【文献】
LG ELECTRONICS INC.,Delta CC configuration at handover,3GPP TSG-RAN2 Meeting #70 R2-103209,3GPP,2010年 5月 4日,pp.1-2,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_70/Docs/R2-103209.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサが、第1の所定の期間内に、前記移動端末が前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定しなかった場合に、前記移動端末は、前記受信されたハンドオフコマンドメッセージを破棄するように設定される、
請求項1または2に記載の移動端末。
前記プロセッサが、第2の所定の期間内に、前記移動端末が前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、前記移動端末は、(a)前記ハンドオフコマンドメッセージに含まれるランダムアクセスプリアンブルに基づいて無競合RACH手続きを実行することを含む、前記目標基地局への前記ハンドオフを実行し、
前記プロセッサが、前記第2の所定の期間の終了後に、前記移動端末が、前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、前記移動端末は、(a)前記移動端末によってランダムに選択されたランダムアクセスプリアンブルに基づいて競合ベースのRACH手続きを実行することを含む、前記目標基地局への前記ハンドオフを実行する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の移動端末。
移動端末のプロセッサによって実行されるときに、前記移動端末に目標基地局へのハンドオフを実行させる命令を記憶する、コンピュータ可読メディアであって、前記移動端末は、
前記目標基地局への前記ハンドオフを実行するためのトリガとしてのハンドオフ実行条件を含む前記目標基地局への前記ハンドオフのためのハンドオフコマンドメッセージを受信すること、および、
前記ハンドオフコマンドメッセージに含まれる前記受信されたハンドオフ実行条件に基づいて、前記移動端末が前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガするかどうかを決定すること、
によって、前記目標基地局の制御下で、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する前記目標基地局との通信用に設定され、
前記受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれる前記ハンドオフ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値(Qout)を下回る非同期事象の数に対応し、
前記プロセッサは、前記非同期事象の数が既定義の期間の所定の数(N310)を超える場合、前記移動端末が前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすることを決定し、
前記プロセッサが、前記移動端末が前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、前記移動端末は、(a)前記目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続きを実行し、それによって前記目標無線セルの前記アップリンクキャリアを時間調整することによって、および、(b)ハンドオフ完了メッセージを前記目標基地局に送信し、それによって前記目標無線セルを介する前記目標基地局との通信のための前記移動端末の設定の完了を含む前記目標基地局への前記ハンドオフの完了を指示することによって、前記目標基地局への前記ハンドオフを実行する、
コンピュータ可読メディア。
目標基地局への移動端末のハンドオフを実行する方法であって、前記移動端末は、前記目標基地局の制御下で、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する前記目標基地局との通信用に設定されることになり、前記方法は、
前記目標基地局へのハンドオフを実行するためのトリガとしてのハンドオフ実行条件を含む前記目標基地局への前記ハンドオフのためのハンドオフコマンドメッセージを前記移動端末によって受信するステップと、
前記ハンドオフコマンドメッセージに含まれる前記受信されたハンドオフ実行条件に基づいて、前記移動端末が前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガするかどうかを前記移動端末によって決定するステップと、を含み、
前記受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれる前記ハンドオフ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値(Qout)を下回る非同期事象の数に対応し、
前記移動端末は、前記非同期事象の数が既定義の期間の所定の数(N310)を超える場合、前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすることを決定し、
前記移動端末が、前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、前記移動端末は、(a)前記目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続きを実行し、それによって前記目標無線セルの前記アップリンクキャリアを時間調整することによって、および、(b)ハンドオフ完了メッセージを前記目標基地局に送信し、それによって前記目標無線セルを介する前記目標基地局との通信のための前記移動端末の設定の完了を含む前記目標基地局への前記ハンドオフの完了を指示することによって、前記目標基地局への前記ハンドオフを実行する、
ハンドオフを実行する方法。
前記移動端末が、第1の所定の期間内に、前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定しない場合に、前記移動端末は、前記受信されたハンドオフコマンドメッセージを破棄する、
請求項10または11に記載のハンドオフを実行する方法。
前記移動端末が、第2の所定の期間内に、前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、前記移動端末は、(a)前記ハンドオフコマンドメッセージに含まれるランダムアクセスプリアンブルに基づいて無競合RACH手続きを実行することを含む前記目標基地局への前記ハンドオフを実行し、
前記移動端末が、前記第2の所定の期間の終了後に、前記目標基地局への前記ハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、前記移動端末は、(a)前記移動端末によってランダムに選択されたランダムアクセスプリアンブルに基づいて競合ベースのRACH手続きを実行することを含む、前記目標基地局への前記ハンドオフを実行する、
請求項10〜15のいずれか一項に記載のハンドオフを実行する方法。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)
【0003】
WCDMA(登録商標)無線アクセス技術をベースとする第3世代の移動通信システム(3G)は、世界中で広範な規模で配備されつつある。この技術を機能強化または発展・進化させるうえでの最初のステップとして、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)と、エンハンストアップリンク(高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)とも称する)とが導入され、これにより、極めて競争力の高い無線アクセス技術が提供されている。
【0004】
ユーザからのますます増大する需要に対応し、新しい無線アクセス技術に対する競争力を確保する目的で、3GPPは、ロングタームエボリューション(LTE)と称される新しい移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間にわたり、データおよびメディアの高速伝送ならびに大容量の音声サポートに要求されるキャリアを提供するように設計されている。高いビットレートを提供する能力は、LTEにおける重要な方策である。
【0005】
LTE(ロングタームエボリューション)に関する作業項目(WI)の仕様は、E−UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access(UTRA):進化したUMTS地上無線アクセス)およびE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN):進化したUMTS地上無線アクセスネットワーク)と称され、最終的にリリース8(LTEリリース8)として公開される。LTEシステムは、パケットベースの効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークであり、IPベースの全機能を低遅延かつ低コストで提供する。LTEでは、与えられたスペクトルを用いてフレキシブルなシステム配備を達成するために、スケーラブルな複数の送信帯域幅(例えば、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、および20.0MHz)が指定されている。ダウンリンクには、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、かかる無線アクセスは、低いシンボルレートのため本質的にマルチパス干渉(MPI)を受けにくく、また、サイクリックプレフィックス(CP)を使用しており、さらに、さまざまな送信帯域幅の構成に対応可能だからである。アップリンクには、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access:シングルキャリア周波数分割多元接続)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、ユーザ機器(UE)の送信出力が限られていることを考えれば、ピークデータレートを向上させるよりも広いカバレッジエリアを提供することが優先されるからである。LTEリリース8/9では、数多くの主要なパケット無線アクセス技術(例えば、MIMO(多入力多出力)チャネル伝送技術)が採用され、高効率の制御シグナリング構造が達成されている。
【0006】
LTEアーキテクチャ
【0007】
図1は、LTEの全体的なアーキテクチャを示し、
図2は、E−UTRANのアーキテクチャをより詳細に示している。E−UTRANは、eNodeBから構成され、eNodeBは、UE向けの、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコルを終端処理する。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤ(これらのレイヤはユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含む)をホストする。eNBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、交渉によるアップリンクQoS(サービス品質)の実施、セル情報のブロードキャスト、ユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化/復号化、ダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/復元など、多くの機能を実行する。複数のeNodeBは、X2インタフェースによって互いに接続されている。
【0008】
また、複数のeNodeBは、S1インタフェースによってEPC(Evolved Packet Core:進化したパケットコア)、より具体的には、S1−MMEによってMME(Mobility Management Entity:移動管理エンティティ)、S1−Uによってサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続されている。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多関係をサポートする。SGWは、ユーザデータパケットをルーティングして転送する一方で、eNodeB間のハンドオーバー時におけるユーザプレーンのモビリティアンカーとして機能し、さらに、LTEと別の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカー(S4インタフェースを終端させ、2G/3GシステムとPDN GWとの間でトラフィックを中継する)として機能する。SGWは、アイドル状態のユーザ機器に対しては、ダウンリンクデータ経路を終端させ、そのユーザ機器へのダウンリンクデータが到着したときにページングをトリガする。SGWは、ユーザ機器のコンテキスト(例えばIPベアラサービスのパラメータ、ネットワーク内部ルーティング情報)を管理および格納する。さらに、SGWは、合法傍受(lawful interception)の場合にユーザトラフィックの複製を実行する。
【0009】
MMEは、LTEのアクセスネットワークの主要な制御ノードである。MMEは、アイドルモードのユーザ機器の追跡およびページング手順(再送信を含む)の役割を担う。MMEは、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、さらには、最初のアタッチ時と、コアネットワーク(CN)ノードの再配置を伴うLTE内ハンドオーバー時とに、ユーザ機器のSGWを選択する役割も担う。MMEは、(HSSと対話することによって)ユーザを認証する役割を担う。非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングはMMEにおいて終端され、MMEは、一時的なIDを生成してユーザ機器に割り当てる役割も担う。MMEは、サービスプロバイダの公衆陸上移動網(PLMN:Public Land Mobile Network)に入るためのユーザ機器の認証をチェックし、ユーザ機器のローミング制約を実施する。MMEは、NASシグナリングの暗号化/整合性保護においてネットワーク内の終端点であり、セキュリティキーの管理を行う。シグナリングの合法傍受も、MMEによってサポートされる。さらに、MMEは、LTEのアクセスネットワークと2G/3Gのアクセスネットワークとの間のモビリティのための制御プレーン機能を提供し、SGSNからのS3インタフェースを終端させる。さらに、MMEは、ローミングするユーザ機器のためのホームHSSに向かうS6aインタフェースを終端させる。
