(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記複数の行の上記第2の選択は、上記サブフレームのうちの、少なくとも35%,少なくとも50%,少なくとも75%,少なくとも80%,少なくとも85%,少なくとも90%に対して行われる請求項1または2記載の方法。
上記nビットデジタル画像コードにおける各ビット位置に従って、多数のタイムスロットを上記nビットデジタル画像コードの各ビットに割り当てるステップをさらに含む請求項6記載の方法。
1つのフレーム内のさらなるサブフレームにおける上記第2の選択と上記第1の選択との間の時間遅延は、上記1つのフレーム内のより前のサブフレームにおける上記第2の選択と上記第1の選択との間の上記時間遅延よりも小さくない請求項1から10のうちのいずれか1つに記載の方法。
請求項14から16のうちのいずれか1つに記載のデジタル駆動回路により駆動されるように構成された発光素子のアレイを備えるアクティブマトリックスディスプレイ(55)。
上記発光素子は、蛍光性OLED、リン光性OLED、発光高分子化合物、及びポリデンドリマーのうちのいずれかである請求項18記載のアクティブマトリックスディスプレイ(55)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態の目的は、これに限定されないが、パルス幅変調に基づく、例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイのデジタル駆動のための十分な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的は本発明の実施形態に係る方法及びデバイスにより取得される。
【0010】
本発明の実施形態の利点は、従来のデジタル駆動解決法と比較すると、デジタル選択線駆動回路がより複雑とすることなくかつ消費する空間がより少なくなる、ということである。本発明の実施形態の利点は、従来の解決法と比較すると、バックプレーンにおけるトランジスタの所要のスイッチング速度がより低減される、ということである。
【0011】
第1の態様では、本発明は例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイの所定のフレームレートでのデジタル駆動のための方法に関する。そのディスプレイは複数の行及び複数の列で論理的に編成された複数の画素を備える。第1の態様の実施形態に係る方法は、nビットのデジタル画像コードによりフレーム内に表示される画像の複数の画素のそれぞれ(表示される画素強度データ)を表現するステップと、画像フレームを自然数のサブフレームに分割するステップと、各サブフレーム内で複数の行のそれぞれを連続的に選択するステップとを含み、ここで、複数の行の少なくとも1つの行は2回選択され、第1の選択において、第1のデジタルコードを選択された行に対して書き込み、第2の選択において、第2のデジタルコードを選択された行に対して書き込み、第2の選択と第1の選択との間には所定の時間遅延が存在する。所定の時間遅延は異なるサブフレーム間で異なることができる。
【0012】
サブフレームはフレーム内で必ずしも同一の継続時間を有する必要がないが、(実質的に同一の継続時間と異なる継続時間との)両方の可能性が説明され、本発明の実施形態としてさらに発展される。
【0013】
各行の第2の選択がサブフレームの少なくとも35%、少なくとも半分、少なくとも75%、例えば80%もしくはそれ以上、85%もしくはそれ以上、またはサブフレームの少なくとも90%に対して行われる。複数の行の第2の選択が、例えば最後のいくつかのサブフレームを除くすべてのサブフレームかもしくは最初のいくつかのサブフレームを除くすべてのサブフレームにおいて行われる。本発明の実施形態の利点は、フレーム期間のほとんどの画像データコードからのデータを用いて画素を駆動し、例えばAMOLEDディスプレイの場合でのOLEDなどの画素の利用がフレーム内で最適化されてもよい。
【0014】
本発明の特定の実施形態では、画像フレームを例えばこれに限定されないが、実質的に均等な継続時間の所定の数のサブフレームに分割するステップは、フレームを、ビット数nと等しいN個のサブフレームに分割することを含んでもよい。この実施形態は表示される画像を表現するデジタル画像コードにおけるビット数nが2の自然数の累乗に等しいか否かで適用されてもよい。
【0015】
本発明の実施形態の利点は、分割が実装するのに直接的でありかつ容易である、ということである。
【0016】
本発明の他の実施形態では、表示される画像を表すデジタル画像コードにおけるビット数nが2の自然数の累乗でなく、画像フレームが例えばこれに限定されないが、実質的に均等な継続時間のN個のサブフレームにおいて分割されてもよく、ここで、Nはビット数nよりも上位でありかつnに最接近する2の自然数の累乗として選択される。
【0017】
他の実施形態では、フレームは例えばN個のサブフレームなどの任意の数のサブフレームに分割される。ここで、Nはビット数nと所定の関係を有さない。
【0018】
本発明の実施形態では、行の第2の選択とx番目のサブフレームでのその行の第1の選択との間の所定の時間遅延は、サブフレーム継続時間の1/2
N−xに対応する。これは均等の長さのサブフレームの場合に特に有用であるかもしれない。x番目のサブフレーム内で選択された行に書き込まれた第1のデジタルコードは、対応するデジタル画像コードのx番目の最下位ビットに対応してもよいし、第2のデジタルコードは論理0である。これはNがnに等しいかもしくはNがnよりも上位でありかつnに最接近する2の累乗に等しいかどうかで適用されてもよい。その出力は一般的に異なるであろう。すなわち、Nがnに等しい場合には、すべてのサブフレームがより小さい桁を有するビットに対応するサブフレームにおいて短時間でさえも可能性があれば、すべてのサブフレームがデータにより駆動されるであろう。Nがnよりも上位でありかつnに最接近する2の累乗に等しい場合には、第1のn個のサブフレームだけがデータにより比較的より短いサブフレーム期間において駆動されるであろう。サブフレームの残りの部分はゼロにより駆動されてもよい。
【0019】
本発明の実施形態では、各サブフレームはさらに例えば2
n/N個のタイムスロットなどの複数のタイムスロットに分割されてもよい。これらのタイムスロットは、本発明はこれに限定されないが、実質的に均等な継続時間を有してもよい。
【0020】
本発明の実施形態では、2
m−1個のタイムスロットがnビット画像コードのm番目のビットに割り当てられてもよい。
【0021】
少なくともいくつかのサブフレームに対して、行の第1の選択において書き込まれた第1のデジタルコードは対応するnビットのデジタル画像コードの第1の所定ビットに対応してもよく、その行の第2の選択において書き込まれた第2のデジタルコードは対応するnビットのデジタルコードを第2の所定ビットに対応させてもよい。論理0である(例えば第1のタイムスロットにおける第1のデジタルコードなどの)1つのタイムスロットにおける少なくとも1つのデジタルコードに対して例外がなされてもよい。このケースでは、所定の時間遅延は、所定数のタイムスロットに対応する。前の実施形態において、時間遅延は(x番目のサブフレームに対する)サブフレーム継続時間の1/2
N−xに等しくてもよいが、この遅延がタイムスロットを用いて調整され、例えばOLEDなどのAMOLEDディスプレイの特定の場合における画素の利用を最適化してもよいことが本発明の実施形態の利点である。OLEDディスプレイのこの特定の場合において、OLEDの最適な使用が、例えば経年によるその劣化を最適化してもよい。各サブフレームに対する所定の時間遅延、第1の所定ビット、及び第2の所定ビットは、十分なデューティサイクルを取得することを考慮して選択されてもよい。好ましくは、サブフレームにおける第1の選択と第2の選択との間の時間遅延は、先行するサブフレームにおける時間遅延よりも小さくない。
【0022】
本発明の実施形態では、第1のコードを書き込むステップ及び第2のコードを書き込むステップは、パルス幅変調を用いて第1のコード及び第2のコードを駆動することを含む。
【0023】
本発明の実施形態に係る方法は、例えばAMOLEDディスプレイのバックプレーンなどの既存のアクティブマトリックスディスプレイのバックプレーンを用いて使用されることが利点である。従来法と比較すると、駆動回路の変更(改良)だけが必要とされる。
