【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態および改良は従属請求項の主題である。
【0011】
本開示の一態様は、ハウジングと、長手方向軸、遠位端および近位端を有する親ねじとを含む、薬物送達デバイスのアセンブリに関連し、この親ねじは、用量設定中および用量送達中に回転可能または回転方向に固定され、ハウジングに対して遠位方向の軸方向に可動である。好ましくは、長手方向軸は、親ねじの遠位端から近位端まで延びる。長手方向軸は、ハウジングおよび/または薬物送達デバイスの長手方向軸に一致しているか、それと平行に向けられている。
【0012】
本開示の別の態様は、アセンブリを含む薬物送達デバイスに関連する。
【0013】
用量設定および/または用量送達はそれぞれ、デバイスから投薬予定の薬物の用量が設定される用量設定操作と、設定用量または他の用量がデバイスから送達または投薬される用量送達または用量投薬操作とに関連するものである。好ましくは、用量設定中および用量送達中、親ねじはハウジングに対して近位方向に可動ではない。
【0014】
親ねじはさらに、螺旋ねじ山などのねじ山を有するか含む。アセンブリはさらに、親ねじのねじ山(親ねじねじ山)にねじ係合されると共にたとえばねじ山に沿って回すことが可能な駆動ナットを含む。
【0015】
アセンブリはさらに、駆動ナットに連結されると共に駆動ナットに対して軸方向に可動かつ回転可能または回転方向に固定されるダイヤルリンクを含み、このダイヤルリンクはフィードバックラチェットの第1の部分を含む。フィードバックラチェットは、好ましくは、アセンブリおよび/または薬物送達デバイスの操作中に可聴および/または触覚のフィードバックを使用者に提供するように配置される。好ましくは、フィードバックラチェットは、特に用量投薬中および/または用量送達中にフィードバックを提供する。
【0016】
一実施形態では、用量送達中、ダイヤルリンクおよび駆動ナットはハウジングに対して回されない。このような実施形態は、アセンブリおよび/または薬物送達デバイスの一般的構成概念を容易かつまたは可能にする。
【0017】
アセンブリは、用量設定中に、ダイヤルリンクがハウジングに対して定位置から第1の軸方向距離を動かされ、駆動ナットがねじ山に沿って、たとえば第1の軸方向距離と異なる第2の軸方向距離を動かされるように構成される。好ましくは、第1の軸方向距離は第2の軸方向距離よりも大きい。さらに、ダイヤルリンクならびに駆動ナットは、ハウジングに対して同じ方向に同時に回される。定位置とは、好ましくは、用量設定操作がそこを起点に開始するハウジングに対するダイヤルリンクの位置であり、かつ/またはアセンブリおよび/またはデバイスの動作可能寿命中に、用量送達の後および/または用量設定操作の前にダイヤルリンクが繰り返し配置される位置である。
【0018】
アセンブリはさらに、用量送達中にダイヤルリンクがハウジングに対して定位置に向けて逆に動かされるように、また駆動ナットが、親ねじと一緒に軸方向に、好ましくは薬剤の用量をデバイスから投薬するために進められるように、構成される。このようにして、デバイスおよび/またはアセンブリはピストンを含むことができ、このピストンは、親ねじが軸方向に、好ましくは遠位に進むことがまた、デバイスから薬物の用量を投薬または送達するためにカートリッジ内のピストンを前進させるように、カートリッジ内にかつ/または親ねじのそばの遠位に配置される。前記進むことは、たとえば、親ねじの近位運動などの軸方向運動に関する。さらに、前記進むことは、好ましくは、親ねじの第2の軸方向距離の動きに関する。
【0019】
アセンブリはさらに、フィードバックラチェットの第2の部分を含み、この第2の部分は、第1の部分と係合して、用量送達中に前記部分間の接触により使用者へのフィードバック信号を生成するように配置および構成される。同様に、第1の部分は第2の部分と係合するように構成され、または両方の部分が互いに係合するように構成される。前記フィードバック信号は、上記のように可聴および/または触覚の信号である。
