【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理システム1は、携帯端末10と情報処理装置とが通信可能に接続されたものである。なお、本実施例では、情報処理装置を画像形成装置として説明するものとする。
情報処理システム1は、携帯端末10と、画像形成装置としてのプリンタ20とを有するものであり、携帯端末10とプリンタ20とが通信可能に接続されて構成されている。この情報処理システム1は、プリンタ20を使用する際、携帯端末10に備えられたロック解除機能を利用し、予め登録された認証情報を入力して利用者が本人であることを確認する本人認証としての認証処理を行う。
【0010】
携帯端末10は、タッチパネル部11と、制御部12と、近接通信部13と、遠隔通信部14と、記憶部15とを有している。
第1の制御部としての制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段により構成され、記憶部15に記憶された各種プログラム(ソフトウェア)やデータに基づいて、タッチパネル部11、近接通信部13、および遠隔通信部14を制御し、携帯端末10全体の動作を制御するものである。
【0011】
タッチパネル部11は、文字や画像を表示するディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示手段およびタッチセンサ等の入力手段を備え、利用者へ各種情報の報知を行うとともに、利用者の入力操作を受付けるものである。
第1の通信部としての近接通信部13は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を行うものであり、プリンタ20との間で通信を行う。
【0012】
遠隔通信部14は、例えば無線通信(Wi−Fi:Wireless Fidelity)等を介してLAN(Local Area Network)と接続して通信を行うものであり、プリンタ20との間で通信を行う。
記憶部15は、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHD(Hard Disc)等により構成され、各種プログラム(ソフトウェア)やデータ等の各種情報を記憶するものである。
【0013】
記憶部15は、OS(Operating System)16と、印刷アプリケーション17と、印刷設定18と、画面ロック設定19とを記憶する。また、記憶部15は、認証処理で使用されるパスワード等の認証情報を記憶する。
OS16は、携帯端末10全体の動作を管理する基本ソフトウェアである。OS16は、制御部12によって実行され、タッチパネル部11からのデータ入力やタッチパネル部11への画面出力等の入出力機能、記憶部15の管理、および印刷アプリケーション17で利用される基本的な機能を提供する。
【0014】
印刷アプリケーション17は、テキストデータや写真等の画像データをタッチパネル部11に表示するとともに、タッチパネル部11を介して選択された印刷対象の印刷を行うアプリケーションソフトウェアである。印刷アプリケーション17は、印刷データ作成部17aと、近接通信処理部17bと、印刷開始指示部17cとを有している。
【0015】
印刷データ作成部17aは、印刷アプリケーション17で選択された印刷対象をプリンタ20で印刷可能な形式に変換した印刷データを生成し、生成した印刷データを、遠隔通信部14を介してプリンタ20へ送信するものである。
近接通信処理部17bは、近接通信部13を介して受信したデータを処理するものである。
【0016】
印刷開始指示部17cは、プリンタの記憶部に記憶されている印刷ジョブの印刷を指示するデータを、遠隔通信部14を介してプリンタ20へ送信するものである。
印刷設定18は、印刷に関する各種設定情報を記憶するものである。
画面ロック設定19は、タッチパネル部11に表示される画面をロック状態にする画面ロック機能を有効にするか無効にするかの設定情報を記憶するものである。
【0017】
ここで、画面のロック状態とは、予め登録した認証情報の入力をタッチパネル部11で検知して利用者が本人であることを確認する本人認証が成功するまで認証情報以外の利用者による入力操作をタッチパネル部11で受付けないようにする状態をいう。
画面のロック状態を解除し、認証情報以外の利用者の入力操作をタッチパネル部11で受付けるようにするためには、予め登録したパスワード等の認証情報の入力をタッチパネル部11で検知して利用者が本人であることを確認する本人認証を行う必要がある。
【0018】
本実施例の制御部12は、利用者によってタッチパネル部11で入力された認証情報と、記憶部15に登録された認証情報とを照合し、本人認証を行う認証処理として、画面のロック状態を解除する画面ロック解除処理を行う。
この画面ロック解除処理は、画面のロック状態で表示されるロック解除画面において、タッチパネル部11で入力を受付けた認証情報としてのパスワードや入力パターン等と、記憶部15に予め記憶された認証情報としてのパスワードや入力パターン等とを照合し、一致した場合に画面のロック状態を解除して利用者の入力操作を受付けるホーム(初期)画面に復帰させる処理である。
【0019】
このように、制御部12は、タッチパネル部11に表示する画面のロック状態を解除する場合に使用される認証情報に基づいて本人認証を行う。