【0024】
本発明の実施形態に係る方法は、線形領域においてバックプレーンの駆動トランジスタを動作させることを可能とし、結果として電量消費量の実質的な減少を生じさせることが利点である。
【0025】
もう1つの態様では、本発明は所定のフレームレートで、表示すべき画像の後に続くフレームを表示するように、複数の行と複数の列とにおいて論理的に編成された複数の画素を備える例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイを駆動するためのデジタル駆動回路に関し、その画像は各画素に対してnビットのデジタルコードにより表現される。デジタル駆動回路は、複数の行を連続的に選択するためのデジタル選択線駆動回路と、選択された行における複数の選択線に対してデジタルコードを書き込むためのデジタルデータ線駆動回路とを備える。デジタル選択線駆動回路は、第1の選択において、選択された行に対して第1のデジタルコードを書き込み、第2の選択において、選択された行に対して第2のデジタルコードを書き込むように、複数の行のうちの少なくとも1つの行を、1つのサブフレーム内で連続的に2回選択するように構成され、第2の選択と第1の選択との間に所定の時間遅延が存在する。
【0026】
画像フレームがN個のサブフレームに分割されるように設定された実施形態では、デジタル選択線駆動回路は、両方が所定のフレームレートのN倍でサイクルする、第1の選択に対する第1のランニング1及び第2の選択に対する第2のランニング1を発生するように構成されてもよく、各サブフレーム内で第1の選択と第2の選択との間に所定の時間遅延が存在する。このように、デジタル選択線駆動回路は、複数の行のうちの少なくとも1つ、より好ましくは複数の行のうちのほとんどを連続的に2回選択するように構成される。データが時間内の適切な瞬間において、例えばAMOLEDディスプレイの場合でのOLED画素などの画素内に書き込まれるように、デジタルデータ線駆動回路はデジタル選択線駆動回路と同期する。デジタルデータ線駆動回路は、選択された行に対して第1のデジタルコードを第1のランニング1で書き込み、選択された行に対して第2のデジタルコードを第2のランニング1で書き込むように構成される。従って、本発明で開示された方法によれば、デジタル選択線駆動回路は、複数の行を連続的に選択するように使用され、デジタルデータ線駆動回路は選択された行における画素に対してデジタルコードを書き込むように使用される。
【0027】
時間遅延は、第2の選択と第1の選択との間の所定の時間遅延を決定するための時間遅延決定回路により制御されてもよい。時間遅延決定回路は、例えば静的シフトレジスタもしくは動的シフトレジスタなどのシフトレジスタを備えてもよい。特定の実施形態では、時間遅延決定回路は、例えば第1の選択をサイクルするための例えばDフリップフロップなどの第1の線形アレイのフリップフロップと、第2の選択をサイクルするための例えばDフリップフロップなどの第2の線形アレイのフリップフロップとを備えることができる。さらにまた、本発明の実施形態に係るデジタル駆動回路は、行選択線を駆動するための線形アレイのマルチプレクサを備えることができる。各アレイのフリップフロップの数及びマルチプレクサの数は、ディスプレイにおける行の数に対応する。各アレイでは、フリップフロップの出力はアレイ内の次のフリップフロップの入力と対応するマルチプレクサの入力とに接続される。動作においては、第1の論理1では第1のアレイのフリップフロップを通って前進し、第2の論理1では第2のアレイのフリップフロップを通って前進し、各クロックパルスにおいて1段だけ前進する。第1の論理1と第2の論理1との間のクロックパルスの所定数(それ故にフリップフロップの所定数)に対応する遅延が存在する。
【0028】
代替として、マルチプレクサの代わりに、クロックにより駆動される出力イネーブル回路が使用されてもよい。このケースでは、2つの選択が同一の出力イネーブル回路により駆動されなくてもよい。シフトレジスタにおける2つのランニング1ビット間の遅延はいつも2の累乗で分離される線の均等な駆動を回避する任意の駆動方式が適切な駆動方式である。出力イネーブルがこれらの3つもしくは5つのクロック間でサイクルされる3つもしくは5つのクロックを用いる他のシステム間での駆動方式が可能である。また、他の奇数のクロックを用いた駆動システムが可能であるが、より多くのクロックの使用は駆動方式を複雑とし、それ故にシステムを複雑とする。
【0029】
本発明の第3の態様は、本発明はこれに限定されないが、アレイで配列されかつ第2の態様の実施形態に係るデジタル駆動回路により駆動されるように構成される例えば(重合のポリデンドリマーの蛍光性もしくはリン光性などを有する)OLED素子などの任意の適切な種類の画素素子を備えてもよい例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイを提供する。
【0030】
第3の態様の実施形態に係る例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイは、本発明の第1の態様の実施形態に係る方法により駆動されるように構成されてもよい。
【0031】
種々の態様の特定の目的及び利点が上述したように説明された。もちろん、すべてのそのような目的もしくは利点が必ずしも開示の任意の特定の実施形態に従って取得されるわけではない、ということが理解されるべきである。従って、例えば、当業者はその開示がここで開示もしくは示唆されてもよい他の目的もしくは利点を必ずしも取得することなしにここで説明された1つの利点もしくは一群の利点を取得もしくは最適化する方法で具現化されるかもしくは実行されてもよいことを認識するであろう。さらに、明細書には単にいくつかの例が記載され、開示の範囲を制限するものではない、ということが理解される。構成及び動作の方法の両方、並びにそれらの特徴及び利点に関する開示は、添付された図面とともに読まれたときに以下の詳細説明を参照することにより最も良く理解されるかもしれない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面は概略的なだけであって限定されない。図面において、いくつかの要素の大きさは例示的な目的のために誇張され、同一寸法で描かれないかもしれない。
【0034】
特許請求の範囲における参照記号はその範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0035】
異なる図面では、同一の参照記号は同一のもしくは類似の要素に言及する。
【0036】
以下の詳細な説明では、本発明と、当該本発明が特定の実施形態でどのように実用化されるかを完全に理解するために、多数の特定の詳細事項が説明される。しかしながら、本発明の実施形態はすべてのこれらの特定の詳細事項を必ずしも有することなしに実用化される、ということが理解されるであろう。他の例では、本開示を曖昧にしないように、周知の方法,手順,及び技術は詳細に説明しなかった。本発明は特定の実施形態に関し及び特定の図面を参照して説明されるであろう一方で、本発明はこれに限定されない。ここで含まれて説明された図面は概略的であってかつ本開示の範囲を限定しない。
【0037】
用語“備える(含む)”は、その後に挙げられた手段に限定されるように解釈されるべきではなく、それは他の構成要素またはステップを除かない、ということに留意すべきである。従って、それは、言及された記載された特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を特定するように解釈されるべきであるが、1つもしくはそれ以上の他の特徴、整数、ステップまたはそのグループの存在または追加を除かない。従って、“手段A及びBを備える(含む)デバイス”という表現の範囲は構成要素A及びBだけから構成するデバイスに限定されるべきではない。
【0038】
OLEDディスプレイは、放射性エレクトロルミネセント層が電流に応じて発光する有機化合物のフィルムである発光ダイオードのアレイを備えたディスプレイである。OLEDディスプレイは、受動マトリックス(PMOLED)もしくは能動マトリックス(AMOLED)のいずれかのアドレス方式を使用することができる。OLEDの場合では、本発明はAMOLEDディスプレイに関する。対応するアドレス方式はそれぞれの個々のOLED画素をオンもしくはオフに切り替えるための薄膜トランジスタのバックプレーンを使用する。AMOLEDディスプレイは、PMOLEDディスプレイよりもより高解像度を可能としより大きなディスプレイサイズを可能とする。
