特許第6473359号(P6473359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473359
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】シート剥離装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20190207BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20190207BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/304 622J
   H01L21/78 P
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-58342(P2015-58342)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-178244(P2016-178244A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−145784(JP,A)
【文献】 特開2000−315697(JP,A)
【文献】 特開2005−332931(JP,A)
【文献】 特開2007−208172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/301
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接着シートを介して被着体がフレームと一体化された一体物を保持する保持手段と、
前記被着体とフレームとの間で前記第1接着シートを切断する切断手段と、
前記被着体に対して相対移動可能に設けられた剥離手段とを備え、
前記切断手段は、前記第1接着シートを前記フレームに貼付された外側シートと、前記被着体に貼付され当該被着体の外縁から当該外縁の形状に対して異形に突出した突出領域を有する内側シートとに分割可能に設けられ、
前記保持手段は、前記フレームを支持するフレーム支持部と、前記被着体を支持する被着体支持部と、前記フレーム支持部と被着体支持部との間に設けられた溝部と、前記溝部内に設けられ、前記内側シートの前記突出領域を支持する支持手段とを有し、
前記剥離手段は、前記突出領域を保持する突出領域保持手段を有し、前記被着体から前記内側シートを剥離することを特徴とするシート剥離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1接着シートに貼付された半導体ウエハ(被着体)(以下、単に「ウエハ」という場合がある)をダイシングしてチップを製造した後、これらのチップを第2接着シートに転写する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置で第2接着シートに転写されたチップは、別の工程に搬送された後、当該チップ上に残された第1接着シート部分(内側シート)が剥離されて所定の処理が施されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−244012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の装置では、内側シートを被着体の外縁に沿って切断するだけなので、当該内側シートを被着体から剥離するときに、当該内側シートの外縁部を保持し難いという不都合を発生する。
ここで、内側シートの外縁部を保持し易くするために、被着体の外縁から大きく離れた位置で当該被着体の外縁に沿って第1接着シートを切断することもできるが、この場合、内側シートの外縁部の大部分が第2接着シートに接着し、当該内側シートの剥離が困難になるという不都合を生じる。
【0005】
本発明の目的は、内側シートを容易に保持して剥離することができるシート剥離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のシート剥離装置は、第1接着シートを介して被着体がフレームと一体化された一体物を保持する保持手段と、前記被着体とフレームとの間で前記第1接着シートを切断する切断手段と、前記被着体に対して相対移動可能に設けられた剥離手段とを備え、前記切断手段は、前記第1接着シートを前記フレームに貼付された外側シートと、前記被着体に貼付され当該被着体の外縁から当該外縁の形状に対して異形に突出した突出領域を有する内側シートとに分割可能に設けられ、前記保持手段は、前記フレームを支持するフレーム支持部と、前記被着体を支持する被着体支持部と、前記フレーム支持部と被着体支持部との間に設けられた溝部と、前記溝部内に設けられ、前記内側シートの前記突出領域を支持する支持手段とを有し、前記剥離手段は、前記突出領域を保持する突出領域保持手段を有し、前記被着体から前記内側シートを剥離するという構成を採用している。
【発明の効果】
【0010】
以上のような本発明によれば、内側シートに突出領域を形成し、この突出領域を突出領域保持手段で保持するので、当該内側シートを容易に保持して剥離することができる。
突出領域を第2接着シートから離間可能なことにより、内側シートが第2接着シートに接着することを防止することができる。
切断手段の駆動手段が突出領域保持手段を移動させる駆動手段としても機能すれば、転写装置の構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るシート転写装置を示す正面図。
