(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1のシリンジアセンブリであって、上記トリガー部材は、上記トリガー部材の上記遠位方向への移動を防止するために上記トリガーガードを整列させるように回転可能であり、上記トリガー部材の上記遠位方向への移動を可能とするために上記トリガーガードを整列させるように回転可能であることを特徴とするシリンジアセンブリ。
請求項2のシリンジアセンブリであって、上記格納バレルは、上記トリガーガードが、上記遠位方向への上記トリガー部材の移動を防止するように整列させられているか、上記遠位方向への上記トリガー部材の移動を許容するように整列させられているかを示すための可視の表示を含むことを特徴とするシリンジアセンブリ。
請求項4のシリンジアセンブリであって、上記流体チャンバーの側壁の内面は、上記第一断面幅より小さい第二断面幅を画定する、近位端に近接した保持リングを含み、上記プランジャーロッド本体は、上記保持リングにおける上記流体バレルの断面幅より大きい断面幅を有する弾性突起および壊れやすい部分を含むことを特徴とするシリンジアセンブリ。
請求項5のシリンジアセンブリであって、上記プランジャーロッドの遠位端は、ストッパー係合部分を含み、上記ストッパーは、上記プランジャーロッドの上記ストッパー係合部分に取り付けられ、上記ストッパーは、予め選定された距離にわたって、上記ストッパー係合部分に対して遠位および近位に移動可能であり、その結果、上記プランジャーロッドに遠位方向に力が付与され、上記ストッパーの遠位端が上記流体バレルの遠位壁と接触するとき、上記突起は、上記流体バレル内で上記保持リングを越えて遠位に進み、上記シリンジアセンブリの再使用を防止するために上記流体バレル内において上記プランジャーロッドをロックすることを特徴とするシリンジアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一つ以上の具体例による格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図2】
図1に示されたシリンジアセンブリの側面図である。
【
図3】
図1に示されたシリンジアセンブリの、シリンジアセンブリの近位端からみた図である。
【
図4】格納バレルが流体バレルの外側に配置されている、
図1に示されたシリンジアセンブリの側断面図である。
【
図5】トリガー部材およびプランジャーロッドがアセンブリから取り除かれている、線5−5に沿って得られる、流体バレルおよび格納バレルの断面図である。
【
図6】格納バレルが流体バレルに入れ子にされた、一つ以上の具体例によるシリンジアセンブリの側断面図である。
【
図7】線7−7に沿って得られる、流体バレルおよび格納バレルの断面図である。
【
図8】ニードルハブアセンブリの格納前の、
図4および
図6のプランジャーロッド、ニードルハブアセンブリおよびトリガー部材の部分透視図である。
【
図9】トリガー部材に遠位方向の力を付加した後の、
図8に示されたプランジャーロッド、ニードルハブアセンブリおよびトリガー部材の部分透視図である。
【
図10】トリガー部材が壊れ易い部分を壊した後の、
図9に示されたプランジャーロッド、ニードルハブアセンブリおよびトリガー部材の部分透視図である。
【
図11】ニードルハブアセンブリの一部が格納バレル内への格納を開始した後の、
図10に示されたプランジャーロッド、ニードルハブアセンブリおよびトリガー部材の部分透視図である。
【
図12】ニードルハブアセンブリの一部がより完全に格納バレル内へ格納された後の、
図11に示されたプランジャーロッド、ニードルハブアセンブリおよびトリガー部材の部分透視図である。
【
図13】一つ以上の具体例によるニードルハブアセンブリのアセンブリの斜視図である。
【
図14】ニードルカニューラおよびニードルカニューラ支持部がニードルハブに挿入されている、
図13のニードルハブアセンブリを示す図である。
【
図15】ニードルハブが、ニードルカニューラおよびニードルカニューラ支持部の周りに形成されている、
図14のニードルハブアセンブリを示す図である。
【
図16】ニードルハブが、ニードルカニューラおよびニードルカニューラ支持部の周りに、より完全に形成されている、
図15のニードルハブアセンブリを示す図である。
【
図17】
図16の組み立てられたニードルハブアセンブリを示す図である。
【
図18】一つ以上の具体例による格納バレルに組み付けられるニードルハブアセンブリの斜視図である。
【
図19】
図18に示された格納バレルに配置されたニードルシールドに取り付けられた、
図18に示されたニードルハブアセンブリを示す図である。
【
図20】ニードルシールドがニードルハブアセンブリに係合した後の、
図19に示されたニードルハブアセンブリおよびニードルシールドを示す図である。
【
図21】格納バレルに対して回転した後の、
図20に示されたニードルハブアセンブリおよびニードルシールドを示す図である。
【
図22】ニードルハブアセンブリの開放通路および格納バレルの開口が整列した後の、
図21に示されたニードルハブアセンブリおよびニードルシールドを示す図である。
【
図23】ニードルシールドを除去した後の、
図22に示されたニードルハブアセンブリおよびニードルシールドを示す図である。
【
図24】一つ以上の具体例による格納式シリンジアセンブリの側断面図である。
【
図25】
図24に示された格納式シリンジアセンブリの拡大部分断面図である。
【
図26】ニードルハブアセンブリにトリガーの力を付加した後の、
図25に示された格納式シリンジアセンブリの拡大部分断面図である。
【
図27C】近位端から得られた
図27Aに示された二筒シリンジバレルの断面図である。
【
図27D】遠位端から得られた
図27Aに示された二筒シリンジバレルの側断面図である。
【
図28】
図24に示されたニードルハブアセンブリの側面図である。
【
図28A】線A−Aに沿って得られた、
図28に示されたニードルハブアセンブリの断面図である。
【
図29】一つ以上の具体例による、近位端を示す格納シリンジバレルの部分断面図である。
【
図30】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端を示す図である。
【
図31】プランジャーロッドに遠位方向の力が付加された後の、
図30に示された格納式シリンジアセンブリの近位端を示す図である。
【
図32】トリガー部材に遠位方向の力を付加した後、トリガー部材が格納バレル内にロックされた、
図31に示された格納式シリンジアセンブリの近位端を示す図である。
【
図33】一つ以上の具体例による、プランジャーロッド、トリガー部材、およびニードルハブアセンブリの部分透視図である。
【
図34】トリガー部材に遠位方向の力を付加した後の、
図33に示されたプランジャーロッド、トリガー部材、およびニードルハブアセンブリの部分透視図である。
【
図35】トリガー部材がニードルハブアセンブリと接触するとき、トリガー部材に遠位方向の力を付加する間の、
図34に示されたプランジャーロッド、トリガー部材、およびニードルハブアセンブリの部分透視図である。
【
図36】トリガー部材がニードルハブアセンブリにトリガーの力を与えるとき、トリガー部材がニードルハブアセンブリに接触した後の、
図35に示されたプランジャーロッド、トリガー部材、およびニードルハブアセンブリの部分透視図である。
【
図37】ニードルハブアセンブリの一部がトリガー部材内に格納された後の、
図36に示されたプランジャーロッド、トリガー部材、およびニードルハブアセンブリの部分透視図である。
【
図38】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図38B】近位端から得られる、
図38に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図39】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図39B】近位端から得られる、
図39に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図40】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図41】
図40に示された格納式シリンジアセンブリの側面図である。
【
図42】近位端から得られる、
図40に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図43】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図43B】近位端から得られる、
図43に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図44】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図44B】近位端から得られる、
図44に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図45】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図46】
図45に示された格納式シリンジアセンブリの側面図である。
【
図47】近位端から得られる、
図45に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図48】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図49】
図48に示された格納式シリンジアセンブリの側面図である。
【
図50】近位端から得られる、
図48に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図51】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図52】
図51に示された格納式シリンジアセンブリの側面図である。
【
図53】近位端から得られる、
図52に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図54】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図54B】近位端から得られる、