プリンタ20は、入力部21と、表示部22と、制御部23と、近接通信部24と、遠隔通信部25と、印刷部26と、記憶部27とを有している。
入力部21は、操作パネル上の操作ボタンやキー、タッチパネル等により構成され、利用者の入力操作を受け付けるものである。
【0020】
表示部22は、タッチパネルを有するディスプレイ等により構成され、入力部21で受け付けた入力操作に反応して各種情報を表示するものである。
第2の制御部としての制御部23は、CPU等の制御手段により構成され、記憶部27に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)やデータに基づいて、入力部21、表示部22、近接通信部24、遠隔通信部25、および印刷部26を制御し、プリンタ20全体の動作を制御するものである。
【0021】
第2の通信部としての近接通信部24は、近距離無線通信(NFC)を行うものであり、携帯端末10の近接通信部13との間で通信を行う。
遠隔通信部25は、例えば無線通信(Wi−Fi)等を介してLANと接続して通信を行うものであり、携帯端末10との間で通信を行う。
印刷部26は、携帯端末10から遠隔通信部25を介して受信した印刷データに基づいて印刷を行うものである。
【0022】
記憶部27は、RAM等のメモリやHD等により構成され、制御プログラム(ソフトウェア)やデータ等の各種情報および印刷ジョブ28を記憶するものである。
印刷ジョブ28は、携帯端末10から受信した印刷データを記憶するものである。
本実施例の制御部23は、携帯端末10の制御部12が行った本人認証の結果を近接通信部24で受信し、該本人認証の結果に基づいて当該利用者の使用可否を判定する。
【0023】
上述した構成の作用について説明する。
図1に示す情報処理システム1の携帯端末10およびプリンタ20の動作を以下に説明する。
本実施例では、
図1に示す携帯端末10が印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンタ20へ送信し、印刷データを受信したプリンタ20に携帯端末10をかざして認証印刷を行う。
【0024】
まず、情報処理システムの携帯端末が行う印刷データ生成/送信処理を
図2の第1の実施例における印刷データ生成/送信処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。
S1:情報処理システム1の携帯端末10は、利用者の入力操作をタッチパネル部11で受け付け、制御部12が記憶部15に記憶された印刷アプリケーション17を起動する。携帯端末10の制御部12は、印刷アプリケーション17により、印刷するテキストや画像等の電子データをタッチパネル部11に表示する。
【0025】
S2:携帯端末10の制御部12は、印刷アプリケーション17により、印刷を行うために印刷設定画面をタッチパネル部11に表示し、タッチパネル部11で印刷設定を変更する操作を受け付ける。印刷設定画面は、例えば
図4に示す印刷設定画面40であり、設定項目に、印刷する用紙サイズ、印刷の向き、印刷する部数、認証印刷設定として認証印刷を行うか否かの選択、および印刷を実行するための「印刷」ボタン等を有している。なお、印刷設定画面に表示される設定情報は、記憶部15の印刷設定18に記憶されている情報である。
【0026】
制御部12は、利用者によって入力された印刷設定の情報を印刷設定18に保存する。
利用者は、印刷設定画面の「印刷」ボタンをタッチするものとし、制御部12は、タッチパネル部11で印刷を実行する操作を受け付ける。
S3:制御部12は、印刷設定画面の認証印刷設定において認証印刷を行うが選択されているか否かを判定し、認証印刷を行うが選択されていると判定すると認証印刷設定を確認するため処理をS4へ移行し、認証印刷を行わないが選択されていると判定すると認証処理を行うことなく印刷を行うため処理をS8へ移行する。
【0027】
S4:認証印刷を行うが選択されていると判定した制御部12は、記憶部15の画面ロック設定19に設定されている認証印刷設定、すなわち画面ロック機能の設定が有効か無効かを確認する。
S5:制御部12は、画面ロック設定19を確認した結果、画面ロック機能が有効であると判定すると処理をS7へ移行し、画面ロック機能が無効であると判定すると処理をS6へ移行する。
【0028】
S6:画面ロック機能が無効であると判定した制御部12は、画面ロック設定変更誘導画面をタッチパネル部11に表示し、画面ロック機能を有効に設定変更することを利用者に促す。画面ロック設定変更誘導画面は、例えば
図5に示す画面ロック機能無効時の表示画面50であり、「認証印刷では、画面のロック機能を使って本人確認を行います。現在、画面のロック設定が無効のため、有効にした後、再度印刷してください。」等のメッセージを表示する画面である。
【0029】
ここで、メッセージを読んだ利用者は、携帯端末10が有する設定画面により、画面のロック設定を有効にするものとする。携帯端末10の制御部12は、画面のロック設定を有効にする操作をタッチパネル部11で受付けると、画面ロック設定19に「画面ロック機能を有効」として記憶する。
制御部12は、利用者により、再度印刷設定の操作を受け付けるため、処理をS2へ移行する。
【0030】
S7:制御部12は、印刷アプリケーション17の印刷データ作成部17aにより、携帯端末10を識別するためのID(識別情報)となる認証データを生成する。この認証データは、Wi−Fi等で使用されるMAC(Media Access Control)アドレス等、携帯端末10に一意に割り振られた固有の情報を含ませて生成する。なお、本実施例では、認証データをMACアドレスとして説明する。