図2】シート転写装置の動作を説明するための説明図。
図3】シート転写装置の変形動作を説明するための説明図。
図4】シート転写装置の変形動作を説明するための説明図。
図5】シート転写装置の変形動作を説明するための説明図。
図6】シート転写装置の変形例を示す図。
図7】シート転写装置の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向であって図1中手前に向かう方向で「後」がその逆方向とする。
【0013】
図1において、シート転写装置10は、第1接着シートAS1を介して被着体としてのウエハWFがフレームとしての第1リングフレームRF1と一体化された一体物WKを保持する保持手段20と、ウエハWFと第1リングフレームRF1との間で第1接着シートAS1を切断する切断手段30と、ウエハWFに第2接着シートAS2を貼付する貼付手段40と、ウエハWFに対して相対移動可能に設けられた剥離手段50と、一体物WKを移載する移載手段60とを備えている。なお、保持手段20と、切断手段30と、剥離手段50とで本発明のシート剥離装置が構成される。
【0014】
保持手段20は、駆動機器としてのリニアモータ21と、リニアモータ21のスライダ21Aに支持された支持テーブル22とを備えている。支持テーブル22は、第1リングフレームRF1または当該第1リングフレームRF1に対応した第1接着シートAS1部分を減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段で保持可能なフレーム支持部22Aと、当該フレーム支持部22Aの内側でウエハWFまたは当該ウエハWFに対応した第1接着シートAS1部分を前記同様の減圧手段で保持可能なウエハ支持部22Bと、それらフレーム支持部22Aとウエハ支持部22Bとの間に形成された環状の溝部22Cと、溝部22Cの下部に設けられ、出力軸22Eで突出領域PAを支持する支持手段であって駆動機器としての直動モータ22Dとを備えている。
【0015】
切断手段30は、第1接着シートAS1を切断する切断部材31と、当該切断部材31を移動させる駆動手段であって駆動機器としての多関節ロボット32とを備え、図1中のAA矢視図中に二点鎖線で示すように、第1接着シートAS1を第1リングフレームRF1に貼付された外側シートAS11と、ウエハWFに貼付され当該ウエハWFの外縁から当該外縁の形状に対して異形に突出した突出領域PAを有する内側シートAS12とに分割可能に設けられている。切断部材31は、多関節ロボット32の先端部(作業アーム)32Aに支持された延長アーム31Aと、延長アーム31Aに支持され剥離手段50の内部に収容された駆動機器としての直動モータ31Bと、直動モータ31Bの出力軸31Cに支持されたカッター刃31Dとを備えている。多関節ロボット32は、その作業範囲内において先端部に装着したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な所謂6軸ロボットであり、剥離手段50を移動させる駆動手段としても機能する。
【0016】
貼付手段40は、第2接着シートAS2が帯状の剥離シートRLの一方の面に仮着された原反RSを支持する支持ローラ41と、原反RSを案内する複数のガイドローラ42と、剥離シートRLを折り返すことで当該剥離シートRLから第2接着シートAS2を剥離する貼付用剥離手段としての剥離板43と、剥離された第2接着シートAS2をウエハWFに押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ44と、駆動機器としての回動モータ45Aによって駆動する駆動ローラ45との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ46と、図示しない駆動機器によって駆動し、剥離シートRLを回収する回収ローラ47とを備えている。
【0017】
剥離手段50は、延長アーム31Aに支持され、下面にカッター刃31Dの突没を許容する吸着孔51Aを有し、突出領域PAを保持する突出領域保持手段としての吸着ケース51と、配管52および吸着ケース51を介して吸着孔51Aに吸着力を付与する減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段とを備えている。
【0018】
移載手段60は、駆動機器としてのリニアモータ61と、リニアモータ61のスライダ61Aに支持された駆動機器としての直動モータ62と、直動モータ62の出力軸62Aに支持された支持部材63に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段に連通された吸着パッド等の保持部材64とを備えている。
【0019】
以上のシート転写装置10の動作を説明する。
先ず、各部材が初期位置で待機する図1中実線で示すシート転写装置10に対し、人手または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が一体物WKを図2(A)に示すように支持テーブル22上に載置する。すると、保持手段20が図示しない減圧手段を駆動し、第1リングフレームRF1およびウエハWFを吸着保持する。その後、切断手段30が直動モータ31Bを駆動し、カッター刃31Dを吸着孔51Aから突出させた後、多関節ロボット32を駆動し、図2(B)に示すように、カッター刃31DでウエハWFと第1リングフレームRF1との間で第1接着シートAS1を切断する。これにより、第1接着シートAS1が外側シートAS11と内側シートAS12とに分割される。第1接着シートAS1の切断が完了すると、切断手段30が直動モータ31Bを駆動し、カッター刃31Dを初期位置に復帰させる。
