(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
なお、以下の説明では、ペーパーホルダ100の取出口21側を前側(使用者側)とするとともにその反対側を後側とし、ペーパーホルダ100の軸部3の長手方向を上下方向とし、上下方向及び前後方向の双方に直交する方向を左右方向とする。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1のペーパーホルダ100を示す斜視図である。また、
図2(a)は、ペーパーホルダ100にロールタイプの家庭用薄葉紙P1を取り付けた状態を示す斜視図であり、
図2(b)は、ペーパーホルダ100に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を取り付けた状態を示す斜視図である。また、
図3は、
図1のIII−III線におけるペーパーホルダ100の断面図である。
実施形態1のペーパーホルダ100は、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1と包装タイプの家庭用薄葉紙P2の両方を保持可能に構成されている(
図2(a)及び
図2(b)参照)。具体的には、
図1〜
図3に示すように、ペーパーホルダ100は、基台部1と、この基台部1の一端に取付け固定された取出口形成部2と、基台部1にスライド移動可能に取り付けられた軸部3と、この軸部3を取出口形成部2側に付勢する付勢部4とを備えている。
【0016】
ここで、家庭用薄葉紙Pは、例えば、キッチンペーパー、キッチンタオル、ペーパータオル、ティシュー等の紙製品が適用可能である。
また、ロールタイプの家庭用薄葉紙(第1の家庭用薄葉紙)P1は、例えば、
図2(a)に示すように、一定幅に形成された長尺のシートS1が円筒状のロール芯Cにロール状に巻回されて構成されている。長尺のシートS1は、所定の間隔毎に幅方向に延在する破断用のミシン目(図示略)が形成されていても良い。また、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の寸法は、例えば、巻径(ロール径)がφ100〜130[mm]で、幅(上下方向の長さ)が200〜300[mm]で、ロール芯径がφ35〜45[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
また、包装タイプの家庭用薄葉紙(第2の家庭用薄葉紙)P2は、例えば、
図2(b)に示すように、複数枚のシートS2が交互に重ねて積層されたものが包装フィルムFにより包装されて構成されている。包装フィルムFの一面には、例えば、図示は省略するが、所定方向に延在する直線状のミシン目が設けられ、このミシン目が切り開かれることで当該包装フィルムFの内側から取り出されるシートS2の挿通口が形成される。また、包装タイプの家庭用薄葉紙P2の寸法は、例えば、高さ(前後方向の長さ)が30〜110[mm]で、幅(上下方向の長さ)が200〜300[mm]で、奥行(左右方向の長さ)が60〜130[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0017】
また、家庭用薄葉紙Pは、特に限定されず1プライ、または2プライ以上の複数プライのものとすることができる。家庭用薄葉紙Pには、適宜のエンボスが施されていてもよい。
また、本発明に係るキッチンペーパーは、例えば、JIS P 8124(1998)に基づく1プライ当たりの米坪が10〜70[g/m
2]とする。また、紙厚は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK H型」(尾崎製作所製)を用いて測定し、150〜500[μm]とする。乾燥引張紙力はJIS P 8113に基づき、乾燥引張紙力(縦)が800〜3000[cN]、乾燥引張紙力(横)が400〜2000[cN]である。湿潤引張紙力はJIS P 8135に基づき、湿潤引張紙力(縦)が200〜1500[cN]、湿潤引張紙力(横)が100〜1000[cN]であり、伸び率(引張破断伸)が10〜40[%]のものである。なお、各引張紙力及び伸び率における試料は、25[mm]幅での測定値である。
【0018】
基台部1は、例えば、外形が扁平な直方体状に形成されている。また、基台部1の寸法は、例えば、左右方向の長さが110〜150[mm]で、前後方向の長さが110〜150[mm]で、上下方向の長さが20〜40[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
また、基台部1の前端に取出口形成部2が取付け固定されている。
【0019】
取出口形成部2は、例えば、正面視にて矩形状をなす板状に形成されている。この取出口形成部2は、基台部1と一体となって形成されていても良いし、別体で構成されていても良い。
また、取出口形成部2の左右方向の略中央部に、当該ペーパーホルダ100に保持されるロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の取出口21が形成されている。
取出口21は、例えば、上下方向に長尺な矩形状をなす開口である。この取出口21の長手方向(上下方向)の長さは、例えば、ロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の幅と略等しいか、その幅よりも長くなっている。なお、取出口21の左右方向の幅は、少なくともシートS1、S2の厚さよりも大きければ良いが、当該ペーパーホルダ100に保持されたロールタイプの家庭用薄葉紙P1や包装タイプの家庭用薄葉紙P2のシートS1、S2を引き出す際に取出口21の内側に指先が挿入可能な程度の幅を有しているのが好ましい。
