(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473732
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】アルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法
(51)【国際特許分類】
H01C 17/06 20060101AFI20190207BHJP
H01C 17/242 20060101ALI20190207BHJP
H01C 17/28 20060101ALI20190207BHJP
H01C 7/00 20060101ALI20190207BHJP
H01C 1/142 20060101ALN20190207BHJP
【FI】
H01C17/06
H01C17/242
H01C17/28
H01C7/00 100
!H01C1/142
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-227536(P2016-227536)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-85433(P2018-85433A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2016年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】502250743
【氏名又は名称】國立成功大學
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CHENG KUNG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウェン‐シ
【審査官】
五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−187092(JP,A)
【文献】
特開2000−299201(JP,A)
【文献】
特開2003−282305(JP,A)
【文献】
特開2017−17117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 17/06
H01C 7/00
H01C 17/242
H01C 17/28
H01C 1/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
まず、基板(11)の裏面に、二つの、連接しなくて隔離した裏面アルミ端部電極(12)を印刷形成して、更に、上記基板(11)の正面に、二つの、連接しなくて隔離した正面アルミ端部電極(13)を印刷形成し、その後、上記基板(11)を、焼結炉にて、600〜900°Cの高温で焼結して、上記裏面アルミ端部電極(12)と上記正面アルミ端部電極(13)とが、上記基板(11)に焼結され、その中、上記正面アルミ端部電極(13)が、低い固形分の多孔性アルミ電極である、アルミ端部電極の印刷と焼結の(A)工程と、
上記基板(11)の上に、二つの、隔離した正面アルミ端部電極(13)の間に、レジスト層(14)が印刷形成され、上記レジスト層(14)の両端部が、上記正面アルミ端部電極(13)の上にまで伸び、上記レジスト層(14)の両端部が、上記正面アルミ端部電極(13)の隔離面の端部(131)の上に跨り、その後、更に、上記基板(11)を、焼結炉にて、600〜900°Cの高温で焼結して、上記レジスト層(14)が、上記基板(11)に焼結される、レジスト層の印刷と焼結の(B)工程と、
焼結されたレジスト層(14)の上に、アンダーコート層(151)が印刷形成され、上記アンダーコート層(151)のサイズが、上記レジスト層(14)より小さくて、上記正面アルミ端部電極(13)に接触しないで、上記レジスト層(14)の両端部(141)が露出し、その後、更に、上記基板(11)を、焼結炉にて、450〜700°Cの高温で焼結し、上記アンダーコート層(151)が、上記レジスト層(14)に焼結される、アンダーコート層(151)の印刷と焼結の(C)工程と、
レーザダイシング装置で、レーザ光を利用して、上記基板(11)の上記アンダーコート層(151)の上に、上記レジスト層(14)において、ダイシングを行い、上記レジスト層(14)に対して、必要とする形状の調整溝を切り出して、上記レジスト層(14)の抵抗値を調整する、レーザダイシングの(D)工程と、
上記アンダーコート層(151)の表面に、更に、オーバーコート層(152)が印刷形成され、上記オーバーコート層(152)のサイズと上記アンダーコート層(151)とが同じで、上記レジスト層(14)より小さいから、上記正面アルミ端部電極(13)に接触せず、上記レジスト層(14)の両端部(141)が露出し、その後、更に、上記基板(11)を、焼結炉にて、150〜250°Cで焼結して、上記オーバーコート層(152)が、上記アンダーコート層(151)に焼結され、上記アンダーコート層(151)とオーバーコート層(152)により、保護層(15)が構成される、オーバーコート層(152)の印刷と焼結の(E)工程と、
上記保護層(15)の上に、チップ抵抗を表示するための識別信号符字を印刷する、信号符字層の印刷の(F)工程と、
