(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473497
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具及び旅行カバン
(51)【国際特許分類】
E05B 65/52 20060101AFI20190207BHJP
A45C 13/12 20060101ALI20190207BHJP
A45C 13/10 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
E05B65/52 K
A45C13/12
A45C13/10 N
【請求項の数】34
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-507872(P2017-507872)
(86)(22)【出願日】2015年8月3日
(65)【公表番号】特表2017-527719(P2017-527719A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】CN2015085919
(87)【国際公開番号】WO2016029780
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】201410444161.X
(32)【優先日】2014年9月3日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420504168.1
(32)【優先日】2014年9月3日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420493265.5
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520418508.3
(32)【優先日】2015年6月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517041671
【氏名又は名称】上海大茂晟科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI DAMAO−SHINE TECHNICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】柯慧子
(72)【発明者】
【氏名】頼秀▲興▼
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3182214(JP,U)
【文献】
米国特許第02729088(US,A)
【文献】
国際公開第98/027841(WO,A1)
【文献】
特表2001−512328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
別々に設けられる操作部分と施錠部分とを有し、
前記操作部分がカバンの非フレーム上に設置され、前記施錠部分が前記カバンのフレーム上に設置され、
前記施錠部分が少なくとも一つの施錠ユニットを有し、前記操作部分と前記施錠部分の間では前記操作部分と前記施錠部分の間を接続するように設置される力伝達機構を介して力の伝達が実現され、
前記操作部分が操作部材を有し、前記施錠ユニットが錠前とラッチフックを有し、前記操作部材を駆動させることで前記力伝達機構を介して前記錠前又は前記ラッチフックを移動させ、施錠具の施錠又は開錠を実現できる、非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具であって、
前記操作部分が更にラッチ機構を有し、
前記ラッチ機構がラッチと、前記ラッチ内に設置される回転アセンブリ又は移動アセンブリと、を有し、
前記操作部材と前記力伝達機構がいずれも前記回転アセンブリ又は移動アセンブリに接続され、前記操作部材が前記回転アセンブリを回転させ、又は前記移動アセンブリを移動させ、前記回転アセンブリの回転又は前記移動アセンブリの移動が前記力伝達機構を介して前記錠前又は前記ラッチフックを移動させるものであり、
前記回転アセンブリが回転軸であり、前記操作部材と前記力伝達機構がいずれも前記回転軸に接続され、前記操作部材が前記回転軸を回転させ、前記回転軸の回転が前記力伝達機構を介して前記錠前とラッチフックを相互に移動させ、
前記移動アセンブリがカバープレートと、前記カバープレート上に設置される可動ブロックと、前記可動ブロックと偏心柱を介して接続されるロッキングブロックとを有し、前記操作部材が前記ロッキングブロックに接続され、前記ロッキングブロックを回転させ、前記ロッキングブロックの回転が前記偏心柱を介して前記可動ブロックを移動させ、前記可動ブロックが前記力伝達機構を介して前記錠前とラッチフックを相互に移動させる、
ことを特徴とする非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項2】
ラッチと、ハンドルと、ロックロープと、回転軸と、錠前と、ラッチフックとを有し、
前記回転軸が前記ラッチ内に設置され、前記回転軸の側面がそれぞれ前記ロックロープの両端と接続され、前記回転軸と前記ロックロープの二つの接続部位が前記回転軸の径方向と同一方向の位置に位置し、
前記ハンドルが前記回転軸と接続され、かつ前記回転軸を回転させ、
前記ロックロープが前記錠前と接続され、前記錠前と前記ラッチフックの締結面が前記ロックロープと平行である、
ことを特徴とする非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項3】
前記回転軸の周方向上に二本の平行なガイド溝が設置され、前記ロックロープの両端がそれぞれ二本のガイド溝内に設置され、前記ガイド溝が前記ロックロープを誘導する作用を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項4】
前記施錠具が更に自動ロック機構を有し、前記自動ロック機構が前記ハンドルと前記ラッチの施錠のために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項5】
前記ラッチと、レバーと、回転軸とが、カバン正面の上角に陥入するように取り付けられ、前記ハンドルの回転面が前記ラッチフックと前記錠前の設置される平面と垂直である、
ことを特徴とする請求項3に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項6】
前記ハンドルがリミット構造を有し、前記ハンドルの最大回転角度を120°に限定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項7】
前記ロックロープの外部に更にロックロープカバーが設置される、
ことを特徴とする請求項3に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項8】
前記錠前と前記ラッチフックの設置数がいずれも2乃至3個である、
ことを特徴とする請求項3に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項9】
非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具であって、
表面カバーとボトムシェルとを有し、前記表面カバーと前記ボトムシェルが固定的に接続され、前記表面カバーと前記ボトムシェルが対合して収容スペースを形成し、
前記収容スペース内にカバープレートと、前記カバープレートと可動的に接続されるロックプレートと、伸線機構と、前記ロックプレートの動作を駆動する錠前開閉機構を有し、