【0031】
S8:制御部12は、印刷アプリケーション17の印刷データ作成部17aにより、印刷するテキストや画像等の電子データから印刷データを生成する。
S9:S3において、認証印刷を行うが選択されていると判定された場合、制御部12は、遠隔通信部14により、S7において生成した認証データとS8において生成した印刷データをプリンタ20へ送信し、認証処理へ移行する。
【0032】
なお、プリンタ20の制御部23は、遠隔通信部25により、受信した認証データと印刷データとを対応付けて記憶部27に印刷ジョブ28として記憶する。
一方、S3において、認証印刷を行わないが選択されていると判定された場合、S8において生成した印刷データをプリンタ20へ送信し、認証処理を行うことなく、プリンタ20で当該印刷データの印刷を行う。
【0033】
次に、情報処理システムが行う認証処理を
図3の第1の実施例における認証処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。この認証処理は、
図2で説明した携帯端末10が送信した印刷データ(
図2のS3において、認証印刷を行うが選択されていると判定された場合に送信した印刷データ)を印刷するために携帯端末10で行われる処理である。
なお、
図2のS9において携帯端末10からプリンタ20へ送信された認証データおよび印刷データはプリンタ20の記憶部27に印刷ジョブ28として蓄積されてすぐに印刷されず、携帯端末10で以下に説明する認証処理が行われる。
【0034】
S101:利用者は、携帯端末10を、印刷データを送信したプリンタ20の近接通信部24に接近させてかざすものとする。携帯端末10の制御部12は、近接通信部13により、プリンタ20の近接通信部24との間でNFC通信を行う。
S102:携帯端末10の制御部12は、近接通信部13により、プリンタ20の近接通信部24との間でNFC通信が確立し、通信が可能になるとプリンタ20を認識する。制御部12は、近接通信部13により、プリンタ20からの情報の受信を待機する。
【0035】
S103:携帯端末10の近接通信部13との間でNFC通信が確立したプリンタ20の制御部23は、記憶部27に印刷ジョブ28が存在するか否かを確認する。
S104:プリンタ20の制御部23は、近接通信部24により、印刷ジョブ28に関する印刷ジョブ情報を携帯端末10へ送信する。この印刷ジョブ情報は、
図2のS7において生成された認証データおよびそれぞれの印刷データに付与された番号(印刷データを識別するための情報)のリストである。
【0036】
S105:携帯端末10の制御部12は、近接通信部13により、印刷ジョブ情報を受信すると、当該印刷ジョブ情報の解析を行う。制御部12は、印刷ジョブ情報に認証データとして携帯端末10のMACアドレス(自局のMACアドレス)が含まれているか否かを解析する。
制御部12は、印刷ジョブ情報を解析した結果として抽出した自局のMACアドレスを含む印刷ジョブの番号を抽出する。
【0037】
S106:携帯端末10の制御部12は、解析の結果、印刷ジョブ情報に携帯端末10のMACアドレスが含まれている、すなわち自携帯端末10から送信した印刷ジョブがあると判定すると処理をS108へ移行し、含まれていない(自携帯端末10から送信した印刷ジョブがない)と判定すると処理をS107へ移行する。
【0038】
S107:印刷ジョブ情報に携帯端末10のMACアドレスが含まれていないと判定した携帯端末10の制御部12は、自携帯端末10から送信した印刷ジョブは無いことを通知する画面、例えば
図7に示すように、「印刷可能な文書はありませんでした。」等のメッセージを表示する画面70をタッチパネル部11に表示する。制御部12は、表示した画面において「閉じる」がタッチされたことをタッチパネル部11で検知すると本処理を終了する。
【0039】
S108:S106において、印刷ジョブ情報に携帯端末10のMACアドレスが含まれていると判定した携帯端末10の制御部12は、携帯端末10の画面をロックすることを通知する画面、例えば
図6に示すように、「印刷可能な文書がプリンタにあります。印刷開始の際は、なりすまし防止のため、一旦、画面をロックします。解除すると印刷を開始します。」等のメッセージを表示する画面60をタッチパネル部11に表示する。
【0040】
S109:携帯端末10の制御部12は、S108において表示した画面で「印刷」がタッチされたことをタッチパネル部11で検知すると印刷を行うため処理をS110へ移行し、「閉じる」がタッチされたことをタッチパネル部11で検知すると印刷を行うことなく本処理を終了する。
【0041】
S110:携帯端末10の制御部12は、画面をロックし、本人認証を行うためパスワード入力画面(ロック解除画面)をタッチパネル部11に表示する。
このように制御部12は、タッチパネル部11に表示する画面をロック状態に移行させ、パスワード入力画面(ロック解除画面)において認証情報(パスワード)の入力を受付ける。
【0042】
S111:携帯端末10の制御部12は、タッチパネル部11で利用者による登録済みのパスワードの入力を受付け、画面のロックを解除する。
