特許第6473206号(P6473206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473206
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】三次元検出装置及び三次元検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-181691(P2017-181691)
(22)【出願日】2017年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-163136(P2018-163136A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2017年9月21日
(31)【優先権主張番号】15/468,128
(32)【優先日】2017年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509069560
【氏名又は名称】テスト リサーチ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】李文宗
(72)【発明者】
【氏名】温光溥
(72)【発明者】
【氏名】林棟
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−45587(JP,A)
【文献】 特開2015−17921(JP,A)
【文献】 特開2016−125953(JP,A)
【文献】 特開2003−296708(JP,A)
【文献】 特開2011−149849(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/70048(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01C 3/00− 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を支持するための載置台と、
互いに平行ではない第1軸方向、第2軸方向及び第3軸方向に沿って前記物体の第1画像、第2画像及び第3画像をそれぞれ取得するとともに、前記第1軸方向に設置されて前記第1画像を取得するための静止画像センサーと、前記第2画像と前記第3画像を取得するために前記第2軸方向から前記第3軸方向まで回転するための移動可能な画像センサーと、を含む画像検知ユニットと、
第1三次元位置情報を取得するために前記第1画像及び前記第2画像を分析すると共に、第2三次元位置情報を取得するために前記第3画像と前記物体の所定画像を分析し、前記所定画像は前記第2軸方向及び前記第3軸方向に平行ではない所定軸方向に沿って取得される情報処理コントローラと、
を含む三次元検出装置。
【請求項2】
前記所定画像は前記第1画像であり、前記第1軸方向は前記載置台の上面に垂直である請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項3】
前記所定画像は前記第1画像であり、前記第3軸方向は前記第1軸方向と前記第2軸方向により形成された第1平面に位置する請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項4】
前記所定画像は前記第1画像であり、前記第3軸方向は前記第1軸方向と前記第2軸方向により形成された第1平面に位置しない請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項5】
前記画像検知ユニットは、更に、前記第1軸方向、前記第2軸方向及び前記第3軸方向に平行ではない第4軸方向に沿って前記物体の第4画像を取得することに用いられ、前記情報処理コントローラは、更に、第3三次元位置情報を取得するために前記第1画像と前記第4画像を分析することに用いられ、前記第3軸方向と前記第4軸方向とはそれぞれ前記第1平面の反対する両側へ延伸する請求項に記載の三次元検出装置。
【請求項6】
前記画像検知ユニットは、更に、前記第1軸方向、前記第2軸方向、前記第3軸方向及び前記第4軸方向に平行ではない第5軸方向に沿って前記物体の第5画像を取得することに用いられ、前記情報処理コントローラは、更に、第4三次元位置情報を取得するために前記第1画像と前記第5画像を分析することに用いられ、前記第3軸方向と前記第4軸方向は、第2平面を形成し、前記第2軸方向と前記第5軸方向はそれぞれ前記第2平面の反対する両側へ延伸する請求項に記載の三次元検出装置。
【請求項7】
前記移動可能な画像センサーは、前記第4軸方向に沿って前記第4画像を取得する請求項に記載の三次元検出装置。
【請求項8】
前記画像検知ユニットは、更に、第4軸方向に沿って前記物体の前記所定画像としての第4画像を取得することに用いる請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項9】
