特許第6473265号(P6473265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6473265コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6473265
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   G06F13/00 550A
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-162655(P2018-162655)
(22)【出願日】2018年8月31日
【審査請求日】2018年8月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518412081
【氏名又は名称】株式会社バーチャルキャスト
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川上 量生
(72)【発明者】
【氏名】松井 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩城 進之介
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 尚
(72)【発明者】
【氏名】山口 直樹
【審査官】 森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】 特表2018−517444(JP,A)
【文献】 特表2014−529792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報と該キャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記キャラクタ情報及び前記第1の付加情報に基づいて、前記配信者の動きを前記仮想キャラクタの動きとした前記仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信部と、
制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶する記憶部と、
前記情報取得部によって取得される前記第1の付加情報が前記記憶部に記憶されている前記条件情報が示す条件を満たす場合に、前記仮想キャラクタの表示又は使用を制限する制限部と、
を備え
前記制限部は、前記配信者が使用する配信者端末には、前記仮想キャラクタを表示させ、前記配信を視聴する視聴者端末には、前記仮想キャラクタの表示の制限を実行する、
ことを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記条件情報は、公序良俗的な基準と、前記配信者又は前記配信を視聴する視聴者の嗜好基準とのいずれか一つ以上に基づいて設定される情報を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記嗜好基準は、前記仮想空間内で複数の前記配信者が同じ前記仮想キャラクタを使用することを禁止又は制限するための基準を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記制限部は、前記仮想キャラクタの表示を制限する場合において、前記仮想キャラクタに対して変更を加える変更処理を実行する、
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記仮想空間内で前記配信者によって使用されるオブジェクトを示すオブジェクト情報と該オブジェクト情報に付加されている第2の付加情報とをさらに取得し、
前記制限部は、前記情報取得部によって取得される前記第2の付加情報が前記記憶部に記憶されている前記条件情報が示す条件を満たす場合に、前記オブジェクトの表示又は使用を制限する、
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項6】
配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像に基づいてライブコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバと、
前記仮想キャラクタを示すキャラクタ情報と該キャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを提供する仮想キャラクタ提供サーバと、
を備えるコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信サーバは、
前記仮想キャラクタ提供サーバから取得した前記キャラクタ情報及び前記第1の付加情報に基づいて、前記配信者の動きを前記仮想キャラクタの動きとした前記仮想空間内の映像を合成させるための前記ライブコンテンツを配信し、
制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶し、取得した前記第1の付加情報が記憶されている前記条件情報が示す条件を満たす場合に、前記仮想キャラクタの表示又は使用を制限し、
前記配信者が使用する配信者端末には、前記仮想キャラクタを表示させ、前記配信を視聴する視聴者端末には、前記仮想キャラクタの表示の制限を実行する、
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項7】
仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報と該キャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得した前記キャラクタ情報及び前記第1の付加情報に基づいて、前記配信者の動きを前記仮想キャラクタの動きとした前記仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信ステップと、
制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶する記憶ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得される前記第1の付加情報が、記憶されている前記条件情報が示す条件を満たす場合に、前記仮想キャラクタの表示又は使用を制限する制限ステップと、
を含み、
前記制限ステップにおいて、前記配信者が使用する配信者端末には、前記仮想キャラクタを表示させ、前記配信を視聴する視聴者端末には、前記仮想キャラクタの表示の制限を実行する、
ことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項8】
コンピュータを、
仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報と該キャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得手段、
前記情報取得手段が取得した前記キャラクタ情報及び前記第1の付加情報に基づいて、前記配信者の動きを前記仮想キャラクタの動きとした前記仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信手段、
制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶する記憶手段、