入力されたパスワードが登録済みのパスワードと一致した場合、携帯端末10の画面のロックが解除され、当該利用者によるプリンタ20の使用が許可され、一方、入力されたパスワードが登録済みのパスワードと一致しなかった場合、携帯端末10の画面のロックは解除されず、当該利用者によるプリンタ20の使用が禁止される。
【0043】
S112:携帯端末10の制御部12は、画面のロックを解除すると同時に、印刷アプリケーション17の印刷開始指示部17cにより、印刷ジョブの印刷を開始するための印刷開始指示データ(コマンドデータ)を生成する。制御部12は、S105において印刷ジョブ情報を解析した結果として抽出した自局のMACアドレスを含む印刷ジョブの番号を印刷開始指示データに付加する。
S113:携帯端末10の制御部12は、生成した印刷開始指示データを遠隔通信部14によりプリンタ20へ送信する。
【0044】
S114:携帯端末10の制御部12は、印刷開始指示データを送信すると、印刷開始通知画面、例えば
図8に示すように、「印刷を開始しました。」等のメッセージを表示する画面80をタッチパネル部11に表示する。
制御部12は、印刷開始通知画面の「閉じる」がタッチされたことをタッチパネル部11で検知すると本処理を終了する。
【0045】
一方、プリンタ20の制御部23は、遠隔通信部25により、印刷開始指示データを受信すると、印刷開始指示データおよび印刷開始指示データに付加された印刷ジョブの番号に従って記憶部27に記憶されている印刷ジョブ28から印刷対象となる印刷ジョブを抽出し、印刷部26により印刷する。
このようにして本実施例の情報処理システムは認証処理を行う。
本実施例では、認証印刷を例に説明したが、以下の変形例のように、プリンタにログインする際に、同様の認証処理を行うようにしても良い。
【0046】
情報処理システムが行う変形例の認証処理を
図9の変形例における認証処理の流れを示すシーケンス図の図中Sで表すステップに従って
図1を参照しながら説明する。
S101a:まず、利用者は、プリンタ20の使用許可を得ることを目的とした本人認証(ログイン)を行うため、携帯端末10をプリンタ20にかざして携帯端末10とプリンタ20とが近距離無線通信可能な状態にする。
【0047】
S102a:携帯端末10の制御部12は、近接通信部13によりプリンタ20の近接通信部24との接続を検知すると、認証処理を開始する。制御部12は、記憶部15からユーザを識別するための利用者識別情報としてのユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をプリンタ20へ送信する。
このように、携帯端末10の制御部12は、近接通信部13によりプリンタ20の近接通信部24との通信可能になると、記憶部15に記憶されたユーザ情報をプリンタ20へ送信する。
【0048】
S103a:プリンタ20の制御部23は、近接通信部24により受信したユーザ情報と、記憶部27に記憶されているユーザ情報とを照合し、通知されたユーザ情報が登録されたユーザであるか否かを判定する。なお、ここでは、通知されたユーザ情報が登録されたユーザであると判定されるものとする。
S104a:プリンタ20の制御部23は、近接通信部24により、本人認証を行う指示として照合結果を携帯端末10へ送信する。このように、プリンタ20の制御部23は、受信した利用者識別情報としてのユーザ情報が記憶部27に予め登録されていると判定すると、本人認証を行う指示を携帯端末10へ送信する。
【0049】
S105a:携帯端末10の制御部12は、近接通信部13により照合結果を受信すると、タッチパネル部11にログイン画面を表示する。このログイン画面は、例えば
図10に示すログイン画面60aであり、「ログインの際は、なりすまし防止のため、一旦、画面をロックします。解除するとログインします。」等のメッセージを表示する画面である。
【0050】
S106a:利用者は、ログイン画面で「ログイン」をタッチするものとし、携帯端末10の制御部12は、ログイン画面で「ログイン」がタッチされたことをタッチパネル部11で検知する。
S107a:携帯端末10の制御部12は、画面をロックし、本人認証を行うためパスワード(認証情報)入力画面をタッチパネル部11に表示する。
【0051】
S108a:利用者は、パスワード入力画面でパスワード(認証情報)を入力する操作を行う。携帯端末10の制御部12は、タッチパネル部11で利用者によるパスワード(認証情報)を入力する操作を受け付ける。
S109a:携帯端末10の制御部12は、入力されたパスワード(認証情報)と、記憶部15に記憶されたパスワード(認証情報)とを照合し、入力されたパスワード(認証情報)が記憶部15に登録されたパスワード(認証情報)と一致する正当なパスワード(認証情報)であるか否かを判定する。
【0052】
S110a:制御部12は、パスワード(認証情報)の照合結果(判定結果)を近接通信部13によりプリンタ20へ送信する。
S111a:プリンタ20の制御部23は、近接通信部24により照合結果を受信すると、表示部22に受信した照合結果に応じた画面を表示させる。
S112a:プリンタ20の制御部23は、照合結果が正当なパスワード(認証情報)であることを表している場合、利用者が登録されたユーザであることを認め、各種機能を当該利用者に提供する。
【0053】