【0010】
ハンドオーバ手続き
【0011】
接続モード移動という用語は、さまざまな手続き、例えばハンドオーバ手続き、を指す。特に、3GPP LTEハンドオーバ手続きが、3GPP TS36.100で特定されている(3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献1の10.1.2節)。さらに、RRC接続再設定に関するハンドオーバ手続きの詳細が、TS36.331で定義されている(3GPPのウェブサイトによって入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献2の5.3.5節)。
【0012】
接続モードにおけるUEのE−UTRAN内アクセス移動サポートは、ソースネットワーク側の最終ハンドオーバ(HO)決定(ある種のUE固有のエリア制約事項を考慮するUEおよびeNB測定結果の制御および評価)、目標ネットワーク側でのリソースの準備、新しい無線リソースに対してUEに命令すること、および、(古い)ソースネットワーク側でのリソースの最終的な解放に先行するプロセスのような、ハンドオーバ手続きのすべての必要なステップを処理する。
【0013】
RRC_CONNECTED状態でのUEのE−UTRAN内ハンドオーバ(HO)は、E−UTRANにおけるHO準備シグナリングを伴うUE支援ネットワーク制御HOである。
− HOコマンドの部分は、目標eNBに由来し、ソースeNBによってUEに透過的に転送される。
− HOを準備するために、ソースeNBは、目標eNBにすべての必要な情報を渡す。
− ソースeNBおよびUEの両方が、HO失敗の場合にUEの復帰を可能にするための何らかのコンテキスト(例えば、C−RNTI)を保持する。
− UEは、専用RACHプリアンブルを使用する無競合手続きに続いて、または、専用RACHプリアンブルが使用可能でない場合には競合ベースの手続きに続いて、RACHを介して目標セルにアクセスする。
− ハンドオーバ手続きが終了する(無事にまたは失敗して)まで、UEは専用プリアンブルを使用する。
− 目標セルに向けたRACH手続きが、ある一定の時間内に成功しなかった場合、UEは、最善のセルを使用し、無線リンク障害回復を開始する。
【0014】
HO手続きの準備および実行フェーズは、EPCの関与なしに実行され、すなわち、準備メッセージがeNBの間で直接交換される。HO完了フェーズ中のソース側でのリソースの解放が、eNBによってトリガされる。以下の図は、基本的ハンドオーバのシナリオを示し、本発明の観点からより関連性のある最初のいくつかのステップのみが説明されている。
【0015】
以下に、
図3に示すMME/サービングゲートウェイ内ハンドオーバ(HO)手続きのより詳細な説明が提供され、先行する番号は、その図のシーケンス線図における対応するステップを指す。
【0016】
0 ソースeNB内のUEコンテキストは、接続確立または最後のTA更新のいずれかで提供されたローミング制約事項に関する情報を含む。
【0017】
1 ソースeNBは、エリア制約情報に従ってUE測定手続きを設定する。ソースeNBによって提供される測定結果は、UEの接続移動を制御する機能を支援することができる。
【0018】
2 測定報告(MEASUREMENT REPORT)がトリガされ、eNBに送信される。
【0019】
3 ソースeNBが、測定報告(MEASUREMENT REPORT)およびRRM情報に基づいて、UEを引き渡す決定を行う。
【0020】
4 ソースeNBが、目標側でのHOを準備するために必要な情報を渡す目標eNBへのハンドオーバ要求(HANDOVER REQUEST)メッセージを発行する(ソースeNBでのUE X2シグナリングコンテキスト参照、UE S1 EPCシグナリングコンテキスト参照、目標セルID、KeNB
*、ソースeNBにおけるUEのC−RNTIを含むRRCコンテキスト、AS設定、E−RABコンテキスト、および、ソースセルの物理レイヤID+起こり得るRLF回復のショートMAC−I)。UE X2/UE S1シグナリング参照は、目標eNBがソースeNBおよびEPCをアドレス指定することを可能にする。E−RABコンテキストは、必要なRNLおよびTNLアドレス指定情報、およびE−RABのQoSプロファイルを含む。
【0021】
5 リソースが目標eNBによって認可され得る場合、アドミッション制御が、HO成功の可能性を増やすために、受信されたE−RAB QoS情報に応じて目標eNBによって実行され得る。目標eNBは、受信されたE−RAB QoS情報に従って、必要とされるリソースを設定し、C−RNTI、および、オプションでRACHプリアンブルを予約する。目標セルにおいて使用されることになるAS設定は、独立して(すなわち、「確立」)またはソースセルで使用されるAS設定と比較したデルタとして(すなわち、「再設定」)のいずれかで特定され得る。
【0022】
6 目標eNBは、L1/L2でHOを準備し、ハンドオーバ要求確認応答(HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE)をソースeNBに送信する。ハンドオーバ要求確認応答(HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE)メッセージは、ハンドオーバを実行するためにRRCメッセージとしてUEに送信されることになる透過的コンテナを含む。本コンテナは、新しいC−RNTI、選択されたセキュリティアルゴリズムの目標eNBセキュリティアルゴリズム識別子、を含み、専用RACHプリアンブル、および、場合によりいくつかの他のパラメータ、すなわちアクセスパラメータ、SIBなどを含み得る。ハンドオーバ要求確認応答(HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE)メッセージはまた、必要に応じて、転送トンネルのRNL/TNL情報を含み得る。
【0023】
注:ソースeNBがハンドオーバ要求確認応答(HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE)を受信するとすぐに、またはハンドオーバコマンドの送信がダウンリンクで開始されるとすぐに、データ転送が開始され得る。
【0024】
ステップ7から16は、HO中のデータ損失を回避するための手段を提供し、10.1.2.1.2および10.1.2.3でさらに詳述される。
【0025】
7 目標eNBが、ソースeNBによってUEに送信されることになる、mobilityControlInformationを含むハンドオーバを実行するためのRRCメッセージ、すなわちRRCConnectionReconfigurationメッセージ、を生成する。ソースeNBが、必要な整合性保護およびメッセージの暗号化を実行する。UEが、必要なパラメータ(すなわち、新しいC−RNTI、目標eNBセキュリティアルゴリズム識別子、および、オプションで専用RACHプリアンブル、目標eNB SIBなど)を有するRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信し、HOを実行するようにソースeNBによって命令される。UEは、HARQ/ARQ応答をソースeNBに配信するためにハンドオーバ実行を遅らせる必要はない。
【0026】
8 ソースeNBが、SN状況転送(SN STATUS TRANSFER)メッセージを目標eNBに送信して、PDCP状況保存がそれについて適用される(すなわち、RLC AMの)E−RABのアップリンクPDCP SN受信器状況およびダウンリンクPDCP SN送信器状況を伝達する。アップリンクPDCP SN受信器状況は、少なくとも第1の紛失したUL SDUのPDCP SNを含み、そのようなSDUが存在する場合、UEが目標セルにおいて再送信する必要がある順番が狂ったUL SDUの受信状況のビットマップを含むことができる。ダウンリンクPDCP SN送信器状況は、PDCP SNをまだ有していない、新しいSDUに目標eNBが割り当てる次のPDCP SNを指示する。UEのどのE−RABもPDCP状況保存で扱われない場合、ソースeNBは、このメッセージの送信を省略することができる。
【0027】
9 mobilityControlInformationを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信した後、UEは、目標eNBへの同期化を実行し、専用RACHプリアンブルがmobilityControlInformationにおいて指示された場合には無競合手続きに続いて、あるいは専用プリアンブルが指示されなかった場合には競合ベースの手続きに続いて、RACHを介して目標セルにアクセスする。UEは、目標eNB特有のキーを導出し、目標セルにおいて使用されることになる選択されたセキュリティアルゴリズムを設定する。
【0028】
10 目標eNBが、ULの割当ておよびタイミングの前進で応答する。
【0029】
11 UEが目標セルに無事にアクセスしたとき、UEは、可能であればいつも、アップリンクバッファ状況報告とともに、ハンドオーバを確認するためのRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ(C−RNTI)を目標eNBに送信して、そのハンドオーバ手続きがそのUEについて完了したことを指示する。目標eNBが、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージで送信されるC−RNTIを確認する。目標eNBは、ここで、UEへのデータの送信を開始することができる。
【0030】
12 目標eNBが、パス切替え要求(PATH SWITCH REQUEST)メッセージをMMEに送信して、UEがセルを変更したことを知らせる。
【0031】
13 MMEが、ベアラ修正要求(MODIFY BEARER REQUEST)メッセージをサービングゲートウェイに送信する。
【0032】
14 サービングゲートウェイが、ダウンリンクデータパスを目標側に切り替える。サービングゲートウェイは、古いパスで1つまたは複数の「エンドマーカ」パケットをソースeNBに送信し、次いで、ソースeNBに向けて任意のUプレーン/TNLリソースを解放することができる。
【0033】
15 サービングゲートウェイが、ベアラ修正応答(MODIFY BEARER RESPONSE)メッセージをMMEに送信する。
【0034】
16 MMEが、パス切替え要求確認応答(PATH SWITCH REQUEST ACKNOWLEDGE)メッセージでパス切替え要求(PATH SWITCH REQUEST)メッセージを確認する。
【0035】
17 UEコンテキスト解放(UE CONTEXT RELEASE)メッセージを送信することによって、目標eNBは、ソースeNBにHOの成功を知らせ、ソースeNBによるリソースの解放をトリガする。目標eNBは、このメッセージを、パス切替え要求確認応答(PATH SWITCH REQUEST ACKNOWLEDGE)メッセージがMMEから受信された後に送信する。
【0036】
18 UEコンテキスト解放(UE CONTEXT RELEASE)メッセージを受信したとき、ソースeNBは、UEコンテキストに関連する無線およびCプレーン関連リソースを解放することができる。任意の進行中のデータ転送は、継続することができる。
【0037】
HeNBを含むX2ハンドオーバが使用されるとき、および、ソースHeNBがHeNB GWに接続されるとき、明示的GWコンテキスト解放指示を含むUEコンテキスト解放要求(UE CONTEXT RELEASE REQUEST)メッセージが、HeNB GWが、そのUEコンテキストに関連するすべてのリソースを解放し得ることを指示するために、ソースHeNBによって送信される。
【0038】
無線リンク障害
【0039】
無線リンク障害(RLF)は、過去に広く研究され、特徴を示された。具体的には、3GPPP LTEの文脈で、2つの異なるフェーズが、無線リンク障害に関連する挙動を支配する。
【0040】
第1のフェーズは、以下のように特徴を示すことができる。第1のフェーズは、無線の問題の検出時に開始し、それは無線リンク障害をもたらし、それはUEベースの移動性に対応せず、それはタイマまたは他の(例えば、計数)基準(T
1)に基づいて識別可能である。第2のフェーズは、以下のように特徴を示すことができる。第2のフェーズは無線リンク障害検出時またはハンドオーバ失敗時に開始し、それはRRC_IDLE状態へのUEの切替えをもたらし、それはUEベースの移動性に対応し、そして、それはタイマ(T
2)に基づいて識別可能である。
【0041】
以下の表で、移動性が無線リンク障害に対してどのように処理されるかを説明する。
【0042】
【表1】
【0043】
第2のフェーズでは、UEが同セルに戻るときに、またはUEが同eNBから異なるセルを選択するときに、あるいはUEが異なるeNBからセルを選択するときに、アクティビティを再開し、RRC_IDLEを介して進むことを避けるために、以下の手続きが適用される。
− UEは、RRC_CONNECTEDにとどまる。
− UEが、ランダムアクセス手続きを介してセルにアクセスする。
− 競合解消のためのランダムアクセス手続きで使用されるUE識別子(すなわち、RLFが生じたセルにおけるUEのC−RNTI+そのセルの物理レイヤ識別+そのセルのキーに基づくショートMAC−I)が、UEを認証し、それがそのUEについて記憶されたコンテキストを有するかどうかをチェックするために、選択されたeNBによって使用される。
− eNBが、そのUEの識別に一致するコンテキストを見つけた場合、eNBはそのUEにそれの接続が再開され得ることを指示する。