【0039】
しかしながら、本発明はAMOLEDディスプレイに限定されないが、より広い概念では、アクティブマトリックスディスプレイに関する。AMOLEDディスプレイはそれらの画素素子の電流スイッチング速度の観点において特に有利であるが、任意のタイプのアクティブマトリックスディスプレイが本発明の実施形態の概念を使用してもよい。もしアクティブマトリックスディスプレイの画素素子がより高速でスイッチできれば、これがより高フレームレートを取得することを可能とし、それ故に画像のちらつきをより少なくすることを可能とさせるので、それが利点である。
【0040】
本発明の実施形態に係る、例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイは、例えばOLED素子などの画素素子をそれぞれ備える複数の画素を備える。複数の画素素子はアレイで配列され、行及び列で論理的に編成される。本発明の説明を通して、(“行”及び“列”の用語にそれぞれ関連する)“水平の”及び“垂直の”という用語は説明を簡単にするためだけに座標系を提供するために使用される。それらはデバイスの実際の物理的な方向に言及してもしなくてもよい。またさらに、“列”及び“行”の用語は結合するアレイ素子のセットを説明するために使用される。その結合は行と列とのデカルトアレイの形態とできるが、本発明はこれに限定されない。当業者により理解されるであろうように、列及び行は容易に交換可能であり、この開示ではこれらの用語は交換可能であることが意図される。また、非デカルトアレイが構成されてもよく、本発明の範囲内に含まれる。従って、“行”及び“列”の用語は広く解釈されるべきである。この広い解釈において容易化するために、特許請求の範囲は行及び列で論理的に編成されたことに言及する。これにより、画素素子のセットがトポロジー的に線形的に交差する方法であるが物理的なもしくはトポグラフィカルな(局所的な)配列はそうである必要がない方法で結合される、ことが意味される。例えば、行は円であってよく、これらの円の列半径,円,及び半径はこの発明では“論理的に編成された”行及び列として説明される。また、例えば選択線及びデータ線などの種々のラインの特定の名前は、説明を容易化するためにかつ特定の機能に言及するために使用される一般的な名前であることを意図し、言葉のこの特定の選択は決して本発明を限定することを意図するものではない。すべてのこれらの用語は説明された特定の構造をより理解することを容易化するためだけに使用され決して本発明を限定することを意図するものでないということが理解されるべきである。
【0041】
本発明の実施形態では、“第1の選択”及び“第2の選択”における“選択”が参照される場合には、導入されるべきデータをイネーブルにする回路における動作が参照される。例えば、これはデータコードからのビットに論理的実装において1を乗じている可能性がある。代替には、それは回路の選択線において1をランニングしてトランジスタの状態を変更してデータ線からデータを導入するとして理解されてもよい。従って、第2の選択が後に続く第1の選択は、最初にデータを導入して、その後に2度目にデータを導入することへと続くステップを含んでもよい。
【0042】
本発明の説明中、フレームは一連の絵の一部として示される、単一の絵もしくは単一の画像である。例えば、映像もしくは映画を生成することに代わって、多くの単一の画像もしくはフレームが提供される。フレームレートもしくはフレーム周波数は連続した画像(フレーム)が形成されて表示されるレートもしくは周波数である。フレーム期間(fp)はフレーム周波数のフレーム周波数の逆数に等しい時間期間である。それは単一のフレームもしくは画像の表示期間に対応する。
【0043】
フレームは複数のサブフレームに分割される。本発明の実施形態では、フレームの各サブフレームの継続時間は、必ずしも均等とする必要はないが、実質的に均等である。各サブフレームの継続時間が実質的に均等である実施形態では、1つのfpの継続時間を有する各フレームはfp/Nの継続時間を有するN個のサブフレームに分割されてもよい。それにも関わらず、本発明はサブフレームの均等な継続時間により制限されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、Nは任意の数であってもよい。特定の実施形態では、Nは画像データ(N=n,nビットのグレースケール)を表現するために画像色ごとに使用されるビット数に等しくてもよい。例えば、サブフレーム数Nは説明された例では8であるビット数nに等しい例示的な実施形態が説明される。この例では、例えば24ビットのRGB(赤,緑,青)における使用などの各色を表すために使用される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、サブフレーム数は例えば8よりも大きいかもしくは8よりも少ないなどと異なることも可能である。
【0045】
ビット数nは2の累乗でないケースでは(すなわち、nが4,8,16などではないケースでは)、その場合にはNは上述したようにN=nとしてビット数nを選択してもよく、代替には、Nはnよりも大きいがnに最接近する2の累乗に等しいように選択されてもよい。このケースでは、例えば、もしn=5,6もしくは7であればその場合にはN=8であり、もしn=11,12,14であればその場合にはN=16である。
【0046】
一態様では、本発明は、所定のフレームレートで例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイをデジタル画素駆動するための方法に関する。そのディスプレイは複数の行及び列で論理的に編成された複数の画素を備える。
【0047】
その方法は、nビットデジタルコードによりフレーム内で表示すべき画像の複数の画素のそれぞれを表すステップと、画像をサブフレーム数(>1)に分割するステップとを含む。
【0048】
サブフレームごとに1つの第1のタイミングで、続いて少なくとも1つのサブフレームに対して第2のタイミングで複数の行のそれぞれを選択するステップをさらに含む。これは少なくとも1つのサブフレームが連続して2回選択されるであろうことを意味する。表現される、いくつかの実施形態ではダミーデータもしくはリセットデータ(ゼロ)である画像画素の画素データに対応するデータコードが各選択により導入される。本選択の好ましい実施形態では、この一連の第1の選択及び第2の選択はサブフレームの少なくとも35%で、サブフレームの少なくとも半分で行われる。特定の実施形態では、サブフレームの少なくとも75%,80%もしくはまさに90%よりも大きい部分で2回選択される。
【0049】
第1の選択及び第2の選択が少なくとも1つのサブフレームに対して、より好ましくはより多くのサブフレームに対して連続的に実行される。これは第1の選択と第2の選択との間に時間遅延が存在し、この時間遅延が各サブフレームに対して異なってもよいことを意味する。
【0050】
サブフレーム数Nがビット数に等しい実施形態では(N=n)、x番目のサブフレームにおける時間遅延はサブフレーム継続時間の1/2
N−xに等しくてもよい。各サブフレームで導入されるデータは最下位ビットLSBから最上位ビットMSBまでの順番のビットである。このことがn=5に対する例1で、さらにn=8に対する例2,例3などの説明で理解されるであろう。
【0051】
例1:ビット数nが5でありN=nであるケース、すなわちN=5のケースにおいてである。さらに、この例では、サブフレームは実質的に同一の継続時間を有するように選択される。さらに、第1の選択は表現されるべき画像の強度値に対応するデータを導入してもよく、第2の選択は対応する画素をオフにする論理0(ゼロ)を導入してもよい。この特定の実施形態では、(fpのフレーム継続時間を有する)画像フレームが均等の長さの5つのサブフレームに分割されるであろう。第1のサブフレームでは、LSBの値に対応する(論理1もしくは論理0の)データがディスプレイ画素により示される第1の選択が存在するであろう。これがサブフレームの継続時間の1/2
5−1=1/16の間に行われ、次にこの第1のサブフレームの間に第2の選択が画素をオフにする(論理0)。第2のサブフレームは第2のLSBがサブフレームの継続時間の1/2
