特許第6473611号(P6473611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473611
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】ロボット制御装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
   B25J19/06
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-251096(P2014-251096)
(22)【出願日】2014年12月11日
(65)【公開番号】特開2016-112625(P2016-112625A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】楠本 太郎
【審査官】 松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−245162(JP,A)
【文献】 特開平05−241633(JP,A)
【文献】 特開昭60−195603(JP,A)
【文献】 特開2000−177610(JP,A)
【文献】 実開昭49−131885(JP,U)
【文献】 特開平07−193962(JP,A)
【文献】 特開2012−106254(JP,A)
【文献】 特開2002−172464(JP,A)
【文献】 特開昭62−084303(JP,A)
【文献】 特開2006−128510(JP,A)
【文献】 特開昭61−011814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
G05B 19/18 − 19/416
G05B 19/42 − 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多関節型のロボットを制御する制御装置と、前記制御装置から延びて前記ロボットに接続される一対の制御ケーブルとを備え、
前記制御ケーブルは、
導電性の心線及び当該心線を覆う絶縁層を有する配線と、
前記配線の外周を覆う導電性のシールド層とを備える
ロボット制御装置において、
前記シールド層を含む閉回路に構成され、当該シールド層の前記制御装置側の端部と前記ロボット側の端部との間の電気的導通の有無を検知するための導通検知電路を備え、
前記導通検知電路は、当該導通検知電路に電圧を印加する電源部と、前記シールド層の前記制御装置側の端部及び前記ロボット側の端部に電気的に接続されたカウント回路とを備え、
前記カウント回路は、
前記導通検知電路の電圧の立ち上がり又は立ち下がりを検知する検知部と、
前記検知部によって検知された電圧の立ち上がり又は立ち下がりの回数をカウントし、そのカウント回数を出力するカウント部とを備え、
前記カウント回路は、前記一対の制御ケーブルのうちの一方の制御ケーブルにおける前記シールド層の前記ロボット側の端部、及び前記一対の制御ケーブルのうちの他方の制御ケーブルにおける前記シールド層の前記ロボット側の端部に電気的に接続され、
前記一方のケーブルにおける前記シールド層の前記制御装置側の端部と、前記他方の制御ケーブルにおける前記シールド層の前記制御装置側の端部とが電気的に接続されている
ことを特徴とするロボット制御装置。
【請求項2】
多関節型のロボットを制御する制御装置と、前記制御装置から延びて前記ロボットに接続される制御ケーブルとを備え、
前記制御ケーブルは、
導電性の心線及び当該心線を覆う絶縁層を有する複数の配線と、
前記配線の外周を覆う導電性のシールド層とを備える
ロボット制御装置において、
前記シールド層を含む開回路に構成され、当該シールド層の前記制御装置側の端部と前記ロボット側の端部との間の電気的導通の有無を検知するための導通検知電路を備え、
前記導通検知電路における開回路の一端には第1端子が設けられているとともに、前記導通検知電路における開回路の他端には第2端子が設けられており、
前記シールド層の前記ロボット側の端部は、前記複数の配線のうちのいずれかの配線を介して前記第2端子に電気的に接続されており、
前記第1端子及び前記第2端子は、前記制御装置のケースに設けられているとともに当該ケースの外部に露出している
ことを特徴とするロボット制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケーブルにおけるシールド層の断線検知を行うことができる技術が開示されている。図9(a)に示すように、特許文献1のケーブル90は、7本の配線91を有し、これら配線91は、それぞれ導電性の心線91aと心線91aの外周を覆う絶縁層91bとで構成されている。これらの配線91の外周には、7本の配線91全体を覆うように金属性のシールド層92が設けられている。シールド層92の外周には、絶縁性の被覆層93が設けられている。シールド層92と被覆層93との間には、断線検知線94が設けられている。断線検知線94は、いわゆるエナメル線であり、導電性の導体線94aと導体線94aの外周を覆う絶縁膜94bとで構成されている。図9(b)に示すように、断線検知線94の導体線94aの一端は、電源Vに接続されているとともに、他端は第1電流計M1を介して接地されている。また、シールド層92の一端は第2電流計M2を介して接地されている。
【0003】
特許文献1のケーブル90において断線検知線94の導体線94aに断線が生じていない場合、導体線94aに電流が流れ、第1電流計M1において所定の電流が検出される。そして、導体線94aに断線が生じた場合には、導体線94aに電流が流れないため、第1電流計M1においてほぼゼロの電流値が検出される。また、断線検知線94の絶縁膜94bが破損しておらず、導体線94aとシールド層92とが絶縁されている場合、シールド層92には電流が流れないため、第2電流計M2においてほぼゼロの電流値が検出される。そして、絶縁膜94bが破損して、導体線94aとシールド層92とが短絡した場合、シールド層92に電流が流れ、第2電流計M2において所定の電流が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−305478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、第1電流計M1や第2電流計M2で検出される電流値を監視することにより、断線検知線94の導体線94aの断線や絶縁膜94bの破損を検知でき、これらを検知した場合に、シールド層92についても断線が生じている可能性があると予測できる。