− そのコンテキストが見つからない場合、RRC接続は解放され、UEは新しいRRC接続を確立するための手続きを開始する。この場合、UEは、RRC_IDLEを介して進むことを要求される。
【0044】
無線リンク障害手続きはまた、RNがそれのDeNBセルリストからセルを選択するように制限されることを除いて、RNにも適用される。無線リンク障害を検出したとき、RNは、任意の現在のRNサブフレーム設定(それのDeNBとの通信の)を破棄し、その再確立の一部として正規の競合ベースのRACHをRNが実行することを可能にする。再確立が成功したとき、RNサブフレーム設定は、RN再設定手続きを使用し、再び設定され得る。
【0045】
第2のフェーズにおける回復の試みが失敗した場合、RRC接続を回復するためのRRC_IDLEにおけるRN挙動の詳細は、RN実装形態次第である。
【0046】
無線リンク障害は、3GPP TS36.100で詳細に説明されている(3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献1の10.1.6節)。
【0047】
技術領域
【0048】
本発明は、以下を含む多数の技術において移動性の頑強性を改善するための解決法として使用することができる。
【0049】
異種ネットワーク
【0050】
異種ネットワークは、一般に、隣接するセルが送信電力/セル範囲/サイズにおいて異なる(時に大きく)配備シナリオについて本発明において参照される。より大きいセル/eNB(送信電力/セル範囲/サイズにおいて)は、一般に、マクロ(またはマスタ、メイン、アグレッサなど)と呼ばれ、そして、スモールセル/eNBは、スモール(またはピコ、2次、ビクティムなど)と呼ばれる。本発明はさらに、例えば、スモールセル/eNB内で区別せず、すなわち、ピコおよびスモールeNBは、他のどこかでのそれらの定義(および実際の送信電力/サイズの差)にかかわらず、同様の方法で扱われる/名前を付けられる − 本発明は、混合セル/eNB配備を有するすべてのシナリオに適用される。
【0051】
スモールセル
【0052】
移動体データの爆発的需要は、いかに移動体事業者が、より大容量およびユーザ体験の品質(QoE)の向上の難しい要件に応える必要があるかの変化を促している。現在、ロングタームエボリューション(LTE)を使用する第4世代ワイヤレスアクセスシステムが、3G/3.5Gシステムよりも低いレイテンシおよび高い効率でより高速のアクセスを実現するために、多数の事業者によって世界中で配備されている。しかしながら、予想される将来のトラフィック成長は、驚異的であり、特にトラフィックの最高容量を生成する高トラフィックエリア(ホットスポットエリア)では、容量要件に対処するためのさらなるネットワーク高密度化の必要性が非常に高まっている。ネットワーク高密度化―ネットワークノードの数を増やし、それによりネットワークノードをユーザ端末に物理的により近づけること―は、トラフィック容量を改善するおよびワイヤレス通信システムの達成可能なユーザ−データ転送速度を高めるための鍵である。
【0053】
マクロ配備の直接的な高密度化に加えて、ネットワーク高密度化は、既存のマクロノード層のカバレッジの下でそれぞれスモールセルの補足的低電力ノードの配備によって達成することができる。そのような異種配備では、低電力ノードは、例えば屋内および屋外のホットスポットの場所において、ローカルに非常に高いトラフィック容量および非常に高いユーザスループットを提供する。その一方で、マクロ層は、カバレッジエリア全体にわたりサービスアベイラビリティおよびQoEを確保する。言い換えれば、低電力ノードを含む層はまた、広いエリアをカバーするマクロ層とは対照的に、ローカルエリアアクセスを提供すると言うことができる。
【0054】
スモールセルそれぞれの低電力ノードの設置ならびに異種配備は、LTEの第1のリリース以降、可能であった。この関連で、いくつかの解決策が、LTEの最近のリリース(すなわち、リリース10/11)において特定された。より具体的には、これらのリリースは、異種配備における層間の干渉を処理するために、追加のツールを紹介した。パフォーマンスをさらに最適化し、コスト/エネルギー効率の高い動作を実現するために、スモールセルは、さらなる拡張を必要とし、多くの場合、既存のマクロセルと対話するまたは既存のマクロセルを補完する必要がある。そのような解決策は、LTEリリース12以降のさらなる進化の間に調査されることになる。特に、低電力ノードおよび異種配備に関連するさらなる拡張が新しいリリース12の研究事項(SI)「E−UTRAおよびE−UTRANのためのスモールセル拡張の研究(Study on Small Cell Enhancements for E-UTRA and E-UTRAN)」の下で検討されることになろう。これらの活動のうちのいくつかは、低電力層および二重層接続性へのマクロ支援の異なる形を含む、マクロ層と低電力層との間のさらに高度の相互作用の達成に重点的に取り組むことになろう。二重接続は、デバイスがマクロ層および低電力層の両方への同時接続を有することを暗示する。
【0055】
スモールセル拡張の本研究事項において想定されるいくつかの配備シナリオを以下に論じる。以下のシナリオでは、非特許文献3において理想的ではないバックホールとして分類されたバックホール技術が想定される。
【0056】
理想的バックホール(すなわち、光ファイバを使用する専用2地点間接続などの非常に高いスループットおよび非常に少ないレイテンシのバックホール)および非理想的バックホール(すなわち、xDSLなどの市場で広く使用されている通常のバックホール、マイクロウェーブ、および中継のような他のバックホール)の両方が研究されるべきである。性能−コストのトレードオフが、考慮されるべきである。
【0057】
オペレータ入力に基づく非理想的バックホールの分類が、以下の表に記載される。
【0058】
【表2】
【0059】
RRH(Remote Radio Head:遠隔無線ヘッド)を配備するために使用され得るファイバアクセスは、本研究では想定されていない。HeNBは除外されないが、HeNBの送信電力がピコeNBのそれよりも低くても、配備シナリオおよび課題に関してピコeNBと区別されない。以下の3つのシナリオが、考えられる。
【0060】
シナリオ#1は、
図5に示され、同じキャリア周波数(周波数内)のマクロセルおよびスモールセルが理想的ではないバックホールを介して接続される配備シナリオである。ユーザは、屋外および屋内の両方に分散される。
【0061】
シナリオ#2は
図6および7に示され、異なるキャリア周波数(周波数間)のマクロセルおよびスモールセルが理想的ではないバックホールを介して接続される配備シナリオを指す。ユーザは、屋外および屋内の両方に分散される。本明細書で2aおよび2bと呼ばれる、2つの異なるシナリオ#2が基本的に存在し、その差は、シナリオ2bでは、屋内スモールセル配備が考慮されるということである。
【0062】
シナリオ#3は、
図8に示され、1つまたは複数のキャリア周波数のスモールセルのみが理想的ではないバックホールリンクを介して接続される配備シナリオを指す。
【0063】
配備シナリオに応じて、異なる課題/問題が存在し、さらなる調査を必要とする。研究事項フェーズの間に、そのような課題が、対応する配備シナリオについて識別され、非特許文献4において捉えられ、それらの課題/問題のさらなる詳細は、そこで見ることができる。
【0064】
非特許文献4の5節に記載された識別された課題を解決するために、以下の設計目標が、非特許文献5で特定された要件に加えて、本研究について検討される。
【0065】
移動性頑強性に関して、
− RRC_CONNECTEDにおけるUEについて、スモールセル配備によって達成される移動性パフォーマンスは、マクロのみのネットワークのそれに匹敵すべきである。
− 頻繁なハンドオーバによるシグナリング負荷の増加に関して、
− いずれの新しい解決策も、コアネットワークに向けたシグナリング負荷の過度の増加をもたらしてはならない。しかし、スモールセル拡張によって引き起こされる追加のシグナリングおよびユーザプレーントラフィック負荷もまた、考慮されるべきである。
− ユーザごとのスループットおよびシステム容量の改善に関して、
− 理想的バックホール配備に似たユーザごとのスループットおよびシステム容量を達成するために、マクロセルおよびスモールセルにわたる無線リソースを使用し、一方で、QoS要件が目標とされるべきであることを考慮する。
【0066】
二重接続
【0067】
3GPP RAN作業グループにおいて現在審議中の問題への1つの有望な解決策は、いわゆる「二重接続」コンセプトである。「二重接続」という用語は、所与のUEが、理想的ではないバックホールと接続された少なくとも2つの異なるネットワークノードによって提供される無線リソースを消費する、動作を示すために使用される。基本的に、UEは、マクロセル(マクロeNB)およびスモールセル(2次または小型eNB)の両方と接続される。さらに、UEの二重接続に関与する各eNBは、異なる役割を想定することができる。それらの役割は、eNBの電力クラスに必ずしも依存せず、UEの間で異なってもよい。
【0068】
本研究事項は、現在、非常に初期の段階にあるので、二重接続の詳細はまだ決定されていない。例えば、アーキテクチャはまだ合意されていない。したがって、多くの事項/詳細、例えばプロトコル拡張、は、現在、まだ未決定である。
図9は、二重接続の例示的アーキテクチャを示す。それは単に1つの潜在的オプションとして理解されるべきであり、本発明は、この特定のネットワーク/プロトコルアーキテクチャに限定されず、広く適用され得る。アーキテクチャに関する以下の想定が、本明細書では行われる。
− 各パケットをどこに供するか、C/Uプレーン分割、のベアラレベルごとの決定
− 例として、UE RRCシグナリングおよびVoLTEなどの高いQoSデータが、マクロセルによって提供可能であり、一方、ベストエフォート型データがスモールセルにオフロードされる。
− ベアラ間の結合はなく、マクロセルとスモールセルとの間に必要とされる共通のPDCPまたはRLCはない。
− RANノード間のルーザ調整
− SeNBはS−GWに接続しない、すなわち、パケットはMeNBによって転送される。
− スモールセルはCNに対して透過的である。
【0069】
最後の2つの箇条書きに関して、SeNBがS−GWと直接接続されること、すなわち、S1−UがS−GWとSeNBとの間にあること、もまた起こり得ることに留意されたい。基本的に、ベアラマッピング/分割に関する3つの異なるオプションが存在する。
− オプション1:
図10Aに示され、S1−Uはまた、SeNBにおいて終了する。
− オプション2:
図10Bに示され、S1−UはMeNBにおいて終了し、ベアラはRANにおいて分割しない。
− オプション3:
図10Cに示され、S1−UはMeNBにおいて終了し、ベアラはRANにおいて分割する。
【0070】
図10A〜Cは、Uプレーンデータのダウンリンク方向を一例として挙げる、それらの3つのオプションを示す。説明を目的として、オプション2は、本出願のために主として想定され、
図9のベースでもある。
【0071】
SCE(スモールセル拡張)研究項目におけるおよび一般に異種配備における主な目的の1つは、スモール/ピコセルへのUEのオフロードが最大化されること、すなわち、より多くのUEがスモール/ピコセルにオフロードされること、ならびに、UEがスモール/ピコセルにとどまる(それらの接続がマクロセルに出て行く前の)時間が最大化されることであり、すなわち、ToS(滞在の時間)の最大化が、スモールセル拡張における、および一般に異種配備における、重要な目的である。
【0072】
異種配備の欠点
【0073】
UEがアクセス層レベルでネットワークに知られている状態は、一般に接続モードと呼ばれる。これに関して、接続モード移動は、通常は、UEがソースエリアにおける信号条件が目的エリアにおいて弱くなるおよび良くなるように一方のロケーションから他方のロケーションに移動する時を示す。接続モード移動は、ハンドオーバを用いて実現される。異種配備シナリオにおいて、ソース/目的セルは、通常は、異なるサイズ/送信電力のセルである。
【0074】
異種配備シナリオにおける接続モード移動は求められるほど頑強ではなく、ハンドオーバ失敗(HOF)または無線リンク障害RLFが最近技術審査を受けていることは、広く認識されており、詳しい説明は3GPP TR36.839で参照される(3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献6の5.2および5.4節)。
【0075】
移動性は、特に、UEがスモール/ピコセルを出てマクロセルに向かうときに脆弱である。これは、主に、スモール/ピコセルの端における無線条件がより脆弱であり、マクロセル送信によって干渉されるため、そのようになる。これらの状況で、UEによってハンドオーバコマンドを無事に受信することは難しい。
【0076】
ある種の予防的解決法が存在する。最先端の予防的解決法は、かなり複雑であり、場合によっては、これらがどのように機能するかは完全には明らかではなく、例えば、
ソースセル以外のセル、例えばハンドオーバ目標セル、によるHO CMDメッセージの繰返し(RRC多様性)は、UEが2つの異なるセルから受信することができること(同時にまたは1つずつ)を必要とし、以下の理由で、それは魅力的ではなく、複雑である。
− 同時受信は、すべてのUEで使用可能でないことがある二重接続機能を必要とし、二重接続性自体が、いくつかの配備シナリオにおいて(例えば、SCEのシナリオ1において)好ましい解決法ではないことがある。
− 1つずつ(先ずソースによって、次いで目標によって):この場合、目標セルからHO CMDを受信しようとするときに、どのC−RNTIを使用するか、どのSRB設定を使用するかなどをUEがいつ、どのように知るかが明確ではない。
【0077】
HO CMDがUEに/によって送信/受信されることになるときに、複数の(干渉する)隣接するセルがそれらの送信を調整する/見えなくすることを必要とする。しかし、これだけでは、マクロセル間の非理想的ABS調整およびより大きいCREバイアスの場合に十分ではない。
【0078】
「予防」を達成するための方法の1つは、ソースセルによって早期にHO CMDを送信することにより(無線条件が十分に良い間に)、これは、以下によって悩まされる。
− オフロードゲインの最小化(UEは、可能な限り長くスモールセルにとどまる必要がある)
