特許第6473491号(P6473491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェッターの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6473491
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】メダル類の研磨装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20190207BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   A63F5/04 691Z
   A63F7/02 351Z
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-220274(P2017-220274)
(22)【出願日】2017年11月15日
【審査請求日】2018年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
(72)【発明者】
【氏名】大宅 高敏
【審査官】 安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−171515(JP,A)
【文献】 特開2017−144190(JP,A)
【文献】 特開2017−055990(JP,A)
【文献】 特開2017−144189(JP,A)
【文献】 実公昭47−36465(JP,Y1)
【文献】 特開平5−049826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
B08B 1/02
B08B 1/04
B24B 21/00
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されているメダル・コイン又は厚みが薄い硬質の物品のメダル類の表面に回転ブラシのブラシ毛先端部分を接触させてメダル類の表面に付着したゴミ・汚れ又は粉体のゴミ類の清掃と表面研磨を行う回転ブラシによるメダル類の研磨装置に於いて、
前記回転ブラシのブラシ毛先端の円軌跡の内側で且つメダル類と接触しない領域に、剛性がある面状の網体を前記円軌跡内に差し込むように挿入し、又前記ブラシ毛先端部がメダル類又は前記網体と接触することで外周空間に放出された剥離・分離したゴミ類を収集する収集手段を備え、前記回転ブラシのブラシ毛先端部が前記網体の網面に接触して変形しながら網目空間に一時差し込まれて所定角回転すると網目空間から離脱するように動いて、前記ブラシ毛先端部分が前記網体の網部材に擦すように接触して前記ブラシ先端部に付着したゴミ類を強制剥離することで及びブラシ毛が網体との接触時の衝撃によるブラシ毛の振動によってブラシ毛から付着ゴミ類を振り離すことで回転ブラシの清掃力と研磨力を高く維持することを特徴とする、メダル類の研磨装置。
【請求項2】
前記円軌跡の一部を弓とすると前記網体が弦となるように同網体を前記円軌跡内に浅く差し込むように挿入した、請求項1記載のメダル類の研磨装置。
【請求項3】
前記網体が、前記円軌跡の内側に大部分があってしかも曲率中心が回転ブラシの回転軸近くにあるように湾曲した剛性ある面状の網体を回転ブラシのブラシ毛先端の円軌跡内に取り外し可能に配置した、請求項1記載のメダル類の研磨装置。
【請求項4】
回転ブラシのブラシ先端の円軌跡内に挿入又は配置される前記網体を、回転ブラシ及び網体を囲う研磨室に取り外し可能に取付けた、請求項1〜3いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項5】
回転ブラシのブラシ先端の円軌跡内に挿入される前記網体の外側又は下側に複数の板材を所定間隔で縦横に一体的に連結させた網体支持体を回転ブラシ及び網体を囲う研磨室壁に取り外し可能に取付け、同網体支持体に網体を載置又は固着して網体を取り外し可能とした、請求項1〜4いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項6】
前記回転ブラシのブラシ毛先端が、面状の前記網体の回転ブラシの回転軸に臨む内側の網面から最も深く挿入された状態の同網面からブラシ毛先端までの挿入の寸法が2〜7mmの範囲のものである、請求項1〜5いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項7】
前記網体が、所定方向に延びて且つ一定ピッチで多数平行に設けた剛性ある第1の網部材に対し斜め又は直角に交差する方向に延びて、一定ピッチで多数平行な剛性ある第2の網部材を重ねて配置し、第1と第2の網部材をその交差部で固着して一体化したもので、前記第1と第2の網部材に囲まれた菱型形状又は矩形状の網目空間が多数形成されたものである、請求項1〜6いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項8】
前記網体に繰り返し形成されている菱型形状又は矩形状の網目空間の一辺の長さが4〜18mmの範囲のものとした、請求項7記載のメダル類の研磨装置。