図54に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図55】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図56】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図56B】近位端から得られる、
図56に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図57】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの透視図である。
【
図57B】近位端から得られる、
図57に示された格納式シリンジアセンブリの図である。
【
図58】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図59】トリガー部材の遠位方向への移動を防止するために、トリガー部材を回転した後の、
図58に示された格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図60】トリガー部材の遠位方向への移動を許容するために、トリガー部材を回転した後の、
図59に示された格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図61】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図62】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図63】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図64】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図65】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【
図66】一つ以上の具体例による、格納式シリンジアセンブリの近位端の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の幾つかの例示的な具体例を説明する前に、本発明は、以下の説明において説明される構造または工程段階の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の具体例が可能であり、種々の方法で実行されるか、実施され得る。
【0031】
この開示において、器具の遠位端が患者に最も近い端であり、器具の近位端が患者から離れ、医師に最も近い端であるという表現法が用いられる。
【0032】
本発明の態様は、格納式シリンジアセンブリ、および、シリンジに液体を吸引し排出する方法、および、シリンジアセンブリに液体を吸引し排出するための指示を備えたシリンジアセンブリを提供する方法に関連する。
【0033】
本発明の第一の態様は、ニードルカニューラを含むニードルハブアセンブリを、シリンジアセンブリ内に格納するために、使用者によって作動させられる、格納機構を有する格納式シリンジアセンブリに関連する。
【0034】
図1〜
図5に示された具体例において、格納式シリンジアセンブリは、流体バレル110および格納バレル120を含む二筒シリンジバレル101を含む。格納式シリンジは、また、針ハブアセンブリ140、プランジャーロッド160、ストッパー170およびトリガー部材190を含む。
図4に示された流体バレルは、遠位端111、開放近位端119、遠位端111および近位端119から延び、チャンバー115を画定する内面114を含む側壁112を含む。内面114は、断面幅を画定し、以下により詳細に説明される再使用防止構造を含み得る。遠位端111は、遠位端111を囲む遠位壁117を含む。示された具体例において、側壁112は、液体バレルと格納バレルとの流体連通を可能にするための第一開口123を含む。以下により詳細に説明されるように、第一開口123は、また、格納バレル120内に配置されたニードルカニューレと格納バレル120と流体バレル110の間の流体連通を可能にする。
【0035】
図1〜
図7に示された流体バレルは、再使用防止構造を含み得る。特に、流体バレル110は、流体バレルの近位端119に近接した位置で、流体バレル110の内面114の全周に延びる保持要素109を含み得る。保持要素での内面114の断面幅は、第一断面幅、すなわち、流体バレルの長さに沿ったその他の箇所での内面114の断面幅より小さい。一つ以上の具体例において、任意のタブまたは戻り止めが、流体バレル110の第一断面幅より小さい断面幅を有する流体バレル110の領域を設けるために用いられ得る。保持要素は、また、再使用防止構造の作動を容易にするように形成され得る。例えば、流体バレル110は、また、流体バレル110の近位端119における保持要素に近接して近位に配置された直径遷移領域を含み得る。直径遷移領域における流体バレルの内面114の断面幅は、流体バレル110の遠位端111から近位端119にかけて増大する。以下により詳細に示されるように、再使用防止構造を利用する格納式シリンジアセンブリの具体例において、流体バレル110の再使用防止構造は、プランジャーロッド160を流体バレル110内で錠止するために、および/または、プランジャーロッド160の再使用を無効にするために、プランジャーロッド160上の対応する再使用防止構造と協働する。
【0036】
代替具体例が、
図6〜
図7に示され、格納式シリンジアセンブリは、単一のバレル200を含み得る。そのような具体例において、バレルの一部が、分離壁201によって流体バレル210に分離され、バレルの残りの部分が、格納機構およびニードルハブアセンブリを収容し、格納バレル220として言及される。分離壁201は、流体バレル210と格納バレル220との間で流体連通を可能とするための開口223を含み得る。
図6〜
図7の単一のバレル200は、小さいシリンジサイズに対してより大きい直径を備えることにより、把持を改良する長尺構造を提供する。
【0037】
図1〜
図5に示された具体例において、格納バレル120は、
図4に示された具体例における流体バレル110の側壁112に隣接して配置される。格納バレル120は、その中に、ニードルハブアセンブリ140および格納機構を収容するように形成される。格納バレル120は、開放された遠位端121および開放された近位端129を含む。ニードルチャンバー125を画定する内面124を有する壁122は、遠位端121から開放近位端129に延びる。格納チャンバーの壁122は、流体バレル110の側壁112に隣接している。一つ以上の具体例において、壁122は、流体バレル110と直接接触していない格納バレル120の一部の周りに延び、側壁112は、格納バレル120と流体バレル110との間の障壁を形成し得る。換言すると、側壁112の外面は、流体バレル110に直接接触している格納バレル120の一部に沿って、格納バレル120の内面124を形成し得る。
【0038】
ニードルチャンバー125のサイズは、ニードルハブアセンブリ140および/または格納機構に適合するように変更され得る。一つ以上の具体例によれば、格納バレル120の内面124は、流体バレル110の第一断面幅より小さい断面幅を有する。特定の具体例において、格納バレルの内面124の断面幅は、流体バレルの内面114の断面幅の、およそ、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%または20%より小さい。格納バレルの内面124の断面幅が、流体バレルの内面114の断面幅より小さい、そのような設計は、人間工学的および機能的な利点をもたらす。例えば、二筒シリンジの全体の外観および取り扱いは、使用者に、より訴求力がある。ある具体例において、格納バレルは、流体バレル内に入れ子にされ得る。例えば、格納バレルおよび流体バレルの双方は、共通壁によって、双方共に、境界をつけるか、または、境界線を引かれ得、格納バレルは、部分的に、または、完全に、流体バレル内に配置されるか、代わりに、分離壁が、単一のバレルを、流体バレルおよび格納バレルの、二つの分離したバレルに分離し得る。
【0039】
具体例における格納バレル120の開放された遠位端121は、完全に開放されるか、または、例えば、開放された遠位端121を部分的に囲む障壁(不図示)によって、部分的に覆われる。開放された遠位端121は、障壁がないか、完全に開放され得る。そのような具体例において、ニードルハブアセンブリが開放された遠位端121の周りの閉鎖体を形成し、その結果、ニードルカニューラ、および、流体バレル110と格納バレルとの流体連通を可能にする開口123との間に流体連通が存在する。
図5に示された一つの具体例において、壁122は、流体チャンバー115およびニードルチャンバー125との流体連通を可能にする第二の開口(不図示)を含み得る。壁の第二の開口は、また、流体チャンバー115、ニードルチャンバー125、および、ニードルカニューラ間の流体連通を可能にし得る。流体バレル110および格納バレル120間の流体連通は、流体バレル110の第一開口(不図示)および格納バレルの第二開口(不図示)から延びる第一流路(不図示)によってもたらされ得る。
【0040】
一つ以上の具体例において、格納バレルは、流体バレルの断面積より小さい断面積を有する。特定の具体例において、格納バレルの断面積は、流体バレルの断面積の、およそ、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%または20%より小さい。格納バレルの断面積が、流体バレルの断面積より小さい、そのような設計は、人間工学的および機能的な利点をもたらす。例えば、二筒シリンジの全体の外観および取り扱いは、使用者に、より魅力的である。
【0041】
ニードルハブアセンブリは、ニードルカニューラの開放端から格納バレルの第二開口(不図示)に延びる、第二流路(不図示)を含み得る。第二流路は、ニードルカニューラと流体バレルとの間の流体連通を可能にする第二開口と整列させられねばならない開口(不図示)を含み得る。
【0042】
