(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ステアリングシャフト支持構造はインナコラムチューブおよびコラムハウジングを含み、前記インナコラムチューブは前記コラムハウジング内にテレスコピック式に挿入されるように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
前記下に延びる壁の一方または両方は、前記少なくとも1つの離脱インサートを受容する、前方を向く切抜きを含み、前記少なくとも1つの離脱インサートは、ある長さを有し、前方部分から後方部分に向かって先細りし前記固着部材を受容するように適合された細長いスロットを有する、テーパ部分を含む、請求項1または2に記載のアセンブリ。
前記前方を向く切抜きは、前記少なくとも1つの離脱インサートを受容するように概してc字形であり、通常動作の間は、前記少なくとも1つの離脱インサートの前記テーパ部分は、前記ブラケットの対向表面に接触し、前記テーパ部分または前記対向表面のテーパのいずれかまたは両方の寸法は、前記衝撃が起きると、前記少なくとも1つの離脱インサートが、前記ステアリングシャフト支持構造の少なくとも一部分、離脱する前記固着部材の少なくとも一部分、またはその両方を前方に並進させることを可能にするように、前記ステアリングシャフト支持構造から外れることが可能になるようになっている、請求項3に記載のアセンブリ。
前記アセンブリは、前記ステアリングシャフト支持構造の少なくとも一部分に取り付けられた、長手方向スロット付きプレートストップ装置を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
前記長手方向スロット付きプレートストップ装置は、その前方端部分および後方端部分のそれぞれに1つまたは複数のベース部分と、前記1つまたは複数のベース部分から上向きに突出し前記固着部材を受容するように適合された長手方向に延在する側方スロットを含む、対向する側壁とを含む、請求項5に記載のアセンブリ。
前記長手方向スロット付きプレートストップ装置は、1つまたは複数の対向する側壁上で横断方向に延在する少なくとも1つのフランジと、ユーザの望む位置に前記ステアリングシャフトを選択的にロックする少なくとも1つの係合部材を受容するように適合された上側の長手方向スロットとを含む、請求項5または6に記載のアセンブリ。
エネルギー吸収装置が、前記ステアリングシャフト支持構造によって少なくとも部分的に担持され、前記ステアリングシャフト支持構造の少なくとも一部分、離脱する前記固着部材の少なくとも一部分、またはその両方の前記前方への並進の間に、前記エネルギー吸収装置の塑性変形によってエネルギーを吸収するために使用されるように適合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
前記固着部材は、チルトボルトを含み、前記閾値負荷を超える前記衝撃の場合、前記チルトボルトは、前記固着係合位置から離脱し前方に並進する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【背景技術】
【0003】
車両の衝突中は通常、衝撃が2回ある。一次衝撃では、車両は別の物体にぶつかる。二次衝撃では、車両の乗員が車両の構成要素にぶつかる。例えば、車両のオペレータが慣性のせいでステアリングホイールにぶつかることがある。運転者をこのような二次衝撃から保護しようとするのを助けるために、衝撃吸収式ステアリングコラムを使用することが一般的になっている。コラプシブルステアリングコラムシステムが、衝撃吸収式ステアリングコラムの一例である。
【0004】
衝撃吸収式ステアリングコラム装置の構造は、運転者が二次衝撃を受けると衝撃エネルギーがステアリングコラムに対して車両の正面方向に作用するようになっている。ステアリングコラムは、車体との1つまたは複数の固定点から外れ、(例えば、コラプスストローク内で)前方に移動することができ、そうすることで、衝撃エネルギーがコラプスストロークの途中で吸収される。外部コラプス式コラムアセンブリは、コラム全体がその固定点に対して並進するシステムの一例である。内部コラプス式コラムアセンブリは、典型的には、車両内でアセンブリの端部の一方の近くにある1つまたは複数の固定点で固定される。二次衝撃によるコラプスストロークの間に、アセンブリの構成要素は(例えば、概して、通常動作の際に車両内で占める体積内で;すなわち、概して、車両内のその「占有面積」内で)長手方向にコラプスするが、概して、所定の固定点に対してある一定の距離を越えてコラプスすることはない。このように、内部コラプス式システムはストロークを有するが、1つまたは複数の固定点で車両に固定されたままにすることができる。
【0005】
多くの用途で、ステアリングコラムアセンブリはチルト機能またはテレスコピック機能のうちの一方または両方を組み込む。こうした用途では、車両のユーザによってこのような機能を手動で実行するためのレバーを使用することが一般的である。一例として、「マニュアルレーキアンドリーチ(manual rake and reach)」ステアリングコラムアセンブリとして知られたものでは、アセンブリは、チルト(「レーキ」)機能およびテレスコピック(「リーチ」)機能を両方とも有し、車両のユーザが、選択された位置にレーキ調整およびリーチ調整するために手動で解放し、次いで、その選択された位置にステアリングコラムを固定するために再係合するレバーが設けられる。
【0006】
コラプシブルステアリングコラムアセンブリ(例えば、内部コラプシブルステアリングコラムアセンブリ)を改善するための努力にもかかわらず、代替のアセンブリ、具体的には、二次衝撃などの衝撃の間に、ユーザ操作装置(例えば、レバー)および(使用される場合は)ステアリングホイールのうちの一方または両方が前方に車両のユーザから離れる方に並進できるアセンブリの必要が残っている。
【0007】
以下の米国特許文献1〜6は本発明に関係する場合がある。これらの文献は全てあらゆる目的のためにここに援用される。特許文献7も本発明に関係する教示を有することがあり、ここに援用される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本教示の詳細な実施形態が必要に応じて本明細書に開示される。しかし、開示される実施形態は、様々な代替の形態で実施できる教示の単なる例示であることを理解されたい。図は必ずしも縮尺が正確ではない。特定の構成要素の詳細を示すために一部の特性を強調または最小化することがある。したがって、本明細書に開示される特定の構造または機能の詳細は、限定的なものと解釈すべきではなく、本教示を様々な形で用いるように当業者に教示するための単なる代表的なものとして解釈すべきである。
【0019】