【請求項9】
前記網体としてラス網を使用した、請求項1〜8いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項10】
前記ゴミ類の収集手段が、空気負圧による空気吸引流によって外周空間に放出されたゴミ類を空気とともに吸引して途中でフィルター袋又はサイクロン室で捕捉する構造のものである、請求項1〜9いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項11】
前記ゴミ類の収集手段が、放出された剥離物又は落下物を下方で収容する受皿を研磨室壁に取り外し可能に設けたものである、請求項1〜9いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項12】
前記回転ブラシがメダル類の搬送路の上下それぞれに設け、前記網体は上・下の回転ブラシそれぞれのブラシ毛先端の円軌跡内に挿入又は配置するように設けられた、請求項1〜11いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項13】
前記回転ブラシがメダル類の搬送路の上下それぞれに設け、前記網体は下方の回転ブラシのブラシ毛先端の円軌跡内にのみ挿入又は配置するように設けられた、請求項1〜11いずれか記載のメダル類の研磨装置。
【請求項14】
メダル類の搬送路の上方に複数の回転ブラシを搬送方向に複数列設し、複数の回転ブラシの上端に回転ブラシのブラシ毛を研磨する砥石板を載置した、請求項13記載のメダル類の研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書・特許請求の範囲では、遊技場で使用するメダル・硬貨のコイン及び小さな工場生産物の厚みの薄い硬質の物品を含んで、以下メダル類と総称する。本発明は、同メダル類の表面を回転ブラシで清掃又は研磨する回転ブラシによる研磨装置において、回転ブラシのブラシ毛に付着したゴミ・汚れ・脂分・鉄粉・その他粉粒体(以下、ゴミ類という)をブラシ毛から剥離・分離し、これらゴミ類の収集と、回転ブラシのブラシ毛がゴミ類付着によって清掃力・研磨力が低下するのを防止し、回転ブラシの清掃力と研磨力を高く維持する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
メダル類の回転ブラシによる研磨装置は遊技場のメダルの清掃・研磨に広く使用されている。本出願人はこの研磨装置における回転ブラシに付着したゴミ類の除去及び回転ブラシの剥離力の回復の為に、図33,34に示すように回転ブラシ上端に砥石板9を載置させて又は砥石板9を回転ブラシに向けて砥石板9の重さ又は箱体4に収納してスプリング等の付勢手段4で付勢するように接触させて、ゴミ類の除去とブラシ毛の先端を研磨してゴミ類の除去と、ブラシ毛の研磨力を回復するようにした発明を開発した。これは、特許文献1として知られている。
【0003】
この特許文献1の砥石板9でブラシ毛先端部を研磨することで、ゴミ類の付着物の剥離・分離して除去すること及びブラシ毛の先端の研磨でブラシ毛のエッジを回復し、研磨力・剥離力を高く維持することに有効であったが、ブラシ毛の磨耗が速くなって半年毎に回転ブラシを交換せねばならないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6134031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、回転ブラシの高いゴミ類の剥離・分離力・研磨力を維持しながらブラシ毛の磨耗を抑えて、回転ブラシが1年半程連続使用でき、砥石のみでブラシ毛先端部を研磨する従来のものに比べ、交換時期が2倍以上の耐久寿命があるものにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 搬送されているメダル・コイン又は厚みが薄い硬質の物品のメダル類の表面に回転ブラシのブラシ毛先端部分を接触させてメダル類の表面に付着したゴミ・汚れ又は粉体のゴミ類の清掃と表面研磨を行う回転ブラシによるメダル類の研磨装置に於いて、
前記回転ブラシのブラシ毛先端の円軌跡の内側で且つメダル類と接触しない領域に、剛性がある面状の網体を前記円軌跡内に差し込むように挿入し、又前記ブラシ毛先端部がメダル類又は前記網体と接触することで外周空間に放出された剥離・分離したゴミ類を収集する収集手段を備え、前記回転ブラシのブラシ毛先端部が前記網体の網面に接触して変形しながら網目空間に一時差し込まれて所定角回転すると網目空間から離脱するように動いて、前記ブラシ毛先端部分が前記網体の網部材に擦すように接触して前記ブラシ先端部に付着したゴミ類を強制剥離することで及びブラシ毛が網体との接触時の衝撃によるブラシ毛の振動によってブラシ毛から付着ゴミ類を振り離すことで回転ブラシの清掃力と研磨力を高く維持することを特徴とする、メダル類の研磨装置
2) 前記円軌跡の一部を弓とすると前記網体が弦となるように同網体を前記円軌跡内に浅く差し込むように挿入した、前記1)記載のメダル類の研磨装置