【0006】
しかし、特許文献1の技術は、断線検知線94の導体線94aの断線や絶縁膜94bの破損を検知することによって、間接的にシールド層92の断線の可能性を予測できるのみであって、シールド層92の断線を直接的に検知できるものではない。したがって、シールド層92の断線検知精度という点で改良の余地がある。
【0007】
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーブルにおけるシールド層の断線検知精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、多関節型のロボットを制御する制御装置と、前記制御装置から延びて前記ロボットに接続される制御ケーブルとを備え、前記制御ケーブルは、導電性の心線及び当該心線を覆う絶縁層を有する配線と、前記配線の外周を覆う導電性のシールド層とを備えるロボット制御装置において、前記シールド層を含んで構成され、当該シールド層の前記制御装置側の端部と前記ロボット側の端部との間の電気的導通の有無を検知するための導通検知電路を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ケーブルにおけるシールド層の断線検知精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ロボット制御システムの概略図。
図2】制御ケーブルの断面図。
図3】第1実施形態におけるロボット制御装置の接続関係を示す説明図。
図4】第1実施形態における導通検知電路の概略回路図。
図5】第2実施形態におけるワイヤ供給制御装置のケースの斜視図。
図6】第2実施形態におけるワイヤ供給制御装置のケースの断面図。
図7】第2実施形態におけるロボット制御装置の接続関係を示す説明図。
図8】第2実施形態における導通検知電路の概略回路図。
図9】(a)は従来技術のケーブルの断面図、(b)は従来技術のケーブルの接続関係を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態の構成)
本発明の第1実施形態を図1図4に従って説明する。先ず、ロボット制御システムの概要について説明する。
【0012】
図1に示すように、ロボット制御システムのロボット本体10は、図示しない駆動モータによって駆動される複数(本実施形態では3つ)のアーム11を有し、先端のアーム11に溶接トーチ12が搭載された多関節型の溶接ロボットである。溶接トーチ12には、溶接ワイヤW(溶接材とも言う)を溶接トーチ12の先端に供給するための第1ワイヤ供給装置13が搭載されている。
【0013】
図3に示すように、第1ワイヤ供給装置13は、サーボモータ13aと、サーボモータ13aに内蔵されてサーボモータ13aの回転角度を計測するエンコーダ13bを備える。また、図1に示すように、第1ワイヤ供給装置13は、サーボモータ13aによって駆動される一対の第1送給ローラ13cを備える。これら一対の第1送給ローラ13cが、溶接ワイヤWを挟み込みつつ正転及び逆転駆動することにより、溶接ワイヤWがインチング動作しつつ溶接トーチ12の先端に供給される。
【0014】
図1に示すように、ロボット本体10のアーム11には、ケーブルを固定するための中継ボックス14が取付けられている。中継ボックス14の内部には、2本の多心ケーブルで構成された第1制御ケーブル対L1(図1では1本の線で図示)の一端が引き込まれている。第1制御ケーブル対L1の他端は、溶接トーチ12の内部に引き込まれて第1ワイヤ供給装置13に接続されている。
【0015】
図1に示すように、ロボット本体10のアーム11には、溶接ワイヤWを収容するワイヤバッファ15が取り付けられている。ワイヤバッファ15は、全体として中空長尺状の形状をなしていて、内部に溶接ワイヤWが挿通されるようになっている。また、ワイヤバッファ15の内部は、溶接ワイヤWが撓むことができるだけの空間が確保されている。ワイヤバッファ15には、溶接ワイヤWの位置を検出する図示しない検出センサが内蔵されている。ワイヤバッファ15における溶接トーチ12側の端部と第1ワイヤ供給装置13は、溶接ワイヤWが挿通される第1管部T1で接続されている。ワイヤバッファ15内部の溶接ワイヤWは、第1管部T1の内部を通って第1ワイヤ供給装置13の第1送給ローラ13cに供給される。
【0016】
図1に示すように、ロボット制御システムの第2ワイヤ供給装置16は、溶接ワイヤWが巻かれたワイヤリール16aを備える。また、第2ワイヤ供給装置16は、ワイヤリール16aに巻かれた溶接ワイヤWを供給するための一対の第2送給ローラ16bを備える。一対の第2送給ローラ16bは、図示しないサーボモータによって駆動され、溶接ワイヤWを挟み込みつつ正転動作することにより、溶接ワイヤWを送り出す。第2ワイヤ供給装置16とワイヤバッファ15における第2ワイヤ供給装置16側の端部とは、溶接ワイヤWが挿通される第2管部T2で接続されている。第2ワイヤ供給装置16の第2送給ローラ16bによって送り出された溶接ワイヤWは、第2管部T2の内部を通ってワイヤバッファ15の内部に供給される。
【0017】
本実施形態においては、各アーム11、溶接トーチ12、第1ワイヤ供給装置13、中継ボックス14、及びワイヤバッファ15を含むロボット本体10と、第2ワイヤ供給装置16とで、多関節型の溶接ロボットが構成されている。
【0018】
図1に示すように、ロボット制御システムは、溶接ロボットにおける溶接ワイヤWの供給を制御するためのワイヤ供給制御装置20を含んで構成されている。ワイヤ供給制御装置20は、全体として四角箱状をなすケース21を有する。ケース21は、導電性の金属により形成されており、電気的に接地されている。ケース21内には、電圧を変換するための電圧コンバータや制御信号を扱う制御回路等の内部回路が格納されている。
【0019】
図1に示すように、ケース21には、2本の多心ケーブルで構成された第2制御ケーブル対L2(図1では1本の線で図示)の一端が引き込まれ、ケース21内の内部回路と接続されている。第2制御ケーブル対L2の他端は、ロボット本体10に取付けられた中継ボックス14の内部に引き込まれ、第1制御ケーブル対L1と接続されている。したがって、ケース21に格納された内部回路等は、第2制御ケーブル対L2及び第1制御ケーブル対L1を介して、第1ワイヤ供給装置13と電気的に接続されている。
【0020】
図1に示すように、ケース21の内部には、2本の多心ケーブルで構成された第3制御ケーブル対L3(図1では1本の線で図示)の一端が引き込まれ、ケース21内の内部回路と接続されている。第3制御ケーブル対L3の他端は、ワイヤバッファ15に内蔵された図示しない検出センサに接続されている。