ニードルハブアセンブリ140は、格納バレル120内に配置され、ニードルハブ142およびニードルハブ142に取り付けられたニードルカニューラ150を含む。ニードルハブ142は、遠位端141および近位端149を含む。ニードルカニューラ150は、自由な開放された遠位端151およびニードルハブの遠位端141に取り付けられた開放された近位端159を含む。
図4および
図8に示されたニードルハブ142は、ニードルハブ本体143およびニードルハブ本体143内の遠位に配置されたニードルカニューラ支持部146を含む。ニードルカニューラ支持部146は、ニードルカニューラの一端を部分的に収容するための凹所部分(不図示)を含む。凹所部分は、ニードルハブ142を通って格納バレルの第二開口に延び、ニードルカニューラ150と流体バレル110との間の流体連通を可能にする、第二流路(不図示)の一部を含み得る。
【0043】
ニードルハブアセンブリ140のニードルカニューラ150は、近位方向に移動するように付勢されている。示された具体例において、ニードルハブアセンブリ140は、近位方向に移動するように付勢されており、それにより、取り付けられたニードルカニューラ150を付勢する。示された具体例において、ニードルハブアセンブリ140は、ニードルハブ本体143とニードルカニューラ支持部148との間に配置された付勢部材152によって、近位方向に移動するように付勢されている。
図13〜
図17に、より完全に示されるように、付勢部材152は、ニードルカニューラ支持部146を取り囲むように示される。ニードルハブアセンブリ140に付勢部材152を組み付けるために、
図13に示されるように、付勢部材152は、最初に、ニードルカニューラ支持部146上に配置され、圧縮される。ニードルハブ本体143は、遠位端144、近位端145、遠位端に近接して配置された遠位部分147、および、近位端に近接して配置された近位部分148を含む。遠位部分147は、そこを通してニードルカニューラ150を受容するための開口(不図示)を備えた、円錐状の接続部を含み得る。近位端148は、ヒンジで連結された二つの囲み壁155、156を含む。囲み壁155、156は、ニードルカニューラ支持部および付勢部材152がニードルハブ本体143に組みつけられたとき、それらを取り囲む。特に、
図14に示されているように、ニードルカニューラ150は、遠位部分147の開口に挿入される。開口の断面幅は、遠位部分147の近位端から遠位部分147の遠位端にかけて増大しており、その結果、ニードルカニューラ150は、開口を通って延び、一方、ニードルカニューラ支持部146は、遠位部分147内に留まる。
図15および
図16のヒンジで連結された二つの囲み壁155、156は、
図17に示されるように、それらがニードルカニューラ支持部146および付勢部材152を取り囲むまで、内方に移動させられる。
【0044】
示された具体例において、付勢部材152は、ニードルカニューラ支持部146に係合する。付勢部材152は、ニードルハブ本体143に近位方向の一定力を付与する圧縮ばねであり得る、ばねを含み得る。代替具体例において、付勢部材152は、他の形で提供され得、例えば、レバーアーム(不図示)が、ニードルハブと障壁との間に配置され得る。ニードルハブ本体143は、付勢部材152、ニードルカニューラ支持部146およびニードルカニューラ150の近位方向への移動を支持する、破壊可能部分153を含む。以下により詳細に説明されるように、破壊可能部分153の破壊は、付勢されたニードルハブ142およびそれに取り付けられたニードルカニューラ150が格納バレル120内に後退することを可能にする。
【0045】
一つ以上の変形例において、全体のニードルハブアセンブリ140が付勢され得る。例えば、ニードルハブ本体143、ニードルカニューラ支持部146およびニードルカニューラ150は、付勢された一体ユニットとして提供され得、格納バレルは、破壊可能で、ニードルハブアセンブリに遠位方向への力を付与する支持部(不図示)を含み得る。付勢部材152は、ニードルハブアセンブリ140と格納バレル120の遠位端121との間に配置され得る。支持部材によって、ニードルハブアセンブリ140に遠位方向に付与される力は、付勢部材152によって、ニードルハブアセンブリ140に近位方向に付与される力と対抗する。支持部材が破壊されると、ニードルハブアセンブリ140は、格納バレル120内に格納させられ得る。
【0046】
破壊可能部分153は、
図8〜
図12に、ニードルハブ本体143の内面の部分に沿って配置された、部分的に延びる棚壁154として示される。棚壁154は、ニードルカニューラ支持部を取り囲む付勢部材152に近接して配置された、支持障壁を形成するために放射方向内方に延び、付勢部材152の移動または伸長を阻止する。破壊可能部分153が例えば、トリガー部材190の遠位方向への移動によって破壊されると、付勢部材152とニードルカニューラ支持部材146との係合は、付勢部材152が、ニードル支持部材146およびそれに取り付けられたニードルカニューラ150を、トリガー部材190および/または格納バレル120内に移動させることをもたらす。特に、付勢部材152の伸長は、ニードルカニューラ支持部146およびニードルカニューラ150を、トリガー部材190および/または格納バレル120内へ駆動する。
【0047】
ニードルハブアセンブリは、ニードルチャンバー内へ移動可能な大きさとされている。ニードルハブアセンブリの大きさおよび形は、異なるサイズを有するニードルチャンバーへの移動を可能とするように変更され得る。組み立てられた状態において、使用前に、ニードルハブアセンブリは、格納バレルの開放遠位端に配置される。
【0048】
プランジャーロッド160が、流体バレル110内に配置され、流体バレル110の内面114と液密シールを形成するため、それに取り付けられたストッパー170を含む。プランジャーロッド160は、プランジャーロッド160を流体バレル110内でロックするか、さもなければ、プランジャーロッド160を使えないようにする、再使用防止構造を含み得る。プランジャーロッドは、流体バレル110上に配置された再使用防止構造と協働する再使用防止構造を含み得る。一つ以上の具体例において、プランジャーロッドは、保持要素109での流体バレル110の内面114の断面幅より大きい断面幅を有する突起113を含み得る。上述したように、保持要素は、流体バレル110の長さに沿った他の箇所におけるよりも小さな断面幅を形成する。したがって、プランジャーロッドの突起が、流体バレル110の保持要素を越えて遠位に進むと、保持要素のより小さい断面幅は、近位方向への突起の移動を防止する。したがって、プランジャーロッド160は、保持要素によって、流体バレル110内でロックされる。一つ以上の具体例において、ストッパー170および/またはプランジャーロッド160は、ストッパー170に対するプランジャーロッド160の相対的な移動を可能にする構造を有し得る。例えば、ストッパー170は、プランジャーロッド160の遠位端が、内部凹所内を遠位および近位に移動することを可能にする、内部凹所を有し得、したがって、プランジャーロッドおよびストッパーの長さを、長くしたり短くしたりする。ストッパーに対するプランジャーロッドの相対的な移動を許容する、例示的なプランジャーロッドおよびストッパーは、米国特許出願第12/137732号(特許文献1として公開されている。)および米国出願第12/262836号(特許文献2として公開されている。)に開示されており、その全てにおいて、ここに参照として組み込まれる。
【0049】
ストッパー170は、また、流体バレル110に配置された再使用防止構造と協働する再使用防止構造を含み得る。例えば、ストッパー170は、保持要素での流体バレル110の内面114の断面幅より大きい断面幅を有するシール部(不図示)を含み得る。そのような具体例において、ストッパー170の除去は、流体バレル110の保持リングのより小さい断面幅が、ストッパー170が除去されるのを妨げるので、防止される。プランジャーロッド160とストッパー170は、プランジャーロッド160がストッパー170と分離されることを可能にする破壊可能な結合172によって結合され得、ストッパー170は、保持要素によって流体バレル110内にロックされて留まる。例示的な、再使用防止構造を含むストッパー、破壊可能結合によって結合されたプランジャーロッドおよびストッパーは、上記の米国特許出願第12/137732号および米国出願第12/262836号に開示されている。
【0050】
格納可能なシリンジアセンブリ101は、また、遠位端191および近位端199を含むトリガー部材190を含む。トリガー部材190は、プランジャーロッド160とは独立に可動であり、格納バレル120のニードルチャンバー125内に延びる。
図4に示された具体例において、トリガー部材190は、シリンジアセンブリの格納機構を作動させるために、使用者が遠位方向に力を付与するトリガーパッド194を含む。
【0051】
トリガー部材190は、ニードルカニューラ150が後退して、格納バレル内に収容されるよう、付勢部材152を解放するために、ニードルハブ本体143の破壊可能部材153にトリガー力を与えるような大きさ、形とされて、配置されている。トリガー部材190は、遠位端191から近位端199に延びるトリガー部材本体192を含む。トリガー部材本体192は、円筒形を有するように形成され、長尺である。示された具体例において、トリガー部材190は、開放遠位端191を有し、トリガー部材本体192は、ニードルハブ142およびニードルカニューラ150を収容するための中空内部193を有する。トリガー部材の近位端199は閉鎖され、ニードルハブ142およびニードルカニューラ150が格納バレル内に格納された後、中空内部193内にニードルハブ142を保持するように傾斜が設けられ得る。ニードルカニューラ支持部146は、また、トリガー部材190内に、後退したニードルカニューラ支持部146およびニードルカニューラ150を保持するための構造を含み得る。
【0052】
トリガー部材の開放遠位端191は、破壊可能部分153に付加される力を集中させることによって、より効果的に破壊可能部分153を破壊する、斜めになった端部を有し得る。破壊可能部分153の破壊は、付勢部材152およびニードルカニューラ支持部146に遠位方向に付加されている力を解放する。この遠位方向の力の解放後、付勢部材152によってニードルカニューラ支持部146に近位方向に付加されている力が、付勢部材152の圧縮によって残る。付勢部材152の伸長または付勢部材152によってニードルカニューラ支持部146に対して近位に向けられた力の存在は、ニードルハブ142が格納バレル120、特に、トリガー部材の中空内部193内に、後退または移動するのを可能にする。
