【文献】
和田 文明,英国ミッドランド銀行の各種ペイメント・カード,CardWave 第9巻 第12号,日本,株式会社シーメディア,1996年11月10日,第9巻,第12号,p.42-45
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザに関連する情報は、前記ユーザが利用する第2情報処理装置および/または前記第1および第2情報処理装置とは異なる第3情報処理装置から提供される外部情報を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
前記ユーザの状態は、前記支払いタイミングの予測時点における前記第2情報処理装置の位置、またはユーザの健康状態のうち、少なくともいずれかを含む、請求項4に記載の情報処理方法。
前記ユーザの周辺環境は、前記第2情報処理装置の位置を基準としたエリア情報、第1所定期間内のイベント情報、または天気情報のうち、少なくともいずれかを含む、請求項4または5に記載の情報処理方法。
前記ユーザに前記督促通知を通知後、前記ユーザの債権の支払いが検出されるまでの期間において、前記第2情報処理装置の画面に所定のオブジェクトを表示させるステップと、を含む、請求項3から9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、実施される場合、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正をもって実施される。
【0012】
本開示に係る通信システム1を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
<システム構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す。
図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A,サーバ110Bと、端末120A,端末120B,端末120Cとが接続される。
【0014】
本開示において、サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110Aとサーバ110Bとは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。
【0015】
本開示において、端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120Aと端末120Bと端末120Cとは、それぞれ端末120と表現されてもよい。
【0016】
本開示において、サーバ110と、端末120とをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110と端末120とは、それぞれ情報処理装置200と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される情報処理装置200の数は限定されない。
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセンジャーを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービス等を含む。ユーザが端末120を介して所定のサービスを利用することで、サーバ110は1以上の端末120に所定のサービスを提供することができる。
【0017】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの職業、ユーザの健康状態、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよい。
【0018】
ネットワーク130は、2以上の情報処理装置200を接続する役割を担う。ネットワーク130は、端末120がサーバ110に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0019】
ネットワーク130のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0020】
情報処理装置200は、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
情報処理装置200は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。
【0021】
<ハードウェア(HW)構成>
図2を用いて、通信システム1に含まれる情報処理装置200のHW構成について説明する。
【0022】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力インタフェース(入出力I/F)204と、通信インタフェース(通信I/F)205とを含む。情報処理装置200のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0023】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現する。
【0024】
プロセッサ201は、ストレージ203に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する機能、および/または、方法を実行する。プロセッサ201は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphic s Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0025】
メモリ202は、ストレージ203からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ201に対して作業領域を提供する。メモリ202には、プロセッサ201がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ202は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。
【0026】
ストレージ203は、プログラムを記憶する。ストレージ203は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどを含む。なお、サーバ110のストレージ203に記憶するプログラムをサーバプログラムともいい、端末120のストレージ203に記憶するプログラムを端末プログラムともいう。