以下の説明から理解されるように、概略的に言うと、本教示はコラプス式ステアリングコラムアセンブリに関するものである。ステアリングコラムアセンブリは、定められた動作位置でステアリングコラムアセンブリを車両に固着するための組付け部分を含むことができる。アセンブリはコラプス式部分を有することができ、その少なくとも一部分は、組付け部分に対して前方に動くように適合され、組付け部分は概してその定められた動作位置に留まる(例えば、組付け部分のどの動きも約50mm、20mmまたはさらには10mm未満の量に制御および限定される)。その基本概念の中では、本教示は、ある一定の閾値量の負荷(例えば、約0.5kN以上または約2kN以上の負荷;約10kN未満または約5kN未満の負荷)を発生させる二次衝撃などの衝撃の場合に、コラプス式部分の少なくとも一部分が車両内で前方に動くように適合できるステアリングコラムアセンブリを対象とする。前方への動きはテレスコピック式にすることができる(例えば、ステアリングホイールに動作可能なように連結された少なくとも1つの第1の構造(インナコラムチューブなど)が、少なくとも1つの第1の構造を少なくとも部分的に囲繞できる少なくとも1つの第2の構造(例えば、コラムハウジング)に対して車両内で(例えば、車両の長手方向軸に(約10°以内の平行になるように)概して平行な軸に沿って)前方に進むことができる)。やはり理解されるように、本教示の想定によれば、ステアリングコラムアセンブリは、ユーザがステアリングホイールの傾斜角度を選択できるように適合されたチルト調整もしくはレーキ調整、ユーザがステアリングホイールの適切な前後位置を選択できるように適合されたリーチ調整、またはその両方を含むことができる。概略的には、このような調整はいずれも適切なユーザ操作装置(例えば、レバー、電気機械式アクチュエータ、またはその他の装置)によって制御することができる。手動操作式システムの場合は、レバーまたは他のユーザ操作装置が、ユーザに選択された位置にコラプス式部分を維持するために加えられる力を制御するように適合することができる。例えば、コラプス式部分の2つ以上の構成要素を解放可能なように(場合によってはさらに調整可能なように)互いに固着するために、レバーまたは他のユーザ操作装置が、1つ、2つ、もしくはそれより多くの締付け部分または他の適切な機構と動作可能なように係合することができる。締付けまたは他の固着は、ボルト(例えば、チルトボルト)、ロッド、ストラップ、バー、バンド、くさび、または他の適切な部材など、適切な固着部材(例えば、力を加える細長い部材)によって実現することができる。例えば、固着部材は、ユーザ操作装置の起動の際に、概して対向する部分(例えば、締付け部分)が、例えば、互いに対して構成要素を解放するように分離するように、または互いに対して構成要素を固着するように互いに接近するように適合することができる。
【0020】
固着部材は、車両の通常動作の間はステアリングコラムアセンブリ内の定位置に保持される。二次衝撃などの衝撃の場合、固着部材の一部または全部を定位置から係合解除し車両内で前方に動くようにできることが想定される。例えば、固着部材は、所定の負荷が実現される際に破断するか、塑性変形するか、または何らかの他の構造(例えば、組付けアームなど、コラプス式部分および/または組付け部分の一部分)を破断もしくは塑性変形できるように構成することができる。このようにして、コラプス式部分の構成要素を互いに固着するために加えられる力を固着部材が解放することを可能にすることができ、したがって、コラプスが可能になる。固着部材をユーザ操作装置(例えば、レバー)に連結できることを可能にすることもできる。このように、固着部材が前方に移動するとユーザ操作装置もやはり前方に動くことができる。
【0021】
言及するように、本明細書の教示のブラケット構造(例えば、チルトブラケット)は、離脱構造を設けるように修正することができる。ブラケットが、上壁と、上記に説明したように(例えば、チルト調整のための細長いスロットを含む)突出する側壁とを含むことができる。離脱インサートの代わりに、側壁は、1つまたは複数のストレス集中部を画定するように構成することができる。このように、二次衝撃などの衝撃の場合、細長いファスナまたは他の固着部材(例えば、チルトボルト)が、側壁の一方または両方の一部分を破断させることができ、したがって、離脱を起こすことができる。例えば、薄い部分を画定する切欠きを使用することができる。このように、側壁構造(例えば、側壁構造の前方部分または後方部分)により、側壁の一部分(例えば、下側部分、上側部分、前方部分および/または後方部分)が定められた別の部分(例えば、それぞれ、上側部分、下側部分、後方部分および/または前方部分)から離脱可能になるように構築することができる。このように、細長いファスナまたは他の固着部材は、離脱される部分に保持することができる。細長いファスナまたは他の固着部材は側壁の一部分を貫通することができる。一例として一方または両方の側壁のうち前方の薄い壁セクションは、側壁の後方部分から切欠きを設けた結果、画定することができる。一方または両方の側壁のうちの前方の薄いセクションを使用することができる。一方または両方の側壁のうちの前方を向く部分に、任意選択の1つまたは複数の切欠きを使用することができる。このような切欠きまたは何らかの他の適切な構造のうちの1つまたは複数は、(一方もしくは両方の側壁の一部分を担持しながらまたは担持せずに)細長いファスナまたは他の固着部材をブラケットから離脱可能にするための、側壁の前方部分の破断を制御するのを助けるストレス集中部を1つまたは複数画定するのを助けることができる。上記の特性の任意の組み合わせを用いることができる。
【0022】
本教示は、概して、1つまたは複数のエネルギー吸収装置の実現可能な使用も想定する。エネルギー吸収装置は、弾性変形しかつ/または弾性変形してさらに塑性変形するように適合された適切な装置とすることができる。したがって、変形の途中にエネルギー吸収装置は、変形によりエネルギーを吸収するように適合される。エネルギー吸収装置は、2つ以上の構成要素の間に動作可能なように連結するかまたは配置することができる。2つ以上の構成要素間の相対移動を制限するように構成することができる。エネルギー吸収装置はワイヤ、プレートなどでよい。それらはその長さに沿って一様のプロフィルまたは変化するプロフィルを有することができる。エネルギー吸収装置は固定により拘束される部分(例えば、端部)を1つまたは複数有するように使用することができる。自由端を1つまたは複数有することができる。
【0023】
上記で示すように、本教示に関連する特有の特性がある。二次衝撃などの衝撃の場合、固着部材の少なくとも一部分(そうでなければ全て)がその通常動作位置(例えば、固着係合位置)から離脱することが可能である。二次衝撃の場合、固着部材の少なくとも一部分(そうでなければ全て)が、衝撃によって引き起こされるストロークの少なくとも一部分、そうでなければ全範囲にわたって動くことが可能である。二次衝撃などの衝撃の場合、固着部材の少なくとも一部分(そうでなければ全て)がその通常動作位置から離脱し2つ以上の構成要素間の力を解放する(例えば、1つ、2つ、またはそれより多くの締付け部分を解放する)ことが可能であり、したがって、2つ以上の構成要素が(例えば、定められたようにして)互いに対して移動することができる(例えば、インナコラムチューブが、コラムハウジング内で(テレスコピック式などで)前方に、またはコラムハウジングに対して別の方法で移動することができる)。二次衝撃などの衝撃の場合、固着部材の少なくとも一部分(そうでなければ全て)がその通常動作位置から離脱することが可能である。内部コラプス式ステアリングコラムアセンブリを用いる本明細書の教示を利用することが可能であるが、本教示はステアリングコラムアセンブリのこのようなカテゴリに限定されない。例えば、本明細書の教示は、コラプス式部分が二次衝撃などの衝撃の際に前方に移動しないように車両内のある位置に固定されたコラムハウジングを含む機構を使用することができる(例えば、枢動可能なように車両内に固定することができる)。本明細書の教示は、コラプス式部分が車両内で相対的にわずかに前方に移動するように固定されたコラムハウジングを含む機構を使用することができる(例えば、枢動可能なように車両内に固定し、二次衝撃などの衝撃の場合に約50mm、20mmまたは10mm未満の量だけ前方に動くように適合することができる)。
【0024】