具体的には、取出口形成部2の寸法は、例えば、左右方向の長さが110〜150[mm]で、上下方向の長さが200〜350[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。また、取出口21の寸法は、例えば、左右方向の長さが10〜20[mm]で、上下方向の長さが180〜310[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0020】
また、基台部1の左右方向の略中央部に、軸部3の下側凸部31(後述)が取り付けられる溝部11が設けられている。
溝部11は、例えば、
図3に示すように、基台部1の上面から下側に窪んだ凹形状をなし、その上側部11aが下側部11bに対して幅狭とされている。また、軸部3の下側凸部31は、例えば、溝部11の下側部11bの内形に対応するように外形が凸形状に形成され、その下側部11bが軸本体部32に対して幅広とされている。これにより、溝部11に軸部3の下側凸部31が抜け止めされた状態で軸部3が取り付けられるようになっている。
また、溝部11は、例えば、前後方向に延在するように直線状に形成されている。これにより、溝部11に取り付けられた軸部3が取出口形成部2に対して進退するように前後方向にスライド移動可能となっている。つまり、軸部3が溝部11の延在方向に沿ってスライド移動することで、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔が調整可能に構成されている。
また、溝部11の寸法は、例えば、上端開口の左右方向の長さが35〜45[mm]で、深さが15〜25[mm]で、下側部11bの左右方向の長さが65〜85[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0021】
軸部3は、溝部11に係止される下側凸部31と、この下側凸部31の上面から上下方向に延在する略円柱状の軸本体部32とを有している。
軸本体部32は、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cの内径よりも小さい外径を有している。そして、ペーパーホルダ100にロールタイプの家庭用薄葉紙P1を保持させる場合、軸本体部32にロール芯Cを外嵌させるようになっている(
図2(a)参照)。
また、軸本体部32の長手方向(上下方向)の長さは、例えば、少なくともロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の幅と略等しくなっている。そして、ペーパーホルダ100に包装タイプの家庭用薄葉紙P2を保持させる場合、包装フィルムFのシートS2の挿通口側の面を取出口形成部2の後面に接触させるとともに、包装フィルムFの挿通口と反対側となる端面に軸本体部32を接触させるようになっている(
図2(b)参照)。
【0022】
また、軸部3の寸法は、例えば、軸本体部32の径がφ10〜30[mm]で、上下方向の長さが350〜400[mm]であり、下側凸部31の上下方向の長さが13〜23[mm]で、下側凸部31の左右方向の長さが65〜85[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
【0023】
付勢部4は、軸部3を取出口形成部2の取出口21側に付勢する付勢手段を構成している。
すなわち、付勢部4は、例えば、引張りコイルばねが適用され、一端部が軸部3の下側凸部31に固定されるとともに、他端部が取出口形成部2の下端部に固定されている。そして、溝部11に取り付けられた軸部3は、付勢部4により取出口形成部2の取出口21側に付勢された状態となっている。
【0024】
なお、付勢部4として、引張りコイルばねを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、図示は省略するが、一端部が軸部3の下側凸部31に固定されるとともに、他端部が基台部1の取出口形成部2と反対側の端部に固定された圧縮コイルばねであっても良いし、また、ばねの代わりにゴム等の弾性体を適用しても良い。
【0025】
次に、ペーパーホルダ100の使用状態について、
図4(a)〜
図4(d)を参照して説明する。
図4(a)及び
図4(b)は、ペーパーホルダ100にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が保持された場合の使用状態を説明するための模式的な側面図であり、
図4(c)及び
図4(d)は、ペーパーホルダ100に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が保持された場合の使用状態を説明するための模式的な側面図である。
【0026】
<ロールタイプの家庭用薄葉紙の場合>
軸部3の軸本体部32にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ100に保持され、長尺なシートS1の自由端側(先端側)が取出口21を介して引き出される(
図2(a)参照)。
このとき、軸部3は溝部11に沿ってスライド移動可能となっているため、例えば、使用開始時等にて、ロール芯CにシートS1が大量に巻かれて家庭用薄葉紙P1のロール径が大きい場合、取出口形成部2の取出口21との間隔がより大きくなるように軸部3を所望の位置に移動させる(