【0021】
図1に示すように、ケース21の内部には、2本の多心ケーブルで構成された第4制御ケーブル対L4(図1では1本の線で図示)の一端が引き込まれ、ケース21内の内部回路と接続されている。第4制御ケーブル対L4の他端は、第2ワイヤ供給装置16に接続されている。本実施形態では、ワイヤ供給制御装置20と、これら第2〜第4制御ケーブル対L2〜L4とでロボット制御装置が構成されている。
【0022】
ワイヤ供給制御装置20は、第3制御ケーブル対L3を介して、ワイヤバッファ15の検出センサに駆動電力を供給する。また、ワイヤ供給制御装置20は、第3制御ケーブル対L3を介して、当該検出センサからの検出信号を受け取り、その検出信号に基づいてワイヤバッファ15内における溶接ワイヤWの撓みの程度を検出する。ワイヤ供給制御装置20は、第2制御ケーブル対L2及び第1制御ケーブル対L1を介して、第1ワイヤ供給装置13におけるエンコーダ13bからサーボモータ13aの回転角度を示すエンコード信号を受け取る。また、ワイヤ供給制御装置20は、第4制御ケーブル対L4を介して、第2ワイヤ供給装置16におけるサーボモータの回転角度を示すエンコード信号を受け取る。そして、ワイヤ供給制御装置20は、第2制御ケーブル対L2及び第1制御ケーブル対L1を介して、第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13aに駆動信号を出力するとともに、第4制御ケーブル対L4を介して第2ワイヤ供給装置16のサーボモータに駆動信号を出力する。このとき、ワイヤ供給制御装置20は、ワイヤバッファ15内における溶接ワイヤWの撓みの程度が所定範囲内に収まるように、各サーボモータを駆動制御する。
【0023】
次に、ロボット制御装置における第2制御ケーブル対L2の構成、ロボット本体10における第1制御ケーブル対L1の構成、及びこれらの接続関係について説明する。
図3に示すように、第2制御ケーブル対L2は、ワイヤ供給制御装置20の内部回路からの信号を出力するための出力ケーブル30と、ワイヤ供給制御装置20の内部回路へ信号を入力するための入力ケーブル40とで構成されている。図2に示すように、出力ケーブル30は、複数(本実施形態において7本)の配線31を有し、これら配線31は、それぞれ導電性の心線31aと心線31aの外周を覆う絶縁層31bとで構成されている。これらの配線31の外周には、7本の配線31全体を覆うようにシールド層32が設けられている。シールド層32は、金属製の素線を編組することにより形成されている。シールド層32の外周には、絶縁性の被覆層33が設けられている。
【0024】
図3に示すように、出力ケーブル30において、各配線31(図3においては3本のみ図示)のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース21内の内部回路に接続されている。また、シールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース21の内面に接続されている。したがって、出力ケーブル30のシールド層32は、ケース21を介して接地されている。出力ケーブル30において、ロボット本体10側(第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13a側)の端部には、他のケーブルと接続するためのコネクタ34が設けられている。
【0025】
図2及び図3に示すように、入力ケーブル40は、心線41a及び絶縁層41bで構成された配線41、シールド層42、被覆層43を備える。これら配線41、シールド層42、被覆層43の構成は、出力ケーブル30における各構成と同様である。また、図3に示すように、入力ケーブル40において、各配線41のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース21内の内部回路に接続されている。また、シールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース21の内面に接続されている。したがって、入力ケーブル40のシールド層42は、ケース21を介して接地されている。また、入力ケーブル40のシールド層42は、ケース21を介して、出力ケーブル30のシールド層32と電気的に接続されている。入力ケーブル40において、ロボット本体10側の端部には、他のケーブルと接続するためのコネクタ44が形成されている。
【0026】
図3に示すように、第1制御ケーブル対L1は、第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13aに信号を入力するための入力ケーブル50と、エンコーダ13bからの信号を出力する出力ケーブル60とで構成されている。入力ケーブル50の断面構造は出力ケーブル30と同様であり、入力ケーブル50は、配線51、シールド層52、被覆層(図3では図示を省略する)を備える。入力ケーブル50において、各配線51のロボット本体10側の端部は第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13aに接続されている。入力ケーブル50において、ワイヤ供給制御装置20側の端部には、出力ケーブル30のコネクタ34と接続されるコネクタ54が設けられている。入力ケーブル50のコネクタ54と出力ケーブル30のコネクタ34とは、中継ボックス14内において接続されている。これにより、入力ケーブル50の各配線51と出力ケーブル30の各配線31とが電気的に接続される。また、入力ケーブル50のシールド層52と出力ケーブル30のシールド層32とが電気的に接続される。
【0027】
図3に示すように、出力ケーブル60の断面構造は入力ケーブル40と同様であり、出力ケーブル60は、配線61、シールド層62、被覆層(図3では図示を省略する)を備える。出力ケーブル60において、各配線61のロボット本体10側の端部は、第1ワイヤ供給装置13のエンコーダ13bに接続されている。出力ケーブル60において、ワイヤ供給制御装置20側の端部には、入力ケーブル40のコネクタ44と接続されるコネクタ64が設けられている。出力ケーブル60のコネクタ64と入力ケーブル40のコネクタ44とは、中継ボックス14内において接続されている。これにより、出力ケーブル60の各配線61と入力ケーブル40の各配線41とが電気的に接続される。また、出力ケーブル60のシールド層62と入力ケーブル40のシールド層42とが電気的に接続される。出力ケーブル60におけるシールド層62のロボット本体10側の端部と、入力ケーブル50におけるシールド層52のロボット本体10側の端部とは、互いに絶縁されており、それぞれ電気的に浮いた状態にある。