前記ロックプレートが第一フック部分と、移動部と、接続部とを有し、前記移動部が前記第一フック部分と前記接続部の間に位置し、前記ロックプレートの第一フック部分が前記錠前開閉機構と固定的に接続され、前記ロックプレートの接続部が前記伸線機構と固定的に接続され、前記伸線機構が前記カバープレートと可動的に接続される可動ブロックを有し、前記可動ブロックの底部に第一クランプ溝が設置され、前記第一クランプ溝内にワイヤーが設置され、更に少なくとも一つのカバンの開閉を制御するための施錠ユニットを有し、前記伸線機構がワイヤーを介して施錠部分と駆動的に接続される、
ことを特徴とする非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項10】
前記カバープレート上に前記可動ブロックの移動のためのスライド溝が設置される、
ことを特徴とする請求項9に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項11】
前記施錠具が更に前記収容スペース内に位置するロッキングブロックと前記収容スペース外部に位置するレバーとを有し、
前記ロッキングブロックの底部に第一偏心柱が設置され、前記可動ブロックの頂部に前記第一偏心柱と係着する第一カードスロットが設置され、前記ロッキングブロックに更に前記ロックプレートの接続部と係着する第二カードスロットが設置され、
前記レバーの底部に第一位置決め柱が設置され、前記ロッキングブロックの頂部に位置決め孔が設置され、前記第一位置決め柱が前記表面カバーを貫通して前記位置決め孔と固定的に接続され、
前記レバーを回転させることによって前記ロッキングブロックを回転させ、前記ロッキングブロックの回転が前記第一偏心柱を介して前記可動ブロックを移動させる、
ことを特徴とする請求項9に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項12】
前記レバーと前記カバープレートの間に更に自動ロック機構が設置され、前記自動ロック機構が相互に垂直に設置されるプッシュブロックとトップブロックとを有し、前記プッシュブロックがプッシュボタン部と当接部とを有し、前記トップブロックが凸状バンプ部と第一固定部とを有し、
前記レバーの底部に第一収容溝が設置され、前記当接部と前記凸状バンプ部がいずれも前記第一収容溝内に位置し、かつ前記当接部と前記凸状バンプ部が相互に当接し、
前記第一固定部に第二位置決め柱が設置され、前記カバープレート上に第三位置決め柱が設置され、前記第三位置決め柱が前記第二位置決め柱の真下に位置し、かつ前記第二位置決め柱と第三位置決め柱の間にスプリングが設置される、
ことを特徴とする請求項11に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項13】
前記錠前開閉機構がキーシリンダーと、前記キーシリンダーをカバーするように設置されるキーシリンダーカバーと、前記キーシリンダーカバー底部に設置される回転ブロックとを有し、
前記カバープレートに前記回転ブロックを収容する第二収容溝が設置され、前記キーシリンダーの底部に位置決め溝が設置され、前記回転ブロックの頂部に前記位置決め溝と固定的に接続される第四位置決め柱が設置され、前記回転ブロックの底部に第二偏心柱が設置され、前記第二偏心柱と前記ロックプレートの第一フック部分が係着される、
ことを特徴とする請求項11に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項14】
前記施錠部分が、
カバン上に取り付けられ、ロックブラケット内に第三収容溝が設置されるロックブラケットと、
前記第三収容溝内に設置され、かつ前記第三収容溝に沿って移動し、一側上に第二フック部分が設置され、他側上にワイヤーを設置するための第二クランプ溝が設置される錠前と、
前記第二フック部分と係着する第三フック部分と、ラッチフックをカバン上に固定するための第二固定部とを有するラッチフックと、
を有する、
ことを特徴とする請求項9に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項15】
前記ワイヤーの第一クランプ溝と、第二クランプ溝内に設置される部分以外他の部分の外部が全てゴムカバーで覆われている、
ことを特徴とする請求項14に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項16】
旅行カバンであって、前記旅行カバンの接続部にフレームが設置され、かつ前記旅行カバンに施錠具が設置され、
前記施錠具が操作部分と施錠部分とを有し、前記操作部分と前記施錠部分が一つの力伝達機構を介して接続され、かつ力の伝達を行い、前記施錠部分が前記旅行カバンのフレーム内部に設置され、前記操作部分が前記旅行カバンのフレーム以外のケース外表面上に陥入するように設置される、
ことを特徴とする旅行カバン。
【請求項17】
前記操作部分が前記旅行カバンの正面、右側面と上表面の内の一面に設置される、
ことを特徴とする請求項16に記載の旅行カバン。
【請求項18】
前記操作部分が前記旅行カバンの一つの表面の辺縁又は中央のいずれかの位置に設置される、
ことを特徴とする請求項16に記載の旅行カバン。
【請求項19】
前記操作部分の形状が手動で開錠することに寄与する形状である、
ことを特徴とする請求項16に記載の旅行カバン。
【請求項20】
前記操作部分の形状が短冊形、円形、星形、五点形、正方形又は長方形である、
ことを特徴とする請求項19に記載の旅行カバン。
【請求項21】
前記操作部分に手動で開錠することに寄与する構造が設置される、
ことを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の旅行カバン。
【請求項22】
前記操作部分に更にキーシリンダーが一体的に設けられる、
ことを特徴とする請求項16又は請求項19又は請求項20に記載の旅行カバン。
【請求項23】
前記操作部分がスプリング式構造である、
ことを特徴とする請求項16に記載の旅行カバン。
【請求項24】
前記操作部分が回す、又は引っ張る、指で押し動かすという方法で前記施錠部分を開錠する、
ことを特徴とする請求項16に記載の旅行カバン。
【請求項25】
前記施錠具が、
請求項1に記載の施錠具、
又は前記施錠具が請求項2乃至8のいずれか一項に記載の施錠具、
又は前記施錠具が請求項9乃至15のいずれか一項に記載の施錠具、
である、ことを特徴とする請求項16に記載の旅行カバン。
【請求項26】
旅行カバンであって、前記旅行カバンの接続部にフレームが設置され、かつ前記旅行カバンに施錠具が設置され、
前記施錠具が操作部分と施錠部分とを有し、前記操作部と前記施錠部が一つの力伝達機構を介して接続され、かつ力の伝達を行い、前記施錠部分が前記旅行カバンのフレーム内部に設置され、前記操作部分が前記旅行カバンのフレーム以外のケース外表面上に陥入するように設置され、
前記施錠具が、
別々に設けられる操作部分と施錠部分とを有し、
前記操作部分がカバンの非フレーム上に設置され、前記施錠部分が前記カバンのフレーム上に設置され、
前記施錠部分が少なくとも一つの施錠ユニットを有し、前記操作部分と前記施錠部分の間では前記操作部分と前記施錠部分の間を接続するように設置される力伝達機構を介して力の伝達が実現され、
前記操作部分が操作部材を有し、前記施錠ユニットが錠前とラッチフックを有し、前記操作部材を駆動させることで前記力伝達機構を介して前記錠前又は前記ラッチフックを移動させ、施錠具の施錠又は開錠を実現できる、
ことを特徴とする旅行カバン。
【請求項27】
前記操作部分が更にラッチ機構を有し、
前記ラッチ機構がラッチと、前記ラッチ内に設置される回転アセンブリ又は移動アセンブリと、を有し、
前記操作部材と前記力伝達機構がいずれも前記回転アセンブリ又は移動アセンブリに接続され、前記操作部材が前記回転アセンブリを回転させ、又は前記移動アセンブリを移動させ、前記回転アセンブリの回転又は前記移動アセンブリの移動が前記力伝達機構を介して前記錠前又は前記ラッチフックを移動させる、
ことを特徴とする請求項26に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項28】
