特許第6473363号(P6473363)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473363
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】家庭用薄葉紙ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/42 20060101AFI20190207BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   A47K10/42 C
   B65D83/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-69293(P2015-69293)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-187491(P2016-187491A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】篠原 忍
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−29511(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3120241(JP,U)
【文献】 実開平4−100480(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0174834(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/20、10/42
B65D 83/00、83/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前板部と、前板部に対面して位置する背板部と、前板部と背板部との間の底側に位置し、前後方向中央部において幅方向に延在する取出口を有する底板部と、を有する家庭用薄葉紙ディスペンサーであって、
前板部及び背板部のそれぞれに形成され、幅方向に間隔をあけて上下方向に沿って延在する一対の溝部と、前記前板部及び背板部から各々対面する方向に突出するガイド部を有し、前記溝部に対して取付けられるガイド体と、各溝部からそれぞれ前板側及び背板側に一定距離離間した位置で上下方向に延在する軸部と、を備え、
前記ガイド体が、第一ガイド部と、前記第一ガイド部の基端から第一ガイド部と反対方向に延出し前記溝部に嵌合可能な第一取付け部と、前記第一ガイド部よりも突出長さの長い第二ガイド部と、前記第二ガイド部の基端から第二ガイド部と反対方向に延出し前記溝部に嵌合可能な第二取付け部と、前記軸部が通される軸穴と、を有し、その軸穴に前記軸部が遊嵌されて、溝部近傍に位置せしめられているとともに、各取付け部が溝部に対して嵌脱可能かつ前記軸部周りに回転可能に取付けられ、
前記溝部に対して第一取付け部と第二取付け部とのいずれかを嵌合することによって、前板部及び背板部から各々対面する方向に第一ガイド部が突出する形態と第二ガイド部が突出する形態とが選択される、ことを特徴とする家庭用薄葉紙ディスペンサー。
【請求項2】
前記ガイド体が、第一ガイド部から第一取付け部への延在方向と第二ガイド部から第二取付け部への延在方向とが直行する形状をなし、一方のガイド部が前記前板部及び背板部から各々対面する方向に突出している形態時に、他方のガイド部が前記前板部及び背板部と平行に位置するものである、請求項1記載の家庭用薄葉紙ディスペンサー。
【請求項3】
前記ガイド体が、第一ガイド部及び第一取付け部を有する第一部材と、第二ガイド部及び第二取付け部を有する第二部材とが、前記軸部に対して蝶番式に取付けられ、第一部材及び第二部材とがそれぞれ別途に軸部周りに回転可能とされている、請求項1記載の家庭用薄葉紙ディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄葉紙ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の家庭用薄葉紙を折り畳んで積層した束を、交換可能に内部に収め、取出口から一枚ずつ引き出すようにする家庭用薄葉紙ディスペンサーがある。このようなディスペンサーによく用いられる家庭用薄葉紙は、ペーパータオルが代表的である。そして、このペーパータオルでは、大判、中判、小判やS,M、Lサイズ又は小サイズ、中サイズ、大サイズなど製造業者において呼び方や、それら種別毎の大きさに若干の差はあるものの、概ね三規格程度の大きさに分けられている。