【0028】
図3に示すように、中継ボックス14内において出力ケーブル30のコネクタ34と入力ケーブル40のコネクタ44とを繋ぐようにカウント回路70が接続されている。図4に示すように、カウント回路70は、コネクタ34を介して出力ケーブル30のシールド層32に電気的に接続されているとともに、コネクタ44を介して入力ケーブル40のシールド層42に電気的に接続されている。
【0029】
図4に示すように、本実施形態では、カウント回路70、シールド層32、導電性の金属により形成されたケース21、シールド層42によって閉回路が形成され、この閉回路が、シールド層32及びシールド層42それぞれの両端部間の電気的導通の有無を検知するための導通検知電路を構成する。また、シールド層32のロボット本体10側の端部はコネクタ34を介してカウント回路70に電気的に接続され、シールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース21、シールド層42、コネクタ44を介してカウント回路70に電気的に接続されている。同様に、シールド層42のロボット本体10側の端部はコネクタ44を介してカウント回路70に電気的に接続され、シールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース21、シールド層32、コネクタ34を介してカウント回路70に電気的に接続されている。
【0030】
図4に示すように、カウント回路70において、電源部としてのバッテリV1の低電位側端子は入力ケーブル40のシールド層42に接続され、高電位側端子はスイッチSWの一方側の端子に接続されている。スイッチSWの他方側の端子は抵抗R1の一方側の端子に接続され、抵抗R1の他方側の端子は出力ケーブル30のシールド層32に接続されている。スイッチSWは、例えば中継ボックス14の外面に設けられた操作部が操作されることによりオンオフし、バッテリV1及び抵抗R1間の導通・非導通が切り換えられる。
【0031】
図4に示すように、カウント回路70は、抵抗R1の両端子に接続された検知部71を有する。検知部71には、抵抗R1の端子間電圧が入力される。検知部71は、入力される端子間電圧の立ち下がりを検知し、検知信号を出力する。検知部71には、検知信号が入力されるカウント部72が接続されている。カウント部72は、検知信号が入力された回数をカウントし、そのカウント回数を示すカウント信号を出力する。カウント部72には、カウント信号が入力される表示部73が接続されている。表示部73は、例えば7セグメントディスプレイであり、カウント信号に基づく数値(カウント回数)を表示する。表示部73は、そのディスプレイ部分が中継ボックス14の外部に露出していて、外部から視認できるようになっている。
【0032】
(第1実施形態の動作及び作用)
次に、第1実施形態の動作及び作用を説明する。
図4に概略回路図を示すように、出力ケーブル30のシールド層32及び入力ケーブル40のシールド層42に断線が発生しているか否かを検知したい場合には、カウント回路70のスイッチSWをオンにする。これにより、カウント回路70のバッテリV1の電圧が、カウント回路70、シールド層32、ケース21、シールド層42からなる導通検知電路に印加される。
【0033】
シールド層32及びシールド層42のいずれにも断線が発生していない場合、カウント回路70、シールド層32、ケース21、シールド層42からなる導通検知電路は閉回路であり、電流が流れる。このとき、カウント回路70の抵抗R1の端子間電圧は、バッテリV1の端子間電圧及び抵抗R1の抵抗値等に応じた所定の電圧値である。
【0034】
例えば、シールド層32に断線が発生した場合、その断線が発生した箇所において断線したシールド層32が互いに接触していれば、導通検知電路に電流が流れ、カウント回路70の抵抗R1の端子間電圧は所定の電圧値となる。このような状態で、例えば、ロボット本体10の各アーム11が駆動すると、それに伴って、出力ケーブル30が引っ張られたり曲げられたりする。すると、断線していた箇所において接触していたシールド層32が離間して、導通検知電路が開回路となり、電流が流れない。そのため、カウント回路70の抵抗R1にも電流は流れず、当該抵抗R1の端子間電圧はほぼゼロに立ち下がる。カウント回路70の検知部71は、抵抗R1の端子間電圧が所定の電圧値からほぼゼロに立ち下がることを検知し、検知信号をカウント部72に出力する。カウント部72は、検知信号が入力される毎にカウント値をカウントアップし、そのカウントアップ後の回数を示すカウント信号を表示部73に出力する。表示部73は、カウント信号に基づく数値を表示する。
シールド層32に断線が発生している場合には、断線した箇所において上述したようなシールド層32の接触、離間が繰り返される。したがって、シールド層32に断線が発生している場合には、カウント回路70のスイッチSWをオンにしている間、表示部73に表示される数値が徐々に増加していくことになる。したがって、カウント回路70のスイッチSWをオンする前よりも、表示部73に表示される数値が増加したことを確認することで、出力ケーブル30におけるシールド層32の断線の発生を判断できる。なお、出力ケーブル30のシールド層32が断線した場合について説明したが、入力ケーブル40のシールド層42が断線した場合についても、同様である。
【0035】
(第1実施形態の特徴)
上記第1実施形態のロボット制御装置の特徴をその効果とともに記載する。
(1)第1実施形態では、出力ケーブル30のシールド層32及び入力ケーブル40のシールド層42を含んで構成された導通検知電路における電気的導通の有無を検知する。したがって、シールド層32やシールド層42の断線を直接的に検知することができ、これらシールド層32やシールド層42の断線検知精度が向上する。
【0036】
(2)第1実施形態では、導通検知電路に、出力ケーブル30のシールド層32及び入力ケーブル40のシールド層42の両方が含まれている。したがって、これら両方のシールド層32及びシールド層42の断線を、同一の構成で検知することができる。
【0037】
