特許第6473119号(P6473119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6473119ビーズ発泡成形体、樹脂発泡粒子、樹脂発泡粒子の製造方法、発泡性樹脂粒子、及び、ビーズ発泡成形体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473119
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】ビーズ発泡成形体、樹脂発泡粒子、樹脂発泡粒子の製造方法、発泡性樹脂粒子、及び、ビーズ発泡成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/18 20060101AFI20190207BHJP
   C08J 9/22 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   C08J9/18CER
   C08J9/18CEZ
   C08J9/22
【請求項の数】4
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-204412(P2016-204412)
(22)【出願日】2016年10月18日
(62)【分割の表示】特願2016-543238(P2016-543238)の分割
【原出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-25337(P2017-25337A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2017年11月2日
(31)【優先権主張番号】特願2014-200892(P2014-200892)
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-255231(P2014-255231)
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋丸
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘典
(72)【発明者】
【氏名】松浦 春彦
【審査官】 藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−143933(JP,A)
【文献】 特開平3−192135(JP,A)
【文献】 特表昭60−501608(JP,A)
【文献】 特開2003−192818(JP,A)
【文献】 特開2004−263184(JP,A)
【文献】 特表2009−521548(JP,A)
【文献】 特開平3−190939(JP,A)
【文献】 特開昭63−150337(JP,A)
【文献】 特開昭59−36139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/00− 9/42
B29C 44/00− 44/60
67/20
C08K 3/00− 13/08
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次発泡させてビーズ発泡成形体の形成に用いられる樹脂発泡粒子であって、
ガラス転移温度が180℃以上の樹脂を主成分とした樹脂組成物からなり、嵩密度が0.04g/cm以上0.9g/cm以下で
前記樹脂組成物の主成分である前記樹脂は、ポリエーテルスルホン(PESU)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリフェニルスルホン(PPSU)樹脂、又は、ポリスルホン(PSU)樹脂であり、
前記樹脂組成物には有機系物理発泡剤がさらに含まれ、
前記樹脂組成物のガラス転移温度をTg、該樹脂組成物の主成分である前記樹脂のガラス転移温度をTg、前記有機系物理発泡剤の沸点をTbとした際に、下記(1)に示した関係を有している樹脂発泡粒子。

Tg<Tb<Tg ・・・(1)
【請求項2】
前記有機系物理発泡剤の含有量が3質量%以上である請求項記載の樹脂発泡粒子。
【請求項3】
樹脂と有機系物理発泡剤とを含む樹脂組成物を押出機で溶融混練し、溶融混練された樹脂組成物を押出発泡させる工程と、
該押出発泡させた前記樹脂組成物を粒子状にして樹脂発泡粒子を作製する工程とを含む、樹脂発泡粒子の製造方法であって、
前記樹脂のガラス転移温度が180℃以上であり、作製する前記樹脂発泡粒子の嵩密度が0.04g/cm以上0.9g/cm以下で
前記樹脂組成物の主成分である前記樹脂は、ポリエーテルスルホン(PESU)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリフェニルスルホン(PPSU)樹脂、又は、ポリスルホン(PSU)樹脂であり、
樹脂発泡粒子を構成する樹脂組成物に前記有機系物理発泡剤を含有させることによって該樹脂組成物のガラス転移温度を該樹脂組成物の主成分である前記樹脂のガラス転移温度よりも低温にさせ、
前記樹脂組成物のガラス転移温度をTg、前記樹脂のガラス転移温度をTg、前記有機系物理発泡剤の沸点をTbとした際に、下記(1)に示した関係を有する樹脂発泡粒子を製造する樹脂発泡粒子の製造方法。