前記移動可能な画像センサーは、前記第4軸方向に沿って前記第4画像を取得する請求項に記載の三次元検出装置。
【請求項10】
前記第1軸方向と前記第2軸方向により形成された第1平面は前記載置台の上面に垂直であり、前記所定画像の取得された前記所定軸方向と前記第3軸方向により形成された第2平面は前記載置台の前記上面に垂直である請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項11】
前記第1軸方向と前記第2軸方向は第1平面を形成し、前記第1平面と前記載置台の上面との傾斜角度は80度〜100度の範囲にある請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項12】
前記第1軸方向と前記第2軸方向は第1平面を形成し、前記所定画像の取得された前記所定軸方向と前記第3軸方向は第2平面を形成し、前記第1平面は前記第2平面に平行ではない請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項13】
光学パターンを前記物体に投影するためのプロジェクターを更に含む請求項1に記載の三次元検出装置。
【請求項14】
物体を載置台に設置する工程と、
静止画像センサーにより第1軸方向に沿って前記物体の第1画像を取得し、移動可能な画像センサーにより第2軸方向に沿って前記物体の第2画像を取得し、前記移動可能な画像センサーを前記第2軸方向から第3軸方向まで回転させることで前記第3軸方向に沿って前記物体の第3画像を取得し、前記第1軸方向、前記第2軸方向及び前記第3軸方向が互いに平行ではない工程と、
第1三次元位置情報を取得するために前記第1画像と前記第2画像を分析する工程と、
第2三次元位置情報を取得するために前記第3画像と前記物体の所定画像を分析し、前記所定画像は前記第2軸方向及び前記第3軸方向に平行ではない所定軸方向に沿って取得される工程と、
を備える三次元検出方法。
【請求項15】
前記所定画像は、前記第1画像である請求項14に記載の三次元検出方法。
【請求項16】
ランダムに分布された複数の点を有する光学パターンを前記物体に投影し、前記物体の前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像の前記取得は前記物体における前記光学パターンを取得することを含み、且つ前記物体の一部における前記点は前記物体の他の部分にある前記点と異なる分布を有する請求項14に記載の三次元検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元検出装置及び三次元検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物体を三次元で検出する工程は、各種類の電子素子の製作工程における一部になる。例としては、電子基板の製造工程において、素子を基板に取り付けてリフロー工程を行った後、それぞれの素子の溶接状態を検出する。
【0003】
従来の三次元物体(例えば、溶接状態)の検出方法において、検出者は、肉眼で三次元物体(例えば、溶接状態)を検出する。このため、検出者の都合及びスキルによって、この三次元物体(例えば、溶接状態)を使用する製品の品質は同一ではない。更に、複雑な電子基板(例えば、回路基板)を検出する場合、従来の方法では、長い検出時間を必要とするので、問題が発生し、その生産量が明らかに低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1及び第2三次元位置情報で物体の外観を再建する。第1及び第2三次元位置情報は、そのうちの1つの画像を共用できる2対の画像をそれぞれ計算することで取得される。又は、第1及び第2三次元位置情報は、複数の互いに異なる画像における2対の画像によって取得される。この設置により、物体の検出精度を向上させることができる。
【0005】
本発明の一部の実施形態によれば、三次元検出装置は、物体を支持するための載置台と、互いに平行ではない第1軸方向、第2軸方向及び第3軸方向に沿って物体の第1画像、第2画像及び第3画像をそれぞれ取得するための画像検知ユニットと、第1三次元位置情報を取得するために第1画像及び第2画像を分析すると共に、第2三次元位置情報を取得するために第3画像と第2軸方向及び第3軸方向に平行ではない所定軸方向に沿って取得される物体の所定画像を分析するための情報処理コントローラと、を含む。
【0006】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、第1軸方向、第2軸方向及び第3軸方向にそれぞれ設置された、第1画像、第2画像及び第3画像を取得するための複数の画像センサーを含む。