【0027】
通信I/F205は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F205は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F205は、各種データをプロセッサ201からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F205は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ201に伝達する。
【0028】
入出力I/F204は、情報処理装置200に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置200で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F204は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0029】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ201に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0030】
出力装置は、プロセッサ201で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像、および/または、動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンターなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0031】
本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
【0032】
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0033】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置200に提供されてもよい。
【0034】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0035】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective−C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0036】
情報処理装置200おける処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0037】
情報処理装置200における処理の少なくとも一部を、他の情報処理装置により行う構成としてもよい。この場合、プロセッサ201により実現される各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、他の情報処理装置で行う構成としてもよい。
【0038】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0039】
本開示では、明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「または」は排他的ではなく包含的な意味である。したがって、本開示では、明記されていない限り、または文脈によって示されない限り、「AまたはB」は「A、B、またはその両方」を意味する。さらに、明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「および」は協同(joint)および個々(several)の両方の意味である。したがって、本明細書では、明記されない限り、または文脈によって 示されない限り、「AおよびB」は、「AおよびBが一緒に、または個別に(A and B, jointly or severally)」を意味する。さらに、明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「a」、「an」、または「the」は「1つまたは複数」を意味するものとする。したがって、本明細書では、別段に明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「an A」または「the A」は「1つまたは複数のA」を意味する。
【0040】
本開示は、本開示の実施形態、および/または、実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。同様に、適切な場合、添付の特許請求の範囲は、本開示の実施形態、および/または、実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態、および/または、実施例の1つまたは複数の特徴と、本開示における他の実施形態、および/または、実施例の1つまたは複数の特徴との任意の組合せを包含する。
【0041】
加えて、特定の機能を実施するように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能である、動作可能である、または動作できる装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲での参照は、その装置、システム、または構成要素がそのように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能にされる、動作可能にされる、または動作できる限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能がアクティベートされ、オンにされ、またはロック解除されているか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を包含する。
【0042】
<第1実施形態>