3) 前記網体が、前記円軌跡の内側に大部分があってしかも曲率中心が回転ブラシの回転軸近くにあるように湾曲した剛性ある面状の網体を回転ブラシのブラシ毛先端の円軌跡内に取り外し可能に配置した、前記1)記載のメダル類の研磨装置
4) 回転ブラシのブラシ先端の円軌跡内に挿入又は配置される前記網体を、回転ブラシ及び網体を囲う研磨室に取り外し可能に取付けた、前記1)〜3)いずれか記載のメダル類の研磨装置
5) 回転ブラシのブラシ先端の円軌跡内に挿入される前記網体の外側又は下側に複数の板材を所定間隔で縦横に一体的に連結させた網体支持体を回転ブラシ及び網体を囲う研磨室壁に取り外し可能に取付け、同網体支持体に網体を載置又は固着して網体を取り外し可能とした、前記1)〜4)いずれか記載のメダル類の研磨装置
6) 前記回転ブラシのブラシ毛先端が、面状の前記網体の回転ブラシの回転軸に臨む内側の網面から最も深く挿入された状態の同網面からブラシ毛先端までの挿入の寸法が2〜7mmの範囲のものである、前記1)〜5)いずれか記載のメダル類の研磨装置
7) 前記網体が、所定方向に延びて且つ一定ピッチで多数平行に設けた剛性ある第1の網部材に対し斜め又は直角に交差する方向に延びて、一定ピッチで多数平行な剛性ある第2の網部材を重ねて配置し、第1と第2の網部材をその交差部で固着して一体化したもので、前記第1と第2の網部材に囲まれた菱型形状又は矩形状の網目空間が多数形成されたものである、前記1)〜6)いずれか記載のメダル類の研磨装置
8) 前記網体に繰り返し形成されている菱型形状又は矩形状の網目空間の一辺の長さが4〜18mmの範囲のものとした、前記7)記載のメダル類の研磨装置
9) 前記網体としてラス網を使用した、前記1)〜8)いずれか記載のメダル類の研磨装置
10) 前記ゴミ類の収集手段が、空気負圧による空気吸引流によって外周空間に放出されたゴミ類を空気とともに吸引して途中でフィルター袋又はサイクロン室で捕捉する構造のものである、前記1)〜9)いずれか記載のメダル類の研磨装置
11) 前記ゴミ類の収集手段が、放出された剥離物又は落下物を下方で収容する受皿を研磨室壁に取り外し可能に設けたものである、前記1)〜9)いずれか記載のメダル類の研磨装置
12) 前記回転ブラシがメダル類の搬送路の上下それぞれに設け、前記網体は上・下の回転ブラシそれぞれのブラシ毛先端の円軌跡内に挿入又は配置するように設けられた、前記1)〜11)いずれか記載のメダル類の研磨装置
13) 前記回転ブラシがメダル類の搬送路の上下それぞれに設け、前記網体は下方の回転ブラシのブラシ毛先端の円軌跡内にのみ挿入又は配置するように設けられた、前記1)〜11)いずれか記載のメダル類の研磨装置
14) メダル類の搬送路の上方に複数の回転ブラシを搬送方向に複数列設し、複数の回転ブラシの上端に回転ブラシのブラシ毛を研磨する砥石板を載置した、前記13)記載のメダル類の研磨装置
にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回転ブラシが回転して回転ブラシのブラシ毛の先端部が網体の網面との接触によってブラシ毛先端部は網面に沿って屈曲するように変形して、そのブラシ毛のゴミ類の付着物を網面の突出した網部材と擦って強制的に剥離する。更に、ブラシ毛先端部は網体の網目空間内に挿入され、所定角度進むとブラシ毛の先端部は網目空間から離脱するが、網目への挿入時点から網目からの離脱する時点までの時間においてブラシ毛先端部は網体の網部材に強く接触し、ブラシ毛の先端部分の外周面は網部材と擦り、ブラシ毛先端部分に付着したゴミ・汚れ・粉粒体のゴミ類は網部材との擦りによって強制剥離・分離され、ブラシ毛から離れる。特に、網目空間の開口形状が菱型となっていれば、回転ブラシのブラシ毛は斜交している網部材に沿って送り方向と左右に振られながらブラシ毛と網部材の接触面が変化しながらその交差部へ送られて、V字状の交差部でブラシ毛の付着物は均一に擦られていき、更にV字状の交差部に挟まれるように効果的に擦りとられて、剥離・分離を確実にしている。
しかも、ブラシ毛は回転とともに複数の網目空間に挿入・離脱を複数回繰り返すことで前記のように強い剥離力・分離力が繰り返し生起する。又、前記のようにブラシ毛が網目空間に挿入する前段及び離脱後の後段でもブラシ先端部が網面の突出部のエッジに当って湾曲変形しながらブラシ毛を網面と平行状態で引きずることによってブラシ毛は網目部材と擦るように接触してゴミ類は擦り剥れ・分離する。
【0008】
更に、回転ブラシは所定の回転速度で回転しているので、これが網体の網部材と接触する時に、ブラシ毛が網部材から打撃される衝撃を受け、回転ブラシの弾性あるブラシ毛はその衝撃によって振動を受け、ブラシ毛に付着したゴミ類を振り離す。しかも、ブラシ毛は網部材とは1回転の間20回程接触するので、その接触毎に衝撃によってゴミ類の振り離す。よって、この振り離しによってもゴミ類をブラシ毛から分離・放出させる。
擦って剥離したゴミ類の付着物は網体の網目空間から外方向・下方向に放出され、下方の受皿又は空気吸引流等の収集手段で収集される。
又、付着物が網部材に付着しても回転してくる後の多数のブラシ毛によって打撃されて剥離されて網部材から分離・放出される。