【0007】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、第1軸方向に設置されて第1画像を取得するための静止画像センサーと、第2画像と第3画像を取得するために第2軸方向から第3軸方向まで回転するための移動可能な画像センサーと、を含む。
【0008】
一部の実施形態において、所定画像は第1画像であり、第1軸方向は前記載置台の上面に垂直である。
【0009】
一部の実施形態において、所定画像は第1画像であり、第3軸方向は第1軸方向と第2軸方向により形成された第1平面に位置する。
【0010】
一部の実施形態において、所定画像は第1画像であり、第3軸方向は第1軸方向と第2軸方向により形成された第1平面に位置しない。
【0011】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、更に、第1軸方向、第2軸方向及び第3軸方向に平行ではない第4軸方向に沿って物体の第4画像を取得することに用いられ、情報処理コントローラは、更に、第3三次元位置情報を取得するために第1画像と第4画像を分析することに用いられ、第3軸方向と第4軸方向はそれぞれ第1平面の反対する両側へ延伸する。
【0012】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、更に、第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向及び第4軸方向に平行ではない第5軸方向に沿って物体の第5画像を取得することに用いられ、情報処理コントローラは、更に、第4三次元位置情報を取得するために第1画像と第5画像を分析することに用いられ、第3軸方向と第4軸方向は、第2平面を形成し、第2軸方向と第5軸方向はそれぞれ第2平面の反対する両側へ延伸する。
【0013】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向及び第4軸方向にそれぞれ設置された、第1画像、第2画像、第3画像及び第4画像を取得するための複数の画像センサーを含む。
【0014】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、第1軸方向に設置され且つ第1画像を取得するための静止画像センサーと、第2軸方向、第3軸方向及び第4軸方向の少なくとも1つに沿って、第2画像、第3画像及び第4画像の少なくとも1つを取得するための移動可能な画像センサーと、を含む。
【0015】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、更に、第4軸方向に沿って物体の所定画像としての第4画像を取得することに用いる。
【0016】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向及び第4軸方向にそれぞれ設置された、それぞれ第1画像、第2画像、第3画像及び第4画像を取得するための複数の画像センサーを含む。
【0017】
一部の実施形態において、画像検知ユニットは、第1軸方向に設置され且つ第1画像を取得するための静止画像センサーと、第2軸方向、第3軸方向及び第4軸方向の少なくとも1つに沿って、第2画像、第3画像及び第4画像の少なくとも1つを取得するための移動可能な画像センサーと、を含む。
【0018】
一部の実施形態において、第1軸方向と第2軸方向により形成された第1平面が載置台の上面に垂直であり、所定画像の取得された所定軸方向と第3軸方向により形成された第2平面は載置台の上面に垂直である。
【0019】
一部の実施形態において、第1軸方向と第2軸方向は第1平面を形成し、第1平面と載置台の上面との傾斜角度が80度〜100度の範囲にある。
【0020】
一部の実施形態において、第1軸方向と第2軸方向は第1平面を形成し、所定画像の取得された所定軸方向と第3軸方向は第2平面を形成し、第1平面は第2平面に平行ではない。
【0021】
一部の実施形態において、三次元検出装置は、光学パターンを物体に投影するためのプロジェクターを更に含む。
【0022】
本発明の一部の実施形態によれば、三次元検出方法は、物体を載置台に設置する工程と、第1軸方向に沿って物体の第1画像を取得し、第2軸方向に沿って物体の第2画像を取得し、第3軸方向に沿って物体の第3画像を取得し、第1軸方向、第2軸方向及び第3軸方向が互いに平行ではない工程と、第1三次元位置情報を取得するために第1画像と第2画像を分析する工程と、第2三次元位置情報を取得するために第3画像と物体の所定画像を分析し、所定画像は第2軸方向及び第3軸方向に平行ではない所定軸方向に沿って取得される工程と、を備える。
【0023】
一部の実施形態において、所定画像は、第1画像である。
【0024】
一部の実施形態において、方法は光学パターンを物体に投影することを含み、光学パターンはランダムに分布された複数の点を有し、物体の第1画像、第2画像及び第3画像の取得は、物体における光学パターンを取得することを含み、且つ物体の一部における点は物体の他の部分にある点と異なる分布を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一部の実施形態による三次元検出装置の斜視模式図である。