図4(a)参照)。ここで、軸部3は付勢部4により取出口形成部2の取出口21側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P1はロールの外面を取出口形成部2の後面に接触させるように押圧された状態となる。
【0027】
その後、ロール芯Cに巻かれているシートS1が消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径が小さくなると、取出口形成部2の取出口21との間隔がより小さくなるように軸部3を移動させる(
図4(b)参照)。ここで、軸部3は付勢部4により取出口形成部2の取出口21側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P1のロール径の大きさの変動に伴って軸部3が取出口形成部2の取出口21側に移動していくこととなる。また、家庭用薄葉紙P1のロール径の大きさが変動しても、家庭用薄葉紙P1はロールの外面を取出口形成部2の後面に接触させるように常時押圧されている。
【0028】
<包装タイプの家庭用薄葉紙の場合>
包装タイプの家庭用薄葉紙P2の包装フィルムFの挿通口側の面を取出口形成部2の後面に接触させるとともに、包装フィルムFのシートS2の挿通口と反対側となる端面に軸本体部32を接触させるようにして当該家庭用薄葉紙P2がペーパーホルダ100に保持され、挿通口を通ったシートS2が取出口21を介して引き出される(
図2(b)参照)。
このとき、軸部3は溝部11に沿ってスライド移動可能となっているため、例えば、使用開始時等にて、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが長い場合、取出口形成部2の取出口21との間隔がより大きくなるように軸部3を所望の位置に移動させる(
図4(c)参照)。ここで、軸部3は付勢部4により取出口形成部2の取出口21側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を取出口形成部2の後面に接触させるように押圧された状態となる。
【0029】
その後、包装フィルムFの内側のシートS2が消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが短くなると、取出口形成部2の取出口21との間隔がより小さくなるように軸部3を移動させる(
図4(d)参照)。ここで、軸部3は付勢部4により取出口形成部2の取出口21側に付勢されているため、家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さの変動に伴って軸部3が取出口形成部2の取出口21側に移動していくこととなる。また、家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが変動しても、家庭用薄葉紙P2は包装フィルムFの挿通口側の面を取出口形成部2の後面に接触させるように常時押圧されている。
【0030】
以上のように、実施形態1のペーパーホルダ100によれば、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の芯が取付け可能であるとともに、包装タイプの家庭用薄葉紙P2のシートS2の挿通口と反対側の面に接触可能な軸部3と、ロールタイプ及び包装タイプの家庭用薄葉紙P1、P2の各々のシートS1、S2の取出口21との間隔が調整可能に構成されているので、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール径と包装タイプの家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さとが異なる場合であっても、これらロールタイプと包装タイプの両方の家庭用薄葉紙P1、P2に対応させて保持することができる。
【0031】
また、取出口形成部2が取付け固定された基台部1には、取出口形成部2に対して軸部3が進退するようにスライド移動可能に取り付けられる溝部11が形成されているので、軸部3を溝部11に沿ってスライド移動させることで、軸部3と取出口21との間隔を適正に調整することができる。
特に、軸部3は付勢部4により取出口形成部2の取出口21側に付勢されているので、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール径や包装タイプの家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さの変動に伴って軸部3が取出口形成部2の取出口21側に移動していくこととなり、使用者が軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔を手動で調整するという煩雑な作業が必要なくなる。
【0032】
なお、上記実施形態1では、基台部1に取出口形成部2を固定するとともに、軸部3がスライド移動可能としたが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、図示は省略するが、基台部1に軸部3を固定するとともに、取出口形成部2がスライド移動可能な構成であっても良いし、取出口形成部2と軸部3の双方が相対的に移動可能な構成であっても良い。
【0033】
<変形例1>
変形例1のペーパーホルダ100Aについて、
図5(a)〜
図5(d)を参照して説明する。
図5(a)及び
図5(b)は、ペーパーホルダ100Aにロールタイプの家庭用薄葉紙P1が保持された場合の使用状態を説明するための模式的な平面図であり、
図5(c)及び
図5(d)は、ペーパーホルダ100Aに包装タイプの家庭用薄葉紙P2が保持された場合の使用状態を説明するための模式的な平面図である。また、