本実施形態は、債務者にとって都合のよいタイミングで債権の弁済を促すための督促をすることに関する実施形態である。ここでは、所定のサービスを提供する事業者が、当該サービスを利用するユーザに対して有する債権の弁済を督促する場合を想定して説明するが、本実施形態が適用される場面はこれに限られず、督促を通知する任意の場面に適用することができる。ユーザに対する債権には、限定ではなく例として、金銭、仮想通貨、事業者が発行もしくは管理するポイント、各種資産、その他任意の金銭的価値、またはこれらの組み合わせを含む任意の債権が含まれる。
【0043】
ユーザが債権を支払う行動を起こす一又は複数の要因(以下、単に「行動要因」ともいう)としては、様々な要因が考えられる。ここでは、各ユーザの内部情報または外部情報に基づいて、各ユーザの支払いタイミングを予測する実施形態を示す。内部情報とは、サーバ110によって管理される情報を含み、外部情報は、端末120および/または外部の情報処理装置であるサードパーティ・システムから提供される情報を含むものとしてよい。また、同種の情報が、内部情報にも外部情報にも含まれる場合、外部情報として処理してもよい。限定でなく例として、内部情報および/または外部情報は、ユーザの状態、周辺環境、属性、取引状況、債権の支払い実績等を含み得る。このユーザの状態、周辺環境、取引状況、属性および債権の支払い実績については、後述する。
【0044】
本実施形態によれば、ユーザに関連する情報に基づいて推定されたユーザの都合にあわせて督促を通知できるため、ユーザを債権の弁済のための支払い行動へと導くことができる。また、本実施形態によれば、債権をかかえる事業者にとっても、債権の回収を行うことができる。つまり、なめらかな金融の流れを構築することができる。
【0045】
<機能構成>
(1)サーバの機能構成
図3を用いてサーバ110の機能構成を説明する。
図3に開示の機能部は、情報処理装置200が備えるプロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により実現される。
【0046】
サーバ110は、入出力I/F311と、通信I/F312と、制御部313と、記憶部314とを有する。
【0047】
入出力I/F311は、各種データの入力を受け付ける処理、および各種のデータを出力する処理を行う機能を有する。入出力1/F311は、
図2の入出力I/F204に相当する。
【0048】
通信I/F312は、ネットワーク130を介して端末120やサードパーティ・システムから各種情報を送受信する機能を有する。通信I/F312は、例えば、端末120から位置情報を受信し、端末120へユーザ情報等を送信する。通信部I/Fは、
図2の通信I/F205に相当する。位置情報については、後述する。
【0049】
制御部313は、各機能部を制御する機能を有している。制御部313は、予測部315と、決定部316と、通知部317と、設定部318とを有する。制御部313は、
図2のプロセッサ201に相当する。予測部315と、決定部316と、通知部317と、設定部318とは、プロセッサ201が、記憶部314が記憶するサーバプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0050】
記憶部314は、サーバ110が各債権を管理するための各種情報やサーバプログラムを記憶する機能を有する。記憶部314は、限定ではなく例として、ユーザ情報、債権情報、環境情報、口座情報および実績情報を記憶する。
【0051】
債権情報とは、各債権を管理するための情報である。債権情報には、各債権を識別するための債権ID、債権の債務者であるユーザを特定するための債務ユーザID、債権額、債権の利子、債権の支払いタイミング、債権の支払いを促す督促通知の通知タイミング、各債権と紐づく口座がある場合に当該口座を特定する債権口座ID、またはこれらの組み合わせが含まれる。
【0052】
環境情報とは、ユーザの周辺環境を表す情報である。また、口座情報とは、各種口座を管理するための情報である。また、実績情報とは、ユーザごと、または全ユーザにおける過去の債権の支払い実績(以下、単に「支払い実績」ともいう)を示す情報である。ユーザの周辺環境、口座情報および支払い実績の詳細については後述する。
【0053】
予測部315は、ユーザに対する債権について、ユーザに関連する情報に基づいて、ユーザの当該債権の支払いタイミングを予測する機能を有する。予測部315におけるこの予測処理のトリガーは、限定ではなく例として、ユーザに債務が発生したことによるイベントドリブンでもよいし、毎時や日次等のサイクリックでもよいし、またはこれらの組み合わせでもよい。また、予測部315は、予測した支払いタイミングを債権情報として記憶する。ユーザに関連する情報は、ユーザの行動要因を予測するために用いられる任意の情報を含み、具体的には、ユーザの状態、周辺環境、属性、取引状況、債権の支払い実績等を含むものとしてよい。
【0054】
予測部315は、例えば、ユーザに関連する情報を取得して、当該ユーザが債権を支払う行動を起こす一又は複数の要因(行動要因)を特定してもよい。予測部315は、当該特定された行動要因に基づいて、支払いタイミングを予測してもよい。予測部315は、具体的には、ユーザごとに債権の支払い実績に基づいて当該実績のある行動要因を特定し、当該特定された行動要因に基づいてユーザごとに支払いタイミングを予測してもよい。また、予測部315は、例えば、過去に債権の支払い実績がないユーザについて、当該ユーザと類似する他のユーザを判定する。予測部315は、当該判定された類似する他のユーザの債権の支払い実績に基づいた行動要因(以下、「類似行動要因」ともいう)を特定し、当該特定された類似行動要因に基づいて支払いタイミングを予測してもよい。
【0055】
支払い実績とは、ユーザごと、または全ユーザの債権に対する実際の支払いの成果をいう。支払い実績には、限定ではなく例として、ユーザごとに、または全ユーザが過去に支払いを行った際の日付、時刻、曜日、ユーザの状態、ユーザの周辺環境、またはこれらの組み合わせが含まれる。なお、支払い実績は、実績情報として記憶部に記憶される。
【0056】
予測部315において、この特定のユーザと類似する他のユーザを判定する方法については、例えば、ユーザ同士の属性の類似度を算出し所定類似度以上の場合に当該ユーザ同士は類似すると判定する方法が考えられる。類似度とは、比較するユーザ同士の要素(例えば、ユーザの属性である年齢や職業など)がどれだけ似ているかを数量化したものである。また、所定類似度とは、比較するユーザ同士を類似とみなすか否かの閾値を設定したものである。この数量化にあたっては、例えば、比較するユーザ同士の共通する要素の数を類似度としてもよい。
