特許第6473784号(P6473784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 廣逹電腦股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6473784-計算システム 図000002
  • 特許6473784-計算システム 図000003
  • 特許6473784-計算システム 図000004
  • 特許6473784-計算システム 図000005
  • 特許6473784-計算システム 図000006
  • 特許6473784-計算システム 図000007
  • 特許6473784-計算システム 図000008
  • 特許6473784-計算システム 図000009
  • 特許6473784-計算システム 図000010
  • 特許6473784-計算システム 図000011
  • 特許6473784-計算システム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473784
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】計算システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20190207BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20190207BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   G06F1/20 C
   G06F1/20 B
   G06F1/16 312B
   H05K7/20 G
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-156822(P2017-156822)
(22)【出願日】2017年8月15日
(65)【公開番号】特開2018-109939(P2018-109939A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2017年8月15日
(31)【優先権主張番号】15/397,418
(32)【優先日】2017年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】陳朝榮
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼玉年
(72)【発明者】
【氏名】陳慶育
(72)【発明者】
【氏名】李宗達
【審査官】 豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−050929(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0111838(US,A1)
【文献】 特表2012−516478(JP,A)
【文献】 特開2010−26872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
G06F 1/16
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流入口及び気流出口を有するシャーシーと、
前記気流入口に対面する第1端及び前記気流出口に対面する第2端を有し、前記シャーシーの中に設置される管路構造と、
前記管路構造から前記気流入口へ延伸していく入口パネル及び前記管路構造に延伸して前記入口パネルに接続される少なくとも1つの出口パネルを有し、前記管路構造に回転可能に付設されるディフレクタを含み、前記ディフレクタが延伸して前記管路構造の壁にある切欠きを通過するよう前記管路構造の1つの前記壁に位置するガイド機構と、
を備える計算システム。
【請求項2】
前記ディフレクタは、更に、
前記ディフレクタを前記管路構造に回転可能に付設するヒンジと、
ディフレクタを第1位置に押すばねと、
を含む請求項に記載の計算システム。
【請求項3】
延伸して前記管路構造の前記壁を通過する少なくとも1つの追加的なガイド機構を更に備える請求項1又は2に記載の計算システム。
【請求項4】
前記気流入口に対面する第1端及び前記気流出口に対面する第2端を有し、シャーシーの中に設置される少なくとも1つの追加的な管路構造と、
前記追加的な管路構造から気流入口へ延伸していく入口パネル及び前記追加的な管路構造に延伸してくる少なくとも1つの出口パネルを有するディフレクタを含み、延伸して前記追加的な管路構造の前記壁における切欠きを通過するように、前記追加的な管路構造の1つの壁に位置する追加的なガイド機構と、
を更に備える請求項1又は2に記載の計算システム。