シート状である上記基板(11)を、ロールプレス装置にて、ロールプレスで長尺状に分断する、長尺状分断の(G)工程と、
長尺状になった基板(11)の両側面に導電材質を印刷して、上記レジスト層(14)が露出した両端部(141)の上方に、二つの側面端部電極(16)が形成され、上記側面端部電極(16)が、上記正面アルミ端部電極(13)と上記裏面アルミ端部電極(12)に覆うようになり、その後、端部電極側面導電印刷された長尺状の基板(11)を、焼結炉にて、150〜250°Cで焼結し、上記側面導電印刷された側面端部電極(16)が、上記正面アルミ端部電極(13)と上記裏面アルミ端部電極(12)に焼結されて、上記基板(11)の同一側にある上記正面アルミ端部電極(13)と上記裏面アルミ端部電極(12)とが、互いに連接導通になり、上記側面端部電極(16)が、上記正面アルミ端部電極(13)に接触して、多孔性アルミの材質である正面アルミ端部電極(13)を介して上記レジスト層(14)に連接される、端部電極側面導電印刷と焼結の(H)工程と、
上記側面端部電極(16)が焼結された長尺状の基板(11)を、ロールプレス装置で分断して、折り曲げ、一体のチップ抵抗を、多数の、二つの正面アルミ端部電極(13)や二つの裏面アルミ端部電極(12)、二つの側面端部電極(16)、一つのレジスト層(14)及び、一つのアンダーコート層(151)とオーバーコート層(152)からなる保護層(15)を有するブロック体に分断される、ブロック化の(I)工程と、
ブロック状になったチップ抵抗を、鍍金槽にて、ニッケル鍍金やすずめっきを行い、ニッケル鍍金が、上記正面アルミ端部電極(13)を保護する他に、ニッケル鍍金で多孔性アルミ電極を充填して、上記正面アルミ端部電極(13)が、アルミニッケル端部電極になり、最後に、すずめっきにより、溶接可能になる、鍍金の(J)工程と、
が含有される、
ことを特徴とするアルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法。
【請求項2】
上記アルミ端部電極が、1Ωより小さい低い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記チップ抵抗構造は、上記保護層(15)のサイズが、上記レジスト層(14)よりも、少なくとも、1マイクロメーター(μm)以上小さくなる、ことを特徴とする請求項1に記載されるアルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法。
【請求項3】
上記アルミ端部電極が、1Ωより小さい低い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記正面アルミ端部電極(13)は、低い固形分(<50 wt%)の多孔性アルミ電極であり、金属アルミ固形分<44wt%とガラス固形分>6wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載されるアルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法に関し、特に、チップ抵抗の抗硫化機能が向上されて、大幅にチップ抵抗の端部電極の原材料費を低下する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップ抵抗は、抵抗値が、主として、レジスト層材料と幾何構造によって決定され、また、正面金属端部電極を介して導通された後、ニッケル鍍金とすずめっきによってプリント回路基板(Printed Circuit Board, PCB)に連接される。基本的には、チップ抵抗の端部電極が、正面端部電極と側面端部電極及び裏面端部電極の三部分に分けられ、その中、側面端部電極と裏面端部電極とが、ただ、後工程のニッケル鍍金とすずめっきのシード層として利用され、そして、正面端部電極は、後工程のニッケル鍍金とすずめっきのシード層として利用されるだけでなく、その構造上において、レジスト層を連接して導通する経路を担当し、即ち、レジスト層と、ニッケル鍍金やすずめっきと連接した後、PCB板に溶接され、例えば、US 6,153,256号特許や中華民国I423271と350071号特許であり、また、他に、裏面端銀電極でレジスト層を連接する技術があり、例えば、中華民国I294129号特許であり、その原理は、上記の正面端部電極でレジスト層を連接すると同じである。また、レジスト層と、オーム接触が形成されるため、正面端部電極の導電率がレジスト層の抵抗率より遥かに低いことが、必要であり、そうでなければ、寄生抵抗が、抵抗器の最後抵抗値に影響を与える。
【0003】
チップ抵抗の端部電極の機能と原材料費を考慮すれば、既存のチップ抵抗は、その端部電極が、材料に、主として、銀導体を利用し、しかし、チップ抵抗の端部電極に銀金属を利用する場合、大きい欠点を有し、それは、容易に適用環境にあるサルファーと反応して硫化銀が生成され、特に、高温や高湿度及び高サルファー濃度の環境においては、例えば、自動車電子に適用される場合、反応が格別に激烈になり、そのチップ抵抗の硫化現象は、
図6(b)のようである。硫化銀の生成は、チップ抵抗の電気特性や信頼性に影響を与える。
【0004】