【0057】
予測部315は、債権が発生してから一定期間後を支払いタイミングとして予測してもよい。予測部315は、例えば、このように債権が発生してから、追加でさらに債権が発生した場合は、発生した債権ごとにそれぞれ分けて支払いタイミングを予測してもよい。
【0058】
決定部316は、ユーザに、債権の支払いを督促する督促通知を通知する通知タイミング(以下、単に「通知タイミング」ともいう)を決定する機能を有している。決定部316は、例えば、予測部315により予測された支払いタイミングに基づいて、通知タイミングを決定してもよい。
【0059】
決定部316は、例えば、パラメータファイル等に設定された支払いタイミングを基準とした督促タイミングまたは督促から支払いまでの一定期間によって、当該督促タイミングまたは支払いタイミングから当該一定期間前に通知するように通知タイミングを決定してもよい。この支払いタイミングを基準とした督促タイミングまたは督促から支払いまでの一定期間は、限定ではなく例として、支払いタイミングの当日の朝もしくは前日の夜、支払いタイミングの1時間、3時間前もしくは即時、またはこれらの組み合わせが含まれる。また、決定部316は、決定した通知タイミングを債権情報として記憶する。
【0060】
通知部317は、ユーザに、各種通知を通知する機能を有している。通知部317は、具体的には、端末120に出力させる各種通知を示すメッセージを通信I/F312を介して送信する。通知部317は、例えば、決定部316により決定された通知タイミングに基づいて、ユーザに督促通知を通知する。通知部317は、例えば、端末120へのプッシュ通知によって、ユーザに督促通知を通知してもよい。通知部317において、この端末120に各種通知を出力させる態様はどのような出力態様でもよい。この出力態様は、限定ではなく例として、端末120に、支払いの督促の旨を示すテキストを含むメッセージを表示させたり、支払いの督促の旨を示す音声を出力させたりする態様でもよい。
【0061】
設定部318は、ユーザごとに、または全ユーザ一律に適用する、債権の利子や支払いタイミングの予測に用いる行動要因等の各種パラメータを設定する機能を有している。設定部318は、例えば、通知部317によりユーザごとに督促通知が通知された回数をカウントし、当該回数に応じてユーザに適用する利子を変更してもよい。また、設定部318は、例えば、督促通知後のユーザからの支払いが検出されるまでの期間(以下、「督促期間」という)に応じて利子を変更してもよい。
【0062】
(2)端末の機能構成
図4を用いて端末120の機能構成を説明する。
図4に開示の機能部は、情報処理装置200が備えるプロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により実現される。
【0063】
端末120は、入出力I/F321と、通信I/F322と、制御部323と、記憶部324とを有する。
【0064】
入出力I/F321は、各種データの入力を受け付ける処理、および各種のデータを出力する処理を行う機能を有する。入出力I/F321は、例えば、サーバ110から受信した督促通知を示すメッセージを画面で表示したり、当該表示された画面に対する債権の管理に関するユーザの操作を入力したりする。入出力1/F321は、
図2の入出力I/F204に相当する。
【0065】
通信I/F322は、ネットワーク130を介して端末120から各種データを送受信する機能を有する。通信I/F322は、例えば、サーバ110からユーザ情報等を受信し、サーバ110へ位置情報を送信する。通信部I/F322は、
図2の通信I/F205に相当する。
【0066】
制御部323は、各機能部を制御する機能を有している。制御部323は、表示制御部325と、入力受付部326と、位置情報測定部327とを有する。制御部313は、
図2のプロセッサ201に相当する。表示制御部325と、入力受付部326と、位置情報測定部327とは、プロセッサ201が、記憶部324が記憶する端末プログラムを読み出して実行することで実現される。
【0067】
記憶部324は、サーバから受信したユーザ情報等の各種情報、および/またはユーザとサーバ110との間のI/Fとしてユーザとの各種情報の入出力やサーバ110との送受信を行うための端末プログラムを記憶する。記憶部324は、
図2のメモリ202および/またはストレージ203が相当する。
【0068】
表示制御部325は、入出力I/F321による表示を制御する機能を有する。表示制御部325は、ユーザに支払いを促す督促通知を通知するために、通信I/F322を介してサーバ110から受信した督促通知を入出力I/F321の画面に表示させる。
【0069】
表示制御部325は、督促期間において、入出力I/F321の画面に所定のオブジェクトを表示させてもよい。例えば、端末装置120に表示される端末プログラムを起動させるためのアイコンに対して債権額を表示させてもよい。このアイコンに対して債権額を表示させる態様について、表示制御部325は、具体的には、債権額をアイコンのバッジに表示させてもよい。また、表示制御部325は、例えば、督促期間において、入出力I/F321の画面上を督促の旨を示すキャラクターアイコンを動きまわらせたり、拡大させたりするように表示させてもよい。このような構成によれば、表示制御部325は、これらの一側面では煩わしい表示を解消するためにユーザが債権を支払うなど、支払い行動を促進することができる。
【0070】
表示制御部325は、例えば、ユーザへ督促通知を通知してから所定期間経過した後に、端末プログラムに関連する画面および/または画面部品の表示態様を変更してもよい。表示制御部325は、表示態様を変更する際、例えば、端末プログラムを起動させるためのアイコンを点滅表示にしてもよい。
【0071】