【0020】
一実施形態では、フィードバックラチェットはクリッカラチェットまたはクリッカフィードバック機構である。
【0021】
有利には、本アセンブリは、特に用量投薬中に、改善されたフィードバックを使用者に、たとえば、用量が現在送達されているという情報に加えてカートリッジの充填状態について使用者に知らせることができるフィードバック信号として提供する。これにより使用者が、たとえば、用量の設定のために供給されるクリッカ機構またはフィードバックと、用量送達中のそれぞれのフィードバックとを区別することが可能になる。
【0022】
一実施形態では、第2の部分は、第1の部分と係合して、用量設定中に前記部分間の接触が使用者への別個のフィードバック信号を生成するように配置および構成される。この実施形態または機能は、本明細書に記載の実施形態と共に好都合かつ有利に供給され、用量送達中に信号が生成される。
【0023】
一実施形態では、フィードバックラチェットの第1および第2の部分の一方が、フィードバックラチェットのそれぞれの他方の部分と係合するように構成されたラチェットアームを含む。ラチェットアームによって、フィードバックラチェットの第1と第2の部分の係合、相互作用または協働により生成されるフィードバック信号は、好都合に確立または助長される。
【0024】
一実施形態では、アセンブリは、用量投薬中および/または用量送達中に、フィードバック信号の開始が、ハウジングに対する親ねじの実際の前進によって決まるように構成される。この実施形態によれば、フィードバックまたはフィードバック信号は、アセンブリまたはデバイスの充填状態についての、および/または現在の設定および/または送達状態についての情報が使用者に提供されるように設計される。
【0025】
一実施形態では、アセンブリは、用量設定中にダイヤルリンクが親ねじに対して軸方向に動かされる距離が、設定用量の送達中にダイヤルリンクが親ねじに対して軸方向に動かされる距離と異なるように構成される。この実施形態は、デバイスが機能するために必要かつ/または有利であり、親ねじは、好ましくはデバイスの操作中に近位方向に可動ではない。前記操作は、用量設定および/または用量送達に関連する。親ねじが用量送達中に、ハウジングおよびダイヤルリンクに対して遠位に都合よく動かされると、親ねじとダイヤルリンクの間の相対運動が用量設定中に大きくなる。この効果は、用量投薬中に生成または発生されるフィードバックとは可聴的および/または触覚的に異なるフィードバックを用量設定中に確立するために活用される。それによって、ひいては、デバイスのどの種類の操作が実際に行われているかが使用者に知らされるということで、追加の安全方策が提供される。好都合には、設定中のダイヤルリンクと親ねじの相対運動の軸方向距離は、用量送達中の前記構成要素の相対運動の軸方向距離よりも大きい。
【0026】
一実施形態では、アセンブリは、用量設定中に親ねじが軸方向に動かされないように、また用量設定中にフィードバックラチェットの第1と第2の部分が最初だけ相互作用するように、構成される。
【0027】
一実施形態では、アセンブリは、用量送達中に、第1の部分と第2の部分が第1の時間間隔内で係合または相互作用しないように構成され、前記部分は、その後の第2の時間間隔内で相互作用する。
【0028】
前記時間間隔は、親ねじが、アセンブリおよび/またはデバイスの動作可能寿命中にたとえばハウジングに対してすでに進められた距離によって決まる。
【0029】
言い換えると、用量送達中、第1の部分と第2の部分は、たとえば、上記の第1の時間間隔に対応する初期の一部分のような、前記部分の相対的軸方向運動の末期の一部分内だけで相互作用し、第1および第2の部分をそれぞれ含む構成要素は(操作状態に応じて)軸方向に重なり合わないが、デバイスは操作可能である。
【0030】
一実施形態では、駆動ナットはフィードバックラチェットの第2の部分を含む。駆動ナットが、上記の第1の軸方向距離と第2の軸方向距離の違いまたは寸法設定により、ダイヤルリンクに対して軸方向またはその逆に好都合に動くと、この実施形態によれば、フィードバックラチェットもまた好都合に確立される。