【請求項5】
前記入口パネルが前記壁に関する閉合位置まで完全に移動しないように配置される少なくとも1つの翼型支持構造を更に備える請求項1〜の何れか一項に記載の計算システム。
【請求項6】
前記入口パネルは、前記気流入口から前記気流出口までの気流の速度に基づいて、開放位置と閉合位置との間の位置に保持される請求項1〜の何れか一項に記載の計算システム。
【請求項7】
前記ディフレクタは、長さが前記出口パネルと異なる少なくとも1つの追加的な出口パネルを更に含む請求項1〜の何れか一項に記載の計算システム。
【請求項8】
前記ディフレクタは、付設角度が前記出口パネルと異なる少なくとも1つの追加的な出口パネルを更に含む請求項1〜の何れか一項に記載の計算システム。
【請求項9】
前記管路構造はシャーシーの中に設置され、2列又は多列の計算モジュールは、前記管路構造の中に位置し、前記切欠きは、前記計算モジュールの列における2列の間に位置する請求項1〜の何れか一項に記載の計算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システムに関し、特に、分散気流を提供するためのシャーシーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデータセンターのコンピュータサーバーシステムは、一般的に、サーバーラックにおける特定の配置に設置され、サーバートレイ、サーバーシャーシー、サーバーベース、サーバーブレード等のような複数の計算モジュールが何れもそれぞれの頂部に積層するように、サーバーラック内に位置する。空間を効果的に使用するために、ラックマウントシステムは、計算モジュールの垂直配置を許可する。一般的には、各計算モジュールは、サーバーラックの内と外にスライドされることができ、入力/出力(input/output;I/O)ケーブル、ネットワークケーブル、電気ケーブル等の各種のケーブルは、ラックの正面又は裏面から計算モジュールに接続される。各計算モジュールは、1つ又は複数のコンピュータサーバーを含み、又は1つ又は複数のコンピュータサーバー素子を含んでもよい。例えば、計算モジュールは、例えば、処理用のハードウェア回路、メモリ、ネットワークコントローラ、ディスクドライブ、ケーブルポート及びパワーサプライ等を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多数の配置において、ラック設置システムにおけるファンは、シャーシーケースの前の空気を流動させて、計算モジュールと他の素子を通過させ、且つこの空気をシャーシーケースの裏面から排出することに用いる。多数の電子素子は、操作時に熱が発生する。また、シャーシーにおける計算モジュールの高密度の原因で、計算モジュールには、大量の熱が発生する。このため、シャーシーケースを通過する気流により、計算モジュールにおける過熱や、このような過熱による損害を防止することができるので、シャーシーケースを通過する気流は極めて重要である。このため、コンピュータサーバーシステム及びその他のタイプの計算デバイスのファン性能の改良は、かなり注目されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
幾つかの実施形態において、計算デバイスシャーシーは、分散気流を提供するための冷却システムを含む。前記冷却システムは、気流入口、気流出口、第1気流通路、第2気流通路、及びガイド機構を含む。第1管路構造で定義された第1気流通路は、気流入口から気流出口まで延伸する。第1気流通路に近接してそれと平行である第2気流通路は、第1管路構造の第1共用壁を介して第1気流通路と分離され、且つ気流入口から気流出口まで延伸する。第1共用壁に位置するガイド機構は、気流を第1気流通路から第1共用壁の切欠きによって第2気流通路に変換するための、入口パネル及び少なくとも1つの出口パネルを有し、閉合位置と開放位置との間で回転するように配置されるディフレクタを含む。ガイド機構は、ヒンジ及びばねを更に含む。ヒンジは、ディフレクタを第1共用壁に回転可能に付設する。ばねは、ディフレクタを開放位置から閉合位置に押す。
【0005】
幾つかの実施形態において、シャーシーは、気流入口から気流出口まで延伸する第3気流通路を更に含む。第3気流通路は、第1気流通路と隣接し、第2共用壁を第1気流通路と共に共用する。第2共用壁は、第1気流通路の第1共用壁に対向する一側に位置してよい。第2ガイド機構は、第2共用壁にある。
【0006】
幾つかの実施形態において、シャーシーは、ディフレクタが閉合位置まで完全に移動しないようにする第1共用壁における少なくとも1つのパネル(翼型)支持構造を含む。幾つかの実施形態において、気流入口から気流出口までの気流の速度に基づいて、入口パネルは、開放位置と閉合位置との間の位置に保持される。