本実施例では、プリンタ20を使用する際に、既にプリンタ20にユーザ登録された利用者により携帯端末10がプリンタ20にかざされることにより、携帯端末10はロック解除画面を表示し、そのロック解除画面において、当該利用者によって予め登録されたパスワード(認証情報)が入力されると、当該利用者はプリンタ20を使用することができるようになる。一方、ロック解除画面において、当該利用者によって予め登録されたパスワード(認証情報)が入力されない場合、当該利用者はプリンタ20を使用することができない。
【0054】
このように、情報処理システム1は、プリンタ20を使用する際に、携帯端末10に備えられたロック解除機能を利用し、予め登録された認証情報を入力する認証処理を行うようにしたことにより、第三者の成りすましを抑制することができ、認証処理の精度を向上させることができる。
なお、第1の実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、ファクシミリ装置やスキャナ機能および印刷機能を有する複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)等としても良い。
【0055】
以上説明したように、第1の実施例では、プリンタを使用する際に、携帯端末に備えられたロック解除機能を利用し、予め登録された認証情報を入力する認証処理を行うようにしたことにより、第三者の成りすましを抑制することができ、認証処理の精度を向上させることができるという効果が得られる。
また、認証処理に使用する認証情報を、携帯端末が一般的に備えているロック解除機能の認証情報としているため、新たな認証処理用の認証情報の登録が不要になるという効果が得られる。
【実施例2】
【0056】
図11は第2の実施例における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図11において、情報処理システム1は、携帯端末100と、画像形成装置200とにより構成されている。携帯端末100と、画像形成装置200とは近距離無線通信により互いに通信可能に構成されている。この情報処理システム1は、画像形成装置200を使用する際、携帯端末100に備えられたロック解除機能を利用し、予め登録された認証情報を入力して利用者が本人であることを確認する認証処理を行う。
【0057】
携帯端末100は、タッチパネル部102と、セキュリティ解除処理部103と、セキュリティ解除情報記憶部104と、制御部105と、近接通信部106と、認証処理制御部107と、認証情報記憶部108とを有している。なお、タッチパネル部102は
図1に示すタッチパネル部11に相当し、セキュリティ解除処理部103、制御部105、および認証処理制御部107は
図1に示す制御部12に相当し、セキュリティ解除情報記憶部104および認証情報記憶部108は
図1に示す記憶部15に相当し、近接通信部106は
図1に示す近接通信部13に相当するものである。
【0058】
第1の制御部としての制御部105は、CPU等の制御手段により構成され、メモリ等で構成された記憶部に記憶された各種制御プログラム(ソフトウェア)やデータに基づいて、タッチパネル部102、セキュリティ解除処理部103、近接通信部106、および認証処理制御部107を制御し、携帯端末100全体の動作を制御するものである。
タッチパネル部102は、文字や画像を表示するディスプレイ(LCD)等の表示手段およびタッチセンサ等の入力手段を備え、利用者へ各種情報の報知を行うとともに、利用者の入力操作を受付けるものである。
【0059】
本実施例のタッチパネル部102は、携帯端末100に電源を投入したときや携帯端末100の再起動を行った場合、画面のロック状態に移行する。また、タッチパネル部102は、所定の時間を経過しても利用者の入力操作を受付けなかった場合、消費電力を節約するスリープ状態に移行し、そのスリープ状態から復帰する場合も、画面のロック状態に移行する。
【0060】
セキュリティ解除処理部103は、認証処理として、画面のロック状態を解除するセキュリティ解除処理を行うものである。このセキュリティ解除処理は、画面のロック状態で表示されるロック解除画面において、タッチパネル部102で入力を受付けた認証情報としてのパスワードや入力パターン等と、セキュリティ解除情報記憶部104に予め記憶された認証情報としてのパスワードや入力パターン等とを照合し、一致した場合に画面のロック状態を解除して利用者の入力操作を受付けるホーム画面に復帰させる処理である。
【0061】
セキュリティ解除情報記憶部104は、セキュリティ解除処理部103が行うセキュリティ解除処理で照合に使用される認証情報としてのセキュリティ解除情報(パスワードや入力パターン等の情報)を記憶するものである。
第1の通信部としての近接通信部106は、近距離無線通信(NFC)を行うものであり、画像形成装置200との間で通信を行う。
【0062】
認証処理制御部107は、近接通信部106により、画像形成装置200へユーザ情報としてのユーザ認証情報を送信して認証処理を行うものである。
認証情報記憶部108は、認証処理制御部107が行う認証処理で使用するユーザ認証情報を記憶するものである。ユーザ認証情報は、例えば利用者を識別するための利用者識別情報としてのユーザ名、および利用者識別情報に対応付けたパスワード等である。利用者は、自身が所有する携帯端末100にユーザ認証情報を予め登録しておくものとし、その認証情報は、認証情報記憶部108に記憶される。
【0063】