前記情報取得手段が取得した前記第1の付加情報が、前記記憶手段に記憶されている前記条件情報が示す条件を満たす場合に、前記仮想キャラクタの表示又は使用を制限する制限手段、
として機能させ
前記制限手段は、前記配信者が使用する配信者端末には、前記仮想キャラクタを表示させ、前記配信を視聴する視聴者端末には、前記仮想キャラクタの表示の制限を実行する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してライブコンテンツを配信するサービスがインターネット生放送として普及している。このようなインターネット生放送において、配信者が仮想空間内で仮想キャラクタ(アバター)として登場し、その映像をライブコンテンツとして配信する技術が提案されている。このようなライブコンテンツでは、モーションキャプチャ技術によって、配信者の動作が仮想キャラクタの動作として合成された映像が配信される。
【0003】
例えば、特許文献1は、HMD(Head Mount Display)を装着した演技者や観客がゲームや映画等に仮想キャラクタとして参加し、それを複数の視点で撮影した映像を多チャンネルで配信するシステムを開示している。また、特許文献1は、配信を視聴する視聴者が、配信に関連するゲーム装置で育成したキャラクタを配信に参加させることについても開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−271693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、インターネット生放送では、複数の配信者が共同してライブコンテンツを作成し、複数の配信者が一緒に映った映像を配信することがある。配信者が仮想空間内で仮想キャラクタとして登場するインターネット生放送においても、このような配信を実現することが求められている。
【0006】
なお、複数の配信者が現実空間において互いに離れた場所にいる場合であっても、ネットワークを介してこのような配信を実現できることが好ましい。例えば、複数の配信者の動作を反映する仮想キャラクタを同じ仮想空間内に参加させることにより、複数の配信者に対応する複数の仮想キャラクタが一緒に映った映像をライブコンテンツとして配信することができる。
【0007】
複数の配信者(配信に参加する視聴者を含む)がネットワークを介して仮想キャラクタとして参加するシステムでは、システムが受け付ける仮想キャラクタに付加情報を設定することが好ましい。これにより、複数の配信者が各自で用意した仮想キャラクタを登場させることを容易にすることができる。
【0008】
複数の配信者が仮想キャラクタを他のサーバから取得して利用する場合、その仮想キャラクタによっては、視聴者の年齢、国籍、宗教上の理由等を考慮して、その表示又は使用を制限する必要がある。例えば、裸の閲覧は年齢制限が必要である。また、規制がなければ、配信者が参加してほしくない仮想キャラクタが使用される虞がある。配信者による配信に不特定多数の参加者(例えば、他の配信者又は視聴者)が仮想キャラクタとして参加する場合に、それらの参加者の少なくとも一人が規制対象の仮想キャラクタを使用すると、配信者の意図に反して配信自体が規制又は禁止にされる虞がある。
【0009】
そのため、配信で使用される仮想キャラクタの数が多い場合や不特定の参加者が仮想キャラクタを使用して参加する場合であっても、一律に規制をかけて仮想キャラクタの情報をフィルタリングできることが好ましい。この点、仮想キャラクタに付加情報を設定すれば、配信に使用することが好ましくない仮想キャラクタについて、その使用又は表示に規制をかけることを容易にすることができる。
【0010】
特許文献1には、視聴者がゲームで使用していたキャラクタをそのまま配信に登場させることについて開示されているのみであり、配信者の動作を反映する仮想キャラクタに付加情報を設定することについては開示されていない。
【0011】
そこで、本開示はこのような事情に鑑み、仮想キャラクタに設定される付加情報に応じてライブコンテンツを配信することが可能なコンテンツ配信サーバ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係るコンテンツ配信サーバは、仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報とキャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得部と、情報取得部が取得したキャラクタ情報及び第1の付加情報に基づいて、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとした仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信部と、制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶する記憶部と、情報取得部によって取得される第1の付加情報が記憶部に記憶されている条件情報が示す条件を満たす場合に、仮想キャラクタの表示又は使用を制限する制限部と、を備え、制限部は、配信者が使用する配信者端末には、仮想キャラクタを表示させ、配信を視聴する視聴者端末には、仮想キャラクタの表示の制限を実行する、を特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本開示の第2の観点に係るコンテンツ配信システムは、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像に基づいてライブコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバと、仮想キャラクタを示すキャラクタ情報とキャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを提供する仮想キャラクタ提供サーバと、を備えるコンテンツ配信システムであって、コンテンツ配信サーバは、仮想キャラクタ提供サーバから取得したキャラクタ情報及び第1の付加情報に基づいて、配信者の動きを前記仮想キャラクタの動きとした仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信し、制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶し、取得した第1の付加情報が記憶されている条件情報が示す条件を満たす場合に、仮想キャラクタの表示又は使用を制限し、配信者が使用する配信者端末には、仮想キャラクタを表示させ、配信を視聴する視聴者端末には、仮想キャラクタの表示の制限を実行する、ことを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本開示の第3の観点に係るコンテンツ配信方法は、仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報とキャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得ステップと、情報取得ステップにおいて取得したキャラクタ情報及び第1の付加情報に基づいて、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとした仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信ステップと、制