言及するように、本明細書では特性の一つは、二次衝撃などの衝撃の場合に、固着部材の少なくとも一部分(そうでなければ全て)がその通常動作位置から離脱する能力に関する。以下に説明する例示的な実施形態では、一手法はインナコラムチューブにコラムハウジングを締め付けるかまたは締付け解除する(または何らかの他の係合/係合解除を行う)ようにサブアセンブリのハードウェアを起動させるように(例えば、チルトボルトまたは他の固着部材などの細長いファスナによって)固着力を加えるレバーまたは他のユーザ操作装置を使用することであると理解される。離脱機能はチルトブラケットと協働する離脱インサートを使用することによって実現されるように説明しているが、他の構造の機構も可能である。限定ではなく一例として、本教示の離脱インサートの代わりにまたはそれに加えて使用できる他の構造は、チルトブラケットなどのブラケットの側壁の局所的に弱い部分(例えば、比較的薄い壁、所定のストレス集中部を1つまたは複数有する壁、材料の選択、それらの任意の組み合わせ、またはその他の方法などを用いることによる、局所的に弱い部分)の使用を含む。これは、チルトガイドスロットなどの細長いスロットに隣接するブラケットの前方を向く縁部分でよい。ブラケットの1つまたは複数の側壁を上側部分に連結する比較的薄いネックの形態でよい。二次衝撃などの衝撃による所定の閾値負荷が実現する際に、局所的に弱い部分は、負荷に応答して破断し、切断され、かつ/または変形することができ、したがって、2つ以上の構成要素を互いに固着させるように加えられる力を解放し、そうすることで、その構成要素のうちの少なくとも一方が他方に対して動くことが可能になる。
【0025】
局所的に弱い固着部材(例えば、チルトボルトなどの細長いファスナ)は、(例えば、材料の選択、ストレス集中の設計(例えば、ストレスの集中が望まれる領域に選択的に薄いセクションを含むこと)、またはその両方によって)選択的に弱くすることができる。このようにして、負荷に応答して破断し、切断され、かつ/または変形することができ、したがって、2つ以上の構成要素を互いに固着させるように加えられる力を解放し、そうすることで、その構成要素のうちの少なくとも一方が他方に対して動くことが可能になる。上記の任意の組み合わせを用いることもできる。
【0026】
図示の例では、教示が自動車両用の内部コラプス式ステアリングコラムアセンブリに有益な面を説明する。概略的には、本明細書の教示のアセンブリが、(例えば、ステアリングホイールまたは他のステアリング装置と連結できるような)ステアリングシャフトおよび/またはステアリングシャフトを(例えば、1つまたは複数の軸受を介して)支持するインナコラムチューブを含むことができる。コラムハウジングを使用することができる。コラムハウジングはインナコラムチューブとテレスコピック式に連結されるように適合することができる(例えば、それぞれが、概して平行なまたはそれどころか互いに同軸の長手方向軸を有することができる)。インナコラムチューブまたはコラムハウジングのいずれかまたは両方を車両に(例えば、車両を横切る構造体に)少なくとも部分的に固着するためにブラケットを使用することができる。ブラケットは、チルト機能のためのガイド構造を設けるように適合された適切な部分(例えば、概して垂直に向いたスロットなどのスロット)を含むことができる。ユーザがアセンブリを手動操作できるようにするために、レバーなどのユーザ操作装置を使用することができる。操作スイッチからの信号に応答して力を加えるかまたは解放する電気機械式装置を使用することができる。レバーまたは他のユーザ操作装置は、その位置に応じてインナコラムチューブに対してインナコラムハウジングを締め付けるようにすることができる。レバーまたは他のユーザ操作装置は、その位置に応じてインナコラムチューブに対してコラムハウジングの係合または係合解除(例えば、締め付けるかまたは締付け解除)を引き起こすようにすることができる。レバーまたは他のユーザ操作装置は、ステアリングホイール調整サブアセンブリに関連付けることができ、二次衝撃などの衝撃の間に実現される閾値負荷の場合にサブアセンブリの少なくとも一部分がその典型的な動作位置から離脱することができるように構成することができる。このように、離脱の結果として、レバーまたは場合によってはユーザ操作装置の少なくとも一部分は、前方に、例えば、ユーザから離れる方に、動くことを可能にすることができる。離脱の結果として、このように、インナコラムチューブは、取り付けられたステアリングホイールをコラムハウジングと共に担持しながらコラムハウジングに対して前方に並進できる状態にすることができる。その結果、レバーの一方もしくは両方(または場合によっては電気機械式アクチュエータもしくはユーザ操作装置の何らかの他の部分)またはステアリングホイールが前方に、例えば、ユーザから離れる方に、並進可能な状態にできることを理解することができる。
【0027】
本教示の適切な構造のより具体的な例をここで参照すると、本教示が、典型的にはインナコラムチューブ、ステアリングシャフト、ブラケット(例えば、チルトブラケット)、コラムハウジング、およびステアリングホイール調整サブアセンブリ(例えば、手動操作式ステアリングホイール調整サブアセンブリ)を含むことができるアセンブリを扱うことを理解することができる。ステアリングホイール調整サブアセンブリは、サブアセンブリを起動させる(例えば、手動で起動させる)ように適合されたレバー(論じられるようなレバー、または何らかの他のユーザ操作装置)と、ステアリングシャフトをユーザの望む位置に選択的にロックするための、インナコラムチューブと係合状態および係合解除状態になる少なくとも1つの係合部材とを含むことができる。組付け構造が、ブラケット(例えば、チルトブラケット)に対してステアリングホイール調整サブアセンブリを着脱可能なように組み付けることができる。アセンブリの固定構成要素に対してステアリングホイール調整サブアセンブリの少なくとも一部分を離脱できるように構成された少なくとも1つの構造を使用することができる。例えば、少なくとも1つの離脱インサートが、ステアリングホイール調整サブアセンブリをブラケット(例えば、チルトブラケット)に着脱可能なように組み付けることができる。ファスナアセンブリが、レバー、係合部材、および離脱インサートを動作可能なように連結することができる。二次衝撃などの衝撃の間に、コラムハウジングは、前方の枢動組付け位置に対して概略的定位置に残る(例えば、前方への並進は比較的小さい量(例えば、約20mmまたは10mm)に限定される)。さらに、ステアリングホイール調整サブアセンブリ(例えば、適切な組付け構造)の少なくとも一部分が、少なくとも1つの離脱構造(例えば、離脱インサート)によってブラケット(例えば、チルトブラケット)から外れるか、またはその他の方法でそれに対して並進された状態になり、レバーをユーザから離れる方に移動させるように二次衝撃などの衝撃の間に(例えば、少なくとも部分的に長手方向に)並進するように適合される。このようにして、インナコラムチューブが締付け解除された状態になるかまたはその他の方法で係合解除され、コラムハウジング、ブラケット(例えば、チルトブラケット)、またはその両方に対して前方に並進できることも想定される。
【0028】
次に本明細書のアセンブリの詳細により注目すると、アセンブリは概して、例えば、ステアリングシャフトを介してステアリングホイール(図示せず)に動作可能なように連結されるチューブを含む。本明細書ではインナコラムチューブと称されるこのようなチューブの一つは、典型的には、チューブの長さの少なくとも一部分(そうでなければ全体)に沿って中空の空所を有し、回転可能なシャフト、すなわちステアリングシャフト、および場合によっては1つまたは複数の軸受を受容および支持するようにサイズ設定および構成することができる。シャフトもチューブも長手方向軸を有する。車両に据え付けるときには、シャフトおよびチューブそれぞれの長手方向軸(ならびに一般的にはステアリングコラムアセンブリ)は、車両の長手方向軸に、概して同軸に位置合わせするか、概して平行に位置合わせするか、または一方を概して同軸に他方を概して平行に位置合わせすることができる。シャフトおよびインナコラムチューブは典型的には、鉄(例えば、鋼)、マグネシウム、亜鉛、もしくはアルミニウムのうちの1つもしくは複数など、適切な金属から作製されるか、またはその他の方法でそれらを含む。