本実施例の制御部105は、利用者によって入力され、画像形成装置200から受信した認証情報と、セキュリティ解除情報記憶部104に登録された認証情報とを照合し、本人認証を行う認証処理として、画面のロック状態を解除するときに使用されるセキュリティ解除情報を認証情報として使用し、認証処理を行う。
このように、制御部105は、タッチパネル部102に表示する画面のロック状態を解除する場合に使用される認証情報に基づいて本人認証を行う。
【0064】
画像形成装置200は、例えば画像読取り機能および印刷機能を有する複合機(MFP)等であり、入力部201と、表示部202と、制御部203と、近接通信部204と、認証処理制御部205と、認証情報記憶部206と、印刷部210と、画像読取部220とを有している。なお、入力部201および表示部202は
図1に示す入力部21および表示部22に相当し、制御部203および認証処理制御部205は
図1に示す制御部23に相当し、近接通信部204は
図1に示す近接通信部24に相当し、認証情報記憶部206は
図1に示す記憶部27に相当し、印刷部210は
図1に示す印刷部26に相当するものである。
【0065】
入力部201は、操作パネル上の操作ボタンやキー、タッチパネル等により構成され、利用者の操作入力を受け付けるものである。
表示部202は、タッチパネルを有するディスプレイ等により構成され、入力部201で受け付けた入力操作に反応して各種情報を表示するものである。
第2の制御部としての制御部203は、CPU等の制御手段により構成され、メモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)やデータに基づいて、入力部201、表示部202、近接通信部204、認証処理制御部205、印刷部210、および画像読取部220を制御し、画像形成装置200全体の動作を制御するものである。
【0066】
第2の通信部としての近接通信部204は、近距離無線通信(NFC)を行うものであり、携帯端末100の近接通信部106との間で通信を行う。
認証処理制御部205は、画像形成装置200の各機能を利用することができる利用者として登録されているか否かを判定する処理を行うものである。
認証情報記憶部206は、認証処理制御部205が行う認証処理で使用するユーザ認証情報を記憶するものである。ユーザ認証情報は、上述したように、例えば利用者を識別するための利用者識別情報としてのユーザ名、および利用者識別情報に対応付けたパスワード等である。
【0067】
画像読取部220は、原稿の画像を読取り、画像データを生成するものである。
印刷部210は、画像読取部220で生成された画像データや外部から受信した印刷データに基づいて印刷を行うものである。
本実施例の制御部203は、携帯端末100の制御部105が行った本人認証の結果を近接通信部204で受信し、該本人認証の結果に基づいて当該利用者の使用可否を判定する。
【0068】
上述した構成の作用について説明する。
情報処理システムが行う認証処理を
図12の第2の実施例における認証処理の流れを示すシーケンス図の図中Sで表すステップに従って
図11を参照しながら説明する。
本認証処理を開始する前の前提として、画像形成装置200の認証情報記憶部206には、画像形成装置200の利用を認める利用者を識別するための利用者識別情報としてのユーザ名、および利用者識別情報に対応付けたパスワード等がユーザ認証情報として記憶されているものとする。
【0069】
また、利用者は、自身が所有する携帯端末100にユーザ認証情報を予め登録しておくものとし、そのユーザ認証情報は、携帯端末100の認証情報記憶部108に記憶されているものとする。
S201:まず、利用者は、画像形成装置200の使用許可を得ることを目的とした本人認証を行うため、携帯端末100を画像形成装置200にかざす、または画像形成装置200の載置台に載置する等して携帯端末100と画像形成装置200とが近距離無線通信可能な状態にする。
【0070】
S202:携帯端末100の制御部105は、近接通信部106により画像形成装置200の近接通信部204との接続を検知すると、認証処理制御部107に認証処理の開始を指示する。指示を受けた認証処理制御部107は、認証情報記憶部108からユーザ認証情報を取得し、取得したユーザ認証情報を画像形成装置200へ送信することを制御部105に依頼する。依頼を受けた制御部105は、近接通信部106により当該ユーザ認証情報を画像形成装置200へ送信する。
このように、携帯端末100の制御部105は、近接通信部106により画像形成装置200の近接通信部204との通信が可能になると、認証情報記憶部108に記憶されたユーザ認証情報をプリンタ20へ送信する。
【0071】
S203:画像形成装置200の制御部203は、近接通信部204により受信したユーザ認証情報を認証処理制御部205へ通知し、ユーザ認証情報の照合を指示する。指示を受けた認証処理制御部205は、通知されたユーザ認証情報と、認証情報記憶部206に記憶されているユーザ認証情報とを照合し、通知されたユーザ認証情報が登録されたものであるか否かを判定する。なお、ここでは、通知されたユーザ認証情報が登録されたものであると判定されるものとする。
ここで、本実施例では、ユーザ認証情報を画像形成装置200の利用を認める利用者を識別するための利用者識別情報としてのユーザ名、および利用者識別情報に対応付けたパスワード等としたが、利用者を識別するためのユーザ情報としてのユーザ名のみとしても良い。
【0072】