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶する記憶ステップと、情報取得ステップにおいて取得される第1の付加情報が、記憶されている条件情報が示す条件を満たす場合に、仮想キャラクタの表示又は使用を制限する制限ステップと、を含み、制限ステップにおいて、配信者が使用する配信者端末には、仮想キャラクタを表示させ、配信を視聴する視聴者端末には、仮想キャラクタの表示の制限を実行する、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本開示の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータを、仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報と該キャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得手段、情報取得手段が取得したキャラクタ情報及び第1の付加情報に基づいて、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとした仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信手段、制限対象となる条件として設定される条件情報を記憶する記憶手段、情報取得手段が取得した第1の付加情報が、記憶手段に記憶されている条件情報が示す条件を満たす場合に、仮想キャラクタの表示又は使用を制限する制限手段、として機能させ、制限手段は、配信者が使用する配信者端末には、仮想キャラクタを表示させ、配信を視聴する視聴者端末には、仮想キャラクタの表示の制限を実行する
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、仮想キャラクタに設定される付加情報に応じてライブコンテンツを配信することが可能なコンテンツ配信サーバ等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るコンテンツ配信サーバの構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る配信者端末の構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る視聴者端末の構成例を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る仮想キャラクタ提供サーバの構成例を示すブロック図である。
図6】実施形態に係る仮想キャラクタ提供サーバが提供する情報の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る配信者端末に表示される仮想空間の映像の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る視聴者端末に表示される配信画面の第1の例を示す図である。
図9】実施形態に係る視聴者端末に表示される配信画面の第2の例を示す図である。
図10】実施形態に係るコンテンツ配信サーバの制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0019】
(実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ配信システム1は、コンテンツ配信サーバ100と、一台以上の配信者端末200と、一台以上の視聴者端末300と、仮想キャラクタ提供サーバ400とを備える。コンテンツ配信サーバ100と、一台以上の配信者端末200と、一台以上の視聴者端末300と、仮想キャラクタ提供サーバ400とは、それぞれネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えばWAN(World Area Network)である。
【0020】
コンテンツ配信サーバ100は、ネットワークNWを介して配信サービスを提供する。コンテンツ配信サーバ100は、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像に基づいてライブコンテンツを視聴者端末300に配信する。
【0021】
仮想空間の映像には、仮想キャラクタだけでなく、背景、仮想的な物体を示すオブジェクト等も含まれる。仮想空間は、基本的には、CG(Computer Graphics)によって生成される3次元空間である。なお、仮想空間は、2次元空間であってもよい。なお、配信者には、配信の管理をする配信者である配信主と、配信に参加する配信者である他の配信者とが含まれる。他の配信者は、参加を希望する視聴者であってもよいし、他の配信を行っている配信者であってもよい。
【0022】
配信者端末200は、ライブコンテンツを配信する配信者によって使用される。配信者端末200は、HMDを備える通信端末であり、通信機能及びモーションキャプチャ機能を有する。配信者端末200は、モーションキャプチャ機能により、配信者の動き(ジェスチャ)や視線をモーション情報として取得する。モーション情報は、配信者に対応付けられた仮想キャラクタの動きと仮想空間内の映像における視点(すなわちレンダリング)に反映される。なお、モーション情報には、配信者の表情を示すデータが含まれていてもよい。
【0023】
視聴者端末300は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の通信機能を有する装置である。視聴者端末300は、ライブコンテンツを視聴する視聴者によって使用される。
【0024】
仮想キャラクタ提供サーバ400は、仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報とそのキャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを提供する。また、仮想キャラクタ提供サーバ400は、仮想空間内で配信者によって使用されるオブジェクトを示すオブジェクト情報とそのオブジェクト情報に付加されている第2の付加情報とを提供する。
【0025】
配信者は、配信において、仮想キャラクタ提供サーバ400から取得した仮想キャラクタ及びオブジェクトを使用する。なお、本実施形態では、仮想キャラクタ提供サーバ400は、仮想キャラクタとオブジェクトの両方を提供する構成であるが、仮想キャラクタとオブジェクトのいずれか一方のみを提供する構成であってもよい。
【0026】
<コンテンツ配信サーバの構成>
以下、コンテンツ配信サーバ100の構成を詳細に説明する。図2に示すように、コンテンツ配信サーバ100は、他の装置と通信を行う通信部110と、各種データを記憶する記憶部120と、時刻を計時する計時部130と、装置全体の制御を行う制御部140とを備える。これらの構成要素は、バスラインBLによって相互に接続される。
【0027】
通信部110は、有線通信又は無線通信を行うためのNIC(Network Interface Card controller)を備える通信インターフェースである。通信部110は、ネットワークNWを介して、配信者端末200及び視聴者端末300と通信を行う。
【0028】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。記憶部120は、各種制御処理を実行するためのプログラム、各種データ等を記憶する。例えば、記憶部120は、条件情報を記憶する。条件情報は、仮想キャラクタやオブジェクトの使用又は表示が制限対象となる条件として設定される情報である。