Tg<Tb<Tg ・・・(1)
【請求項4】
樹脂発泡粒子を成形型内で加熱して2次発泡させることにより前記樹脂発泡粒子どうしを熱融着させる型内成形工程を実施するビーズ発泡成形体の製造方法であって、
請求項1又は2記載の樹脂発泡粒子を前記型内成形工程で用いるビーズ発泡成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、日本国特願2014−200892号及び日本国特願2014−255231号の優先権を主張し、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ビーズ発泡成形体、樹脂発泡粒子、樹脂発泡粒子の製造方法、発泡性樹脂粒子、及び、ビーズ発泡成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ポリスチレン系樹脂組成物からなる発泡性のポリスチレン系樹脂粒子を成形したビーズ発泡成形体は、EPSなどと呼ばれて断熱材や緩衝材として広く利用されている。
該ビーズ発泡成形体は、例えば、非発泡な状態の発泡性樹脂粒子を一旦発泡させて樹脂発泡粒子(予備発泡粒子)を作製し、この樹脂発泡粒子を金型内で加熱して2次発泡させることによって作製されており、農作物や魚介類の搬送容器などとして広く利用されている(下記特許文献1参照)。
即ち、従来のビーズ発泡成形体は、2次発泡した樹脂発泡粒子(2次発泡粒子)で構成されており、互いに融着した複数の樹脂発泡粒子によって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−007040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、このようなビーズ発泡成形体に耐熱性が求められるようになってきている。
しかしながら、従来のビーズ発泡成形体は、その主原料たるポリスチレン系樹脂のガラス転移温度が100℃程度であるために、耐熱性に対する要望を十分に満足させることができていない。
なお、ポリスチレン系樹脂よりもガラス転移温度の高い樹脂を主成分とした樹脂発泡粒子をビーズ発泡成形体の形成材料として採用することも考え得るが、単にガラス転移温度の高い樹脂を利用するようにしても、ビーズ発泡成形体として要求される特性を満足できない場合がある。
ビーズ発泡成形体は、例えば、原料樹脂の溶融特性に適した製造条件を選択しないと連続気泡率が高いものとなって十分な強度が発揮されなかったり、低発泡倍率となって軽量性に優れるものとならなかったりする場合がある。
そのため耐熱性に優れたビーズ発泡成形体を得ることが困難になっている。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題としており、耐熱性に優れたビーズ発泡成形体を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明は、互いに融着した複数の樹脂発泡粒子によって形成されているビーズ発泡成形体であって、前記樹脂発泡粒子が180℃以上のガラス転移温度を有する樹脂を主成分としているビーズ発泡成形体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】発泡剤の含浸状態が異なる発泡性樹脂粒子のDSC曲線を描いたグラフである。
図2a】ホットカット造粒機の装置構成を示した概略図。
図2b】ホットカット造粒機の金型の内部を示した概略断面図。
図3】第1の実施形態に係るビーズ発泡成形体の気泡の状態を示した走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
図4a図3のA部拡大図(SEM写真)。
図4b図3のB部拡大図(SEM写真)。
図5】第2の実施形態に係るビーズ発泡成形体の気泡の状態を示したSEM写真。
図6a図5のA部拡大図(SEM写真)。
図6b図5のB部拡大図(SEM写真)。
図7】発泡剤の残存量が異なる予備発泡粒子のDSC曲線を描いたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本発明のビーズ発泡成形体は、互いに融着した複数の樹脂発泡粒子によって形成されているビーズ発泡成形体である。
本実施形態のビーズ発泡成形体は、発泡剤を含む発泡性樹脂粒子を作製し、該発泡性樹脂粒子を1次発泡させた樹脂発泡粒子(予備発泡粒子)を作製した後に当該予備発泡粒子を成形型内で2次発泡させて形成されたものである。
本実施形態のビーズ発泡成形体は、発泡剤を含む樹脂組成物を押出機から押出しつつホットカットし、当該押出に際して発泡させた樹脂発泡粒子(予備発泡粒子)を成形型内で2次発泡させて形成されたものであってもよい。
即ち、本実施形態のビーズ発泡成形体は、2次発泡した樹脂発泡粒子(2次発泡粒子)で構成されている。
本実施形態のビーズ発泡成形体は、前記樹脂発泡粒子が180℃以上のガラス転移温度を有する樹脂を主成分としている。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態として、発泡剤を含む発泡性樹脂粒子を作製し、該発泡性樹脂粒子を1次発泡させて予備発泡粒子を作製した後に当該予備発泡粒子でビーズ発泡成形体を作製する方法に関して説明する。
【0011】
本実施形態の発泡性樹脂粒子は、非発泡な樹脂粒子であって樹脂とともに発泡剤を含む樹脂組成物からなるものである。
該発泡性樹脂粒子を構成する前記樹脂組成物は、ガラス転移温度が180℃以上の高耐熱性の樹脂(以下「高耐熱性樹脂」ともいう)を主成分とし、前記発泡剤として有機系の物理発泡剤を含んでいる。
本実施形態の発泡性樹脂粒子は、特にその用途が限定されるわけではないが、型内成形によるビーズ発泡成形体の形成に用いられる予備発泡粒子を作製するための原材料粒子として利用されることが好ましい。
即ち、本実施形態の発泡性樹脂粒子は、1次発泡させてビーズ発泡成形体の形成に用い得る。
なお、以下においては、1次発泡させてビーズ発泡成形体の形成に用いる予備発泡粒子として利用される場合を例示しつつ発泡性樹脂粒子について説明する。
【0012】
前記樹脂組成物の主成分たる前記高耐熱性樹脂としては、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリエーテルスルホン(PESU)樹脂、ポリフェニルスルホン(PPSU)樹脂、ポリスルホン(PSU)樹脂などが挙げられる。
該高耐熱性樹脂は、過度にガラス転移温度が高いと、予備発泡をさせたり、型内成形によってビーズ発泡成形体を形成させたりすることが困難になるおそれを有する。
従って、前記高耐熱性樹脂は、ガラス転移温度が300℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましい。
【0013】
前記高耐熱性樹脂は、発泡性樹脂粒子に対して1種のものを単独で含有させる必要はなく、2種類以上のものを予備発泡粒子に含有させるようにしてもよい。
なお、発泡性樹脂粒子を構成する樹脂組成物に複数種類の樹脂を含む場合、「樹脂組成物の主成分」とは、樹脂組成物に含まれる樹脂の中で最も質量割合が多い樹脂を意味する。
【0014】
発泡性樹脂粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度は、以下の方法で確認することができる。
(ガラス転移温度の求め方)
ガラス転移温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定する。
但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下の通りである。
示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/minのもと20℃/minの速度で30℃から300℃まで昇温した時に得られるDSC曲線より、装置付属の解析ソフトを用いて、中間点ガラス転移温度を算出する。
この時の基準物質としてはアルミナを用いる。
この中間点ガラス転移温度は前記の規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)に記載の方法により求める。
【0015】
前記発泡性樹脂粒子は、高耐熱性樹脂以外にガラス転移温度が180℃未満の樹脂を含有することも可能であるが、前記高耐熱性樹脂を50質量%以上含有していることが好ましく、75質量%以上含有していることがより好ましく、90質量%以上含有していることが特に好ましい。
前記発泡性樹脂粒子は、含有する樹脂が実質的に高耐熱性樹脂のみで構成されていることがとりわけ好ましい。
【0016】
前記樹脂とともに発泡性樹脂粒子に含有される有機系の物理発泡剤としては、例えば、高耐熱性樹脂のガラス転移温度よりも低い沸点を有する物質(炭化水素類、アルコール類、ジオール類、ケトン類、エーテル類やそのハロゲン化物など)が挙げられ、具体的には、ブタン、ペンタン、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロノナノン、メチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルクロライド、エチルクロライド、ジクロロメタン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジクロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン、トリクロルフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタンなどが挙げられる。
該有機系物理発泡剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
発泡性樹脂粒子には、有機系物理発泡剤に加え、例えば、アルゴンや二酸化炭素などの無機系の物理発泡剤やアゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、5−フェニルテトラゾールなどの熱分解型の化学発泡剤を含有させても良い。
なお、以下においては、特段の断りが無い限りにおいて、「発泡剤」との用語は、「有機系物理発泡剤」を意味する用語として用いる。
【0017】
前記発泡剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロノナノンなどのカルボニル基を有する有機化合物であることが好ましく下記式(a)で示される構造を有する有機化合物であることが好ましい。
(ただし、R、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、又は、互いに結合してカルボニル基を形成している炭素原子とともに環をなす炭素数1〜6のアルキレン基である。R、Rは、炭素数が異なっていても共通していてもよい。)
【0018】
なかでも、アセトンは本実施形態における発泡剤として好適である。
該発泡剤は、発泡性樹脂粒子に6質量%以上の割合で含有されることが好ましく、7質量%以上の割合で含有されることがより好ましい。
また、前記発泡剤は、発泡性樹脂粒子に20質量%以下の割合で含有されることが好ましく、15質量%以下の割合で含有されることがより好ましい。
【0019】
本実施形態の発泡性樹脂粒子は、過度に粒径が大きいと、発泡剤を含浸担持させることが難しく、製造が困難になってしまうおそれを有する。
また、本実施形態の発泡性樹脂粒子は、過度に粒径が大きいと、得られるビーズ発泡成形体の外観が悪くなり、さらに成形の際に、金型の細部にまで発泡性樹脂粒子が充填されにくくなるため成形型の形状をビーズ発泡成形体に正確に反映させにくくなる。
即ち、本実施形態においては、発泡性樹脂粒子に対して良好なる発泡性を発揮させ、良好なる2次発泡性を示す予備発泡粒子や、高い発泡倍率で発泡されたビーズ発泡成形体を得る上において有利であることから発泡性樹脂粒子は、最大長が3mm以下となる粒子形状を有していることが好ましい。
【0020】
なお、発泡性樹脂粒子は、過度に小さいと予備発泡粒子を形成させる際に発泡剤が散逸し易くなるため、0.3mm以上の長さを有することが好ましい。
また、発泡性樹脂粒子は、予備発泡粒子とした際に真球に近い方が、金型への充填性がよいため、例えば、棒状である場合は、その太さが長さの0.5倍以上とされることが好ましい。
本実施形態においては、発泡性樹脂粒子の最大長は、無作為に選択した数十の発泡性樹脂粒子について個々に最大長を測定した値を平均して求められるもので算術平均値として求められるものである。
なお、発泡性樹脂粒子の最大長とは、発泡性樹脂粒子の外表面の異なる2点を結ぶ直線の内の最も長い直線の長さを意味する。
【0021】
本実施形態の発泡性樹脂粒子を構成する樹脂組成物には、上記のような発泡剤や高耐熱性樹脂以外に気泡調製剤や可塑剤などをさらに含有させることができる。
【0022】
前記気泡調整剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物からなる微粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物からなる微粒子が挙げられる。
【0023】
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシル酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。
前記フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等が挙げられる。
前記アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジブチル等が挙げられる。
前記トリメリット酸エステルとしては、例えば、トリメリット酸トリオクチル等が挙げられる。
前記リン酸エステルとしては、リン酸トリクレシル、リン酸トリアミル、リン酸トリブチル等が挙げられる。
前記クエン酸エステルとしては、例えば、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル等が挙げられる。
前記エポキシ化植物油としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等が挙げられる。
前記スルホン酸エステルとしては、例えば、アルキルスルホン酸フェニルエステル等が挙げられる。
【0024】
前記発泡性樹脂粒子は、上記のような成分の内、発泡剤以外の成分によって一旦樹脂粒子を形成させた後に、該樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法などによって作製することができる。
樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法としては、例えば、発泡剤の沸点より低い温度で、液体状態の発泡剤に樹脂粒子を浸漬させる方法が挙げられる。
また、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法としては、例えば、圧力容器を用いて、加圧条件下において発泡剤の沸点より高い温度で液体状態となっている発泡剤に樹脂粒子を浸漬させる方法が挙げられる。
さらに、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法としては、気体状態の発泡剤と樹脂粒子とを加圧下において接触させ発泡剤ガスを樹脂粒子内に含浸させる方法が挙げられる。
【0025】
従来、発泡性樹脂粒子の製造効率上、発泡剤を樹脂粒子に短時間で含浸させる方法が採択される傾向にあるが、このような方法で得られる発泡性樹脂粒子は、表層部における発泡剤の濃度が中心部での発泡剤濃度に比べて高い状態になり易い。
そうすると、発泡性樹脂粒子は、表層部が発泡し易く、中心部が発泡し難い状態になる。
このような発泡性樹脂粒子は、発泡させると中心部まで十分に発泡せずに中心部に芯が残った状態の発泡粒子となり易い。
しかも、前記のような発泡性樹脂粒子を発泡させると得られる発泡粒子の表層部には粗い気泡が形成され易い。
結果として、このような発泡性樹脂粒子では、独立気泡性の高い緻密な発泡状態を有する発泡粒子やビーズ発泡成形体を得ることが難しくなる。
また、粗い気泡を有する発泡粒子でビーズ発泡成形体を形成させると、発泡粒子が2次発泡する際に粗い気泡が破泡したり、収縮したりしてビーズ発泡成形体の表面を肌荒れさせるおそれがある。
【0026】
このような表層部の発泡剤の濃度と中心部の発泡剤の濃度との差が大きい状態になっていることは、発泡性樹脂粒子に対して示差走査熱量分析を行うことにより判別し得る。
樹脂粒子中に発泡剤を拡散させると、通常、該樹脂粒子を示差走査熱量分析して求められる見掛け上のガラス転移温度は、発泡剤によって発揮される樹脂の可塑化効果の影響により、元の樹脂単体について求めたガラス転移温度よりも低温となる。
また、発泡剤を含有する樹脂粒子についての示差走査熱量分析を行い、横軸を温度、縦軸を熱量(上向きが発熱(exo)下向きが吸熱(endo))として、その結果をDSC曲線で表した場合、該DSC曲線には、温度が上昇するにつれて下向きに曲がるショルダーが樹脂本来のガラス転移温度以下において少なくとも2回出現する。
このショルダーの内の一方は、前記の見掛け上のガラス転移温度において現れるもので、もう一方のショルダーは、通常、この見掛け上のガラス転移温度よりも低温側(発泡剤の沸点よりも僅かに高温側)に現れる。
【0027】
表層部に多くの発泡剤を存在させた発泡性樹脂粒子に対して示差走査熱量分析を行うと、DSC曲線上には、前記の見掛け上のガラス転移温度がより低温側に現れ、これより低温側に現れる吸熱反応もより低温で開始する形で現れる。
【0028】
この表層部に多くの発泡剤を存在させた第1の状態の発泡性樹脂粒子に比べ、表層部の発泡剤量を低減させて第1の状態よりも中心部と表層部との発泡剤含有量の違いを低減させた第2の状態の発泡性樹脂粒子は、見掛け上のガラス転移温度が高温になり、且つ、これとは別に現れる低温側の吸熱反応も第1の状態の場合に比べて高温側に現れるようになる。
【0029】
発泡性樹脂粒子は、ビーズ発泡成形体の形成に利用する樹脂発泡粒子を気泡の細かな発泡状態にするには、第1の状態よりも第2の状態の方が好適である。
そこで、本実施形態における前記発泡性樹脂粒子は、示差走査熱量計によって測定されるDSC曲線が、前記主成分たる樹脂のガラス転移温度以下において少なくとも2回の吸熱を示し、前記樹脂のガラス転移温度をTg(℃)、前記物理発泡剤の沸点をTb(℃)とした際に、前記2回の吸熱の内、低温側に現れる第1の吸熱の開始温度(T1)がTb℃以上、Tb+100℃以下となることが好ましい。
また、前記発泡性樹脂粒子は、前記第1の吸熱の開始温度よりも高温側に現れる第2の吸熱の開始温度(T2)がTg−150℃以上、Tg−10℃以下となり、且つ、第1の吸熱と第2の吸熱との開始温度の差(T2−T1)が52℃以下となることが好ましい。
なお、前記温度差(T2−T1)は、通常、1℃以上であり、多くの場合10℃以上となる。
前記高耐熱性樹脂がPEI樹脂で前記発泡剤がアセトンである場合、T1は85℃以上105℃以下であることが好ましく、T2は130℃以上155℃以下であることが好ましく、前記温度差は44℃以上49℃以下であることが好ましい。
【0030】
なお、第1の吸熱の開始温度及び第2の吸熱の開始温度は、示差走査熱量計装置(DSC)を用いて測定することができる。
第1の吸熱の開始温度及び第2の吸熱の開始温度は、通常、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法に基づき、同規格の「9.3 ガラス転移温度の求め方」の補外ガラス転移開始温度の求め方に準拠して求めることができる。
ここで示す第1の吸熱の開始温度及び第2の吸熱の開始温度は、DSC曲線の温度軸とほぼ平行なベースラインと階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点を指す。
但し、サンプリング方法・温度条件に関しては、以下の通り。
(サンプリング方法・温度条件)
第1の吸熱の開始温度及び第2の吸熱の開始温度は、通常、示差走査熱量計装置(例えば、エスアイアイナノテクノロジー社製、DSC6220型)を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、アルミニウム製測定容器カバーをシーラーでクリンプし、窒素ガス流量20mL/minのもと20℃/minの速度で30℃から−40℃まで冷却し、10分間保持後、−40℃から260℃まで昇温した時に得られるDSC曲線より、装置付属の解析ソフトを用いて算出する。
試料は、各指定温度および環境(23±1℃、50±8%RH)で0〜168時間保管したものを用い、保管場所より取り出してから30分以内に測定を開始する。
この時、基準物質としてアルミナを用いる。
なお、第1の吸熱の開始、及び、第2の吸熱の開始は、横軸を温度、縦軸を吸発熱量としてDSC曲線を描いた際に当該DSC曲線が階段状に変化する地点として特定することができる。
第1の吸熱の開始温度は、前記測定により得られたDSC曲線のもっとも低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度とする。
また、第2の吸熱の開始温度は、前記測定により得られた第1の吸熱の開始温度よりも高温側にあるもっとも低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、第1の吸熱の開始温度よりも高温側にある階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度とする。
なお、大きな1つの階段状変化の途中に小さな階段状変化が現れて当該階段状変化が多段階に変化する状態となっている場合は、DSC曲線の吸熱方向への比熱容量変化が0.2mJ/deg・mg以上の階段状変化について上記のような測定を行うものとする。
【0031】
示差走査熱量測定した際に上記のようなDSC曲線が得られる発泡性樹脂粒子は、例えば、以下の3通りの方法で得ることができる。
即ち、前記発泡性樹脂粒子は、樹脂粒子に接する発泡剤を比較的低濃度とし、発泡剤と樹脂粒子とを加圧環境下で接触させる場合にはその圧力を比較的低圧として樹脂粒子への発泡剤の含浸を緩慢にさせる方法(第1の方法)によって作製することができる。
この方法によれば、樹脂粒子の中心部と表層部とで発泡剤の濃度差を少なくさせることができる。
また、これとは別に、前記発泡性樹脂粒子は、樹脂粒子に接する発泡剤を比較的高濃度として過剰な発泡剤を樹脂粒子に含浸させた後にこの発泡性樹脂粒子の表面から余剰の発泡剤を散逸させて、中心部と表層部とで発泡剤の濃度差を少なくさせる方法(第2の方法)によって作製することができる。
さらに、前記発泡性樹脂粒子は、発泡剤と樹脂粒子とを加圧環境下で接触させる場合にはその圧力を比較的高圧にして樹脂粒子への発泡剤の含浸を急峻に実施させ、且つ、過剰な発泡剤を樹脂粒子に含浸させた後にこの発泡性樹脂粒子の表面から余剰の発泡剤を散逸させる方法(第3の方法)によって作製することができる。
即ち、第1の方法は、中心部から表層部にかけての発泡剤の濃度勾配が相対的に低い発泡性樹脂粒子を直接的に作製する方法であり、第2、第3の方法は、中心部から表層部にかけての発泡剤の濃度勾配が相対的に高い発泡性樹脂粒子を一旦作製した後に表層部から発泡剤を除去することで最終的に発泡性樹脂粒子の濃度勾配の低くさせる方法である。
なお、発泡性樹脂粒子の表面から余剰の発泡剤を逸散させて除去する方法としては、発泡性樹脂粒子を、単に大気中に保持する方法、または、大気中で流動撹拌させる方法、発泡性樹脂粒子に冷風、温風、熱風を当てる方法等を採用することができる。
【0032】
この後段に示した第2、第3の方法で得られる樹脂発泡粒子に対して示差走査熱量分析を行った場合を図1を参照しつつ説明する。
図に示されている4つのDSC曲線の内、a)は、過剰な発泡剤(アセトン)をPEI樹脂粒子に含浸させた状態の発泡性樹脂粒子についてのもので、b)〜d)は、このa)に対し、発泡性樹脂粒子の表面から発泡剤を逸散させる処理を行ったものである。
なお、発泡剤は、b)、c)、d)の順に逸散量が多く、発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量は下記の通りとなっている。