【0029】
インナコラムチューブは概して円筒形かつ中空とすることができる。インナコラムチューブは前方端部分および後方端部分ならびに長手方向軸を有することができる。前方端部分または後方端部分のいずれかまたは両方が、回転するようにステアリングシャフトを支持する適切な軸受を含むことができる。
【0030】
ステアリングシャフトは、ステアリングホイール(図示せず)を受容するように適合された後方端部分を有することができる。ステアリングシャフトは、貫通する前方端部分を有することができ、軸受、キーロックカラーまたはその両方によって支持することができる。言及するように、ステアリングシャフトは、回転するようにインナコラムチューブによって少なくとも一部を支持し、インナコラムチューブの長手方向軸に概して同軸に位置合わせできる長手方向軸を有することができる。
【0031】
適切なブラケットを1つまたは複数使用することができる。こうしたブラケットは、車両内にステアリングコラムアセンブリを組み付けるための部分を含むことができる(例えば、車両の横梁、インストルメントパネル、またはその他の構造などの車両構造に固着させることができる)。ブラケットは、ステアリングシャフト支持構造(例えば、インナコラムチューブ、コラムハウジングまたはその両方)に少なくとも部分的に隣接する部分を有することができる。例えば、ブラケットは、ブラケットのチルト部分を画定する、下にぶら下がる(下に延びる)壁を1つまたは複数含むことができる。下にぶら下がる壁のうち1つまたは複数は、チルト機能のためのガイドを設ける細長いスロットを有する構造を設けるように適合することができる(例えば、調整の間に動くときのチルトボルトなどの固着部材のための案内通路を設ける;このように上および下への動きを制限することができる)。ブラケットは、チルト部分および組付け部分が単一の構造になるように一体化した構造にすることができる(例えば、鋳造、スタンピング、またはその組み合わせ)。ブラケットは、単一構造の組み付け部分およびチルト部分を画定するように互いに組み立てられる別々の構造から作製することができる。組付け部分は省略してよい。チルト部分は省略してよい。チルト部分を画定する構造とは別個に組付けブラケットを使用してよい。使用できるブラケットの例には、本明細書で説明した例の他に、米国特許出願公開第20100300238号(全体があらゆる目的のために援用される;例えば、ブラケット20の説明を参照);その文献の全体があらゆる目的のために援用される米国特許第6,467,807号(例えば、ブラケット6および7ならびに関連する構造の説明を参照)のブラケットが含まれる。
【0032】
1つまたは複数のブラケット(例えば、チルトブラケット)は、ステアリングシャフト支持構造の少なくとも一部分(例えば、インナコラムチューブの少なくとも一部分、コラムハウジング、またはその両方)を受容するように、かつ/またはステアリングコラムアセンブリを自動車両内に組み付けるために使用および適合することができる。一例として本教示のチルトブラケットが、車両の横梁、インストルメントパネル、またはその他の構造などの車両構造に固着されるように適合された上側部分を含むことができる。ブラケット(例えば、チルトブラケット)は、下に延びるまたは突出する、概して対向する1対の壁を有することができる。ブラケット(例えば、チルトブラケット)は、ステアリングシャフト支持構造(例えば、インナコラムチューブ)の少なくとも一部分の側面に少なくとも部分的に隣接する構造を有することができる。ブラケット(例えば、チルトブラケット)は、対向する1対の側壁と、車両に(例えば、車両の横梁、インストルメントパネル、または他の適切な構造)に付くように構成された上壁とを含むことができる。側壁は上壁に対して外側に突出することができる(例えば、上壁に対して概して直交するようにまたは斜めに配設することができる)。ブラケット(例えば、チルトブラケット)は、下に突出するかまたは下に延びる単一の壁を有することができる。ブラケット(例えば、チルトブラケット)は、コラムハウジングの対向する部分に対して横方向上側および外側に配設することができる。
【0033】
本明細書で説明するような例示的な離脱インサートを使用する教示に関して、側壁のうちの1つまたは複数は、切抜きを、例えば、概してc字形の切抜きを1つまたは複数有することができる。切抜きは、側壁の概して前方向から開くことができる(例えば、前方を向く切抜き)。切抜きを画定する1つまたは複数の表面を長手方向に先細りさせることができる。チルトブラケットは、鋳造組織(例えば、アルミニウム、マグネシウム、または鋼を含有する鋳物)とすることができる。側壁は、ステアリングコラムアセンブリの構成要素が上昇または下降されながらガイドされることを可能にする構造を設けるように、細長いガイドスロットを1つまたは複数含むこともできる。例えば、側壁は、下に延びる、前方を向く縁部を有することができる。細長いガイドスロットを画定する前方の壁が、二次衝撃による所定の負荷の際に側壁が破断できるような距離だけ、前方を向く縁部から離間することができる。側壁は、ブラケットの1つまたは複数の側壁を上側部分に連結する比較的薄いネックを有することができる。ネックの厚さは、車両を操作しコラム調整を行う間に通常はオペレータから発生する前方への力に抵抗しながら、チルト調整および定位置への固着を可能にするように十分にサイズ設定することができる。ネックは、衝突による二次衝撃などの衝撃の間に負荷が発生する場合に、本明細書の教示に従ってネックが破断して離脱可能になるように十分に薄くすることができる。
【0034】
調整可能でないが、やはりコラプスする能力を必要とするステアリングコラムアセンブリのために本明細書の教示を利用できることが可能である。このような例では、レーキ調整またはリーチ調整のハードウェアがない。しかし、本明細書の概念はやはりコラプスを実現するように適合することができる。組付けブラケットが、コラムハウジングまたはインナコラムチューブの一方または両方を車両に固着させることができる。例えば、組付けブラケットが、二次衝撃などの衝撃による閾値負荷の際に前方への動きを可能にするように、その側壁の1つまたは複数に、本明細書で教示する離脱インサートまたは他の離脱特性を組み込むことができる。ステアリングコラムアセンブリを組付けブラケットに固着するためのハードウェアが組付けブラケットから破断するかまたはその他の方法で離脱するように適合することができる。エネルギー吸収装置を、前方への動きを制限するように使用することができる。他の変更形態が、本明細書の教示から明らかであり、本明細書の様々な実施形態の離脱特性をこの実施形態に用いることができる。
【0035】