【0003】
従来のディスペンサーは、その大判用、中判用、小判用等のペーパータオルの束の大きさに合わせたガイド部が内部に配されて、その束の大きさ専用に作られており、そのディスペンサーが想定するペーパータオルより小さいサイズのペーパータオルを用いると、ガイド部のガイド機構が働かず、引き出しがスムーズに行えないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4615550号
【特許文献2】特許第4228083号
【特許文献3】特許第4180334号
【特許文献4】特許第5579519号
【特許文献5】特許第5301824号
【特許文献6】特許第4847626号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、使用するペーパータオル等の家庭用薄葉紙の束の大きさに応じたガイド機構を働かせることができ、異なる大きさの家庭用薄葉紙の束を使用しても、そのいずれでもスムーズに取り出すことができる家庭用薄葉紙ディスペンサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は以下のとおりである。
【0007】
〔請求項1記載の発明〕
前板部と、前板部に対面して位置する背板部と、前板部と背板部との間の底側に位置し、前後方向中央部において幅方向に延在する取出口を有する底板部と、を有する家庭用薄葉紙ディスペンサーであって、
前板部及び背板部のそれぞれに形成され、幅方向に間隔をあけて上下方向に沿って延在する一対の溝部と、前記前板部及び背板部から各々対面する方向に突出するガイド部を有し、前記溝部に対して取付けられるガイド体と、各溝部からそれぞれ前板側及び背板側に一定距離離間した位置で上下方向に延在する軸部と、を備え、
前記ガイド体が、第一ガイド部と、前記第一ガイド部の基端から第一ガイド部と反対方向に延出し前記溝部に嵌合可能な第一取付け部と、前記第一ガイド部よりも突出長さの長い第二ガイド部と、前記第二ガイド部の基端から第二ガイド部と反対方向に延出し前記溝部に嵌合可能な第二取付け部と、前記軸部が通される軸穴と、を有し、その軸穴に前記軸部が遊嵌されて、溝部近傍に位置せしめられているとともに、各取付け部が溝部に対して嵌脱可能かつ前記軸部周りに回転可能に取付けられ、
前記溝部に対して第一取付け部と第二取付け部とのいずれかを嵌合することによって、前板部及び背板部から各々対面する方向に第一ガイド部が突出する形態と第二ガイド部が突出する形態とが選択される、ことを特徴とする家庭用薄葉紙ディスペンサー。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
前記ガイド体が、第一ガイド部から第一取付け部への延在方向と第二ガイド部から第二取付け部への延在方向とが直行する形状をなし、一方のガイド部が前記前板部及び背板部から各々対面する方向に突出している形態時に、他方のガイド部が前記前板部及び背板部と平行に位置するものである、請求項1記載の家庭用薄葉紙ディスペンサー。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
前記ガイド体が、第一ガイド部及び第一取付け部を有する第一部材と、第二ガイド部及び第二取付け部を有する第二部材とが、前記軸部に対して蝶番式に取付けられ、第一部材及び第二部材とがそれぞれ別途に軸部周りに回転可能とされている、請求項1記載の家庭用薄葉紙ディスペンサー。
【発明の効果】
【0010】
以上のとおり、本発明によれば、使用する家庭用薄葉紙の束の大きさに応じたガイド機構を働かせることができ、異なる大きさの家庭用薄葉紙の束を使用しても、そのいずれでもスムーズに取り出すことができる家庭用薄葉紙ディスペンサーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】家庭用薄葉紙ディスペンサーの正面図である。
図2】家庭用薄葉紙ディスペンサーの側面図であり、開閉構造を説明する図である。