この場合、本認証処理を開始する前の前提として、画像形成装置200の認証情報記憶部206には、画像形成装置200の利用を認める利用者を識別するための利用者識別情報としてのユーザ名(ユーザ情報)がユーザ認証情報として記憶されているものとし、また、利用者は、自身が所有する携帯端末100にユーザ名(ユーザ情報)を予め登録しておくものとし、そのユーザ名(ユーザ情報)は、携帯端末100の認証情報記憶部108に記憶されているものとする。
【0073】
また、S203では、画像形成装置200の制御部203は、近接通信部204により受信したユーザ名(ユーザ情報)を認証処理制御部205へ通知し、ユーザ名(ユーザ情報)の照合を指示する。指示を受けた認証処理制御部205は、通知されたユーザ名(ユーザ情報)と、認証情報記憶部206に記憶されているユーザ名(ユーザ情報)とを照合し、通知されたユーザ名(ユーザ情報)が登録されたものであるか否かを判定するものとする。
【0074】
S204:認証情報の照合の結果、通知された認証情報が認証情報記憶部206に予め登録された認証情報であると判定されると、画像形成装置200の認証処理制御部205は、表示部202に本人認証に使用する携帯端末100のセキュリティ解除情報(認証情報)の種別の選択を促す選択画面を表示させる。この選択画面は、例えば
図13に示す入力情報種別選択画面90であり、セキュリティ解除情報の種別として、「暗証番号」、「パスワード」、タッチパネルへの入力パターンである「パターン」、利用者の指紋データである「指紋」、利用者の顔写真データである「顔認証」等を選択するための操作ボタンで構成されたものである。
【0075】
指紋データや顔写真データを使用する場合、指紋データを読み取るセンサや顔写真データを取得するカメラ等の認証情報入力部を画像形成装置200に備えているものとする。
S205:利用者は、セキュリティ解除情報の種別の選択を促す選択画面に従って、自身が所有する携帯端末100で使用しているセキュリティ解除情報の種別を選択する入力操作を行う。画像形成装置200の認証処理制御部205は、入力部201で利用者によるセキュリティ解除情報(認証情報)の種別を選択する入力操作を受け付ける。
【0076】
S206:セキュリティ解除情報の種別を選択する入力操作を受け付けた画像形成装置200の認証処理制御部205は、入力されたセキュリティ解除情報の種別に応じたセキュリティ解除情報(認証情報)入力画面を表示部202に表示させ、セキュリティ解除情報(認証情報)の入力を待機する。
セキュリティ解除情報入力画面は、セキュリティ解除情報の種別として「暗証番号」が選択された場合、例えば
図14に示す暗証番号入力画面95であり、また「パターン」が選択された場合、例えば
図15に示すパターン入力画面96である。
【0077】
S207:利用者は、セキュリティ解除情報入力画面でセキュリティ解除情報を入力する操作を行う。画像形成装置200の認証処理制御部205は、入力部201で利用者によるセキュリティ解除情報(認証情報)を入力する操作を受け付ける。
S208:セキュリティ解除情報の入力操作を受け付けた画像形成装置200の認証処理制御部205は、近接通信部204により携帯端末100へ、入力されたセキュリティ解除情報(認証情報)を送信してセキュリティ解除情報の照合を依頼する。
【0078】
S209:画像形成装置200からセキュリティ解除情報を受信した携帯端末100の制御部105は、セキュリティ解除処理部103に受信したセキュリティ解除情報を通知し、セキュリティ解除情報の照合を指示する。
セキュリティ解除情報の照合を指示されたセキュリティ解除処理部103は、通知されたセキュリティ解除情報(認証情報)と、セキュリティ解除情報記憶部104に記憶されたセキュリティ解除情報(認証情報)とを照合し、通知されたセキュリティ解除情報がセキュリティ解除情報記憶部104に登録されているセキュリティ解除情報と一致する正当なセキュリティ解除情報であるか否かを判定する本人認証を行う。
【0079】
S210:制御部105は、セキュリティ解除情報の照合の依頼の応答としてセキュリティ解除処理部103の照合結果(判定結果)を近接通信部106により画像形成装置200へ送信する。
S211:画像形成装置200の制御部203は、近接通信部204により照合結果を受信すると、表示部202に受信した照合結果に応じた画面を表示させる。
【0080】
S212:画像形成装置200の制御部203は、照合結果が正当なセキュリティ解除情報であることを表している場合、利用者が登録されたユーザであることを認め、各種機能を当該利用者に提供する。
このようにして情報処理システム1は、認証処理を行う。
次に、上述した認証処理において画像形成装置が行う認証処理を
図16の第2の実施例における認証処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図11を参照しながら説明する。
【0081】
S301:画像形成装置200の制御部203は、携帯端末100からユーザ認証情報を近接通信部204により受信し、受信したユーザ認証情報を認証処理制御部205へ通知してユーザ認証情報の照合を指示する。
S302:指示を受けた認証処理制御部205は、通知されたユーザ認証情報と、認証情報記憶部206に記憶されているユーザ認証情報とを照合し、通知されたユーザ認証情報が登録されたユーザであるか否かを判定する。認証処理制御部205は、登録されたユーザであると判定すると処理をS303へ移行し、登録されたユーザでないと判定すると処理をS308へ移行する。