前記錠前が一つのロックブラケットを介してカバンの一つのボックスカバーのフレーム上に取り付けられ、
前記力伝達機構が前記錠前を前記ロックブラケットに沿って移動させ、前記ラッチフックが前記カバンのもう一つのボックスカバーのフレーム上に取り付けられ、かつ前記錠前の設置位置と向かい合い、前記錠前が前記ロックブラケットに沿って移動することで前記錠前と前記ラッチフックの係合又は分離を実現できる、
ことを特徴とする請求項26に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項29】
前記施錠部分が第一施錠ユニットと第二施錠ユニットとを有し、前記第一施錠ユニットが第一錠前と第一ラッチフックとを有し、前記第二施錠ユニットが第二錠前と第二ラッチフックとを有し、
更に、前記力伝達機構が前記第一錠前を移動させ、前記第二錠前が方向転換機構を介して前記第一錠前に接続され、かつ前記第一錠前と前記第二錠前の移動方向が逆向きであり、前記第一ラッチフックと前記第二ラッチフックのフック部分の向きが逆向きである、
ことを特徴とする請求項26に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項30】
前記方向転換機構がターンテーブルと、第一コネクティングロッドと、第二コネクティングロッドとを有し、前記第一錠前が前記第一コネクティングロッドを介して前記ターンテーブル上に接続され、
前記第二コネクティングロッドの一端が前記ターンテーブル上に連接され、他端が前記第二錠前に接続され、かつ前記第一コネクティングロッドが前記第二コネクティングロッドに平行であり、
前記第一錠前が一側に向かって移動し、前記第一ラッチフックとの分離を実現する時、前記第一コネクティングロッドが前記ターンテーブルを回転させ、前記ターンテーブルの回転が前記第二コネクティングロッドを他側に向かって移動させ、前記第二コネクティングロッドが前記第二錠前を他側に向かって移動させることで前記第二ラッチフックとの分離を実現する、
ことを特徴とする請求項29に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項31】
前記操作部分が更に前記回転アセンブリ又は前記移動アセンブリの動作又は施錠を制御するための錠前開閉機構を有する、
ことを特徴とする請求項27に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項32】
前記操作部分が更に操作部材を自動ロックするための自動ロック機構を有する、
ことを特徴とする請求項26に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項33】
前記力伝達機構が伸線機構又は引き紐機構を採用する、
ことを特徴とする請求項26に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【請求項34】
前記操作部材がハンドル又はレバーである、
ことを特徴とする請求項26に記載の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカバンの設計技術分野に関わるものであり、特に非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具及び旅行カバンに関わるものである。
【背景技術】
【0002】
旅行カバンは人々の日常的な旅行において各種物品を保管できることから、便利に使用でき、人気がある。しかし、現在、中間にフレームの有る旅行カバン、例えばアルミフレームボックスは、その施錠具が、通常、全般的にアルミフレーム上に設置され、施錠具の設置構造が単一的である。また、施錠具がカバンの外側面に取り付けられることから、カバンの託送途中に往々にして衝突が生じ、ラッチに損傷を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の課題を解決するため、本発明では、以下の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具を提供する。即ち、別々に設けられる操作部分と施錠部分とを有し、前記操作部分がカバンの非フレーム上に設置され、前記施錠部分が前記カバンのフレーム上に設置され、前記施錠部分が少なくとも一つの施錠ユニットを有し、前記操作部分と前記施錠部分の間では前記操作部分と前記施錠部分の間を接続するように設置される力伝達機構を介して力の伝達が実現され、前記操作部分が操作部材を有し、前記施錠ユニットが錠前とラッチフックを有し、前記操作部材を駆動させることで前記力伝達機構を介して前記錠前又は前記ラッチフックを移動させ、前記施錠具の施錠又は開錠を実現できる。
【0004】
好ましくは、前記操作部分が更に一つのラッチ機構を有し、前記ラッチ機構がラッチと、前記ラッチ内に設置される回転アセンブリ又は移動アセンブリとを有し、前記操作部材と前記力伝達機構がいずれも前記回転アセンブリ又は移動アセンブリに接続され、前記操作部材が前記回転アセンブリを回転させ、又は前記移動アセンブリを移動させ、前記回転アセンブリの回転又は前記移動アセンブリの移動が前記力伝達機構を介して前記錠前又はラッチフックを移動させる。
【0005】
好ましくは、前記錠前は一つのロックブラケットを介してカバンの一つのボックスカバーのフレーム上に取り付けられ、前記力伝達機構が前記錠前を前記ロックブラケットに沿って移動させ、前記ラッチフックが前記カバンのもう一つのボックスカバーのフレーム上に取り付けられ、かつ前記錠前の設置位置と向かい合い、前記錠前が前記ロックブラケットに沿って移動することで前記錠前と前記ラッチフックの係合又は分離を実現できる。
【0006】
好ましくは、前記施錠部分が二つの施錠ユニットを有し、前記二つの施錠ユニットの錠前が前記力伝達機構上に直列に接続され、かつ二つの施錠ユニットの錠前の移動方向が一致し、二つの施錠ユニットのラッチフックのフック部分の向きも一致する。
【0007】
好ましくは、前記施錠部分が第一施錠ユニットと第二施錠ユニットとを有し、第一施錠ユニットが第一錠前と第一ラッチフックとを有し、第二施錠ユニットが第二錠前と第二ラッチフックとを有する。
【0008】
更に、前記力伝達機構が前記第一錠前を移動させ、第二錠前が方向転換機構を介して第一錠前に接続され、かつ第一錠前と第二錠前の移動方向が逆向きであり、第一ラッチフックと第二ラッチフックのフック部分の向きが逆向きである。
【0009】
好ましくは、前記方向転換機構がターンテーブルと、第一コネクティングロッドと、第二コネクティングロッドとを有し、前記第一錠前が第一コネクティングロッドを介して前記ターンテーブル上に接続される。前記第二コネクティングロッドの一端が前記ターンテーブル上に連接され、他端が第二錠前に接続され、かつ第一コネクティングロッドが第二コネクティングロッドに平行である。前記第一錠前が一側に向かって移動し、前記第一ラッチフックとの分離を実現する時、第一コネクティングロッドがターンテーブルを回転させ、ターンテーブルの回転が前記第二コネクティングロッドを他側に向かって移動させ、前記第二コネクティングロッドが第二錠前を他側に向かって移動させることで第二ラッチフックとの分離を実現する。
【0010】
好ましくは、前記操作部分が更に前記回転アセンブリ又は前記移動アセンブリの動作又は施錠を制御するための錠前開閉機構を有する。
【0011】
好ましくは、前記操作部分が更に操作部材を自動ロックするための自動ロック機構を有する。
【0012】
好ましくは、前記力伝達機構が伸線機構又は引き紐機構を採用する。
【0013】
好ましくは、前記回転アセンブリが回転軸であり、前記操作部材と力伝達機構がいずれも前記回転軸に接続され、前記操作部材が回転軸を回転させ、前記回転軸の回転は力伝達機構を介して前記錠前とラッチフックを相互に移動させる。
【0014】