a)16.3質量%、b)9.1質量%、c)8.7質量%、d)7.6質量%

このように発泡性樹脂粒子の発泡剤の含浸状況は、DSC曲線によってある程度把握することができる。
【0033】
なお、上記のようなDSC曲線が得られる発泡性樹脂粒子は、樹脂粒子の表面から発泡剤を含浸させ且つ過剰な発泡剤を樹脂粒子に含浸させた後にこの発泡性樹脂粒子の表面から余分な発泡剤を散逸させて除去し、中心部と表層部とで発泡剤の濃度差を少なくさせるような方法で作製されることが望ましい。
当該作製方法によれば、発泡剤濃度が比較的均一な樹脂粒子を比較的短時間に得られるという利点を有する。
【0034】
該発泡性樹脂粒子は、例えば、加熱して予備発泡させて発泡粒子(予備発泡粒子)とした後に、ビーズ発泡成形体の形成材料として利用することができる。
即ち、本実施形態のビーズ発泡成形体は、前記発泡性樹脂粒子を加熱発泡させて発泡粒子を得る予備発泡工程と、該発泡粒子を型内で加熱して2次発泡させることにより前記発泡粒子どうしを熱融着させる型内成形工程とを実施することによって得ることができる。
【0035】
本実施形態の発泡性樹脂粒子は、特定のDSC曲線を描く状態に調整がされているために、前記予備発泡工程において良好な発泡状態の予備発泡粒子が得られ易く、且つ、前記型内成形工程においても良好な2次発泡性が発揮される。
従って、本実施形態の発泡性樹脂粒子は、良好な発泡状態のビーズ発泡成形体を形成させる上において好適なものである。
【0036】
なお、予備発泡粒子は、ビーズ発泡成形体を形成させるための型内成形を容易に実施させ得るように嵩密度が所定範囲内となっていることが好ましい。
前記予備発泡粒子は、嵩密度が過度に小さいと、当該予備発泡粒子を使った型内成形によって得られるビーズ発泡成形体を独立気泡性に優れたものとすることが困難になるおそれがある。一方で前記予備発泡粒子は、嵩密度が過度に高いと軽量性に優れたビーズ発泡成形体を形成し難くなる。
そのため、前記予備発泡粒子は、嵩密度が0.025g/cm以上であることが好ましく、0.04g/cm以上であることがより好ましい。前記予備発泡粒子の嵩密度は、0.9g/cm以下であることが好ましく、0.64g/cm以下であることがより好ましい。
【0037】
なお、予備発泡粒子の嵩密度は、予備発泡粒子をメスシリンダー内に自然落下させ、自然落下させた予備発泡粒子の質量と、メスシリンダーの標線を読み取ることによって求められる該予備発泡粒子の見掛け上の体積とを求め、下記の式によって算出することができる。

嵩密度(g/cm)=予備発泡粒子の質量(g)/予備発泡粒子の体積(cm
【0038】
また、前記予備発泡粒子は、その平均気泡径が10μm以上1200μm以下であることが好ましい。
なお、予備発泡粒子の平均気泡径は、以下のようにして算出することができる。
すなわち、平均気泡径は、前記予備発泡粒子をカミソリ刃で約半分に切断し、走査型電子顕微鏡(日立製作所製「S−3000N」)を用いて18倍に拡大して切断面を撮影し、撮影した切断面の画像をA4用紙上に印刷し、該画像に基づいて算出することができる。
具体的には、前記画像を印刷した用紙に任意の線分(長さ300mm)を6箇所に引き、この線分に重なる気泡の数から、各線分ごとの平均弦長を下記の(A)によって算出し、該平均弦長から下記の(B)を計算して気泡径(C)を求め、6個の線分について求めた気泡径を平均して平均気泡径とすることができる。
ただし、線分は、出来る限り気泡と点接触にならないように引き、点接触となった場合には、その気泡も気泡数に含めることとする。