図5(a)及び
図5(b)にあっては、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1を二点鎖線で透過した状態で表し、
図5(c)及び
図5(d)にあっては、包装タイプの家庭用薄葉紙P2を二点鎖線で透過した状態で表している。
なお、以下に説明する以外の点は、上記実施形態1のペーパーホルダ100と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
変形例1のペーパーホルダ100Aは、溝部11の上端開口の縁部に軸本体部32の外周面と係合する凹凸部11c(
図5(a)等参照)を設けても良い。
すなわち、溝部11の凹凸部11cは、溝部11に沿ってスライド移動可能な軸部3を位置決めする位置決め手段を構成しており、軸部3を溝部11に沿ってスライド移動させる際に、軸本体部32の外周面と溝部11の凹凸部11cとを係合させることで、当該軸部3を前後方向に位置決めするようになっている。
凹凸部11cの形状は、
図5(a)〜
図5(d)に示すように、ジグザグ形状であっても良いが、一例であってこれに限られるものではなく、図示は省略するが、波形形状や台形状等適宜任意に変更可能である。
【0035】
次に、変形例1のペーパーホルダ100Aの使用状態について、
図5(a)〜
図5(d)を参照して説明する。
【0036】
<ロールタイプの家庭用薄葉紙の場合>
軸部3の軸本体部32にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ100Aに保持され、長尺なシートS1の自由端側(先端側)が取出口21を介して引き出される。
このとき、軸部3は溝部11に沿ってスライド移動可能となっているため、ロール芯CにシートS1が大量に巻かれて家庭用薄葉紙P1のロール径が大きい場合、取出口形成部2の取出口21との間隔がより大きくなるように軸部3を所望の位置(例えば、家庭用薄葉紙P1のロールの外面と取出口形成部2の後面とが接触する位置等)に移動させる(
図5(a)参照)。そして、所望の位置に移動した軸部3の軸本体部32の外周面と溝部11の凹凸部11cとが係合して、当該軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
【0037】
その後、ロール芯Cに巻かれているシートS1が消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径が小さくなると、取出口形成部2の取出口21との間隔がより小さくなるように軸部3を所望の位置(例えば、家庭用薄葉紙P1のロールの外面と取出口形成部2の後面とが接触する位置等)に移動させる(
図5(b)参照)。そして、所望の位置に移動した軸部3の軸本体部32の外周面と溝部11の凹凸部11cとが係合して、当該軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
つまり、家庭用薄葉紙P1のロール径の大きさが変動しても、必要に応じて軸部3を所望の位置に移動させて前後方向に位置決めすることができる。
【0038】
<包装タイプの家庭用薄葉紙の場合>
包装タイプの家庭用薄葉紙P2の包装フィルムFの挿通口側の面を取出口形成部2の後面に接触させるとともに、包装フィルムFのシートS2の挿通口と反対側となる端面に軸本体部32を接触させるようにして当該家庭用薄葉紙P2がペーパーホルダ100Aに保持され、挿通口を通ったシートS2が取出口21を介して引き出される。
このとき、軸部3は溝部11に沿ってスライド移動可能となっているため、例えば、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが長い場合、取出口形成部2の取出口21との間隔がより大きくなるように軸部3を所望の位置(例えば、家庭用薄葉紙P2の包装フィルムFの挿通口側の面と取出口形成部2の後面とが接触する位置等)に移動させる(
図5(c)参照)。そして、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の場合と同様に、所望の位置に移動した軸部3の軸本体部32の外周面と溝部11の凹凸部11cとが係合して、当該軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
【0039】
その後、包装フィルムFの内側のシートS2が消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが短くなると、取出口形成部2の取出口21との間隔がより小さくなるように軸部3を所望の位置(例えば、家庭用薄葉紙P2の包装フィルムFの挿通口側の面と取出口形成部2の後面とが接触する位置等)に移動させる(
図5(d)参照)。そして、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の場合と同様に、所望の位置に移動した軸部3の軸本体部32の外周面と溝部11の凹凸部11cとが係合して、当該軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
つまり、家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが変動しても、必要に応じて軸部3を所望の位置に移動させて前後方向に位置決めすることができる。
【0040】