【0029】
計時部130は、クロック信号を生成するための発振回路及び可変PLL(Phase Locked Loop)、クロック信号のパルス数をカウントするカウンタ回路等から構成される。計時部130はカウントされるパルス数に基づいて時刻を計時する。
【0030】
制御部140は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部140は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、コンテンツ配信サーバ100の全体の動作を制御する。制御部140は、計時部130がカウントするパルス数に基づいたタイミングで各種制御を実行する。また、制御部140は、計時部130が計時する時刻に基づいて、ライブコンテンツの開始時点からの経過時間をカウントしたり、予め定められた時間(例えば配信予定時間)を経過したか否かを判別したりする。
【0031】
以下、制御部140の機能的な構成を説明する。制御部140は、情報取得部141、映像生成部142、配信部143、制限部144、指示受付部145として機能する。
【0032】
情報取得部141は、通信部110を介して、配信者端末200から配信者が使用する仮想キャラクタに関する情報と配信者の動きや視線を示すモーション情報とを取得する。仮想キャラクタに関する情報は、仮想キャラクタを示す情報及び第1の付加情報を含む。
【0033】
情報取得部141は、通信部110を介して、配信者端末200から配信者が使用するオブジェクトを示すオブジェクト情報及び第2の付加情報を取得する。情報取得部141は、通信部110を介して配信者端末200から音声情報を取得する。
【0034】
なお、情報取得部141は、仮想キャラクタを示す情報、第1の付加情報、オブジェクト情報及び第2の付加情報を、配信者による指示に応じて仮想キャラクタ提供サーバ400から直接的に取得してもよい。すなわち、情報取得部141は、これらの情報を配信者端末200から取得する構成に限られない。
【0035】
映像生成部142は、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像を生成する。複数の配信者がいる場合、それぞれの仮想キャラクタを含む映像を生成する。合成は、例えば、予め定められた仮想空間内の映像を背景として、そこにあたかも仮想キャラクタが存在するように映像を生成し、さらに、その仮想キャラクタにその仮想キャラクタを使用する配信者又は参加者の動きが反映されるように映像を生成することによって実現される。
【0036】
配信部143は、映像生成部142が生成した映像に基づいてライブコンテンツを配信する。生成した映像に基づくライブコンテンツとは、生成した映像データに対して各々の視点でレンダリングした映像を示す情報である。具体的には、ライブコンテンツは、生成した映像を配信者の仮想キャラクタの視点で見た場合の映像と、生成した映像を配信用の仮想カメラの視点で見た場合の映像(配信画面)とを示す情報を含む。
【0037】
配信部143によって配信されるライブコンテンツは、映像を示す情報だけでなく、音声情報をも含む。配信部143は、情報取得部141が取得した音声情報と、予め記憶部120に記憶され、演出に使用される音声情報とを、ライブコンテンツとして配信する。
【0038】
制限部144は、情報取得部141が取得した第1の付加情報が記憶部120に記憶されている条件情報が示す条件を満たす場合に、その仮想キャラクタの表示又は使用を制限する。また、制限部144は、情報取得部141が取得した第2の付加情報が記憶部120に記憶されている条件情報が示す条件を満たす場合に、そのオブジェクトの表示又は使用を制限する。使用の制限は、例えば、それらの使用の禁止、それらを使用した配信の禁止、それらを使用した配信の視聴の禁止のいずれかの制限である。
【0039】
制限部144は、仮想キャラクタ又はオブジェクトの表示を制限する場合において、仮想キャラクタ又はオブジェクトに対して変更を加える変更処理を実行してもよい。例えば、仮想キャラクタ又はオブジェクトに対する変更処理は、仮想キャラクタ又はオブジェクトにモザイクをかけて仮想キャラクタを表示させる処理である。仮想キャラクタに対する変更処理は、仮想キャラクタの服装を変更して表示させる処理であってもよい。仮想キャラクタ又はオブジェクトに対する変更処理は、仮想キャラクタ又はオブジェクトを他の仮想キャラクタ又はオブジェクトに変更して表示させる処理であってもよい。なお、本実施形態に係る変更処理は、コンテンツ配信サーバ100における配信制限によって実行される。しかし、変更処理は、配信制限ではなく、視聴者端末300における閲覧制限によって実行されてもよい。
【0040】
指示受付部145は、情報取得部141が取得した第1の付加情報に基づいて、通信部110を介して、配信者端末200に通知し、配信者端末200から仮想キャラクタ又はオブジェクトの表示又は使用を許可又は拒否する指示を受け付ける。なお、指示受付部145は、コンテンツ配信サーバ100の管理者に通知して、仮想キャラクタ又はオブジェクトの表示又は使用を、許可又は拒否する指示を受け付けてもよい。
【0041】
ここで、本開示において使用される用語と、制限部144による制限方法とについて説明する。まず、第1の付加情報と第2の付加情報は、仮想キャラクタとオブジェクトが制限される対象であるか否かを判別する場合に使用される情報である。
【0042】
第1の付加情報には、例えば、仮想キャラクタの属性を示す属性情報と、仮想キャラクタが使用可能なものであることを証明するための情報である証明情報とのいずれか一つ以上の情報が含まれる。第2の付加情報には、例えば、オブジェクトの属性を示す属性情報と、オブジェクトが使用可能なものであることを証明するための情報である証明情報とのいずれか一つ以上の情報が含まれる。
【0043】
属性情報は、例えば、性的な内容、宗教的な内容、動物等の仮想キャラクタの属性を示す情報である。証明情報は、例えば、コンテンツ配信サーバ100の仕様と合致すること、公的に使用が認められていること、属性情報が正規に付与されていること、配信者又はコンテンツ配信サーバ100の管理者がチェックしたものであること、配信者又はコンテンツ配信サーバ100の管理者が使用を認めているものであること、著作権の帰属等を示す情報である。
【0044】
記憶部120が記憶する条件情報は、制限部144が第1の付加情報又は第2の付加情報に好ましくない情報が含まれているか否かを判別する場合に使用される。すなわち、制限部144は、条件情報に基づいて仮想キャラクタやオブジェクトのフィルタリングを行うことにより、好ましくない仮想キャラクタやオブジェクトの使用を制限する。条件情報は、例えば、公序良俗的な基準に基づいて設定される情報と、配信者又は視聴者の嗜好基準に基づいて設定される情報(嗜好基準情報)と、第1の付加情報又は第2の付加情報に証明情報が含まれていることが必要な仮想キャラクタやオブジェクトを示す情報を含む。
【0045】
公序良俗的な基準は、例えば、法律、年齢、国籍、宗教等の制限を考慮して定められる基準である。これにより、公序良俗に反する仮想キャラクタ及びオブジェクトの使用又は表示を制限することができる。例えば、露出が高い女性又は男性を示す仮想キャラクタの使用又は表示は、視聴者が子供である場合に不適切となり得るため、公序良俗的な基準に基づいて、その仮想キャラクタの使用又は表示が制限される。なお、条件情報のうち、公序良俗的な基準に基づいて設定される情報は、例えば、コンテンツ配信サーバ100の管理者によって設定される。