5−2=1/8の間に導入されて表示され、画素はサブフレームの残余期間でオフとなるであろう。1/2
5−5=1のサブフレーム期間の間に画像データのMSBに対応するデータを導入するであろう最後のサブフレームまで反復する。従って、最後のサブフレームだけに対して、2つの選択ステップは行われず、それに応じて画素はこのサブフレームの第2の部分の間はスイッチングオフされない(もし画像データがそれを必要とすれば、画素はこのサブフレームの完全な継続時間の間でオフとすることができる)。OLEDがアクティブマトリックスディスプレイでの画素として使用される場合には特に、画素がより長い時間期間だけスイッチングオフされることにより、画素劣化は低減される。
【0052】
この方法及び時間遅延はまた、nが2の累乗でなく、nに最接近してかつnよりも上位である、それ故にN>nであるNが2の累乗に等しい実施形態に適用することができる。しかしながら、選択の間の時間遅延及びデータの入力がフレーム利用を最適化しないであろう。その理由は、N個のサブフレームが存在するがサブフレームを満たすためのnビットのデジタル画像コードだけが存在するからである。例えば、それは上位の2の累乗(2
3)であるので、n=5及びN=8である。このケースでは、各フレームは8個のサブフレームで分割され、選択が各サブフレームに対する実行であるが、第1のn=5のサブフレームだけが画素におけるデータを実行する。LSBは第1のサブフレームにおけるサブフレーム期間の1/2
8−1=1/128に割り当てられるであろう一方で、MSBは5番目のサブフレームの1/2
8−5=1/8に割り当てられるであろう。最後の3つのサブフレームの間では、画素は選択を用いて実行しているであろうが、データは導入されないであろう。従って、それはフレーム期間の残余期間でオフとなるであろう。いくつかの実施形態では、例えば、n=9ビット(従って、N=16)に対して、画素はフレーム期間のほとんどではオフとなるであろう。これは画素がフレーム期間のほとんどの間でオフとなるべきである特定のアプリケーションで望ましいかもしれない。さらなる開示では、もしサブフレームの分割数Nがnに最接近し(かつnよりも上位である)2の累乗に等しければ、その場合には異なるアプローチ(時間スロット法)が、さらに説明される時間遅延の計算に対して使用されるであろう。
【0053】
本発明の実施形態におけるnに最接近する(かつnよりも上位である)2の累乗として選択されてもよい理由は時間遅延及び選択の最適化によるものである。時間遅延は、サブフレームの間の第1の選択において画像データコードを駆動し、同一のサブフレームの間に第2の選択において(これまでのゼロの代わりに)第2の画像データコードを駆動するように最適化されてもよい。本発明の異なる実施形態は、以下の一般的な方法で進行する。すなわち、各サブフレームはさらに実質的に同一の継続時間を有してもよい、例えば2
n/N個のタイムスロットなどの複数のタイムスロットに分割される。MSBは複数のタイムスロットに割り当てられ、次に第2のMSBはより少ないタイムスロットに割り当てられる、など。LSBには最小数のタイムスロットが割り当てられる。次に、各サブフレームに対して、第1の選択はサブフレームに対して割り当てられた時間遅延に等しい特定のタイムスロット数に対して複数のビットのうちの1つを割り当て、第2の選択はそのサブフレームのタイムスロットの残余期間でもう1つのビットを割り当てる。例えば、コードのMSBはいくつかのサブフレームにおける複数の選択のうちの1つの選択の間に画素に対して印加される。
【0054】
n=5ビット及びN=8に対するシステムに続き、例として同一のシステムが可能である。そこでは各データビットの有意性に従った多数の時間スロットに対して、各サブフレームにおける第1の選択と第2の選択との間でデータを画素に駆動することができる。最初に、各サブフレームは同一の継続時間を用いることを考慮してもよい。また、各サブフレームは同一の継続時間を有してもよいタイムスロットに分割される。タイムスロット数は、サブフレームごとに2
n/N=2
5/8=4個のタイムスロット(もしくは全体のフレームに対する32個のタイムスロット)とできる。さて、各ビットは、それらの位置に従って多数のタイムスロットに割り当てられ、従って、m番目のビット(1≦m≦n,ここでLSBである第1のビットとMSBであるn番目のビット)は、2
m−1個のタイムスロットに割り当てられるであろう。EDCBAの5ビットを有するデータコードでは、MSBビットEは2
4=16個のタイムスロットに割り当てられるであろう。ビットDは8個のタイムスロットに割り当てられ、ビットCは4個のタイムスロットに割り当てられ、ビットDは2を受信し、ビットAは2
0=1個のタイムスロットの間に画素において導入されるであろう。データの導入は例えば表1などに従って、サブフレームごとに2回実行される。第1の3つのサブフレームのそれぞれは、2つの選択を用いて実行される。第1のサブフレームは1つのタイムスロットに対してゼロを用いて実行され、サブフレームの残余期間はデータビットEを用いて実行される。第2のサブフレームは、ビットAに対する1つのタイムスロットとビットEに対する残余の3つのタイムスロットとの2回の選択を用いて実行される。第3のサブフレームは、ビットBを駆動するための第1の22個のタイムスロットと、ビットEを駆動するための第2の2個のタイムスロットとの2回選択される。サブフレームの残余はビットC,D及びEに対して1回だけ選択され、第2の選択は必要とされない。このように、すべてのビットはデータコードにおけるそれらの有意性に従ってより長く表現され、これは一様な方法で画素におけるデータを駆動するためのタイムスロットのほとんど(フレームのほとんど)を利用する。
【0056】
要約すれば、このタイプの駆動方法に対して、サブフレーム数Nがビット数nに最接近してかつビット数nよりも上位である2の累乗に等しく、サブフレームはnビット画像コード及び2
n/N個のタイムスロットに分割される各サブフレームに対して実質的に同一の継続時間を有するケースでは、2
m−1個のタイムスロットがnビット画像コードのm番目のビットに割り当てられてもよい。次に、LSBが2
0個のタイムスロット(1個のタイムスロット)を用いて割り当てられるまで、MSBは2
n−1個のタイムスロットを用いて割り当てられ、第2のMSBは2
n−2個のタイムスロットを用いて割り当てられる、など。データの導入はサブフレームごとの2つの選択を用いて実行される。
【0057】
サブフレームが異なる継続時間を有してもよいケースでさえも、同様の割り当てがサブフレームの任意の数Nに対して実行されてもよい。これがn=8に対する例4で図示されるであろう。
【0058】
各行の選択に続く画像データコードの書き込むステップは、(例えば7もしくはそれ以上のビットからなる画像コードなどに対して、)例えばデルタシグマ変調もしくはパルス幅変調などの変調技術を用いて第1のコード及び第2のコードを駆動することを含んでもよい。
【0059】
さらなる説明では、サブフレーム数nが8に等しい例示的な実施形態、すなわち、8ビットが例えば24ビットRGB(赤,緑,青)ディスプレイにおける使用などに対する複数の色画素を表現するために使用される実施形態が説明される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、8よりも大きいかもしくは8よりも少ないなどとビット数は異なることができる。例えば、本発明は4ビットディスプレイ、フルHDディスプレイ(12もしくは14ビット)もしくはウルトラHD4kディスプレイ(16ビット)に対して適用することができ、それはまた詳細には説明しないであろう。
【0060】
例えば24ビットのRGBディスプレイなどのカラーディスプレイでは、8ビットコードは各色に対して別々に使用されてもよい。次に、ディスプレイは(8ビットコードにより表現される)赤に対する複数の列、(8ビットコードによりまた表現される)緑に対する複数の列、及び(8ビットコードにより表現される)青に対する複数の列を含む。本発明は例えばRGBWディスプレイなどの他のタイプのカラーディスプレイに適用されてもよい。
【0061】
図5は、本発明の態様に係る、アクティブマトリックスディスプレイの特定のタイプとしてデジタル被駆動AMOLEDディスプレイアーキテクチャ50を概略的に示す。このアーキテクチャ50は、行及び列で論理的に編成された(