(3)第1実施形態では、カウント回路70の検知部71が抵抗R1の端子間電圧の立ち下がりを検知し、カウント部72がその回数をカウントする。したがって、カウント回路70のスイッチSWをオンする前のカウント値よりもカウント値が増加していれば、シールド層32やシールド層42に断線が発生していると判断できる。つまり、ロボット制御システムの使用者は、シールド層32やシールド層42を含む導通検知電路の電気的導通が失われた瞬間に立ち会っていなくとも、その後、カウント回路70の表示部73の数値を確認すれば、シールド層32やシールド層42の断線の発生を判断できる。
【0038】
(4)第1実施形態では、カウント回路70のスイッチSWがオンにされてシールド層32やシールド層42の断線を検知している状態であっても、ロボット本体10等の動作に影響を与えない。また、カウント回路70のスイッチSWをオンにすれば、その後は、利用者は、カウント回路70の近傍に居る必要がない。そのため、ロボット本体10を駆動させたままの状態で、シールド層32やシールド層42の断線を検知できる。
【0039】
(5)第1実施形態では、出力ケーブル30におけるシールド層32のロボット本体10側、及び入力ケーブル40におけるシールド層42のロボット本体10側にカウント回路70が接続されている。すなわち、出力ケーブル30におけるシールド層32及び入力ケーブル40におけるシールド層42の同じ側にカウント回路70が接続されている。したがって、各シールド層32、42にカウント回路70を接続するにあたって、これらを繋ぐ配線の長さが過度に長くなることを抑制できる。
【0040】
(6)第1実施形態では、カウント回路70にスイッチSWを設けて、バッテリV1及び抵抗R1間の導通・非導通を切り換え可能とした。したがって、必要のないときには、スイッチSWをオフにして、導通検知電路に電流が流れないようにすることで、バッテリV1の電荷の消費を抑えることができる。
【0041】
(7)上記第1実施形態における第2制御ケーブル対L2(出力ケーブル30及び入力ケーブル40)は、ロボット本体10のアーム11の駆動に伴って引っ張られたり曲げられたりし易いケーブル対であり、シールド層32、42の断線が発生する可能性が比較的に高い。また、溶接ロボットにおいては、ワークを溶接する際に高い電圧を使用するため、大きな電磁ノイズが発生する。したがって、溶接ロボットのロボット制御システムに用いられている制御ケーブルにおいては、シールド層が断線した場合に信号にノイズが混入するリスクが大きい。このように、比較的にノイズが混入しやすく、且つシールド層の断線が発生しやすい第2制御ケーブル対L2に、シールド層の電気的導通の有無を検知するための導通検知電路に関する構成を適用することは、極めて好適である。
【0042】
(第2実施形態の構成)
本発明の第2実施形態を図5図8に従って説明する。なお、ロボット制御システムの概要については第1実施形態(図1参照)と同様であるので、説明を省略する。また、以下の第2実施形態の説明において第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して発明を省略又は簡略化する。
【0043】
先ず、ワイヤ供給制御装置20のケース80の構成について説明する。なお、図5では、ワイヤ供給制御装置20のケース80内の内部回路や各ケーブルの図示を省略する。
図5に示すように、ケース80のケース本体81は、長方形板状の底壁部81aと、底壁部81aの両短辺に沿ってそれぞれ立設された板状の第1側壁部81b及び第2側壁部81cと、底壁部81aの一方の長辺に沿って立設された板状の第3側壁部81dとを有する。第1側壁部81bには、3つの貫通孔が形成されているとともにこれら各貫通孔にはケーブルクランプ部材82が嵌め込まれている。これらケーブルクランプ部材82には、対応する第2〜第4制御ケーブル対L2〜L4が挿通されている。底壁部81aには、他方の長辺に沿って板状の固定部83が立設されている。固定部83の高さ寸法は、第1側壁部81b及び第2側壁部81cの高さ寸法よりも短くなっている。
【0044】
図5に示すように、ケース本体81の第3側壁部81dの上端縁には、図示しない蝶番を介して蓋部86が回動可能に連結されている。蓋部86は、長方形板状の天壁部86aを有する。天壁部86aは、一方の長辺側の端縁においてケース本体81の第3側壁部81dと連結されている。天壁部86aには、他方の長辺に沿って板状の第4側壁部86bが直角に立設されている。ケース80は、蓋部86がケース本体81に閉じられた状態で、全体として四角箱状をなし、内部が密閉される。ケース80のケース本体81及び蓋部86は、導電性の金属で形成されており、電気的に接地されている。
【0045】
図5に示すように、ケース本体81の固定部83には、2箇所の貫通孔83aが形成されている。図6に示すように、各貫通孔83aには、絶縁性の樹脂材料で形成された筒状の絶縁スリーブ84が嵌め込まれて固定されている。絶縁スリーブ84の内側には、導電性の金属材料で形成された雌ねじ部85が嵌め込まれて固定されている。
【0046】
図5に示すように、蓋部86の第4側壁部86bには、2箇所の貫通孔86cが形成されている。これら第4側壁部86bの各貫通孔86cは、蓋部86をケース本体81に閉じた状態において、それぞれ固定部83の各貫通孔83aと対向する位置に形成されている。図6に示すように、蓋部86の第4側壁部86bにおける各貫通孔86cには、絶縁性の樹脂材料で形成された筒状の絶縁スリーブ87が嵌め込まれている。
【0047】
図6に示すように、蓋部86をケース本体81に閉じて固定する際には、絶縁スリーブ87の内側及び雌ねじ部85の内側にねじ88を挿通して固定する。このとき、ねじ88には、絶縁性の樹脂材料で形成された絶縁ワッシャ89が挿通され、ねじ88の頭部と蓋部86の第4側壁部86bとの間に絶縁ワッシャ89が介在される。絶縁ワッシャ89、絶縁スリーブ84、87の存在により、ねじ88及び雌ねじ部85は、蓋部86及びケース本体81から電気的に絶縁されている。
【0048】
次に、ロボット制御装置における第2制御ケーブル対L2及びその接続関係について説明する。なお、第1制御ケーブル対L1の構成は、第1実施形態(図2及び図3参照)と同様であるので、説明を省略する。また、第2制御ケーブル対L2の構成に関し、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0049】