平均弦長(t) = 線分の長さ/(気泡数×写真の倍率) ・・・(A)

気泡径(C) = t/0.616 ・・・(B)
【0039】
また、前記予備発泡粒子は、ビーズ発泡成形体を形成させるための型内成形を容易に実施させ得るように前記発泡剤を一定以上含有していることが好ましい。
そして、前記予備発泡粒子には、発泡剤による可塑化効果が発揮されていることが好ましい。
また、発泡剤だけで所望の可塑化効果が発揮され難い場合には、前記の可塑剤を併用してもよい。
【0040】
上記のような可塑化効果をより確実に発揮させる上において、予備発泡粒子は、0.1質量%以上20質量%以下の割合で発泡剤を含有していることが好ましい。
特に、従来の飽和蒸気を用いた蒸気加熱による予備発泡粒子の型内成形では、成形機の耐圧によって蒸気の最高温度に制約が生じる。そのため、一般的には0.5MPa相当(ゲージ圧)の飽和蒸気である160℃程度以上での型内成形は困難である。
この温度域以下で良好に予備発泡粒子が発泡可能なように、予備発泡粒子の発泡剤の含浸量は6質量%以上であることが特に好ましい。
【0041】
なお、発泡剤の含浸量(質量%)は、オーブンで加熱した際の質量変化から算出できる。
具体的には、発泡性樹脂粒子や予備発泡粒子の発泡剤の含浸量(質量%)は、約1.5gの発泡性樹脂粒子または予備発泡粒子を精秤してこれを測定用試料とし、該試料を260℃のオーブンで2時間加熱し、23℃の空気温度、50%の相対湿度の環境下に2時間静置した後、質量を測定して下記式により算出することができる。
なお、発泡性樹脂粒子や予備発泡粒子の表面が水等で濡れている場合は、清浄な布等で十分に水等をふき取ってから測定する。

発泡剤含浸量(質量%)=(加熱前質量(g)―加熱後質量(g))/加熱前質量(g)

また、予備発泡粒子は、可塑剤を含有させる場合、前記発泡剤との合計量が当該予備発泡粒子において0.1質量%以上20質量%以下の割合となるように含有させることが好ましい。
【0042】
前記予備発泡粒子は、加熱することで2次発泡するため、この2次発泡性を利用することで型内成形が可能で、ビーズ発泡成形体の形成に有用となる。
前記発泡性樹脂粒子を予備発泡粒子とする際、或いは、該予備発泡粒子を型内成形する際の加熱は、オイル、熱風、蒸気などを熱媒とした加熱方法、ヒーター等による輻射加熱方法、マイクロ波加熱方法、電磁誘導加熱方法等を採用することができる。
特に、予備発泡粒子を発泡させてビーズ発泡成形体を作製する工程においては、蒸気を熱媒として用いた方が、2次発泡性や2次発泡粒子どうしの融着性において有利である。蒸気を熱媒として用いる方法は、既存設備を転用できるという利点もある。
【0043】
このように2次発泡性や2次発泡粒子どうしの融着性において有利となる点において予備発泡粒子は、有機系物理発泡剤を3質量%以上含有することが好ましく、6質量%以上含有することがより好ましい。
また、予備発泡粒子は、示差走査熱量分析を行った際に特定のDSC曲線を示すことが好ましい。
予備発泡粒子に発泡剤が含有されていると、通常、該予備発泡粒子を示差走査熱量分析して求められる見掛け上のガラス転移温度は、発泡剤によって発揮される樹脂の可塑化効果の影響により、元の樹脂単体について求めたガラス転移温度よりも低温となる。
また、発泡剤を含有する樹脂粒子についての示差走査熱量分析を行い、横軸を温度、縦軸を熱量(上向きが発熱(exo)下向きが吸熱(endo))として、その結果をDSC曲線で表した場合、該DSC曲線には、温度が上昇するにつれて下向きに曲がるショルダーが樹脂本来のガラス転移温度以下において出現する。
2次発泡性や2次発泡粒子どうしの融着性に有利となる予備発泡粒子は、この吸熱における単位質量あたりの熱流差(Y差)が大きい方が好適である。
前記予備発泡粒子がPEI樹脂で発泡剤がアセトンである場合、67℃(Tg−150℃)の単位質量あたりの熱流値を(Y1)、67℃から207℃(Tg−10℃)までの間の単位質量あたりの熱流値の最小値を(Y2)とすると、これらの差(Y1−Y2)は、0.170mW/mg以上となることが好ましい。
なお、該単位質量あたりの熱流差は、示差走査熱量計装置(DSC)を用いて測定することができる。
サンプリング方法・温度条件に関しては、以下の通り。
【0044】
(サンプリング方法・温度条件、および熱流差の求め方)
熱流差は、JIS K7122:2012「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法に基づいて測定する。
示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用いアロジン処理を施したアルミニウム製簡易密封測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/minのもと20℃/minの速度で30℃から290℃まで昇温した時に得られたDSC曲線より、装置付属の解析ソフトを用いて、熱流差(mW)を算出する。
サンプルは、各指定温度および環境で保管したものを用い、保管場所より取り出して30分以内に測定容器に詰める。
この時に基準物質としてアルミナを用いる。
熱流差は、前記測定により得られたDSC曲線より、縦軸を吸発熱量、横軸を温度とした際に、Tg−150℃(PEI樹脂の場合はTg=217℃より67℃とする)における熱流値から、(Tg−150℃)〜(Tg−10℃)の間における吸熱方向に最大の熱流値との差として特定することができる。
単位質量あたりの熱流差は、前記熱流差と測定試料の質量とによって求めることができ、下記式によって算出できる。

単位質量あたりの熱流差(mW/mg)=熱流差(mW)/測定試料の質量(mg)
【0045】
本実施形態においては、例えば、前記発泡剤としてアセトンを採用し、発泡性樹脂粒子を蒸気や熱風によって加熱して予備発泡粒子を作製することができる。
本実施形態においては、該予備発泡粒子を充填した成形型に前記蒸気を供給し、予備発泡粒子どうしが良好に熱融着したビーズ発泡成形体を得ることができる。
該ビーズ発泡成形体は、見掛け密度が0.032g/cm以上0.64g/cm以下であることが好ましく、平均気泡径が10μm以上1200μm以下であることが好ましい。
ビーズ発泡成形体は前記見掛け密度を0.032g/cm以上とすることにより優れた軽量性を発揮する。
また、ビーズ発泡成形体は前記見掛け密度を0.64g/cm以下とすることで優れた機械強度を発揮する。
また、ビーズ発泡成形体は前記平均気泡径を10μm以上とすることで発泡倍率を向上させても連続気泡の形成が抑制される。
さらに、ビーズ発泡成形体は前記平均気泡径を1200μm以下とすることで優れた機械強度を発揮するとともに及び良好な外観を呈する。
【0046】
該ビーズ発泡成形体の見掛け密度については、例えば、下記のようにして求めることができる。
(ビーズ発泡成形体の見掛け密度)
成形後72時間以上経過した試料から長さ25mm×幅25mm×厚み25mmの試験片を材料の元の気泡の変えないように切断し、該試験片をJIS K7100:1999の記号23/50、2級環境下で16時間状態調節した後、該試験片の寸法、質量を測定し、次式により算出する。
なお、試験片の寸法は、例えば、Mitutoyo Corporation製「DIGIMATIC」CD−15タイプを用いて測定することができる。

見掛け密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
【0047】
該ビーズ発泡成形体は、成形後に変形等が生じることが無いように、予備発泡粒子中に存在していた発泡剤の多くが成形時において除去されていることが好ましく、予備発泡粒子に比べて高いガラス転移温度を示す状態になっていることが好ましい。
このことにより、ビーズ発泡成形体は、180℃×7日間の加熱試験による寸法変化率が−1.5%以上1.5%以下となり、各種の高耐熱部材、難燃部材に利用し易いものとなる。
【0048】
180℃×7日間の加熱試験による寸法変化率は、下記のようにして求めることができる。
(寸法変化率の求め方)
発泡成形体の加熱寸法変化率は、JISK6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載のB法にて測定することができる。
具体的には、加熱寸法変化率は、発泡成形体から平面形状が一辺150mmの正方形で且つ厚みが発泡成形体の厚みである試験片を切り出し、当該試験片を用いて測定することができる。
まず、上記試験片の中央部に縦及び横方向にそれぞれ互いに平行する3本の直線(長さ100mm)を50mm間隔に記入する。
次いで、縦及び横方向についてそれぞれ3本の直線の長さを測定し、それらの相加平均値(L)を初めの寸法とする。
しかる後、試験片を180℃の熱風循環式乾燥機の中に168時間に亘って放置して加熱試験を行った後に取出し、試験片を25℃にて1時間に亘って放置する。
そして、試験片の表面に記入した縦及び横方向のそれぞれ3本の直線の長さを再び測定し、それらの相加平均値(L)を加熱後の寸法とし、下記の式に基づいて加熱寸法変化率を算出する。