前記移動アセンブリがカバープレートと、カバープレート上に設置される可動ブロックと、可動ブロックと偏心柱を介して接続されるロッキングブロックとを有し、操作部材がロッキングブロックに接続され、ロッキングブロックを回転させ、前記ロッキングブロックの回転が偏心柱を介して可動ブロックを移動させ、前記可動ブロックが力伝達機構を介して前記錠前とラッチフックを相互に移動させる。
【0015】
好ましくは、前記操作部材がハンドル又はレバーである。
【0016】
本発明では更に以下の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具を提供する。ラッチと、ハンドルと、ロックロープと、回転軸と、錠前と、ラッチフックとを有し、ここで、前記回転軸が前記ラッチ内に設置され、回転軸の側面がそれぞれ前記ロックロープの両端と接続され、前記回転軸とロックロープの二つの接続部位が前記回転軸の径方向と同一方向の位置に位置し、前記ハンドルが前記回転軸と接続され、かつ前記回転軸を回転させ、前記ロックロープが前記錠前と接続され、前記錠前と前記ラッチフックの締結面が前記ロックロープと平行である。
【0017】
好ましくは、前記回転軸の周方向上に二本の平行なガイド溝が設置され、前記ロックロープの両端がそれぞれ二本のガイド溝内に設置され、前記ガイド溝が前記ロックロープを誘導する作用を有する。
【0018】
好ましくは、前記施錠具が更に自動ロック機構を有し、前記自動ロック機構が前記ハンドルと前記ラッチの施錠のために用いられる。
【0019】
好ましくは、前記ラッチと、レバーと、回転軸とが、カバン正面の上角に陥入するように取り付けられ、前記ハンドルの回転面がラッチフックと錠前の設置される平面と垂直である。
【0020】
好ましくは、前記ハンドルがリミット構造を有し、前記ハンドルの最大回転角度を120°に限定するために用いられる。
【0021】
好ましくは、前記ロックロープの外部に更にロックロープカバーが設置される。
【0022】
好ましくは、前記錠前とラッチフックの設置数がいずれも2〜3個である。
【0023】
本発明では更に以下の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具を提供する。表面カバーとボトムシェルとを有し、前記表面カバーとボトムシェルが固定的に接続され、前記表面カバーとボトムシェルが対合して一つの収容スペースを形成し、前記収容スペース内にカバープレートと、カバープレートと可動的に接続されるロックプレートと、伸線機構と、ロックプレートの動作を駆動する錠前開閉機構とを有し、前記ロックプレートが第一フック部分と、移動部と、接続部とを有し、前記移動部が第一フック部分と接続部の間に位置し、前記ロックプレートの第一フック部分が錠前開閉機構と固定的に接続され、該ロックプレートの接続部が伸線機構と固定的に接続され、前記伸線機構がカバープレートと可動的に接続される可動ブロックを有し、前記可動ブロックの底部に第一クランプ溝が設置され、前記第一クランプ溝内にワイヤーが設置され、更に少なくとも一つのカバンの開閉を制御するための施錠ユニットを有し、前記伸線機構がワイヤーを介して施錠部分と駆動的に接続される。
【0024】
好ましくは、前記カバープレート上に前記可動ブロックの移動のためのスライド溝が設置される。
【0025】
好ましくは、前記施錠具が更に前記収容スペース内に位置するロッキングブロックと、前記収容スペース外部に位置するレバーとを有する。
【0026】
前記ロッキングブロックの底部に第一偏心柱が設置され、前記可動ブロックの頂部に前記第一偏心柱と係着する第一カードスロットが設置され、前記ロッキングブロックに更に前記ロックプレートの接続部と係着する第二カードスロットが設置される。
【0027】
前記レバーの底部に第一位置決め柱が設置され、前記ロッキングブロック頂部に位置決め孔が設置され、前記第一位置決め柱が前記表面カバーを貫通して前記位置決め孔と固定的に接続される。
【0028】
前記レバーを回転させることによって前記ロッキングブロックを回転させ、ロッキングブロックの回転が第一偏心柱を介して前記可動ブロックを移動させる。
【0029】
好ましくは、前記レバーと前記カバープレートの間に更に自動ロック機構が設置され、前記自動ロック機構が相互に垂直に設置されるプッシュブロックとトップブロックとを有し、前記プッシュブロックがプッシュボタン部と当接部とを有し、前記トップブロックが凸状バンプ部と第一固定部とを有する。
【0030】
前記レバーの底部に第一収容溝が設置され、前記当接部と前記凸状バンプ部がいずれも前記第一収容溝内に位置し、かつ前記当接部と前記凸状バンプ部が相互に当接する。
【0031】
前記第一固定部に第二位置決め柱が設置され、前記カバープレート上に第三位置決め柱が設置され、前記第三位置決め柱が前記第二位置決め柱の真下に位置し、かつ前記第二位置決め柱と第三位置決め柱の間にスプリングが設置される。
【0032】
好ましくは、前記錠前開閉機構がキーシリンダーと、前記キーシリンダーをカバーするように設置されるキーシリンダーカバーと、キーシリンダーカバー底部に設置される回転ブロックとを有する。
【0033】
前記カバープレートに前記回転ブロックを収容する第二収容溝が設置され、前記キーシリンダーの底部に位置決め溝が設置され、前記回転ブロックの頂部に前記位置決め溝と固定的に接続される第四位置決め柱が設置され、前記回転ブロックの底部に第二偏心柱が設置され、前記第二偏心柱と前記ロックプレートの第一フック部分が係着される。
【0034】
好ましくは、前記施錠部分が、カバン上に取り付けられ、前記ロックブラケット内に第三収容溝が設置される、ロックブラケットと、前記第三収容溝内に設置され、かつ前記収容溝に沿って移動し、一側上に第二フック部分が設置され、他側上にワイヤーを設置するための第二クランプ溝が設置される錠前と、第二フック部分と係着する第三フック部分と、ラッチフックをカバン上に固定するための第二固定部とを有するラッチフックを有する。
【0035】
好ましくは、前記ワイヤーの第一クランプ溝と、第二クランプ溝内に設置される部分以外他の部分の外部が全てゴムカバーで覆われている。
【0036】
本発明では更に以下の旅行カバンを提供する。該旅行カバンの接続部にフレームが設置され、かつ該旅行カバンに施錠具が設置され、前記施錠具が操作部分と施錠部分とを有し、前記操作部と前記施錠部が一つの力伝達機構を介して接続され、かつ力の伝達を行い、前記施錠部分は前記旅行カバンのフレーム内部に設置され、前記操作部分が前記旅行カバンのフレーム以外のケース外表面上に陥入するように設置される。
【0037】
好ましくは、前記操作部分が前記旅行カバンの正面、右側面と上表面の内の一面に設置される。
【0038】
好ましくは、前記操作部分が前記旅行カバンの一つの表面の辺縁又は中央のいずれかの位置に設置される。
【0039】
好ましくは、前記操作部分の形状が手動で開錠することに寄与する形状である。
【0040】
好ましくは、前記操作部分の形状が短冊形、円形、星形、五点形、正方形又は長方形である。
【0041】
好ましくは、前記操作部分に手動で開錠することに寄与する構造が設置される。
【0042】
好ましくは、前記操作部分に更にキーシリンダーが一体的に設けられる。
【0043】
好ましくは、前記操作部分がスプリング式構造である。
【0044】
好ましくは、前記操作部分が、回す、引っ張る、指で押し動かすという方法で前記施錠部分を開錠する。
【0045】
好ましくは、前記施錠具が上述のいずれか一つに記載される施錠具である。
【0046】
従来技術に比べ、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0047】
