【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の具体的なステップを説明する前に、先ず一部の略称および記号について定義する。室内DASシステムのメインユニットをMUで表示し、遠位端ユニットおよびそれと連結されるアンテナはRUと略称して表示し、RUn(nは1,2,3…などの自然数)は何番目のRUであるかを定義する。ターミナルはUEで表示し、特にUE1でDASシステムにアクセスするターミナルを表示し、UE2で小型基地局にアクセスするターミナルを表示する。信号干渉雑音比はSINRで表示して、信号パワーと干渉雑音パワーの比とする。本発明を実現するステップ中には二つのSINR閾値があり、それぞれ、γ1とγ2で表示し、γ1はγ2より小さい。その中、SINRがγ1より小さければ比較的大きな干渉があることを表明し、信号パワーを増やす必要があり、SINRがγ2より大きければ比較的大きなパワーの余裕があることを表明し、信号パワーを適当に下げることができる。
【0007】
本発明に記載の室内DASシステムと小型基地局とのダウンリンク干渉を避ける方法には以下ステップが含まれる。
ステップ1:初期RUアクセスを確認し、信号強度表を構築する。
【0008】
UE1をDASシステムにアクセスする必要がある場合には、DASシステムにアクセスの請求を発送する。DASシステムはそれぞれのRUが受信した当該請求信号の信号パワーによって、MU内でUE1に関する信号強度表を構築する。前記信号強度表にはそれぞれのRUのIDおよび対応する標準化信号強度が含まれる。前記標準化信号強度はそれぞれRUの実際信号強度を受信信号の最も強い信号強度と比較し、信号の最も強いRUをUE1に分配して、最初アクセスRUとする。DASシステムはUE1とのすべてのコミュニケーションにおいて、絶えず当該信号強度表を更新する。
【0009】
その中、前記MUは室内DASシステムのメインユニットであり、前記RUは遠位端ユニットおよびそれと連結されるアンテナであり、前記UE1はDASシステムにアクセスするターミナルである。
【0010】
ステップ2:DASシステムは選択されたRUとUE1とのダウンリンクを構築し、UE1ダウンリンク信号の信号雑音比SINR値を測定するとともに、プリセット閾値γ1と比較して、以下プログラムを実施する。
【0011】
(1)SINR値がγ1より大きければ、UE1は以下プログラムを実施する。つまり、UE1に分配されたRUとダウンリンクを構築して、ダウンリンクデータを発送し始める。
【0012】
(2)SINR値がγ1より小さければ、UE1は以下プログラムを実施する。
ステップ201b:UE1は信号チャンネル制御を通じてDASシステムにSINR値をフィードバックする。
【0013】
ステップ202b:DASシステムは当該SINR値によって、候補のRUから適当数量のRUを選択して、UE1発送データの結合に使用する。
【0014】
ステップ203b:DASシステムは信号チャンネル制御を通じて、UE1と同周波数で小型基地局のターミナルUE2にアクセスする。
その中、前記UE2は小型基地局にアクセスするターミナルである。
【0015】
ステップ204b:UE2がUE1と同じ周波数を使用することを確認した後、信号チャンネル制御を通じてDASシステムに報告する。
【0016】
ステップ205b:DASシステムはその後アイドルタイムをUE2に分配し、UE2にトレーニングシケンスの発送を請求する。
【0017】
ステップ206b:UE2は分配されたアイドルタイムにトレーニングシケンスを発送し、DASシステムはその後選択されたRUのUE2での信号チャンネルを見積もる。
【0018】
ステップ207b:DASシステムは選択された複数のRUを結合してUE1にプリコーディングされたデータを発送することによって、UE1の受信信号のSINR値がγ1より大きくなるようにして、対応するサービス質を保証する。それと同時に、プリコーディングを通じて、信号がUE2受信信号に干渉がないようにする。
【0019】
ステップ3:UE1はDASシステムによって分配される一つまたは複数のRUとダウンリンクを維持するとともに、コミュニケーション中一定の間隔で持続的にSINR値を測定し、γ1により大きいかどうかによって、以下操作を行う。
(1)SINR値がγ1より小さければ、再び201b〜207b操作を行う。
(2)SINR値がγ1より大きければ、引き続きUE1とプリセット閾値γ2との比較を行い、以下操作を行う。
【0020】
SINR値がγ2より小さければ、引き続きDASによって分配される複数のRUとのコミュニケーションを維持するとともに、コミュニケーション中一定の間隔をもって引き続きSINR値を測定する。
【0021】
SINR値がγ2より大きければ、UE1はSINR値を報告し、SINR値およびデータ結合発送に参与するRUの信号強度によって、受信信号強度の弱から強への順によって、DASシステムによって予測されたSINR値がγ1よりやや高い、または一つのRUが残るまで、順次RUを取り除く。
【0022】
本発明において、前記RUの選択方法は以下のとおりである。当面のSINR値がγ値であれば、前記信号強度表によって、標準化信号強度を高から低への順に(標準化信号強度が1であるRUを除去)、以下計算式を満たすまで、順次RUを選択する。
その中、P
iは信号強度表内で標準化された信号強度を高から低への順にi番目のRUの標準化信号強度を表示する。パラメータNは計算式(1)の条件を満たすRU個数を表示する。
【0023】
本発明における、前記プリコーディングの方法:
N個のRUがUE1に対する結合データ発送に参与したと仮定する。チャンネル見積によって、このN個のRUのUE2への信号チャンネル減衰係数を獲得し、それぞれh
n2(n=1,…,N)と表示する。また、h
2でh
n2(n=1,…,N)によって構成される行ベクトルを表示し、即ちh
2=[h
1,2,h
2,2,…,h
N,2]である。同じくh
1=[h
1,1,h
2,1,…,h
N,1]で、N個の結合発送に参与するRUからUE1への信号チャンネル減衰係数で構成される行ベクトルを表示する。プリコーディング・マトリックスをw=[w
1,w
2.1,…,w
N]とし、一つのN長さの行ベクトルとすれば、UE1の受信信号は:
その中、Jは小型基地局からUE2へのダウンリンク信号のUE1に対する干渉で、Wはノイズである。
【0024】
DASシステムによって結合データ発送に参与するn個目のRUにとって、それによって発送される信号はw
nx
1で、即ち、当該RUによって発送されるデータはUE1に発送されるデータx
1にw
nを加重したものである。RUを増やすことによって信号パワーを向上し、さらにSINR値を高め、UE1が順調にデータを復調できるようにする。UE2の受信信号は:
その中、スカラーhは小型基地局からUE2までの信号チャンネル状態情報であり、x
2は小型基地局からUE2に発送するデータである。
【0025】
式(3)によれば、結合発送のRUが増えると、UE2に対する干渉も強くなる。そのため、プリコーディング技術を導入して、h
2w
H=0にすることによって、UE2に対する干渉を除去する。それと同時に、h
1w
HがUE1の受信信号SINR値を低下させないことを保証できる。事実上、プリコーディング・マトリックスwはh
2Hh
2のゼロ特徴値に対応する特徴ベクトルである。vをマトリックスh
2Hh
2のゼロ特徴値に対応する特徴ベクトルとすれば、プリコーディング・マトリックスは:
その中、演算子
で表示し、その中、yは行ベクトルである。
本発明において、前記プリセット閾値γ
1の範囲は−3dB〜3dBであり、前記プリセット閾値γ
2の範囲は5dB〜15dBである。