− 不必要なハンドオーバ/移動性/シグナリング
− より多くのHO割込み
【0079】
異種配備において移動性の頑強性を改善するための他の可能な一連の解決法は、本質的に治癒力とすることができる。例えば、移動/ハンドオーバが失敗した(例えば、HOF、RLFが発生した)場合、そのときに、損害を最小限にする方法(例えば、より速い再確立による)。治癒力法は、さらに複雑性をもたらし(再確立の拡張において)、いくらかのジッタをなお引き起こすので、それらは十分ではない。
【0080】
異種配備における別の問題は、以下におけるUEバッテリ消費である。
1)これらのスモールセルはどこにでも偏在的に存在はし得ないので、スモールセルレイヤを見つける/発見すること。
2)時に不必要であることがある、二重接続中の2つのソース周波数の測定。
【0081】
異種配備におけるUEバッテリ寿命の改善は、残りの文章で第2の問題と称される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0083】
本発明の1つの目的は、目標基地局への移動端末のハンドオフを実行する改善された方法を提供することである。より具体的には、ハンドオフの実行において、移動端末は引き続き目標基地局の制御下にあり、同時に、目標基地局へのハンドオフの決定の頑強性および信頼性が改善される。
【課題を解決するための手段】
【0084】
本目的は、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0085】
本発明の第1の態様では、移動端末は目標基地局へのハンドオフのためのハンドオフコマンドメッセージを受信するように設定されると想定する。ハンドオフの一部として、移動端末は、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する目標基地局との通信用に設定されることになる。目標基地局は、移動端末の設定を制御する。
【0086】
従来の方法で、ハンドオフ手続きは、移動端末がソース無線セルを介するソース基地局との通信用に設定されることを暗示する。これに関して、移動端末は、ソース無線セルのダウンリンクキャリアを介してソース無線セルからハンドオフコマンドメッセージを受信する。しかし、本発明は、この点において限定されない。
【0087】
移動端末はまた、異なる無線アクセス技術のネットワークエンティティ、例えばWIFIアクセスポイント、ブルートゥースゲートウェイまたはWIMAXルータ、からハンドオフコマンドメッセージを受信するように設定することができる。その無線アクセス技術にかかわらず、本発明は目標基地局の制御下で実行されることに留意することが重要である。したがって、移動端末によって受信されることになるハンドオフコマンドメッセージを生成するのは目標基地局である。
【0088】
ハンドオフコマンドメッセージを受信したとき、本発明の移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行の情報のハンドオフコマンドメッセージに追加で含まれるハンドオフ実行条件を参照する。したがって、ハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ハンドオフの実行のためのトリガとして理解され得る。この点において、ハンドオフ実行条件を評価する追加のステップは、目標メッセージへのハンドオフが遂行される前に、実行される。
【0089】
さらに詳細には、ハンドオフ実行条件は、目標基地局へのハンドオフの実行のための時間トリガを含む。これを目的として、移動端末は、ハンドオフコマンドメッセージに含まれる受信されたハンドオフ実行条件に基づいて、その移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガするかどうかを決定する。さらに、ハンドオフ実行条件は、移動端末の目標基地局へのハンドオフの実行を遅らせるまたは阻止することもあるので、ハンドオフ実行条件は、移動端末が目標基地局へのハンドオフを直ちに実行する一方通行の状況をもたらすと想定することはできない。
【0090】
言い換えれば、ハンドオフ実行条件が満たされるかどうかの追加の決定により、移動端末がハンドオフコマンドメッセージを受信する時点は、移動端末が目標基地局へのハンドオフを実行する時点とは別個である(例えば、間隔をおく)。
【0091】
この区別は、ハンドオフの最適なタイミングを考えると有利である。移動端末は、その接続(例えば、ソース無線セルへの)が失われる時点まで目標基地局へのハンドオフの実行を遅らせるまたは延期することができる。この点において、目標基地局へのハンドオフは、ハンドオフコマンドメッセージの受信がもう起こり得ない時点まで遅らせるまたは延期することができる。したがって、本発明は、遅すぎるハンドオフ(すなわち、ソース無線セル内の劣悪な無線条件により失われるハンドオフコマンドメッセージ)の問題を解決することによって、早すぎるハンドオフを防ぐことを目指す。
【0092】
さらに、ハンドオフ実行条件が満たされるかどうかの追加の決定は、移動端末へのハンドオフの実行の理想的タイミングをその移動端末が決定するさらなる自由度を移動端末に残す。
【0093】
しかし、このさらなる自由度は、ハンドオフコマンドメッセージが、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガする特定のハンドオフ実行条件の指示を含むという点において、良好にバランスをとることができる。言い換えれば、ハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件を特定することによって、目標基地局の制御下にある移動端末は、目標基地局に時間の面で予測可能な形でハンドオフを実行する。
【0094】
さらに詳細には、移動端末が、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガしようとすると決定した場合、その移動端末は、(a)目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続きを実行して、それにより目標無線セルのアップリンクキャリアを時間調整することによって、ならびに、(b)ハンドオフ完了メッセージを目標基地局に送信することによって、目標基地局へのハンドオフを実行する。それにより、移動端末は、目標無線セルを介する目標基地局との通信のための移動端末の設定の完了の指示を含めて、目標基地局へのハンドオフの完了を指示する。
【0095】
本発明の第1の態様による一実施形態によれば、目標基地局への移動端末のハンドオフを実行する方法が提案され、そこにおいて、移動端末は、目標基地局の制御下で、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する目標基地局との通信用に設定されることになる。移動端末は、目標基地局へのハンドオフを実行するためのトリガとしてのハンドオフ実行条件を含む目標基地局へのハンドオフのためのハンドオフコマンドメッセージを受信する。次いで、移動端末は、ハンドオフコマンドメッセージに含まれる受信されたハンドオフ実行条件に基づいて、その移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガするかどうかを決定する。移動端末が、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、(a)目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続きを実行し、それによって目標無線セルのアップリンクキャリアを時間調整することによって、および、(b)ハンドオフ完了メッセージを目標基地局に送信し、それにより目標無線セルを介する目標基地局との通信のための移動端末の設定の完了を含む目標基地局へのハンドオフの完了を指示することによって、目標基地局へのハンドオフを実行する。
【0096】
ハンドオフを実行する方法のさらに詳細な一実施形態によれば、移動端末は、ハンドオフコマンドメッセージの受信に先立って、ソース無線セルを介するソース基地局との通信用に設定され、そして、その移動端末は、ソース無線セルのダウンリンクキャリアを介してソース基地局からハンドオフコマンドメッセージを受信し、そして、ハンドオフコマンドメッセージを受信した後、その移動端末は、ソース無線セルから離れ、それによって、ソース基地局との通信を停止する。
【0097】
ハンドオフを実行する方法の別のより詳細な実施形態によれば、移動端末が、第1の所定の期間内に、それが目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定しない場合、その移動端末は、受信されたハンドオフコマンドメッセージを破棄する。
【0098】
ハンドオフを実行する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージは、ハンドオフ妥当性タイマを含み、そして、移動端末はさらに、ハンドオフ妥当性タイマに基づいて第1の所定の期間を再設定する。
【0099】
ハンドオフを実行する方法の別のより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれる、ハンドオフ実行条件はタイマ値に対応し、移動端末はさらに、そのタイマ値を有するタイマが失効しているかどうかを決定し、そのタイマ値を有するタイマが失効したときには、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0100】
ハンドオフを実行する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれる、ハンドオフ実行条件は、ソースおよび/または目標無線セルの信号強度または信号品質の所定の閾値に基づいてハンドオフの実行をトリガするための指示に対応し、そして、移動端末はさらに、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が所定の閾値のうちの1つを下回るかどうかおよび/または目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が所定の閾値のうちの別の閾値を上回るかどうかを決定し、それぞれの信号強度または信号品質が所定の閾値のうちのその1つを下回ったときおよび/または所定の閾値のうちのその他方の閾値を上回ったとき、その移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0101】
ハンドオフを実行する方法の別のより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソースおよび/または目標無線セルの信号強度または信号品質の少なくとも1つの閾値に対応し、そして、移動端末はさらに、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値のうちの1つを下回るかどうかおよび/または目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値のうちの別の閾値を上回るかどうかを決定し、それぞれの信号強度または信号品質が、その少なくとも1つの閾値のうちの1つを下回ったときおよび/またはその少なくとも1つの閾値のうちの他方の閾値を上回ったとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0102】
ハンドオフを実行する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、信号強度の閾値は、ソースおよび/または目標無線セルにおいて送信される基準信号(RS)に基づいて移動端末によって測定されることになる基準信号受信電力(RSRP(reference signal received power))の閾値に対応し、および/または、信号品質の閾値は、ソースおよび/または目標無線セルにおいて送信される基準信号(RS)に基づいて移動端末によって測定されることになる基準信号受信品質(RSRQ(reference signal received quality))の閾値に対応する。
【0103】
ハンドオフを実行する方法のさらに別のより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値(Qout)を下回る非同期事象に基づいてハンドオフの実行をトリガするための指示に対応し、そして、移動端末はさらに、非同期事象の数が、既定義の期間の所定の数(N310)を超えるかどうかを決定し、そこにおいて、非同期事象の数が既定義の期間の所定の数(N310)を超える場合、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0104】
ハンドオフを実行する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値(Qout)を下回る非同期事象の
数に対応し、そして、決定する移動端末はさらに、非同期事象の数が既定義の期間の受信された
数(N310のような)を超えるかどうかを決定し、そこにおいて、非同期事象の数が既定義の期間の受信された
数(N310のような)を超えた場合、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0105】
ハンドオフを実行する方法の別のより詳細な実施形態によれば、ハンドオフコマンドメッセージは、RRCConnectionReconfigurationメッセージに対応する。
【0106】
さらなるより詳細な実施形態、ハンドオフを実行する方法、によれば、ハンドオフ完了メッセージはRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージに対応する。
【0107】
ハンドオフを実行する方法のさらに別のより詳細な実施形態によれば、移動端末が、第2の所定の期間内に、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、(a)ハンドオフコマンドメッセージに含まれるランダムアクセスプリアンブルに基づいて無競合RACH手続きを実行することを含む、目標基地局へのハンドオフを実行し、そして、移動端末が、第2の所定の期間の終了後に、それが目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、(a)その移動端末によってランダムに選択されたランダムアクセスプリアンブルに基づいて競合ベースのRACH手続きを実行することを含む、目標基地局へのハンドオフを実行する。