【0007】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの出口パネルは、異なる長さの複数の出口パネルを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの出口パネルは、異なる角度で入口パネルに付設される複数の出口パネルを含む。
【0008】
幾つかの実施形態において、第1気流通路は、少なくとも1つのプロセッサラジエータを含む。幾つかの実施形態において、第2気流通路は、少なくとも1つのメモリモジュール(計算モジュールのうちの1つ)を含む。幾つかの実施形態において、切欠き(及びディフレクタ)は、第2気流通路における2列のメモリモジュールの間に位置する。
【0009】
幾つかの実施形態において、ディフレクタが閉合位置に位置する時、入口翼面により気流が切欠きを通過しないようにするために、切欠きのサイズは入口翼面より小さい。幾つかの実施形態において、ディフレクタは、ばね特性を有する弾性材料を含み、且つばねがディフレクタと組み合わせられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来技術における冷却システムを有する計算システムを示す。
図2】従来技術における図1の計算システムを示す上面図である。
図3】分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムの管路構造及びガイド機構を示す。
図4】分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムを示す2つの図である。
図5図4の計算システムを示す分解図である。
図6図4の例示的な計算システムのガイド機構を示す。
図7A】従来技術における計算システムと分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムとの温度比較を示す。
図7B】従来技術における計算システムと分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムとの他の温度比較を示す。
図8A】従来技術における計算システムと分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムとの気流比較を示す。
図8B】従来技術における計算システムと分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムとの他の気流比較を示す。
図9】分散気流を提供するための冷却システムの4つの例示的な配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の上記及び他の例示的な態様は、以下の詳細な記述及び添付する請求の範囲及び図面に説明される。
以下、本技術を基本的に理解させるために、1つ又は複数の実施形態の簡単な概要を紹介する。この概要は、本技術の全ての詳細な実施形態を広く記述するものではなく、且つ全ての実施例のキーや重要な元素を標識するためのものではなく、本技術の任意又は全ての態様の範囲を限定するためのものでもない。その唯一な目的は、下記のより詳しい記述の序文として、1つ又は複数の実施例の幾つかの概念を簡素化の形式で紹介することである。
【0012】
本発明は、分散気流を提供するための冷却システムを提供する。図面を参照して本技術の様々な態様を説明する。以下の記述において、解釈するために、1つ又は複数の態様を十分に理解させるように数多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、これらの具体的な細部がなくても、本技術が実施されることができることは、明らかである。他の実施例において、これらの態様を説明しやすいために、公知の構造及び設備をブロック図で示す。
【0013】
各種のサーバーシャーシーは、大量のハードドライブ、マザーボード及びファンを収容するように設計される。シャーシーの一端に位置する1つ又は複数のファンは、気流を駆動して流動させて、各種のラック素子を通過してラックの反対端まで流動させる。シャーシー素子を流れる気流(及び、もし存在すれば、シャーシー素子のラジエータ)によって素子を冷却して、熱をシャーシー素子の表面から吸い除くことができる。しかし、気流は、各種の障害物により妨害されるので、一般的に、ファンとの間の距離の増加に従って遅くなる。気流がシャーシーの一端から反対端に進む時に減速することに従って、空気による冷却も減少される。
【0014】
本発明は、冷却システムを有する計算システム、及び1つ又は複数のファンから離れるシャーシー素子に位置する気流を増加する方法を提供する。冷却システムは、例えば、サーバーシャーシー又は他の設備のような、任意のコンピュータシステムに適用されることができる。