今、抗硫化の車用チップ抵抗を作製するには、主として、銀端部電極に、高含量(5mol%以上)のパラジウムを添加して、銀パラジウム合金が形成され、サルファーと反応して、硫化銀が形成される反応の活性を低下させ、例えば、US 5,966,067特許や中華民国I429609とI395232号特許である。しかし、それにより、端部電極の原材料費が、大幅に向上し、また、硫化環境の悪化に伴って、硫化銀の形成リスクが高くなる。そのため、一般の、従来のものは、実用的とは言えない。
【0005】
本発明者は、上記欠点を解消するため、慎重に研究し、また、学理を活用して、有効に上記欠点を解消でき、設計が合理である本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 6,153,256号特許
【特許文献2】中華民国I423271号特許
【特許文献3】中華民国350071号特許
【特許文献4】中華民国I294129号特許
【特許文献5】US 5,966,067特許
【特許文献6】中華民国I429609号特許
【特許文献7】中華民国I395232号特許
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、従来の物の上記問題を解消でき、元の銀端部電極の代わりに、高い固形分アルミ端部電極を利用して、1Ω以上のチップ抵抗に適用でき、また、元の銀端部電極の代わりに、多孔性アルミ端部電極を利用して、1Ωより小さいチップ抵抗に適用でき、大幅に、チップ抵抗の端部電極の原材料費を低下できるだけでなく、元のチップ抵抗の硫化問題を完全に解消でき、有効的に、車用や基地局及びLEDランプに適用でき、チップ抵抗の抗硫化機能が向上されるアルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法を提供する。
【0008】
本発明の他の目的は、新しいチップ抵抗の端部電極材料と新規な端部電極構造を提供し、既存の高価の銀端部電極の代わりに、低いコストのアルミ端部電極を適用して、アルミ端部電極が、比較的に高い抵抗値のチップ抵抗(>1Ω)に適用される時、素子構造を変化しなくて、元の銀端部電極をチップ抵抗に適用する時と異なり、アルミ電極は、表面が容易に酸化して余分の浮浪抵抗が生成される問題があり、チップ抵抗に利用される場合、二倍半定格電圧で過負荷試験(short time over load)を実行する時、容易に、アルミ端部電極をプレスして作成することにより生成された浮浪抵抗が発生し、これにより、過負荷試験後のチップ抵抗の抵抗値偏移が大きくなり(±2%)、故障問題が発生する。
【0009】
大量のガラスが、厚膜アルミニウムペーストに添加される時、アルミニウムペーストは、焼結において、この大量のガラス添加により、金属アルミ顆粒表面に付着して、金属アルミ顆粒の過度酸化を防止でき、また、大量のガラス添加により、元の厚膜アルミニウムペーストの焼結によって残された空洞が充填されて、大量ガラス添加のアルミニウムペーストの焼結により、アルミ電極の緻密性が、大幅に向上される、アルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法を提供する。
【0010】
そのため、アルミ端部電極を利用して作製したチップ抵抗は、その過負荷試験が、銀端部電極を利用して作製したチップ抵抗と同じで、完全に、チップ抵抗の過負荷試験後の抵抗値偏移(±2%)規格を満足でき、また、規格(±0.1%)より優れ、また、多孔性アルミ端部電極を、比較的に低い抵抗値のチップ抵抗(<1Ω)に適用する時、新しい構造で、保護層とレジスト層とのサイズが異なることにより、電流導通経路を変化でき、元の正面アルミ端部電極を印刷してレジスト層経路を導通するものを、側面端部電極でレジスト層を導通する新規経路に変更でき、或いは、元のチップ抵抗構造を維持して、即ち、保護層とレジスト層とのサイズが同じで、または、保護層が比較的に大きい構造で、チップ抵抗が端部電極の鍍金工程において、ニッケル鍍金を元の多孔性アルミ電極の空洞内に浸透させて、ニッケル鍍金で空洞を充填させることにより、アルミニッケルの共存した低い抵抗の端部電極が形成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の目的を達成するため、アルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法を提供し、まず、基板の裏面に、二つの、連接しなくて隔離した二つの裏面アルミ端部電極を印刷形成して、更に、上記基板の正面に、二つの、連接しなくて隔離した正面アルミ端部電極を印刷形成し、その後、上記基板を、焼結炉にて、600〜900°Cの高温で焼結して、上記裏面アルミ端部電極と上記正面アルミ端部電極とが、上記基板に焼結され、その中、上記正面アルミ端部電極が、高い固形分(高い金属アルミ含量と高いガラス含量)のアルミ電極や低い固形分の多孔性アルミ電極である、アルミ端部電極の印刷と焼結の(A)工程と、上記基板の上に、二つの、隔離した正面アルミ端部電極の間に、レジスト層が印刷形成され、上記レジスト層の両端部が、上記らの正面アルミ端部電極の上にまで伸び、上記レジスト層の両端部が、上記らの正面アルミ端部電極の隔離面の端部の上に跨り、その後、更に、上記基板を、焼結炉にて、600〜900°Cの高温で焼結して、上記レジスト層が、上記基板に焼結される、レジスト層の印刷と焼結の(B)工程と、焼結されたレジスト層の上に、アンダーコート層が印刷形成され、元のチップ抵抗構造に適用される場合、上記アンダーコート層のサイズが、上記レジスト層より