図2図1に示す三次元検出装置の上面図である。
図3】本発明の一部の実施形態による三次元検出装置の斜視模式図である。
図4】本発明の一部の実施形態による三次元検出装置の斜視模式図である。
図5】本発明の一部の実施形態による三次元検出方法のフローチャートである。
図6】本発明の一部の実施形態による物体における光学パターンの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面で本発明の複数の実施形態を開示し、明らかに説明するために、数多くの実際の細部を下記叙述で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部は本発明を制限するためのものではない。つまり、本発明の実施形態の一部において、これらの実際の細部は、必須なものではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0027】
図1は、本発明の一部の実施形態による三次元検出装置100の斜視模式図である。図2図1に示す三次元検出装置100の上面図である。三次元検出装置100は、載置台110と、画像検知ユニット120と、情報処理コントローラ130と、プロジェクター140と、を含む。載置台110は、物体200を支持することに用いる。プロジェクター140は、光学パターンを物体200に投影することに用いる。画像検知ユニット120は、それぞれ第1軸方向D1、第2軸方向D2、第3軸方向D3、第4軸方向D4及び第5軸方向D5に沿って物体200の第1画像、第2画像、第3画像、第4画像及び第5画像を取得することに用いる。第1軸方向D1、第2軸方向D2及び第3軸方向D3、第4軸方向D4及び第5軸方向D5が互いに平行ではない。情報処理コントローラ130は、第1三次元位置情報を取得するために第1画像及び第2画像を分析すると共に、第2三次元位置情報を取得するために第3画像と物体200の所定画像を分析することに用いる。本発明の一部の実施形態において、所定画像は、第2軸方向D2及び第3軸方向D3に平行ではない所定軸方向に沿って取得される。例としては、所定軸方向は、第1軸方向D1、第4軸方向D4及び第5軸方向D5の一方である可能性がある。
【0028】
本発明の一部の実施形態において、画像検知ユニット120は、第1軸方向D1、第2軸方向D2及び第3軸方向D3、第4軸方向D4及び第5軸方向D5にそれぞれ設置された、第1画像、第2画像、第3画像、第4画像及び第5画像を取得するための複数の画像センサー121〜125を含む。一部の実施形態において、物体200とそれぞれの画像センサー121〜125との間の距離は実質に同じであり、画像センサー121〜125は同じであるため、第1〜第5画像の解像度は実質に同じである。もちろん、本発明の範囲はこれに限定されない。一部の実施形態において、物体200とそれぞれの画像センサー121〜125との間の距離は異なる。なお、画像センサー121〜125は異なってもよい。
【0029】
ここで、一部の実施形態において、第2〜第5軸方向D2〜D5と載置台110の上面112との間にそれぞれ夾角X2〜X5を有し、夾角X2〜X5はほぼ同じであるが、本発明の範囲はこれに限定されない。他の実施形態において、夾角X2〜X5は異なってもよい。なお、一部の実施形態において、第1〜第5軸方向D1〜D5は、物体200の1つの点に交差してよい。一部の実施形態において、第1〜第5軸方向D1〜D5は同一の位置に交差せず、物体200の一部(例えば、関心領域(Region of interest;ROI))に向かっている。
【0030】
本発明の一部の実施形態において、第1軸方向D1と第2軸方向D2により形成された第1平面P1が載置台110の上面112に垂直であり、且つ第3軸方向D3と所定画像の取得された所定軸方向により形成された第2平面が載置台110の上面112に垂直である。この垂直配置により、後の三次元位置情報を取得するために行われる分析の計算が簡素化されるので、三次元位置情報の精度を向上させる。しかしながら、この垂直配置により、第1平面P1と載置台110の上面112との夾角が90度であると高精度に制限すべきではなく、この垂直配置は許容範囲を有してよい。例としては、第1平面P1は、載置台110の上面112に対して傾斜角度を有してよい。この傾斜角度は60度〜120度の範囲にあってよく、好ましくは80度〜100度の範囲にあってよい。且つ、第2平面は載置台110の上面112に対して傾斜角度を有してよい。この傾斜角度は、60度〜120度の範囲にあってよく、好ましくは80度〜100度の範囲にあってよい。この傾斜角度の数値が本発明の範囲を制限すべきではないことは理解すべきである。
【0031】