【0015】
図1は、従来技術における計算システムを示す斜視図である。冷却システム100は、第1端110と、第2端120と、を含む。少なくとも1つのファン(未図示)は、空気を第1端110から第2端120へ移動させることに用いられる。
【0016】
例えば、ファンは、標準的なシステムファンであってよく、一般的に、幅と長さが80mm、92mm、320mm、340mm、200mm又は230mmとの何れか一方である正方形の形状である。高い回転速度を有する小さなファンを使用する場合と比べて、大きいファンを使用する場合、一般的に、少ないファン数及び低い回転速度で同等な気流量が発生することができる。
【0017】
冷却システム100は、少なくとも1つの第1通路130と第2通路140を有するシャーシー105を含む。図1の配置において、複数の第1通路130の各々は、システム100に形成された管路構造132で定義される。例としては、図1に示すように、管路構造132は、矩形ボックスであってよい。管路構造132は、それぞれ第1端110と第2端120の壁又は壁の付近にある1つ又は複数の開口を有する第1端133と第2端134を更に含んでよい。操作において、空気は、第1端110から第2端120へ流動して、管路構造132で定義された各第1通路130を通過して、且つ管路構造の間に形成された第2通路140を通過する。
【0018】
複数の第1通路130の管路構造132の各々は、例えば、デュアルインラインメモリモジュール(dual in−line memory modules;DIMMs)のような、多行(例えば、6行)と多列(例えば、2列)を含むメモリモジュール135として定義される。メモリモジュール135は、ラジエータを更に含んでもよい。第1列メモリモジュールは第1端110に近く、第2列メモリモジュールは第2端120に近い。しかしながら、メモリモジュールの数や分布を変化してもよい。
【0019】
第2通路140は、例えば、中央処理ユニット(central processing units;CPUs)のような、2つのプロセッサ145を含む。複数のプロセッサの各々は、ラジエータを含む。ラジエータは、空気が第1端110から第2端120へラジエータを流れることを許可する。第1プロセッサは第1端110に近く、第2プロセッサは第2端120に近い。
【0020】
図2は、図1に示す従来技術の計算システムを示す上面図である。冷却システム100は、シャーシー105を含む。シャーシー105は、第1端110及び第2端120を有する。少なくとも1つのファン(未図示)は、空気を第1端110から第2端120へ移動させる。
【0021】
冷却システム100は、少なくとも1つの第1通路130及び第2通路140を含む。以上のように、複数の第1通路の各々は、管路構造132で定義される。例としては、管路構造132は、矩形箱の形状であってよい。管路構造132は、第1端110と第2端120の壁又は壁の付近にある1つ又は複数の開口を含んでよい。空気は、第1端110から第2端120へ流れ、管路構造132で定義された第1通路130を通過して且つ第2通路140を通過する。
【0022】
第1通路130の管路構造132は、多行(例えば、6行)と多列(例えば、2列)を含むメモリモジュール135、例えば、デュアルインラインメモリモジュール(dual in−line memory modules、DIMMs)と定義される。メモリモジュール135は、ラジエータを更に含んでもよい。
【0023】
第1列メモリモジュールは第1端110に近く、第2列メモリモジュールは第2端120に近い。第1列メモリモジュールを流れた空気の移動速度(例えば、流速1.83m/s)が第2列メモリモジュールを流れた空気(例えば、流速1.77m/s)よりも速い。遅い気流であるので、第2列メモリモジュールに受けられた冷却は、第1列メモリモジュールに受けられた冷却よりも少ない。
【0024】
第2通路140は、例えば、中央処理ユニット(CPUs)のような2つのプロセッサ145を含む。各プロセッサは、ラジエータを含む。ラジエータは、空気が第1端110から第2端120へラジエータを流れることを許可する。第1プロセッサは第1端110に近く、第2プロセッサは第2端120に近い。第1プロセッサのラジエータで流動する空気(例えば、流速4.07m/s)は第2プロセッサのラジエータで流動する空気(例えば、流速3.48m/s)よりも速い。2つのプロセッサ145へ同等な冷却程度を提供するために、第2プロセッサのラジエータは、第1プロセッサのラジエータの数よりも多いラジエータパネルを含んでよい。
本発明の計算システムにおいて、ラジエータ、メモリモジュール、及びプロセッサ等を配置する場合、上記従来技術における部材等と同様のものを用いることができる。
【0025】