【0082】
S303:ユーザ認証情報の照合の結果、通知されたユーザ認証情報が登録されたユーザであると判定されると、画像形成装置200の認証処理制御部205は、表示部202に本人認証に使用する携帯端末100のセキュリティ解除情報の種別の選択を促す選択画面(
図13参照)を表示させる。
【0083】
S304:画像形成装置200の認証処理制御部205は、入力部201でセキュリティ解除情報の種別を選択する入力操作を受け付けると、入力されたセキュリティ解除情報の種別に応じた情報入力画面としてのセキュリティ解除情報入力画面(ロック解除画面)、例えば
図14および
図15に示すセキュリティ解除情報入力画面を表示部202に表示させ、セキュリティ解除情報(ロック画面解除情報)の入力を待機する。
【0084】
S305:画像形成装置200の認証処理制御部205は、入力部201でセキュリティ解除情報の入力操作を受け付けると、近接通信部204により携帯端末100へ、入力されたセキュリティ解除情報を送信してセキュリティ解除情報の照合を依頼し、照合結果の応答を待機する。
【0085】
S306:画像形成装置200の制御部203は、近接通信部204によりセキュリティ解除情報の照合の依頼の応答として照合結果を受信すると、表示部202に受信した照合結果を表示するとともに、照合結果が正当なセキュリティ解除情報であることを表していると判定した場合、処理をS307へ移行し、正当なセキュリティ解除情報でないことを表していると判定した場合、処理をS308へ移行する。
S307:画像形成装置200の制御部203は、照合結果が正当なセキュリティ解除情報であることを表している場合、利用者が登録されたユーザであることを認め、各種機能を当該利用者に提供する。
【0086】
S308:S302において、登録されたユーザでないと判定、またはS306において、照合結果が正当なセキュリティ解除情報でないことを表していると判定した制御部203は、本人認証に失敗した旨を示す画面を表示部202に表示させ、認証処理を終了する。制御部203は、各種機能を当該利用者に提供することなく、当該利用者の画像形成装置200の利用を禁止する。
【0087】
S309:なお、画像形成装置200の制御部203は、携帯端末100との間で近距離無線通信を開始してから認証処理を完了するまでの間に、当該近距離無線通信の接続切れの発生を検知した場合、処理をS308へ移行して本人認証に失敗した旨を示す画面を表示部202に表示させ、各種機能を当該利用者に提供することなく、当該利用者の画像形成装置200の利用を禁止し、認証処理を終了する。
【0088】
本実施例では、画像形成装置200を使用する際に、既に画像形成装置200にユーザ登録された利用者により携帯端末100が画像形成装置200にかざされることにより、携帯端末100はロック解除画面を表示し、そのロック解除画面において、当該利用者によって予め登録されたセキュリティ解除情報が入力されると、当該利用者は画像形成装置200を使用することができるようになる。一方、ロック解除画面において、当該利用者によって予め登録されたセキュリティ解除情報が入力されない場合、当該利用者は画像形成装置200を使用することができない。
【0089】
このように、情報処理システム1は、画像形成装置200を使用する際に、携帯端末100に備えられたロック解除機能を利用し、予め登録された認証情報としてのセキュリティ解除情報を入力する認証処理を行うようにしたことにより、第三者の成りすましを抑制することができ、認証処理の精度を向上させることができる。
【0090】
なお、第2の実施例では、画像形成装置を複合機(MFP)として説明したが、それに限られることなく、ファクシミリ装置やプリンタ等としても良い。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例と同様に、画像形成装置を使用する際に、携帯端末に備えられたロック解除機能を利用し、予め登録された認証情報を入力する認証処理を行うようにしたことにより、第三者の成りすましを抑制することができ、認証処理の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0091】
また、認証処理に使用する認証情報を、携帯端末が一般的に備えているロック解除機能のセキュリティ解除情報としているため、新たな認証処理用の認証情報の登録が不要になるという効果が得られる。
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置と携帯端末との間の通信を近距離無線通信で行うものとして説明したが、それに限られるものでなく、無線LAN等の通信回線を利用するようにしても良い。
【0092】
また、第1の実施例および第2の実施例では、携帯端末は画像形成装置との間で近距離無線通信を行うものとして説明したが、それに限られることなく、近距離無線通信部を備えたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置との間で近距離無線通信を行い、認証処理を行うようにしても良い。この場合、情報処理装置を使用する際に、携帯端末を情報処理装置の近距離無線通信部にかざし、携帯端末に備えられたロック解除機能を利用して予め登録された認証情報を入力する認証処理を行い、認証処理に成功したとき、利用者による情報処理装置の操作を可能とする。