【0009】
ブラシ毛先端部分が網体の内側の網面からの挿入される最大寸法が2〜7mmの場合はブラシ毛先端部分でゴミ類が付着し易い部分が先端及び先端から2〜5mmであるので、付着している部分の剥離・分離を効果的となっている。メインの剥離の下方の回転ブラシの挿入寸法は長めに、上方の回転ブラシの挿入寸法は短くするようにしてもよい。
【0010】
又、本発明で網体の網部材のピッチ間隔が4〜18mmの範囲にしたものであれば、ブラシ毛が0.1mm程の線径(直径)であり、又その挿入深さが2〜7mm前後のものであるので、ブラシ毛の先端部は網目空間に確実に挿入され、且つブラシ毛一回転で複数の網目空間に挿入離脱され、網体によるゴミ類の剥離・分離力を高いものとする。ピッチ間隔が3mm以下となるとブラシ毛先端部が挿入されない場合が発生し、ピッチ間隔が19mm以上と長くなる場合はブラシ毛先端部の網目空間への挿入回数が減って、剥離・分離力が低くなる。
【0011】
図30に示すように、下方の回転ブラシと網体の下方に研磨室壁に取り外し自在に受皿を取付けたものであれば、剥離・分離した付着物を網目空間を介して受皿内に収集でき、又受皿内のゴミ類の廃棄が容易となる。尚、空気負圧による吸引方式に比べるとゴミ類の収集力は弱い。
【0012】
網体が研磨室壁に取り外し自在に取付けられていれば、網体を取り出すことができて、網体に強く付着したゴミ類を装置外で除去して網体の洗滌も容易とする。
又、網体を複数の板材を所定間隔で縦横に一体的に連結させた網体支持体に載置・固着されたものでは、網体が回転ブラシで打撃されるように繰り返し荷重を受けても網体の変形・変位を生起することもなく安定して長時間挿入状態にすることができる。又、網体とこの網体支持体とを研磨室壁から取り外し可能とすることで、これらの洗滌・清掃を容易としている。
【0013】
本発明では、網体によってブラシ毛に付着したゴミ類を擦るように剥離・分離するので、砥石方式に比べてブラシ毛先端の磨耗が少なく、且つより強くゴミ類を除去でき、ブラシ毛の清掃・研磨力を高く維持できるものとした。よって、回転ブラシは砥石板のものに比べて2〜3倍長く交換なく連続使用できるようになった。
【0014】
上下にある回転ブラシ両方ともラス網等の網体で剥離・分離すれば、上下の回転ブラシともに強いゴミ類の付着物の剥離・分離を可能とする。
【0015】
上方の回転ブラシを列設した上端に砥石板を載置すれば、砥石板でブラシ毛先端部の付着物を分離・剥離できるとともにブラシ毛の先端のエッジを鋭角にして、メダル類の表面の凹凸の隅に付着したゴミ類を掻き出す力を回復でき、回転ブラシのメダル類の清掃力・研磨力を高める。この場合、回転ブラシにおける本発明の網体と前記砥石板とを挿入又は配置位置をかえることで同時に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の上下の回転ブラシにそれぞれ網体を挿入した実施例1のメダル類の研磨装置Gの全体構造を示す説明図である。
図2図2は、実施例1の回転盤式1次清掃装置10を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施例1の回転ブラシの駆動機構を示す説明図である。
図4図4は、実施例1の要部構造を示す断面図である。
図5図5は、実施例1の上下の回転ブラシと上下の網体と網体支持体の配置を示す分解斜視図である。
図6図6は、実施例1の回転ブラシを示す側面図である。
図7図7は、実施例1の回転ブラシを示す正面図である。
図8図8は、実施例1の回転ブラシのブラシ毛の研磨状態を示す説明図である。
図9図9(a),(b),(c)は、実施例1のブラシ毛の先端部の状態を示す説明図である。
図10図10は、実施例1のブラシ毛の網体清掃の要部構造を示す斜視図である。
図11図11は、実施例1のメダルガイドの配置を示す説明図である。
図12図12は、実施例1の前方・中間及び後方のメダルガイドの先端部の突出部の櫛歯状の形状を示す斜視図である。
図13図13は、実施例1のメダルの移動状態を示す説明図である。
図14図14は、実施例1の網体のラス網を示す説明図である。
図15図15は、本発明の実施例1の網体におけるブラシ毛の変形状態を示す説明図である。
図16図16は、本発明の上回転ブラシ上に砥石板を載置した実施例2を示すメダル類の研磨装置Gの構造を示す説明図である。
図17図17は、実施例2の回転盤式1次清掃装置10を示す分解斜視図である。
図18図18は、実施例2の回転ブラシの駆動機構を示す説明図である。
図19図19は、実施例2の要部構造を示す断面図である。
図20図20は、実施例2のブラシ砥石板と網体と網体支持体の配置を示す分解斜視図である。
図21図21は、実施例2の回転ブラシを示す側面図である。
図22図22は、実施例2の回転ブラシを示す正面図である。
図23図23は、実施例2の回転ブラシのブラシ毛の研磨状態を示す説明図である。
図24図24(a),(b),(c)は、実施例2のブラシ毛の先端状態を示す説明図である。
図25図25は、実施例2のブラシ毛の砥石板と網体による研磨構造を示す斜視図である。