一部の他の実施形態において、第1平面P1と第2平面は、載置台110の上面112に垂直ではなくてもよい。三次元位置情報における要素を取得するために、関連する細部(例えば、第1平面P1と上面112との夾角、又は第2平面と上面112との夾角)を後で分析することができる。
【0032】
本発明の一部の実施形態において、第1及び第2三次元位置情報を多種の方法によって取得することができるが、ここで詳しく説明する。
【0033】
第1の方法については、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直であり、且つ第2三次元位置情報と関連する所定画像は第1画像であってよい。本実施形態において、第1軸方向D1と第2軸方向D2により形成された第1平面P1は載置台110の上面112に実質に垂直であり、且つ第3軸方向D3と所定画像を取得するための所定軸方向(ここで第1軸方向D1を指す)により形成された第2平面P2が載置台110の上面112に実質に垂直である。
【0034】
ここで、第2三次元位置情報と関連する第3軸方向D3は、第1平面P1に位置しなくてもよい。例としては、第2平面P2は第1平面P1に対して夾角Z1を有する。夾角Z1は、0度〜90度の範囲にあり、例えば、10度〜90度である。本実施形態において、第1平面P1が第2平面P2(即ち、夾角Z1は90度である)に垂直であり、このように、第1三次元位置情報と第2三次元位置情報とは、2つの直交する位置で物体の外観を表現する。しかしながら、本発明の範囲はこれに制限されない。一部の実施形態において、第1平面P1は第2三次元位置情報に関連する平面に垂直でなくてもよい。例としては、第2三次元位置情報が第1軸方向D1及び第5軸方向D5から取得された画像から取得されたものである場合、第1軸方向D1及び第5軸方向D5は第1平面P1に位置し、この場合、第2三次元位置情報に関連する平面は第1平面P1に平行であってよい。
【0035】
この設置により、第1画像、第2画像及び第3画像から、第1三次元位置情報及び第2三次元位置情報を確立することができる。
【0036】
第2の方法に対して、第2三次元位置情報に関連する所定画像は、第1画像であってよいが、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直ではない。図3は、本発明の一部の実施形態による三次元検出装置100の斜視模式図である。図3に示す実施形態は、図1に示す実施形態と類似であるが、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直ではないことに異なっている。本実施形態において、第1軸方向D1、第2軸方向D2及び第3軸方向D3が同一の平面にある。この設置により、第1軸方向D1と第2軸方向D2により形成された第1平面P1は、第3軸方向D3及び所定画像を取得するための所定軸方向(ここで第1軸方向D1を指す)により形成された第2平面P2に平行である。
【0037】
ここで、第1平面P1及び第2平面P2が載置台110の上面112に垂直であってよい。以上のように、垂直配置により、後の三次元位置情報を取得するために行われる分析の計算が簡素化されるので、三次元位置情報の精度を向上させる。なお、この垂直配置によって第1平面P1又は第2平面P2と載置台110の上面112との夾角が90度と高精度に制限すべきではなく、この垂直配置には許容範囲があってよい。例としては、第1平面P1又は第2平面P2は、載置台110の上面112に対して傾斜角度を有してよい。この傾斜角度は60度〜120度の範囲にあってよく、好ましくは80度〜100度の範囲にあってよい。この傾斜角度の数値が本発明の範囲を制限すべきではないことは理解すべきである。
【0038】
以上のように、第1画像と第2画像は第1三次元位置情報を取得するために分析され、第1画像と第3画像は第2三次元位置情報を取得するために分析される。
【0039】
第3の方法に対して、所定画像は第1画像ではなく、第4画像であってよい。また図1を参照されたい。一部の実施形態において、第3画像と所定画像(ここで第4画像である)は、第2三次元位置情報を取得するために分析される。以上のように、第3軸方向D3と所定画像の取得された所定軸方向(ここで第4軸方向D4である)により形成された第2平面P2’が載置台110の上面112に垂直である。以上のように、第2平面P2’は載置台110の上面112に対して傾斜角度を有してよい。この傾斜角度は80度〜100度の範囲にあってよい。
【0040】
ここで、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直であってよい。しかしながら、他の一部の実施形態において、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直ではなくてもよい。例としては、他の一部の実施形態において、第1軸方向D1は第5軸方向D5と互いに交換されてよく、これにより第1及び第2三次元位置情報の計算において載置台110の上面112の法線方向に沿って取得された画像を採用しない。