大きいか等しい、新しいチップ抵抗構造に適用される場合、上記アンダーコート層のサイズが、上記レジスト層より小さくて、上記らの正面アルミ端部電極に接触しないから、上記レジスト層の両端部が露出し、その後、更に、上記基板を、焼結炉にて、450〜700°Cの高温で焼結し、上記アンダーコート層が、上記レジスト層に焼結される、アンダーコート層の印刷と焼結の(C)工程と、レーザダイシング装置で、レーザ光を利用して、上記基板の上記アンダーコート層の上に、上記レジスト層において、ダイシングを行い、上記レジスト層に対して、必要とする形状の調整溝を切り出して、上記レジスト層の抵抗値を調整する、レーザダイシングの(D)工程と、上記アンダーコート層の表面に、更に、オーバーコート層が印刷形成され、上記オーバーコート層のサイズと上記アンダーコート層とが同じで、上記レジスト層より小さいさら、上記らの正面アルミ端部電極に接触せず、上記レジスト層の両端部が露出し、その後、更に、上記基板を、焼結炉にて、150〜250°Cで焼結して、上記オーバーコート層が、上記アンダーコート層に焼結され、上記アンダーコート層とオーバーコート層により、保護層が構成される、オーバーコート層の印刷と焼結の(E)工程と、
上記保護層の上に上記チップ抵抗を表示するための識別信号符字を印刷する、信号符字層の印刷の(F)工程と、シート状である基板を、ロールプレス装置にて、ロールプレスで、上記基板を長尺状に分断する、長尺状分断の(G)工程と、長尺状になった基板の両側面に導電材質を印刷して、上記レジスト層が露出した両端部の上方に、二つの側面端部電極が形成され、上記らの側面端部電極が、上記らの正面アルミ端部電極と上記らの裏面アルミ端部電極に覆うようになり、その後、端部電極側面導電印刷された長尺状基板を、焼結炉にて、150〜250°Cで焼結し、上記側面導電印刷された側面端部電極が、上記正面アルミ端部電極と上記裏面アルミ端部電極に焼結されて、上記基板の同一側にある上記らの正面アルミ端部電極と上記らの裏面アルミ端部電極とが、互いに連接導通になり、上記らの側面端部電極が、上記らの正面アルミ端部電極に接触して、多孔性アルミの材質である正面アルミ端部電極を介して上記レジスト層に連接される、端部電極側面導電印刷と焼結の(H)工程と、側面端部電極が焼結された長尺状基板を、ロールプレス装置で分断して、長尺状の基板を折り曲げ、一体のチップ抵抗を、多数の、独自な、二つの正面アルミ端部電極や二つの裏面アルミ端部電極、二つの側面端部電極、一つのレジスト層及び、一つの、アンダーコート層とオーバーコート層からなる保護層を有するブロック体に分断される、ブロック化の(I)工程と、ブロック状になったチップ抵抗を、鍍金槽にて、ニッケル鍍金やすずめっきを行い、上記保護層のサイズが上記レジスト層より大きいか等しい元のチップ抵抗構造であれば、ニッケル鍍金により、上記正面アルミ端部電極が保護され、すずめっきが、チップ抵抗をPCBに溶接するためであり、上記保護層のサイズが上記レジスト層より小さい新しいチップ抵抗構造であれば、ニッケル鍍金が、上記正面アルミ端部電極を保護する他に、ニッケル鍍金で多孔性アルミ電極を充填して、上記正面アルミ端部電極が、アルミニッケル端部電極になり、最後に、すずめっきにより、溶接可能になる、鍍金の(J)工程と、が含有され、以上のように作製されたチップ抵抗のアルミ端部電極は、抗硫化のチップ抵抗に適用でき、例えば、車用や基地局及びLEDランプ等に適用できる。
【0012】
本発明の上記実施例によれば、上記基板の材質は、酸化アルミセラミック基板である。
【0013】
本発明の上記実施例によれば、アルミ端部電極が、1Ωより高い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記正面アルミ端部電極其総固形分必須大於70wt%;金属アルミ固形分>64wt%;ガラス固形分>6wt%、2.5定格電圧過負荷試験において、△R/R可以控制在規格内(±2%)。
【0014】
本発明の上記実施例によれば、アルミ端部電極が、1Ωより高い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記正面アルミ端部電極は、その総固形分が、70wt%より大きくて、金属アルミ固形分>64wt%とガラス固形分>10wt%であれば、2.5定格電圧過負荷試験において、△R/Rが、規格内(±2%)より遥かに低い(±0.1%)に抑えられる。
【0015】
本発明の上記実施例によれば、アルミ端部電極が、1Ωより小さい低い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記新しいチップ抵抗構造は、上記保護層のサイズが、上記レジスト層よりも、少なくとも、1マイクロメーター(μm)以上小さくなる。
【0016】
本発明の上記実施例によれば、上記新しいチップ抵抗構造に鍍金される正面アルミ端部電極が、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせから、選ばれる金属電極である。
【0017】
本発明の上記実施例によれば、アルミ端部電極が、1Ωより小さい低い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記正面アルミ端部電極は、低い固形分(<50 wt%)の多孔性アルミ電極であり、金属アルミ固形分<44wt%とガラス固形分>6wt%である。