【0108】
ハンドオフを実行する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージはRACH妥当性タイマを含み、その移動端末はさらに、RACH妥当性タイマに基づいて第2の所定の期間を再設定する。
【0109】
本発明の第1の態様による別の実施形態によれば、移動端末は、目標基地局への移動端末のハンドオフを実行するように提案され、そこにおいて、移動端末は、目標基地局の制御下で、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する目標基地局との通信用に設定されることになる。移動端末の受信回路は、目標基地局へのハンドオフを実行するためのトリガとしてのハンドオフ実行条件を含む目標基地局へのハンドオフのためのハンドオフコマンドメッセージを受信するように設定される。移動端末のプロセッサは、ハンドオフコマンドメッセージに含まれる受信されたハンドオフ実行条件に基づいて、その移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガするかどうかを決定するように設定される。移動端末のプロセッサが、移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、移動端末は、(a)目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続きを実行し、それによって目標無線セルのアップリンクキャリアを時間調整することによって、および(b)ハンドオフ完了メッセージを目標基地局に送信し、それによって、目標無線セルを介する目標基地局との通信のための移動端末の設定の完了を含む目標基地局へのハンドオフの完了を指示することによって、目標基地局へのハンドオフを実行する。
【0110】
より詳細な一実施形態によれば、移動端末は、ハンドオフコマンドメッセージの受信に先立って、ソース無線セルを介するソース基地局との通信用に設定され、そして、受信回路は、ソース無線セルのダウンリンクキャリアを介してソース基地局からハンドオフコマンドメッセージを受信するように設定され、そして、ハンドオフコマンドメッセージを受信した後、移動端末は、ソース無線セルから切り離すように設定され、それによってソース基地局との通信は停止される。
【0111】
移動端末の別のより詳細な実施形態によれば、移動端末のプロセッサが、第1の所定の期間内に、移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定しなかった場合、その移動端末は、受信されたハンドオフコマンドメッセージを破棄するように設定される。
【0112】
移動端末のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージはハンドオフ妥当性タイマを含み、そして、移動端末のプロセッサは、ハンドオフ妥当性タイマに基づいて第1の所定の期間を再設定するように設定される。
【0113】
移動端末のさらに別のより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、タイマ値に対応し、そして、移動端末のプロセッサは、そのタイマ値を有するタイマが失効しているかどうかを決定するように設定され、そこにおいて、そのタイマ値を有するタイマが失効したときには、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0114】
移動端末のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソースおよび/または目標無線セルの信号強度または信号品質の所定の閾値に基づいてハンドオフの実行をトリガするための指示に対応し、そして、移動端末のプロセッサは、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が所定の閾値のうちの1つを下回るかどうかおよび/または目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が所定の閾値のうちの別の閾値を上回るかどうかを決定するように設定され、そこにおいて、それぞれの信号強度または信号品質が所定の閾値のうちの1つを下回ったときおよび/または所定の閾値のうちの他方の閾値を上回ったとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0115】
移動端末の別のより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソースおよび/または目標無線セルの信号強度または信号品質の少なくとも1つの閾値に対応し、そして、移動端末のプロセッサは、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値のうちの1つを下回るかどうかおよび/または目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値のうちの別の閾値を上回るかどうかを決定するように設定され、そこにおいて、それぞれの信号強度または信号品質が、その少なくとも1つの閾値のうちの1つを下回ったときおよび/またはその少なくとも1つの閾値のうちの他方の閾値を上回ったときに、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0116】
移動端末のさらなるより詳細な実施形態によれば、信号強度の閾値は、ソースおよび/または目標無線セルにおいて送信される基準信号(RS)に基づいて移動端末によって測定されることになる基準信号受信電力(RSRP)の閾値に対応し、および/または、信号品質の閾値は、ソースおよび/または目標無線セルにおいて送信される基準信号(RS)に基づいて移動端末によって測定されることになる基準信号受信品質(RSRQ)の閾値に対応する。
【0117】
移動端末のさらに別のより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値(Qout)を下回る非同期事象に基づいてハンドオフの実行をトリガするための指示に対応し、そして、移動端末のプロセッサは、非同期事象の数が、既定義の期間の所定の数(N310)を超えるかどうかを決定するように設定され、そこにおいて、非同期事象の数が既定義の期間の所定の数(N310)を超える場合、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0118】
移動端末のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージに含まれるハンドオフ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値(Qout)を下回る非同期事象の
数に対応し、そして、移動端末のプロセッサは、非同期事象の数が既定義の期間の受信された
数(N310のような)を超えるかどうかを決定するように設定され、そこにおいて、非同期事象の数が既定義の期間の受信された
数(N310のような)を超えた場合、移動端末は、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすることになる。
【0119】
移動端末の別のより詳細な実施形態によれば、ハンドオフコマンドメッセージは、RRCConnectionReconfigurationメッセージに対応する。
【0120】
移動端末のさらなるより詳細な実施形態によれば、ハンドオフ完了メッセージはRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージに対応する。
【0121】
移動端末のさらに別のより詳細な実施形態によれば、プロセッサが、第2の所定の期間内に、移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、ハンドオフコマンドメッセージに含まれるランダムアクセスプリアンブルに基づいて無競合RACH手続きを実行することを含む、目標基地局へのハンドオフを実行し、そして、プロセッサが、第2の所定の期間の終了後に、移動端末が、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、その移動端末によってランダムに選択されたランダムアクセスプリアンブルに基づいて競合ベースのRACH手続きを実行することを含む、目標基地局へのハンドオフを実行する。
【0122】
移動端末のさらなるより詳細な実施形態によれば、受信されるハンドオフコマンドメッセージはRACH妥当性タイマを含み、そして、移動端末のプロセッサは、RACH妥当性タイマに基づいて第2の所定の期間を再設定するように設定される。
【0123】
本発明の第1の態様によるさらなる実施形態によれば、移動端末のプロセッサによって実行されるときに、その移動端末に目標基地局へのハンドオフを実行させる命令を記憶する、コンピュータ可読メディアが提案され、そこにおいて、移動端末は、目標基地局へのハンドオフを実行するためのトリガとしてのハンドオフ実行条件を含む目標基地局へのハンドオフのためのハンドオフコマンドメッセージを受信すること、および、ハンドオフコマンドメッセージに含まれる受信されたハンドオフ実行条件に基づいて、その移動端末が目標基地局へのハンドオフの実行をトリガするかどうかを決定すること、によって、目標基地局の制御下で、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する目標基地局との通信用に設定されることになる。そこにおいて、移動端末が、目標基地局へのハンドオフの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、(a)目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続きを実行し、それによって目標無線セルのアップリンクキャリアを時間調整することによって、および(b)ハンドオフ完了メッセージを目標基地局に送信し、それによって、目標無線セルを介する目標基地局との通信のための移動端末の設定の完了を含む目標基地局へのハンドオフの完了を指示することによって、目標基地局へのハンドオフを実行する。
【0124】
本発明の異なる一実施形態によれば、マクロ無線セルを介してマスタ基地局におよびスモール無線セルを介して2次基地局に接続された移動端末の測定サイクルを設定するための方法が提案され、マクロおよびスモール無線セルは同周波数用に設定される。マスタ基地局は、マスタ基地局と2次基地局との間の地理的距離を決定する。次いで、マスタ基地局は、決定された地理的距離を所定の距離閾値と比較する。その後、マスタ基地局は、マクロ無線セルの測定サイクルを有する第1の測定目標およびスモール無線セルの測定サイクルを有する第2の測定目標を含む移動端末の測定制御メッセージを生成し、そして、マスタ基地局は、移動端末の測定サイクルを設定するための移動端末への測定制御メッセージを送信し、そこにおいて、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルは、決定された地理的距離の所定の距離閾値との比較の結果に基づいてセットされる。
【0125】
測定サイクルを設定する方法のより詳細な一実施形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局はさらに、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルを移動端末への測定緩和を指示する値にセットする。
【0126】
測定サイクルを設定する方法の別のより詳細な実施形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局はさらに、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルをスモール無線セルの5つより多い測定サイクルに対応する値にセットする。
【0127】
測定サイクルを設定する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局はさらに、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルを測定結果の非活動化を指示する値にセットする。
【0128】
測定サイクルを設定する方法のさらに別のより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局
は、マスタ基地局に記憶されたロケーション情報テーブルから2次基地局の地理的位置を調べる。
【0129】
測定サイクルを設定する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局は、2次基地局からその地理的位置を示すロケーション情報を受信する。
【0130】
測定サイクルを設定する方法の別のより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局は、スモール無線セルを介して2次基地局によって送信される基準信号の信号強度を測定する。
【0131】
測定サイクルを設定する方法のさらなるより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局は、スモール無線セルを介して2次基地局によって送信される基準信号の信号強度、およびマクロ無線セルを介してマスタ基地局によって送信される基準信号の信号強度を示す、移動端末からの少なくとも1つの測定報告を受信する。
【0132】
測定サイクルを設定する方法のさらに別のより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局は、2次基地局に送信されるおよび2次基地局から受信される情報のラウンドトリップ時間を測定する。
【0133】