【0046】
嗜好基準は、配信者又は視聴者の嗜好に基づく基準である。嗜好基準は、配信者又は視聴者によって異なる基準であってもよく、配信者毎又は視聴者毎に設定されてもよい。条件情報のうち、嗜好基準に基づいて設定される情報は、例えば、配信者端末200や視聴者端末300から取得した嗜好基準情報に基づいて設定される。嗜好基準は、配信上のルールを決める配信主である配信者のみによって設定されてもよい。
【0047】
制限部144は、第1の付加情報又は第2の付加情報が条件情報が示す条件を満たす場合、配信者端末200には、その仮想キャラクタ又はオブジェクトを表示させ、視聴者端末300には、その仮想キャラクタ又はオブジェクトの表示の制限を実行してもよい。例えば、配信者が昆虫を嫌う場合において、視聴者が昆虫を好む場合、それぞれ異なる基準となる。このような場合、嗜好基準は、配信者端末200には昆虫の仮想キャラクタ又は昆虫のオブジェクトを表示せず、視聴者端末300には、それらを表示させるように使用される。また、視聴者が好きなアイドルであっても、配信者は嫌いなアイドルという場合がある。このような場合においても、それぞれの嗜好基準が表示の制限に適用されてもよい。また、制限部144は、第1の付加情報又は第2の付加情報から類推して、その仮想キャラクタ又はオブジェクトの表示に制限をかけるNG条件を設定してもよい。
【0048】
なお、嗜好基準は、このような単なる好みに限られない。例えば、嗜好基準は、仮想空間内で複数の配信者が同じ仮想キャラクタを使用することを禁止又は制限するための基準を含んでいてもよい。これにより、視聴者が複数の配信者を区別できない配信状況を防止することができる。嗜好基準は、仮想キャラクタやオブジェクトの人気度に基づく基準であってもよい。これにより、配信に人気度の高い仮想キャラクタが用いられるようにすることが可能となる。
【0049】
<配信者端末の構成>
以下、配信者端末200の構成を詳細に説明する。図3に示すように、配信者端末200は、他の装置と通信を行う通信部210と、ユーザの操作を受け付ける操作部220と、各種データを記憶する記憶部230と、各種画像を表示する表示部240と、音声入力を受け付ける音声入力部250と、モーション情報を入力するための動作入力部260と、各種音声を出力する音声出力部270と、装置全体の制御を行う制御部280とを備える。これらの構成要素は、バスラインBLによって相互に接続される。
【0050】
通信部210は、有線通信又は無線通信を行うためのNICを備える通信インターフェースである。通信部210は、ネットワークNWを介して、コンテンツ配信サーバ100と通信を行う。
【0051】
操作部220は、操作ボタン、キーボード、ポインティングデバイス等から構成され、ユーザが指示を入力するために用いられるインターフェースである。
【0052】
記憶部230は、RAM、ROM等から構成される。記憶部230は、各種制御処理を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶する。
【0053】
表示部240は、例えば、LCD、ELディスプレイ等によって構成される。表示部240は、制御部280からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示する。
【0054】
音声入力部250は、マイクロフォン等から構成される。音声入力部250は外部から入力された音声を受け付けて音声情報を取得する。
【0055】
動作入力部260は、ユーザの入力操作を受け付けて、ユーザのモーション情報として取得する。動作入力部260は、例えば、モーションキャプチャ技術によってモーション情報を取得するためのカメラ、センサ等を備える。モーション情報は、例えば、ユーザの視線、動き(ジェスチャ)を検知するセンサによって検知される。また、モーション情報は、仮想キャラクタの表情や所定の演出動作等を表現するためのボタン操作によって取得されてもよい。
【0056】
なお、ユーザのモーション情報を仮想キャラクタの動作、視線等に変換する処理は、配信者端末200において実行されてもよいし、コンテンツ配信サーバ100において実行されてもよいし、コンテンツ配信サーバ100及び配信者端末200の協働によって実行されてもよい。
【0057】
音声出力部270は、例えば、スピーカー、増幅器等によって構成される。音声出力部270は、制御部280からの入力データに応じて音声を出力する。
【0058】
制御部280は、CPU等から構成される。制御部280は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、配信者端末200の全体の動作を制御する。
【0059】
以下、制御部280の機能的な構成を説明する。制御部280は、コンテンツ取得部281、表示制御部282、音声出力制御部283、嗜好基準情報送信部284、キャラクタ情報送信部285、入力情報送信部286として機能する。
【0060】
コンテンツ取得部281は、通信部210を介してコンテンツ配信サーバ100からライブコンテンツを示すデータを取得する。表示制御部282は、コンテンツ取得部281が取得したライブコンテンツを示すデータに基づいて、表示部240に仮想空間内の映像を表示させる。音声出力制御部283は、コンテンツ取得部281が取得したライブコンテンツを示すデータに基づいて音声出力部270に音声を出力させる。
【0061】
嗜好基準情報送信部284は、操作部220を介してユーザによって設定される嗜好基準を示す情報を、通信部210を介してコンテンツ配信サーバ100に送信する。この情報は、記憶部120に記憶される条件情報に反映される。
【0062】
キャラクタ情報送信部285は、ユーザが使用する仮想キャラクタのキャラクタ情報及び第1の付加情報と、ユーザが使用するオブジェクトのオブジェクト情報及び第2の付加情報とを、通信部210を介してコンテンツ配信サーバ100に送信する。なお、これらの情報は、仮想キャラクタ提供サーバ400からユーザがダウンロードすることによって取得され、記憶部230に記憶される情報である。
【0063】
入力情報送信部286は、音声入力部250において取得した音声情報と動作入力部260において取得したモーション情報とをコンテンツ配信サーバ100に送信する。なお、入力情報送信部286は、仮想キャラクタにモーション情報を反映させた後の情報をコンテンツ配信サーバ100に送信してもよい。
【0064】
<視聴者端末の構成>
以下、視聴者端末300の構成を詳細に説明する。図4に示すように、視聴者端末300は、他の装置と通信を行う通信部310と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部320と、各種データを記憶する記憶部330と、各種画像を表示する表示部340と、音声を出力する音声出力部350と、装置全体の制御を行う制御部360とを備える。これらの構成要素は、バスラインBLによって相互に接続される。
【0065】
通信部310は、有線通信又は無線通信を行うためのNICを備える通信インターフェースである。通信部310は、ネットワークNWを介して、コンテンツ配信サーバ100と通信を行う。
【0066】