【0018】
本発明の上記実施例によれば、アルミ端部電極が、1Ωより小さい低い抵抗のチップ抵抗に適用される場合、上記正面アルミ端部電極は、低い固形分(<50 wt%)の多孔性アルミ電極であり、その後工程において、上記正面アルミ端部電極の空洞が充填され、鍍金された金属が、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせから、選ばれる金属電極である。
【0019】
本発明の上記実施例によれば、上記正面アルミ端部電極は、更に、高い固形分のアルミ電極であってもよく、抵抗値が1Ω以上のチップ抵抗に適用できる。また、上記正面アルミ端部電極は、更に、低い固形分の多孔性アルミ電極であっても良く、後工程において、ニッケル鍍金で多孔性アルミ電極の空洞を充填することにより、アルミニッケル端部電極が形成されても、或いは、上記保護層のサイズが上記レジスト層より小さいことにより、上記レジスト層を露出させ、後工程のニッケル鍍金時、低い抵抗のレジスト層にニッケル鍍金を行って、上記レジスト層をアルミ端部電極に連接する新しい導電通路が形成されても、ともに、抵抗値が1Ωより小さいチップ抵抗に適用できる。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の特徴や技術内容について、詳しく説明するが、それらの図面等は、参考や説明のためであり、本発明は、それによって制限されることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2A】本発明の第一実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗の断面概念図である。
【
図2B】本発明の第一実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗写真である。
【
図3A】本発明の第二実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗の断面概念図である。
【
図3B】本発明の第二実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗写真である。
【
図4】本発明の異なるガラス含量のアルミ端部電極の焼結写真である。
【
図5】本発明の異なる抵抗値のチップ抵抗の多孔性アルミ端部電極の印刷と焼結写真である。
【
図6】本発明のチップ抵抗の多孔性アルミ電極と従来のチップ抵抗との硫化現象の比較写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜
図6は、それぞれ、本発明の作製流れの概念図や本発明の第一実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗の断面概念図、本発明の第一実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗写真、本発明の第二実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗の断面概念図、本発明の第二実施例のアルミ端部電極のチップ抵抗写真、本発明の異なるガラス含量のアルミ端部電極焼結写真、本発明の異なる抵抗値のチップ抵抗の多孔性アルミ端部電極の印刷と焼結写真及び本発明のチップ抵抗の多孔性アルミ電極と従来のチップ抵抗の硫化現象の比較写真である。図のように、本発明は、アルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法であり、酸化アルミセラミック基板を使用して、厚膜印刷工程で、順に端部電極の印刷と焼結やレジスト層の印刷と焼結、アンダーコート層の印刷と焼結、レーザダイシング、オーバーコート層の印刷と焼結、信号符字層の印刷、長尺分断、端部電極側面導電印刷、ブロック化、及び鍍金等のステップを経由して、アルミ端部電極のチップ抵抗が作製される。
図1のように、本発明に係るアルミ端部電極のチップ抵抗の工程は、以下のステップが含まれる。
【0023】
端部電極の印刷と焼結のステップs101は、まず、基板11の裏面において、適当な箇所に、二つの、連接しなくて隔離した二つの裏面アルミ端部電極12を印刷形成し、そして、上記基板11の正面において、適当な箇所に、二つの、連接しなくて隔離した二つの正面アルミ端部電極13を印刷形成し、その後、上記基板11を、焼結炉にて、600〜900°Cの高温で焼結して、上記裏面アルミ端部電極12と上記正面アルミ端部電極13とが、上記基板11に焼結され、その中、上記正面アルミ端部電極13が、高い固形分(高い金属アルミ含量と高いガラス含量)のアルミ電極や低い固形分の多孔性アルミ電極である。
【0024】
レジスト層の印刷と焼結のステップs102は、上記基板11の上に、二つの隔離した正面アルミ端部電極13の間に、レジスト層14が印刷形成され、上記レジスト層14の両端部141が、上記らの正面アルミ端部電極13の上にまで伸び、上記レジスト層14の両端部141が、上記らの正面アルミ端部電極13の隔離面の端部131の上に跨り、その後、更に、上記基板11を、焼結炉にて、600〜900°Cの高温で焼結して、上記レジスト層14が、上記基板11に焼結される。
【0025】