寸法変化率(%)=(L−L)/(L)×100(%)
【0049】
なお、発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、及び、ビーズ発泡成形体については、上記例示のものにのみ限定されるものではなく、上記例示の態様にさらに種々の変更を加え得るものである。
【0050】
(第2の実施形態)
次いで、本発明の第2の実施形態として、発泡剤を含む樹脂組成物を押出機から押出しつつホットカットして得られる予備発泡粒子、及び、当該予備発泡粒子でビーズ発泡成形体を作製する方法に関して説明する。
本実施形態の予備発泡粒子は、型内成形によるビーズ発泡成形体の形成に用いられる予備発泡粒子で、樹脂とともに有機系物理発泡剤を含む樹脂粒子であり、且つ、型内成形前に予備的に発泡されたものである。
【0051】
本実施形態における予備発泡粒子は、押出機から押出されつつホットカットされてなり、前記押出に際して発泡されて粒状発泡体とされたものである。
該予備発泡粒子は、樹脂組成物からなり、内部に気泡を有する樹脂粒子であって、ガラス転移温度が180℃以上の高耐熱性樹脂を主成分とし、嵩密度が0.04g/cm以上0.9g/cm以下である。
【0052】
本実施形態の予備発泡粒子は、嵩密度が0.04g/cm未満であると、当該予備発泡粒子を使った型内成形によって得られるビーズ発泡成形体を独立気泡性に優れたものとすることが困難になるおそれがある。
一方で、前記予備発泡粒子は、嵩密度が0.9g/cmを超えると軽量性に優れたビーズ発泡成形体を形成し難くなる。
即ち、本実施形態の予備発泡粒子は、低密度で機械特性に優れたビーズ発泡成形体を得るのに好適な嵩密度を有する。
なお、予備発泡粒子の嵩密度は、第1の実施形態において説明した方法によって求めることができる。
【0053】
該予備発泡粒子は、過度に粒径が小さいと、二次発泡性が悪くなるおそれがある。
一方で、予備発泡粒子は、過度に粒径が大きいと、型内成形時において型内への充填不良が起こり易くなる。
このようなことから予備発泡粒子は、各粒子の体積を求めて平均した平均体積が、直径1mm〜15mmの真球の体積に相当するものであることが好ましく、直径1mm〜10mmの真球の体積に相当するものであることがより好ましい。
言い換えれば、予備発泡粒子は、平均体積と同じ体積を有する真球の直径で表される平均粒子径が1mm以上15mm以下であることが好ましく、前記平均粒子径が1mm以上10mm以下であることがより好ましい。
【0054】
該予備発泡粒子の主成分となる前記高耐熱性樹脂のガラス転移温度が300℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましい点においては第1の実施形態に共通する。
【0055】
前記高耐熱性樹脂は、予備発泡粒子に対して1種のものを単独で含有させる必要はなく、2種類以上のものを予備発泡粒子に含有させるようにしてもよい。
【0056】
前記予備発泡粒子は、高耐熱性樹脂以外にガラス転移温度が180℃未満の樹脂を含有することも可能であるが、前記高耐熱性樹脂を50質量%以上含有していることが好ましく、75質量%以上含有していることがより好ましく、90質量%以上含有していることが特に好ましい。
前記予備発泡粒子は、含有する樹脂が実質的に高耐熱性樹脂のみで構成されていることがとりわけ好ましい。
【0057】
前記有機系物理発泡剤は、前記高耐熱性樹脂のガラス転移温度に比べて過度に低沸点であると予備発泡粒子を使ってビーズ発泡成形体を形成させる際に予備発泡粒子が十分に軟化する前に揮発してしまうおそれがある。そのため、前記予備発泡粒子は、所定の沸点を有する有機系物理発泡剤を含有することにより、良好なる発泡性を有するビーズ発泡成形体の形成に適したものとなる。
前記有機系物理発泡剤は、沸点が100℃以上の有機化合物であることが好ましく、沸点が120℃以上の有機化合物であることが好ましい。
該有機系物理発泡剤は、沸点が過度に高いと型内成形において予備発泡粒子を発泡させるために過度に高温に加熱しなければならなくなることから沸点が220℃以下であることが好ましい。
【0058】
また、前記有機系物理発泡剤は、前記高耐熱性樹脂に対する可塑化効果を有するものが好ましい。
即ち、前記有機系物理発泡剤は、予備発泡粒子を構成する樹脂組成物のガラス転移温度を測定した際に観測される見掛け上のガラス転移温度が、高耐熱性樹脂が本来有するガラス転移温度よりも低い温度となるようなものが好ましい。前記有機系物理発泡剤は、前記見掛け上のガラス転移温度を当該有機系物理発泡剤の沸点よりも低温にさせ得るものが特に好ましい。
言い換えれば、本実施形態の予備発泡粒子は、前記有機系物理発泡剤を含有することによって前記樹脂組成物のガラス転移温度が前記高耐熱性樹脂のガラス転移温度よりも低温となっていることが好ましい。そして、予備発泡粒子は、前記樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)、前記高耐熱性樹脂のガラス転移温度をTg(℃)、前記有機系物理発泡剤の沸点をTb(℃)とした際に、下記(1)に示した関係を有していることが好ましい。

Tg<Tb<Tg ・・・(1)
【0059】
予備発泡粒子は、上記(1)の関係を満たすことにより、型内成形において十分に軟化した状態となって有機系物理発泡剤による発泡力を十分発揮させることができる。そのため、本実施形態の予備発泡粒子は、粒子どうしの融着性に優れたビーズ発泡成形体を得る上において利点を有する。
また、予備発泡粒子は、(1)の関係を満たすことにより、型内成形において過度に高温に加熱をしなくても有機系物理発泡剤による発泡力を発揮させることができる。そのため、ビーズ発泡成形体に熱劣化などの影響を与え難くすることができる。
そのようなことから、予備発泡粒子は、前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)を前記高耐熱性樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上低下させ得る有機系物理発泡剤を含有していることが好ましく、下記(2)に示した関係を有することが好ましい。

Tg<Tb<(Tg−10℃) ・・・(2)