本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具及び旅行カバンにおいて、言及する施錠具は操作部と施錠部分とを有し、操作部分と施錠部分が別々に設置されて取り付けられ、かつ操作部と施錠部の間が一つの力伝達機構を介して接続され、操作部分がカバンの非フレーム上に設置され、施錠部分がカバンのフレーム上に設置される。本発明は上述の設置によって、旅行カバンの施錠具の操作部をカバンのフレームから分離させ、施錠具の設置位置を更に多様化させることで、従来技術における施錠具の設置位置が単一的であるといった課題を解決し、また施錠具の構造を簡素化し、新たなタイプのカバン構造を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1は本発明が提供する施錠具の全体的な構造の概要を示す図一である。
図2は本発明が提供する施錠具の全体的な構造の概要を示す図二である。
図3は本発明が提供する施錠具をカバン上に取り付けた構造の概要を示す図である。
図4は
図2における両操作部分の接続の概要を示す図である。
図5は
図2におけるターンテーブルの構造の概要を示す図である。
図6は本発明が提供する施錠具の実施例一における分解図である。
図7は本発明が提供する施錠具の実施例一における操作部分内部の概要を示す図である。
図8は本発明が提供する施錠具の実施例一におけるレバーとロッキングブロック、可動ブロック、ロックプレートの分解図である。
図9は本発明が提供的する施錠具の実施例一におけるレバーとロッキングブロック、可動ブロック、ロックプレートの構造の断面を示す図である。
図10は本発明が提供する施錠の具実施例一における錠前開閉機構の分解図である。
図11は本発明が提供する施錠具の実施例一における錠前開閉機構とロックプレートの構造の断面を示す図である。
図12は本発明が提供する施錠具の実施例一におけるプッシュブロックとトップブロックの分解図である。
図13は本発明が提供する施錠具の実施例一における施錠ユニットの分解図一である。
図14は本発明が提供する施錠具の実施例一における施錠ユニットの分解図二である。
図15は本発明が提供する施錠具の実施例二における構造の概要を示す図である。
図16は
図15の内部の詳細な構造を示す図である。
図17は本発明が提供する施錠具の実施例二におけるラッチ内部構造の拡大図である。
図18は本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具の実施例二におけるラッチ内部構造の立体図である。
図19は本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具の実施例二における錠前とラッチフックの接続構造の概要を示す図である。
図20は本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具の実施例二における錠前とラッチフックの接続構造の拡大図である。
図21は本発明が提供する旅行カバンの実施例一における構造の概要を示す図一である。
図22は本発明が提供する旅行カバンの実施例一における構造の概要を示す図二である。
図23は本発明が提供する旅行カバンの実施例一における旅行カバンの施錠具操作部分の構造の概要を示す図である。
図24は本発明が提供する旅行カバンの実施例二における構造の概要を示す図一である。
図25は本発明が提供する旅行カバンの実施例二における構造の概要を示す図二である。
図26は本発明が提供する旅行カバンの実施例三における構造の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1−操作部分 11−レバー、ハンドル 1101−第一位置決め柱
1102−第一収容溝 12−ラッチ 1201−表面カバー
1202−ボトムシェル 13−回転軸 1301−ガイド溝
14−カバープレート 1401−第三位置決め柱 15−ロックプレート
1501−第一フック部分 1502−移動部 1503−接続部
16−ロッキングブロック 1601−第一偏心柱 1602−位置決め孔
1603−第二カードスロット 2−施錠ユニット 21−ロックブラケット
2101−第三収容溝 22−錠前 2201−第一錠前
2202−第二錠前 2203−第二フック部分 2204−第二クランプ溝
23−ラッチフック 2301−第一ラッチフック 2302−第二ラッチフック
2303−第三フック部分 2304−第二固定部 3−力伝達機構
31−ワイヤー、ロックロープ 32−可動ブロック 3201−第一クランプ溝
3202−第一カードスロット 4−方向転換機構 41−ターンテーブル
4101−第二コネクティングロッド取り付け孔 4102−第一コネクティングロッド取り付け孔 4103−軸
42−第一コネクティングロッド 43−第二コネクティングロッド 51−プッシュブロック
5101−プッシュボタン部 5102−当接部 52−トップブロック
5201−凸状バンプ部 5202−固定部 5203−第二位置決め柱
53−スプリング 61−キーシリンダー 6101−位置決め溝
62−キーシリンダーカバー 63−回転ブロック 6301−第四位置決め柱
6302−第二偏心柱 7−カバン 701−フレーム
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、図面と具体的な実施例を参照して本発明について更に説明する。以下の実施例は説明のために例示するに過ぎず、本発明の保護の範囲を何ら限定するものではない。
【0051】
図1−2を参照するに、本発明は以下の非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具を提供する。操作部分1と施錠部分とを有し、施錠部分が少なくとも一つの施錠ユニット2を有し、操作部分1は力伝達機構3を介して施錠部分と力の伝達を行い、これにより錠部分の施錠又は開錠を実現する。
【0052】
図3に示す通り、非ジッパー開口式カバンは、通常、二つのボックスカバーから構成され、それぞれ上部カバーと下部カバーであり、上部カバーと下部カバー辺縁の周囲に補強、サポート作用を有するフレーム701が設置され、該フレーム701は上部カバーや下部カバーと一体的に製造することも、また分離して設置することもでき、フレーム701はアルミフレーム、スチールフレーム等とすることができる。本発明では施錠具の操作部分1と施錠部分とを別々に取り付けて設置し、操作部分1をカバンの非フレーム上に設置し、施錠部分をカバンのフレーム701上に設置する。これにより従来技術における施錠具がカバンフレーム上にしか取り付けられない課題を解決した。本発明においては施錠部分をカバンのフレーム上に取り付けさえすれば、操作部分1をカバンのフレーム以外の任意の位置に取り付けることが可能である。
【0053】
更に、操作部分1がラッチ機構と操作部材とを有し、操作部材を具体的にはレバー、ハンドル等の構造とすることができる。ラッチ機構は更にラッチを有し、ラッチ内に回転アセンブリ又は移動アセンブリが設置され、回転アセンブリ又は移動アセンブリがラッチを介してカバンの任意の位置に設置される。操作部材が回転アセンブリ又は移動アセンブリに接続され、操作部材を操作及び制御することによって回転アセンブリ又は移動アセンブリを動作させることができる。更に、回転アセンブリは回転軸であってもよく、操作部材が軸回転を駆動させて回転させ、回転軸が力伝達機構3に接続され、かつ力伝達機構3を介して施錠部分を施錠又は開錠させる。移動アセンブリがカバープレートと、カバープレート上に設置される可動ブロックと、偏心柱を介して可動ブロックと接続されるロッキングブロックとを有することができ、操作部材がロッキングブロックを駆動させて回転させ、ロッキングブロックの回転が偏心柱を介して可動ブロックを移動させ、可動ブロックが力伝達機構に接続される。なお上述の回転アセンブリと移動アセンブリの具体的な構造形式はこれらに限定されるものではなく、具体的な状況に応じて調整できることは言うまでもなく、ここでは制限を加えるものではない。
【0054】
