オフの動作履歴や単位時間当たりの点灯総計時間を係員読み出して確認することで、人体センサ34により制御している照明装置36の動作状況を把握し、節電効果の度合を判断可能とする。
【0127】
[有線式の警報システム]
(自動火災報知システムと連携した有線式警報システム)
図7は自動火災報知システムと連携した有線式の警戒システムの機能構成を示したブロック図である。
【0128】
図7に示すように、トイレエリアに設置した制御用中継装置28はR型の受信機10からの伝送回線12に接続すると共に、トイレエリアに対し別の伝送回線106を引き出し、伝送回線106に光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38を接続している。
【0129】
制御用中継装置28からの伝送回線106に接続した光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38には固有のアドレスが予め割り当てられており、受信機10からの伝送回線12と同様にして信号の送受信を行う。
【0130】
制御用中継装置28、光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38には、伝送回線106を接続した伝送部58a,64a,74a,80a,86a,96aを設けている。それ以外の機能構成は、
図3の実施形態と同じであることから、同じ符号を付して説明を省略する。
【0131】
本実施形態は、トイレエリアに設置した機器の間は配線工事を必要とするが、制御用中継装置102を受信機10からの伝送回線12に接続して非常通報警報、放火警報、及び照明装置の動作状況を出力可能としており、トイレエリアと監視側との間の配線工事を不要にできるメリットがある。
【0132】
(自動火災報知システムと連携しない有線式警報システム)
図8は自動火災報知システムと連携した有線式の警戒システムの機能構成を示したブロック図である。
【0133】
図8に示すように、公衆トイレ等の独立したトイレ施設には、制御装置102を設置し、制御装置102から引き出した伝送回線106に、
図7の場合と同様に、光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38を接続し、信号を送受信可能としている。
【0134】
制御装置102、光警報装置30、非常押釦装置32、人体センサ34、照明装置36及び放火監視センサ38には、伝送回線106を接続した伝送部58a,64a,74a,80a,86a,96aを設けている。それ以外の機能構成は、
図3の実施形態と同じであることから、同じ符号を付して説明は諸略する。
【0135】
本実施形態は、トイレエリアに設置した機器の間は配線工事を必要とするが、トイレ個室が少ないトイレ施設であれば配線工事はそれほど問題とはならず、小規模なトイレ施設に好適といえる。
【0136】
[本発明の変形例]
(監視対象)
上記の実施形態は、警報システムの監視対象としてトイレを例にとるものであったが、これ以外に、警戒対象とする適宜の警戒区域や施設を対象に設置することができる。また、個室として利用される複数の区画を有する警戒区域や施設としては、例えば漫画喫茶、インターネットカフェ、個室ビデオボックス等を含む適宜の警戒区域や施設を対象に設置することができる。
【0137】
(自動火災報知設備)
また、受信機又は制御盤から伝送回線を引き出して端末機器を接続し、端末アドレスを指定して信号を送受信可能な適宜のシステムについても、同様にしてトイレエリア等の警戒区域の機器と連携した警報システムを構築することができる。
【0138】
(P型警報システム)
また、光制御装置、非常押釦装置、放火監視センサ、人体センサ、照明装置等の端末機器としてオンオフ信号を授受する端末機器とした場合、制御用中継装置から引き出した回線毎に端末機器を接続する所謂P型システムとすることで、同様にしてトイレエリア等の警戒区域の機器と連携した警報システムを構築することができる。
【0139】
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。