図3】家庭用薄葉紙ディスペンサーの横断面図である。
図4】家庭用薄葉紙ディスペンサーの縦断面図である。
図5】ガイド体を説明するための斜視図である。
図6】ガイド体の動きを説明するための図である。
図7】家庭用薄葉紙ディスペンサーの他の態様の横断面図である。
図8】家庭用薄葉紙ディスペンサーの他の態様の縦断面図である。
図9】他のガイド体を説明するための斜視図である。
図10】他のガイド体の動きを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次いで、本発明の実施の形態を図1〜10を参照しながら以下に詳述する。
【0013】
〔第一実施形態〕
本形態の家庭用薄葉紙ディスペンサー100(以下、単にディスペンサーという)は、その素材が例えばABS樹脂等の合成樹脂や金属素材等で形成された筐体1の内部に、略直方体形状の家庭用薄葉紙2の束2A(2B)を収め、底板部30に形成された取出口13から、束2A(2B)を構成する家庭用薄葉紙2を一枚ずつ引き出すようにして使用される。
【0014】
前記筐体1は、前板部10と、前板部10に対面して位置する背板部20と、前板部10と背板部20との間の底側に位置し、前後方向中央部において幅方向に延在する取出口13を有する底板部30と、を有しており、前記前板部10が、図示されない軸を介してハッチ式に取付けられ、図2中一点鎖線で示すようにその前板部10を手前に引き下げることにより、筐体1が前面開放状態となり、筺体内部に家庭用薄葉紙2の束2A(2B)が収納可能となる。なお、図示の形態では、背板部20と底板部30とが別体となっているが、これらは一体的な構造であってもよい。
【0015】
一方、このディスペンサー100には、前記前板部10及び背板部20から各々対面する方向に突出するガイド部50が設けられており、図4図7に示すように、そのガイド部50の底板部側の端部51が、内部に収納された束2A(2B)に一部食い込むことで、束2A(2B)の上方側の一部を支持し、取出口13にかかる束の荷重を軽減するとともに、束の下方側を底部側へ適切に案内して、束最下位の家庭用薄葉紙がスムーズに分離されて取出口13から引き出せるようになっている。
【0016】
したがって、対面するガイド部50の間隔(先端51間の間隔)は、そのディスペンサー100が想定する規格の家庭用薄葉紙2によって形成される束2A(2B)の大きさ(前後方向長さ)に応じて設定され、対面するガイド部50の間隔より、短い前後方向長さの束は、底板部30側に落ち込み引き出しがスムーズに行えなくなる。
【0017】
なお、家庭用薄葉紙2の束2A(2B)の前後方向長さは、ペーパータオルを例にとれば、規格によって異なるが、大判、中判などと称されるペーパータオルによる束2Aで105〜125mm程度、小判などと称されるペーパータオルによる束2Bで75〜95mm程度である。なお、図示の形態では、ガイド部50の底板部側の端部51が前板側、背板側にやや突出する凸部を有する形状となっているが、このような凸部がなく、単に上方から下方に向かって下り傾斜する形状で先端又は先端部分が形成される形状であってもよい。なお、一般にガイド部材は、このような端部を有しており、ガイド部間の間隔は、束2A(2B)に食い込む部分の先端の間隔であり、本発明においても同様である。
【0018】
そして、本実施形態に係るディスペンサー100では、上記ガイド部50にかかる構造が特徴的となっており、特に、そのガイド部50間の間隔が選択でき、複数の規格の家庭用薄葉紙2の束2A又は束2Bに対応できるようになっている。その構造は、前板部10及び背板部20のそれぞれに、幅方向に間隔をあけて上下方向に沿って延在する一対の溝部52が形成されているとともに、その溝部52からそれぞれ前板側及び背板側に一定距離離間した位置で上下方向に延在する軸部53が配され、その軸部53を介して、前記溝部52にガイド部50を有するガイド体5,5が取付けられている。
【0019】