図3は、例示的な計算システム300の管路構造335とガイド機構301を示す。管路構造335とガイド機構301は、分散気流(即ち、冷却)を提供するように配置される。ガイド機構301を有する管路構造335は、図1図2との計算システムの管路構造の代わりに、分散気流を提供し、即ち、冷却することに用いることができる。管路構造335は、第1通路330を定義する。少なくとも1つのファン(未図示)は、図示する方向で空気を第1端310から第2端320へ移動する。
【0026】
例えば、管路構造335は、矩形箱の形状であってよい。管路構造335は、第1端310と第2端320との何れか一方にある1つ又は複数の開口322を含んでよい。空気は、第1端310から第2端320へ流動し、管路構造335で定義された第1通路330を通過して、且つ第2通路340を通過する。幾つかの実施形態において、第1通路330と第2通路340を通過する気流の比率を調整するために、管路構造335の任意の一端における開口322のサイズ及/又は数を調整してよい。
【0027】
管路構造335は、第1通路330と第2通路340との共用壁にあるガイド機構301を更に含む。ガイド機構301は、移動して第2通路340を通過した気流の一部を管路構造335の中にガイドさせて、且つ第1通路330まで移動させる。ガイド機構301からの追加的な気流は、例えば、メモリモジュールの行のような、第1通路330内のガイド機構301の下流素子を追加的に冷却させる。
【0028】
幾つかの実施形態において、1つ又は複数の附加ガイド機構は、管路構造335の共用壁に位置する。
【0029】
図4は、分散気流を提供するように配置される例示的な計算システムを示す2つの図である。計算システムは、ガイド機構401を含む。少なくとも1つのファン(未図示)は、図に示す気流の流動方向で空気を第1端から第2端へ移動させる。
【0030】
計算システム400は、第1気流通路430と第2気流通路440を含む。幾つかの実施形態において、第1気流通路430は、管路構造で定義され、且つデュアルインラインメモリモジュール(DIMMs)のような、多行(例えば、6行)と2列のメモリモジュール435を含む。第2気流通路440は、例えば、中央処理ユニット(CPU)のような2つのプロセッサ445を含む。各プロセッサ445は、気流をラジエータから通過させるラジエータを含む。
【0031】
第1プロセッサは、第2プロセッサよりも気流源に近い。このため、第1プロセッサを流れた空気の移動速度が第2プロセッサを流れた空気よりも速い。第1列のメモリモジュールは、第2列のメモリモジュールよりも気流源に近い。このため、第1列のメモリモジュールを流れた空気の移動速度が第2列のメモリモジュールを流れた空気よりも速い。
【0032】
ガイド機構401は、管路構造の共用壁450に位置し、且つ第1気流通路430と第2気流通路440との間にある。ガイド機構401は、入口パネル470、出口パネル475、ヒンジ460及びばね465を含む。
【0033】
ディフレクタ480は、入口パネル470及び少なくとも1つの出口パネル475を含む。入口パネル470と各出口パネル475は、少なくとも1つの一定の接合角度(例えば、120度)で接続される。入口パネル470と出口パネル475とは、共用壁450の切欠き456を介して気流を第2気流通路440から第1気流通路430に変換させる。入口パネル470と出口パネル475との角度は、空間及/又は予想の冷却によって変化されることができる。
【0034】
幾つかの実施形態において、ディフレクタ480は、ヒンジ460によって閉合位置と開放位置の間で回転されてもよい。ヒンジ460は、入口パネル470と出口パネル475とを回転可能に共用壁450に付設させる。ばね465は、入口パネル470と出口パネル475を開放位置から閉合位置(第1位置)へ押す。
【0035】
幾つかの実施形態において、計算システム400は、共用壁450における少なくとも1つのパネル支持構造455を含んでもよい。パネル支持構造455は、入口パネル470と出口パネル475が閉合位置まで完全に移動しないようにする。
【0036】
入口パネル470は、気流入口から気流出口までの気流の速度に基づいて、開放位置と閉合位置との間の位置に保持される。少なくとも1つのファンは、空気を所定の速度で第2通路140から流れさせ、一部の空気が入口パネル470からずれる。入口パネルからずれる空気も、ばね465の力を押し、入口パネル470と出口パネル475を開放位置へ移動させる。例としては、空気がより速い速度で第2通路140を流れると、ディフレクタは、空気により開放位置に近い位置に押される。このため、空気が遅い速度で第2通路140を流れると、入口パネル470と出口パネル475は、依然として空気により押されるが、開放位置から離れる。気流の第2通路140を通過する速度が速いほど、入口パネル470と出口パネル475は、開放位置に近づくように移動し、且つばね465の力に抵抗する。