しかし、本教示は、(例えば、レーキおよび/またはリーチのための)調整可能なステアリングコラムアセンブリに関する特定の適用可能性を有する。アセンブリは、概して長手方向軸に沿って前方向もしくは後ろ方向にステアリングシャフトを選択的に調整するか、ステアリングシャフトを選択的に上昇もしくは下降させるか、またはその両方を実行するように適合された、手動操作式ステアリングホイール調整サブアセンブリを含むことができる。ステアリングホイール調整サブアセンブリは、このサブアセンブリを手動で起動させるレバーなどを含むことができる。サブアセンブリは、ステアリングシャフトをユーザの望む位置(例えば、前位置および後ろ位置)に選択的にロックするための、インナコラムチューブと係合状態および係合解除状態になる係合部材を少なくとも1つ含むことができる。サブアセンブリは、ステアリングホイール調整サブアセンブリをチルトブラケットに着脱可能なように組み付ける離脱インサートを少なくとも1つ含むことができる。サブアセンブリは、レバー、係合部材、および離脱インサートを動作可能なように連結する(例えば、チルトボルトと称されることがあるファスナを少なくとも1つ含むような)ファスナアセンブリを含むことができる。1つもしくは複数のスラスト軸受、1つもしくは複数のナット、1つもしくは複数のカム固定要素、および/または1つもしくは複数のカム可動要素など、他の適切なハードウェアをサブアセンブリに使用することができる(例えば、ここで、カム固定要素およびカム可動要素は互いに接触することなどによって互いに対向する動作可能な関係にある)。サブアセンブリは、本明細書でさらに説明するようなスペーサを1つまたは複数含むこともできる。
【0036】
コラムハウジングが自動車両内で枢動組付け位置に枢動可能なように組み付けられる(例えば、常時、固定されるように組み付けられる)。枢動組付け位置は、コラムハウジングの前方端に存在するか、またはその前方端から約20、30、40もしくは50mm以内に存在することができる。枢動組付け位置は、コラムハウジングの下面に、コラムハウジングの上面に、またはコラムハウジングの上面と下面との間のある位置にあってよい。コラムハウジングは、インナコラムチューブを少なくとも部分的に囲繞し、レバーまたは他のユーザ操作装置がステアリングホイール調整サブアセンブリによるステアリングシャフト調整(レーキおよび/またはリーチ)を可能にするように所望の位置にあるときは、インナコラムチューブと締付け関係にすることができる。コラムハウジングは、適切な締付け構造(例えば、(あらゆる目的のために援用される米国特許第6,467,807号に要素12aおよび12bとして示されるような)2つ以上の締付け部分)を含むことができる。例えば、コラムハウジングは長手方向に延びる細長い開口部を含むことができ、その開口部は(例えば、レバーを用いて、カム固定要素、カム可動要素、および/またはスラスト軸受など、サブアセンブリのハードウェアを起動させることによって)コラムチューブを適位置に締め付けるためにインナコラムチューブに向かって押しやられる、対向する内壁表面を画定する。コラムハウジングは、コラムハウジングにチルトブラケットを連結する付勢装置(例えば、ばね)を受容する突出部または他の構造を1つまたは複数有することができる。コラムハウジングは、(例えば、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、および/または鉄(例えば、鋼)などの金属を含む)鋳造組織とすることができる。
【0037】
適切なコラムハウジングの構造および機構の例(「外側コラム」と称される)を、あらゆる目的のために全体が援用される米国特許第6,467,807号に見つけることができる。コラムハウジングは(米国特許第6,467,807号の要素12aおよび12bとして示されるような)締付け部分を含むことができる。締付け部分は、(例えば、米国特許第6,467,807号の
図3、
図5A〜
図5C、
図6A〜
図6C、
図7、および
図11の実施形態のように)上を向くことができる。締付け部分は、(例えば、米国特許第6,467,807号の
図14の実施形態のように)下を向くことができる。米国特許出願公開第20100300238号も参照、その文献は全体があらゆる目的のために援用される。
【0038】
締付けは、インナコラムチューブの周りをコラムハウジングに圧縮させるようにレバーまたは他のユーザ操作装置によって加えられるステアリングホイール調整サブアセンブリからの力によって実現することができる。その力は、本明細書で説明したような離脱インサートによってまたはそれがなくても、ブラケットの(例えば、チルトブラケットの)側壁によって加えることができる。コラムハウジングを省略し、かつ/またはコラムハウジングの締付け部分にインナコラムチューブを圧縮および係合させる力を加える代わりに、ブラケット側壁によって直接的に(および場合によっては本明細書で説明したような離脱インサートによって間接的に)力を加えることも可能である。
【0039】
図面を参照することでさらに明らかになるように、二次衝撃の間にコラムハウジングは枢動組付け位置に対して概略的定位置に残ることができる。コラムハウジングは、比較的小さい量(例えば、約50mm、20mm、または10mm未満)だけ前方に並進するようにして固着することができる。
【0040】
衝撃(二次衝撃など)の間に、本教示の構造は、レバーまたは他のユーザ操作装置に動作可能なように連結できるチルトボルトなどの細長いファスナまたは他の固着部材が長手方向に並進し、締付け位置にあるときに固着される構造から係合解除できるように配置される、要素の適切な組み合わせを含むように構成することができる。例えば、(チルトボルトなどの)細長いファスナまたは他の固着部材は、事実上、ブラケットの側壁(例えば、チルトブラケットの側壁)から離脱することができる。本明細書に示す一例では、適切な組付け構造(すなわち、離脱インサートを少なくとも1つ含むような組付け構造)が、少なくとも1つの離脱インサートなどによってチルトブラケットから外れ、レバーをユーザから離れる方に移動させるように二次衝撃の間に長手方向に並進するように適合される。理解されるように、(例えば、コラムハウジングの側壁を介して)インナコラムチューブに対してコラムハウジングを締め付ける締付け力を解放することができ、そうすることで、インナコラムチューブがコラムハウジングに対して並進することが可能になる。
【0041】
本明細書のアセンブリはさらに、あらゆる目的のために全体がここに援用される米国特許出願公開第2013/0233117号に記載されるタイプのエネルギー吸収構造を使用することができる。例えば、本明細書のアセンブリは、少なくとも1つの塑性変形可能なエネルギー吸収装置(例えば、コラムハウジングによって少なくとも部分的に担持されるように適合された曲げプレート、ワイヤ、または何らかの他の構造)を含むことができ、ここで、エネルギー吸収装置は使用時に、二次衝撃の間にサブアセンブリがコラムハウジングに沿って並進し始めた後に塑性変形によってエネルギーを吸収する。このように、塑性変形可能なエネルギー吸収装置があると固着部材の長手方向の動きの範囲を制限することができる。本教示の例では、固着部材をブラケット(例えば、チルトブラケット)から係合解除された状態にできる構造として離脱インサートを使用することができる。離脱インサートは、ブラケット(例えば、チルトブラケット)の構造を補完するように構成することができる。離脱インサートは、(その最も前方の点から最も後方の点などの)長さを有することができる。離脱インサートは、インサートの前方部分から後方部分に向かって先細りになるテーパ部分を含むことができる。離脱インサートは、チルトボルトなど、ファスナアセンブリのファスナ(または何らかの他の固着部材)を受容しブラケット(例えば、チルトブラケット)に対するステアリングシャフトの上下動を可能にするように適合された(例えば、インサートの後方部分に)細長いスロットを含むことができる。望ましくは、通常動作の間に、離脱インサートのテーパ部分は、ブラケット(例えば、チルトブラケット)の対向表面に接触し、テーパ部分または対向表面のテーパのいずれかまたは両方の寸法は、二次衝撃などの衝撃が起きると、離脱インサートが、前方に並進するように、ステアリングシャフト支持構造の少なくとも一部分(例えば、コラムハウジング)、離脱する固着部材の少なくとも一部分、またはその両方から外れることができるようになっている。テーパは離脱装置から省略しその代わりにチルトブラケット上にのみ配置することができ、またはその逆にすることが可能であることが理解されよう。