操作部320は、操作ボタン、キーボード、ポインティングデバイス等から構成され、ユーザが指示を入力するために用いられるインターフェースである。
【0067】
記憶部330は、RAM、ROM等から構成される。記憶部330は、各種制御処理を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶する。
【0068】
表示部340は、例えば、LCD、ELディスプレイ等によって構成される。表示部340は、制御部360からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示する。
【0069】
音声出力部350は、スピーカー、アンプ等から構成される。音声出力部350は制御部360からの入力データに応じて音声を出力する。
【0070】
制御部360は、CPU等から構成される。制御部360は、記憶部330に記憶されているプログラムを実行することにより、視聴者端末300の全体の動作を制御する。
【0071】
以下、制御部360の機能的な構成を説明する。制御部360は、コンテンツ取得部361、表示制御部362、音声出力制御部363、嗜好基準情報送信部364として機能する。
【0072】
コンテンツ取得部361は、通信部310を介してコンテンツ配信サーバ100からライブコンテンツを示すデータを取得する。表示制御部362は、コンテンツ取得部361が取得したライブコンテンツを示すデータに基づいて、表示部340に仮想空間内の映像を表示させる。音声出力制御部363は、コンテンツ取得部361が取得したライブコンテンツを示すデータに基づいて音声出力部350に音声を出力させる。
【0073】
嗜好基準情報送信部364は、操作部320を介してユーザによって設定される嗜好基準を示す情報を、通信部310を介してコンテンツ配信サーバ100に送信する。この情報は、記憶部120に記憶される条件情報に反映される。
【0074】
<仮想キャラクタ提供サーバの構成>
以下、仮想キャラクタ提供サーバ400の構成を詳細に説明する。図5に示すように、仮想キャラクタ提供サーバ400は、他の装置と通信を行う通信部410と、各種データを記憶する記憶部420と、時刻を計時する計時部430と、装置全体の制御を行う制御部440とを備える。これらの構成要素は、バスラインBLによって相互に接続される。
【0075】
通信部410は、有線通信又は無線通信を行うためのNICを備える通信インターフェースである。通信部410は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末と通信を行う。ユーザ端末は、例えば、仮想キャラクタ等の情報を取得する配信者端末200や仮想キャラクタ等の情報を投稿する投稿者によって使用される投稿者端末(不図示)である。
【0076】
記憶部420は、RAM、ROM等から構成される。記憶部420は、各種制御処理を実行するためのプログラム、各種データ等を記憶する。例えば、記憶部420は、投稿者によって投稿された仮想キャラクタやオブジェクト等に関する情報を記憶する。
【0077】
また、記憶部420は、受付条件情報を記憶する。受付条件情報は、受付制限対象となる条件として設定される情報である。受付条件情報は、投稿を受け付けるか否かを判別する場合に使用される。また、記憶部420は、ユーザ端末を使用するユーザ(仮想キャラクタ等を使用する配信者)の情報を記憶する。また、記憶部420は、提供条件情報を記憶する。提供条件情報は、提供制限対象となる条件として設定される情報である。提供条件情報は、ユーザの情報と対比した場合に、提供を制限するか否かを判別する場合に使用される。ユーザの情報は、例えば、ユーザ端末を使用するユーザ(仮想キャラクタ等を使用する配信者)の年齢、国籍、宗教等を示す情報である。
【0078】
計時部430は、クロック信号を生成するための発振回路及び可変PLL、クロック信号のパルス数をカウントするカウンタ回路等から構成される。計時部430はカウントされるパルス数に基づいて時刻を計時する。
【0079】
制御部440は、CPU等から構成される。制御部440は、記憶部420に記憶されているプログラムを実行することにより、仮想キャラクタ提供サーバ400の全体の動作を制御する。制御部440は、計時部430がカウントするパルス数に基づいたタイミングで各種制御を実行する。また、制御部440は、計時部430が計時する時刻に基づいて、予め定められた時間(例えば、配信期間や利用可能期間)を経過したか否かを判別する。
【0080】
以下、制御部440の機能的な構成を説明する。制御部440は、情報提供部441、投稿受付部442、提供制御部443、ユーザ情報取得部444として機能する。
【0081】
情報提供部441は、通信部410を介して、配信者端末200にキャラクタ情報、第1の付加情報、オブジェクト情報、及び第2の付加情報等を提供する。投稿受付部442は、通信部410を介して、投稿者端末から、キャラクタ情報、第1の付加情報、オブジェクト情報、及び第2の付加情報等の投稿を受け付ける。
【0082】
情報提供部441は、キャラクタ情報やオブジェクト情報のダウンロードを希望するユーザの情報が記憶部420に記憶されている提供条件情報が示す条件を満たす場合に、それらの情報の提供を制限する。すなわち、情報提供部441は、提供条件情報に基づいて、仮想キャラクタやオブジェクトの提供先のフィルタリングを行うことにより、好ましくないユーザへの情報の提供を制限する。情報提供部441は、キャラクタ情報と共にと仮想キャラクタ提供サーバ400のサイト証明をセットで提供してもよい。このサイト証明の情報は、ユーザによってダウンロードされ、配信で使用される場合に、制限の判断材料にされてもよい。
【0083】
投稿受付部442は、投稿されたキャラクタ情報やオブジェクト情報が記憶部420に記憶されている受付条件情報が示す条件を満たす場合に、それらの投稿を拒否する。
【0084】
提供制御部443は、配信期間ではないキャラクタ情報やオブジェクト情報については情報提供部441が提供しないように制御する。また、提供制御部443は、配信期間や利用可能期間をキャラクタ情報やオブジェクト情報をダウンロードしようとしているユーザ端末に通知する。
【0085】
ユーザ情報取得部444は、ユーザ端末を使用してキャラクタ情報やオブジェクト情報をダウンロードしようとしているユーザの情報を取得する。
【0086】
図6は、仮想キャラクタ提供サーバ400が提供する情報の一例を示している。仮想キャラクタ提供サーバ400が提供する情報は、キャラクタ情報やオブジェクト情報を投稿した投稿者を示す投稿者IDと、投稿された情報に固有に付与される情報IDと、キャラクタ情報とオブジェクト情報のいずれかの情報であることを示す情報種別と、配信期間に応じた配信状態と、提供される情報のサイズ(情報量)と、第1の付加情報又は第2の付加情報と関連する備考と、キャラクタ情報やオブジェクト情報のダウンロードサービスを提供するURLとを含む。これらの情報は、互いに関連付けられて記憶部420に記憶される。
【0087】
備考は、ユーザが配信に使用する場合に制限を受ける可能性を示唆する情報である。例えば、備考には、キャラクタ情報やオブジェクト情報の属性情報や証明情報が示される。例えば、性的表現あり、国籍の制限あり、宗教的な内容、タバコ等の表示又は使用の制限を受ける可能性があることが示される。また、特に制限を受ける可能性がない場合には、制限なしを示す情報が示される。
【0088】
<映像と配信画面の具体例>