【0020】
次に、保持手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止し、第1リングフレームRF1の吸着保持を解除した後、移載手段60がリニアモータ61、直動モータ62および図示しない減圧手段を駆動し、図2(C)に示すように、外側シートAS11付きの第1リングフレームRF1を吸着保持して所定の回収場所に移載する。その後、図2(D)に示すように、保持手段20が直動モータ22Dを駆動し、出力軸22Eで突出領域PAを下方から支えた後、剥離手段50が多関節ロボット32および図示しない減圧手段を駆動し、吸着ケース51で突出領域PAを吸着保持する。次いで、剥離手段50が多関節ロボット32を駆動し、図2(E)に示すように、吸着ケース51を右方に移動させてウエハWFから内側シートAS12を剥離し、当該内側シートAS12を図示しない回収手段内に搬送する。
【0021】
次に、移載手段60がリニアモータ61、直動モータ62および減圧手段を駆動し、図2(F)に示すように、第2リングフレームRF2を支持テーブル22上に載置し、保持手段20が図示しない減圧手段を駆動し、当該第2リングフレームRF2を吸着保持する。次いで、保持手段20がリニアモータ21を駆動し、支持テーブル22を左方に移動させ、当該支持テーブル22が所定の位置に移動したことを図示しない検出手段が検出すると、貼付手段40が回動モータ45Aを駆動し、支持テーブル22の移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、図2(G)に示すように、剥離板43で剥離シートRLから剥離された第2接着シートAS2が押圧ローラ44によって第2リングフレームRF2およびウエハWFの上面に押圧されて貼付され、ウエハWFの転写が完了する。
【0022】
ウエハWFの転写が完了し、支持テーブル22が所定の位置に移動したことを図示しない検出手段が検出すると、保持手段20がリニアモータ21および図示しない減圧手段の駆動を停止し、第2リングフレームRF2およびウエハWFの吸着保持を解除する。そして、転写完了後のウエハWFは、人手または図示しない搬送手段によって次の工程に搬送され、各部材が初期位置に復帰された後、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0023】
以上のような本実施形態によれば、内側シートAS12に突出領域PAを形成し、この突出領域PAを吸着ケース51で保持するので、当該内側シートAS12を容易に保持して剥離することができる。また、内側シートAS12の一部に突出領域PAを形成したので、内側シートAS12の外縁部の大部分が第2接着シートAS2に接着して当該内側シートAS12の剥離が困難になるという不都合を解消することができる。
【0024】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0025】
例えば、シート転写装置10は、図3に示すような第1変形動作としてもよい。すなわち、図3(A)〜(C)に示すように、第1接着シートAS1がウエハWFに対して下側となるように一体物WKを支持テーブル22上に載置した後、上記実施形態と同様にして、第1接着シートAS1を外側シートAS11と内側シートAS12とに分割し、外側シートAS11付きの第1リングフレームRF1を移載する。次いで、図3(D)に示すように、第2リングフレームRF2を支持テーブル22上に載置した後、図4(E)に示すように、第2リングフレームRF2およびウエハWFの上面に第2接着シートAS2を貼付する。次に、図3(F)に示すように、ウエハWFを上下反転させた後、図3(G)に示すように、吸着ケース51で突出領域PAを吸着保持し、図3(H)に示すように、吸着ケース51を右方に移動させてウエハWFから内側シートAS12を剥離する。
【0026】
シート転写装置10は、図4に示すような第2変形動作としてもよい。すなわち、図4(A)〜(E)に示すように、第1変形動作と同様の動作を行った後、図4(F)に示すように、ウエハWF等を持ち上げる。次いで、図4(G)に示すように、吸着ケース51で突出領域PAを吸着保持し、図3(H)に示すように、吸着ケース51を右方に移動させてウエハWFから内側シートAS12を剥離する。
【0027】
シート転写装置10は、図5に示すような第3変形動作としてもよい。すなわち、剥離手段50が突出領域PAを保持可能な突出領域保持手段53を備え、図5(A)〜(C)に示すように、突出領域PAを突出領域保持手段53で保持しながら第1接着シートAS1を分割する。第1接着シートAS1の分割後は、図5(D)〜(E)に示すように、突出領域保持手段53を変位させ、突出領域PAが第2接着シートAS2に接着しないように退避させて、第2接着シートAS2を貼付する。次いで、図5(F)〜(H)に示すように、ウエハWF等を持ち上げ、突出領域保持手段53を保持可能な保持手段54を介して、突出領域保持手段53を右方に移動させてウエハWFから内側シートAS12を剥離する。
【0028】
保持手段20は、ウエハ支持部22Bを昇降可能に構成してもよい。
保持手段20は、メカチャック、接着剤、粘着剤、磁力等でウエハWFや第1、第2リングフレームRF1、RF2を保持する構成でもよい。