このように、変形例1のペーパーホルダ100Aによれば、上記実施形態1と同様に、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール径と包装タイプの家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さとが異なる場合であっても、これらロールタイプと包装タイプの両方の家庭用薄葉紙P1、P2に対応させて保持することができる。さらに、溝部11に沿ってスライド移動可能な軸部3が前後方向に位置決めされるので、使用者が軸部3と取出口21との間隔を所望の間隔に適正に調整することができる。
【0041】
なお、変形例1のペーパーホルダ100Aにあっては、付勢部4を設けるか否かは適宜任意に変更可能である。
【0042】
[実施形態2]
次に、実施形態2のペーパーホルダ200について図面を参照して説明する。
図6は、本発明を適用した実施形態2のペーパーホルダ200を示す斜視図である。
なお、以下に説明する以外の点は、上記実施形態1のペーパーホルダ100と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、実施形態2のペーパーホルダ200は、入子式に伸縮する基台部201を備えている。
基台部201は、入子構造をなす複数(例えば、三つ等)の基台構成部201a〜201cを有している。具体的には、基台部201は、軸部3が取付け固定された第1基台構成部(何れか一の基台構成部)201aと、この第1基台構成部201aの内側に前後方向にスライド移動可能に設けられた第2基台構成部201bと、この第2基台構成部201bの内側に前後方向にスライド移動可能に設けられるとともに、前端に取出口形成部2が取付け固定された第3基台構成部(他の基台構成部)201cとを有して構成されている。
【0044】
第1基台構成部201aは、例えば、外形が扁平な直方体状に形成され、内側に第2基台構成部201bを収納可能な中空構造をなしている。
また、第1基台構成部201aの内面部には、第2基台構成部201bの外面の係合部(図示略)と係合される被係合部(図示略)が設けられていても良い。そして、第1基台構成部201aと第2基台構成部201bとを前後方向に相対的にスライド移動させる際に、第1基台構成部201aの被係合部と第2基台構成部201bの係合部とを係合させることで、前後方向(進退方向)に位置決めするようになっている。これにより、軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
ここで、第1基台構成部201aの被係合部及び第2基台構成部201bの係合部は、第1〜第3基台構成部201a〜201cをその進退方向に位置決めする位置決め手段を構成している。
【0045】
第2基台構成部201bは、例えば、外形が扁平な直方体状に形成され、内側に第3基台構成部201cを収納可能な中空構造をなしている。
また、第2基台構成部201bの内面部には、第3基台構成部201cの外面の係合部(図示略)と係合される被係合部(図示略)が設けられていても良い。そして、第2基台構成部201bと第3基台構成部201cとを前後方向に相対的にスライド移動させる際に、第2基台構成部201bの被係合部と第3基台構成部201cの係合部とを係合させることで、前後方向(進退方向)に位置決めするようになっている。これにより、軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
ここで、第2基台構成部201bの被係合部及び第3基台構成部201cの係合部は、第1〜第3基台構成部201a〜201cをその進退方向に位置決めする位置決め手段を構成している。
【0046】
次に、実施形態2のペーパーホルダ200の使用状態について、
図7(a)〜
図8(c)を参照して説明する。
図7(a)〜
図7(c)は、ペーパーホルダ200にロールタイプの家庭用薄葉紙P1が保持された場合の使用状態を説明するための模式的な側面図であり、
図8(a)〜
図8(c)は、ペーパーホルダ200に包装タイプの家庭用薄葉紙P2が保持された場合の使用状態を説明するための模式的な側面図である。
【0047】
<ロールタイプの家庭用薄葉紙の場合>
軸部3の軸本体部32にロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール芯Cを外嵌させるようにして当該家庭用薄葉紙P1がペーパーホルダ200に保持され、長尺なシートS1の自由端側(先端側)が取出口21を介して引き出される。
このとき、基台部201は入子式に伸縮するため、例えば、使用開始時等にて、ロール芯CにシートS1が大量に巻かれて家庭用薄葉紙P1のロール径が大きい場合、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔がより大きくなるように第1〜第3基台構成部201a〜201cを伸長させる(
図7(a)参照)。そして、伸長させた第1〜第3基台構成部201a〜201cにおける、第1基台構成部201aの被係合部と第2基台構成部201bの係合部とが係合したり、第2基台構成部201bの被係合部と第3基台構成部201cの係合部とが係合したりして、軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
【0048】
その後、ロール芯Cに巻かれているシートS1が消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径が小さくなると、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔がより小さくなるように第1〜第3基台構成部201a〜201cを収縮させる(