施錠ユニット2にはロック機構を採用することができ、施錠ユニット2が錠前とラッチフックを有し、錠前はロック等と称することもでき、またラッチフックは錠ボルト等と称することもできる。通常、錠前は一つのロックブラケットを介して(ロックベースとも称される)カバンの一面のフレーム上に取り付けられ、かつ錠前はロックブラケットに対して移動できる。ラッチフックはカバンの他面のフレーム上に取り付けられ、かつ錠前の設置位置と向かい合い、錠前とラッチフックの接続に寄与する。
【0055】
力伝達機構は伸線機構又は引き紐機構等の力伝達機構を選択して採用することができ、ここでは制限を加えるものではない。力伝達機構は錠前又はラッチフックと、回転アセンブリ又は移動アセンブリを接続させ、回転アセンブリの回転又は移動アセンブリの移動により錠前又はラッチフックを移動させる。カバンの一面と他面が閉じられた後、操作部材を操作及び制御することによってアセンブリを回転させ又はアセンブリを移動させ、更に力伝達機構の伝達を介して、錠前又はラッチフックを移動させ、移動する際に錠前とラッチフックの施錠又は開錠機能を実現する。更に、力伝達機構は錠前をラッチフックに対して移動させることも、ラッチフックを錠前に対して移動させることもでき、ここでは制限を加えるものではない。本発明においては力伝達機構を介して錠前を移動させることを例に挙げて説明を行う。
【0056】
本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具において、操作部分1は更に回転アセンブリ又は移動アセンブリの動作又は施錠を制御するために用いられる錠前開閉機構と、操作部材の自動ロックのために用いられる自動ロック機構とを有する。更に、錠前開閉機構は暗証番号入力式でも、キーロック式等の方式でもよく、ここでは制限を加えるものではない。また自動ロック機構の具体的な構造形式にも制限を加えるものではない。
【0057】
本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具において、施錠ユニット2の設置数には制限がされず、通常、二つの施錠ユニット2を設置し、かつ二つの施錠ユニット2の間の接続関係にも制限を加えるものではない。
【0058】
例えば
図1に示すように、二つの施錠ユニット2が力伝達機構3の上に直列的に設置され、力伝達機構3が同時に二つの施錠部分2の錠前を同一側に向かって移動させる。
【0059】
また、例えば
図3〜5に示すように、二つの施錠ユニット2がそれぞれ第一施錠ユニットと第二施錠ユニットであり、第一施錠ユニットが第一錠前2201と第一ラッチフック2301とを有し、第二施錠ユニットが第二錠前2202と第二ラッチフック2302とを有する。力伝達機構3が第一錠前2201に接続され、かつ第一錠前2201を移動させる。第二錠前2202が方向転換機構4を介して第一錠前2201に接続され、かつ第一ラッチフック2301と第二ラッチフック2302は、そのフック部分の向きが逆向きに設置される。
【0060】
具体的には
図4〜5に示す通り、方向転換機構4がターンテーブル41と、第一コネクティングロッド42と、第二コネクティングロッド43とを有し、ターンテーブル41が軸4103を介してロックブラケット上に取り付けられ、かつターンテーブル41が軸4103の周りを回転するようにする。ターンテーブル41の辺縁上に第一コネクティングロッドの取り付け孔4102と第二コネクティングロッドの取り付け孔4101とを設置し、第一コネクティングロッドの取り付け孔4102と第二コネクティングロッドの取り付け孔4101は同一の径方向に位置することができる。第一錠前2201が第一コネクティングロッド42を介してターンテーブル41の第一コネクティングロッドの取り付け孔4102に接続され、第二コネクティングロッド43の一端がターンテーブル41の第二コネクティングロッドの取り付け孔4101に接続され、第二コネクティングロッド43の他端が第二錠前2202に接続され、かつ第一コネクティングロッド42が第二コネクティングロッド43に平行である。第一錠前2201が一側に向かって移動し、第一ラッチフック2301との分離を実現する時、第一コネクティングロッド42がターンテーブル41を回転させ、ターンテーブル41の回転が第二コネクティングロッド43を他側に向かって移動させ、第二錠前2202を他側に向かって移動させ、第二ラッチフック2302との分離を実現する。
【0061】
本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具は、操作部分と施錠部分を個別に設計することを実現したものであり、その構造設計はシンプルで、配置が容易であることから、施錠具のカバン上の設置位置が制限されず、従来の施錠具をカバン側面フレーム上に設置せざるを得なかったために引き起こされた、施錠具が損傷を受け易く、操作性が悪いといった問題を防止することができる。
【0062】
以下、実施例を挙げて、本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具について更に具体的に説明する。
【0063】
実施例一
図6〜14を参照するに、非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具は、操作部分1と施錠部分とを有し、施錠部分が少なくとも一つの施錠ユニット2を有し、操作部分1と施錠部分の間で力伝達機構3を介して接続を実現する。
【0064】
操作部分1が操作部材を有し、本実施例において操作部材にレバー11が採用される。操作部分1が移動アセンブリを有し、更に移動アセンブリが表面カバー1201と、ボトムシェル1202と、カバープレート14と、可動ブロック32と、ロッキングブロック16とを有する。表面カバー1201がボトムシェル1202と固定的に接続され、かつ対合して一つの収容スペースを形成し、かつ表面カバー1201とボトムシェル1202が組み合わせられて一つのラッチを形成する。レバー11は表面カバー1201の外側に配置される。
【0065】
図7〜9に示す通り、カバープレート14、可動ブロック32と、ロッキングブロック16が表面カバー1201とボトムシェル1202から形成される収容スペース内に配置され、カバープレート14上にスライド溝が設置され、可動ブロック32が該スライド溝内に設置され、可動ブロック32がスライド溝に沿って滑動する。可動ブロック32の頂部に第一カードスロット3202が設置され、ロッキングブロック16の底部に第一カードスロット3202に対応する第一偏心柱1601が設置され、第一偏心柱1601が第一カードスロット3202内に挿入されて接続を実現する。レバー11底部に第一位置決め柱1101が設置され、ロッキングブロック16の頂部に第一位置決め柱1101に対応する位置決め孔1602が設置され、位置決め柱1101が表面カバー1201を貫通して位置決め孔1602と固定的に接続され、レバー11が回転するとロッキングブロック16が回転し、ロッキングブロック16の回転が第一偏心柱1601を介して可動ブロックをカバープレート14上のスライド溝に沿って移動させる。
【0066】
本実施例において、操作部分に更に自動ロック機構が設置される。自動ロック機構はレバー11とカバープレート14との間に設置される。
図7、12に示す通り、自動ロック機構はプッシュブロック51とトップブロック52とを有し、プッシュブロック51はプッシュボタン部5101と当接部5102とを有し、トップブロック52は凸状バンプ部5201と固定部5202とを有する。固定部5202の底部上に更に第二位置決め柱5203が設置され、カバープレート14上に第三位置決め柱1401が設置され、第三位置決め柱1401は第二位置決め柱5203の真下に位置し、さらに、第二位置決め柱5203と第三位置決め柱1401の間をスプリング53が覆うように設置される。レバー11の底部に第一収容溝1102が設けられ、プッシュブロック51の当接部5102とトップブロック52の凸状バンプ部5201が垂直に設置され、かつ当接部5102と凸状バンプ部5201がそれぞれ第一収容溝1102内に位置する。当接部5102と凸状バンプ部5201が相互に当接し、かつ当接部5102と凸状バンプ部5201の間が斜面接触し、これによりレバー11とカバープレート14の間の施錠を実現する。水平方向上にプッシュボタン部5101を押し動かしてプッシュブロック51を第一収容溝1102内に入らせると、当接部5102が凸状バンプ部5201を押し動かし、斜面の作用下において凸状バンプ部5201が垂直方向下向きに移動し、第一収容溝1102に突出され、これによりレバー11とトップブロック52を分離させることで、レバー11の開錠が実現される。