保持手段20は、突出領域PAを下方から支える直動モータ22Dを備えていなくてもよい。
保持手段20は、切断手段30で第1接着シートAS1を切断するときに、出力軸22Eで突出領域PAを下方から支えるようにしてもよい。
【0029】
切断手段30は、切断部材としてレーザカッター、熱カッター、エアカッター、圧縮水カッター、内側シートAS12の外形に対応する環状の切断刃等を有していてもよく、それら切断部材の構成に応じて、保持手段20は、支持テーブル22の溝部22Cを省略したり、溝部22Cに代わる他の構成を採用したりしてもよい。
切断手段30は、図6に示すように、剥離手段50の外部に設けてもよく、この場合、剥離手段50は、同図に示すように、出力軸55Aに支持された下チャック部材55Bと、上チャック部材55Cとで突出領域PAを把持する駆動機器としてのチャックシリンダ55としてもよい。
切断部材31を移動させる駆動手段と、剥離手段50を移動させる駆動手段とを別々のもので構成してもよい。
【0030】
貼付手段40は、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジやエアの吹き付け等による押圧手段を採用することができる。
貼付手段40は、押圧ローラ44の代わりに、駆動機器であって押圧手段としての直動モータの出力軸に支持され、供給された第2接着シートAS2を減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段によって保持し、第2リングフレームRF2およびウエハWFに押圧して貼付する構成でもよい。
貼付手段40は、ローラで構成された貼付用剥離手段を採用してもよい。
【0031】
剥離手段50は、内側シートAS12をウエハWFから剥離する場合、吸着ケース51を固定しておき支持テーブル22を移動させてもよいし、吸着ケース51および支持テーブル22の両方を移動させてもよい。
その他、突出領域保持手段としては、メカチャック、接着剤、粘着剤、磁力等で突出領域PAを保持する構成でもよい。
剥離手段50による内側シートAS12とウエハWFとの相対移動方向は、当該ウエハWFにおける内側シートAS12の貼付面の面に平行な方向でもよいし、平行でない方向でもよく、ウエハWFから内側シートAS12が剥離できる方向であればよい。
【0032】
移載手段60は、なくてもよく、例えば、人手でウエハWF等の移載を行ってもよい。
第1、第2リングフレームRF1、RF2は、環状でない(外周がつながっていない)フレームや、円形以外に三角形や四角形等の多角形や楕円形、その他の形状であってよい。
突出領域PAは、図7に示すように、ウエハWFの外縁の形状に対して矩形形状に突出していたり、その他、例えば、三角形状、半円形状、半長円形状、台形状等、内側シートAS12の剥離し易さや、突出領域保持手段での保持し易さを勘案して任意の形状としたりすることができる。
内側シートAS12における突出領域PA以外の形状は、ウエハWFの外縁と全く同じ形状でもよいし、ウエハWFの外縁に沿って当該外縁よりも0〜10mm程度小さな形状でもよいし、ウエハWFの外縁に沿って当該外縁よりも0〜10mm程度大きな形状でもよい。
突出領域の数も任意であり、複数設けていてもよい。
【0033】
本発明における第1、第2接着シートAS1、AS2および被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、第1、第2接着シートAS1、AS2は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の第1、第2接着シートAS1、AS2が採用された場合は、第1、第2接着シートAS1、AS2を加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような第1、第2接着シートAS1、AS2は、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、さらには、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層または複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、第1、第2接着シートAS1、AS2を機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0034】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、突出領域保持手段は、内側シートに形成された突出領域を保持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであれば何ら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的または間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0035】
10…シート転写装置
20…保持手段
30…切断手段
31…切断部材
32…多関節ロボット(駆動手段)
40…貼付手段
50…剥離手段
51…吸着ケース(突出領域保持手段)
AS1…第1接着シート
AS11…外側シート
AS12…内側シート
AS2…第2接着シート
PA…突出領域
RF1…第1リングフレーム(フレーム)
WF…ウエハ(被着体)
WK…一体物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7