【0042】
係合部材はばね付勢のカム装置とすることができる。係合部材は、任意選択で、インナコラムチューブに係合するように適合できる歯を含むことができる。レバーなどのユーザ操作装置が、締付け圧力を加えるようにカムロックシステムを動作させることができる。例えば、係合は、二次衝撃などの衝撃の間にインナコラムチューブが前方に移動し始めるときに(例えば、カムの歯を介して)起こるようにすることができる。さらに、このような係合は、離脱が起き始めるときに開始するのを助けることができる。係合部材は、チルトレバーが解放されると、係合部材が回転しインナコラムチューブに接触しなくなり、したがって、ステアリングホイールを調整でき、チルトレバーがロック位置にあると、係合部材が(例えば、カムの歯を介して)インナコラムチューブを接触した状態にできるようにすることもできる。
【0043】
アセンブリは、インナコラムチューブに取り付けられる、長手方向スロット付きプレートストップ装置を含むこともできる。長手方向スロット付きプレートストップ装置は、コラムハウジングの細長い開口部に配設することができ、インナコラムチューブに締結されるかまたはその他の方法で取り付けられるように構成することができる。長手方向スロット付きプレートストップ装置は、その前方端部分および後方端部分のそれぞれにベース部分を1つまたは複数含むことができる。プレートストップ装置は、1つまたは複数のベース部分から上に突出する、対向する側壁を含むことができる。プレートストップ装置は、ファスナまたは他の固着部材を受容するように適合された、長手方向に延在する側方スロットを含むことができる。プレートストップ装置は、側壁のうちの1つまたは複数に、横断方向に延在するフランジを少なくとも1つ含むことができる。プレートストップ装置は、長手方向に延在する側方スロットの終端位置に弾性ストッパを1つまたは複数含むことができる。プレートストップ装置は、係合部材を受容するように適合された上側長手方向スロットを含むことができる。本明細書の教示から理解できるように、例示的な実施形態を参照すると、プレートストップ装置は、ファスナまたは他の固着部材が二次衝撃の間に前方に動くときに、ファスナまたは他の固着部材の動きをガイドおよび/または制限するように適合することができる。
【0044】
理解できるように、ファスナまたは他の固着部材は細長くすることができる。少なくとも1つのスペーサによって少なくとも部分的に囲繞することができる。ファスナまたは他の固着部材は概して円筒形の中空スペーサによって少なくとも部分的に囲繞することができ、その中空スペーサは、エネルギー吸収プレートなどのエネルギー吸収装置に対向し二次衝撃の間にそのようなプレートと摺動係合できるように適合された第1の部分を有する。スペーサは第2の部分を有することができ、その第2の部分は、チルトブラケット、コラムハウジング、またはその両方に受容されるように適合された突出部を1つまたは複数含み、二次衝撃の間にファスナまたは他の固着部材を前方に並進できるように切断可能にすることができる。例えば、突出部はスペーサの対向する側面にあってよい。突出部はスペーサの長手方向軸に対してずらして配置することができる。突出部は(スペーサの拡大ヘッドに対して)約1から約5mmの高さを有することができる。突出部は約1から約5mmの幅を有することができる。突出部は幅より高さが大きくてもよく、その逆であってもよい。その高さとほぼ同じ幅を有することができる。スペーサは、コラムの打ち付けに抵抗するためにその少なくとも一部分がスロット付きプレートストップ装置の一部分の下に配設されるように寸法設定または構成することができる。
【0045】
上記から理解できるように、コラプスストロークを引き起こす衝撃の場合、離脱インサートまたは他の離脱構造により、チルトブラケット、コラムハウジングおよび/もしくはブラケットの他の側壁、または他の構造に対して固着部材(例えば、チルトボルトなどのファスナ)が着脱することができる。コラプスストロークの間は、(チルトボルトなどの)ファスナまたは他の固着部材(例えば、レバーまたは他のユーザ操作装置を担持する構造)は、前方にユーザから離れる方に並進する。(チルトボルトなどの)ファスナまたは他の固着部材は、プレートストップ装置によって画定される通路など、案内用移動通路に従うことができる。さらに、エネルギー吸収装置(例えば、曲げプレート)が使用される限り、(コラムハウジングで担持される間などに、例えばスペーサの周りから解かれるので)典型的には塑性変形によりエネルギーの吸収を助ける。例えば、1つまたは複数の曲げプレートは、ファスナ(例えば、チルトボルト)または他の固着部材の一部分の周りに少なくとも部分的に巻き付けることができる。1つまたは複数の曲げプレートは、(例えば、概して曲げプレートの端部に向かう)その長さに沿ったある点で、ステアリングコラムアセンブリ(例えば、チルトブラケット、コラムハウジングまたはその他の部材)の固定構造に固着することができる。ファスナまたは他の固着部材が前方に動くと、固定により一部分は拘束されるが、別の部分(例えば、前向きの部分)はファスナもしくは他の固着部材またはそれに関連付けられた構造(例えば、スペーサ)に当たる。その力の結果、1つまたは複数の曲げプレートは塑性変形することができる。例えば、塑性伸長、塑性圧縮、塑性座屈、またはその組み合わせなしで、変形することができる。コラムハウジングの前方端は、適位置に固定されたままにすることができるか、またはそうではなく、(例えば、約50mm、20mmまたは10mm未満の量だけ)前方に動く範囲に限定することができる。さらに、インナコラムチューブを締め付ける力または他の固着力を加える構造を解放することによって(例えば、チルトブラケットから離脱インサートを解放することによって)、インナコラムチューブを締め付ける力または他の固着力(例えば、コラムハウジングによって生じる力)が解放され、インナコラムチューブも前方に並進させることが可能になる。
【0046】
概略的には、本明細書の教示はインナコラムチューブを有するコラムハウジングを用いるステアリングコラムアセンブリを想定する。本教示は単にこのようなアセンブリに限定されるものではない。本教示は、概して、他のタイプのステアリングコラムアセンブリにも適用される。限定ではないが、例えば、本教示は、典型的には並進コラムタイプのアセンブリとして知られるステアリングコラムアセンブリと共に使用されることも企図される。このようなアセンブリは、コラムハウジングをインナコラムチューブと一体にすることができる。このような一体構造は、単一作製ユニット(例えば、鋳物)の形態にすることができる。ユニットは車両内に組み付けることができる。1つまたは複数のスロットの1つまたは複数のピンによって組み付けることができる。エネルギー吸収ユニットを使用することもできる。二次衝撃の間に、そのユニットは、チルトレバーと一緒にまたはチルトレバーなしで前方に動くことができる。
【0047】