予備発泡粒子は、前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)を前記高耐熱性樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも20℃以上低下させ得る有機系物理発泡剤を含有していることがより好ましい。
【0060】
前記有機系物理発泡剤としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ジオール類、ケトン類、エーテル類などが挙げられる。
使用時の安全性を考慮すると、前記有機系物理発泡剤は、メチルフェニルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどであることが好ましい。
該有機系物理発泡剤は、前記のような可塑化効果をより確実に発揮させ得る点において、予備発泡粒子において2質量%以上の含有量とされることが好ましく、3質量%以上の含有量とされることが好ましい。
なお、予備発泡粒子における有機系物理発泡剤の好ましい含有量は、通常、10質量%以下である。
前記予備発泡粒子における有機系物理発泡剤の含有量は、例えばヘッドスペースGC/MS法や、示差熱熱質量同時測定装置による加熱減量測定など公知の方法で測定できる。
【0061】
前記予備発泡粒子には、例えば、第1の実施形態において例示したような気泡調整剤をさらに含有させることができる。
【0062】
前記気泡調整剤は、例えば、樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部配合される。前記樹脂100質量部に対する気泡調整剤の配合量は、より好ましくは、0.02〜1質量部である。
【0063】
該予備発泡粒子は、前記のように押出機により作製することが好ましい。
より詳しくは、予備発泡粒子は、押出機と1以上のノズルを有する金型とを用い、前記押出機の先端に前記金型を装着させた状態で前記押出機内で樹脂と有機系物理発泡剤とを含む樹脂組成物を溶融混練し、該樹脂組成物を前記ノズルから大気圧下へと押出発泡させる押出工程と、該押出発泡させた前記樹脂組成物を粒子状とする造粒工程とを実施して作製することが好ましい。
【0064】
このような方法に代えて、予備発泡粒子は、発泡剤を含んでいない発泡状態の樹脂粒子を形成させた後に、有機系物理発泡剤の沸点以下の温度において液体状態となっている有機系物理発泡剤に該樹脂粒子を浸漬させる方法や、樹脂粒子が熱収縮しない温度且つ有機系物理発泡剤の沸点以上の温度において、当該発泡剤のガス中に樹脂粒子を存在させておく方法などによっても作製可能ではあるが、上記のような押出機によって作製することがその他の方法に比べて工程が簡略化できる点において好ましい。
【0065】
押出発泡させた前記樹脂組成物を粒子状にして予備発泡粒子(樹脂発泡粒子)を得る方法としては、ノズルから押出発泡させたストランド状発泡体をカットして造粒する方法や、ノズルから溶融状態の樹脂組成物を押し出しながらホットカットして造粒する方法を採用することができる。
なお、前記ホットカットにおいては、ノズルからの吐出量や形成させる予備発泡粒子の大きさにもよるが、通常、2000〜10000rpmの回転数で回転するカッターを利用することができる。
【0066】
なお、一般的な造粒方法においては、樹脂組成物でストランドやシートを形成させ、該ストランドやシートを十分に冷却した後にこれを切断して粒状物を作製する。
これに対し、ホットカットとは、ノズルから溶融状態の樹脂組成物を連続的に押し出し、この溶融状態の樹脂組成物をある程度の大きさになるまでノズルの先端に溜めた後にカッターで切断する方法である。
そして、この造粒方法は、樹脂組成物で形成されたノズル先端の滞留物を該滞留物が冷え切らないうちに切断することから“ホットカット”と称されている。
このようなことから、ホットカットによる造粒方法では、球状に近い形の樹脂粒子が得られやすい。
また、ホットカットによる造粒方法では、単位時間当たりにノズルから押出す樹脂組成物の量と、カッターによる切断のタイミングとを調整することで、大きさが揃った樹脂粒子が得られやすいという利点を有する。
【0067】
このホットカットには、一般的なホットカット造粒機を用いることができる。
このホットカット造粒機について図を参照しつつ説明する。
図2aは、ホットカット造粒機の装置構成を示した図で図2bは、ホットカット造粒機の内部構造を示した概略断面図である。
図に示したように前記ホットカット造粒機Tは、造粒用の金型1が先端に取り付けられた押出機2と、カッター3を収容したチャンバー4とを備えている。
前記押出機2は、発泡剤を含む樹脂組成物を溶融混練するためのものであり、前記カッター3は、金型1のノズル15から連続的に吐出される溶融状態の樹脂組成物を定期的に切断するためのものである。
即ち、ホットカット造粒機Tは、樹脂組成物が押出発泡されるとともに当該樹脂組成物がカッター3で切断されて樹脂発泡粒子が作製されるように構成されている。
【0068】
本実施形態のホットカット造粒機Tは、樹脂発泡粒子の発泡の程度を制御すべく前記チャンバー4の内部に冷却水を導入して樹脂発泡粒子を水冷し得るように構成されている。
具体的には、本実施形態のホットカット造粒機Tは、循環水を流すための管路5が前記チャンバー4に接続され、この管路5の一端(チャンバー4より上流側)が、送水ポンプ6を介して水槽7に接続されている。
また、管路5の他端(チャンバー4より下流側)には、循環水から樹脂発泡粒子を分離し、脱水・乾燥する脱水処理部8が設けられている。
この脱水処理部8で分離され、脱水・乾燥した発泡ビーズは、収容器9に送られるようになっており、水は前記水槽7に返送されるようになっている。
【0069】
本実施形態のホットカット造粒機Tについて詳細に説明すると、前記押出機2は、樹脂を押出機内に導入させるためのホッパー21、発泡剤を押出機内に導入させるための発泡剤供給口22、及び、高圧ポンプ23などを備えている。
【0070】
図2bに示すように、金型1は、本体部10と、押出機2の先端側(図中右側)に固定されたホルダ11とを備え、前記本体部10は、ホルダ11を介して押出機2に固定されている。
前記ホルダ11は、押出機2のシリンダに連通する樹脂の流路11a,11bを備えている。
前記ホルダ11は、樹脂の押出方向中間部分が可動(図2bにおいて上下に可動)となっており、該可動部分が、本体部10への樹脂の流れを遮断して該樹脂を外部に排出するためのバルブ13となっている。
前記バルブ13は上流側から下流側に貫通する第一流路11cと上流側からホルダ11の側面部へと抜ける第二流路11dとを有し、これらの流路を切り替え得るように構成されている。
【0071】
前記本体部10は、ホルダ11を通じて押出機2から供給される溶融状態の樹脂組成物を複数の樹脂流路14を通って本体部10の先端面に開口する複数のノズル15から吐出させ得る構成となっている。
前記本体部10の前面10fにおいては、複数のノズル15が円周上に配置されており、該ノズル15が周方向に所定間隔で配置されている。
【0072】
前記カッター3は、本体部10の前面10fに対向するように配された基板3aと、該基板3aを回転させる回転軸3bと、前記基板3aの片面側に装着された複数の切断刃3cとを備えている。
前記基板3aは、本体部10に向けた面が本体部10の前面10fと略平行となるように配されており、本体部10の側に前記切断刃3cが装着されている。
本実施形態のカッター3は、本体部10の前面10fとの平行な状態を維持したまま基板3aを前記回転させ得るように構成されている。
複数の前記切断刃3cは、刃先を本体部10に向けて備えられており、基板3aの回転時において前記ノズル15が配されている前記円周に対応する円周を描くように前記基板3aに装着されている。
【0073】
そして、本実施形態のカッター3は、回転されて切断刃3bの刃先がノズル15の前方を通過する際にノズル15から吐出されて該ノズルの先端に滞留している樹脂組成物を切断して樹脂発泡粒子を形成させ得るようになっている。
この樹脂発泡粒子は、そのまま、或いは、さらに発泡度合いを調整してビーズ発泡成形体を形成させるための予備発泡粒子として利用できる。
【0074】
前記予備発泡粒子は、加熱することで2次発泡するため、この2次発泡性を利用することで型内成形が可能で、ビーズ発泡成形体の形成に有用となる。
前記予備発泡粒子は、ガラス転移温度が180℃以上の高耐熱性樹脂が主成分となっている。
そのため、一般的な型内成形で用いられる蒸気を用いて成形型内の予備発泡粒子を加熱する方法は、本実施形態の予備発泡粒子に対しては適用し難い。
即ち、本実施形態の予備発泡粒子は、非常に高圧の水蒸気を用いなければ十分な軟化状態にできない可能性があり、型内成形においては、水蒸気ではなく成形型からの熱伝達や輻射熱等によって加熱することが好ましい。
【0075】
本実施形態の型内成形においては、例えば、成形型を高温に加熱可能な方法(オイルなどの熱媒による加熱方法、ヒーター等による加熱方法、電磁誘導加熱方法、マイクロ波加熱方法等)を用いることが好ましい。本実施形態においては、予備発泡粒子を充填した成形型を高耐熱性樹脂のガラス転移温度の±30℃(〔Tg−30℃〕〜〔Tg+30℃〕)の範囲に加熱し、加熱された成形型によって型内の予備発泡粒子を加熱することで予備発泡粒子どうしが良好に熱融着したビーズ発泡成形体を得ることができる。
成形型の温度は、(Tg−30℃)よりも低いと、型内中心部の予備発泡粒子にまで十分な熱が伝わりにくく、全体的な昇温速度も遅くなるため、予備発泡粒子が十分に2次発泡する前に含有する発泡剤が逸散してしまうおそれがある。
また、成形型の温度は、(Tg+30℃)よりも高いと、型内中心部の予備発泡粒子が十分に加熱される前に、型内壁面近傍の予備発泡粒子が熱溶融してしまい表層と内部との品質差が少なく全体均質なビーズ発泡成形体を得ることが難しくなる。
このようなことから、型内成形における成形型の温度は、高耐熱性樹脂のガラス転移温度の±20℃(〔Tg−20℃〕〜〔Tg+20℃〕)の範囲内とすることが好ましい。
【0076】
また、型内成形に際しては、表層と内部との品質差が少なく全体均質なビーズ発泡成形体が得られ易くなる点において、型内部の昇温速度が1℃/min以上となるように加熱を行うことが好ましい。
【0077】
本実施形態の予備発泡粒子は、嵩密度が0.04g/cm以上0.9g/cm以下であることから、上記のようにして得られるビーズ発泡成形体を単に耐熱性に優れたものとし得るのみならず、独立気泡性に優れ、且つ、軽量性に優れたものとすることができる。
【0078】
なお、上記においては発泡成形体の型内成形に粒状の予備発泡体たる予備発泡粒子を用いる態様を例示しているが、例えば、発泡成形体は、ストランド状やシート状の予備発泡体を採用して作製することも可能である。
その場合、ストランド状の予備発泡体は、その太さが1mm〜15mmであることが好ましく1mm〜10mmであることがより好ましい。
該ストランド状の予備発泡体の太さは、例えば、当該予備発泡体の体積を長さで除して平均断面積を求め、該平均断面積と同じ面積を有する円の直径として求められる。
さらに、シート状の予備発泡体を採用する場合、その平均厚みが1mm〜15mmであることが好ましく1mm〜10mmであることがより好ましい。
該シート状の予備発泡体の厚みは、例えば、当該予備発泡体の体積を面積で除して求められる。
【0079】
このストランド状の予備発泡体やシート状の予備発泡体は、JIS K7222に準拠して求められる見掛け密度が、0.04g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましく、0.05g/cm以上、1.1g/cm以下であることがより好ましく、0.06g/cm以上1.0g/cm以下であることが特に好ましい。
該ストランド状の予備発泡体やシート状の予備発泡体を用いて型内成形する場合は、成形型内の成形スペース(製品体積)をV(cm)とし、型内に充填する予備発泡体の質量をM(g)とした場合に、下記条件を満足するように充填することが好ましい。