図5では詳細に図示されない)OLED画素素子のアレイを備えるAMOLEDディスプレイ55を備える。これらのOLED画素素子を駆動するための駆動回路は、例えばランニング1などにより実行される少なくとも1つの行に対する2つの選択信号を用いてデジタル選択線(行)駆動回路51及びデジタルデータ線(列)駆動回路52に基づく。デジタル駆動は、例えばパルス幅変調などの例えばパルス密度変調方法を用いて実行される。既存のデジタル駆動アーキテクチャと比較すると、このアーキテクチャはディスプレイのバックプレーンにおけるトランジスタのスイッチングをより遅くすることができ、駆動回路はより複雑ではなくより消費する空間を少なくできるということが利点である。
【0062】
本発明の態様に係るデジタル画素駆動のための方法では、選択線駆動回路51は例えば第1の選択及び第2の選択を提供し、それにより各サブフレーム内で好ましくは少なくとも35%で2回連続して少なくとも1つを選択する2つのランニング1で2つの選択信号を提供する。2回選択されるサブフレーム内で、例えば第2のランニング1などの第2の選択信号は第1のランニング1に対して固定化された所定の遅延を有する。この所定の遅延は各サブフレームに対して異なることができ、それ故にさらに説明される、異なるデジタル出力の組み合わせを可能とできる。
【0063】
例2:(
図6及び
図7でさらに例示された)一実施形態では、第1の選択信号による行の選択の後に、デジタル画像コードのビットに対応するデジタルコードがその行の対応する画素に書き込まれる。例えば、第1のランニング1による行の選択に対して、もし対応するデータビットが論理1であれば、画素はオンにスイッチされる。もし対応するデータビットが論理0であれば、画素はスイッチがオフされたままである。第2の選択信号は画素をオフにスイッチする。
【0064】
一実施形態では、
図6で例示されるように、データコードは例えば8ビットコードなどの画像を表現する画素強度データを表現するnビットコードである。8個のサブフレームが例示されたケースでは、各フレームはN=n個のサブフレームに分割されてもよい。その方法は、ハイとなる第1の選択信号に対して、画像フレームの8ビット(nビット)のデジタル表現の最下位ビットを表示する第1のサブフレームから開始する。もし選択信号がランニング1であれば、本発明はこれに限定されないが、第1のランニング1は第1のサブフレームの最初にランニングを開始し、第2のランニング1はサブフレームの継続時間もしくは長さの1/128(1/2
n−1)に等しい時間遅延を有して後に続く。画素行における各画素に対して、対応する画像データビットは第1の選択信号によりその行の選択に対して書き込まれる。対応する画像データの最下位ビットが論理1であるとき、その画素行が第1のランニング1により到達(選択)されたときに対応する画素がオンされる。もし最下位ビットが論理0であれば、対応する画素はオフのままである。同一の画素行が第2のランニング1により到達されるとき、対応するデータ線は論理0となり、その画素行におけるすべての画素はスイッチオフされる(かもしくはオフのままである)。この処理はデジタル画像データの後にそれぞれ続くビットに対して反復されるが、第1のランニング1と第2のランニング1との間の遅延はそれぞれ後に続くサブフレームでは2倍となる。例えば、第2のサブフレームに対して、遅延はサブフレームの継続時間の1/64(1/2
n−2)に等しく、第3のサブフレームに対して、遅延はサブフレームの継続時間の1/32(1/2
n−3)に等しい、など。最後に、最上位ビットが最後のサブフレームで到達されるとき、全部のサブフレーム遅延が第1のランニング1と第2のランニング1との間で取得される。第2のランニング1はランニングを開始せずに、この最後のサブフレームは1回だけ選択される。
【0065】
上述した本発明の実施形態では、サブフレーム期間の一部の期間だけ画素はフルの強度であり、サブフレームの期間の残余期間では画素はオフである。全部のサブフレーム期間内では画素は(オンもしくはオフのいずれかの)一定の強度である、従来のデジタル駆動方法とは異なる。従来のデジタル駆動方法とのさらなる相違点は、本発明の実施形態では、すべてのサブフレームは実質的に等しい長さを有してもよい一方で、従来方法では、すべてのサブフレームは(例えば異なるサブフレームの長さの間で2の比を有するなどの)実質的に異なる長さもしくは継続時間を有するということである。
【0066】
図6は1/2
n−xの継続時間及び第2のオフ選択を用いる第1の選択に対して、デジタル表現HGFEDCBA=10011011を有する信号に対して、フレーム内での画素の光強度を例として図示する。類似的に、
図7は同一の領域に対して、デジタル表現HGFEDCBA=11111111を有する信号に対して、フレーム内で画素の光強度を例示する。この実施形態に対して、画素は最大限でも25%(
図7の場合)もしくはそれより小さい(
図6で15%)低減された全体のデューティサイクルで駆動されることが理解される。特に、最下位ビットに対応するサブフレームはそれらがオフである、サブフレーム期間のほとんどで非常に低いデューティサイクルを有する。
【0067】
例3:本発明の態様に係る方法のもう1つの実施形態では、デューティサイクルは実質的にほとんど100%まで増加される。留意すべきことは、8ビットデータコードを用いて例示されたケースに対して、Nが(より上位の)最接近した2の累乗に等しい代替の実施形態を適用することは自明であるということである。その理由は、8は2の累乗であるので、Nもまた8に等しくかつフレームは8個のサブフレームに分割されるであろうからである。例えば、n(8)ビットのディスプレイに対して、各サブフレームは2
n/N(2
8/8)個のタイムスロットに分割され、結果としてフレーム期間ごとにトータルで2
n(2
8=256)個のタイムスロットを生じさせる。LSBは1つのタイムスロットに対して割り当てられ、第2のLSBは2つのタイムスロットに対して割り当てられ、次のビットは4つのタイムスロットに対して割り当てられる、などのように次の上位ビットごとにタイムスロットの数は2倍となる。MSBは2
n−1個のタイムスロットに割り当てられる(8ビットの場合では128個のタイムスロット)。上述した実施形態と比較すると、画素を完全にスイッチングオフするよりもむしろ、より下位ビットのオフ時間内で、最上位ビットからの情報の一部が(例えばOLEDなどの)画素を駆動するように使用される。本発明の実施形態では、第1のサブフレームは第1の選択に対してデジタルゼロコードを導入し、最後のサブフレームは1回だけ選択される。
【0068】
8ビットディスプレイの実装のこの例がデータ線駆動テーブルである表2で例示される。その例では、8個の画像データビットはHGFEDCBAである。フレームは実質的に均等な継続時間の8個のサブフレームに分割され、各サブフレームは実質的に均等な継続時間の32個のタイムスロットに分割される。最上位ビット(H)は128個のタイムスロットに対応し、第2の最上位ビット(G)は64個のタイムスロットに対応し、両方ともに単一のサブフレームの長さよりも長い。従って、これらのビットは異なるサブフレームにわたって分配される。
【0069】
また、この実施形態では、選択線駆動回路51は例えば第1のランニング1と第2のランニング1などの例えば2つのランニング1などの2つの選択信号を提供する。例えば第1のランニング1などの第1の選択信号と、例えば第2のランニング1などの第2の選択信号とは、行を駆動する。第1の選択信号及び第2の選択信号がランニング1として実装される実施形態に対して、第1のランニング1及び第2のランニング1はN倍(8倍)のフレームレートでサイクルしている。各サブフレーム内で、第2のランニング1は第1のランニング1に対して固定化された所定の遅延を用いて実行する。この所定の遅延は異なるサブフレームに対して異なることができる。各サブフレーム内で、第1のコードは第1のランニング1に対して駆動され、第2のコードは第2のランニング1に対して駆動される。第1のコードは画像データの第1の所定のビットに対応し、第2のコードは画像データの第2の所定のビットに対応する。好ましくは、例えば表2で例示されるように、デューティサイクルが最大化されるような方法で、それらは異なるサブフレームにわたって分配される。例えば第1のランニング1などの選択信号は(もし対応するビットが論理1であれば)画素をオンにスイッチすることができ、(もし対応するビットが論理0であれば)画素をオフにスイッチすることができる。例えば第2のランニング1などの第2の選択信号は(もし対応するビットが論理1であれば)画素をオンにスイッチすることができ、(もし対応するビットが論理0であれば)画素をオフにスイッチすることができる。