位置情報測定部327は、端末120の現在位置の位置情報を測定する機能を有している。位置情報測定部327は、限定でなく例として、GPS(Global Positioning System)を用いて、端末120の現在位置の位置情報として、該端末120の緯度および経度を測定する。なお、位置情報測定部327による端末120の位置情報の計測は、GPSに限られず、どのような方法を用いてもよい。限定でなく例として、位置情報測定部327は、Wi−Fiなどの無線LANを利用して、端末120の位置情報を測定してもよい。その他にも、位置情報測定部327は、限定でなく例として、IMES(Indoor MEssaging System)やRFID(Radio Frequency Identifier)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの通信方式を用いて、端末120の位置情報を測定してもよい。また、位置情報測定部327は、限定でなく例として、LTEやCDMAなどの移動体通信システムを用いて、端末120の位置情報を測定してもよい。
【0072】
<動作処理>
図6を参照し、本実施形態に係る通信システム1の処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る通信システム1の処理のシーケンスの一例を示す。
【0073】
図6に示すように、サーバ110は、債権情報を参照してユーザに対する債権の発生を検出する(S10)。サーバ110は、当該ユーザにおいて債権の支払い実績がある場合は、alt(Alternative、以下同じ)タグエリア内の破線上部エリアにある処理を実行する。具体的には、サーバ110は、当該ユーザに関連する情報を取得して、当該ユーザに関連する情報に基づいて当該ユーザが債権を支払う行動を起こす一又は複数の要因を特定する(S11)。ユーザに関連する情報としては、サーバ110によって管理される内部情報に加え、端末120やサードバーティ・システムから提供される外部情報を含んでよい。サーバ110は、債権の支払い実績がないユーザの場合は、altタグエリア内の破線下部エリアにある処理を実行する。具体的には、サーバ110は、当該ユーザと類似する他のユーザを判定する(S12)。サーバ110は、当該判定された類似する他のユーザに関連する情報に基づいて、当該ユーザの債権を支払う行動を起こす一又は複数の要因を特定する(S13)。
【0074】
サーバ110は、上記の特定された行動要因または類似行動要因に基づいて、支払いタイミングとして予測する(S14)。サーバ100は、当該予測された支払いタイミングに基づいて、当該ユーザに債権の支払いを促すための督促通知を通知する通知タイミングを決定する(S15)。
【0075】
サーバ110は、当該決定された通知タイミングになると債権の支払いの督促通知を示す督促通知メッセージを生成する(S16)。サーバ110は、当該生成された督促通知メッセージを端末120に送信する(S17)。端末120は、当該送信された督促通知メッセージを受信して、ユーザに対して督促通知を出力する(S18)。
【0076】
<<第1実施例>>
第1実施例は、外部情報に基づいて支払いタイミングを予測する一実施例として、ユーザの状態に基づいて、支払いタイミングを予測する実施例である。
図5(a)を用いて、本実施例に係る情報処理方法の概要を説明する。
【0077】
図5(a)は、ユーザの状態に基づいて督促を通知する例である。
図5(a)に示すように、サーバ110は、端末120から受信した端末120の現在位置、すなわちユーザの現在位置を示す位置情報を受信する。サーバ110は、受信した位置情報および上記現在位置を基準とした所定範囲内のエリア情報に基づいて、ユーザが債権の支払い可能な場所(例えば、ATMやコンビニエンスストア)に近づいている状態にあることを検出する。サーバ110は、このようなユーザの状態を検出した場合、ユーザが上記場所の周辺に到着予定のタイミングを支払いタイミングとして予測する。サーバ100は、予測された支払いタイミングに基づいて、督促通知をユーザに通知する。
【0078】
なお、ユーザの状態とは、支払いタイミングの予測時点における、ユーザの現状である。このため、ユーザの状態は、基本的に可変であり、経時的に変化するユーザ自身によるものである。
【0079】
ユーザの状態には、限定でなく例として、ユーザの行動、位置、健康状態、ユーザの口座の残高、またはこれらの組み合わせが含まれる。ユーザの位置は、端末120から通信I/F312を介して受信する位置情報に含まれる。ユーザの健康状態は、ユーザ情報に含まれて記憶部314に記憶される。ユーザの口座の残高は、口座情報に含まれて記憶部314に記憶される。なお、口座には、限定でなく例として、銀行口座、ICカード型、スマートフォン型もしくはインターネット型の電子マネー口座、またはこれらの組み合わせが含まれる。
【0080】
口座情報には、限定ではなく例として、各口座を識別するためのID、残高、入出金履歴、取引履歴、またはこれらの組み合わせが含まれてよい。また、ユーザの口座とは、事業者が提供するサービスにおいて、ユーザIDに紐づけて、ユーザごとの金銭その他の価値を管理できるものであってもよい。
【0081】
ユーザの位置は、例えば、上記端末120から受信する位置情報の他、サードパーティ・システムであるIoTシステムから受信するユーザの位置情報に含まれていてもよい。このIoTシステムがスマートホームなどに用いられたIoTシステムであれば、上記ユーザの位置情報は、例えば、当該IoTシステムに備えられた人感センサが検出したユーザの所在としてもよい。ユーザの所在は、限定ではなく例として、ユーザが自宅の中なのか外出したのか、また、店舗に入店したかなどを示すものであってもよい。
【0082】
<<第1実施例の効果>>
第1実施例により、ユーザの状態にあわせた督促通知を通知できるという効果が得られる。ひいては、第1実施例により、ユーザの状態を鑑みたパーソナライズされた督促通知をすることができるという効果が得られる。
<<第1実施例の機能構成>>
(1)サーバの機能構成
【0083】
予測部315における予測処理のトリガーは、行動要因であるユーザの状態の変化を検出したことをトリガーにしてもよい。例えば、予測部315は、ユーザが移動して債権の支払い可能な店舗等の場所が使づいた場合、端末120から受信する端末120の位置情報に基づいて当該ユーザの位置の変化を検出して、上記予測処理を開始してもよい。
【0084】
予測部315は、例えば、債権が発生しているユーザの口座とは別の口座の残高が当該債権の債権額を超えた場合、当該債権額を超えた時点を支払いタイミングとして予測してもよい。この場合、予測部315は過去の上記超えた時点を支払いタイミングと予測する、すなわち既に支払いタイミングは過ぎていることとなる。このため、決定部316における督促通知を通知する通知タイミングは即時となる。