【0041】
一部の実施形態において、第3軸方向D3及び第2三次元位置情報に関連する所定軸方向(ここで第4軸方向D4を指す)は第1平面P1に位置しない。例としては、第2平面P2’は、第1平面P1に対して夾角Z1’を有する。夾角Z1’は、10度〜90度であってよいが、本発明の範囲をその数値に制限すべきではない。本実施形態において、第1平面P1は第2平面P2’(即ち、夾角Z1’は90度である)に垂直であり、このように、第1三次元位置情報と第2三次元位置情報とは2つの直交する位置で物体の外観を表現する。しかしながら、本発明の範囲をこれに制限すべきではない。一部の実施形態において、第1平面P1が第2平面P2’に垂直ではなくてよい。
【0042】
上記に言及した方法により、第1及び第2三次元位置情報を得ることができる。情報処理コントローラ130は、選択的に、第1及び第2三次元位置情報を整合性三次元情報に組み合わせてよい。2つ以上の三次元位置情報を計算して取得し、且つこの2つ以上の三次元位置情報によって整合性三次元情報を生成することができることは理解すべきである。例としては、第4画像と第5画像から第3及び第4三次元位置情報を計算して取得することができる。
【0043】
例としては、本発明の一部の実施形態において、情報処理コントローラ130は、第3三次元位置情報を取得するために、第1画像及び第4画像を分析することに用いる。一部の実施形態において、第1軸方向D1と第4軸方向D4により形成された平面が載置台110の上面112に垂直である。例としては、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直である。このように、情報処理コントローラ130は、第1三次元位置情報を取得するために第1画像及び第2画像を分析し、第2三次元位置情報を取得するために第1画像及び第3画像を分析し、第3三次元位置情報を取得するために第1画像及び第4画像を分析する。
【0044】
ここで、載置台110の上面112の上方において、第3軸方向D3と第4軸方向D4とはそれぞれ第1平面P1の反対する両側に向かって延伸することで、それぞれの角度から物体200を検知する。しかしながら、本発明の範囲をこれに制限すべきではない。載置台110の上面112の上方において、第3軸方向D3と第4軸方向D4は、第1平面P1の同一側へ延伸することで、より高精度に物体200を検知する。
【0045】
更に、本発明の一部の実施形態において、情報処理コントローラ130は、第4三次元位置情報を取得するために第1画像及び第5画像を分析することに用いる。一部の実施形態において、第1軸方向D1と第5軸方向D5により形成された平面が載置台110の上面112に垂直である。例としては、第1軸方向D1が載置台110の上面112に垂直である。このように、情報処理コントローラ130は、第1三次元位置情報を取得するために第1画像及び第2画像を分析し、第2三次元位置情報を取得するために第1画像及び第3画像を分析し、第3三次元位置情報を取得するために第1画像及び第4画像を分析し、第4三次元位置情報を取得するために第1画像及び第5画像を分析する。
【0046】
ここで、載置台110の上面112の上方において、第2軸方向D2と第5軸方向D5とがそれぞれ第2平面P2(第1軸方向D1と第3軸方向D3で形成される)又は第2平面P2’(第3軸方向D3と第4軸方向D4で形成される)の反対する両側に向かって延伸することで、それぞれの角度から物体200を検知する。しかしながら、本発明の範囲はこれに制限されない。載置台110の上面112の上方において、第2軸方向D2と第5軸方向D5とが第2平面P2又は第2平面P2’の同一側に向かって延伸することで、物体200をより高精度に検知することができる。
【0047】
更に、本発明の一部の実施形態において、情報処理コントローラ130は、第5三次元位置情報を取得するために第2画像と第5画像を分析することに用いる。本発明の一部の実施形態において、情報処理コントローラ130は、第6三次元位置情報を取得するために第3画像と第4画像を分析することに用いる。このように、第1〜第6三次元位置情報の部分は、例えば、回路基板での溶接状態のテストのような、物品テストの標準とされてもよい。三次元位置情報の要求する数によって、部分的な画像センサー121〜125を省略又はオフしてもよいことは理解すべきである。例としては、簡単な実施形態において、画像検知ユニット120は、画像センサー121〜123のみを含んでよい。又は、一部の実施形態において、画像検知ユニット120は、画像センサー121、122及び125のみを含んでよい。一部の他の実施形態において、画像検知ユニット120は、画像センサー122〜125のみを含んでよい。
【0048】