【0071】
表2で示された例では、第1のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は1個のタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレームレートの1/2
n)。第1のサブフレームの第1のタイムスロットでは、画素はオフ(論理0)であり、第1のサブフレームの残余の31個のタイムスロットでは、最上位ビット(H)が画素を駆動させる。もし最上位ビットが論理1であれば、これらの31個のタイムスロットの間で画素はオンであり、もし最上位ビットが論理0であれば、画素はオフである。第2のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は1つのタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレーム時間の1/2
n)。第2のサブフレームの第1のタイムスロットでは、最下位ビット(A)が画素を駆動させ、第2のサブフレームの残余の31個のタイムスロットでは、最上位ビット(H)が画素を駆動させる。第3のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は2個のタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレーム時間の1/2
n−1)。第3のサブフレームの第1及び第2のタイムスロットでは、第2の最下位ビット(B)が画素を駆動させ、第3のサブフレームの残余の30個のタイムスロットでは、最上位ビット(H)が画素を駆動させる。第4のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は4つのタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレーム時間の1/2
n−2)。第4のサブフレームの第1及び第4のタイムスロットでは、ビットCが画素を駆動させ、第4のサブフレームの残余の28個のタイムスロットでは、最上位ビット(H)が画素を駆動させる。第5のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は8個のタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレーム時間の1/2
n−3)。第5のサブフレームの第1の8個のタイムスロットでは、ビットDが画素を駆動させ、第5のサブフレームの残余の24個のタイムスロットでは、第2の最上位ビット(G)が画素を駆動させる。第6のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は8つのタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレーム時間の1/2
n−3)。第6のサブフレームの第1の8個のタイムスロットでは、最上位ビット(H)が画素を駆動させ、第6のサブフレームの残余の24個のタイムスロットでは、第2の最上位ビット(G)が画素を駆動させる。第7のサブフレームでは、第1のランニング1と第2のランニング1との間の固定化された遅延は16個のタイムスロットの継続時間に対応する(すなわち、フレーム時間の1/2
n−4)。第7のサブフレームの第1の16個のタイムスロットでは、ビットEが画素を駆動させ、第7のサブフレームの残余の16個のタイムスロットでは、第2の最上位ビット(G)が画素を駆動させる。第8のサブフレームでは、ビット(F)が画素を駆動させる。
【0072】
表2で例示された実施形態では、(例えば第2のランニング1などの第2の選択信号による)第2の選択の(例えば第1のランニング1などの第1の選択信号による)第1の選択に対する遅延が徐々に増加するように、異なるサブフレームにわたるビットの分配が実行される。例えば第2のランニング1などの第2の選択信号はまた、全部のサブフレームを実行する必要があるので、例えば第1のランニング1などの第1の選択信号が実行するように、それはそれが前のサブフレームを終了してしまう前に次のサブフレームを開始することができない。従って、第1の選択信号と第1の選択信号との間の遅延は、フレームの任意の2つの続くサブフレームに対して、同一のままかもしくは増加だけすることができ、減少することはできない。表2の駆動方式の最後のサブフレームでは、キャッチアップすることを可能とする第2のランニング1を必要としない。次のフレームの第1のサブフレームにおけるのと同じように、第2の選択信号は第1の選択信号に対して短い遅延(例示された実施形態では、1つのタイムスロットもしくはフレームタイムの1/2
n)だけをもって再度開始する必要がある。
【0073】
データ線駆動表である表2で例示されたアプローチの利点は、非常に良いデューティサイクルが取得されることである。例えば、データ線駆動テーブルである表2に従って、デジタル表現HGFEDCBA=11111111を有する信号を表現するとき、第1のタイムスロットの間は、対応する画素はオフ(論理ゼロ)であり、残余の(2
n−1)個のタイムスロットの間は、対応する画素はオン(論理1)である。これは8ビット実装に対して(2
n−1)/2
nもしくは99.6%に等しいデューティサイクルに対応する。
【0074】
例えば、表2で示されたデータ線駆動テーブルに従って、デジタル表現HGFEDCBA=10011011を有する信号を表現するとき、フレーム内で画素を駆動するために、以下のビットシーケンスが使用される。
01111111111111111111111111111111(すなわち、0が1回でビットHが31回)
11111111111111111111111111111111(すなわち、1回のビットAと31回のビットH)
11111111111111111111111111111111(すなわち、2回のビットBと30回のビットH)
00001111111111111111111111111111(すなわち、4回のビットCと28回のビットH)
11111111000000000000000000000000(すなわち、8回のビットDと24回のビットG)
11111111000000000000000000000000(すなわち、8回のビットHと24回のビットG)
11111111111111110000000000000000(すなわち、16回のビットEと16回のビットG)
00000000000000000000000000000000(すなわち、32回のビットF)
【0075】
これは概略的に
図8で例示される。
図8で示された実施形態のデューティサイクル(60.5%)は
図6で示された同一のデータコードに対する実装(15.1%)と比較すると実質的に大きいことが理解される。
【0076】
表2はデジタル画像データがどのようにフレームにわたって分配されたかの例だけを示す。異なる分配を有する他の実装が可能である。例えば、次の例では、n=8であるがNは任意に選択され、このケースではN=5でありサブフレームは同一の継続時間を有さない。
【0077】
例4:一般的なケースでは、フレームを所定数のサブフレームに分割して画像コードの各ビットを少なくとも1つのサブフレームにおける2つの選択のそれぞれに割り当てることが可能である。サブフレームは、同一の継続時間を有してもよいが、この特定の実施形態では、各サブフレームは異なる継続時間を有する。さらに、サブフレームをタイムスロットに分割することが可能である。タイムスロットは、同一の継続時間を有してもよいし、有さなくてもよい。簡単にするために、サブフレームは必ずしも同一の継続時間を有さない一方でタイムスロットは同一の継続時間を有する場合を考慮するものとする(このケースでは、異なるサブフレームは異なる数のタイムスロットを備えるものとする)。例えば、もしn=8(8ビット,HGFEDCBA)及びフレームが例えばN=5個などのサブフレームに分割されるとすれば、その場合には第1のサブフレームは128個のタイムスロットを、第2のサブフレームは65個のタイムスロットを、第3のサブフレームは34個のタイムスロットを、第4及び第5のサブフレームはそれぞれ20個のタイムスロットを含んでもよい。