【0031】
一実施形態では、親ねじのねじ山が第2の部分を形成し、ラチェットアームが第1の部分を形成する。
【0032】
一実施形態では、アセンブリは、用量送達中に、親ねじがフィードバックラチェットの第1の部分に対して遠位に変位され、その結果、行われる送達動作の回数が増加すると共に、送達フィードバックの開始が送達動作の終わりの方へ移動するように構成される。この実施形態によれば、使用者が、たとえば操作中のアセンブリおよび/またはデバイスの充填状態について知らされる。
【0033】
一実施形態では、駆動ナットはフィードバックラチェットの第2の部分を含む。
【0034】
一実施形態では、第1の部分がラチェットアームを含み第2の部分がラチェット歯の列、たとえば直線状の列を含むか、または第2の部分がラチェットアームを含み第1の部分がラチェット歯の列を含む。
【0035】
一実施形態では、第1の部分、およびラチェットアームを含まない第2の部分は単一のラチェット歯を含み、第1および第2の部分は、設定用量または事前設定用量が完全にまたは十分にデバイスから投薬されている、または投薬されたときに、用量終了フィードバック信号が1つだけ生成されるように位置している。前記用量終了フィードバック信号またはフィードバック信号は、有利なことに、デバイスの使用者が、たとえば用量がまだ完全に投薬されていなくても前記用量の投薬を停止しようとすることがないので、アセンブリまたはデバイスの安全性を向上させる。
【0036】
一実施形態では、アセンブリは、ハウジングにねじ係合される数字スリーブを含む。このようにして、数字スリーブおよびハウジングのそれぞれが好ましくはねじ山を含み、ハウジングのねじ山は、好ましくは内側ねじ山であるのに対し、数字スリーブねじ山は外側ねじ山である。好ましくは、数字スリーブ用量は、たとえば現在の用量設定状態および/または用量送達状態を使用者に示す印を含む。さらに、数字スリーブは、好ましくは上記で説明されたのと同様にダイヤルリンクによって、上述の定位置に、またはそれに一致して配置可能である。
【0037】
アセンブリはさらに、用量設定中に、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが第1の軸方向配置にあるときに、ダイヤルリンクが数字スリーブに対して回転可能または回転方向に固定されるように、また、用量送達中に、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが第2の軸方向配置にあるときに、数字スリーブがダイヤルリンクに対して回転可能になるように、構成される。
【0038】
一実施形態では、アセンブリは内側スリーブを含み、この内側スリーブは駆動ナットに対して軸方向に固定される。
【0039】
一実施形態では、内側スリーブはハウジングに対して回転可能に固定される。
【0040】
一実施形態では、内側スリーブは数字スリーブとねじ係合される。好ましくは、内側スリーブは外側ねじ山を含み、それに応じて数字スリーブは内側ねじ山を含む。アセンブリはさらに、用量送達中に、たとえば薬物の用量を投薬するために、内側スリーブが駆動ナットを近位などの軸方向に前進させるように構成される。
【0041】
一実施形態では、内側スリーブはフィードバックラチェットの第2の部分を含み、好都合にフィードバック信号を生成するために、第1の部分がラチェットアームを含み第2の部分がラチェット歯の直線状の列を含むか、または第2の部分がラチェットアームを含み第1の部分がラチェット歯の直線状の列を含む。
【0042】
一実施形態では、第1の部分はラチェットアームを含み、第2の部分はラチェット歯の直線状の列を含む。
【0043】
一実施形態では、第2の部分はラチェットアームを含み、第1の部分はラチェット歯の直線状の列を含む。
【0044】