そのガイド体5は、前記筐体1と同様にその素材が例えばABS樹脂等の合成樹脂や金属素材等の硬質材で形成され、大判又は中判等の比較的大きい規格のペーパータオル等の家庭用薄葉紙の束2Aの大きさに対応する長さの突出長さを有する第一ガイド部50Aと、この第一ガイド部50Aより突出長さが長く、小判等の比較的小さい規格のペーパータオル等の家庭用薄葉紙の束2Bの大きさに対応する第二ガイド部50Bとを有しており、また、各々のガイド部50A,50Bの基端から延在するようにして、第一取付け部55Aと第二取付け部55Bとが形成されている。本実施形態では、各ガイド部50A,50B及び各取付け部55A,55Bが薄板状をなし、第一ガイド部50Aから第一取付け部55Aへの延在方向と第二ガイド部50Bから第二取付け部55Bへの延在方向とが直行する断面十字形状をなすものとなっている。
【0020】
各取付け部55A,55Bは、前板部10及び背板部20に形成された溝部52に対して嵌合可能に形成され、そのいずれかの取付け部55A,55Bを溝部52に対して嵌合させることで、溝部52に対して取付けられる。特に、第一取付け部55Aを溝部52に嵌合した際には、図3及び図4に示すように、前板部10及び背板部20から第一ガイド部50Aが各々対面する面に向かって突出するようになり、第二取付け部55Bを溝部52に嵌合した際には、図7及び図8に示すように、前板部10及び背板部20から第二ガイド部50Bが各々対面する面に向かって突出するようになる。また、図3及び図4に示すように、第一ガイド部50Aが前板部10及び背板部20から各々対面する方向に突出している形態時には、第二ガイド部50B及び第二取付け部55Bは、前板部10及び背板部20と平行に位置するようになり、図7及び図8に示すように、第二ガイド部50Bが前板部10及び背板部20から各々対面する方向に突出している形態時には、第一ガイド部50A及び取付け部55Aは、前板部10及び背板部20と平行に位置するようになる。特に、図5に示すように、各溝部52の深さが各取付け部55A,55Bの延在長さより長いか一致しており、各溝部52に第一取付け部55A又は第二取付け部55Bを嵌合させた際には、前板部10及び背板部20と平行となる第一又は第二のガイド部50A(50B)及び第一又は第二の取付け部55A(55B)がそれら前板部10又は背板部20に対して面接するように形成され、ディスペンサー内に不要な凸部分を形成しない、好ましい形態となっている。
【0021】
また、ガイド体5には、特に図5及び図7に示すように、溝部52からそれぞれ前板側又は背板側に一定距離離間した位置で上下方向に延在する前記軸部53が通される軸穴54が形成されており、この軸穴54が、第一ガイド部50Aから第一取付け部55Aへの延在方向と第二ガイド部50Bから第二取付け部55Bへの延在方向の各々の方向に沿う方向が長手とされた、直交する二つの長穴が互い交点で連結一体化されたものとなっており、その軸穴54に前記軸部53が遊嵌されることで、ガイド体5が溝部52の近傍位置において、各取付け部55A(55B)が溝部52に対して嵌脱可能であり、かつ各取付け部55A(55B)が溝部52から離脱した状態で前記軸部53周りに回転可能に、遊びをもって取付けられている。また、溝部52から離脱した状態においても、ガイド体5がディスペンサー内面に倒れこむことがないようになっている。特に、図示の形態は、前記軸穴54が、その短手の長さが軸部53の幅方向長さ(直径)とほぼ一致しており、ガイド体5の動きが幅方向に規制されやすく前後方向に移動しやすくなっている。このため、前板部10をあけて家庭用薄葉紙2の束2A(2B)を収め、前板部10を閉じるという操作を行なうだけで、いずれかの取付け部55A,55Bが溝部52に嵌合されやすい好ましい形態となっている。
【0022】
ここで、図示の軸部53及び軸穴54は、ガイド体5を上下に貫通する貫通孔として形成され、また、軸部53は、天面部分や底面部分を構成する適宜の位置にその両端部が固定された一本の芯棒として形成されているが、本発明における軸穴54及び軸部53は、この形態に限られない。例えば、軸部は、筐体を構成する天面部分や底面部分から突出する凸部として形成してもよいし、前板部及び背板部から各々対面する方向に向かって突出する軸形成部を配し、その先端部に上下方向に突出する軸部を形成するようにしてもよい。
【0023】
また、軸穴は、ガイド体の上面部分や底面部分に底部を有する穴として形成してもよいし、必ずしも第一ガイド部から第一取付け部への延在方向と第二ガイド部から第二取付け部への延在方向の各々の方向に沿う方向が長手とされた長穴が互いに連結一体化されたものとする必要もない。
【0024】