【0067】
使用者がプッシュブロック51を押すと、プッシュブロック51が第一収容溝1102内に完全に埋入し、プッシュブロック51の当接部5102が凸状バンプ部5201の内の一つの斜面と滑動係合し、これにより、トップブロック52の凸状バンプ部5201が第一収容溝1102内から突出され、自動ロック状態を解除し、レバー11が回転できるようになり、この時にスプリング53は圧縮状態となる。プッシュブロック51の当接部5102がトップブロック52の凸状バンプ部5201の別斜面上方に移動する時には、スプリング53の弾力作用下において、トップブロック52が再びプッシュブロック51を第一収容溝1102内から突出させ、再び自動ロック状態へと回帰させ、レバー11が回転できなくなる。本発明は自動ロック機構の設置によって、カバンを閉じた状態でのレバー11の自由な回転を防止することができる。
【0068】
本実施例において、操作部分1は更に錠前開閉機構を有する。錠前開閉機構は暗証番号入力式でも、キーロック式等の方式でもよく、ここでは制限を加えるものではない。
図10〜11の通り、錠前開閉機構はキーシリンダー61と、キーシリンダーカバー62と、回転ブロック63とを有し、キーシリンダーカバー62がキーシリンダー61を覆うように設置され、回転ブロック63がキーシリンダー61の底部に設置される。カバープレート14上に第二収容溝が設置され、回転ブロック63が第二収容溝内に設置される。回転ブロック63の頂部に第四位置決め柱6301が設置され、キーシリンダー61の底部に第四位置決め柱6301と相互に対応して接続される位置決め溝6101が設置され、キーシリンダー61が回転することにより、回転ブロック63を回転させる。
【0069】
回転ブロック63とロッキングブロック16の間はロックプレート15を介して接続され、具体的にはロックプレート15は第一フック部分1501と、移動部1502と、接続部1503とを有し、移動部1502が第一フック部分1501と接続部1503の間に位置する。回転ブロック63の底部には、第一フック部分1501に対応する第二偏心柱6302が設置され、回転ブロック63の回転が第二偏心柱6302を介してロックプレート16を移動させる。ロッキングブロック16上に第二カードスロット1603が設置され、ロックプレート15の他端の接続部1503と相互に対応し、接続部1503が第二スロット1603内に挿入されて接続を実現する。
【0070】
錠前開閉機構は、表面カバー1201とボトムシェル1202から形成される収容スペース内に位置し、かつキーシリンダー61の頂端の鍵穴が表面カバー1201に延出される。使用者が鍵をキーシリンダー61の鍵穴内に差し込み、更にキーシリンダー61を回すと、キーシリンダー61が位置決め溝6101と第四位置決め柱6301を介して回転ブロック63を回転させ、回転ブロック63が更に第二偏心柱6302を介してロックプレート15を移動させ、ロックプレート15を移動する際にさせてロッキングブロック16の第二カードスロット1603内に挿入される、或いは、第二カードスロット1603から抜き出すようにし、これによりロッキングブロック16が回転するか否かを制御できる。即ち、レバー11をロッキングブロック16とともに回転させるか否かを制御することで、施錠部分を開錠できる。本発明は錠前開閉機構の設置によって、施錠具の二重施錠を実現し、安全への信頼性が得られる。
【0071】
本実施例において、施錠ユニット2はロック機構でもよく、施錠ユニット2はロックブラケット21と、錠前22と、ラッチフック23とを有し、錠前22がロックブラケット21を介してカバン上に取り付けられ、ロックブラケット21内に第三収容溝2101が設置され、錠前22が第三収容溝2101内に設置され、かつ錠前22が第三収容溝2101に沿って移動でき、錠前22の一側面上に更に第二フック部分2203が設置される。ラッチフック23が第三フック部分2303と固定部2304から構成され、ラッチフック23が固定部2304を介してカバン上に取り付けられ、第三フック部分2303と第二フック部分2203とが相互に対応し、錠前22の移動が第二フック部分2203と第三フック部分2303の間の係合又は分離を実現し、これによりカバンの開錠又は施錠を実現する。
【0072】
本実施例において、力伝達機構3は伸線機構を採用し、該伝達機構3は一つのワイヤー31を有し、ワイヤー31が可動ブロック32と施錠ユニット2とを接続し、可動ブロック32が移動する際にワイヤー31を牽引し、自転車のブレーキに類似する原理で、ワイヤー31の牽引を介して、施錠ユニット2によりカバンのボックスカバーを開かせる。本発明の開錠方式はシンプルで、安全性が高いものである。具体的には、可動ブロック32の底部に第一クランプ溝3201が設置され、第一クランプ溝3201がワイヤー31を挟持する。錠前22の他側面上に第二クランプ溝2204が設置され、第二クランプ溝2204もまたワイヤー31を挟持し、これにより可動ブロック32を移動させることで、錠前22を移動させる。また第一クランプ溝3201と第二クランプ溝2204が挟持するワイヤーを除き、外部に露出するその他のワイヤー上は全てゴムカバー8が設定されて覆われ、外力によってワイヤー31が切断されないように保護される。第一クランプ溝3201内に設置されるワイヤー31の一部にゴムカバー8を設置しないのは、ワイヤー31が可動ブロック32を牽引する時に、錠前22を移動させることができるようにするためである。
【0073】
本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具の具体的な動作原理は以下の通りである。
【0074】
使用者が鍵をキーシリンダー61の鍵穴内に挿入し、更にキーシリンダー61を回すと、回転ブロック63がキーシリンダー61と共に回転する。回転ブロック63底部の第二偏心柱6302の設計により、回転ブロック63の回転時にロックプレート15が移動し、ロックプレート15の接続部1503がロッキングブロック16の第二カードスロット1603内から離脱する。
【0075】
使用者がプッシュブロック51を押すと、プッシュブロック51が第一収容溝1102内に完全に埋入し、プッシュブロック51がトップブロック52の凸状バンプ部5201を第一収容溝1102内から押し出し、レバー11の自動ロック状態を解除する。
【0076】
使用者が更にレバー11を回転すると、レバー11がロッキングブロック16と共に回転し、ロッキングブロック16底部の第一偏心柱1601の設計により、ロッキングブロック16の回転時に、可動ブロック32をカバープレート14のスライド溝内に移動させることができる。可動ブロック32は移動する際にワイヤー31を牽引し、ワイヤー31が更に錠前22をロックブラケット21の第三収容溝2101内で移動させ、錠前22の移動が錠前22の第二フック部分2203とラッチフック23の第三フック部分2303を分離させることで、ボックスカバーを開くことが可能となる。
【0077】
実施例二
図15〜20を参照するに、非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具は、操作部分1と施錠部分とを有し、施錠部分が少なくとも一つの施錠ユニット2を有し、操作部分1と施錠部分2の間は力伝達機構3を介して接続される。