一実施形態では、アセンブリは、用量設定中に設定フィードバッククリッカ機構が内側スリーブと駆動ナットの間に確立されるように構成され、そのとき、すなわち用量設定中に、設定フィードバッククリッカ機構は別のフィードバック信号を使用者に対し生成する。前記別のフィードバック信号は、上述のフィードバック信号および/またはラチェットフィードバックに加えて、またはその代わりに供給される。このようにして、デバイスまたはアセンブリの操作中に使用者に実際に、または効率的に与えられるフィードバックの種類は、用量が設定されるかそれとも投薬されるかに応じて、有利に変化または相違する。特にこれは、フィードバックラチェットのフィードバック信号が、用量の設定中に設定フィードバッククリッカ機構によって生成される別のフィードバックに干渉し得る場合である。
【0045】
一実施形態では、ハウジングに対する数字スリーブのねじ付き部は第1のリードになっており、数字スリーブに対する内側スリーブのねじ付き部は第2のリードになっており、親ねじのねじ付き部は第3のリードになっており、第1のリード、第2のリードおよび第3のリードは等しくなく、すなわち異なる。このようにして、たとえば上述の第1の軸方向距離と第2の軸方向距離が異なること、ならびにアセンブリおよび/またはデバイスが好都合かつ容易に機能し、それによって(同時に)提示されたフィードバックが生成されることが、好都合に助長される。
【0046】
以下では、いくつかの設計欠陥について説明すると共に、これらの設計欠陥をなくすための是正解決策を提示する。追加の態様または情報が以下でさらに与えられるが、下記の態様は、任意選択で解釈されるべきであり、必ずしも本開示に不可欠なものではない。
【0047】
薬物送達デバイスは、1つまたそれ以上の病状のある患者が事前設定用量の薬剤を自己投与できるように設計される。介護者によって設定された治療投薬計画に応じて、患者は1日数回、自己注射を行わなければならない。この理由のために、ペン型デバイスは、視覚または聴覚がよくない、または手の器用さが劣ることのある非常に若い、また非常に高齢の使用者を含む、すべてのタイプの使用者のために設計されなければならない。したがって、注射デバイスの設計が、注射が適正に進行していること、および注射が完了していることを使用者/患者に示すための何らかのタイプのフィードバックシステムを提供することは必須である。たとえば、「クリック」によって、またはクリックがないことによって提供される用量終了フィードバック信号がなければ、使用者は、必要な全用量が送達される前に注射作業を間違って中止する可能性がある。これはもちろん、病状によっては使用者にとって非常に危険であり得る過少用量投与につながる。
【0048】
特許文献1に大まかに記載されている市販のペン注射デバイスの物理的な調査は、薬剤の設定用量が注射されていることのフィードバックが全く使用者に提供されないという設計欠陥を明らかにしている。この問題を解決するために、本開示では、特に上述のように、注射が進行するときにクリックフィードバック信号を使用者に提供するように用量投与機構の当初の設計を修正している。クリック信号がないことは、注射が完了していること、および針が取り除かれる前に使用者が10秒の保持時間を開始すべきことを示す。2つ以上の実現可能な設計変更を示す。1つの場合では、ダイヤルリンクは、親ねじ上のねじ山に係合して、注射中に親ねじが遠位に押されると、ねじ山がダイヤルリンクのフィンガ上の可撓アームと係合および係合解除してクリック音を生じるように修正される。第2の設計変更は、ダイヤルリンクと駆動ナットの両方を、これらの部材の注射中の相対的軸方向運動により可聴クリック音を生成するように修正することを含む。これは、ダイヤルリンクおよび駆動ナットの一方に、他方の部材上のラチェット型歯と相互作用する可撓アームを有することによって達成される。好ましい手法は、可撓アームまたはフィンガをダイヤルリンクの遠位端に置くこと、およびラチェット歯の直線状の列を駆動ナット上に有することである。両方の実施形態で、以下でより詳細に説明されるように、用量送達中に親ねじまたは駆動ナットが遠位に押されると、ダイヤルリンクばねまたはラチェットアームはまくれ上がり(半径方向上向きに曲がって)、各親ねじのねじ山またはラチェット歯それぞれを越える(所定の位置にカチッと戻って)。ばねアームがこのように曲がりカチッと戻ることが「クリック」音を生成し、またデバイス使用者に対し注射が進行しているという触覚フィードバック信号を生成することもできる。ラチェット歯間の間隔は、各クリックが、送達される薬剤の1単位用量を示すように選択することができる。親ねじ上のねじ山のピッチは、薬剤の単位用量とすでに比例している。