【0078】
次のステップでは、ビット画像コードの各ビットは所定数のタイムスロットに割り当てられる。最上位ビットはより多くのタイムスロットが割り当てられる。この場合には、数式2
m−1個のタイムスロットに従って、タイムスロットはnビットデータコードにおけるそれらの位置mに従って8ビットのそれぞれに割り当てられる。従って、MSB(H)は2
7個のタイムスロットを実行するであろうし、LSB(A)は1(2
0)個のタイムスロットを実行するであろう。データ線駆動テーブルの残りが表3で示される。
【0080】
本発明の実施形態によれば、各サブフレームにおいて行が1回選択され、複数のサブフレームの少なくとも1つでは2回選択される(この場合には、最後の4個のサブフレーム)。
【0081】
また、(例えば第2のランニング1などの第2の選択信号による)第2の選択の(例えば第1のランニング1などの第1の選択信号による)第1の選択に対する遅延が徐々に増加するように、異なるサブフレームにわたるビットの分配が実行される。例えば第1のランニング1などの第1の選択信号はフルのサブフレームを実行する必要があるので、例えば第2のランニング1などの第2の選択信号もまたフルのサブフレームを実行する必要がある。従って、それが前のサブフレームを終了してしまう前にそれは次のサブフレームを開始することができない。従って、フレームの任意の2つの続くサブフレームに対して、第1の選択信号と第2の選択信号との間の遅延は同一のままであるかもしくは増加だけをし、減少しない。表3の駆動方式の第1のサブフレームでは、第1のランニング1を超える任意のさらなるフレームにおいてキャッチアップすることを可能とさせる第2のランニング1の必要性はなく、次のフレームの第2のサブフレームの場合には、第2の選択信号は第1の選択信号(例示された実施形態では1つのタイムスロット)に対して短い遅延だけで再び開始しなければならない。
【0082】
以下の例では、行が画像データコードにおけるビットの位置に従ってそれらの間の時間遅延を用いてサブフレームごとに2回選択される場合と、少なくとも1つの場合において2回行を選択して画像データコードにおけるビットの位置に従ってタイムスロットを割り当ててサブフレームがタイムスロットに分割される代替の場合とに対して異なる数のビットが検討されるであろう。
【0083】
例5:4ビット画像コード(n=4)の場合では、コードはDCBAとして書き込まれるであろう。フレームは4つのサブフレームに分割される。行は3つのサブフレームにおいて2回選択され、第1の選択ではデータコードを導入して第2の選択では画素をオフにする。上述したように、第1の選択と第2の選択との間の時間遅延は、サブフレームとともに増加する。例えば、上述したように、LSBはサブフレーム期間の1/2
4−1の間の第1のサブフレームの間で駆動されてもよい。次のビットは、サブフレーム期間の1/2
3−1の間の第2のサブフレームの間で駆動され、続くビットはサブフレーム期間の1/2の間の第3のサブフレームの間で駆動され、MSBは全体のサブフレームに対する最後のサブフレームにおいて駆動される。サブフレームにおいて1つの選択だけが必要される。
【0084】
代替には、各サブフレームは2
n/N個のサブフレームに分割され、Nはこのケースでは正確にnである、nに等しいかもしくはnに最接近してかつnよりも上位である2の累乗である。各サブフレームは同一の継続時間を有し、4つのタイムスロットに分割されることを考慮する。表4に従って、画像コードのビットは3つのサブフレームにおいて2回だけ各サブフレームにおけるタイムスロットに割り当てられ、最後のサブフレームにおいて1回だけ割り当てられるであろう。
【0086】
4つのサブフレームの3つにおいて二重の選択が実行され、画像データコードからのデータは16個のタイムスロットからの15個に対して駆動される。
【0087】
例6:9ビット画像コード(n=9)の場合では、コードはIHGFEDCBAとして書き込まれるであろう。フレームは9つのサブフレームに分割される。行は8つのサブフレームにおいて2回選択され、第1の選択ではデータコードを導入して第2の選択では画素をオフにする。上述したように、第1の選択と第2の選択との間の時間遅延は、サブフレーム期間の1/2
x−1に従ってサブフレームとともに増加し、xは画像データコードにおけるビットの位置に対応し、選択の長さはビットの重要度に従って選択される。すなわち、LSBは第1のサブフレームにおける1/2
8のサブフレーム期間に対して駆動されるであろうし、MSBは最後のサブフレームにおける全体のサブフレームに対して駆動されるであろう。
【0088】
代替には、各サブフレームはN個のサブフレームに分割され、Nはこのケースでは2
4=16個のサブフレームである、nに等しいかもしくはnに最接近してかつnよりも上位である2の累乗である。各サブフレームは同一の継続時間を有して2
9/2
4=2
5=32個のタイムスロットに分割されることを考慮する。前の実施形態と同一の方式に従った表5に従って、画像コードのビットはタイムスロットに割り当てられるであろう。
【0090】
上述したように、少なくとも1つのサブフレームは2回選択される(第1の6つのサブフレームは2回実行され、他の10個のサブフレームは1回だけ実行される)。タイムスロットはそれらの有意性に従って異なるサブフレームにおける画像コードにおけるビット間で分配される。すなわち、コードにおけるm番目のビットに対しては2
m−1個のタイムスロットである。例えば、2
8個のタイムスロットはMSB(位置Iでのビット)に割り当てられ、1つのタイムスロットはLSB(位置Aでのビット)に割り当てられる。
【0091】
例7:14ビット画像コード(n=14)の場合では、コードはNMLKJIHGFEDCBAとして書き込まれるであろう。フレームはN=14個のサブフレームに分割される。行は13個のサブフレームにおいて2回選択され、第1の選択ではデータコードを導入して第2の選択では画素をオフにする。選択間の時間遅延は、前の実施形態におけるのと同一であり、サブフレーム期間の1/2
n−xに従ってサブフレームとともに増加し、選択の長さはビットの重要度に従って選択される。すなわち、上述したように、LSBは第1のサブフレームにおける1/2
13のサブフレーム期間に対して駆動されるであろうし、MSBは最後のサブフレームにおける全体のサブフレームに対して駆動されるであろう。
【0092】
代替には、各サブフレームはN個のサブフレームに分割され、Nはこのケースでは2
4=16個のサブフレームである、nに等しいかもしくはnに最接近してかつnよりも上位である2の累乗である。各サブフレームは同一の継続時間を有し、2
14/2
4=2
10=1024個のタイムスロットに分割されることを考慮する。前の実施形態と同様の方式に従った表6に従って、画像コードのビットはタイムスロットに割り当てられるであろう。
【0093】
第1の12個のサブフレームは2回(2つの選択)データを用いて駆動され、最後の4つは1回だけデータを用いて駆動される。上述したように、サブフレームごとの1024個のタイムスロットは、それらの有意性に従って、画像コードにおけるビット間で分配される。すなわち、コードにおけるm番目のビットに対しては2
m−1個のタイムスロットである。例えば、2
13個のタイムスロットはMSB(位置Mでのビット)に割り当てられ、1つのタイムスロットはLSB(位置Aでのビット)に割り当てられる。
【0095】
例8:16ビット画像コード(n=16)の場合では、コードはQPNMLKJIHGFEDCBAとして書き込まれるであろう。フレームはN=16個のサブフレームに分割される。行は15個のサブフレームにおいて2回選択され、第1の選択ではデータコードを導入して第2の選択では画素をオフにする。選択間の時間遅延は、前の実施形態におけるのと同一であり、x番目のサブフレームに対応するであろうx番目のビットに対するサブフレーム期間の1/2
x−1に従ってサブフレームとともに増加し、選択の長さはビットの重要度に従って選択される。上述したように、LSBは第1のサブフレームにおける1/2
15のサブフレーム期間に対して駆動されるであろうし、MSBは最後のサブフレームにおける全体のサブフレームに対して駆動されるであろう。
【0096】
代替には、各サブフレームは均等の継続時間のN個のサブフレームに分割され、Nはこのケースでは(ビット数と一致する)16個のサブフレームである、nに等しいかもしくはnに最接近してかつnよりも上位である2の累乗である。各サブフレームは2