【0053】
使用時、
図8〜
図10に示されているように、使用者は、流体バレル内に流体または液体を吸引すること、不注意に格納機構を作動させたり、また、ニードルカニューラを後退させたりせずに、流体を排出させることを妨げられない。使用者が所望どおりに吸引し、排出させた後、使用者は、トリガー部材190に遠位方向に力を付加することにより格納機構を作動させ得る。分離した格納バレル120およびニードルチャンバー125は、格納機構を作動させるために、信頼できるか一定の作動力の使用を可能にする。特に、作動力は、流体チャンバー115内に充填された液体の粘度に、もはや依存しない。加えて、作動力は、シリンジアセンブリの通常の操作の間の不意の作動のリスクを、もはや補う必要はなく、それゆえ、作動力は、低レベルで設定され得る。さらに、格納機構は、いくつかの格納式シリンジアセンブリによって必要とされるように、ストッパーをもはや切断する必要はないので、作動力は、ストッパーを貫通するように最適化される代わりに、格納機構を単に作動させるように最適化され得る。
【0054】
加えて、流体バレル110からの格納機構の分離は、また、プランジャーロッドを用いる流体の吸引および注入と、もはや連動していないので、不意の作動を減少させる。したがって、高速注入の間に適用される強い力によって格納機構の時期尚早の作動のリスクが存在しない。使用時、指または親指が、流体バレル110の内容物を排出するため、プランジャーロッド160への力を適用するために用いられた後、使用者は、単に、格納バレル120の近位端で、親指プレス164に近接して配置されたトリガーパッド194に指または親指を移す。使用者は、格納型シリンジアセンブリの公知具体例に必要とされるように、格納機構を作動させるために、握りを変更したり、両手を使用したりする必要はない。
【0055】
ここに開示された、格納バレル、ニードルハブアセンブリおよびシリンジアセンブリの格納機構の分離は、また、全ての大きさの格納シリンジに対して交換可能なニードルの使用を可能にする。全体のシリンジアセンブリに対する、ニードルハブアセンブリの非対称の配置は、低角度の注射(すなわち、皮下注射)を容易にする。さらに、非対称の配置は、また、使用者が、単に、シリンジアセンブリを把持することにより、ニードルカニューラの配置を回り止めすることを可能にする。
【0056】
一つ以上の具体例において、ニードルハブアセンブリは、液体のための漏れない流路を提供するよう、格納バレルに取り付けられ得る。一つ以上の具体例において、このことは、ニードルハブアセンブリを組み立てるために必要とされる、押圧および回転によって作動させられるシール部材を含む、ニードルハブアセンブリを用いることによって実現される。押圧および回転動作は、格納バレルにおける対応する構造に取り付ける、ニードルハブ上の少し斜めになった表面を組み込むことによって実現される。ニードルハブアセンブリは、また、一方向に回転させられ取り付けられるように設計され得る。このことは、ニードルハブアセンブリが、規定の位置にロックされるのを可能にし、付加される回転力は、シール圧に変えられる。
【0057】
図18〜
図23に示された具体例において、ニードルハブアセンブリ200は、格納バレルへのシール圧を提供するため、格納バレル220およびニードルシールド240と協働するように形成され、大きさが決められる。示された具体例において、格納バレル220は、開放遠位端221から延びる壁223を含む。壁は、ニードルハブアセンブリ200を格納バレルに固定するために、遠位端221に配置された固定部材222を含む。固定部材222は、
図18に示されるように、バレルの側壁と一体に形成されている。示された具体例において、固定部材222は、ニードルハブアセンブリの対応するフィンガー部材または他の突起を受け入れる、少なくとも一つの凹みまたは開口224を含む。示された具体例において、開口224は、開放遠位端221から遠位方向に延びる。固定部材は、また、開口224に近接して配置された少なくとも一つの内方に延びる突起226を含む。突起226は、格納バレルの開放遠位端221内へ内方に延びる。
【0058】
格納バレル220は、ニードルハブアセンブリ200と流体チャンバーとの間の流体連通を可能にするための開口232を含む流体チャンバー(不図示)を備えた流体バレル230に取り付けられる。開口232は、格納バレルの開放遠位端221の、突起226とは対向側に配置される。格納バレルの固定部材222は、ニードルハブアセンブリ200を格納バレルに固定するために、ニードルハブアセンブリ200を協働する代替構造を含み得る。
【0059】
図19に示されるように、ニードルハブアセンブリ200は、格納バレルへの取り付けに先立って、ニードルシールド240と組み立てられる。
図23に示されるように、ニードルハブアセンブリは、遠位端203および近位端(不図示)を有するニードルハブ本体202を含む。遠位端203は、開口204を含む。ニードルカニューラ205は、ニードルハブ本体202内に配置され、ニードルハブ本体の開口204を通って延びる。付勢部材(不図示)が、ここにおいて、例えば、
図8〜
図17を参照して、別な方法で説明されているように、ニードルハブ本体202内に配置され得る。ニードルハブ本体202は、格納バレル220の固定部材222と係合する取り付け部材208を含む、外面206を含む。外面206は、概して、丸まった円錐形または湾曲した円錐形を有する。示された具体例において、ニードルハブアセンブリの取り付け部材208は、ニードルハブ本体の外面206に配置された、少なくとも一つの放射方向外方に延びるタブ210を含む。タブ210は、突起226の下方にスライドさせることにより突起226と係合し、その結果、突起226は、ニードルハブアセンブリ200が格納バレルに取り付けられたとき、タブ210に、近位方向の力を及ぼす。
【0060】
ニードルハブ本体202は、また、ニードルカニューラ205と流体バレルの開口232との流体連通を可能にする開口通路212を含む。示された具体例において、取り付け部材208および固定部材222の位置および配置は、開口通路212と開口232との整列を可能にする。さらに、取り付け部材208と固定部材222の適正な係合は、流体バレル230とニードルカニューラ205との間の流体連通を確保する。
【0061】
示された具体例において、ニードルハブ本体202は、また、外面206に沿って配置された少なくとも一つのフィンガー部材214を含む。特に、フィンガー部材214は、外面206に取り付けられた遠位端215、および、自由であり、ニードルハブ本体202の外面206に取り付けられていない近位端216を有する。
図23に示された具体例において、フィンガー部材214は、ハブ本体の外面から外方に延びるように弾力性がある。フィンガー部材214への放射方向外方に向けた力の適用は、ニードルハブ本体の外面206から近位端216を持ち上げることを可能にする。示された具体例におけるフィンガー部材214は、ニードルハブ本体202の遠位端203および近位端(不図示)の間の中間点に近接して遠位に配置された遠位リング217を延ばした、長尺形状を有する。ニードルハブ本体202の外面206上への圧入を成す、示された具体例における遠位リング217は、外面206の周囲に沿って延びる。一つの変形において、遠位リングは、外面206から外方に延びるリブを形成し得る。
【0062】
フィンガー部材214は、示された具体例においては、丸まった遠位端215を有するが、異なる形状を有する遠位端215を含み得る。フィンガー部材214は、ニードルハブ本体202の外面206に対して隆起したプラットフォームを形成する。遠位端215から曲がった部分218まで、フィンガー部材214は、ニードルハブ本体202の円錐形状の外面206に実質的に平行に延びる。曲がった部分218から近位端216まで、フィンガー部材214は、格納バレル220に実質的に平行に延びる。外面206は、また、フィンガー部材214に近接した凹み部分207を含む。凹み部分207は、外面206の残りの部分のように、湾曲した円錐形を有さず、代わりに、格納バレルに平行または格納バレルに対して内方に湾曲した表面を有する。フィンガー部材214および凹み部分207は、タブ210に近接して配置される。示された具体例において、ニードルハブ本体202は、ニードルハブ本体202の一方から他方に横切って配置された二つのタブ210およびこれらの間に配置された凹み部分207およびフィンガー部材214を含む。開口通路212は、フィンガー部材214および凹み部分207からみて、タブ210の反対側に配置される。
【0063】
ニードルシールド240は、ニードルハブ本体202上に配置され、その結果、ニードルカニューラ205を収容する。ニードルシールド240は、ニードルカニューラ205からの使用者に対する保護を提供し、ニードルカニューラ205の汚染を防止する。ニードルシールド240は、また、ニードルハブアセンブリ200と格納バレルの固定部材222の係合を作動させる。示された具体例において、ニードルシールド240は、ニードルハブ本体202と係合する構造を有し、格納バレル220に対して、その回転を容易にしており、その結果、ニードルハブアセンブリ200は、格納バレルに適正に取り付けられる。示された具体例において、ニードルシールド240は、閉鎖された遠位端(不図示)、開放された近位端249、ならびに、ニードルハブ本体202およびニードルカニューラ205を受け入れるための空間243を画定する中空体242を含む。中空体242は、内面242を含む。内面242は、ニードルシールド240を、ニードルハブ本体202に係合可能とし、格納バレルへのニードルハブアセンブリ200の取り付けを容易にする構造を含む。
【0064】
内面242は、内方に延び、ニードルハブ本体202の少なくとも一つのフィンガー部材214と係合する複数の戻り止め244を含む。戻り止め244は、フィンガー部材214と係合して、ニードルハブ本体202を固定部材222に対して回転させ、ニードルハブアセンブリ200を格納バレルの開放遠位端に取り付ける。
【0065】