【0049】
上述の設計改善を含む薬物送達デバイスはハウジングと、ねじ付軸を有する親ねじとを含み、ねじ付軸を有する親ねじは、用量設定中および注射中に回転可能に固定され、用量投薬中にハウジングに対して遠位方向の軸方向にだけ動き、近位に動くことが常に防止される。デバイスはまた、可動ピストンが一端にあり出口が他端にある薬品充填貯蔵器を画成する液体容器すなわちカートリッジを有し、ピストンは、親ねじの遠位端に連結された支承部によって係合される。ピストンは、用量投薬中に親ねじが遠位に動かされるときにカートリッジの出口または遠位端に向けて進められる。
【0050】
駆動ナットが親ねじ上のねじ山とねじ係合され、用量設定中に親ねじおよびハウジングに対して回転し近位に動くことができる。数字スリーブがハウジングとねじ係合され、用量設定中にハウジングに対して近位方向の外向きに回される。ダイヤルリンクが駆動ナットと摺動可能に回転方向に係合され、駆動ナットに対して軸方向に可動であり、回転可能に固定される。ダイヤルリンクは、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが第1の軸方向配置にあるときに、クラッチを介して数字スリーブに回転可能に固定され、第2の軸方向位置にあるときに、クラッチが、したがって数字スリーブがダイヤルリンクから係合解除され、ダイヤルリンクは数字スリーブに対して回転可能になる。内側スリーブが数字スリーブとねじ係合され、この内側スリーブは、ハウジングに対して軸方向に可動であるが、回転可能に固定される。用量設定中、ダイヤルリンクおよび数字スリーブは第1の軸方向配置にあり、それによって、ダイヤルリンクおよび数字スリーブに連結されている用量つまみのハウジングに対するねじ回し運動により、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが定位置から第1の軸方向距離を回されて、数字スリーブがデバイスのハウジングまたは本体から近位方向の外向きに延びることになる。ダイヤルリンクのねじ回し運動により、駆動ナットが親ねじのねじ付軸に沿って、第1の軸方向距離とは異なる第2の軸方向距離を回される。
【0051】
用量投薬中、ダイヤルリンクおよび数字スリーブ要素は第2の軸方向配置にあり、それによって、ハウジングに対し後向きまたは内向きの定位置に向かう数字スリーブのねじ回し運動により、内側スリーブが回転せずに遠位方向に進められて駆動ナットを軸方向に進め、それによって親ねじおよび流体容器ピストンが薬品を出口から投薬することになる。本明細書で開示されたペン注射器は、使用者が医薬品の投薬中に用量つまみを押しやすくなるという機械的利点を備えることができるが、この機械的利点は非常に大きく、また製造者によって装置またはデバイス設計中に都合よく選択される可能性がある。この機械的利点により数字スリーブは、親ねじが進む距離よりも大きい軸方向距離を移動することが可能になり、それによって小用量を送達することが可能になる。
【0052】
本開示はさらに、以下の態様に関連する。
【0053】
1.薬物送達デバイスであって、
ハウジングと;
長手方向軸、遠位端および近位端を有し、用量設定中および用量送達中に回転可能に固定され、ハウジングに対して遠位方向の軸方向に可動である親ねじであって、螺旋ねじ山、および遠位端に連結された支承部フットを含み、長手方向軸と平行に位置するキー溝を含む親ねじと;
一方の端部に可動ピストン、および他方の端部に出口があるカートリッジであって、ピストンは、親ねじが遠位に動かされるときに、前記出口に向かって前進予定の親ねじ支承部フットによって係合可能であるカートリッジと;