16/2
4=2
12=4096個のタイムスロットに分割されることを考慮する。前の実施形態と同様の方式に従った表7に従って、画像コードのビットはタイムスロットに割り当てられるであろう。
【0097】
第1の15個のサブフレームは2回(2つの選択)データを用いて駆動され、最後は1回だけデータを用いて駆動される。サブフレームごとの4096個のタイムスロットは、それらの有意性に従って、画像コードにおけるビット間で分配される。すなわち、コードにおけるm番目のビットに対しては2
m−1個のタイムスロットである。従って、2
15個のタイムスロットはMSB(位置Qでのビット)に割り当てられ、1つのタイムスロットはLSB(位置Aでのビット)に割り当てられる。その理由は、第1のフレームの第1のタイムスロットは固定化された0を用いて駆動され、フレーム時間の残余期間(99.97%)は画像コードからのデータを用いて駆動される。
【0099】
上述した例では、選択が増加する時間遅延を有することに留意した。従って、異なるサブフレームにおいて同一の時間で実行する2つの第1の選択は存在しないし、または異なるサブフレームにおいて同一の時間で実行する2つの選択は存在しない(とにかく、例えば、サブフレームにおいて実行する第1の選択と前のサブフレームにおいて実行する第2の選択とが存在することができる)。
【0100】
上述した実施形態の利点は、例えばAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイにおけるそれらの実装では、もし既存のアナログアプローチにおけるよりもn倍だけ大きいサブフレームレートを取得する必要があれば、選択トランジスタ(
図1でのM2)のサイズの増加及び/もしくは画素容量(
図1でのC1)の減少の可能性はあるが、それ以外ではディスプレイバックプレーンに対する変更の必要はない。多くの実装に対して、例えばAMOLEDバックプレーンなどの現在のアクティブマトリックスディスプレイが使用される。(例えば
図9で例示された)選択線駆動回路の変更と、データ線駆動回路(各サブフレームに対する正確なデータビットの選択)とだけが必要とされる。
【0101】
本発明の実施形態の利点は、それが飽和状態の代わりに線形領域において画素の駆動トランジスタ(
図1でのM1)を使用することを可能とさせることである。線形領域での動作は(例えば飽和状態での4ボルトより大きい電圧から線形領域での約0.1ボルト以下までの電圧などの)駆動トランジスタM1間の電圧降下の大幅な低減を結果として生じさせる。これはディスプレイの電力消費の著しい低減を結果として生じさせるであろう。それはまた、携帯機器において典型的に使用されるようなバッテリー電圧から直接的にディスプレイを駆動させることを可能とさせるであろう。
【0102】
他の態様では、本発明は、これに限定されないが、例えば画素で配列されたAMOLEDディスプレイなどのアクティブマトリックスディスプレイを駆動するためのデジタル駆動回路に関し、当該ディスプレイは例えばLCD画素素子、LED画素素子もしくは例えば蛍光性OLED、リン光性OLED、発光高分子化合物、もしくはポリデンドリマーなどのOLED画素素子などを備える。画素は行及び列で論理的に配列される。従って、ディスプレイは特定の継続時間の連続的なフレームにおいて画像を表示することが可能なマトリックスを形成する。
【0103】
デジタル駆動回路は、nビット画像コードにより表現されたデジタル画像コードを選択された行における対応する画素に対して書き込むために、複数の行及びデジタルデータ線駆動回路52を連続的に選択するためのデジタル選択線駆動回路51を備えてもよい。デジタル選択線駆動回路51は、第1の選択に対して、第1のデジタルコードを選択された行に書き込み、第2の選択に対して、第2のデジタルコードを選択された行に書き込むように、複数の行のうちの少なくとも1つを1つのサブフレーム内で連続的に選択するように構成され、第2の選択と第1の選択との間には所定の時間遅延が存在する。時間遅延決定回路により制御されてもよいこの時間遅延は、フレームの任意の2つの続くサブフレームに対して、第1の選択信号と第2の選択信号との間の遅延が同一のままかもしくは増加するが減少しないように選択される。
【0104】
図9は第1のランニング1と第2のランニング1の形態のもとでの第1及び第2の選択信号を発生するように使用される例示的な選択線駆動回路90を示す。
図9で図示された選択線駆動回路90では、第1のランニング1と第2のランニング1とはそれぞれDフリップフロップの線形アレイ91,92を使用して発生され、各アレイ91,92はワンポジションの各クロックパルスによりフリップフロップのアレイ91,92を通過して前進する単一の論理1の最大化を含む。第1のランニング1はディスプレイ55の行を通過して行ごとに前進し、各クロックパルスで行ごとに前進する。また、第2のランニング1は、ディスプレイ55の行を通過して行ごとに前進し、各クロックパルスで1行前進するが、第1のランニング1に対して所定数のクロックパルスに対応する遅延を有する。本発明はDフリップフロップに限定されず、動的もしくは静的なシフトレジスタの任意の他の適切な実装を使用することが可能である。時間遅延決定回路のよりいっそうコンパクトな実装は例えば2つもしくは3つのクロックを用いたトランスペアレントラッチである。
【0105】
図9から理解することができるように、第1及び第2の選択信号を同一の時間に同一の行に供給しないように、例えばマルチプレクサ93
iなどの多数のセレクタが提供される。当該セレクタは、入力として第1及び第2の選択信号の両方、並びに出力として第1もしくは第2の選択信号のいずれかを有し、セレクタ93
iを制御するための制御信号に基づいて制御信号をコントローラから出力してもよいし、コードが印加される必要があるタイムスロット数を考慮して制御信号を発生させてもよい。
【0106】
例えば、第1及び第2のランニング1は、Dフリップフロップのアレイ91,92を通過してサイクルしており、例えば第1のランニング1はフリップフロップ91
2に属し、第2のランニング1はフリップフロップ92
1に属すると考慮すれば、両方の間には1つのクロックサイクルの遅延が存在する。セレクタ93
iに対する制御信号は、第1の所定数のタイムスロットに等しい第1の時間期間で第1のランニング1が行に印加され、第2の所定数のタイムスロットに等しい第2の時間期間で第2のランニング1が行に印加される。第1の時間期間で、第1のランニング1はセレクタ93
2に対応して接続される行に印加されるであろうし、データ線駆動回路52上に存在して当該データ線駆動回路52により提供される画像データはこの対応する行上に置かれるであろう。第2の時間期間で、第2のランニング1はセレクタ93
1に対応して接続される行に印加されるであろうし、データ線駆動回路52上に存在して当該データ線駆動回路52により提供される画像データはこの対応する行上に置かれるであろう。このように、デジタル選択線駆動信号51において存在している、例えば2つのランニング1などの2つの選択信号にも関わらず、データは2つの行に同時に書き込まれない。
【0107】
図9に例示された実施形態に対する代替例では、
図10で例示された選択線駆動回路100が使用され、ここで、マルチプレクサ93
iが選択間の最小遅延に従ってブロック内でグループ化された、出力イネーブル回路101により代用された。奇数のクロックが出力イネーブル回路101を駆動するために供給されてもよい。
【0108】
上述した説明は本開示の特定の実施形態を詳述する。しかしながら、上述した説明が文章中でいかに詳細に説明されたように見えたとしても、本開示は多くの方法で実施されてもよい、ということが認識されるであろう。留意すべきことは、本開示のある特徴もしくは態様を説明する場合、特定の専門用語の使用が、その専門用語がここで再定義されて制限されて、その専門用語が関連する本発明の特徴もしくは態様の任意の特定の特性を含むことを意味するととるべきでない、ということである。
【0109】
上述した詳細な説明が示され、説明されて種々の実施形態に適用された本発明の新しい特徴を指摘する一方で、例示されたデバイスもしくは処理の形態及び詳細事項において、種々の省略、代用、及び変形が本発明の精神を離れることなしに当業者によりなされるかもしれない、ということが理解されるであろう。