以下、配信されるライブコンテンツを示す情報に基づいて表示される映像と配信画面の具体例を説明する。また、表示の制限方法の具体例を説明する。
【0089】
図7は、配信者端末200に表示される仮想空間の映像の一例を示している。配信者端末200に表示される仮想空間の映像では、他の配信者の仮想キャラクタ10と、テーブルを示すオブジェクト30が表示される。しかし、仮想キャラクタ10は、服を着ていない。この例では、配信者端末200には表示されるが、配信上では表示の制限が課される。
【0090】
例えば、図8に示す視聴者端末300に表示される配信画面の第1の例では、領域A1に示すように、仮想キャラクタ10は変更処理によって服20を着た状態で表示される。
【0091】
図9は、視聴者端末300に表示される配信画面の例を示し、図7及び図8に示す例とは異なる例を示している。この例では、配信者の仮想キャラクタ50が表示されている。しかし、オブジェクト40は、表示の制限が課されている。そのため、オブジェクト40には、モザイク60が重畳されている。オブジェクト40は、例えば、未成年者が視聴することが好ましくないタバコや国籍によって使用が制限される国家元首の肖像画等を示すオブジェクトである。
【0092】
<処理の流れ>
以下、図10を参照しながら、コンテンツ配信サーバ100が実行する制御処理の一例を説明する。この処理は、配信者端末200がコンテンツ配信サーバ100にログインして、ライブコンテンツの配信準備を開始したことを契機に実行される。
【0093】
まず、制御部140の情報取得部141は、通信部110を介して配信者端末200から各種情報を取得する(ステップS101)。各種情報は、例えば、キャラクタ情報、第1の付加情報、オブジェクト情報、第2の付加情報等の配信者が配信に使用する情報である。
【0094】
制御部140の制限部144は、記憶部120に記憶されている条件情報を参照し、情報取得部141が取得した第1の付加情報又は第2の付加情報と対比する(ステップS102)。ここで、制御部140の制限部144は、第1の付加情報又は第2の付加情報が条件情報が示す条件を満たすか否かを判別する(ステップS103)。
【0095】
制御部140の制限部144は、第1の付加情報又は第2の付加情報が条件情報が示す条件を満たすと判別した場合(ステップS103;Y)、その仮想キャラクタ又はオブジェクトの表示又は使用を制限する(ステップS104)。
【0096】
一方、制御部140の制限部144は、第1の付加情報又は第2の付加情報が条件情報が示す条件を満たさないと判別した場合(ステップS103;N)、ステップS104を実行せずに次のステップS105に進む。
【0097】
次に、制御部140の配信部143は、配信者端末200に合成した映像を表示させる(ステップS105)。具体的には、制御部140の情報取得部141は、通信部110を介して、配信者端末200からモーション情報を取得する。制御部140の映像生成部142は、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像を生成する。制御部140の配信部143は、通信部110を介して配信者端末200に合成した仮想空間内の映像を示す情報を送信する。なお、複数の配信者がそれぞれ配信者端末200を使用して配信を行う場合、複数の配信者のそれぞれが使用する仮想キャラクタの視点の映像を示す情報が配信される。
【0098】
また、制御部140の配信部143は、合成した仮想空間内の映像に基づいてライブコンテンツを視聴者端末300に配信する(ステップS106)。このライブコンテンツは、仮想カメラの視点の映像を示す情報である。また、表示の制限がされている場合、制御部140の配信部143は、変更処理をした映像を視聴者端末300に表示させる。
【0099】
<効果の説明>
本実施形態に係るコンテンツ配信システム1において、コンテンツ配信サーバ100は、キャラクタ情報と第1の付加情報とを取得する。コンテンツ配信サーバ100は、キャラクタ情報と第1の付加情報に基づいて仮想空間内の映像を生成し、その映像に基づいてライブコンテンツを配信する。すなわち、コンテンツ配信サーバ100は、仮想キャラクタに設定される付加情報に応じてライブコンテンツを配信することができる。
【0100】
この場合、複数の配信者が現実空間において互いに離れた場所にいる場合であっても、複数の配信者に対応する複数の仮想キャラクタが一緒に映った映像をライブコンテンツとして配信することができる。例えば、複数の配信者が各々異なる配信を行っている場合であっても、一方の配信者が他方の配信者の配信を行っているコンテンツ配信サーバ100にキャラクタ情報と第1の付加情報を送信することにより、その配信に参加することができる。このように、複数の配信者が各自で用意した仮想キャラクタを登場させることを容易にすることができる。また、第1の付加情報に基づいて、配信に使用することが好ましくない仮想キャラクタについて、その使用又は表示に規制をかけることができる。
【0101】
また、コンテンツ配信サーバ100は、仮想キャラクタ提供サーバ400から取得されるオブジェクト情報と第2の付加情報とを取得する。コンテンツ配信サーバ100は、オブジェクト情報と第2の付加情報に基づいて仮想空間内の映像を生成し、その映像に基づいてライブコンテンツを配信する。すなわち、コンテンツ配信サーバ100は、オブジェクトに設定される付加情報に応じてライブコンテンツを配信することができる。
【0102】
この場合、複数の配信者が現実空間において互いに離れた場所にいる場合や複数の配信者が各々異なる配信を行っている場合であっても、一方の配信者が他方の配信者の配信を行っているコンテンツ配信サーバ100にオブジェクト情報と第2の付加情報を送信することにより、その配信にオブジェクトを持ち込むことができる。このように、複数の配信者が各自で用意したオブジェクトを登場させることを容易にすることができる。また、第2の付加情報に基づいて、配信に使用することが好ましくないオブジェクトについて、その使用又は表示に規制をかけることができる。
【0103】
以上で実施形態の説明を終了するが、上記実施形態は一例に過ぎない。そのため、コンテンツ配信システム1の具体的な構成、処理の内容等は上記実施形態で説明したものに限られない。以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0104】
(変形例)
上記実施形態に係るコンテンツ配信システム1では、配信者端末200と視聴者端末300とを異なる構成とし、それぞれを区別可能にしている。しかし、これらの各装置の構成要素を組み合わせて、その装置を配信者端末200及び視聴者端末300として機能する構成としてもよい。
【0105】
図10に示す一例では、条件情報に基づいて、配信に使用することが好ましくない仮想キャラクタやオブジェクトの使用又は表示に規制をかけている。しかし、条件情報ではなく、配信者の判断によって規制をかけるか否かが決定されてもよい。例えば、コンテンツ配信サーバ100の指示受付部145が配信者端末200から表示又は使用を許可又は拒否する指示を受け付けて、その指示を使用又は表示に規制をするか否かの判別において優先適用してもよい。
【0106】