図7に示すように、第2制御ケーブル対L2は、ワイヤ供給制御装置20の内部回路からの信号を出力するための出力ケーブル30と、内部回路へ信号を入力するための入力ケーブル40とで構成されている。出力ケーブル30は、複数(本実施形態においては7本、図7においては3本のみ図示)の配線31を有する。これら配線31のうち、6本の配線31は、ケース21内の内部回路から第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13aへと駆動信号を出力するための信号配線36とされている。残りの1本の配線31は、駆動信号の伝送用途としては使用されていない未使用配線37とされている。同様に、入力ケーブル40は、複数(本実施形態においては7本、図7においては3本のみ図示)の配線41を有する。これら配線41のうち、6本の配線41は、第1ワイヤ供給装置13のエンコーダ13bからのエンコード信号をケース21内の内部回路に入力するための信号配線46とされている。残りの1本の配線41は、エンコード信号の伝送用途としては使用されていない未使用配線47とされている。
【0050】
図7に示すように、出力ケーブル30において、信号配線36のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80内の内部回路に接続されている。また、信号配線36のロボット本体10側(第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13a側)の端部は、コネクタ34、入力ケーブル50のコネクタ54を介して入力ケーブル50の各配線51に電気的に接続されている。
【0051】
図6及び図7に示すように、出力ケーブル30において、未使用配線37のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80における2つの雌ねじ部85のうちの一方に電気的に接続されている。なお、その雌ねじ部85にねじ88が挿通された場合、未使用配線37はそのねじ88にも電気的に接続されることになる。図7に示すように、未使用配線37のロボット本体10側の端部は、シールド層32のロボット本体10側の端部と電気的に接続(例えばはんだ付け)されている。シールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80におけるケース本体81の内面に電気的に接続されている。したがって、出力ケーブル30のシールド層32は、ケース80を介して接地されている。
【0052】
図7に示すように、入力ケーブル40において、信号配線46のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80内の内部回路に接続されている。また、信号配線46のロボット本体10側(第1ワイヤ供給装置13のサーボモータ13a側)の端部は、コネクタ44、出力ケーブル60のコネクタ64を介して出力ケーブル60の各配線61に電気的に接続されている。
【0053】
図6及び図7に示すように、入力ケーブル40において、未使用配線47のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80における2つの雌ねじ部85のうちの他方に電気的に接続されている。なお、その雌ねじ部85にねじ88が挿通された場合、未使用配線47はそのねじ88にも電気的に接続されることになる。図7に示すように、未使用配線47のロボット本体10側の端部は、シールド層42のロボット本体10側の端部と電気的に接続(例えばはんだ付け)されている。シールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80におけるケース本体81の内面に電気的に接続されている。したがって、入力ケーブル40のシールド層42は、ケース80を介して接地されている。また、入力ケーブル40のシールド層42は、ケース80を介して出力ケーブル30のシールド層32と電気的に接続されている。
【0054】
図7及び図8に示すように、本実施形態では、2つの雌ねじ部85及びこれら雌ねじ部85に挿通されるねじ88が、ケース80に設けられた導通テスト用の第1端子及び第2端子として機能する。そして、一方のねじ88、一方の雌ねじ部85、出力ケーブル30の未使用配線37、シールド層32、ケース80(ケース本体81)、入力ケーブル40のシールド層42、未使用配線47、他方の雌ねじ部85、他方のねじ88によって開回路が形成されている。この開回路が、シールド層32、42それぞれの両端部間の電気的導通の有無を検知するための導通検知電路を構成する。
図7及び図8に示すように、シールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80(ケース本体81)、入力ケーブル40のシールド層42、未使用配線47を介して、雌ねじ部85及びねじ88に電気的に接続されている。また、シールド層32のロボット本体10側の端部は、出力ケーブル30の未使用配線37を介して、雌ねじ部85及びねじ88に電気的に接続されている。同様に、シールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部は、ケース80(ケース本体81)、出力ケーブル30のシールド層32、未使用配線37を介して、雌ねじ部85及びねじ88に電気的に接続されている。また、シールド層42のロボット本体10側の端部は、入力ケーブル40の未使用配線47を介して、雌ねじ部85及びねじ88に電気的に接続されている。
【0055】
図8に示すように、本実施形態では、出力ケーブル30のシールド層32、入力ケーブル40のシールド層42の電気的導通の有無を検知する際、テスター75を使用する。テスター75は、第1テスト端子76及び第2テスト端子77を有する。第1テスト端子76及び第2テスト端子77には、バッテリV2及び抵抗R2からなる直列回路が接続されている。抵抗R2の両端子には、電圧計78が接続されている。電圧計78は、抵抗R2の端子間電圧に応じた数値を表示する。
【0056】
(第2実施形態の動作及び作用)
次に、第2実施形態の動作及び作用を説明する。
図8に概略回路図を示すように、出力ケーブル30のシールド層32及び入力ケーブル40のシールド層42に断線が発生しているか否かを検知したい場合には、テスター75の第1テスト端子76及び第2テスト端子77を、それぞれワイヤ供給制御装置20のケース80における2つのねじ88に接触させる。
【0057】
シールド層32及びシールド層42のいずれにも断線が発生していない場合、シールド層32及びシールド層42を含む導通検知電路とテスター75とによって閉回路が形成され、テスター75の抵抗R2に電流が流れる。このとき、抵抗R2の端子間電圧は、バッテリV2の端子間電圧及び抵抗R2の抵抗値等に応じた所定の電圧値である。テスター75の電圧計78は、この所定の電圧値を表示する。