図20に示されるように、ニードルハブアセンブリ200およびニードルシールド240が、格納バレルの開放遠位端221内に配置されると、フィンガー部材214は、格納バレルの壁223上を移動するにつれて曲がる。使用者が、ニードルシールド240およびそれに取り付けられたニードルハブアセンブリ200を回転させると、戻り止め244がフィンガー部材214に係合し、フィンガー部材214に回転力を付与して、タブ210が、格納バレルの突起226と係合し、フィンガー部材214が、格納バレルの壁223の開口224と係合するまで、ニードルハブ本体202とニードルハブアセンブリ200を回転させる。タブ210と突起226との、および、フィンガー部材214お開口224との係合によって、開口232は、ニードルハブアセンブリの開放通路212と整列させられる。換言すると、固定部材222と取り付け部材208との係合は、開口とニードルカニューラとの流体連通を可能にする。固定部材222および取り付け部材208の適正な係合の後、ニードルシールドは、ニードルハブ本体202から除去され得る。
【0066】
格納バレルからニードルハブアセンブリ200を除去するために、使用者は、ニードルハブ本体202およびニードルカニューラ205を覆ってニードルシールド240を配置し、ニードルシールド240に回転力を付与すると、ついで、戻り止め244がフィンガー部材214に回転力を付与し、ニードルハブ本体202が、タブ210を突起226から、そして、フィンガー部材214を開口から解放するよう、反対方向に回転することを可能にする。
【0067】
本発明の第二の態様は、格納機構とニードルチャンバー内のニードルカニューラの分離した封じ込みを提供する格納式シリンジアセンブリに関する。アセンブリは、また、シリンジアセンブリの近位端に配置された、作動ボタンを含み、作動ボタンは、ニードルチャンバー内に延び、ニードルチャンバーに近接して配置された、分離された流体チャンバーに流体を吸引し、排出するように用いられるプランジャーロッドに近接して配置されている。ボタンの作動で、ニードルハブは、ニードルチャンバー内に解放される。
【0068】
第二の態様による具体例は、格納ニードルシリンジに代替機構を提供する。典型的な格納ニードルシリンジは、格納機構が作動された後、プランジャーロッド内のチャンバーに、ニードルカニューラおよび他の関連する要素を収容することをもたらす。このことは、作動中、シールされたプランジャーおよびストッパーが破壊されるのを可能とするため、増大された要素の複雑さを要求する。第二の態様による具体例の二筒設計は、格納機構を専用領域に移動させ、標準のプランジャーおよびストッパーが用いられることを可能にする。
【0069】
最も標準的に設計された格納ニードル(プランジャー作動の格納を備える単一バレル設計)は、プランジャーロッドの後方への継続的な圧力によって、投与後に作動させられる。これらは、医薬の分配中に適用されねばならない力と同じであるので、不注意の作動が生じ得る。特に、そのような器具は、投薬中、十分な圧力が発生させられると、不注意に作動させられ得る、すなわち、バレルからの粘性の医薬の放出中には、付加されるより強い力を必要とし、そのような力は、格納機構を作動させるに必要な力を超え得る。他の公知の器具において、ストッパーに発生させられる圧力は、ストッパーの障害またはプランジャーロッド内に移動できる開口をもたらすに十分であり得る。
【0070】
標準のタイプの格納機構、プランジャー作動安全シリンジは、上述したとおり、増大したシリンジ圧力および関連した大きなプランジャー力に抵抗しなければならない。このことは、早過ぎる格納を防止するために、いくらかの安全マージンによる、操作力を超える大きな作動力の要求の原因となる。加えて、このタイプのほとんどの器具は、完全な分配の後、分配運動と同じ方向の付加的なプランジャー運動を採用しており、限界力は、使用者が、完全に底に達したプランジャーと作動操作との間を区別することができるように採用される必要がある。
【0071】
プランジャーロッドとはっきり区別できる、分離した開放機構を組み込むことによって、この限定は、二筒バレル設計において除去され、解放作動力は、使用者の要求、人間工学、および、安全の考慮に基いて、任意に特定される。さらに、プランジャーロッドから格納機構を離脱させることは、ニードルの格納が生じるとき、操作者によりよいコントロールを提供でき、早過ぎる作動の可能性を除去できる、ニードルの格納に利用される分離した、区別できる制御を可能にする。さらに、プランジャーロッドとストッパーは、もはや、格納機構と一緒に用いられないので、存在する器具からのプランジャーロッドおよびストッパーは、ここに説明される具体例と共に用いられ得る。
【0072】
第二の態様の一つ以上の具体例による格納可能シリンジアセンブリ300が、
図24〜
図29に示される。シリンジアセンブリ300は、流体バレル310および格納バレル320を含む、二筒バレルを含む。格納シリンジは、また、ニードルハブアセンブリ340、プランジャーロッド360、ストッパー370およびトリガー部材390を含む。
図27Aから
図27Dに示された流体バレルは、遠位端311、開放近位端319、遠位端311と近位端319から延び、チャンバー315を画定する内面314を含む側壁312を含む。内面314は、断面幅を画定し、以下でより詳細に説明される、再使用防止構造を含み得る。遠位端311は、遠位端311を囲む遠位壁317を含む。示された具体例において、側壁312は、流体バレルと格納バレルとの間の流体連通を可能にする、第一開口330を含む。以下により詳細に説明されるように、第一開口330は、また、格納バレル320内に配置されたニードルカニューラと流体バレル310との間の流体連通を可能にする。
【0073】
図24〜
図29に示された流体バレルは、再使用防止構造を含み得る。特に、流体バレル310は、流体バレルの近位端319に近接した位置で、流体バレル310の内面314の全周の周りに延びる保持部材309を含み得る。保持部材での内面314の断面幅は、第一断面幅、すなわち、流体バレルの長さに沿った残りの位置での内面314の断面幅より小さい。一つ以上の具体例において、流体バレル310の第一断面幅より小さい断面幅を有する流体バレル310の領域を創生するために、任意のタブまたは戻り止めが使用され得る。保持部材が、また、再使用防止構造の作動を容易にするように形成され得る。例えば、流体バレル310は、流体バレル310の近位端319で保持部材に近接して近位に配置された直径遷移領域を含み得る。直径遷移領域での流体バレルの内面314の断面幅は、流体バレル310の遠位端311から近位端319にかけて増大する。以下により詳細に説明されるように、再使用防止構造を用いる格納式シリンジアセンブリの具体例において、流体バレル310の再使用防止構造は、プランジャーロッド360を流体バレル310内にロックするため、および/または、プランジャーロッド360を更に使用できないようにするため、プランジャーロッド360上の対応する再使用防止構造と協働する。
【0074】
より明確に
図27A〜
図27Dに示されるように、格納バレル320は、流体バレル310の側壁312に隣接して配置される。格納バレル320は、その中にニードルハブアセンブリ340と格納機構とを収容するように形成されている。格納バレル320は、遠位端321および近位端329を含む。遠位端は、その中に、ニードルハブアセンブリ340を収容する先細りの壁部分323を含む。ニードルチャンバー325を画定する内面324を有する壁322は、開放遠位端321から開放近位端329まで延びる。格納チャンバーの壁322は、流体バレル310の側壁312に隣接する。一つ以上の具体例において、壁322は、流体バレル310と直接接触していない格納バレル320の一部の周りに延び得、側壁312は、格納バレル320と流体バレル310の間の障壁を形成し得る。換言すると、側壁312の外面は、流体バレル310と直接接触しない格納バレルの一部に沿って格納バレル320の内面324を形成し得る。
【0075】
ニードルチャンバー325の大きさは、ニードルハブアセンブリ340および/または格納機構を収容するように変更され得る。一つ以上の具体例によれば、格納バレル320の内面324は、流体バレル310の第一断面幅より小さい断面幅を有する。特定の具体例において、格納バレルの内面324の断面幅は、流体バレルの内面314の断面幅のおよそ90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%または20%未満である。格納バレルの内面324の断面幅が、流体バレルの内面314の断面幅未満である、そのような設計は、人間工学的および機能的利点を提供する。例えば、二筒シリンジの全体的な外観および取り扱いは、使用者に、より魅力的である。ある具体例において、格納バレルは、流体バレル内に入れ子状にされ得る。例えば、格納バレルおよび流体バレルの双方は、共通の壁によって双方ともに結合されるか外接され、および、格納バレルは流体バレル内に部分的にまたは完全に配置され得るか、または、代替的に、隔壁が、単一のバレルを、二つの分離したバレル、流体バレルおよび格納バレル、に分離し得る。
【0076】
壁322は、流体チャンバー315とニードルチャンバー325との流体連通を許容する第二開口332を含み得る。壁の第二の開口は、また、流体チャンバー315、ニードルチャンバー325およびニードルカニューラの間の流体連通を許容し得る。
【0077】
一つ以上の具体例によれば、格納バレルは、流体バレルの断面積より小さい断面積を有する。特定の具体例において、格納バレルの断面積は、流体バレルの断面積のおよそ90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%または20%未満である。格納バレルの断面積が、流体バレルの断面積未満である、そのような設計は、人間工学的および機能的利点を提供する。例えば、二筒シリンジの全体的な外観および取り扱いは、使用者に、より魅力的である。
【0078】
ニードルハブアセンブリは、ニードルカニューラの開放端から格納バレルの第二開口332に延びる流路354を含み得る。第二流路は、ニードルカニューラと流体バレルの流体連通を可能とするために、第二開口と整列させられねばならない開口(不図示)を含み得る。
【0079】
図28および