親ねじのねじ付軸に沿ってねじ係合され、回すことが可能である駆動ナットと;
ハウジングとねじ係合されてハウジングに対して回すことが可能になっている数字スリーブと;
駆動ナットに連結され、駆動ナットに対して軸方向に可動かつ回転可能に固定されたダイヤルリンクであって、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが第1の軸方向配置にあるときに数字スリーブに回転可能に固定され、数字スリーブは、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが第2の軸方向配置にあるときにダイヤルリンクに対して回転可能であり、ダイヤルリンクはフィードバックラチェットの第1の部分を含む、ダイヤルリンクと;
数字スリーブとねじ係合された内部スリーブであって、ハウジングに対して軸方向に可動で回転可能に固定された内部スリーブと;
ハウジングの内側に軸方向に固定された中間体であって、親ねじ内のキー溝の中に摺動可能に嵌まってハウジング内の親ねじの回転を防止するタブを含む中間体と;
を含み、
内側スリーブは軸方向に可動であり、内側スリーブ内に形成された少なくとも1つのスロットの中に摺動可能に嵌まる中間体の少なくとも1つのラグによって、中間体に対して回転可能に固定され;
ハウジングに対する数字スリーブのねじ付き部は第1のリードになっており、数字スリーブに対する内側スリーブのねじ付き部は第2のリードになっており、親ねじねじ付軸のねじ付き部は第3のリードになっており、第1のリード、第2のリードおよび第3のリードは等しくなく;
用量設定中に、ダイヤルリンクおよび数字スリーブは第1の軸方向配置にあり、ハウジングに対するダイヤルリンクおよび数字スリーブのねじ回し運動により、ダイヤルリンクおよび数字スリーブが定位置から第1の軸方向距離を回され、ダイヤルリンクのこのねじ回し運動により、前記駆動ナットが親ねじのねじ山に沿って、第1の軸方向距離と異なる第2の軸方向距離を回され;
用量送達中、ダイヤルリンクおよび数字スリーブは前記第2の軸方向配置にあり、それによって、ハウジングに対し後向きの定位置に向かう数字スリーブのねじ回し運動により、内側スリーブが回転せずに遠位方向に進められて、内側スリーブに軸方向に固定された駆動ナットを軸方向に進め、それによって親ねじおよび可動ピストンが流体をカートリッジ出口から投薬することになる。
【0054】
2.フィードバックラチェットの第1の部分は、親ねじ上の螺旋ねじ山または駆動ナット上のラチェット歯を含むフィードバックラチェットの断面部分に係合するように構成されたラチェットアームを含む、態様1の薬物送達デバイス。
【0055】
3.ラチェットアームは、半径方向内向きに位置し、用量設定中および用量送達中に、ラチェットアームとねじ山の間の接触によりフィードバック信号を使用者に対し生成するように親ねじ上のねじ山に係合する、態様2の薬物送達デバイス。
【0056】
4.駆動ナットは、使用者に対するフィードバック信号を生成するように第1の部分と協働するフィードバックラチェットの第2の部分を含む、態様1の薬物送達デバイス。
【0057】
5.第1の部分はラチェットアームを含み、第2の部分はラチェット歯の直線状の列を含む、態様4の薬物送達デバイス。
【0058】
6.第2の部分はラチェットアームを含み、第1の部分はラチェット歯の直線状の列を含む、態様4の薬物送達デバイス。
【0059】
7.第1の部分はラチェットアームを含み、第2の部分は単一のラチェット歯を含み、第1および第2の部分は、事前設定用量が完全に投薬されたときに用量終了フィードバック信号が生成されるように位置している、態様4の薬物送達デバイス。
【0060】
本発明者らの改善されたアセンブリおよび/または薬物送達デバイスの様々な態様の上記ならびに他の利点、およびこれらを得る方法は、当業者には、添付の図面を適切に参照して以下の詳細な説明を読むことにより明らかになろう。
【0061】
例示的な実施形態が本明細書で図面を参照して説明される。