本発明の別の異なる実施形態によれば、マクロ無線セルを介してマスタ基地局におよびスモール無線セルを介して2次基地局に接続された移動端末の測定サイクルを設定するマスタ基地局が提案され、マクロ無線セルおよびスモール無線セルは同周波数用に設定される。マスタ基地局のプロセッサは、マスタ基地局と2次基地局との間の地理的距離を決定するように設定され、そして、マスタ基地局のプロセッサはさらに、マスタ基地局によってその決定された地理的距離を所定の距離閾値と比較するように設定される。
【0134】
マスタ基地局の送信回路は、マクロ無線セルの測定サイクルを有する第1の測定目標およびスモール無線セルの測定サイクルを有する第2の測定目標を含む移動端末の測定制御メッセージを生成するように設定され、そして、マスタ基地局の送信回路はさらに、移動端末の測定サイクルを設定するための移動端末への測定制御メッセージを送信するように設定される。マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルは、決定された地理的距離の所定の距離閾値との比較の結果に基づいてマスタ基地局によってセットされる。
【0135】
マスタ基地局のより詳細な一実施形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局の送信回路は、移動端末への測定緩和を指示する値にマクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルをセットするように設定される。
【0136】
マスタ基地局の別のより詳細な実施形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局の送信回路は、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルをスモール無線セルの5つより多い測定サイクルに対応する値にセットするように設定される。
【0137】
マスタ基地局のさらなるより詳細な実施形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局の送信回路は、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルを測定結果の非活動化を指示する値にセットするように設定される。
【0138】
さらに別のより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局のプロセッサは、マスタ基地局に記憶されたロケーション情報テーブルから2次基地局の地理的位置を調べるように設定される。
【0139】
さらなるより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局のプロセッサは、2次基地局からその地理的位置を示すロケーション情報を受信するように設定される。
【0140】
別のより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局のプロセッサは、スモール無線セルを介して2次基地局によって送信される基準信号の信号強度を測定するように設定される。
【0141】
さらなるより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局の受信回路は、スモール無線セルを介して2次基地局によって送信される基準信号の信号強度、およびマクロ無線セルを介してマスタ基地局によって送信される基準信号の信号強度を示す移動端末からの少なくとも1つの測定報告を受信するように設定される。
【0142】
さらに別のより詳細な実施形態によれば、マスタ基地局の受信回路は、基地局で2次基地局に送信されるおよび2次基地局から受信される情報のラウンドトリップ時間を測定するように設定される。
【0143】
本発明のさらなる異なる実施形態によれば、マクロ無線セルおよびスモール無線セルが同周波数用に設定され、マスタ基地局のプロセッサによって実行されるときに、マスタ基地局と2次基地局との間の地理的距離を決定すること、決定された地理的距離を所定の距離閾値と比較すること、マクロ無線セルの測定サイクルを有する第1の測定目標およびスモール無線セルの測定サイクルを有する第2の測定目標を含む移動端末の測定制御メッセージを生成すること、および、移動端末の測定サイクルを設定するための移動端末への測定制御メッセージを送信すること、によって、マクロ無線セルを介してマスタ基地局におよびスモール無線セルを介して2次基地局に接続された移動端末の測定サイクルをマスタ基地局に設定させる命令を記憶する、コンピュータ可読メディアが提案される。そこにおいて、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルは、決定された地理的距離の所定の距離閾値との比較の結果に基づいてセットされる。
【0144】
以下、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0146】
以下の段落では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。例示のみを目的として、実施形態の多くは、上の背景技術のセクションで部分的に論じられた、3GPP LTE(リリース8/9)およびLTE−A(リリース10/11)移動体通信システムによる無線アクセス方式に関して概要を示される。本発明は、例えば、上の背景技術のセクションで説明されている3GPP LTE−A(リリース10/11/12)通信システムなどの移動体通信システムにおいて有利に使用することができるが、本発明はこの特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されないことに留意されたい。
【0147】
本発明の文脈で、「移動端末」または「移動ノード」は、ワイヤレス通信ネットワーク内の物理エンティティとして理解されるものとする。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、ノードまたはネットワークの他の機能エンティティに所定のセットの機能を実装および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。ノードは、それを介してノードが通信することができる通信施設またはメディアにノードを接続する1つまたは複数のインタフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、それを介して機能エンティティが他の機能エンティティまたは対応するノードと通信することができる通信施設またはメディアに機能エンティティを接続する論理インタフェースを有し得る。
【0148】
さらに、本発明の説明をとおして使用される「マスタ基地局」という用語は、マクロ基地局、または3GPP LTE−Aの二重接続の分野において従来の方法で見られるマスタ/マクロeNBという用語の意味で解釈されるものとする。同様に、「2次基地局」という用語は、スレーブ基地局、または二重接続に関してやはり使用される2次/スレーブeNBという用語と同じ意味で理解されるものとする。
【0149】
「ハンドオフ」または「ハンドオフ手続き」という用語に関して、本発明は、ワイヤレス通信における「ハンドオーバ」または「ハンドオーバ手続き」という用語に固有の含意を避けることを意図していることが強調されるものとする。さらに、「ハンドオフ」という用語は、ダウンリンクキャリアおよびアップリンクキャリアを備える目標無線セルを介する目標基地局との通信をセットアップするための移動端末による任意の試みを指すものとして理解されるものとする。
【0150】
しかしながら、3GPP LTEによって使用される専門用語に関連して一貫した説明を可能にするために、「ハンドオフ」または「ハンドオフ手続き」という用語は、「ハンドオーバ」または「ハンドオーバ手続き」と称されることになることが指摘されよう。言い換えれば、「ハンドオフ」という用語は、広義で解釈されるものとするが、詳細な説明では、3GPP LTEにおいて一般的に使用される「ハンドオーバ」という用語を参照するさまざまな実装形態として本発明を概説する。その意味で、「ハンドオフコマンドメッセージ」および「ハンドオフ完了メッセージ」は、背景技術で定義された「ハンドオーバコマンドメッセージ」および「ハンドオーバ完了メッセージ」と関連している。
【0151】
「条件」またはより正確には「ハンドオフ実行条件」という用語は、ハンドオフコマンドメッセージの追加のデータフィールドの名称として本説明をとおして使用される。ハンドオフ実行条件は、移動端末によって評価されることになる条件を示す。この点において、ハンドオフ実行条件は、移動端末が所定の値に基づいて指示された条件を評価することになることを指示し得る。別法として、ハンドオフ実行条件は、指示された条件がそれに基づいて移動端末によって評価されることになる実際の値でもよい。
【0152】
追加で、本説明において、「地理的距離」という用語は、マスタ基地局と2次基地局との間のカバレッジ関係を示すために使用されている。言い換えれば、2次基地局およびマスタ基地局が同じまたは同様のカバレッジエリアを提供する場合、両方の基地局は、互いに短い地理的距離に位置すると言われる。同様に、マスタ基地局および2次基地局が大きく異なるカバレッジエリアを提供する場合、両方の基地局は、互いに遠い地理的距離に位置すると言われる。
【0153】
しかしながら、「地理的距離」という用語は、マスタ基地局と2次基地局との間のカバレッジ関係を反映する唯一の用語ではなく、同等に「パスロス」という用語が使用され得ることが指摘されよう。例えば、マスタ基地局と2次基地局との間の「パスロス」が小さい場合、2つの基地局は同じまたは同様のカバレッジエリアを提供し、したがって、互いに短い地理的距離に位置すると言われる。同様に、マスタ基地局と2次基地局との間の「パスロス」が大きい場合、それらの2つの基地局は、大きく異なるカバレッジエリアを提供し、したがって、互いに長い地理的距離に位置すると言われる。結果として、「地理的距離」および「パスロス」という2つの用語は、本発明の文脈において同等であると理解されるものとする。
【0154】
以下で、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。これらの実施形態は、3GPP LTEおよび/またはLTE−Aにおいて特定された機能の拡張に関しておよび/またはそのために使用される実装形態として説明される。この点において、3GPP LTEおよび/またはLTE−Aの専門用語が、本説明をとおして使用される。さらに、例示的設定が、本発明の全容を詳述するために探究される。
【0155】
本説明は、本発明を限定するものとして理解されるべきではなく、本発明をよりよく理解するための本発明の実施形態の単なる例として理解されたい。特許請求の範囲で提示される本発明の一般原則は、異なるシナリオに、本明細書で明示的に記載されない方法で適用することができることが、当業者には理解されよう。同様に、さまざまな実施形態の説明を目的とすることを前提とする以下のシナリオは、そのようなものとして、本発明を限定しないものとする。
【0157】
ここで本発明の第1の実施形態を参照し、改善されたハンドオーバ手続きのさまざまな実装形態を
図11から
図14に関連して論じる。具体的には、
図11は、移動端末によって実行されることになる目標基地局へのハンドオーバ手続きのシーケンス線図を示す。
【0158】
第1の実施形態の文脈において、移動端末は、最初に、ソース無線セルを介するソース基地局との通信用に設定されると想定する。移動端末は、ソース無線セルに関してRRC接続(RRC CONNECTED)状態にある。移動端末は、次いで、それを目標無線セルを介する目標基地局との通信用に設定するためにハンドオーバ手続きを実行する。そのハンドオーバ手続きが無事完了した結果として、移動端末は、ソース無線セルから離れ、目標無線セルに関してRRC接続状態にとどまる。
【0159】
ハンドオーバ手続きが、目標基地局の制御下で実行される。特に、目標基地局は、移動端末がハンドオーバを実行するためのメッセージ(すなわち、ハンドオーバコマンドメッセージ)を生成する。その後、移動端末がハンドオーバを実行するためのハンドオーバコマンドメッセージは、ソース基地局によって移動端末に転送される。ハンドオーバコマンドメッセージ(
図11のメッセージ7を参照)を受信したとき、移動端末は、ハンドオーバ手続きを実行する。ハンドオーバが無事に完了した後、移動端末が、ハンドオーバ完了メッセージを目標基地局に送信することによって、そのことを指示する(
図11のメッセージ11を参照)。
【0160】
例示的一実装形態によれば、ハンドオーバコマンドメッセージは、RRCメッセージ、すなわちRRCConnectionReconfigurationメッセージ、である。ハンドオーバコマンドメッセージは、そこへの接続を移動端末が確立するために必要とされる情報、すなわちmobilityControlInformation、を有する目標基地局に由来する。別の例示的実装形態によれば、ハンドオーバ完了メッセージはまた、RRCメッセージ、すなわちRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ、である。
【0161】
第1の実施形態によれば、ハンドオーバコマンドメッセージは、強化されて、ハンドオーバ実行条件と呼ばれる情報を追加で含む。ハンドオーバ実行条件は、ハンドオーバが目標基地局に実行されるかどうかを移動端末がそれに基づいて決定する情報を示す。したがって、ハンドオーバコマンドメッセージに含まれるハンドオーバ実行条件は、ハンドオーバの実行のためのトリガとして理解することができる。その例示的実装形態によれば、(ハンドオーバ)実行条件を含むRRCConnectionReconfigurationメッセージが
図12に示される。
【0162】
これに関して、ハンドオーバ実行条件を評価する追加のステップは、目標メッセージへのハンドオーバが遂行される前に移動端末によって実行される。ハンドオーバ実行条件が満たされていると移動端末が決定した場合、その移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行のトリガを進める。同様に、ハンドオーバ実行条件が満たされていないと移動端末が決定した場合、その移動端末は、受信されたハンドオーバコマンドメッセージの破棄を進める。
【0163】