アンダーコート層の印刷と焼結のステップs103は、焼結されたレジスト層14の上、アンダーコート層151が印刷形成され、元のチップ抵抗構造に適用される場合、上記アンダーコート層151のサイズが、上記レジスト層14より大きいか等しく、新しいチップ抵抗構造に適用される場合、上記アンダーコート層151のサイズが、上記レジスト層14より小さくて、上記らの正面アルミ端部電極13に接触しないから、上記レジスト層14の両端部141が露出し、その後、更に、上記基板11を、焼結炉にて、450〜700°Cの高温で焼結し、上記アンダーコート層151が、上記レジスト層14に焼結され、その中、上記アンダーコート層151は、ガラスを主成分とする絶縁体である。
【0026】
レーザダイシングのステップs104は、レーザダイシング装置で、レーザ光を利用して、上記基板11の上記アンダーコート層151の上に、上記レジスト層14において、ダイシングを行い、上記レジスト層14の適当な箇所において、適当な形状(「I」、「L」或いは「一」等の形?)の調整溝を切り出して、上記レジスト層14の抵抗値を調整する。
【0027】
オーバーコート層の印刷と焼結のステップs105は、上記アンダーコート層151の表面上に、更に、オーバーコート層152が印刷形成され、また、上記オーバーコート層152のサイズが、上記アンダーコート層151と同じで、上記レジスト層14よりも、少なくとも1マイクロメーター(μm)以上小さくて、上記らの正面アルミ端部電極13に接触しなく、そのため、上記レジスト層14の両端部141が露出し、その後、上記基板11を、焼結炉にて、150〜250°Cで焼結し、上記オーバーコート層152が、上記アンダーコート層151に焼結され、また、上記アンダーコート層、オーバーコート層151、152により、保護層15が構成され、その中、上記オーバーコート層152は、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁材質である。
【0028】
信号符字層の印刷のステップs106は、上記保護層15の上に、上記チップ抵抗を表示するための識別信号符字を印刷し、例えば、品番や抵抗値等である。
【0029】
長尺分断のステップs107は、シート状である基板11を、ロールプレス装置にて、ロールプレスで、上記基板11を長尺状に分断する。
【0030】
端部電極側面導電印刷のステップs108は、長尺状になった基板11の両側面に導電材質を印刷して、上記レジスト層14が露出した両端部141の上方に、二つの側面端部電極16が形成され、上記らの側面端部電極16が、上記らの正面アルミ端部電極13と上記らの裏面アルミ端部電極12に覆うようになり、その後、端部電極側面導電印刷された長尺状基板11を、焼結炉にて、150〜250°Cで焼結し、上記側面導電印刷された側面端部電極16が、上記正面アルミ端部電極13と上記裏面アルミ端部電極12に焼結されて、上記基板11の同一側にある上記らの正面アルミ端部電極13と上記らの裏面アルミ端部電極12とが、互いに連接導通になり、上記らの側面端部電極16が、上記らの正面アルミ端部電極13に接触して、多孔性アルミの材質である正面アルミ端部電極13を介して上記レジスト層14に連接され、その中、上記らの側面端部電極16は、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせから、選ばれる金属電極である。
【0031】
ブロック化のステップs109は、側面端部電極16が焼結された長尺状基板11を、更に、ロールプレス装置で分断し、長尺状の基板11を折り曲げ、一体のチップ抵抗を、多数の、独自な、二つの裏面アルミ端部電極12や二つの正面アルミ端部電極13、一つのレジスト層14、二つの側面端部電極16及び、一つのアンダーコート層151とオーバーコート層152からなる保護層15を有するブロック体に分断する。
【0032】
鍍金のステップs110は、ブロック状になったチップ抵抗を、鍍金槽にて、鍍金を行い、チップ抵抗の導電材質からなる側面端部電極16の外部に、一層のニッケル鍍金と一層のすずめっきからなる鍍金層17が形成され、保護層のサイズが、レジスト層より大きいか等しい元のチップ抵抗構造であれば、ニッケル鍍金により、上記正面アルミ端部電極13が保護され、すずめっきが、チップ抵抗をPCBに溶接するためのものであり、保護層のサイズがレジスト層より小さい新しいチップ抵抗構造であれば、ニッケル鍍金が、上記正面アルミ端部電極13を保護する他に、ニッケル鍍金で多孔性アルミ電極を充填して、上記正面アルミ端部電極13が、アルミニッケル端部電極になり、最後に、すずめっきにより、溶接機能が実現され、以上のように、作製されたチップ抵抗のアルミ端部電極は、抗硫化のチップ抵抗に適用でき、例えば、車用や基地局及びLEDランプに適用できる。以上のような流れで、新規のアルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法が構成される。
【0033】
本発明の上記流れは、異なる需要があるチップ抵抗構造に対して、基板裏面に、更に、もう一つのレジスト層ともう一つの保護層を形成しても良い。
【0034】