【0085】
予測部315は、限定ではなく例として、ユーザに対してさらなる債権が発生した(例えば、ユーザの口座の残高がさらにマイナスとなった)場合、即時に支払いを促すために、支払いタイミングを即時と予測してもよい。また、この場合も上記と同様に既に支払いタイミングを過ぎているため、決定部316における督促通知を通知するタイミングは即時となる。
【0086】
予測部315は、例えば、端末120や、ユーザが身に着けているウェアラブル端末から受信したユーザの生体情報に基づいて、当該ユーザの健康状態が良好か否かを予測してもよい。予測部315は、当該予測されたユーザの健康状態が良好だった場合は、支払いタイミングを即時または近日中(例えば、システム日付および時刻から当日〜2、3日の間)と設定してもよい。一方、当該予測されたユーザの健康状態が良好ではない場合は、予測部315は、このユーザの健康状態が良好となるまで支払いタイミングを設定しなくてもよい。生体情報とは、ユーザが発するユーザの身体の状態を表す計測情報である。生体情報は、限定ではなく例として、ユーザの血圧、心拍数、体温、睡眠時間、睡眠リズム、歩数、運動量、消費カロリー、またはこれらの組み合わせが含まれる。
【0087】
予測部315は、例えば、ユーザの位置情報およびエリア情報に基づいて、債権への支払いが可能な店舗等の場所が使づいた場合、当該場所への到着予定時刻を支払いタイミングと予測してもよい。予測部315は、例えば、ユーザの位置情報およびエリア情報に基づいて、債権への支払い可能な店舗へユーザが仮に到着した場合の到着予定時刻を算出する。予測部315は、この算出した到着予定時刻を支払いタイミングと予測する。
【0088】
<<第1実施例の動作処理>>
図7を参照し、サーバ110におけるユーザの位置情報に基づいた督促通知の通知タイミングの決定処理について説明する。
図7は、サーバ100の当該決定処理の一例を示すフローチャートである。本例では、上記決定処理において、当初デフォルトとして債権の発生から一定期間後を支払いタイミングと予測し、その後ユーザが支払い可能な場所等に近づいた際の位置情報に基づいて支払いタイミングを再予測する例を示したものである。
【0089】
図7に示すように、サーバ110は、債権情報を参照してユーザに対する債権の発生を検出する(S20)。サーバ110は、当該ユーザに関連する情報を取得して、行動要因を特定し、特定された行動要因に基づいて当該ユーザにとって都合のよい債権の支払いタイミングを予測する(S21)。サーバ100は、例えば、上記債権が発生してから一定期間後を支払いタイミングとして予測する。サーバ100は、当該予測された支払いタイミングに基づいて、当該ユーザに債権の支払いを促すための督促通知を通知する通知タイミングを決定する(S22)。
【0090】
端末120は、上記決定された通知タイミング前(上記債権が発生してから一定期間前)に、端末120の現在位置の位置情報を測定する(S23)。端末120は、当該測定された位置情報をサーバ110に送信する(S24)。サーバ110は、当該送信された位置情報を受信して、当該位置情報が示すユーザの位置に基づいて、支払いタイミングを再度予測する(S25)。サーバ110は、再度予測された支払いタイミングに基づいて、督促通知の通知タイミングを再決定する(S26)。
【0091】
サーバ110は、当該再決定された通知タイミングになると債権の支払いの督促通知を示す督促通知メッセージを生成する(S27)。サーバ110は、当該生成された督促通知メッセージを端末120に送信する(S28)。端末120は、当該送信された督促通知メッセージを受信して、ユーザに対して督促通知を出力する(S29)。
【0092】
<<第2実施例>>
第2実施例は、外部情報に基づいて支払いタイミングを予測する一実施例として、ユーザの周辺環境に基づいて、支払いタイミングを予測する実施例である。
図5(b)を用いて、本実施例に係る情報処理方法の概要を説明する。
【0093】
図5(b)は、ユーザの周辺環境に基づいて督促を通知する例である。
図5(b)に示すように、サーバ110は、サードパーティ・システムから受信した天気情報(気象情報)に基づいて、N日における予想天気がよくない場合、ユーザが債権の支払いが困難な環境にいると予測して、支払いタイミングを設定せず、督促通知を行わない。一方、サーバ110は、N+1日における予想天気がよい場合、ユーザが債権の支払いが可能な環境にいると予測して、支払いタイミングをN+1日に設定する。サーバ110は、当該支払いタイミングに基づいて、例えば、N+1日当日の朝に督促通知をユーザに通知する。
【0094】
なお、ユーザの周辺環境とは、端末120の位置を基準とした所定範囲内における環境をいう。ユーザの周辺環境は、ユーザの状態や後述のユーザの属性とは異なりユーザ自身によるものではなく、ユーザの外部のものによるものである。ユーザの周辺環境は、限定でなく例として、エリア情報、第1所定期間内のイベント情報もしくは天気情報、またはこれらの組み合わせが含まれる。ユーザの周辺環境は、環境情報として記憶部324に記憶される。
【0095】
所定範囲とは、ユーザの周辺範囲を示す閾値である。所定範囲は、限定でなく例として、端末120の位置を基準として半径5m、10m、1.5kmまたは2km等の圏内、徒歩圏内等の範囲を設定すればよい。
【0096】
エリア情報とは、地図上の所定範囲を1のエリアとして区切った情報である。エリア情報は、限定ではなく例として、特定エリアのATMや電子マネーのチャージ端末などのユーザの口座への入金が行える端末を備える店舗や銀行等の所在を示す情報である。
【0097】
第1所定期間とは、周辺環境によりユーザの支払い行動に影響を与える期間である。第1所定期間は、限定でなく例として、サーバ110のシステム日付および時刻から当日、3日間または1週間等の期間を設定すればよい。
【0098】
イベント情報とは、所定範囲内における第1所定期間内に予定されているイベントを示す情報である。イベント情報には、限定でなく例として、クリスマスや正月などの行事、マラソン大会やお祭りなどの催し物、またはこれらの組み合わせが含まれる。
【0099】
天気情報とは、ユーザの位置を基準とした所定範囲内の一定期間の天気予報を示す情報である。天気情報は、限定ではなく例として、ユーザの現在位置が東京都内であった場合、東京都の1週間の天気予報であってもよい。
【0100】
<<第2実施例の効果>>