【0058】
例えば、シールド層32に断線が発生した場合、その断線が発生した箇所において断線したシールド層32が互いに接触していれば、導通検知電路とテスター75とで形成される閉回路に電流が流れ、テスター75の電圧計78は、所定の電圧値を表示する。このような状態で、例えば、ロボット本体10の各アーム11が駆動すると、それに伴って、出力ケーブル30が引っ張られたり曲げられたりする。すると、断線していた箇所において接触していたシールド層32が離間して、導通検知電路とテスター75とで形成される回路が開回路となり、電流が流れない。そのため、テスター75の抵抗R2にも電流は流れず、当該抵抗R2の端子間電圧はほぼゼロとなる。
【0059】
シールド層32に断線が発生している場合には、断線した箇所において上述したようなシールド層32の接触、離間が繰り返される。したがって、シールド層32に断線が発生している場合には、テスター75の第1テスト端子76及び第2テスト端子77を、それぞれワイヤ供給制御装置20のケース80における2つのねじ88に接触させている間、テスター75の電圧計78がゼロ又は所定の電圧値を表示し、安定しない。このように、テスター75の電圧計78の表示が安定しないことを確認することで、出力ケーブル30におけるシールド層32の断線の発生を判断できる。なお、出力ケーブル30のシールド層32が断線した場合について説明したが、入力ケーブル40のシールド層42が断線した場合についても、同様である。
【0060】
(第2実施形態の特徴)
上記第2実施形態のロボット制御装置によれば、第1実施形態の(1)、(2)、(7)と同様の特徴及び効果を奏する。また、第2実施形態のその他の特徴をその効果とともに記載する。
【0061】
(8)第2実施形態では、ワイヤ供給制御装置20のケース80における2つのねじ88及び雌ねじ部85を、シールド層32及びシールド層42の断線検知のための端子として利用している。したがって、ロボット本体10に過度に近づくことなく、シールド層32及びシールド層42の断線検知を行うことが可能である。その結果、ロボット本体10を駆動させたまま、シールド層32及びシールド層42の断線検知を行うことも可能である。
【0062】
(9)第2実施形態では、ワイヤ供給制御装置20のケース80において、蓋部86をケース本体81に閉じた状態で端子として機能する2つのねじ88が外部に露出している。したがって、蓋部86をケース本体81から開けることなく、シールド層32及びシールド層42に断線が発生しているか否かを検知できる。
【0063】
(10)第2実施形態では、ケース80における2つのねじ88及び雌ねじ部85を、シールド層32及びシールド層42の断線検知のための端子として利用している。したがって、新たに端子を増設する場合に比較して、部品点数の増加を抑えることができる。
【0064】
(11)第2実施形態では、シールド層32のロボット本体10側の端部を、ワイヤ供給制御装置20のケース80における雌ねじ部85に電気的に接続するにあたって、出力ケーブル30の未使用配線37を利用している。したがって、出力ケーブル30とは別に他のケーブルを追加して利用する場合に比較して、各ケーブルの引き回し構成を簡略化できる。また、配線の数が様々な多心ケーブルが汎用の多心ケーブルとして販売されている。したがって、出力ケーブル30として、未使用配線37を追加した多心ケーブルを採用することになっても、それに伴うコストの増加を最小限に抑えることができる。
【0065】
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。また、各変更例を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0066】
・ 上記各実施形態では、第2制御ケーブル対L2における出力ケーブル30のシールド層32及び入力ケーブル40のシールド層42の断線を検知するようにしたが、第3制御ケーブル対L3における各ケーブルのシールド層の断線を検知するようにしてもよい。同様に、第4制御ケーブル対L4における各ケーブルのシールド層の断線を検知するようにしてもよい。この場合、第3制御ケーブル対L3や第4制御ケーブル対L4について、第1及び第2実施形態の第2制御ケーブル対L2と同様の構成を採用すればよい。
【0067】
・ 上記各実施形態におけるケーブルのシールド層の断線検知に関する構成を、ロボット本体10のアーム11の駆動を制御するための制御装置に適用してもよいし、溶接ロボットとは異なる他のロボットの制御装置に適用してもよい。他のロボットとしては、例えばワークを搬送する搬送ロボットや、ワークに対して切断、穿孔、研削、研磨、圧延、鍛造、折り曲げ等の加工を施すための加工ロボットなどが挙げられる。
【0068】
・ 上記各実施形態において、第1制御ケーブル対L1を省略して、第2制御ケーブル対L2を第1ワイヤ供給装置13に接続してもよい。この場合、中継ボックス14を省略してもよいし、中継ボックス14内で第2制御ケーブル対L2の途中部分を固定してもよい。
【0069】
・ 上記各実施形態において、各ケーブルの配線の数は7本に限らない。特に、第1実施形態の場合には、各ケーブルが多心ケーブルでなくてもよい。
・ 上記各実施形態では、出力ケーブル30のシールド層32及び入力ケーブル40のシールド層42の両方を含んで導通検知電路を構成したが、いずれか一方のシールド層のみを含むように導通検知電路を構成することも可能である。例えば、図3に示す第1実施形態において、カウント回路70を、シールド層42のロボット本体10側の端部に電気的に接続するのに代えて、他の配線に接続し、その他の配線をシールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部に電気的に接続してもよい。ここで、カウント回路70に接続する他の配線は、出力ケーブル30の配線31や入力ケーブル40の配線41のうちの未使用配線であってもよいし、新たに追加した外部配線であってもよい。また、例えば、図7に示す第2実施形態において、シールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部とシールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部とを電気的に絶縁し、シールド層32のワイヤ供給制御装置20側の端部を雌ねじ部85(端子)に接続してもよい。なお、シールド層32及びシールド層42のうちのシールド層32のみが含まれる導通検知電路について説明したが、シールド層42のみが含まれる導通検知電路についても同様である。