図26図26は、実施例2のメダルガイドの配置を示す説明図である。
図27図27は、実施例2の前方・中間及び後方のメダルガイドの先端部の突出部の櫛歯状の形状を示す斜視図である。
図28図28は、実施例2のメダルの移動状態を示す説明図である。
図29図29は、下方回転ブラシに湾曲した面状の網体を配置した実施例3を示す説明図である。
図30図30は、本発明の収集手段が剥離・分離したゴミ類を受皿で収容する形態の例を示す説明図である。
図31図31は本発明の網体を斜めに挿入した他例を示す説明図である。
図32図32は本発明の網体の他の形状例を示す説明図である。
図33図33は回転ブラシを砥石板のみで研磨する従来の研磨装置を示す構造説明図である。
図34図34図33に示す従来の研磨装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の「剛性がある面状の網体」とは、回転ブラシのブラシ毛との接触により変形・変位をほとんどせず、又軟質の網体の如くブラシ毛と互に絡まることもなく、ブラシ毛が繰り返し接触しても変形・磨耗を生起せずに保形性を保持するに充分な剛性・硬度・強度を有するものをいう。できれば耐磨耗性もある素材が好ましい。本発明の網体としてはラス網の如き金属製・硬質プラスチック樹脂又はセラミックス素材のものが使用できる。又、網体の外形は平面状・湾曲した面形状のものも可能である。
【0018】
又、本発明の網体としては、多数の網部材を互に斜めに交差させて網目形状が菱型となったもの、又は直角に交差させて網目形状が正方形又は長方形状にしたもの、又は円形・長円状・矩形状・星形の開口を穿孔した開口率が高いパンチングメタルでも可能である。更に、網部材が放射状に分岐して互に絡んだ複雑な網目形状のものでも可能である。
【0019】
あるいは、網体の回転ブラシの回転軸と平行な方向の網部材の本数を多くし、これと直交する網部材を少なくし、網目空間形状が回転軸方向に長い矩形状とした面状の網体でもよい。
【0020】
本発明の網体の網目空間の形状の一辺が4〜9mm程、好ましくは5〜8mm程の長さのもので、その空間形状は菱型状又はV字状・X字状の交差部があるものが好ましい。ブラシ毛が狭いV字状・X字状の交差部に左右動しながら移動させてブラシ毛外周に付着したゴミ類をその交差部のV字状又はX字状の谷間のエッジでもって擦らせて剥離及び分離を確実にできるので好ましい。
【0021】
本発明に使用される砥石板の表面に形成する砥石層の砥石材としては、サンドペーパー・ヤスリ・セラミック研磨布・砥石等に使用されている砥石材が使用できる。砥石材の付着の他に、砥石層を取付けた板材に微細な凹凸を設けて砥石層とすることでも可能となる。
【0022】
又、回転ブラシのブラシ毛の長さは図8に示すようにブラシ毛がしなってメダル類の表面に毛先が当るようにするブラシ毛の長さが好ましい。この長さでは、ブラシ毛の先端がメダル類の表面の凹凸の隅に刺し込むようにして付着物を掻き出して剥離し、又ブラシ毛の曲がりによる弾性力が撥き飛ばす力を生む。この長さを生じるようにするため、上下の回転ブラシのブラシ毛が互に交差するように重ねる程の長さにする必要がある。又、回転ブラシを重ねることで、上方の回転ブラシのブラシ毛と下方の回転ブラシのブラシ毛の相互接触でゴミ類の剥離・分離又はゴミ類の移動・分散がなされ、ゴミ類の放出を高める。
【0023】
又、対向する一対の回転ブラシとしては、メダル搬送路が水平方向で上下方向に対向する回転ブラシ配置が代表例であるが、メダル搬送路が垂直・傾斜したものでもよい。水平方向に左右対向する回転ブラシでもよいし、対向方向が傾斜していてもよい。
【0024】
又、ゴミ類の収集手段としては、吸引式の電気掃除機(ゴミはフィルター袋内に収容するタイプ及びサイクロンで捕捉して小室に溜めるタイプ)の構造が採用できる。空気吸引口は対向の回転ブラシ間の空気及びその周囲の空気とともに飛散・浮遊するゴミ・粒子・破片・ブラシの削りカス等の剥離物・分離物を吸引して、フィルター袋内又はサイクロンの小室に収容し、多く収容されればフィルター袋・小室から排出するようにするのがよい。このため、回転ブラシを収納するケーシング又は研磨室の天井面及びブラシ砥石板に空気取込みと空気移動の為の開口を設けることが好ましい。
【0025】
ブラシ砥石板の取付けには、その支持部材・前後方向の制限部材とその緩衝用弾性体の取付けの種々のパターンがある。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を図1〜15に示す実施例1と、図16〜28に示す実施例2とを図面に基づいて説明する。又、本発明の他の形態例を図29,30,31,32に示している。いずれも、遊技場のメダルの研磨装置の例である。
【0027】
(実施例1の概要)