ハンドオーバ実行条件は異なる実装形態を有し得ることが、以下のそれぞれの説明から明らかとなろう。それとは無関係に、移動端末が、その移動端末によってどの決定が遂行されることになるかおよびいつ(すなわち、どの条件下で)それが目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになるかを示す情報を提供されることは、ハンドオーバ実行条件のすべての実装形態に固有である。
【0164】
したがって、ハンドオーバコマンドメッセージに含まれるハンドオーバ実行条件の本定義に関して、目標基地局はハンドオーバ手続きを制御し続けることが、理解されよう。さらに、ハンドオーバ実行条件に基づく移動端末の決定は、ハンドオーバの実行の有利な時点を目標基地局が見つけるのを助けるだけである。
【0165】
具体的には、ハンドオーバ実行条件に基づく決定を実施する際に、移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行を遅らせるまたは防ぐことができる。この点において、ハンドオーバ実行条件を含むハンドオーバコマンドメッセージは、移動端末が目標基地局へのハンドオーバを直ちに実行する一方通行の状況をもたらすものとして理解することはできない。
【0166】
有利には、指示されたハンドオーバ実行条件が満たされるかどうかを追加で決定する移動端末により、移動端末がハンドオーバコマンドメッセージを受信する時点は、移動端末が目標基地局へのハンドオーバを実行することができる時点とは別個である(例えば、間隔をおく)。
【0167】
この区別は、ハンドオーバの最適なタイミングに関して有益である。移動端末は、それの接続性が低減される時点まで(例えば、ソース無線セルの境界まで)目標基地局へのハンドオーバの実行を遅らせる/延期することができる。この点において、目標基地局へのハンドオーバは、ハンドオーバコマンドメッセージの受信がもう起こり得ない時点まで遅らせる/延期することができる。したがって、本発明は、遅すぎるハンドオーバ(すなわち、ソース無線セルにおける劣悪な無線条件による失われたハンドオーバコマンドメッセージ)の問題を解決することによって、早すぎるハンドオーバを防ぐことを目指す。
【0168】
さらに、ハンドオーバ実行条件が満たされているかどうかの追加の決定は、移動端末へのハンドオーバの実行の理想的タイミングをその移動端末が決定するさらなる自由度を移動端末に残す。
【0169】
しかし、この追加の自由度は、ハンドオーバコマンドメッセージが、目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになる特定のハンドオーバ実行条件の指示を含むという意味で、バランスを良好に取り得る。言い換えれば、ハンドオーバコマンドメッセージに含まれるハンドオーバ実行条件を特定することによって、移動端末は、目標基地の制御下で、目標基地局に時間的に予測可能な形でハンドオーバを実行する。
【0170】
例示的一実装形態によれば、移動端末は、第1の所定の期間内に目標基地局へのハンドオーバの実行のみをトリガするように設定される。言い換えれば、移動端末が、第1の所定の期間内に、それが目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすると決定しない場合、その移動端末は、受信されたハンドオーバコマンドメッセージを破棄する。この例示的実装形態はさらに、目標基地局が、その間にハンドオーバが生じ得る期間を知るという意味で、目標基地局への予測可能性を改善する。
【0171】
前述の例示的実装形態の修正形態によれば、ハンドオーバコマンドメッセージは、それに基づいて第1の所定の期間がセットされ得るハンドオーバ妥当性タイマを含む。さらに、移動端末によるハンドオーバ妥当性タイマを含むハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、それは、受信されたハンドオーバ妥当性タイマに基づいて第1の所定の期間を再設定するように適合される。
【0172】
さらに、移動端末が、それが目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガしようとすることを決定した場合、その移動端末は、目標基地局へのハンドオーバを実行する。
【0173】
目標基地局へのハンドオーバの実行は、(a)目標基地局とランダムアクセスチャネル(RACH)手続き(
図11のメッセージ9および10を参照)を実行し、それによって目標無線セルのアップリンクキャリアを時間調整することを含む。アップリンクキャリアのタイミングは、目標アクセスポイントから受信されるタイミング前進、TA、値に基づいて、移動端末によって調節される。さらに、ハンドオーバの実行は、(b)ハンドオーバ完了メッセージ(
図11のメッセージ11を参照)を目標基地局に送信することを含む。それによって、目標基地局へのハンドオーバの完了が、移動端末によって指示される。その結果として、目標無線セルを介する目標基地局との通信のための移動端末の設定が完了する。
【0174】
要約すると、第1の実施形態は、以下の利点を提供する。
− 悪い無線リンク条件下でのこのメッセージの送信はもはや必要ではないので、ソース無線セルからのハンドオーバコマンドメッセージの移動端末の受信は、保証され得る。
− オフロードゲイン(すなわち、ソース無線セルにおける移動端末の滞在の時間)が増える。
− 無線リンク障害、RLF(および、その後の無線リンク再確立)が回避され、したがって、無線接続の実質的割込みに対応するRRC接続再確立時間が回避される。
− 二重接続性を必要とする新しい移動端末の挙動(ハンドオーバの前に目標セルを監視するための)が回避される(したがって、目標C−RNTI割当て/PDCCH監視のような問題が回避される)。
− 無リソース制約/ほぼ空白のサブフレーム、ABS(almost blank subframe)。目標無線セルからの調整/ハンドオーバ保護が必要とされる。
− 目標無線セルにハンドオーバしたときの移動端末の専用ランダムアクセスプリアンブル予約は必要なく、その代わりに、任意の組合せの専用ランダムアクセスプリアンブル予約(所定の期間について)およびその後の競合ベースのRACHが、目標無線セルへの移動端末によるハンドオーバのために提案される。
【0176】
第1の実施形態の第1の実装形態によれば、ハンドオーバ実行条件は、タイマ値に対応する。タイマ値は、ハンドオーバ実行条件としてハンドオーバコマンドメッセージに含まれ、移動端末によって同じものとして受信される。目標基地局がハンドオーバコマンドメッセージを生成するので、タイマ値は、移動端末にのみではなく、目標基地局にも知られる。第1の実装形態によるハンドオーバコマンドメッセージの例示的実現が
図13Aに示される。
【0177】
ハンドオーバ実行条件としてハンドオーバコマンドメッセージに含まれるタイマ値の受信に応答して、移動端末は、受信されたタイマ値のタイマが失効しているかどうかを決定する。タイマが失効したとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになる。
【0178】
実装制約として、第1の実装形態のタイマ値は、その後にハンドオーバコマンドメッセージが破棄される第1の所定の期間より短い必要がある。同様に、この第1の実装形態のタイマ値はまた、その後にハンドオーバコマンドメッセージが破棄される第1の所定の期間もまた決定する潜在的に受信されるハンドオーバ妥当性タイマより短い必要がある。そうでない場合、移動端末は、それが目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすると決定しないことになる。
【0180】
第1の実施形態の第2の実装形態によれば、ハンドオーバ実行条件は、ソースおよび/または目標無線セルの信号強度または信号品質のいずれかの少なくとも1つの閾値に対応する。この第2の実装形態は、移動端末によって実行される物理レイヤ測定結果を使用する。ソースおよび/または目標無線セルの信号強度または信号品質の閾値は、ハンドオーバ実行条件としてハンドオーバコマンドメッセージに含まれ、移動端末によって同じものとして受信される。目標基地局がハンドオーバコマンドメッセージを生成するので、閾値は、移動端末にのみではなく、目標基地局にも知られる。第2の実装形態によるハンドオーバコマンドメッセージの例示的実現が、
図13Bに示される。
【0181】
どの閾値が含まれ、したがって、ハンドオーバ実行条件としてハンドオーバコマンドメッセージにおいて受信されるかに応じて、3つの異なる挙動が識別され得る。
【0182】
ソース無線セルの信号強度または信号品質の閾値が、ハンドオーバ実行条件として移動端末によって受信される場合、移動端末は、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を下回るかどうかを決定する。ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を下回ったとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになる。
【0183】
目標無線セルの信号強度または信号品質の閾値がハンドオーバ実行条件として移動端末によって受信される場合、移動端末は、目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を超えるかどうかを決定する。目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が、受信された閾値を超えたとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになる。
【0184】
さらに、ソース無線セルおよび目標無線セルの信号強度または信号品質の閾値が、ハンドオーバ実行条件として移動端末によって受信される場合、移動端末は、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を下回るかどうかと、同時に、目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を超えるかどうかを決定する。ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を下回り、目標無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質が受信された閾値を超えたとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになる。
【0185】
例示的実現によれば、移動端末は、信号強度が、ソースおよび/または目標無線セルにおいて送信される基準信号、RS、に基づいて移動端末によって測定されることになる基準信号受信電力、RSRP、の閾値に対応するかどうかを決定することになる。別法として、移動端末は、信号品質が、ソースおよび/または目標無線セルにおいて送信される基準信号、RS、に基づいて移動端末によって測定されることになる基準信号受信品質、RSRQ、の閾値に対応するかどうかを決定することになる。
【0187】
第1の実施形態の第3の実装形態によれば、ハンドオーバ実行条件は、ソース無線セルのチャネル品質が所定の非同期閾値を下回る非同期事象の
数に対応する。この第3の実装形態は、移動端末に含まれる無線リンク、RL、監視プロセスを利用する。第3の実装形態によるハンドオーバコマンドメッセージの例示的実現が、
図13Cに示される。
【0188】
ハンドオーバ実行条件としてハンドオーバコマンドメッセージに含まれる非同期事象の
数の受信に応答して、移動端末は、既定義の期間のRL監視プロセスによって報告された非同期事象の数が、受信された
数を超えるかどうかを決定する。報告された非同期事象の数が、既定義の期間の受信された
数を超えたとき、移動端末は、目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすることになる。ハンドオーバ手続きとRL監視プロセスとの区別は、
図14に例示的に詳述されている。
【0189】
要約すると、第1の実施形態の前述の3つの実装形態はすべて、移動端末がハンドオーバコマンドメッセージを受信する時点とは異なる(すなわち、後の)時点にその移動端末が目標基地局へのハンドオーバを実行するかどうかをその移動端末が決定することを可能にする。この点において、すべての3つの実装形態において、目標基地局へのハンドオーバは、ハンドオーバコマンドメッセージの受信がもう起こり得ない時点まで遅らせる/延期することができる。
【0190】
例示的に、ハンドオーバコマンドメッセージは、以下のように定義されるRRCメッセージ、すなわちRRCConnectionReconfigurationメッセージ、として実装することができる。
【0192】
さらに、ハンドオーバコマンドメッセージに含まれるハンドオーバ実行条件は、以下で特定されるような、mobilityControlInformationの部分として実装することができる。
【0194】
したがって、RRCConnectionReconfigurationメッセージに含まれるmobilityControlInformationは、3つのフィールド、すなわち、timeToExecute、radioCondition、およびn310−r9を含み、これらの中から、メッセージの生成時に、目標基地局が、移動端末へのメッセージにおいて実装する1つのフィールドを選択する。
【0195】
timeToExecuteと名付けられたデータフィールドは、第1の実装形態で定義されるものとしてのタイマ値を含み得る。sourceCellQualityおよび/またはtargetCellQualityを含むradioConditionと名付けられたデータフィールドは、第2の実装形態で定義されるものとしてのそれぞれの閾値を含み得る。n310−r9と名付けられたデータフィールドは、第3の実装形態で定義されるものとしての非同期事象の
数を含み得る。
【0197】
第1の実施形態のさらなる実装形態によれば、移動端末は、ハンドオーバの実行がトリガされるときの時点に基づいて目標基地局へのハンドオーバの実行の一部として実行されることになるランダムアクセスチャネル、RACH、手続きを変化させる。具体的には、移動端末は、第2の所定の期間の前または後にトリガされるハンドオーバの実行を区別する。
【0198】