【0070】
・ 第1実施形態のカウント回路70(検知部71及びカウント部72)は、導通検知電路の電気的導通の有無を検知してカウントできるのであれば、その具体的な回路構成は問わない。例えば、サンプルホールド回路、フリップフロップ回路、ワンショット回路や各種の論理回路などを組み合わせたアナログ回路で構成してもよいし、ICチップ等を内蔵したデジタル回路で構成してもよい。
【0071】
・ 第1実施形態では、カウント回路70の検知部71が抵抗R1の端子間電圧の立ち下がりを検知したが、端子間電圧の立ち上がりを検知するようにしてもよい。例えば、シールド層32に断線が発生していない場合、抵抗R1の端子間電圧はほぼ一定である。一方、シールド層32に断線が発生している場合、シールド層32が曲げられるなどして、断線が発生している箇所においてシールド層32が互いに接触する。このとき、抵抗R1の端子間電圧が立ち上がる。この端子間電圧が立ち上がることを検知することによって、シールド層32に断線が発生していることを検知できる。なお、この場合は、カウント回路70のスイッチSWをオンにしたことに伴う抵抗R1の端子間電圧の立ち上がりをカウントしないようにすることが好ましい。
【0072】
・ 第1実施形態のカウント回路70では、検知部71に抵抗R1の端子間電圧を入力したが、検知部71に抵抗R1の電流値を入力するようにしてもよい。この場合、例えば、シールド層32に断線が発生した場合には、電流値がほぼゼロに立ち下がることになるので、これを検知部71が検知すればよい。
【0073】
・ 第1実施形態のカウント回路70では、カウント部72が表示部73にカウント信号を出力したが、有線又は無線で中継ボックス14の外部の装置に出力するようにしてもよい。例えば、カウント部72が、ロボットを操作するための操作装置に無線でカウント信号を出力し、その操作装置のディスプレイ上にカウント信号に基づいた表示がされてもよい。
【0074】
・ 第1実施形態では、カウント回路70にバッテリV1が内蔵されていたが、カウント回路70が外部電源から電力供給を受けてもよい。この場合、カウント回路70のスイッチSWを省略して、外部電源からカウント回路70へと電力を供給するか否かを切り換え可能としてもよい。
【0075】
・ 第1実施形態において、カウント回路70に代えて、シールド層32やシールド層42に断線が発生した際に、警告を発する警告装置を設けてもよい。具体的には、シールド層32及びシールド層42を含む導通検知電路の電流値を計測し、その電流値が一定期間失われた場合に、警告灯や警告音を発するようにしてもよい。その他にも、導通電池電路の電気的導通が失われたことを使用者に知らせることができる装置であれば、カウント回路70の代わりの構成として採用できる。
【0076】
・ 第1実施形態において、カウント回路70を省略し、シールド層32及びシールド層42のロボット本体10側の端部をそれぞれ端子に接続してもよい。なお、この端子は、中継ボックス14の外部に露出していることが好ましい。また、端子としては、第2実施形態と同様に、ねじ及び雌ねじ部を使用することもできる。
【0077】
・ 第2実施形態において、ケース80の雌ねじ部85及びねじ88を端子として利用するのに代えて、別の独立した端子をケース80に設けてもよい。この場合、端子は、ケース80から電気的に絶縁されている必要がある。また、新たに端子を設ける場合、端子がケース80の外部に露出していることが好ましい。
【0078】
・ 第2実施形態において、雌ねじ部85及びねじ88をケース本体81や蓋部86から絶縁する構成は問わない。例えば、ケース本体81や蓋部86全体を絶縁性の樹脂材料で構成してもよい。この場合、シールド層32及びシールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部を電気的に接続するとともに、これらを電気的に接地する必要がある。
【0079】
・ 第2実施形態において、未使用配線37及び未使用配線47のワイヤ供給制御装置20側の端部にカウント回路を接続してもよい。カウント回路としては、第1実施形態で例示したカウント回路70と同様の構成のものが採用できる。また、未使用配線37及び未使用配線47のワイヤ供給制御装置20側の端部を、ケース80内の内部回路に接続し、この内部回路から電圧が印加されるとともに、電気的導通の有無を内部回路で判断するようにしてもよい。なお、この場合、ケース80内の内部回路は、電気的導通が失われたと判断した場合に、そのことを示す信号を例えば表示装置に出力する。
【0080】
・ 第2実施形態において、シールド層32及びシールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部に、バッテリ及びLED灯を内蔵した表示回路を接続してもよい。この場合、シールド層32及びシールド層42に断線が発生していなければ、シールド層32、シールド層42及び上記表示回路を含む導通検知電路が閉回路となるため、LED灯が点灯する。そして、シールド層32やシールド層42に断線が発生すると、導通検知電路が開回路となるためLED灯が消灯する。このLED灯の消灯を確認することで、シールド層32やシールド層42に断線が発生していると判断できる。
【0081】
・ シールド層32及びシールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部に、上の変更例で説明した警告装置を接続してもよい。その他にも、導通電池電路の電気的導通が失われたことを出力できる装置(回路)であれば、シールド層32及びシールド層42のワイヤ供給制御装置20側の端部に接続することができる。
【0082】
・ 第2実施形態において、導通検知電路の電気的導通の有無を検知できるのであれば、どのような構成であってもテスター75として利用できる。例えば、テスター75が導通検知電路に流れる電流を検知し表示する電流計であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…ロボット本体、16…第2ワイヤ供給装置、20…ワイヤ供給制御装置、30…出力ケーブル、32…シールド層、36…信号配線、37…未使用配線、40…入力ケーブル、42…シールド層、46…信号配線、47…未使用配線、70…カウント回路、71…検知部、72…カウント部、V1…バッテリ、80…ケース、85…雌ねじ部、88…ねじ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9