本発明の実施形態において、物体200は、少なくとも1つの三次元特徴を有する。例としては、物体200は、回路基板であってよく、その三次元特徴は溶接状態であってよい。プロジェクター140は、光源及びパターンを有するマスクを含んでよい。これにより、光源からの光線がマスクにより部分的に遮断されるので、マスクを経過した光線はパターンを有するようになる。一部の実施形態において、画像センサー121〜125は、物体200により反射された光線強度を検出することができる。例としては、画像センサー121〜125は、感光性結合素子(charge coupled device;CCD)カメラ、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal−oxide−semiconductor;CMOS)画像センサー、接合型電界効果トランジスタ(junction gate field−effect transistor;JFET)画像センサー又はその他の適当な感光装置である。
【0049】
図4は、本発明の一部の実施形態による三次元検出装置の斜視模式図である。本実施形態は、図1に示す実施形態と類似であるが、画像検知ユニット120が画像センサー121〜125の代わりに静止画像センサー126及び移動可能な画像センサー127を含むことに異なっている。静止画像センサー126は、第1軸方向D1に設置され、且つ第1画像を取得することに用いられる。移動可能な画像センサー127は、第2画像と第3画像を取得するために、第2軸方向D2から第3軸方向D3まで回転することに用いる。
【0050】
本実施形態において、第2軸方向D2と第3軸方向D3は、それぞれ載置台110の上面112との間に類似である夾角X2及びX3を有するので、移動可能な画像センサー127を水平に第2軸方向D2における位置から第3軸方向D3における位置まで回転させることができる。
【0051】
一部の実施形態において、以上のように、第1〜第3画像よりも多いものが撮影され、且つ移動可能な画像センサー127は、第2〜第5軸方向D2〜D5の少なくとも1つに沿って、第2画像、第3画像、第4画像及び第5画像の少なくとも1つをそれぞれ取得することに用いる。移動可能な画像センサー127は、第2〜第5軸方向D2〜D5において移動することができる。これらの実施形態において、例としては、一部の第2〜第4軸方向D2〜D4と載置台110の上面112との間に類似である角度X2〜X4を有するので、移動可能な画像センサー127を水平に回転させると共に、空位置(即ち、図における破線枠の位置)に移動させることができる。一部の実施形態において、移動可能な画像センサー127は、第1軸方向D1を中心として水平に回転することができる。しかしながら、他の実施形態において、角度X2〜X4は異なっても良く、且つ移動可能な画像センサー127は水平に移動するだけでなく、更に垂直に移動してもよい。
【0052】
画像検知ユニット120は、図1図3及び図4に示す形態に限定されない多種の形態によって、第1〜第5軸方向D1〜D5に沿って画像を取得することができることは理解すべきである。例としては、移動可能な画像センサー127は、第1〜第5軸方向D1〜D5の間で移動することができるので、静止画像センサー126を省略することができる。
【0053】
本実施形態の他の細部については、おおよそ図1の実施形態に示すようなものであるので、ここで繰り返して説明しない。
【0054】
図5は、本発明の一部の実施形態による三次元検出方法300のフローチャートである。方法300は、工程310〜350を備える。方法300については、図1図3及び図4の少なくとも1つを参照して説明する。
【0055】
まず、工程310において、プロジェクター140は、光学パターン140Pを物体200に投影する。図6は、本発明の一部の実施形態による物体200での光学パターン140Pの上面図である。物体200に投影された光学パターン140Pにより、後の撮影された画像がより高精度にマッピング(mapping)されることができる。一部の実施形態において、光学パターン140Pは、ストライプパターンであってよい。一部の実施形態において、光学パターン140Pは、ランダムな点状分布パターンであってよい。即ち、光学パターン140Pは、ランダムに分布された複数の点を含む。ランダムな点状分布パターンに対して、物体200の複数の部分における点状分布は、異なり且つ独特なものである。例えば、物体200の各部分は、それにおける点状分布によって識別可能なものになる。
【0056】
更に、ランダムな点状分布パターンに対して、物体200における点の配列によって関心領域(Region of interest)ROI内の点が独特なものになる。つまり、物体200の一部に位置する点は、物体200の他の部分における点と異なる分布を有する。例としては、第1位置Q1(太い実線で示す)にある関心領域ROIの点の分布は、第2位置Q2又はその他の位置(太い点線で示す)にある関心領域ROIの点の分布と異なる。第1位置Q1にある関心領域ROIは、第2位置Q2にある関心領域ROIと重ね合わせられてもよい。