0.04g/cm ≦(M/V)≦0.9g/cm
【0080】
このことにより予備発泡粒子を型内成形して得られるビーズ発泡成形体と同等性能を有する発泡成形体がストランド状の予備発泡体やシート状の予備発泡体を用いて作製することができる。
【0081】
なお、ここではこれ以上に詳細な説明を繰り返すことはしないが、本実施形態の予備発泡粒子やビーズ発泡成形体については、上記例示のものにのみ限定されるものではなく、上記例示の態様にさらに種々の変更を加え得るものである。
【0082】
上記第1の実施形態や第2の実施形態において作製されるビーズ発泡成形体は、強度と耐熱性とに優れている。
しかも、これらの実施形態において作製されるビーズ発泡成形体は、高いガラス転移温度を有することから、高温時においても高い強度が維持される。
従って、一般的な樹脂発泡体が高い独立気泡率を有していないと優れた強度を発揮し難いのに対して本実施形態のビーズ発泡成形体は、ある程度以上の連続気泡率を有するものであっても優れた強度を発揮する。
しかも、本実施形態のビーズ発泡成形体は、発泡性樹脂粒子の形成や予備発泡粒子の形成において高温での加工が行われ、該予備発泡粒子を用いた型内成形も高温で行われることから樹脂の分解生成物といった低分子量成分が気泡膜中に存在していたりする場合がある。
また、本実施形態のビーズ発泡成形体には、発泡剤が残留している場合がある。
【0083】
なお、先に例示した樹脂のなかでもポリエーテルイミド(PEI)樹脂やポリエーテルスルホン(PESU)樹脂は、樹脂成形品に対して高い寸法安定性を発揮させることができるという特徴を有している。
また、ポリエーテルスルホン(PESU)樹脂は、他の樹脂に比べて線膨張係数が低いことを特徴としている。
そのため、これらの樹脂で作製された成形品は、温度や湿度といった環境の変化が激しいような場所においても高い寸法安定性を発揮する。
【0084】
ところで、ビーズ発泡成形体の独立気泡率が高いと、該ビーズ発泡成形体が加熱状態にされた際に、気泡膜中に残留していた発泡剤や樹脂の分解生成物が揮発し、気泡の内圧を上げてビーズ発泡成形体を体積膨張させることになる。
そうすると、ビーズ発泡成形体の独立気泡率が高いと、PEI樹脂やPESU樹脂の樹脂自体が有している前記のような特徴が十分に有効活用されないおそれがある。
【0085】
さらに、樹脂の分解生成物や発泡剤は、ビーズ発泡成形体の寸法安定性に影響を与えない場合でも、揮発性有機物(VOC)の原因となることが考えられる。
そこで本実施形態のビーズ発泡成形体は、分解生成物や発泡剤を速やかに放出させる上においても連続気泡率が10%以上であることが好ましく、連続気泡率が20%以上であることがより好ましく、連続気泡率が30%以上であることが特に好ましい。
また、ビーズ発泡成形体の連続気泡率は、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましい。
なお、ビーズ発泡成形体の連続気泡率は、以下の方法で測定することができる。
【0086】
(連続気泡率測定方法)
ビーズ発泡成形体を成形体から、25mm×25mm×25mmの立方体状の試験片を5つ切り出す。
このとき、試験片の6面ともが切断面となり、成形品の表皮が試験片に残らないようにする。
また、試験片の切断面はスライサーで仕上げて潰れた気泡を極力少なくする。
各試験片は、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間静置した後、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で測定を行う。
このとき、まず試験片の寸法を測定器(例えば、ミツトヨ社製、商品名「デジマチックキャリパ」)を用いて1/100mmまで測定し、見掛け体積(cm)を求める。
次に、空気比較式比重計(例えば、東京サイエンス社製、「1000型」)を使用して、1−1/2−1気圧法により測定試料の体積(cm)を求める。
なお、空気比較式比重計は、標準球(大28.9cc 小8.5cc)にて補正を行ったものを用いる。
そして下記式により各試料の連続気泡率(%)を計算する。

連続気泡率(%)=100×(見掛け体積−空気比較式比重計での測定体積)/見掛け体積

ビーズ発泡成形体の連続気泡率は、この5つの試験片の連続気泡率の算術平均値とする。
【0087】
また、同様の理由から、第1の実施形態や第2の実施形態において作製されるビーズ発泡成形体は、内部の気泡膜に一定以上の割合で貫通孔が形成されていることが好ましい。
具体的には、ビーズ発泡成形体は、気泡10個あたりに1個以上が隣接する気泡との間に貫通孔を有することが好ましい。
貫通孔を有する気泡の割合については、ビーズ発泡成形体を切断して、その切断面において無作為に選択した気泡について貫通孔の有無を確認することで求めることができる。
より詳細には以下のような方法によって、貫通孔を有する気泡の割合を確認することができる。

まず、ビーズ発泡成形体をカミソリ刃で6mm角程度の大きさに切断して測定用の試料を作製する。
走査型電子顕微鏡(SEM)、を用いて試料の切断面を30倍に拡大して撮影し、撮影した切断面において無作為に100個の気泡を選択し、該気泡の内の貫通孔を有する気泡の数(n)を数えて貫通孔を有する気泡の割合(n/100)を求める。
このとき用いるSEMとしては、例えば、日立製作所の商品名「S−3000N」などが挙げられる。
なお、気泡径が大きく、気泡を100個観察できない場合には、倍率を30倍よりも低くして切断面を観察する。
SEMの最低倍率でも100個の気泡を確認できないほど気泡が大きい場合には、撮影した切断面の全ての気泡から貫通孔を有する気泡割合を求める。
【0088】
この点に関し、図を参照しつつ説明する。
図3は、後述する実施例における「ビーズ発泡成形体の製造評価1」に記載の方法で作製したPEI樹脂製のビーズ発泡成形体の切断面をSEMによって撮影したものである。
また、図4a、図4bは、図3の四角囲いA、及び、Bをそれぞれ拡大した画像である。
そして、 図5は、後述する実施例における「ビーズ発泡成形体の製造評価2」に記載の方法で作製したPESU樹脂製のビーズ発泡成形体の切断面をSEMによって撮影したものである。
また、図6a、図6bは、図5の四角囲いA、及び、Bをそれぞれ拡大した画像である。
【0089】
なお、図3においては、図4a及び図4bにおいてブロック矢印で示した部分においてひび割れ状の貫通孔を確認することができる。
また、図6においては、図6a及び図6bにおいてブロック矢印で示した部分において丸孔状の貫通孔を確認することができる。
【0090】
なお、ビーズ発泡成形体の連続気泡率や前記貫通孔の数については、通常、予備発泡粒子における発泡剤の含有量や該予備発泡粒子を型内成形する際の加熱条件などによって調整することができる。
このようにして作製されるビーズ発泡成形体は、耐熱性、強度、軽量性などにおいて優れたものとなる。
【0091】
本実施形態においては、ビーズ発泡成形体や予備発泡粒子、並びに、これらの製造方法に関して上記のような例示を行っているが、本発明は上記例示に限定されるものではない。
即ち、本発明は、上記に例示されている事項に各種変更を加えうるものである。
【実施例】
【0092】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0093】
(ビーズ発泡成形体の製造評価1)
(事例1−1)
直径φ2.3mm×長さ3.3mmのポリエーテルイミド樹脂(SABIC Innovative Plastics社、Ultem(登録商標)1000)を160℃の除湿乾燥機により5時間乾燥させた。
次に、単軸スクリュー押出機(φ40mm、L/D40)に乾燥した樹脂を投入し下記条件で溶融し、押出機に取り付けた金型(口径φ1.5mm、ランド長1mm)から出てきたストランド状の非発泡ポリエーテルイミド樹脂を水槽により冷却し、ペレタイズすることで直径φ1.0mm×長さ1.1mmの樹脂ペレットを作製した。
<押出条件>
溶融温度:350℃
押出機先端の金型温度:350℃
供給量:0.9kg/h
【0094】
(発泡性樹脂粒子を作製する工程:発泡剤含浸方法)
5Lの容積を有する耐圧容器内に、3Lのアセトン、500gのポリエーテルイミド樹脂ペレット(以下、PEI樹脂ペレット)を入れて、70℃で14時間加熱し、該PEI樹脂ペレットにアセトンを含浸させた。
このアセトンを含浸させたPEI樹脂ペレットを24時間大気中に静置させることでアセトンを9.1質量%含有する発泡性樹脂粒子を得た。
【0095】
(予備発泡粒子を作製する工程:予備発泡)
上記の工程で得られた発泡性樹脂粒子に160℃の熱風を30秒間当てることにより、嵩密度0.106g/cm(嵩倍率12倍)の予備発泡粒子を得た。
得られた前記予備発泡粒子の平均気泡径は300μmであった。
【0096】
(事例1−2、1−3)
大気中に静置させることで、樹脂粒子に含有させた発泡剤の一部を除去して発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量を変更したこと及び予備発泡粒子の作製条件を表1に示す条件としたこと以外は事例1−1と同様に予備発泡粒子を作製した。
これらの事例においては、気泡微細で表1に示す嵩密度を有する予備発泡粒子を得ることができた。
【0097】
(事例1−4)
ポリエーテルイミド樹脂をUltem(登録商標)1000からUltem(登録商標)1010へ変更して事例1−1と同様の方法でPEI樹脂ペレットにアセトンを含浸させた。
このアセトンを含浸させたPEI樹脂ペレットに、30分間ブロアーによる送風をあてることによってアセトンを13.4質量%含有する発泡性樹脂粒子を得た。
該発泡性樹脂粒子を用いて、表1に示す条件によって予備発泡粒子を作製し、気泡微細で表1に示す嵩密度を有する予備発泡粒子を得ることができた。
【0098】
(事例1−5〜1−7)
ブロアーによる送風をあてる時間を30分から2時間に変更したこと及び予備発泡粒子の作製条件を表1に示す条件としたこと以外は事例1−4と同様に予備発泡粒子を作製した。
これらの事例においては、気泡微細で表1に示す嵩密度の予備発泡粒子を得ることができた。
【0099】
(事例1−8〜1−10)
ポリエーテルイミド樹脂をUltem(登録商標)1000からUltem(登録商標)1010へ変更したこと、及び、大気中に静置させることで樹脂粒子に含有させた発泡剤の一部を除去して発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量を変更したこと、並びに、予備発泡粒子の作製条件を表1に示す条件としたこと以外は事例1−1と同様に予備発泡粒子を作製した。
これらの事例においては、気泡微細で表1に示す嵩密度を有する予備発泡粒子を得ることができた。
【0100】
(事例1−11)
(ビーズ発泡成形体を作製する工程:型内成形)
事例1−5の予備発泡粒子の発泡剤残存量は10.8質量%であった。また、DSC測定結果から読み取った熱流差は0.224mW/mgであった(図7のa)。
この予備発泡粒子を300mm×400mm×30mmの内容積を有する成形用金型に充填し、表2の条件で0.32MPaの飽和蒸気を予備発泡粒子に当て、該予備発泡粒子を蒸気加熱によって2次発泡させる型内成形を実施した。
そして、当該型内成形によって、気泡が微細で外観良好なビーズ発泡成形体を作製した。
得られたビーズ発泡成形体を180℃×7日間の加熱試験による寸法変化率を評価した結果、−1.32%であった。
【0101】
(事例1−12〜1−15)
用いる予備発泡粒子を事例1−6、1−8〜10の予備発泡粒子に変更したこと以外は事例1−11と同様にビーズ発泡成形体を作製した。
得られたビーズ発泡成形体を180℃×7日間の加熱試験による寸法変化率を評価した結果、全て−1.50%以内であった。
【0102】
(事例1−16)
(発泡性樹脂粒子を作製する工程:発泡剤含浸方法、予備発泡粒子を作製する工程:予備発泡)
事例1−1と同様の方法でPEI樹脂ペレットにアセトンを含浸させた。
次に、アセトンからPEI樹脂を抜き出した後、発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量の調整を行わず、該発泡性樹脂粒子を表1に示す条件によって予備発泡させて予備発泡粒子を作製した。
得られた前記予備発泡粒子の平均気泡径は1,500μmと粗大であり、気泡径の大きさは不均一であった。
【0103】
(事例1−17)
(発泡性樹脂粒子を作製する工程:発泡剤含浸方法、予備発泡粒子を作製する工程:予備発泡)
事例1−4と同様の方法でPEI樹脂ペレットにアセトンを含浸させた。
次に、アセトンからPEI樹脂を抜き出した後、発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量の調整を行わず、該発泡性樹脂粒子を表1に示す条件によって予備発泡させて予備発泡粒子を作製した。
得られた前記予備発泡粒子の平均気泡径は1,500μmと粗大であり、気泡径の大きさは不均一であった。
【0104】
(事例1−18)
(発泡性樹脂粒子を作製する工程:発泡剤含浸方法、予備発泡粒子を作製する工程:予備発泡)
事例1−4と同様の方法で直径φ1.0mm×長さ1.1mmのPEI樹脂ペレットを得た。
該PEI樹脂ペレットを300ccの耐圧容器に入れ、20℃で、3MPaの二酸化炭素雰囲気中に48時間保持することにより、二酸化炭素を含浸させた。
その後、耐圧容器内の圧力を常圧まで下げた後、耐圧容器から該PEI樹脂ペレットを取り出し、260℃の熱風に60秒間当てることによって予備発泡させて予備発泡粒子を作製した。
得られた前記予備発泡粒子の平均気泡径は13μmと非常に微細であったが、嵩密度が0.363g/cmと高く高発泡させにくかった。
【0105】
(事例1−19)
(ビーズ発泡成形体を作製する工程:型内成形)
事例1−7の予備発泡粒子の発泡剤残存量は5.5質量%であった。
また、DSC測定結果から読み取った熱流差は0.162mW/mgであった(図7のb)。
この事例1−7の予備発泡粒子を用いたこと以外は、事例1−11と同様の方法で型内成形を実施した。
しかし、事例1−11と同様の方法では、予備発泡粒子同士が融着せず成形できなかった。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
事例1−1〜1−10、及び、事例1−16、17の発泡性樹脂粒子は、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂と有機系物理発泡剤とを含む樹脂組成物からなる発泡性樹脂粒子である。
また、事例1−18の発泡性樹脂粒子は、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂と物理発泡剤とを含む樹脂組成物からなる発泡性樹脂粒子である。
表1からもわかるように、事例1−1〜1−10の発泡性樹脂粒子は、示差走査熱量計によって測定されるDSC曲線が、前記主成分たる樹脂のガラス転移温度以下において少なくとも2回の吸熱を示し、前記樹脂のガラス転移温度をTg(℃)、前記有機系物理発泡剤の沸点をTb(℃)とし、前記2回の吸熱の内の第1の吸熱の開始温度T1を(℃)、第2の吸熱の開始温度をT2(℃)とした際に、下記の条件(x)〜(z)を全て満足するものとなっている。(PEI樹脂のガラス転移温度:217℃、アセトンの沸点:56.5℃)