言い換えると、本明細書の全体的な教示の概要(限定的ではない)によって、概略的な点では、本教示はコラプス式ステアリングコラムアセンブリに関する。アセンブリはステアリングシャフト支持構造を含む。例えば、アセンブリはコラムハウジングを含むことができ、そのコラムハウジングは本教示に説明したような特性のうちの1つまたは複数を有することができる。アセンブリはインナコラムチューブを含むことができ、そのインナコラムチューブは、本教示に説明したような特性のうちの1つまたは複数を有することができ、コラムハウジング内でテレスコピック調整するように適合される。インナコラムチューブは、単に、ステアリングシャフトを受容するためのチューブまたは他の適切な中空構造(例えば、上記で言及した単一作製ユニットの一体構造)とすることができる。本教示に説明したような特性のうちの1つまたは複数を有することができる(一部がそれに取り付けられたステアリングホイールを支持でき、任意選択でアセンブリの一部分とすることができる)ステアリングシャフトが、回転するように(例えば、1つまたは複数の軸受によって)ステアリングシャフト支持構造によって少なくとも一部が支持されてよく、長手方向軸を有する。本教示に説明したような特性を1つまたは複数有することができるブラケットを、ステアリングシャフト支持構造を少なくとも部分的に担持しアセンブリを車両内に(例えば、車両を横切る構造体に)取り付けるように使用することができる。例えば、説明したように、ブラケットは、チルト調整を可能にするような1つまたは複数の下に突出する壁に沿ってガイド構造を設ける部分を含むことができる。本教示に説明したような特性のうちの1つまたは複数を有することができる少なくとも1つの固着部材(例えば、チルト調整可能なステアリングコラムアセンブリの場合はチルトボルト)は、ブラケットに対するステアリングシャフト支持構造の位置を定めるために使用することができる。例えば、少なくとも1つの固着部材は、(レバーまたは電磁アクチュエータなどの)アクチュエータまたは他のユーザ操作装置に動作可能なように連結することができる。少なくとも1つの固着部材は、ステアリングシャフト支持構造を定位置に固着するのを助ける力の状態(例えば、締付け力)を加えるように動作することができる。アセンブリは、ブラケット、少なくとも1つの固着部材、またはその両方に関連付けられる離脱構造を少なくとも1つ含むことができる。その少なくとも1つの離脱構造は、本教示に説明したような特性のうちの1つまたは複数を有することができる。少なくとも1つの固着部材は、閾値負荷を超える衝撃(例えば、二次衝撃)の場合に、少なくとも1つの固着部材の少なくとも一部分が少なくとも1つの離脱構造によって固着係合位置から離脱し、ステアリングシャフト支持構造を(例えば、コラプスストローク中に)前方に並進できるようにするようにして、少なくとも1つの離脱構造に対して、構成することができる。閾値負荷は約0.5kN以上、または約2kN以上の負荷とすることができる。閾値負荷は、約10kN未満、または約5kN未満の負荷とすることができる。閾値負荷は、顧客指定の負荷要件に基づくものとすることができ、典型的には約2kNと約5kNとの間である。エネルギー吸収装置を1つまたは複数用いることもでき、エネルギー吸収装置は、少なくとも部分的には少なくとも1つの固着部材の前方への並進によってそれに加えられる力に応じてエネルギーを吸収するように動作できる。例えば、曲げプレート、ワイヤなどが、少なくとも1つの固着部材およびステアリングシャフト支持構造と動作可能なように係合することができ、したがって、エネルギー吸収装置の塑性変形によってエネルギーが吸収される。エネルギー吸収装置は、閾値負荷を超える(二次衝撃など)の衝撃の際に、少なくとも1つの固着部材によって動作可能なように係合することができる。固着部材(例えば、チルトボルト)は、前方に動くことができ、エネルギー吸収装置を変形させる(例えば、塑性変形させる)ことができ、したがって、衝撃エネルギーが変形によって吸収される。
【0048】
ここで本明細書の教示の例示的な一例を提示する図面に移ると、まず
図1および
図2が参照されている。
図1はアセンブリ10を示し、そのアセンブリ10は、後方端部分14および前方端部分16を有するステアリングシャフト12を含む。キーロックカラー18が前方端部分に向けて配置される。インナコラムチューブ20が、アセンブリの後方に向けて位置決めされ、前方を向くコラムハウジング22に少なくとも部分的に配設される。コラムハウジングは固定された枢動位置24を有し、その固定された枢動位置24は、組付けハードウェアを受容する横断方向の円筒形開口部26以外は閉じられている。コラムハウジングは長手方向の開口部28を含むことができる。その開口部の機能の1つは、インナコラムチューブ20を囲繞するコラムハウジングの壁を2分することであり、そうすることで、2分された部分はインナコラムチューブ20の締付けを実現するように互いに離接することができる。コラムハウジングは、付勢装置32(例えば、ばね)を受容および/または担持するアーム30または他の構造を有することができる。コラムハウジングは、任意のエネルギー吸収装置(例えば、プレート36)のための適切なキャリア34を含むこともできる。
【0049】
チルトブラケット38が、上壁40および突出する側壁42を有する。付勢装置32はチルトブラケット38に(例えば、上壁40を介して)連結される。
【0050】
インナコラムチューブはプレートストップ装置44を担持することができる。
【0051】
アセンブリの起動および調整は、調整サブアセンブリ46によって実現することができる。調整サブアセンブリはレバー48を含むことができ、細長いファスナ(例えば、チルトボルト)50がそのレバーを貫通することができる。カムアセンブリを用いることができる。例えば、カム可動部52を、レバーに関連付けることができ、カム固定部54に対向させることができる。
図3により詳細に見られるように、細長いスロット58、テーパ壁60、および任意選択の溝62を有する離脱インサート56が、レバーとスペーサ64との間に位置決めされる。図示の実施形態(
図4参照)では、スペーサ64は中空の細長いシャフト66および拡大ヘッド68を有する。(1つまたは複数の平坦な面、例えば、上面および下面を有することができる)拡大ヘッドは、外側に突出する切断可能なタブ70を有し、タブ70は、
図6bに見られるようにスペーサの位置を定めるように、コラムハウジングに関連付けられたスロットに嵌合挿入されるように適合される。二次衝撃の際には、タブは、スペーサが長手方向に摺動可能なように切断することができる。シャフト66は端部分72を有する。
【0052】
サブアセンブリはさらに係合部材としてカムロック74を含み、そのカムロック74は任意選択で係合面に歯を含む。係合部材はコイルばね76などによって付勢することができる。
【0053】
図示の例示的な実施形態では、スペーサと同様に、離脱インサートがアセンブリの両側にある。ファスナは、それらの要素を互いに連結し、適切な軸受80(例えば、スラスト軸受)に隣接するナット78(例えば、フランジを有する、ナイロンナットなどのプラスチックナット)によって適位置に締結される。
【0054】
ファスナは、
図5にさらに詳細に示されるプレートストップ装置44の一部分の下に位置決めされる(長手方向の平坦面を1つまたは複数有することができる)シャンク部分を含む。プレートストップ装置44は、ベース部分82と、側部フランジ86を有する(ファスナ(例えば、そのシャンク)が下に配置される)ブリッジ部分84と、(係合部材が配置される)細長いスロット部分88とを含む。柔軟なストッパ90(例えば、弾性ストッパ)をブリッジ部分の端部に向けて配置することができる。シャフト66の端部分72は、
図6bに見られるように、コラムの打ち付けに抵抗するために、少なくとも部分的にプレートストップのブリッジ部分84の下に(例えば、側部フランジ86の下方に)存在することができる。
【0055】
図6aおよび
図6bに見られるように、チルトブラケット38の一方または両方の側壁42は、離脱インサート56を受容する開口部92を有する。他の形状を利用できるが、側壁42の開口部の構造は概して離脱インサートの外側部分に相補的な形状を有する。したがって、通常動作の間は離脱インサート56が側壁内に入れ子式に存在できることが可能である。側壁は、離脱インサートのテーパ壁60(
図3参照)に概して対向するテーパ壁部分94を含むことができる。
【0056】
図7a、
図7b、
図8aおよび
図8bを参照すると、(
図7bおよび