第2実施例により、外部情報にあわせた督促通知を通知できるという効果が得られる。第2実施例により、ユーザの任意によって変えられないユーザの周辺環境に寄りそった督促通知をすることができるという効果が得られる。
<<第2実施例の機能構成>>
(1)サーバの機能構成
【0101】
予測部315は、ユーザの周辺環境に基づいて、支払いタイミングを予測してもよい。予測部315は、例えば、天気情報に基づいて支払いタイミングを予測する際に、日付ごとではなく、時間帯ごと(例えば、昼間もしくは夜間、または午前、正午もしくは午後など)や時刻ごとに支払いタイミングを予測してもよい。予測部315は、例えば、特定日付の午後に雨が降る予報であった場合、当該特定日付の午前中を支払いタイミングと予測してもよい。
【0102】
サーバ110は、サードパーティ・システムから受信した天気情報に基づいて、特定日付(例えば、N日)における予想天気がよくない場合、N日においてユーザが債権の支払いが困難な環境にいると予測して、支払いタイミングを設定しない。一方、サーバ110は、上記とは別の特定日付(例えば、N+1日)における予想天気がよい場合、当該別の特定日付においてユーザが債権の支払いが可能な環境にいると予測して支払いタイミングを当該別の特定日付に設定する。
<<第3実施例>>
第3実施例は、ユーザの属性に基づいて、支払いタイミングを予測する実施例である。ユーザの属性は、サーバ110が管理することが想定されるが、端末120やサードパーティ・システムから取得したものを用いてもよい。
図5(c)を用いて、本実施例に係る情報処理方法の概要を説明する。
【0103】
図5(c)は、ユーザの属性に基づいて督促を通知する例である。本例では、異なる二人のユーザを、それぞれユーザAとユーザBとして、ユーザAが使用する端末を端末120Aとし、ユーザBが使用する端末を端末120Bとする。
図5(c)に示すように、サーバ110は、記憶するユーザの属性を参照してユーザAの職業が学生だった場合、債権の支払いが平日昼間に可能な職業であると予測として、支払いタイミングを平日昼間に設定する。一方、サーバ110は、ユーザBの職業が会社員だった場合は、債権の支払いが平日昼間に困難な職業であると予測して、支払いタイミングを平日夜または土日休日に設定する。サーバ110は、当該支払いタイミングに基づいて、予測時点から最も近い平日昼間または平日午前中に督促通知をユーザAに通知する。
【0104】
なお、ユーザの属性とは、ユーザの特徴や性質である。このため、ユーザの属性は、基本的に不変であり、経時的に変化しないユーザ自身によるものをいう。ユーザの属性には、限定でなく例として、ユーザの性別、年齢、職業、またはこれらの組み合わせが含まれる。ユーザの属性は、ユーザ情報に含まれて記憶部324に記憶される。
【0105】
<<第3実施例の効果>>
第3実施例により、ユーザの属性にあわせた督促通知を通知できるという効果が得られる。ひいては、第3実施例により、ユーザの特徴を鑑みたパーソナライズされた督促通知をすることができるという効果が得られる。
【0106】
<<第3実施例の機能構成>>
(1)サーバの機能構成
【0107】
予測部315は、ユーザの属性に基づいて、支払いタイミングを予測してもよい。予測部315は、例えば、ユーザAの職業が学生だった場合、債権の支払いが平日昼間に可能な職業であると予測して支払いタイミングを平日昼間に設定してもよい。一方、予測部315は、ユーザBの職業が会社員だった場合は、債権の支払いが平日昼間に困難な職業であると予測して支払いタイミングを平日夜または土日休日に設定してもよい。予測部315は、例えば、ユーザの年齢が20〜30代であれば深夜まで支払い可能と予測して、支払いタイミングを朝〜深夜の時間帯に設定してもよい。一方、予測部315は、ユーザの年齢が70代以上であれば夕方まで支払い可能と予測して、支払いタイミングを朝〜夕方の時間帯に設定してもよい。
【0108】
<<第4実施例>>
第4実施例は、ユーザの取引状況に基づいて、支払タイミングを予測する実施例である。ユーザの取引状況は、ユーザによる取引対象の売買を行うための取引口座(以下、単に「取引口座」ともいう)の情報に基づいて把握してよい。この取引状況は、取引口座を用いたユーザによる特定の商取引の売買の状況を含んでもよい。また、この場合、口座情報は、例えば、各取引口座で行われた取引の取引履歴を含んでもよい。説明を簡単にするために、本実施形態では、ユーザの取引口座は、サーバ110に管理されるものとするが、端末120やサードパーティ・システムが管理してもよい。
【0109】
<<第4実施例の効果>>
第4実施例により、ユーザの取引状況にあわせた督促通知を通知できるという効果が得られる。ひいては、第4実施例により、取引状況を鑑みて冗長な督促通知を抑制することができるという効果が得られる。
【0110】
<<第4実施例の機能構成>>
(1)サーバの機能構成
決定部316は、例えば、特定の商取引の売買の状況に基づいて、第2所定期間において当該商取引による売上が予測できる場合に、第2所定期間はユーザに督促通知を通知しないように通知タイミングを決定してもよい。例えば、ユーザがユーザの取引口座を利用して商品を販売する場合、当該商品が売れることで当該商品の代金が当該取引口座に入金される可能性がある。この入金は上記取引口座の債権に対する支払いに充当されるため、上記のように取引口座に入金される可能性がある場合、ユーザに上記債権に対する督促通知をする必要がなくなる。このため、決定部316は、上記特定の商取引による売上が予測できる場合は、第2所定期間はユーザに督促通知を通知しないようにする。第2所定期間とは、ユーザの特定の商取引の売買の状況から、当該商取引による売上が見込めるか否かを判定するための期間をいう。
【0111】
決定部316における、上記特定の商取引による売上が予測できる場合には、限定ではなく例として、取引は完了しているが金銭が未受領の場合(取引口座に未入金の場合)が含まれてもよい。
【0112】
決定部316は、例えば、第2所定期間において上記商取引による売上がユーザの取引口座の債権額を超えることが予測できる場合に、第2所定期間内に督促通知を通知しないよう通知タイミングを第2所定期間後に決定してもよい。
【0113】