本発明は、チップ抵抗の端部電極の硫化問題を解消するために、銀電極の代わりにアルミ電極を利用して、アルミがサルファーと反応しないことで、抗硫化機能が実現され、そのため、本発明は、元の、チップ抵抗に適用された金属銀端部電極の代わりに、化学方式や物理方式によって形成された金属アルミ端部電極を利用するため、元のチップ抵抗の銀端部電極の硫化問題が解消され、特に、自動車電子のチップ抵抗に適用できる。アルミは、銀の優れた導電性を有しないため、本発明は、既存のチップ抵抗の銀端部電極構造に対して、それぞれ、高い抵抗値のチップ抵抗(>1Ω)と低い抵抗値のチップ抵抗(<1Ω)について、
図2Aと
図2Bに示されたチップ抵抗のアルミ端部電極構造と
図3A、
図3Bに示されたチップ抵抗の多孔性アルミ端部電極構造を提案する。その中、
図2Aと
図2Bは、高い抵抗値のチップ抵抗の端部電極(抵抗1Ω以上)に対して、高導電率の抵抗ペーストを利用し、元の銀電極の代わりに、正面アルミ端部電極13として、76%以上の高い固形分であるアルミ電極を使用し、しかしながら、元の構造において、保護層15aのサイズが、レジスト層14aより大きいか等しいが、元の銀端部電極をチップ抵抗に適用される場合と異なり、アルミ端部電極をチップ抵抗に適用する時、アルミ電極は、表面が容易に酸化して余分の浮浪抵抗が生成される問題があり、これによって作製されたチップ抵抗は、二倍半定格電圧で過負荷試験(short time over load)を実行する時、容易に、アルミ端部電極をプレスして作成することにより生成された浮浪抵抗が発生し、これにより、過負荷試験後のチップ抵抗の抵抗値偏移が大きくなり(±2%)、故障問題が発生する。表一の実験を用いて、本発明の研究成果を説明し、厚膜アルミニウムペーストを作製する時、大量のガラス粉体(>6wt%)が添加されれば、2.5倍定格電圧において、過負荷試験を行うと、△R/Rが、規格内(±2%)に抑えられ、アルミ端部電極をチップ抵抗に適用する時、アルミ電極の表面が容易に酸化して余分の浮浪抵抗が生成される問題を解消でき、また、過負荷試験後のチップ抵抗の抵抗値偏移が大きくなる(±2%)故障問題を解消できる。また、厚膜アルミニウムペーストを作製する時、より大量のガラス粉体(>10wt%)が添加されれば、2.5倍定格電圧において、過負荷試験を行うと、△R/Rが、更に、規格(±2%)より、遥かに低い(±0.1%)に抑えられて、優れた成果が得られる。
【0035】
大量のガラスを厚膜アルミニウムペーストに添加する時、アルミニウムペーストは、焼結において、この大量のガラス添加により、金属アルミ顆粒表面に付着して、金属アルミ顆粒の過度酸化を防止でき、また、大量のガラス添加により、元の厚膜アルミニウムペーストの焼結によって残された空洞が充填されて、大量ガラス添加のアルミニウムペーストの焼結により、厚アルミ電極の緻密性が、大幅に向上され、
図4のように、図(a)がガラス含量0%で、図(b)がガラス含量6%で、図(c)がガラス含量15%である。
【0036】
以上のように、アルミ端部電極で作製したチップ抵抗は、過負荷試験において、銀端部電極で作製したチップ抵抗と同じように、チップ抵抗の過負荷試験後の抵抗値偏移(±2%)規格に抑えられ、また、規格より良い(±0.1%)でもあり、それから、低い抵抗値のチップ抵抗の端部電極(抵抗が1Ωより小さい)は、二種類があり、その一種類は、保護層に穴を開けて、鍍金された金属(例えば、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせ)を直接に外部へ連接する方式であり、もう一種類は、本発明の
図3のように、アルミが、低い固形分に作られ、多孔性アルミになり、鍍金された金属(例えば、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせ)が充填されてレジスト層を連接でき、また、正面アルミ端部電極13として、銀電極の代わりに、多孔性アルミ電極を使用するだけでなく、保護層15を短縮して、レジスト層14の両端部141を露出させ、これにより、後工程の側面端部電極16を、直接に、低い抵抗のレジスト層14の上に鍍金でき、鍍金された金属が、多孔性アルミ電極を介して上記レジスト層14に連接でき、低い抵抗のレジスト層14が、鍍金された金属(例えば、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせ)直接に、新しい端部電極通路が形成されて、多孔性金属アルミニウムペーストの抵抗が高すぎて、正しいレジスト層の抵抗値が得られない問題が解消される。
【0038】
本発明は、チップ抵抗の端部電極の材料と構造を変化することにより、高い抵抗値のチップ抵抗について、直接に、元の銀端部電極の代わりに、高い固形分(高い金属アルミ含量とガラス含量)を有するアルミ端部電極を利用し、印刷から焼結及び鍍金まで、高い金属アルミ含量で、アルミ端部電極の導電率を増加させ、高いガラス含量で、アルミ焼結による酸化問題を低下させ、また、アルミ端部電極の焼結の緻密性を向上させ、もう一方、低い抵抗値のチップ抵抗について、元の銀端部電極の代わりに、多孔性アルミ端部電極を利用し、また、従来の構造である保護層とレジスト層のサイズが同じである電流導通経路の代わりに、新しい構造である保護層とレジスト層とのサイズの異なる電流導通経路を利用し、或いは、後工程の鍍金において、金属で多孔性アルミ電極の空洞を充填して、緻密のアルミと鍍金金属の混合端部電極が形成され、その印刷と焼結は、
図5のように、図(a)が低い抵抗値(100mΩ)のチップ抵抗のアルミ端部電極焼結図で、図(b)が高い抵抗値(100KΩ)のチップ抵抗のアルミ端部電極焼結図である。