図28Aを参照すると、ニードルハブアセンブリ340は、格納バレル320内に配置され、ニードルハブ342およびニードルハブ342に取り付けられたニードルカニューラ350を含む。ニードルハブ342は、遠位端341および近位端349を含む。ニードルカニューラ350は、自由で開放された遠位端351、および、ニードルハブの遠位端341に取り付けられた、開放された近位端359を含む。
図28および
図28Aに示されたニードルハブ342は、ニードルカニューラの一端を部分的に収容するための凹所部分355を含む。凹所部分355は、流路354と流体連通にあり、ニードルカニューラ350と流体バレル310との間の流体連通を可能にする。
【0080】
ニードルハブアセンブリ340のニードルカニューラ350は、近位方向に移動するように付勢される。示された具体例において、ニードルハブアセンブリ340は、近位方向に移動するように付勢され、それにより、取り付けられたニードルカニューラ350を付勢する。ニードルハブアセンブリ340は、ニードルカニューラ350と格納バレルの先細りの壁部分323との間に配置された付勢部材352によって、近位方向に移動するように付勢される。
図26〜
図27により完全に示されるように、付勢部材352は、ニードルカニューラ350を囲んでいるものとして示されている。
【0081】
示された具体例において、付勢部材352は、ニードルカニューラ350と係合する。付勢部材352は、ニードルハブ342に近位方向への一定の力を付与する圧縮ばねであり得る、ばねを含み得る。代替具体例において、付勢部材352は、例えば、ニードルハブと障壁との間に配置され得るレバーアーム(不図示)のような、他の形態で提供され得る。ニードルハブ342は、格納バレルの先細りの壁部分323との流体密封を形成するために、ニードルハブ342の外面に沿って配置された少なくとも一つのハブシール343を含む。以下に、より詳細に説明されるように、トリガー部材390がニードルハブ342を支持し、付勢部材352が近位方向に動くのを防止している。ニードルハブ342は、ニードルハブ342を支持するトリガー部材390の対応する構造を受け入れて係合する少なくとも一つの戻り止め344を含む。以下に、より詳細に説明されるように、トリガー部材の対応する構造から戻り止め344を外すことは、付勢されたニードルハブ342およびそれに取り付けられたニードルカニューラ350を、格納バレル320内に引っ込めることをもたらす。
【0082】
例えば、
図25、
図28および
図28Aに示された具体例において、ニードルハブ342は、第一取り付け部分を含む。示された具体例において、第一取り付け部分は、ニードルハブ342の対向端に配置された、少なくとも二つの戻り止め344または溝345の形で提供される。溝345は、ニードルハブアセンブリの近位端349に近接して配置される。溝は、ニードルハブ342内に放射方向内方に傾斜した第一部分、傾斜せず、ニードルハブがそれに沿って配置される軸に実質的に平行な第二部分、および、放射方向外方に鋭角的に傾斜する第三部分を含んでいるものとして示されている。第一取り付け部分は、トリガー部材390と溝345の係合を容易にする。第三部分347は、十分な力がトリガー部材390に適用されるまでトリガー部材390の脱離を防止する。特に、第三部分347の鋭角的な傾斜は、トリガー部材が戻り止め344と係合されると、トリガー部材が、戻り止めを超えて、戻り止め外に摺動することを防止する。ここにおいてトリガー力として言及される、戻り止め344の第三部分347に打ち勝つための十分な力が、トリガーロッド390に付加されると、トリガー部材390のニードルハブ342からの離脱は、付勢部材352が、ニードルカニューラ350およびそれに取り付けられたニードルハブ342を、トリガー部材390および/または格納バレル320内に移動させることを可能にする。特に、付勢部材352の伸長は、ニードルカニューラ350およびニードルハブ342を、トリガー部材390および/または格納バレル320内へ動かす。
【0083】
ニードルハブアセンブリは、ニードルチャンバー内で移動可能な大きさとされる。ニードルハブアセンブリの大きさおよび形は、異なるサイズを有するニードルチャンバー内での移動を可能とするように変更され得る。組み立てられた状態において、使用前、ニードルハブアセンブリは、格納バレルの開放遠位端に配置される。
【0084】
プランジャーロッド360は、流体バレル310内に配置され、流体バレル310の内面314と流体密封シールを形成するために、それに取り付けられたストッパー370を含む。プランジャーロッド360は、プランジャーロッド360を流体バレル310内でロックするか、さもなければプランジャーロッド360を作動できないようにする、再使用防止構造を含み得る。プランジャーロッドは、流体バレル310に配置された再使用防止構造と協働する、再使用防止構造を含み得る。一つ以上の具体例において、プランジャーロッドは、保持部材309での流体バレル310の内面314の断面幅より大きい断面幅を有する、突起313を含み得る。上述したように、保持部材は、流体バレル310の長さに沿った他の箇所より小さい断面幅を形成する。したがって、プランジャーロッドの突起が、流体バレル310の保持部材を超えて遠位に進むと、保持部材のより小さな断面幅は、近位方向への突起の移動を防止する。したがって、プランジャーロッド360は、保持部材によって、流体バレル310内にロックされる。一つ以上の具体例において、ストッパー370および/またはプランジャーロッド360は、ストッパー370に対してプランジャーロッド360の相対的な移動を可能にする構造を有し得る。例えば、ストッパー370は内部凹所を有し得、プランジャーロッド360の遠位端が内部凹所内で遠位および近位方向に移動するのを可能にし、したがって、プランジャーロッドおよびストッパーの長さを長くしたり短くしたりするのを可能にする。ストッパーに対するプランジャーロッドの相対的な移動を許容する、典型的なプランジャーロッドおよびストッパーは、上述され、ここに参照として組み込まれる米国特許出願第12/137,732号および第12/262,836号に開示される。
【0085】
ストッパー370は、また、流体バレル310に配置された再使用防止構造とまた協働する再使用防止構造を含み得る。例えば、ストッパー370は、保持部材での流体バレル310の内面314の断面幅より大きい断面幅を有するシール部分(不図示)を含み得る。そのような具体例において、ストッパーの除去は、流体バレル310の保持部材のより小さな断面幅が、ストッパー370の除去を防止するので、防止される。プランジャーロッド360およびストッパー370は、プランジャーロッド360がストッパー370から切断されるに至ることを可能にする、壊れやすい結合372で結合され得、一方、ストッパー370は、保持リングにより、流体バレル310内にロックされて留まる。再使用防止構造を含む典型的なストッパー、および、壊れやすい結合によって結合されたプランジャーロッドおよびストッパーは、米国特許出願第12/137,732号および第12/262,836号に開示され、ここに参照として組み込まれる。
【0086】
格納式シリンジアセンブリ300は、遠位端391および近位端399を含むトリガー部材390を含む。トリガー部材390は、プランジャーロッド360とは独立に移動可能であり、格納バレル320のニードルチャンバー325内に延びる。示された具体例において、トリガー部材390は、使用者が、シリンジアセンブリの格納機構を作動させるためにそこに遠位方向に力を付加するトリガーパッド394を含む。
【0087】
トリガー部材390は、遠位端391から近位端399まで延びるトリガー部材本体392を含む。トリガー部材本体392は、円筒形状を有するように形成され、長尺状である。示された具体例において、トリガー部材390は、開放遠位端391を有し、トリガー部材本体392は、ニードルハブ342およびニードルカニューラ350を収容するための中空内部393を有する。トリガー部材の近位端399は閉鎖され、ニードルハブ342およびニードルカニューラ350が格納バレルに格納された後、中空内部393内にニードルハブ342を保持するために先細りとされ得る。ニードルカニューラ350は、また、トリガー部材390内に格納されたニードルカニューラ350を保持するための構造を含み得る。
【0088】
トリガー部材390の遠位端391は、第一の取り付け部分と係合する第二の取り付け部分394を含む。示された具体例において、第二の取り付け部分は、トリガー部材本体392から遠位に延びる、少なくとも一つの弾性アーム395を含む。弾性アーム395は、ニードルハブ342の溝345と係合するような、大きさ、形、位置とされた解放部材396を含む。特に、戻り止めは、放射方向内方に傾斜した第一部分346、傾斜せず、トリガー部材390が配置される軸に沿って軸と実質的に平行な第二部分、および、鋭角的に放射方向外方に傾斜する第三部分347を含む。解放部材396は、溝345の形状および大きさを複製しない、他の形状および大きさを有し得ることが、理解されるであろう。
【0089】
格納バレルの内面324は、トリガー力の付与により、トリガー部材390の弾性アーム395を捕らえるか保持するための捕捉リブ380を含み得る。特に、捕捉リブ380は、先細りの壁部分323に近接して配置され、ニードルチャンバー325内に延びる。捕捉リブは、格納バレルの内面に取り付けられた遠位端、ニードルチャンバー325へ延びる自由近位端を有する。捕捉リブ380は、トリガー力の付加により、トリガー部材390の遠位端391が、捕捉リブ380を超えて摺動し、または、乗り上がるのを容易にするように形成され、解放部材396が、溝345から離脱し、トリガーロッドが遠位方向に移動するのを可能にする。
図26により明確に示されるように、トリガー部材390の弾性アーム395が、捕捉リブ380上を摺動すると、弾性アーム395は、外方に、曲がるか移動する。捕捉リブ380は、弾性アーム395を曲がった位置に保持し、ニードルハブ342、ニードルカニューラ350および付勢部材352が、解放部材396を通過し、トリガー部材の中空内部393へと、近位に移動することを可能とする。
【0090】