以上の本実施形態のディスペンサーでは、特に、図3及び図4に示すように、例えば、大判、中判等の比較的大きい規格のペーパータオル等の家庭用薄葉紙の束2Aを使用する際には、第一取付け部55Aを溝部52に嵌合して前板部10及び背板部20から第一ガイド部50Aが各々対面する面に向かって突出する形態で使用し、また、小判等の比較的小さい規格のペーパータオル等の家庭用薄葉紙2の束2Bを使用する際には、第二取付け部55Bを溝部52に嵌合して前板部10及び背板部20から第二ガイド部50Bが各々対面する面に向かって突出する形態で使用する。そして、その形態の切り替えは、特に、図6(A)〜(D)に示すように、溝部52に嵌合されている一方の取付け部55A(55B)を溝部52から離脱させたうえ、軸部53周りにガイド体5を90°回転させ、他方の取付け部55B(55A)を溝部52に嵌合させる簡易な操作で達成でき、その際、ガイド体5が軸部53によって前板部10及び背板部20近傍に位置されて離脱するということもない。
【0025】
このように、本実施形態のディスペンサー100では、使用する家庭用薄葉紙2の束2A,2Bの大きさに応じたいずれかのガイド部50A,50Bを選択することができ、使用する家庭用薄葉紙2の束2A(2B)の大きさに応じたガイド機構を働かせることができ、異なる大きさの家庭用薄葉紙の束2A(2B)を使用しても、そのいずれでもスムーズに取り出すことができる。なお、本発明における家庭用薄葉紙は、この種のディスペンサーに用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、上記のとおり手拭き用途が主であるペーパータオルが代表的であるが、その他、清掃用途を主とするワイプ、工業製品や機具、用具の拭き取りを主とするウェス、厨房での使用を主とするキッチンペーパー、食材に使用することを主とするミートペーパーなどが例示される。
【0026】
〔第二実施形態〕
次いで、第二実施形態を説明する。このディスペンサーは、ガイド体の構造が上記第一実施形態と相違している。図9及び図10に示されるように、このガイド体5は、第一ガイド部50A及び第一取付け部55Aを有する薄板状の第一部材60Aと、第二ガイド部50B及び第二取付け部55Bを有する薄板状の第二部材60Bとが、軸部53に対して蝶番式に取付けられ、第一部材60A及び第二部材60Bとがそれぞれ別途に軸部53周りに回転可能とされている形態である。
【0027】
この第二形態のガイド体5を用いたディスペンサーは、大判、中判等の比較的大きい規格のペーパータオル等の家庭用薄葉紙2の束2Aを使用する際には、第一取付け部50Aを溝部52に嵌合して前板部10及び背板部20から第一ガイド部50Aが各々対面する面に向かって突出する形態で使用し、また、小判等の比較的小さい規格のペーパータオル等の家庭用薄葉紙2の束2Bを使用する際には、第二取付け部55Bを溝部52に嵌合して前板部10及び背板部20から第二ガイド部50Bが各々対面する面に向かって突出する形態で使用する点で、第一実施形態と同様であり、その作用効果も同じであるが、その各形態の切り替えは、特に図10に示すように、溝部52に嵌合されている一方の部材60A(60B)の取付け部55A(55B)を溝部52から離脱させたうえ、その一方の部材60A(60B)を軸部53周りに90°回転させ、さらに、他方の部材60B(60A)を軸部53周りに90°回転させたうえ、その他方の部材60B(60A)の取付け部55B(55A)を溝部52に嵌合させるという操作で達成される。
【符号の説明】
【0028】
100…家庭用薄葉紙ディスペンサー、1…筐体、2…家庭用薄葉紙ペーパータオル、2A,2B…家庭用薄葉紙の束、13…取出口、10…前板部、20…背板部、30…底板部、50…ガイド部、51…ガイド部の端部、52…溝部、53…軸部、5…ガイド体、50A…第一ガイド部、50B…第二ガイド部、55A…第一取付け部、55B…第二取付け部、54…軸穴、60A…第一部材、60B…第二部材。
図1
図2
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図4
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図6
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図8
図9
図10