決定部316は、例えば、第2所定期間において取引口座を利用した商品販売における商品の売れ行きがよい場合に、第2所定期間後に通知タイミングを決定してもよい。この商品の売れ行きには、限定ではなく例として、端末120に表示される特定の商品の出品ページの商品情報および/もしくはコメント欄の内容から形態素解析により解析されたポジティブもしくはネガティブな状態を示すキーワード、特定の商品の高評価数もしくはコメント数、またはこれらの組み合わせに基づいて設定されてもよい。
【0114】
上記構成によれば、決定部316は、商品の代金等によって債権の支払いが見込める際の冗長な督促通知を抑制することができる。ひいては、決定部316は、通知処理の処理効率を向上させ、なめらかな督促通知を実現することができる。また、上記構成によれば、債権の支払いが見込める際の煩わしい督促通知がユーザに通知されないため、サービスを提供する事業会社は、ユーザにとって使い勝手のよいサービスを提供することができる。
【0115】
<<第4実施例の動作処理>>
図8を参照し、サーバ110における特定の商取引の売買の状況に基づいた督促通知の通知タイミングの決定処理について説明する。
図8は、サーバ100の当該決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0116】
図8に示すようにサーバ110の通知部317は、各取引口座に紐づく債権情報の督促通知の通知タイミングを参照し、当該通知タイミングが現在を示す取引口座を検出する(S30)。通知部317は、当該検出された取引口座のユーザに督促通知を通知する前に、取引口座を利用した商取引の売買状況を取得する(S31)。通知部317は、取得した売買状況に基づいて、第2所定期間の当該商取引による売上が債権額を超える場合(S32のYes)、決定部316に第2所定期間内は督促通知を通知しないよう、第2所定期間後に上記通知タイミングを再設定させる(S33)。通知部317は、第2所定期間の当該商取引による売上が債権額を超えない場合(S32のNo)、ユーザに督促通知を通知する(S34)。
【0117】
<<第5実施例>>
第5実施例は、内部情報に基づいて支払いタイミングを予測する一実施例として、ユーザの過去の債権に対する支払い実績に基づいて、行動要因の優先度を設定し、当該設定された優先度に基づいて支払いタイミングを予測する実施例である。
【0118】
<<第5実施例の効果>>
第5実施例により、支払い実績というファクトベースのフィードバックを受けて支払いタイミングを予測することで、より精度よく予測できるという効果が得られる。
【0119】
<<第5実施例の機能構成>>
(1)サーバの機能構成
【0120】
予測部315は、例えば、設定部318が設定した行動要因の優先度に基づいて、支払いタイミングを予測してもよい。行動要因の優先度とは、ユーザごと、または全ユーザ一律に適用される支払いタイミングを予測する際に用いる行動要因の優先順位や取捨選択の基準を示す度合である。
【0121】
設定部318は、例えば、第3所定期間における、ユーザの債権の支払い実績に基づいて、当該実績のある行動要因が優先されるように行動要因のそれぞれに優先度を設定する。第3所定期間とは、ユーザの支払い実績を取得するための期間である。第3所定期間は、限定ではなく例として、過去1か月、1年間または5年間等の値を設定すればよい。
【0122】
設定部318は、例えば、支払い実績に基づいて、ユーザごと、または全ユーザにおいて、第3所定期間における支払い実績に示される日付や天気などの項目ごとの頻度を算出し、頻度の高い項目に該当する行動要因の優先度を高く設定してもよい。また、設定部318は、回収率の高い督促通知の行動要因の優先度を高く設定してもよい。回収率とは、督促通知に対して実際に支払いが行われた割合をいう。回収率は、限定ではなく例として、第3所定期間における督促通知を行った回数に対する当該督促通知後に実際に支払いが行われた回数の割合を設定すればよい。設定部318は、具体的には、債権の支払い実績と紐づけられたまたは一定の因果関係が推定される督促通知について、当該督促通知に関する支払いタイミングの予測に用いられた行動要因に基づいて、行動要因の優先度を高く設定してもよい。予測部315は、これらの設定された優先度に基づいて、支払いタイミングの予測に用いる行動要因を特定してもよい。
【0123】
設定部318は、支払い実績に加えて債権額に基づいて、債権額ごとに行動要因の優先度を設定してもよい。設定部318は、例えば、債権額のレンジごとに回収率を集計して、当該金額のレンジごとに回収率の高い督促通知の行動要因の優先度を高く設定してもよい。
【0124】
設定部318は、支払い実績に加えてユーザの属性に基づいて、ユーザの属性ごとに行動要因の優先度を設定してもよい。設定部318は、例えば、ユーザの属性の年齢のレンジごとに回収率を集計して、当該年齢のレンジごとに回収率の高い督促通知の行動要因の優先度を高く設定してもよい。この年齢のレンジの場合と同様に、設定部318は、職業ごと、または性別ごとに回収率を集計して行動要因の優先度を設定してもよい。
【0125】
<<第5実施例の動作処理>>
図9を参照し、サーバ110における支払い実績による行動要因の優先度の設定処理について説明する。
図9は、サーバ100の当該設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0126】
図9に示すように、サーバ110の設定部318は、債権情報を参照してユーザに対する債権の発生を検出する(S40)。設定部318は、記憶部314に記憶する実績情報から当該債権の発生が検出されたユーザの支払い実績を取得する(S41)。設定部318は、当該取得された支払い実績に基づいて、当該ユーザにおける行動要因の優先度を設定する(S42)。予測部315は、当該設定された優先度に基づいて、支払いタイミングの予測に用いる行動要因を特定する(S43)。
【0127】
予測部315は、当該特定された行動要因に基づいて、債権の支払いタイミングを予測する(S44)。決定部316は、当該予測された支払いタイミングに基づいて、督促通知の通知タイミングを決定する(S45)。
【解決手段】 第1情報処理装置が、ユーザに対する債権について、ユーザに関連する情報に基づいて、ユーザの債権の支払いタイミングを予測する予測ステップと、支払いタイミングに基づいて、ユーザに、債権の支払いを督促する督促通知を通知する通知タイミングを決定する決定ステップと、通知タイミングに基づいて、ユーザに、督促通知を通知する通知ステップと、を含む情報処理方法。