仮想キャラクタやオブジェクトの使用又は表示の制限事項(規制の対象や規制の方法)の設定は、任意のタイミングで行われてもよい。例えば、これらの設定は、配信番組の途中で動的に変更されてもよいし、配信前に設定されてもよい。また、表示に関する制限事項(規制の対象や規制の方法)の設定は個々のユーザ毎にされてもよい。例えば、配信を視聴している視聴者の近くに子供がいる場合に、その視聴者が年齢制限の仮想キャラクタ等の表示に制限を設定することも可能である。視聴者は、属性情報とキャラクタ情報の整合性に基づいてこのような設定をすることも可能である。ただし、通常は、ユーザではなく、コンテンツ配信システム1のいずれかの装置が自動的に制限の対象となる仮想キャラクタ又はオブジェクトか否かを判別し、判別結果に応じて一律に規制がかけられる。
【0107】
上記実施形態に係るコンテンツ配信システム1では、コンテンツ配信サーバ100の映像生成部142が、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像を生成している。しかし、コンテンツ配信サーバ100は、映像生成部142を備えていない構成であってもよい。
【0108】
例えば、配信者端末200がこのような映像生成を実行し、その映像データをコンテンツ配信サーバ100に送信し、コンテンツ配信サーバ100が配信者端末200から取得した映像データに基づくライブコンテンツを配信してもよい。また、映像生成部142が行う処理と実質的に同一の処理が、コンテンツ配信サーバ100と配信者端末200が協働することによって実行されてもよい。このような構成によれば、コンテンツ配信サーバ100で仮想空間内の映像を生成する場合に比べて、コンテンツ配信サーバ100の処理負担を軽減することができる。
【0109】
配信者端末200が映像生成を実行する構成で配信を行う場合、配信に参加する参加者の端末(例えば、配信者が使用する配信者端末200又は配信に参加する視聴者が使用する視聴者端末300)は、その参加者のモーション情報とキャラクタ情報を取得して、参加者の動きを仮想キャラクタに反映した映像を生成し、それをコンテンツ配信サーバ100に送信する。コンテンツ配信サーバ100は、その映像データを参加先の配信の配信主が使用する配信者端末200に送信する。配信主が使用する配信者端末200は、配信主である配信者のモーション情報とキャラクタ情報を取得して、仮想空間内の映像を生成し、それにコンテンツ配信サーバ100から取得した参加者の映像データを加えて両者の映像を合成する。
【0110】
これにより、参加者と配信主が一緒に映った映像データが生成される。配信主の配信者端末200は、その合成された映像データをコンテンツ配信サーバ100に送信し、コンテンツ配信サーバは、その映像データに基づくライブコンテンツを配信する。
【0111】
また、参加者の端末では映像を生成せずに、参加者の端末が参加者のキャラクタ情報、モーション情報及び付加情報等をコンテンツ配信サーバ100に送信して、コンテンツ配信サーバ100がそれらの情報を配信主が使用する配信者端末200に送信し、その配信者端末200で参加者のモーション情報等と配信主のモーション情報等との両方を一つの仮想空間内に反映させて映像を生成してもよい。これにより、参加者と配信主が一緒に映った映像データが生成され、コンテンツ配信サーバは、その映像データに基づくライブコンテンツを配信することができる。
【0112】
なお、配信者端末200が映像生成を実行する場合であっても、配信者端末200は、生成した映像データを送信する時に、第1の付加情報や第2の付加情報も送信するため、コンテンツ配信サーバ100がそれらの付加情報を識別して、仮想キャラクタやオブジェクトの表示又は使用に制限をかけることができる。
【0113】
このように、コンテンツ配信サーバ100は、必ずしも、自装置で仮想空間内の映像を生成する映像生成部142を備えている必要はなく、配信者(又は参加者)の動きを仮想キャラクタの動きとして合成した仮想空間内の映像を取得して、その映像に応じたライブコンテンツを配信すればよい。
【0114】
コンテンツ配信サーバ100は、映像データそのものをライブコンテンツとして配信しなくてもよい。例えば、コンテンツ配信サーバ100の配信部143は、配信者の情報を仮想キャラクタの情報とした仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信してもよい。この場合、合成に必要な情報が配信され、それを受信した視聴者端末300や配信者端末200等が、それぞれ第1の付加情報や第2の付加情報に基づいて映像を合成(レンダリング)して、その映像を表示させる処理を実行する。
【0115】
コンテンツ配信サーバ100が映像データをライブコンテンツとして配信する場合、公開制限設定に基づいて配信先によって異なるライブコンテンツが配信されてもよい。この場合、それを受信した視聴者端末300や配信者端末200等は、その受信データに基づく映像を表示させるだけである。すなわち、この場合には、コンテンツ配信サーバ100が配信時に第1の付加情報や第2の付加情報に基づいて仮想キャラクタ等の表示を制限する処理を実行する。しかし、コンテンツ配信サーバ100が映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する場合、それを受信した視聴者端末300や配信者端末200等は、その受信データに基づく合成処理を実行する。すなわち、この場合には、コンテンツ配信サーバ100は、同じライブコンテンツを配信するだけであり、それを受信した端末において第1の付加情報や第2の付加情報に基づいて仮想キャラクタ等の表示を制限する処理が実行される。
【0116】
また、本開示に係るコンテンツ配信システム1は、上記装置によらず、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、その機能を実現してもよい。コンテンツ配信システム1の機能を実現するためのプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disc Drive)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0117】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0118】
1…コンテンツ配信システム、100…コンテンツ配信サーバ、200…配信者端末、300…視聴者端末、400…仮想キャラクタ提供サーバ、120,230,330,420…記憶部、130,430…計時部、140,280,360,440…制御部、141…情報取得部、142…映像生成部、143…配信部、144…制限部、145…指示受付部、220,320…操作部、110,210,310,410…通信部、240,340…表示部、281,361,481…コンテンツ取得部、282,362,482…表示制御部、283,363,483…音声出力制御部、284,364…嗜好基準情報送信部、285…キャラクタ情報送信部、286…入力情報送信部


【要約】
【課題】仮想キャラクタに設定される付加情報に応じてライブコンテンツを配信することが可能なコンテンツ配信サーバ等を提供する。
【解決手段】
コンテンツ配信サーバ100は、仮想空間内で配信者によって使用される仮想キャラクタを示すキャラクタ情報と該キャラクタ情報に付加されている第1の付加情報とを取得する情報取得部141と、情報取得部141が取得したキャラクタ情報及び第1の付加情報に基づいて、配信者の動きを仮想キャラクタの動きとした仮想空間内の映像を合成させるためのライブコンテンツを配信する配信部143とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10