【0037】
幾つかの実施形態において、ヒンジ460、ばね465、入口パネル470及び出口パネル475は、最大出力と全負荷(即ち、100%負荷循環のファン及び100%容量のサーバー)で、入口パネル470と出口パネル475が完全な開放位置に位置するように配置される。
【0038】
幾つかのその他の実施形態(未図示)において、入口パネル470と出口パネル475は、一定の角度で管路構造の共用壁450に設置される。一定の角度の入口パネル470、出口パネル475に対して、ガイド機構401は、ヒンジ又はばねを含まなくてもよい。
【0039】
図5は、図4の例示的な計算システム400を示す分解図である。少なくとも1つのファン(未図示)は、図面に示す気流流れ方向で、空気を第1端から第2端へ移動させる。
【0040】
計算システム400は、第1気流通路430及び第2気流通路440を含む。ガイド機構401は、管路構造の共用壁450に位置し、且つ第1気流通路430と第2気流通路440との間にある。ガイド機構401は、入口パネル470、出口パネル475、ヒンジ460及びばね465を含む。
【0041】
ディフレクタ480は、入口パネル470と少なくとも1つの出口パネル475を含む。入口パネル470と各出口パネル475は、少なくとも1つの一定の接合角度(例えば、120度)で接続される。入口パネル470と出口パネル475とは、共用壁450の切欠き456を介して、気流を第2気流通路440から第1気流通路430に変換させる。
【0042】
幾つかの実施形態において、ディフレクタ480は、ヒンジ460によって閉合位置と開放位置との間で回転される。ヒンジ460は、入口パネル470と出口パネル475を共用壁450に回転可能に付設する。ばね465は、入口パネル470と出口パネル475を開放位置から閉合位置へ押す。
【0043】
幾つかの実施形態において、計算システム400は、共用壁450における少なくとも1つのパネル支持構造455を含んでよい。パネル支持構造455は、入口パネル470と出口パネル475が閉合位置まで完全に移動しないようにする。
【0044】
入口パネル470は、気流入口から気流出口までの気流の速度に基づいて、開放位置と閉合位置との間の位置に保持される。少なくとも1つのファンにより、空気が所定の速度で第1気流通路430を流れ、一部の空気が入口パネル470からずれる。入口パネルにより変換された空気も、ばね465の力を押し、入口パネル470と出口パネル475を開放位置へ移動する。例としては、空気がより速い速度で第1気流通路430を流れると、ディフレクタは、空気により開放位置に近い位置に押される。このため、空気が遅い速度で第1気流通路430を流れると、入口パネル470と出口パネル475は、依然として空気により押されるが、開放位置から離れる。気流の第1気流通路430を通過する速度が速いほど、入口パネル470と出口パネル475は開放位置に近い位置に移動し、且つばね465の力に抵抗する。
【0045】
図6は、図4の例示的な計算システム400のガイド機構を示す。計算システム400は、第1気流通路430及び第2気流通路440を含む。ガイド機構401は、管路構造の共用壁450に位置し、且つ第1気流通路430と第2気流通路440との間にある。ガイド機構401は、入口パネル470、出口パネル475、ヒンジ460及びばね465を含む。
【0046】
ディフレクタ480は、入口パネル470と少なくとも1つの出口パネル475を含む。入口パネル470と各出口パネル475とは、少なくとも1つの一定の接合角度(例えば、120度)で接続される。入口パネル470と出口パネル475は、共用壁450の切欠き456を介して、気流を第2気流通路440から第1気流通路430に変換させる。
【0047】
幾つかの実施形態において、ディフレクタ480は、ヒンジ460によって閉合位置と開放位置との間で回転される。ヒンジ460は、入口パネル470と出口パネル475を共用壁450に回転可能に付設する。ばね465は入口パネル470と出口パネル475を開放位置から閉合位置へ押す。
【0048】
幾つかの実施形態において、計算システム400は、共用壁450における少なくとも1つのパネル支持構造455を含んでもよい。パネル支持構造455は、入口パネル470と出口パネル475が閉合位置まで完全に移動しないようにする。
【0049】
図7A図7Bは、従来技術における計算システム700Aと例示的な計算システム700Bとの温度比較を示す。例示的な計算システム700Bは、分散気流を提供するように配置される。2つの計算システムにおいて、1つ又は複数のファン(未図示)は、分当たり60立方フィート(cubic feet per minute;cfm)の初期気流を提供する。