図1〜15に示す実施例1は、本発明の請求項1,2,4,5,6,7,8,9,10,12を実施する発明で、上下回転ブラシ2,3それぞれのブラシ毛先端の円軌跡内に挿入する平面状の網体としてラス網8を使用し、同下方のラス網8を下方の回転ブラシ3のブラシ毛3の先端の円軌跡内に円軌跡の一部を弓とすると弦の如く水平に挿入され、同下方のラス網8は網体支持体17上に載置し、同ラス網8の上面(内面)からブラシ毛3の毛先端の最大挿入長さは5mm程である。同網体支持体17を研磨室18内側の研磨室壁18に張り出させた受梁18に載置することで下方のラス網(網体)8を取り外し自在としている。上方回転ブラシ2には同じラス網8を複数の列設した回転ブラシ2の上端に載せている。そして、放出された剥離・分離したゴミ類の収集装置7として空気負圧による空気吸引流で集め、途中でフィルター袋7で捕捉する構造のものを採用している。更に、実施例1はメダル類の1次研磨装置として回転盤式1次清掃装置10を本発明の回転ブラシ2,3による研磨の前段のメダルの清掃装置として設けている。
【0028】
(実施例2の概要)
図16〜28に示す実施例2は、実施例1において上方の列設した回転ブラシ2の上端に載置するものをラス網8に代えて砥石板9を上方に載置したものであり、他は実施例1と同様な構造・動作を有している。砥石板9でブラシ毛に付着したゴミ類の剥離を行うとともに、上方回転ブラシ2のブラシ毛先端を研磨して、ブラシ毛先端のエッジを確保して、回転ブラシによる清掃力を高めるようにしている例である。
【0029】
(その他の本発明の態様例)
図29に示す例は、網体の大部分が下方の回転ブラシ3のブラシ毛の先端の回転軌跡内にあって、回転ブラシの回転軸又はその近くに曲率中心があるように略円弧状に湾曲した形状の実施例3のGの例である。この網体では網目空間への深い挿入回数を多く繰り返すことで、擦ぎ剥離を強くできる。他の構造・作用効果は実施例1のものと同様である。
更に、図30には下方の回転ブラシの研磨室下部に収集装置として放出された剥離・分離したゴミ類を受けとる受皿を取り外し自在に取り付け、実施例1,2の収集装置7の他例を示している。収集装置が空気吸引方式から落下物受の受皿30に代わるだけである。しかし、収集能力は受皿方式のものは空気吸引方式の収集装置7の能力に比べかなり弱い例である。他の構造・作用効果は実施例1と同じである。
更に、本発明の網体の形状・挿入状態の他の例として、図31,32の例を示している。
図31の網体の例は、平面的な網体8を下方の回転ブラシ3のブラシ毛先端の円軌跡に対し、斜め直線的に深くなるように差し込んだ例である。又、この網体8は下方の取り外し可能な網体支持体17に熔着されている。又、上方の網体8はスプリングで弾支している。他は実施例1と同様な構造とした例である。
図32の網体の例は、下方の回転ブラシ3のブラシ毛の最下端において最も深くなるように下方に曲率中心があるように湾曲した網体8を下方の取り外し可能な網体支持体17に熔着させた例であり、他は実施例1と同様な構造・作用効果とした例である。
上記の図31,32に示す網体でも、回転ブラシに付着したゴミ類をブラシ毛から剥離・分離することもできる。
【0030】
(本実施例における図面の符号及び構造の説明)
実施例1,2,その他の態様例で共通の構造・部材に対して共通の用語と符号を用いている。
図中Gは実施例1のメダル類の研磨装置、Gは実施例2のメダル類の研磨装置、Gはその他の本発明のメダル類の研磨装置である。図中、mは遊技場のスロットル機で使用するメダル、1はメダルmの研磨室18における搬送路、2,3は同搬送路の上下に配置した回転ブラシ、2,3は同回転ブラシのブラシ毛を植毛した円筒ロール、2,3は各回転ブラシの回転軸、2,3は円筒ロール2,3の外周面に植毛されたブラシ毛、231,331はブラシ毛2,3の先端のエッジ、232,332はブラシ毛2,3の先端部に付着したゴミ汚れ、233,333はブラシ毛2,3の先端の研磨によって磨耗した丸味、2,3は回転軸2,3に軸着した平ギア、2はモータ5の出力軸に軸着したベルト車、2は回転ブラシ2,3の先端の円軌跡、3は同平ギア2に軸着したベルト車、4はモータ5の回転力をベルト車3に伝達する伝達ベルト、5はモータである。
【0031】
6は研磨室18から研磨後のメダルを吐出する排出シュート部、7はゴミ類の収集装置、7はその空気吸引口、7は収集装置本体、7は排気口、7は空気路、7はファン、7は空気路7の途中に設けたゴミ類を捕捉するフィルター袋、8は網体である金属製のラス網、8はラス網8の6mmピッチの間隔で平行に多数本配置された第1の1mm程の厚みの網部材、8はラス網8の6mmピッチの間隔で平行に多数本重ねて配置された第2の網部材であり、第1と第2の網部材8,8の交差点は溶着されている。8はラス網8の第1と第2の網部材8,8で囲まれている網目空間で、一辺が7mm程の菱型形状であり、ラス網8の第1と第2の網部材8,8の交差角度は55°,125°程である。
【0032】
9は実施例2における列設された上方回転ブラシ2のブラシ上端に載置される砥石板、9はその砥石層、9は砥石板9の開口、10は本発明の要部の回転ブラシ2,3による研磨の前に行う回転盤11の上面のブラシ毛12と環状ケーシング部13のブラシ毛14でメダルmを清掃研磨する回転盤式1次清掃装置である。11は回転盤、11は同回転盤11の中央部のメダル受面、11は回転盤11の回転軸、12は回転盤11の外周側上面に植毛したブラシ毛、13は回転盤式1次清掃装置10の装置ケーシング、13はメダルmの投入口、13は固定フレーム、13は環状ケーシング部、14は同環状ケーシング部の下面に植毛したブラシ毛、15は回転盤11を回転させるモータ、15は同モータの回転力を回転軸11に伝達する伝達ベルト、16は回転盤式1次清掃装置10のメダルmを吐出するメダル送出口、17は網体支持体、17,17は網体支持体17を構成する縦横の板材、18は本発明の要部の回転ブラシ2,3による研磨を行う研磨室、18は同研磨室を形成する研磨室壁である。