一般に知られているように、3GPP LTEには、定義された2つの異なるRACH手続き、すなわち無競合RACH手続きおよび競合ベースのRACH手続き、が存在する。2つのRACH手続きで、移動端末は、(例えば、目標)無線セルのアップリンクキャリアを時間調整するために異なるグループからのランダムアクセスプリアンブルを使用する。
【0199】
無競合RACH手続きにおいて、移動端末は、第1のグループから固有のランダムアクセスプリアンブルを割り当てられ、それによって、(例えば、目標)基地局によって後で識別され得る。この点において、(例えば、目標)基地局は、それがその後に無競合RACH手続きを実行するために移動端末に第1のグループからランダムアクセスプリアンブルを割り当てる。従来の方法で、割り当てられたランダムアクセスプリアンブルは、ハンドオーバコマンドメッセージの部分として移動端末に信号伝達される。
【0200】
競合ベースのRACH手続きで、移動端末は、第2のグループ(第1のグループとは相異なる)からランダムアクセスプリアンブルをランダムに選択する。同じランダムアクセスプリアンブルをランダムに選択する複数の移動端末が存在し得るので、競合が起こることがあり、競合解消の冗長なメカニズムが、移動端末でのアップリンクキャリアの時間調整を可能にするために、そして、さらなるULシグナリング/データを送信するための認可を受信するために、遂行されなければならない。
【0201】
このさらなる実装形態では、移動端末が、第2の所定の期間内に、それが目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、ハンドオーバコマンドメッセージに含まれるランダムアクセスプリアンブルに基づいて無競合RACH手続きを実行することを含む、目標基地局へのハンドオーバを実行する。
【0202】
別法として、このさらなる実装形態で、移動端末が、第2の所定の期間の終了後に、それが目標基地局へのハンドオーバの実行をトリガすると決定した場合、その移動端末は、その移動端末によってランダムに選択されたランダムアクセスプリアンブルに基づいて競合ベースのRACH手続きを実行することを含む、目標基地局へのハンドオーバを実行する。
【0203】
有利には、このさらなる実装形態は、ランダムアクセスプリアンブル(および関連するRACHリソース)が、限られた時間に、すなわち第2の所定の期間に、移動端末に一意にのみ割り当てられるという意味で、(例えば、目標)基地局がリソース割当て需要を減らすことを可能にする。第2の所定の期間の経過後、(例えば、目標)基地局は、異なる移動端末に同じランダムアクセスプリアンブルを再割当てするための機会を与えられる。この点において、無競合ランダムアクセスプリアンブルのその後の割当ての間の時間は、改善することができる。
【0204】
さらなる実装形態は、それが第1の実施形態に、すなわちハンドオーバ実行条件を含むハンドオーバコマンドメッセージに、のみ限定されるという意味で理解されるべきであることが、容易に理解されよう。移動端末がハンドオーバコマンドメッセージ(すなわち、ハンドオーバ実行条件のない)を受信するが、無競合RACH手続きを実行する能力を直ちに有しない、さまざま他のシナリオが存在し得る。これらのシナリオでは、第2の所定の期間は、前述と同じ利点を可能にすることになる。
【0205】
前述のさらなる実装形態の修正形態によれば、受信されたハンドオーバコマンドメッセージは、それに基づいて第2の所定の期間がセットされ得るRACH妥当性タイマを含む。さらに、移動端末によるRACH妥当性タイマを含むハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、移動端末は、その受信されたRACH妥当性タイマに基づいて、第2の所定の期間を再設定するように適合される。
【0206】
第1の実施形態のよりさらなる実装形態によれば、それに応答して移動端末が受信されたハンドオーバコマンドメッセージを破棄する、さらなるメカニズムが定義される。
【0207】
第一に、ハンドオーバコマンドメッセージは、ハンドオーバ実行条件の一部として、ソース無線セルの信号強度または信号品質のさらなる閾値を含むことができ、ソース無線セルのそれぞれの信号強度または信号品質がこのさらなる設定された閾値を超えると移動端末が決定したときに、その移動端末は、その受信されたハンドオーバコマンドメッセージを直ちに破棄する(すなわち、その移動端末は、第1の所定の期間またはハンドオーバ妥当性タイマの失効を待たない)。
【0208】
第二に、移動端末が、古いハンドオーバコマンドメッセージに含まれる受信ハンドオーバ実行条件に基づいて決定ステップを実行していて(例えば、まだ)、同時に新しい(例えば、新鮮な)ハンドオーバコマンドメッセージを受信した場合、その移動端末はまた、古いハンドオーバコマンドメッセージを直ちに破棄し、新しい受信されたハンドオーバコマンドメッセージに基づいてハンドオーバを実行する方法を開始する。
【0210】
ここで本発明の第2の実施形態を参照し、測定サイクルの改善された設定のさまざまな実装形態を
図15から16に関連して論じる。具体的には、
図15は、マスタ基地局による移動端末の測定サイクルの設定のシーケンス線図を示す。
【0211】
第2の実施形態の文脈で、測定サイクルがマスタ基地局によって設定される移動端末は、マクロ無線セルを介してマスタ基地局におよびスモール無線セルを介して2次基地局に接続されると想定する。
【0212】
測定サイクルの設定のために、マスタ基地局は、第2の実施形態によれば、両方ともその移動端末に供するマスタ基地局と2次基地局との間の地理的距離を決定する(
図15のステップS1501を参照)。詳細な説明の最初に既に指摘したように、パスロスという用語は、地理的距離という用語の相当語句として使用され得る。
【0213】
例えば
図16で、マスタ基地局(マクロセル)および2つの2次基地局(スモールセル1および2)の例示的配備シナリオが示され、そこで、1つの2次基地局(スモールセル1)は、マスタ基地局から短い地理的距離に(すなわち、マクロ無線セルの中心近くに)位置する。別の2次基地局(スモールセル2)は、マスタ基地局から遠い地理的距離に(すなわち、マクロ無線セルの周囲に)位置する。
【0214】
次いで、マスタ基地局は、決定された地理的距離を所定の距離閾値と比較する(
図15のステップS1502を参照)。距離閾値は、マスタおよび2次基地局に接続された移動端末がマスタおよび2次基地局に関して同じまたは同様の信号特性を経験するように、予め設定される。言い換えれば、所定の閾値に基づいて、移動端末がスモール無線セルを介して2次基地局に接続される場合、その移動端末は、マクロ無線セルによるカバレッジを緩めないことが保証され得る。
【0215】
その後、マスタ基地局は、マクロ無線セルの測定サイクルを指示する第1の測定目標と、スモール無線セルの測定サイクルを指示する第2の測定目標とを含む移動端末の測定制御メッセージを生成する(
図15のステップS1503aまたはS1503bを参照)。この測定制御メッセージは、その後、移動端末の測定サイクルを設定するために移動端末にマスタ基地局によって送信される(
図15のステップS1504を参照)。
【0216】
特に、第2の実施形態で、マクロ無線セルの送信される第1の測定目標内の測定サイクルは、決定された地理的距離の所定の距離閾値との比較の結果に基づいて、マスタ基地局によってセットされる。したがって、マスタ基地局が、マスタおよび2次基地局が近い地理的距離に、すなわち所定の距離閾値未満に、あると決定した場合、マスタ基地局は、移動端末がマクロ無線セルの測定サイクルを人為的に延長する(すなわち、測定が例外的に長い間隔で遂行される)ことを可能にする(
図15のステップS1503aを参照)。
【0217】
同様に、マスタ基地局が、マスタおよび2次基地局が近い地理的距離、すなわち所定の距離閾値未満、にあると決定しなかった場合、そのマスタ基地局はまた、測定制御メッセージを生成する(
図15のステップS1503bを参照)が、それは、移動端末がマクロ無線セルの測定サイクルを人為的に延長する(すなわち、測定が例外的に長い間隔で遂行される)ことを可能にしない。
【0218】
マクロ無線セルの人工的に長い測定サイクルにより、移動端末における電力消費は減らすことができる。特に、移動端末が2次無線セルにオフロードされる(すなわち、スモールセルオフロード状況)二重接続の場合、移動端末は、正規の間隔でマクロ無線セルの測定を継続する必要はないが、マクロ無線セルの延長された測定サイクルを設定することができる。
【0219】
言い換えれば、従来の方法で、測定サイクルは、移動端末がそれによってカバレッジを失わないように、任意の無線セルのためにセットされる。この点において、延長された測定サイクルは、それぞれの無線セルによってカバレッジを失うリスクをもたらすことになる。それとは対照的に、マスタおよび2次基地局が所定の距離閾値より短い地理的距離を有するという情報は、それによってカバレッジを失うリスクなしにマクロ無線セルの延長された測定サイクルを可能にするためにマスタ基地局によって使用される。
【0220】
図16に示す例示的配備シナリオを戻って参照すると、移動端末が2次基地局(スモールセル1)にごく接近して置かれるとき、マスタ基地局は、同2次およびマスタ基地局が、所定の閾値より短い地理的距離に位置すると決定する。この状況で、マスタ基地局は、スモール無線セルの正規の測定サイクルとマクロ無線セルの延長された測定サイクルとを指示する測定制御メッセージを生成し、移動端末に送信する。
【0221】
さらに、移動端末が、それが他方の2次基地局にごく接近してあるロケーション(スモールセル2)に移動するとき、マスタ基地局は、他方の2次およびマスタ基地局が、所定の閾値より短い地理的距離に位置しないと決定する。この点において、マスタ基地局は、マクロ無線セルの延長された測定サイクルを指示する測定制御メッセージを生成せず、移動端末に送信しない。
【0223】
第2の実施形態の第1の実装形態によれば、その比較の結果が、決定された地理的距離が所定の距離閾値よりも小さいことを示す場合、マスタ基地局は、マクロ無線セルの測定サイクルを移動端末への測定緩和を指示する値にセットする。別法として、マスタ基地局は、マクロ無線セルの測定サイクルをスモール無線セルの5つより多い測定サイクルに対応する値にセットする。別の代替として、移動端末は、マクロ無線セルの測定サイクルを測定の非活動化を指示する値にセットする。
【0224】
すべての3つの場合に、移動端末は、正規の間隔でマクロ無線セルの測定を継続する必要はないが、マクロ無線セルの延長された測定サイクルを設定し、それによって移動端末による電力消費を減らすことができる。
【0226】
マスタおよび2次基地局の間の地理的距離の決定に関して、第2の実施形態の第2の実装形態によれば、マスタ基地局は、マスタ基地局に記憶されたロケーション情報テーブルから2次基地局の地理的位置を調べる。別法として、マスタ基地局は、2次基地局からその地理的位置を示すロケーション情報を受信する。別の代替として、マスタ基地局は、スモール無線セルを介して2次基地局によって送信される基準信号の信号強度を測定する。
【0227】
これらの3つの代替で、マスタ基地局は、マスタおよび2次基地局の間の地理的距離の情報を提供され、したがって、移動端末の測定サイクルのその後の設定において、この情報を使用することができる。
【0228】
別法として、移動局は、マスタおよび2次基地局と二重接続する1つまたは複数の移動端末からの受信された測定報告に基づいて地理的距離を決定するように設定され得る。その測定報告は、スモール無線セルを介して2次基地局によって送信される基準信号の信号強度を指示し、マクロ無線セルを介してマスタ基地局によって送信される基準信号の信号強度を指示する。これに関して、マスタ基地局は、2次基地局がマクロ無線セルによるカバレッジの下にある(例えば、参照報告が同様の信号強度を示す)かどうかを決定することができる。別法として、マスタ基地局は、2次基地局に送信されるおよび2次基地局から受信される情報のラウンドトリップ時間を測定するマスタ基地局によって地理的距離を決定することができる。これらの後の2つの代替で、マスタおよび2次基地局の間のおよその地理的距離が決定される。
【0229】
いずれの場合にも、第1の実装形態および第2の実装形態の変形形態は、前述で名付けられた利点を提供する移動端末の測定サイクルの設定に到達するために、互いに組み合わせることができる。
【0230】
本発明のハードウェアおよびソフトウェア実装
【0231】
本発明の他の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを用いて、上記したさまざまな実施形態を実施することに関する。これに関連して、本発明は、ユーザ機器(移動端末)およびeNodeB(基地局)を提供する。ユーザ機器は、本発明の方法を実行するようにされている。
【0232】
本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行され得るものとさらに認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または、その他プログラマブルロジックデバイスなどである。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによっても実行または具体化され得る。
【0233】
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、ソフトウェアモジュールによっても実施され得る。これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行され、または、ハードウェアにおいて直接実行される。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAMやEPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納され得る。
【0234】
さらには、本発明の複数の異なる実施形態の個々の特徴は、個々に、または任意の組合せにおいて、別の本発明の主題とすることができることに留意されたい。
【0235】
具体的な実施形態に示した本発明には、広義に記載されている本発明の概念または範囲から逸脱することなく、さまざまな変更もしくは修正またはその両方を行うことができることが、当業者には理解されるであろう。したがって、本明細書に示した実施形態は、あらゆる点において例示的であり、本発明を制限するものではないものとみなされる。