図8bに示す)コラプスストロークの間にインナコラムチューブ20もレバー48も前方に車両のユーザから離れる方に並進する状態を理解することができる。このような例では、閾値応力が実現されると、スペーサのタブ70(
図4参照)が切断されファスナが離脱インサート56を前方に押しやる。離脱インサートは、前方に移動すると解放しチルトブラケットから係合解除された状態になり、したがって、コラムハウジングがインナコラムチューブに対するその締付け力を解放することができる。離脱インサートのテーパ壁60(
図3参照)、上部ブラケット側壁のテーパ壁部分94(
図6b参照)、またはその両方により、離脱インサートの全長が前方方向に並進する前に離脱インサートが締付け力を解放できることが可能である。理解されるように、要素の特有の組み合わせによって、このようにサブアセンブリは前方にユーザから離れる方に並進する。一方、コラムハウジングは、その固定された枢動位置24で適位置に残る(係合解除された状態になることはない)。さらに、あらゆる目的のために全体がここに援用される米国特許出願公開第2013/0233117号の教示のように、曲げプレート36が用いられる場合、曲げプレート36はエネルギーを吸収するために塑性変形することができる。例えば、プレート36をコラムハウジングのキャリア34(
図1、
図2、
図6aおよび
図6b参照)によって担持し、スペーサ64(
図4参照)の周りで変形させることができる。
【0057】
図9aおよび
図9bは、離脱構造を実現するために、本明細書の教示のチルトブラケット38’および38”を修正できる方法の例を示す。各ブラケット38’および38”は、上記に説明した実施形態と同様に、それぞれ上壁40’および40”と、突出する側壁42’および42”とを有する。しかし、それらの実施形態では、離脱インサートの代わりに、側壁は、1つまたは複数のストレス集中部を画定するように構成される。このように、二次衝撃の場合、細長いスロット58’および58”に少なくとも部分的に配置された細長いファスナまたは他の固着部材(例えば、チルトボルト)50’および50”が側壁の一部分を破断させ、したがって、離脱を起こすことができる。例えば、
図9aに(実質的に切欠きA’に並置される)薄い部分を画定する切欠きA’が示されている。このように、側壁構造(例えば、側壁構造の後方部分)が、側壁42’の一部分(示されている図面では、下側部分)を別の固定部分から離脱できるように構築することができる。このように、細長いファスナまたは他の固着部材は離脱された部分に保持することができる。
図9bに薄い前方壁セクションA”が示されている。
図9bには側壁42”の前方を向く部分に任意選択の切欠きも示されている。このような切欠きまたは何らかの他の同様の構造の1つまたは複数が、細長いファスナが側壁から離脱することを可能にするための、側壁の前方部分の破断を制御するのを助けるストレス集中部を1つまたは複数画定するのを助けることができる。
図9aおよび
図9bのそれぞれの特性の一部または全部の組み合わせを用いることができる。
【0058】
例示的な実施形態を上記に説明するが、それらの実施形態が本発明の実現可能な形態を全て説明するものではない。むしろ、本明細書で用いられる文言は、限定ではなく説明の文言であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を実行できることが理解される。さらに、様々な実装実施形態の特性を組み合わせて本発明のさらなる実施形態を形成することができる。
【0059】
理解できるように、上記の教示の変更形態を用いることができる。例えば、複数のサブアセンブリからステアリングホイール調整サブアセンブリを作製可能にすることができる。カムを介してインナコラムチューブに締付けを行うファスナが、離脱インサートが固着されるファスナとは別個のものでよい。離脱インサートを受容する構造が、必ずしもチルトブラケットの側壁に対する切抜きである必要はない。離脱が起こったときにチルトブラケットの前方部分の歯にチルト確動ロックプレートが係合することができる。説明したエネルギー吸収機構の代わりに何らかの他の機構を用いることができる。例えば、エネルギー吸収機構をインナコラムチューブに固着させ、そうすることで、チルトレバーによって駆動されるカムを介してチューブと共に摺動しハウジングにロックされるようにすることができる。インナコラムチューブの締付けは、中間のコラムハウジングからの力が無いときは、チルトブラケットから(例えば、チルトブラケットの外側に突出する壁から)力を加えることによるものとすることができる。本明細書の教示は本教示の機能面のいくつかを引き起こすような二次衝撃事象について言及することがあるが、本教示は単に二次衝撃事象に限定されない。むしろ、二次衝撃について言及する場合は、別段の限定が無い限り、本教示は、実質的に通常の動作負荷を超える(例えば、車両の前方に向かう方向における)閾値負荷が生じ、離脱事象が負荷を実質的に低減するために望ましい場合がある、他の衝撃または状況を企図するものと考えるべきである。そのような離脱がなければその負荷は車両オペレータに伝達されることになる。
【0060】
本発明で列挙される数値はいずれも、任意の低い値と任意の高い値との間に少なくとも2単位の隔たりがある場合、低い値から高い値まで1単位ずつ増加する全ての値を含む。一例として、構成要素の量、または例えば、温度、圧力、時間などのプロセス変量の値が例えば、1から90、好ましくは20から80、より好ましくは30から70であると記される場合、15から85、22から68、43から51、30から32などの値が本明細書に明確に列挙されることが意図される。1未満の値の場合は、1単位は必要に応じて0.0001、0.001、0.01または0.1であるとみなされる。これらは具体的に意図された単なる例であり、列挙される最低値と最高値との間にある数値の可能な組み合わせは全て、同様にして本明細書に明記されていると考えるべきである。
【0061】
別段の言及がない限り、全ての範囲が両方の端点およびその端点間の全ての数を含む。範囲に関して用いられる「約(about)」または「約(approximately)」はその範囲の両端に適用される。したがって、「約20から30(about 20 to 30)」とは、少なくとも明示された端点を含む「約20から約30(about 20 to about 30)」を包含するものである。
【0062】
特許出願および特許公報を含む全ての論文および参考文献の開示が、あらゆる目的のために援用される。組み合わせを説明する用語「本質的に成る(consisting essentially of)」は、特定の要素、材料、構成要素またはステップと、その組み合わせの基本的かつ新たな特徴に事実上影響を及ぼさない他の要素、材料、構成要素またはステップとを含むものとする。本明細書の要素、材料、構成要素またはステップの組み合わせを説明する用語「備える(comprising)」または「含む(including)」の使用は、それらの要素、材料、構成要素またはステップから本質的に成る、またはさらには構成される実施形態も企図する。
【0063】
複数の要素、材料、構成要素またはステップは、単一の統合された要素、材料、構成要素またはステップで提供することができる。あるいは、単一の統合された要素、材料、構成要素またはステップは、別々の複数の 要素、材料、構成要素またはステップに分割することができる。要素、材料、構成要素またはステップを説明する「1つ(a)」または「1つ(one)」の開示は、追加の要素、材料、構成要素またはステップを除外するものではない。
【0064】
図面に示された要素の相対的な位置関係は、字句で説明されていなくても本明細書の教示の一部である。さらに、図面に示された形状(限定するものではない)も、字句で説明されていなくても本教示の範囲内に包含される。