【0078】
本実施例において、操作部分1はラッチ機構と操作部材とを有する。ラッチ機構はラッチ12と回転アセンブリとを有し、回転アセンブリは回転軸13を有し、回転軸13がラッチ12内に取り付けられ、かつ回転軸13がラッチ12に対して回転する。本実施例において操作部材は具体的には一つのハンドル11であり、ハンドル11が回転軸13に接続され、使用者がハンドル11を駆動することで、回転軸13がラッチ12に対して回転する。ハンドル11の具体的な構造は
図16に示すものに限定されず、具体的な状況に応じて設計できることは言うまでもなく、ハンドル11の主な目的は使用者が回転軸13を手動で回転させ易くするためである。
【0079】
本実施例において、ハンドル11上に更にリミット構造が設置され、ハンドル11の最大回転角度を制限するために用いられ、好ましくは、ハンドル11の最大回転角度が120°に制限される。リミット構造の具体的な構造形式と制限角度はいずれも具体的な状況に応じて設定でき、ここでは制限を加えるものではない。本発明はハンドル11の最大回転角度を制限することによって、ハンドルの回し心地と信頼性を向上させる。
【0080】
本実施例において、施錠ユニット2の設置の数は制限されるものではなく、一セットの施錠具が1個又は2〜3個の施錠ユニット2を有することができ、具体的な状況に応じて設定できる。施錠ユニット2は、錠前22とラッチフック23とを有し、
図19〜20に示す通りである。錠前22が一つのロックブラケット21内部に設置され、かつ錠前22がロックブラケット21に対して移動し、錠前22がロックブラケット21を介して目標位置に取り付けられる。錠前22の一側上にフック部分が設置され、ラッチフック23上にもフック部分が設置され、錠前22の移動がラッチフック23と錠前22のフック部分を係合又は分離させる。
【0081】
本実施例において、力伝達機構3は引き紐機構を採用し、引き紐機構はロックロープ31を有し、ロックロープ31は回転軸13と錠前22を接続する。具体的には、ロックロープ31が錠前22を接続し、かつ錠前22とラッチフック23の締結面がロックロープ31と平行である。
図17に示す通り、回転軸13の周方向上に二つの相互に平行なガイド溝1301が設置され、ロックロープ31が錠前22に接続された後、ロックロープ31の両端が両ガイド溝1301内に接続され、かつロックロープ31の両端とガイド溝1302の接続位置が回転軸13の径方向と同一方向の位置に位置する。本発明は回転軸13上にガイド溝1302を設置することで、ロックロープ31をガイドする作用を持たせ、ロックロープ31がラッチ12内部で上下に激しく揺れることを防止する。
【0082】
本実施例において、本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具は更に自動ロック機構を有し、自動ロック機構はハンドル1の施錠のために用いられ、施錠具を開錠する必要のない時に、ハンドル1の自由な回転を防止することに寄与する。自動ロック機構の具体的な構造形式は上述の実施例一における説明に準ずるものとし、ここでは説明しない。
【0083】
本実施例において、本発明が提供する非ジッパー開閉式カバン上に設置される施錠具の構造はカバン正面の上角に陥入するように取り付けられ、ハンドル1の回転面はラッチフックと錠前がある平面と垂直である。
【0084】
本発明はロックロープ31と回転軸13が相互に対応して接続される方式を採用し、ハンドル1が回転軸13を回転させる時に、ロックロープ31の両端が回転軸側面の径方向と同一方向の位置に固定されることから、回転軸13がロックロープの小幅な往復の揺れを促し、ロックロープ31がその上の錠前22の小幅な往復移動を促し、これにより錠前22とラッチフック23の間の係合又は分離を実現できる。ロックロープ31の自由度は非常に高く、任意に方向転換でき、ケース上における施錠具の設置位置の選択に便利であり、自由度の向上に寄与する。
【0085】
本発明の構造は斬新であり、カバン上での施錠具の配置は非常に自由であり、また利便性も高い。施錠具をカバン正面の上角に陥入するように配置することで、外観は美しく、託送時に衝突による損傷を受けることもない。ロックロープの自由度は極めて高く、構造配置の利便性も高い。回転軸とロックロープの接続構造はシンプルかつユニークである。ハンドルをスイッチロックのハンドルとすることで、回し心地が良く、風格が有り、高い利便性を有する。
【0086】
本発明は更に旅行カバンを提供するものであり、該旅行カバンは係合される上部カバーと下部カバーとを有し、上部カバーと下部カバーの接続部分にフレームが設置され、該旅行カバンには更に施錠具が設置され、施錠具が操作部分1と施錠部分とを有し、操作部分1と施錠部分の間は一つの力伝達機構を介して接続される。施錠部分がカバンのフレーム内部に設置され、操作部分1がカバンのフレーム以外のその他の外表面上に陥入するように設置される。施錠部が錠前とラッチフックの二つの部分を有し、錠前とラッチフックが旅行カバンの上部カバーと下部カバー上にそれぞれ向かい合うように設置され、施錠機能の実現のために用いられる。なお、施錠具の具体的な構造は、上述の任意の一種の施錠具に準ずることができるものとし、ここでは説明しない。
【0087】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明が提供する旅行カバンについて更に説明する。
【0088】
実施例一
図21〜23を参照するに、本実施例において、操作部分1がカバン7の上側面上に設置され、かつ上側面の中央かつカバン正面に隣接する位置に設置される。
【0089】
実施例において、操作部分1の形状は円形であり、操作部分1上に更に手動で開錠することに寄与する構造が設置され、手動で開錠することに寄与する構造とは、円形操作部の外部輪郭上に設置される三個の内向きに凹んだ構造であり、これにより手で掴み易くし手動での開錠に寄与する。
【0090】
本実施例において、操作部分1に更にキーシリンダー61が一体的に設けられ、鍵での開錠と施錠に寄与する。
【0091】
本実施例において、操作部分1はスプリング式構造であり、即ち、不使用時には操作部分1がケース表面に陥入するように設置され、使用時には操作部分1を押すことによって弾き出させ、その後、開錠又は施錠操作を行う。
【0092】
本実施例において、操作部分1が回転方式を介して施錠部分を開錠する。
【0093】
実施例二
図24〜25を参照するに、本実施例の提供する旅行カバンが実施例一と異なる点は、施錠具の操作部分1がカバン7の正面の上方中央に設置される点である。その他の技術的特徴は実施例一と同一であり、ここでは説明しない。
【0094】
実施例三
図26を参照するに、本実施例の提供する旅行カバンが実施例一と異なる点は、操作部分1の形状と設置位置であり、具体的には、操作部分1がカバン正面の右側辺に陥入するように設置され、かつ操作部分1が短冊形である。該操作部分1は指で押し動かすことによってこれに対応するする施錠部を開錠する。その他の技術的特徴は実施例一と同一であり、ここでは説明しない。
【0095】
以上の実施例以外にも、該旅行カバンの施錠具の操作部は更にその他任意の適切な形状で設置することができ、またカバン本体の任意の適切な位置に設置することができ、ここでは制限を加えるものではない。
【0096】
以上に開示したのは本発明の好ましい実施例に過ぎない。好ましい実施例は全ての詳細を説明し尽くすものではなく、また該発明がここに記載する発明を実施するための形態のみに限定されるものでもない。本明細書の内容に基づき、多くの修正や変更を加えることが可能であるのは言うまでもない。本明細書においてこれらの実施例を選択し、かつ具体的に説明したことは、本発明の原理と実際の応用について、更に詳細に説明し、これにより当分野の技術者が本発明を充分に活用できるようにするためのものである。本発明は特許請求の全範囲及びその等価物によってのみ制限を受けるものである。