【0039】
異なる抵抗値のチップ抵抗に、アルミを端部電極とする場合、高い抵抗値(1206/33kΩ)のチップ抵抗の場合、その保護層が縮小されないことは、レジスト層が、高い固形分のアルミ端部電極によって導出されなければならなく、そのため、抵抗値が、鍍金された側面端部電極(例えば、銅やニッケル、すず或いはそれらの組み合わせの鍍金)の前後には、殆ど変化しなく、ただ、高い金属アルミ含量によって、アルミ端部電極導電率を増大させ、また、高いガラス含量によって、アルミ焼結時の酸化問題を低下させて、アルミ端部電極焼結の緻密性を向上させ、逆に、低い抵抗値(1206/200mΩ)のチップ抵抗であれば、多孔性アルミを端部電極とし、また、保護層を縮小させ、これにより、その抵抗値が、側面端部電極が鍍金された後、大幅に減少や集中され、これは、元のアルミ端部電極の代わりに、レジスト層へ、側面端部電極が鍍金された後、新しい導通経路を延びだすことを示し、上記の二種類のチップ抵抗構造の抵抗値変化が、表二のようであり、また、本発明は、また、
図6(b)のような一般の銀端部電極のチップ抵抗と、
図6(a)のような本発明の新規多孔性アルミ端部電極のチップ抵抗について、105°C、飽和サルファー蒸気、1000時間で、抗硫化試験を行い、その硫化試験結果は、
図6と表三のようであり、それらにより、銀端部電極の代わりに、多孔性アルミ端部電極を利用したチップ抵抗は、確実にチップ抵抗の硫化問題を改善でき、そのため、銀端部電極の代わりに、多孔性アルミ端部電極を利用すれば、大幅に、コストを低下する効果が得られる。
【0042】
本発明の側面端部電極に使用される鍍金金属が、抵抗率が金属銀ペーストより低いニッケルや銅であるため、高い固形分の金属銀ペーストであっても、本発明は、元の正面端銀電極でレジスト層に連接することの代わりに、側面端のニッケル電極を直接に、低い抵抗のレジスト層に連接することを利用するため、正面端銀電極が、側面端のニッケル電極を作製することに機能できたらよく、その導電率も、側面端部電極を成膜できればよく、そのため、低い固形分の銀ペーストを使用できるだけでなく、導電率が側面端部電極の成膜をできる他の金属でも、使用でき、例えば、多孔性アルミや銅等である。また、側面端のニッケル電極でレジスト層に連接するため、その抵抗率が、レジスト層の抵抗率よりも遥かに低いから、低い抵抗値のレジスト層であっても、抵抗器全体の最終抵抗値に、あまり影響を与えず、容易に、狭い変化の低い抵抗値の抵抗器抵抗値を制御できる。
【0043】
以上のように、本発明に係わる新規のチップ抵抗端部電極材料と新規の端部電極構造は、
図3のように、既存の高価の銀端部電極の代わりに、低いコストの多孔性アルミ端部電極を利用することにより、アルミ端部電極が、比較的に高い抵抗値のチップ抵抗に適用される時、素子構造を変化しなくて(
図2のように)、高い金属アルミ含量で、アルミ端部電極の導電率が増大され、高いガラス含量で、アルミ焼結時の酸化問題を解消でき、また、アルミ端部電極の焼結緻密性が向上され(
図4のように)、また、多孔性アルミ端部電極が、比較的に低い抵抗値のチップ抵抗(<1Ω)に適用される時、新規構造で、保護層とレジスト層のサイズが異なることにより、電流導通経路を変更し、元の正面アルミ端部電極を印刷してレジスト層に導通する経路を、側面端部電極でレジスト層に導通する新規経路に変更することができ、或いは、後工程の鍍金において、金属で多孔性アルミ端部電極の空洞に充填して、緻密のアルミと鍍金金属の混合端部電極が形成される。
【0044】
本発明は、二つの大きい新規利点が得られる。
【0045】
1. 元の銀端部電極の代わりに、高い固形分のアルミ端部電極(高アルミ金属含量と高いガラス含量)或いは多孔性アルミ端部電極を利用することにより、大幅にチップ抵抗の端部電極原材料費を低下できる。
【0046】
2. 元の銀端部電極の代わりに、高い固形分のアルミ端部電極(高アルミ金属含量と高いガラス含量)或いは多孔性アルミ端部電極を利用することにより、元のチップ抵抗の硫化問題が完全に解消され、チップ抵抗を車用電子に適用することに有利である。
【0047】
以上のように、本発明に係るアルミ端部電極のチップ抵抗の作製方法は、有効的に従来の諸欠点を解消でき、元の銀端部電極の代わりに、高い固形分のアルミ端部電極(高アルミ金属含量と高いガラス含量)或いは多孔性アルミ端部電極を利用することにより、側面端部電極の鍍金金属が、正面端にある多孔性アルミ電極を介してレジスト層に連接され、低い抵抗のレジスト層が、鍍金金属によって直接に導出されて新規の端部電極通路が形成されるため、大幅に、チップ抵抗の端部電極原材料費が低下され、また、元のチップ抵抗の硫化問題が完全に解消され、そのため、有効に、車用や基地局及びLEDランプに適用でき、チップ抵抗の抗硫化機能が向上され、そのため、本発明は、より進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0048】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
11 基板
12 裏面端部電極
13 正面端部電極
131 端部
14、14a レジスト層
141 端部
15、15a 保護層
151 アンダーコート層
152 オーバーコート層
16 側面端部電極
17 鍍金層
s101〜s110 ステップ