格納バレル320は、格納バレルの近位端に近接して配置された解放開口383を含む。解放開口383は、格納バレルの壁322に凹みを形成するようにして閉鎖され得る。トリガー部材390は、解放開口383に係合する、トリガー部材本体392に配置された解放戻り止め397を含む。解放開口383および解放戻り止め397は、使用者に、ニードルハブ342の溝345に打ち勝つためにどの程度の力で十分なのかの表示を提供する。この表示は、可視的表示、触覚的表示、または、可視的表示および触覚的表示の組み合わせであり得る。特に、戻り止め397を解放開口383から離脱させるために必要とされる力は、トリガー力と同じか、実質的に同じである。解放戻り止め397の高さは、解放戻り止め397を解放開口383から離脱させるための多くのまたは少ない力を要求するように変更され得る。加えて、解放開口383は、壁322の内面と開放開口383との間の角度を減少するように曲線状の入口を有するよう変更され得る。解放開口383が開口され、閉鎖されていない場合の具体例において、解放開口383はおよび解放戻り止め397は、トリガー力が付加されたかどうかの可視的表示を提供する。特に、使用者は、解放戻り止め397が解放開口383に係合されているかどうかを見ることができ、トリガー力が付加されたかどうかを知ることができる。
【0091】
一つ以上の具体例において、解放開口383から解放戻り止め397を離脱させるための、および/または、溝345から解放部材396を離脱させるために必要とされるトリガー力は、少なくとも、およそ、1.81kgf(4lbf)である。一つ以上の変形例において、トリガー力は、およそ、1.81kgf(4lbf)である。他の変形例において、トリガー力は、およそ、0.91、1.36、1.81、2.27または2.72kgf(2、3、4、5または6lbf)である。より特定の具定例において、トリガー力は、1.59〜2.04kgf(3.5〜4.5lbf)の範囲である。
【0092】
示された具体例において、ニードルハブアセンブリは、格納バレル内に囲い込まれるため、格納バレル320に取り外せないように取り付けられる。一つ以上の代替具体例において、ニードルハブアセンブリは、格納バレル320に取り外し可能に取り付けられ得、または、使用者により、格納バレルの開放遠位端321に取り付けられ得る。
【0093】
図29を参照すると、プランジャーロッド360、トリガー部材390およびシリンジバレル301の長さは、
図29に示されるように、プランジャーロッド360がシリンジの全ての内容物の排出でトリガー部材と整列するように、変更され得る。プランジャーロッド360とトリガー部材390の整列は、流体バレル310の内容物が排出され、ニードルカニューラ350が格納バレル内に格納されたことの、可視的表示または触感的表示の一つ以上を提供する。さらに、ストッパー370が流体バレル310の遠位壁317と接触した後の、トリガー部材390とプランジャーロッド360のそのような整列は、流体バレルが充填されたとき、トリガー部材390がプランジャーロッド360と整列されないことを要求する。特に、トリガー部材390は、プランジャーロッド360よりも、格納バレルの近位端329および流体バレルの近位端319に、より近接して配置される。この整列は、ニードルカニューラの後退が望まれないとき、格納機構の不注意の作動を減少させる。
【0094】
本発明の第三の態様は、格納機構の早まった作動を防止する構造を組み込んだ格納式シリンジアセンブリに関連する。格納式シリンジアセンブリは、
図30〜
図32に示される。
図32および
図32に示された具体例において、シリンジアセンブリ400は、格納バレル420および流体バレル410を含む、ここにおいて別の方法で説明される、二筒のシリンジバレルを含む。トリガー部材490は、格納バレル420内に配置され、プランジャーロッド460は、流体バレル410内に配置される。プランジャーロッド460およびトリガー部材490は、プランジャーロッドがトリガー部材490と相互作用し、トリガー部材490を誤って作動させることを防止する構造を有する。加えて、プランジャーロッド460およびトリガー部材490は、使用者がシリンジアセンブリ400を再使用するのを防止する再使用防止構造を有する。第三の態様に関して説明される、トリガー部材490およびプランジャーロッド460の、これらの早まった作動の防止構造および再使用防止構造は、ここにおいて説明される他のトリガー部材およびプランジャーロッドと合併され得る。
【0095】
トリガー部材490は、遠位端(不図示)、近位端499、および、遠位端から近位端499まで延びるトリガー部材本体492を含む。スナップ494が近位端499に近接して配置される。示された具体例において、スナップ494は、トリガー部材490とプランジャーロッド460との間に配置される。スナップ494は、格納バレルと係合し、それらの間での係合は、トリガー部材490が遠位方向に移動するのを妨げるか、または、防止する。
図30に示されるように、スナップ494は、トリガー部材本体492から延びる、放射方向外方の延長部として示される。スナップ494は、遠位端495および近位端496を含む。スナップ494は、近位端496から遠位端495にかけて増大する高さを有し、スナップ494を越えたプランジャーロッドの移動を可能にするか、または、容易にする。スナップ494の遠位端495は、トリガー部材本体に実質的に垂直であるとして示される。
【0096】
スナップ部材494は、遠位方向への力の適用によって押し下げ可能である。スナップ部材494は、近位方向への力の適用によって押し下げ可能でない。したがって、スナップ部材494の格納バレル420との係合は、スナップ部材494に近位方向への力を付与し、スナップ部材を押し下げできないようにし、トリガー部材490の遠位方向への移動を妨げる。プランジャーロッド460が遠位方向に移動させられると、それがスナップ部材494を押し下げ、トリガー部材490の遠位方向への移動を可能にする。プランジャーロッド460は、平坦な放射方向リング462として、
図30〜
図32に示される、接触面を含み得、それはスナップ部材494を変位させ、トリガー部材494は、遠位方向に移動され得、格納機構の作動が進行し得る。
【0097】
使用中、
図31および
図32に示されるように、流体バレル410の全ての内容物を排出するための、遠位方向へのプランジャーロッドの移動は、スナップ部材494を押し下げる。プランジャーロッドが底に達するか、流体バレル410の全ての内容物が排出され、ストッパーが流体バレルの遠位端と接触すると、プランジャーロッドはスナップ部材494を押し下げ続ける。スナップ部材494の押し下げは、シリンジの内容物が排出された後のみに、トリガー部材490の移動を許容する。したがって、格納機構の早期の作動が防止される。
【0098】
スナップ部材494の基本原理は、90度と同じ程度であり得る急傾斜の表面の含有が、格納バレルと係合し、トリガー部材の遠位方向への移動を防止することである。スナップ部材494は、軸方向において十分な剛性を有し得るが、放射方向には容易に変位され得る。このことは、プランジャーロッドがスナップ部材494と係合するとき、円滑な変位を確かにする。
【0099】
一つ以上の具体例において、スナップ部材494は、
図58〜
図60に示されるように、回転可能であり得、移送および保管中、向きを変えられるようにされ得る。使用前または作動前、
図58に示されるように、トリガー部材490は、方向を変えられるか、または、回転させられ、その結果、スナップ部材494は、
図59に示されるように、遠位方向へのトリガー部材490の移動を防止するように位置づけられる。その後、格納機構の作動が望まれるとき、例えば、流体バレル410の内容物が排出されたとき、トリガー部材490は、回転させられ、その結果、スナップ部材494は、
図60に示されるように、遠位方向へのトリガー部材490の移動を可能にするように位置づけられる。
【0100】
トリガー部材490および格納バレル420は、再使用防止構造を含む。格納バレル420は、その近位端に近接して配置され、トリガー部材本体492に配置された第二ロック部材450と係合する、第一ロック部材440を含む。第一ロック部材440は、格納バレル420の壁422の開口442として示される。開口は、他の形状で提供され得ることが理解されるであろう。第二ロック部材450は、トリガー部材本体492に配置された外方に延びる突起452として示される。突起452は、近位方向へのトリガー部材492の移動を防止し、第一ロック部材440および第二ロック部材450の離脱を防止する、近位に面する停止面454を有する。
【0101】
第一ロック部材および第二ロック部材450は、格納バレル420およびトリガー部材490に配置され、格納機構を作動させるために、力が、遠位方向に、トリガーロッドに付加されたときに、係合し得る。
図32に示されるように、トリガー部材490への遠位方向への力の付加で、突起452は、開口442と係合する。
【0102】
トリガー部材の再使用防止構造は、トリガー部材が格納バレル420の内面と接触するとき、放射方向に容易に変位可能であるように設計され得る。第一および第二ロック部材440、450の最終位置において、トリガー部材490の突起452は、開口442に達せねばならず、そこで、突起452は、再び延出し、トリガー部材490の後方への運動をロックする。このことは、トリガー部材490が、格納バレル420から引き出され、格納機構の複数回の作動のために作動させられるのを防止する。器具にこの再使用構造を付加することにより、格納機構は、ただ一回のみ作動させられ、例えば格納ニードルの交換後の再使用を防止する。
【0103】
本発明の第四の態様は、代替の格納機構を含む格納式シリンジアセンブリ500に関連する。格納式シリンジアセンブリ500は、
図33〜
図37に示される。シリンジアセンブリ500は、ニードルチャンバーおよび流体チャンバーを含む、ここにおいて別に説明されるような二筒のシリンジバレルを含む。ニードルハブアセンブリ540は、
図8〜
図17を参照して説明されたニードルハブアセンブリに従っており、ニードルハブ542は、ニードルカニューラ支持部、ニードル支持部に取り付けられたニードルカニューラ550、ならびに、ニードルカニューラ支持部546、ニードルカニューラ550およびニードルハブ542の間に配置された付勢部材552を収容する。
図33〜
図37に示されるように、ニードルハブ542は、遠位端553および近位端554を含む。遠位端553は、円錐形状を有する本体部分545を含み、ニードルカニューラ550を受容するためにそこを通る開口(不図示)を含み得る。近位端554は、