Tb≦T1≦(Tb+100℃) ・・・(x)
(Tg−150℃)≦T2≦(Tg−10℃) ・・・(y)
(T2−T1)≦52℃ ・・・(z)

一方で、事例1−16〜事例1−18の発泡性樹脂粒子は、このような条件全てを満足するものとはなっていない。
従って、このことから耐熱性に優れ、良好なる発泡状態のビーズ発泡成形体を得る上において、発泡性樹脂粒子が上記のような条件(x)〜(z)を全て満足することが有効であることがわかる。
また、表2からもわかるように、事例1−11〜事例1−15の予備発泡粒子は、発泡剤であるアセトンの残存量が6質量%以上あり、示差走査熱量計によって測定されるDSC測定結果から読み取った熱流差が0.170mW/mg以上となっている。
一方で、事例1−19の予備発泡粒子は、発泡剤残存量が6質量%未満であり、示差走査熱量計によって測定されるDSC測定結果から読み取った熱流差が0.170mW/mg未満となっている。
このことから耐熱性に優れた樹脂から良好なる発泡状態のビーズ発泡成形体を得る上において、予備発泡粒子に発泡剤が6質量%以上残存していることが有効であることがわかる。
また、DSC測定結果から読み取った予備発泡粒子の熱流差が0.170mW/mg以上であることが良好なる発泡状態のビーズ発泡成形体を得る上において有効であることがわかる。
【0109】
(ビーズ発泡成形体の製造評価2)
(予備発泡粒子の作製)
ガラス転移温度が180℃以上の樹脂として、ポリエーテルスルホン樹脂(住友化学社製 、商品名「スミカエクセル 3600G」、ガラス転移温度225℃)を用意した。
該ポリエーテルスルホン樹脂100質量部に対し、気泡調製剤として化学発泡剤(永和化成社製、商品名「ポリスレンEE204」)を0.5質量部配合し、これらの混合物を40mm単軸押出機に投入し溶融混練させた。
該押出機の途中において、有機系物理発泡剤としてプロピレングリコール(沸点:189℃)を4質量%の割合となるように圧入してさらに溶融混練をさせ、発泡性を有する樹脂組成物を当該押出機内で調製した。
該押出機先端に取り付けたφ1.5mmのノズルを有する金型の前記ノズルを通じて前記樹脂組成物を大気圧下へ押出発泡させると同時に放冷し、ストランド状の発泡体を得た。
このストランド状発泡体を直接ペレタイザーに通してカットすることで、嵩密度が0.325g/cmの予備発泡粒子を得た。
なお、この時吐出量は4.5kg/hで、押出時の樹脂温度は259℃であった。
また、得られた予備発泡粒子を示差走査熱量分析装置(DSC)によって分析したところ、予備発泡粒子を構成する樹脂組成物の見掛け上のガラス転移温度は183℃に低下していることがわかった。
さらに予備発泡粒子を、熱質量測定・示差熱分析装置(TG/DTA)によって加熱減量を測定したところ、有機系物理発泡剤の含有量が3.7質量%であることがわかった。
なお、加熱減量は、示差熱熱質量同時測定装置、「TG/DTA6200型(エスアイアイナノテクノロジー社製)」を用いて測定した。
サンプリング方法・温度条件に関しては以下の通り。
サンプルは白金製測定容器の底にすきまのないよう試料を約15mg充てんして、窒素ガス流量230mL/minのもとアルミナを基準物質として測定した。
測定は、速度10℃/minで30℃から400℃まで昇温した時のTG/DTA曲線に基づいて行った。
この得られた曲線から装置付属の解析ソフトを用いて、400℃での加熱残分を求め、元の質量からの質量減少量を加熱減量とした。
【0110】
(ビーズ発泡成形体の作製)
まず、内寸が300mm×100mm×30mmのアルミ製の成形型を用意した。
この成形型内に予備発泡粒子を充填し、庫内温度を270℃に設定した熱風オーブン(ADVANTEC社製、商品名「DRM420DA」)に入れ加熱した。
この際、金型内壁と、型内中心部の温度を測定できるように熱電対をセットした。
内部温度が230℃に到達した時点で、成形型を熱風オーブンより取出し、放冷後金型からビーズ発泡成形体を取出した。この時、金型内壁は240℃であった。
成形型をオーブンに入れた時点(内部温度27℃)から、成形品内部温度が230℃に到達した時点までの時間は90分で、昇温速度は2.0℃/minであった。
そして、このとき得られたビーズ発泡成形体は、連続気泡率が64.1%であり、軽量性に優れるものであった。
【0111】
以上のことからも、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(PESU樹脂:ガラス転移温度225℃)を主成分とした樹脂組成物で出来た嵩密度が0.04g/cm以上0.9g/cm以下の樹脂発泡粒子でビーズ発泡成形体を形成することで、耐熱性に優れ、良好なる発泡状態のビーズ発泡成形体が得られることがわかる。
【符号の説明】
【0112】
1 金型
2 押出機
3 カッター
15 ノズル
T ホットカット造粒機
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7