【0050】
従来技術の計算システム700Aにおいて、気流源から離れるメモリモジュールは、72.5℃の温度を有する。ガイド機構を含む計算システム700Bにおいて、気流源から離れるメモリモジュールは、61.9℃の温度を有する。
【0051】
図8A図8Bは、従来技術における計算システム800Aと分散気流を提供するように配置される例示的な計算システム800Bとの気流比較を示す。2つの計算システムにおいて、1つ又は複数のファン(未図示)は、分当たり60立方フィート(cfm)の初期気流を提供する。
【0052】
従来技術の計算システム800Aにおいて、ファンに近いメモリモジュール810Aは、2.4m/sの気流速度を有し、ファンから離れるメモリモジュール820Aは、0.9m/sの気流速度を有する。このように、空気が進んでメモリモジュールを通過する時、気流速度の損失は、1.5m/sである。このため、自由にファンから下流まで流動する空気が少ないので、メモリモジュール810Aと比べて、メモリモジュール820Aの冷却幅が小さい。
【0053】
ガイド機構801Bを含む計算システム800Bにおいて、ファンに近いメモリモジュール810Bは、2.9m/sの気流速度を有し、ファンからより遠いメモリモジュール820Bは、2.3m/sの気流速度を有する。このため、空気は進んでメモリモジュールを通過する時、0.5m/sのみの気流速度損失が存在する。このため、気流は計算システム800Aのように明らかに減少することがないので、メモリモジュール820Bの冷却幅は、ほぼメモリモジュール810Bの冷却幅と同じである。
【0054】
図9は、分散気流を提供するための計算システムの4つの例示的な配置を示す。計算システム900Aは、ハーフノード、デュアルプロセッサシステムであり、且つ2つのプロセッサ気流通路910と4つのメモリモジュール気流通路920を含む。メモリモジュール気流通路920は各プロセッサ気流通路910の左側と右側に位置する。1つ又は複数のガイド機構は、メモリモジュール気流通路920とプロセッサ気流通路910との間の各共用壁に位置してよい。
【0055】
計算システム900Bは、フルノード、デュアルプロセッサシステムであり、且つ2つのプロセッサ気流通路910及び4つのメモリモジュール気流通路920を含む。メモリモジュール気流通路920は、各プロセッサ気流通路910の左側と右側に位置する。1つ又は複数のガイド機構は、メモリモジュール気流通路920とプロセッサ気流通路910との間の各共用壁に位置してもよい。
【0056】
計算システム900Cは、ハーフノード、プロセッサシステムであり、且つ1つのプロセッサ気流通路910と2つのメモリモジュール気流通路920を含む。メモリモジュール気流通路920は、プロセッサ気流通路910の左側と右側に位置する。1つ又は複数のガイド機構は、メモリモジュール気流通路920とプロセッサ気流通路910との間の各共用壁に位置してもよい。
【0057】
計算システム900Dは、フルノード、四重プロセッサシステムであり、且つ4つのプロセッサ気流通路910と8つのメモリモジュール気流通路920を含む。メモリモジュール気流通路920は、各プロセッサ気流通路910の左側と右側に位置する。1つ又は複数のガイド機構は、メモリモジュール気流通路920とプロセッサ気流通路910との間の各共用壁に位置してもよい。
【0058】
当業者が本発明を製作又は使用できるように、本発明の以上の記述を提供する。本発明の各種の修正は、当業者に対して明らかに開示され、且つ本発明の範囲から逸脱しない限り、本文に定義された一般的な原理はその他の変形に適用されることができる。このため、本発明は、本文に記載の例示及び設計に限定されず、本文に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられる。
【符号の説明】
【0059】
100:冷却システム
105:シャーシー
110、133、310:第1端
120、134、320:第2端
130、330:第1通路
132、335:管路構造
135、435、810A、810B、820A、820B:メモリモジュール
140、340:第2通路
145:プロセッサ
300、400、700A、700B、800A、800B、900A、900B、900C、900D:計算システム
301、401、801B:ガイド機構
322:開口
430:第1気流通路
440:第2気流通路
445:プロセッサ
450:共用壁
455:パネル支持構造
456:切欠き
460:ヒンジ
465:ばね
470:入口パネル
475:出口パネル
480:ディフレクタ
910:プロセッサ気流通路
920:メモリモジュール気流通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9