【0033】
18は網体支持体17を支持する研磨室壁18の内側に張り出した受梁、18は研磨室18の天井面の空気吸引口、18は実施例2の砥石板9と研磨室壁18との緩衝ゴムである。20は搬送路1の途中のメダルガイド、21は同メダルガイド20の噛状の突出部22がある先端部、22は同突出部である。
【0034】
(実施例1の動作)
図1〜15に示される実施例1では、使用されたメダルmは回転盤式1次清掃装置10の投入口13からランダムに投入する。投入されたメダルmは回転盤11の中央領域のメダル受面11で受けられる。回転盤11はモータ15で高速回転していて回転盤11のメダル受面11及びその外周領域に置かれたメダルmは回転による遠心力が作用し、メダルmは半径方向に(螺旋的軌跡でもって)加速されて、回転盤11の下側ブラシ毛12と固定フレーム13の上側ブラシ毛14との間を通過して又環状ケーシング部13の内面に拘束されて、ブラシ毛12,14によってブラッシングを受けて一次的に清掃され、適当なタイミングでメダル送出口16からメダルを搬送路1へ送り出される。
この回転盤式1次清掃装置10によってメダルmは1次的にかなり清掃される。
【0035】
搬送路1に送り出されたメダルmは、本発明の要部の上下対の回転ブラシ2,3による研磨室18へ送られる。ここでは、上下対の回転ブラシ2,3が回動されている。
回転ブラシ2,3の回動は図3に示している。モータ5の出力軸に取付けたベルト車2と回転ブラシ2,3の回転軸3に取付けたベルト車3とを伝達ベルト4で伝動し、上下の回転ブラシ2,3はその円筒ロール2,3の回転軸2,3に軸着した平ギア2,3の噛合で、上下一対の回転ブラシ2,3は互に反対方向に回転させている。
【0036】
搬送路1に送り込まれたメダルmは上下対向の回転ブラシ2,3のブラシ毛2,3間の搬送路1を通過する過程で、上下のブラシ毛2,3によってメダルmの表面・裏面の凹凸の隅までブラシ毛の先端が刺し込まれてこの隅にある1次清掃で除去されないで残っているゴミ・汚れ・粒子をブラシ毛2,3の毛先で掻き出してこれら付着物をメダルmから剥離し、又そのブラシ毛2,3の変形による弾性力で剥離物を外周へ飛散・放出させる。この状態を図8に示している。
この上下の回転ブラシ2,3は搬送路1に沿って2組設けることで充分に回転ブラシ2,3によるメダルmの2次清掃を行う。
【0037】
回転ブラシ2,3によるメダルmの清掃と研磨により、メダルmに付着したゴミ類は剥離・分離物として外周に放出される。一方、回転ブラシ2,3の先端部にも剥離・分離物のゴミ類が付着する。
回転ブラシ2,3のブラシ毛2,3は、使用開始時は図9(a)の如くブラシ毛2,3の毛先はブラシ毛を直角の切断面を有し、エッジ231,331を有しているが、使用していると図9(b)の如くエッジ231,331にゴミ汚れ232(332)が付着したり、又丸味233,333を帯びてきてブラシ毛2,3の剥離力が低下する。
【0038】
本実施例1では、回転ブラシ2,3のブラシ毛2,3がラス網8と接触して網部材8,8を擦って付着したゴミ類を剥離・分離する。そのラス網8の網目空間は菱型で、その一辺は7mm程で、交差角度は55°,125°である。これによって、図9(c)の如くブラシ毛2,3の毛先の付着物のゴミ類の剥離と分離と除去によってブラシ毛の剥離力を高く維持できる。
【0039】
詳しく説明すると、実施例1では、上下の回転ブラシ2,3のいずれにもラス網8がブラシ毛先端の円軌跡2に対し弦のように差し込まれている。ラス網8の網面から最大寸法6mm程挿入されるようにある。回転しているブラシ毛2,3の先端部はラス網8に接触すると、変形してラス網8の網面に沿って移動する。この際に、ブラシ毛2,3は網部材8,8の突出部と擦ってブラシ毛2,3に付着したゴミ類を剥離・分離させる。又、ブラシ毛2,3が網目空間8に挿入されて移動し、55°又は125°の交差点にブラシ毛2,3は集まって、同ブラシ毛に付着したゴミ類は二つの網部材8,8の交差点に挟まれるように擦りながら、網目空間8から離脱するが、この交差点で強く擦られることからゴミ類の剥離・分離力は強力になされる。そして、ブラシ毛2,3は網面と網目空間8の交差点で繰り返し擦られることで、付着したゴミ類を充分に剥離・分離できる。そして、剥離・分離したゴミ類はブラシ毛外周空間に放出され、負圧吸引式の収集装置7の負圧によって空気吸引口7へ誘導され、空気路7に流入し、途中のフィルター袋7によって捕捉される。更に、回転ブラシのブラシ毛が網体の網部材8,8との接触時の衝撃によってブラシ毛が振動してブラシ毛に付着したゴミ類を分離・放出する。
【0040】