図7(b)参照)。具体的には、例えば、第2基台構成部201bの内側に第3基台構成部201cを収納する。
また、シートS1がさらに消費されて家庭用薄葉紙P1のロール径がさらに小さくなると、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔がさらに小さくなるように第1〜第3基台構成部201a〜201cを収縮させる(
図7(c)参照)。具体的には、例えば、第1基台構成部201aの内側に第2基台構成部201bを収納する。
第1〜第3基台構成部201a〜201cを収縮させた場合にも、第1基台構成部201aの被係合部と第2基台構成部201bの係合部とが係合したり、第2基台構成部201bの被係合部と第3基台構成部201cの係合部とが係合したりして、軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
【0049】
<包装タイプの家庭用薄葉紙の場合>
包装タイプの家庭用薄葉紙P2の包装フィルムFの挿通口側の面を取出口形成部2の後面に接触させるとともに、包装フィルムFのシートS2の挿通口と反対側となる端面に軸本体部32を接触させるようにして当該家庭用薄葉紙P2がペーパーホルダ200に保持され、挿通口を通ったシートS2が取出口21を介して引き出される。
このとき、基台部201は入子式に伸縮するため、例えば、使用開始時等にて、包装フィルムFの内側にシートS2が大量に存し家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが大きい場合、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔がより大きくなるように第1〜第3基台構成部201a〜201cを伸長させる(
図8(a)参照)。そして、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1の場合と同様に、伸長させた第1〜第3基台構成部201a〜201cにおける、第1基台構成部201aの被係合部と第2基台構成部201bの係合部とが係合したり、第2基台構成部201bの被係合部と第3基台構成部201cの係合部とが係合したりして、軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
【0050】
その後、包装フィルムFの内側のシートS2が消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さが小さくなると、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔がより小さくなるように第1〜第3基台構成部201a〜201cを収縮させる(
図8(b)参照)。具体的には、例えば、第2基台構成部201bの内側に第3基台構成部201cを収納する。
また、シートS2がさらに消費されて家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さがさらに小さくなると、軸部3と取出口形成部2の取出口21との間隔がさらに小さくなるように第1〜第3基台構成部201a〜201cを収縮させる(
図8(c)参照)。具体的には、例えば、第1基台構成部201aの内側に第2基台構成部201bを収納する。
第1〜第3基台構成部201a〜201cを収縮させた場合にも、第1基台構成部201aの被係合部と第2基台構成部201bの係合部とが係合したり、第2基台構成部201bの被係合部と第3基台構成部201cの係合部とが係合したりして、軸部3が前後方向に位置決めされた状態となる。
【0051】
以上のように、実施形態2のペーパーホルダ200によれば、上記実施形態1と同様に、ロールタイプの家庭用薄葉紙P1のロール径と包装タイプの家庭用薄葉紙P2の前後方向の長さとが異なる場合であっても、これらロールタイプと包装タイプの両方の家庭用薄葉紙P1、P2に対応させて保持することができる。さらに、基台部201は、入子構造をなす第1〜第3基台構成部201a〜201cを有してなり、第1〜第3基台構成部201a〜201cのうち、第1基台構成部201aに軸部3が取付け固定されるとともに、第3基台構成部201cに取出口形成部2が取付け固定されているので、第1〜第3基台構成部201a〜201cを伸縮させて軸部3と取出口21との間隔を調整することができる。特に、第1〜第3基台構成部201a〜201cがその進退方向に位置決めされるので、使用者が軸部3と取出口21との間隔を所望の間隔に適正に調整することができる。
【0052】
なお、実施形態2のペーパーホルダ200にあっては、付勢部4を設けるか否かは適宜任意に変更可能である。
また、基台部201として、第1〜第3基台構成部201a〜201cを有するものを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、基台構成部の数は適宜任意に変更可能である。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態1、2に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、図示は省略するが、基台部1を蛇腹構造とすることにより軸部3と取出口21との間隔を調整するような構成としても良い。
【0054】
また、上記実施形態1、2にあっては、軸本体部32の形状を円柱状としたが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、断面が多角形状の角柱状であっても良い。