【0057】
ここで、物体200の第1部分210は第1位置Q1にある関心領域ROIに対応し、物体200の第2部分220は第2位置Q2にある関心領域ROIに対応する。物体200の第1部分210及び物体200の第2部分220は、物体200の同じ特徴を含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態において、関心領域ROIは、複数の画像センサーの視野(field of view)にあり、且つ取得された画像の一部と関連することができる。異なる関心領域ROI内の光学パターン140Pの点は、識別可能な形態の分布に限定されない。一部の他の実施形態において、それぞれの関心領域ROIは、他の要素により識別可能なものになる可能性がある。
【0058】
一部の場合に、物体200の固有の特徴は識別可能なものであるので、工程310を省略することができる。
【0059】
次に、工程320において、物体200の第1部分210の画像を取得する。以上のように、第1〜第5軸方向D1〜D5に沿って第1〜第5画像を取得する。光学パターン140Pが物体200に投影される場合、物体200の第1〜第5画像の取得は、物体200における光学パターン140Pを取得することを含む。
【0060】
その後、工程330では、物体200の第1部分210の第1三次元位置情報及び第2三次元位置情報を取得するために、物体200の第1部分210の第1〜第5画像を分析する。以上のように、所定画像は、第1画像、第4画像又はその他の画像であってよい。物体200の第1部分210の第1三次元位置情報及び第2三次元位置情報は整合性三次元情報に整合され又は整合されなくてもよい。関連する分析方法については、既に以上に記載されたので、ここで省略する。
【0061】
次に、工程340において、物体200の第2部分220の画像を取得し、関心領域ROIを物体200の第2位置Q2に転移する。以上のように、第1〜第5軸方向D1〜D5に沿って第1〜第5画像を取得する。光学パターン140Pが物体200に投影される場合、物体200の第1〜第5画像の取得は、物体200での光学パターン140Pを取得することを含む。
【0062】
その後、工程350に進む。物体200の第2部分220の第1三次元位置情報及び第2三次元位置情報を取得するために、物体200の第2部分220の第1〜第5画像を分析する。以上のように、所定画像は、第1画像、第4画像又はその他の画像であってよい。物体200の第2部分220の第1三次元位置情報及び第2三次元位置情報は整合性三次元情報に整合され又は整合されなくてもよい。関連する分析方法については、既に以上に記載されたので、ここで省略する。
【0063】
この設置により、物体200の第1部分210と第2部分220の三次元情報をそれぞれ生成することができる。2つを超えた三次元情報を計算して取得することができることは理解すべきである。その細部については、既に言及されたので、ここで繰り返して説明しない。物体200の複数の三次元情報は、情報処理コントローラ130の処理及び組み合わせにより物体の整合性三次元情報を形成することができる。
【0064】
まとめて、本発明の例示的な実施形態によれば、第1及び第2三次元位置情報で物体の外観が再建される。第1及び第2三次元位置情報は、2対の画像をそれぞれ計算することによって取得されることができる。この2対の画像は、そのうちの1つ画像を共用することができる。又は、第1及び第2三次元位置情報は、2対の画像によって取得されることがでる。複数の画像は、互いに異なる。この設置により、物体の検出精度を向上させることができる。
【0065】
本発明の実施形態を前記の通りに開示したが、それは、本発明を限定するために用いられるものではなく、当業者なら、本発明の宗旨や範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができ、従って、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0066】
100:三次元検出装置
110:載置台
112:上面
120:画像検知ユニット
121〜125:画像センサー
126:静止画像センサー
127:移動可能な画像センサー
130:情報処理コントローラ
140:プロジェクター
140P:光学パターン
200:物体
300:方法
310〜350:工程
D1:第1軸方向
D2:第2軸方向
D3:第3軸方向
D4:第4軸方向
D5:第5軸方向
P1:第1平面
P2:第2平面
P2’:第2平面
Z1、Z1’、X2〜X5:夾角
210:第1部分
220:第2部分
ROI:関心領域
Q1:第1位置
Q2:第2位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6