下方の2個の回転ブラシ3に水平に挿入されるラス網8は、その下方の網体支持体17に載置されている。同網体支持体17は縦横の縦の板材17,17を直角に組み合せられて連結されていて、研磨室18の研磨室壁18の受梁18上に載置され、下方の回転ブラシ3の回転しているブラシ毛3によってラス網8が打撃されても、充分にその振動荷重に耐えている。
又、上方の2個列設の回転ブラシ2のブラシ毛2の上にラス網8が載置され、ブラシ毛2の毛先端の円軌跡の上端から重さで少し沈むように載置され、ラス網8を弾支している。
【0041】
本実施例2では上方の2組の回転ブラシ2の上には実施例1のラス網8に代えてブラシ砥石板9がのっていて、回転ブラシ2のブラシ毛2が回転してブラシ砥石板9の下面の砥石層9に接触して、ブラシ毛2の毛先端を研磨してエッジを回復させる。ブラシ毛2が何回か回転すれば砥石層9と確実に接触して、ブラシ毛の毛先端を研磨させてエッジを回復させる。
【0042】
2組の回転ブラシ2,3でメダルmの表面から剥離して空気中に放出したゴミ・汚れ・粒子及び上記砥石板9又はラス網8から放出されるゴミ類は、この回転ブラシ2,3の下方位置にある収集装置7の空気吸引口7があり、ファン7によって負圧にされているので、回転ブラシ2,3等によって空気中に浮遊・飛散している剥離物、又はブラシ毛等に軽く再付着した剥離物は空気吸引口7の負圧によって吸引され、収集装置本体7の内部にあるフィルター袋7によって収容され、空気のみ排気口7から大気へ戻される。フィルター袋7の収集された剥離物が満杯となればフィルター袋7は外されて捨てられ、新しい空のフィルター袋7と交換される。又、収集装置7の負圧吸引が円滑にいくように、研磨室18の天井壁には空気吸引口18が、実施例2では砥石板9には開口9が設けられて吸引を容易にしている。
【0043】
図29に示す実施例3は、実施例1の下方回転ブラシ3に挿入する平面状のラス網8に代えて回転ブラシ3の回転軸3と略同じ回転中心の曲率中心を有する湾曲した円軌跡3の内側6mm深くに配置された湾曲面状のラス網8を配置した例で、他は実施例1の構造と動作と同じである。この実施例3では、円軌跡3の広い角度範囲で回転ブラシ3のブラシ毛3をラス網8に接触させて長く擦り剥離をさせる例であり、本発明ではラス網8は平面ばかりでなく湾曲面状のものでも使用可能であることを示す。
【0044】
図30に示す実施例は他の収集装置の例であり、実施例1,2におけるゴミ類の収集手段が吸引式の収集装置7に代えてゴミ類を自然落下させ、下方のゴミ回収用受皿30に貯える方法である。ゴミ類の回収方法がシンプルにした例であり、ゴミ類の収集以外の構成及び受皿30によるゴミ類の収集力が負圧吸引式に比べ低い点を除いて、その他構造・作用効果は実施例1と同様である。
図31,32の例は網体の他の形態例を示すもので、これも本願発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、遊技店で使うメダル又はコイン硬貨の他に、薄板の表面に凹凸・彫れ込みがある小型金属板の工業製品の清掃にも使用できる。
【符号の説明】
【0046】
実施例1のメダル類の研磨装置
実施例2のメダル類の研磨装置
実施例3のメダル類の研磨装置
m 小物であるメダル
1 搬送路
2,3 回転ブラシ
,3 円筒ロール
,3 回転軸
,3 ブラシ毛
31,331 エッジ
32,332 ゴミ汚れ
33,333 丸味
,3 平ギア
,3 ベルト車
,3 ブラシ毛先端の円軌跡
4 伝達ベルト
5 モータ
6 排出シュート部
7 収集装置
空気吸引口
収集装置本体
排気口
空気路
ファン
フィルター袋
8 ラス網(網体)
第1の網部材
第2の網部材
網目空間(開口)
9 砥石板
砥石層
開口
受梁
30 空気吸引口
10 回転盤式1次清掃装置
11 回転盤
11 メダル受面
11 回転軸
12 ブラシ毛
13 装置ケーシング
13 投入口
13 固定フレーム
13 環状ケーシング部
14 ブラシ毛
15 モータ
15 伝達ベルト
16 メダル送出口
17 網体支持体
17,17 板材
18 研磨室
18 研磨室壁
18 受梁
18 空気吸引口
18 緩衝ゴム
20 メダルガイド
21 先端部
22 突出部
30 受皿
【要約】      (修正有)
【課題】メダル・硬貨のコイン又は工場生産物の厚みの薄い硬質の物品の表面に付着したゴミ・汚れ・脂分・鉄粉等のゴミ類を回転ブラシでもって清掃と表面研磨を行う研磨装置において、回転ブラシの清掃力と研磨力を高く維持するとともに回転ブラシの損耗による交換時期を長くできるメダル類の研磨装置を提供する。
【解決手段】メダル搬送路1の上下に対向的に設けた回転ブラシ2,3のブラシ毛2,3の毛先端の回転軌跡内にそれぞれに平坦な網体8を水平に挿入する。下方の網体8は研磨室壁に取り外し自在な網体支持体17の上に載置し、又上方の網体8は2列の上方回転ブラシ2の上端に載せられ、網体8の自重で少し沈み込むように載置される。又、回転ブラシ2,3で放出されたゴミ類は、負圧吸引式の収集装置7で吸引し、フィルター袋7で捕捉される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34