図8〜
図17を参照して上述されたように、本体545から近位方向に延び、ニードルカニューラ支持部546、付勢部材552およびニードルカニューラを収容するためのハブ空洞を画定する、第一格納部分555を含み得る。第一格納部分555は、本体部分545に取り付けられた遠位端557および自由な近位端556を含む。第一格納部分555は、また、その近位端に係合タブ559を有する、少なくとも一つの弾性部分558を含む。係合タブ559は、ニードルカニューラ支持部546と係合し、付勢部材552によってニードルハブアセンブリ540に対し近位方向に付加される力に対抗するため、ニードルカニューラ支持部546に遠位方向の力を与える。
【0104】
トリガー部材590は、遠位端591および近位端(不図示)を含む。トリガー部材590は、また、ここにおいて別に説明されるように、遠位端591から近位端に延びるトリガー部材本体592を含み、格納されたニードルカニューラを収容するための中空内部593を含み得る。トリガー部材本体592は、ニードルカニューラ支持部546から係合タブ559を離脱させ、ニードルハブアセンブリ540に係合タブ559によって付加される力を解放するための、放射方向外方に延びるリブ594を含む。トリガー部材590は、係合タブ559および/または弾性部分558に遠位方向に十分な力を与える、トリガー部材によるトリガー力の付加によって、タブ559とニードルカニューラ支持部546とを離脱させ、係合タブ559がニードルカニューラ支持部546と、もはや係合せず、付勢部材により付加される力が、もはや対抗されないように、弾性部分558が外方に移動することをもたらす。特に、ニードルカニューラ支持部546に、遠位方向に、係合タブ559により付加される力の除去は、付勢部材552により付加される力が、ニードルカニューラ支持部546およびニードルカニューラ550をトリガー部材内に移動させることを可能にする。
【0105】
ここにおいて説明される具体例は、米国仮出願参照番号P8812、米国仮出願連続番号61/366749に開示され、その全体において参照として組み込まれる、代替の格納機構を含み得る。特に、格納機構は、米国仮出願参照番号P8812の
図7〜
図11、
図18〜
図22、および、
図24〜
図27に示される。
【0107】
図38、
図38A、
図38B、
図39、
図39A、
図39B、および、
図54、
図54A、
図54B、および、
図55において、トリガー部材の近位端は、流体バレルの開放近位端においてプランジャーを実質的に覆うか、または取り囲む円形のトリガーパッドを有する。トリガー部材は、凹み、マークまたは色分けの一つ以上のような、印によってコード化され得る。プランジャーロッドに遠位力を付加することによるトリガー部材の作動で、プランジャーロッドの近位端またはサムプレスは、トリガーパッド内に完全に入れ子にされる。
【0108】
図40〜
図42は、プランジャーロッドが、半円状部材または三日月型部材に形成されたトリガー部材に係合する設計を示す。プランジャーロッドのサムプレスは、そのもっとも遠位に押圧され得、使用者は、その後、トリガー部材への力の付与によってトリガー部材を作動させ得る。
【0109】
図43〜
図47は、トリガー部材の近位端が、湾曲した端部を備えた実質的に角型のトリガーパッドを有し、プランジャーロッドがトリガーパッド内に入れ子状になる設計を示す。
図48〜
図50において、トリガーパッドは、形状において実質的に卵型である。
図51〜
図53において、トリガーパッドは、シリンジアセンブリのフィンガーフランジの一側でニードルカニューラと整列させられる。
図56、
図57、
図57Aおよび
図57Bにおいて、トリガー部材は、ニードルカニューラおよびニードルチャンバーと整列させられたトリガーパッドを有し、トリガーパッドは、ニードルチャンバーの本体から外方に延びる。
図61は、トリガー部材がニードルチャンバーの端部で小さいタブである構造を示す。
図62は、遠位方向に力を適用されることによって作動され得るタブとしてのトリガー部材を示す。トリガー部材は、複数の間隔を置いたリブの形にある把持表面を有する。
図63は、トリガー部材が、使用者によって作動され得るブロック型の形状である、代替のトリガー部材設計を示す。
図64は、ボタンを押圧するか押し込むことによって針を格納することができる、使用者によって作動させられ得る、ニードルバレルの近位端に組み込まれたボタンを示す。
【0110】
図65は、トリガー部材、格納機構を作動させるためにヒンジ部に遠位方向の力を付加することによって移動させられ得る、ヒンジ部を有するプランジャーロッドサムプレスを示す。
図66は、トリガー部材が、格納機構を作動させるために放射方向に移動させられ得るトグル式の形であることを除いて、
図64とかなり似ているトリガー部材を示す。
【0111】
本発明の他の具体例において、本発明のシリンジアセンブリから液体を吸引し排出する方法が、遠位方向へのトリガー部材の移動を防止するためのトリガーガードを整列させることを含んで提供される。予め選定された量の液体が、その後、ニードルカニューラを液体内に挿入し、プランジャーロッドに近位方向の力を付加することによって、流体チャンバーに吸引される。液体は、プランジャーロッドに遠位方向の力を付加することによって流体チャンバーから排出される。ニードルカニューラは、トリガーガードを、トリガー部材の遠位方向への移動が可能になるように整列させ、ニードルカニューラを格納バレル内に格納させ得るトリガー力を付与するために、トリガーガードに遠位方向への力を付加することによって、格納バレル内に格納される。方法は、本発明のシリンジアセンブリを提供すること、液体を吸引し排出するための指示を提供することを含み得る。
【0112】
本発明の他の具体例において、本発明のシリンジアセンブリに液体を吸引し排出する方法は、ニードルカニューラを液体内に挿入し、プランジャーロッドに近位方向の力を付加することにより、流体チャンバーに予め選定された量の液体を吸引することを含んで提供される。液体は、その後、プランジャーロッドに遠位方向への力を付加することにより、流体チャンバーから排出される。プランジャーロッドは、プランジャーロッドの突起が、流体バレルの保持リングを越えて遠位に移動することを可能とするよう、プランジャーロッドへの引き続く力を遠位方向へ付加することにより、流体バレル内においてロックされる。ニードルカニューラは、トリガー部材が遠位方向に移動することを可能にするためにトリガーガードを整列させ、ニードルカニューラが格納バレル内に格納されることをもたらすトリガー力を提供するため、トリガーガードに遠位方向に力を付加することにより、格納バレル内に格納される。方法は、本発明のシリンジアセンブリを提供すること、液体を吸引し排出するための指示を提供することを含み得る。
【0113】
本発明の他の具体例において、本発明のシリンジアセンブリに液体を吸引し排出する方法は、流体連通にある流体バレルおよび格納バレルを含むシリンジバレルを提供することを含んで提供され、流体バレルは、流体バレルに液体を吸引し排出するための、ストッパーに取り付けられたプランジャーロッドを含み、格納バレルは、ニードルハブ、開口を有するニードルカニューラ、および、ニードルカニューラが格納バレル内に格納されることをもたらすトリガー力を提供するためのトリガー部材を含む。ニードルカニューラの開口は、液体中に浸漬され、シリンジの流体バレルは、プランジャーロッドに近位方向へ力を付加することによって、液体で満たされる。液体は、プランジャーロッドに遠位方向に力を付加することによって、流体バレルから排出される。ニードルカニューラは、それから、トリガー力を提供するためトリガー部材に遠位方向に力を付加することによって格納バレル内に格納される。方法は、また、本発明のシリンジアセンブリを提供すること、および、液体を吸引し排出するための指示を提供することを含み得る。
【0114】
本発明の他の具体例において、本発明のシリンジアセンブリに液体を吸引し排出するための方法は、さらに、流体バレルから液体を排出した後、流体バレル内でプランジャーロッドをロックすることを含んで提供される。方法は、本発明のシリンジアセンブリを提供すること、および、液体を吸引し排出するための指示を提供することを含み得る。
【0115】
本発明の他の具体例において、本発明のシリンジアセンブリに液体を吸引し排出するための方法が提供され、プランジャーロッドに付加される力は、トリガー部材に付加される力が軸に沿って向けられるその軸に平行である軸に沿って向けられる。方法は、本発明のシリンジアセンブリを提供すること、および、液体を吸引し排出するための指示を提供することを含み得る。
【0116】
本発明の他の具体例において、本発明のシリンジアセンブリに液体を吸引し排出するための方法が提供され、液体を排出するためにプランジャーロッドに付加される力は、トリガー部材に付加される力より小さい。方法は、本発明のシリンジアセンブリを提供すること、および、液体を吸引し排出するための指示を提供することを含み得る。
【0117】
この明細書を通して、「一つの具体例」、「ある具体例」、「一つ以上の具体例」または「具体例」への参照は、具体例に関連して説明される、特定の態様、構造、材料または特徴が、本発明の少なくとも一つの具体例に含まれることを意味する。したがって、この明細書を通した様々の箇所における、「一つ以上の具体例において」、「ある具体例において」、「一つの具体例において」または「具体例において」のような語句の出現は、必ずしも、本発明の同一の具体例に言及してはいない。さらに、特定の態様、構造、材料または特徴は、一つ以上の具体例においてどのような好適な方法でも組み合わせられ得る。
【0118】
本発明は、ここにおいて、特定の具体例を参照して説明されたが、これらの具体例は、本発明の原理および適用の単なる例示であることが理解されるべきである。当該技術分野の当業者にとって、種々の改良および変形が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の方法および装置に対してなされ得ることは明らかであろう。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にある改良および変形を含むことが意図される。