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特許6473792住宅の熱平衡システム及び住宅の熱平衡システムを使用する省エネ空調システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6473792
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】住宅の熱平衡システム及び住宅の熱平衡システムを使用する省エネ空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/00 20060101AFI20190207BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20190207BHJP
   F24F 11/875 20180101ALI20190207BHJP
   F24T 50/00 20180101ALI20190207BHJP
   F25B 30/06 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   F24F3/00 B
   F24F5/00 102Z
   F24F5/00 101Z
   F24F11/875
   F24T50/00
   F25B30/06
【請求項の数】36
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-185612(P2017-185612)
(22)【出願日】2017年9月27日
【審査請求日】2017年9月27日
(31)【優先権主張番号】106129531
(32)【優先日】2017年8月30日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505355117
【氏名又は名称】潤弘精密工程事業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サムエル イン
(72)【発明者】
【氏名】ウ−スン チェン
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−162207(JP,A)
【文献】 特開2010−216770(JP,A)
【文献】 特開2010−266078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/00
F24F 5/00
F24F 11/00−11/89
F24T 50/00
F25B 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅向けの住宅の熱平衡システムにおいて、
第1貯水タンクと、
前記住宅の建築構造の下方に連結される基礎杭と、
前記第1貯水タンクに接続され前記基礎杭と熱交換可能であることにより、1熱交換管路内の水を第1温度範囲に加熱する第1熱交換管路と、
前記第1貯水タンクと前記第1熱交換管路との間に設けられ、前記第1貯水タンク中の水を汲み出して、前記第1貯水タンク及び前記第1熱交換管路の間で循環させるための第1ポンプと
を備える第1エネルギー回収設備と、
第2貯水タンクと、
稼働時に第1熱エネルギーが発生する少なくとも1つの第1家庭用装置と、
前記第2貯水タンクに接続され、且つ前記少なくとも1つの第1家庭用装置の稼働時に発生した第1熱エネルギーを吸収するように、前記少なくとも1つの第1家庭用装置と熱交換可能であることにより、2熱交換管路内の水を第2温度範囲に加熱する第2熱交換管路と、
前記第2貯水タンクと前記第2熱交換管路との間に設けられ、前記第2貯水タンク中の水を汲み出して、前記第2貯水タンク及び前記第2熱交換管路の間で循環させるための第2ポンプと
を備える第2エネルギー回収設備と、
を含み、
前記第2温度範囲が前記第1温度範囲よりも高温である、住宅の熱平衡システム。
【請求項2】
前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクに接続され、前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクの少なくとも一方の中の水を汲み出し室内コイルに送出するための第3ポンプと、
前記第1貯水タンク及び第2貯水タンクに接続され、前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクの少なくとも一方の水を汲み出し少なくとも1つの第2家庭用装置に送出するための第4ポンプと
をさらに含む、請求項1に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項3】
前記第3ポンプと前記第1貯水タンクとの間には、前記第1貯水タンクの水の前記第3ポンプを介する送出を制御するための第1制御弁が設けられており、前記第3ポンプと前記第2貯水タンクとの間には、前記第2貯水タンクの水の前記第3ポンプを介する送出を制御するための第2制御弁が設けられており、前記第4ポンプと前記第1貯水タンクとの間には、前記第1貯水タンクの水の前記第4ポンプを介する送出を制御するための第3制御弁が設けられており、前記第4ポンプと前記第2貯水タンクとの間には、前記第2貯水タンクの水の前記第4ポンプを介する送出を制御するための第4制御弁が設けられている、請求項2に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項4】
前記第1貯水タンクには、第1温度センサー及び第1液面センサーが設けられており、前記第2貯水タンクには、第2温度センサー及び第2液面センサーが設けられており、前記住宅の熱平衡システムには、前記第3ポンプから送出した水温を検出するための第3温度センサーと、前記第4ポンプから送出した水温を検出するための第4温度センサーとがさらに設けられている、請求項3に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項5】
前記第4温度センサーにより検出した前記第4ポンプから送出した水温が30よりも高く、前記第2温度センサーにより検出した前記第2貯水タンクの水温が30よりも高く、且つ前記第2液面センサーにより検出した前記第2貯水タンクの液面が前記第2貯水タンクの液面高さの20%よりも高い場合、前記第3ポンプが前記第2貯水タンクのみから水を汲み出し前記室内コイルに送出するように、前記第1制御弁を閉じ前記第2制御弁を開ける、請求項に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項6】
前記第2液面センサーにより検出した前記第2貯水タンクの液面が前記第2貯水タンクの液面高さの20%よりも低く、前記第4温度センサーにより検出した前記第4ポンプから送出した水温が30よりも低く、且つ第1温度センサーにより検出した前記第1貯水タンクの水温が25よりも高く、前記第1液面センサーにより検出した前記第1貯水タンクの液面が前記第1貯水タンクの液面高さの20%よりも高い場合、前記第4ポンプが前記第1貯水タンクから水を汲み出して使用又は前記少なくとも1つの第2家庭用装置へ送出に供するように、前記第3制御弁を開ける、請求項に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項7】
前記第2貯水タンクは電熱装置をさらに備え、前記第4ポンプが前記第1貯水タンクから水を汲み出して使用又は前記少なくとも1つの第2家庭用装置への送出に供するように、前記第3制御弁を開けた場合、前記第2貯水タンク中の水を35℃以上に加熱するように、前記電熱装置を起動させる、請求項6に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項8】
前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクの水量を補給するように、前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクのそれぞれに接続された外部水源と、前記外部水源が前記第1貯水タンクに補給する水量を制御する第5制御弁と、前記外部水源が前記第2貯水タンクに補給する水量を制御する第6制御弁とをさらに含む請求項1に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1家庭用装置は、冷蔵庫、加熱炉又はオーブンを含み、前記少なくとも1つの第2家庭用装置は、給湯器、ポット、洗濯機、食器洗い機又は湯たんぽを含む、請求項1に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項10】
稼働時に第2熱エネルギーが発生する少なくとも1つの第3家庭用装置と、
前記第2貯水タンクに接続され、且つ前記少なくとも1つの第3家庭用装置の稼働時に発生した第2熱エネルギーを吸収するように、前記少なくとも1つの第3家庭用装置と熱交換可能であることにより、3熱交換管路内の水を第3温度範囲に加熱する第3熱交換管路と、
前記第2貯水タンクと前記第3熱交換管路との間に設けられ、前記第2貯水タンク中の水を汲み出して、前記第2貯水タンク及び前記第3熱交換管路の間で循環させるための第5ポンプと、
を備える第3エネルギー回収設備をさらに含み、
前記第2温度範囲と前記第3温度範囲が略近い、請求項1に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項11】
電気エネルギーが発生可能であり、且つ前記第2貯水タンク中の水を加熱するように、前記第2貯水タンクの電熱装置に接続されたグリーンエネルギー装置をさらに含み、前記グリーンエネルギー装置は、前記住宅に取付けられているソーラーパネル又はマイクロ風力機を含み、前記少なくとも1つの第3家庭用装置はエアコンを含む、請求項10に記載の住宅の熱平衡システム。
【請求項12】
請求項2に記載の住宅の熱平衡システムと、空調ケースとを含み、
前記空調ケースは、
外部環境及び前記住宅の室内空間の少なくとも一方から気流を吸込むことができる吸込口、
前記気流を前記住宅の前記室内空間に輸送可能な吹出口、
前記空調ケースの前記吸込口から前記気流を前記吹出口に吹き付けるように、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置するファン、
前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を冷却するように前記気流と熱交換するための冷却コイルであって、冷水供給管及び冷水排出管に接続された冷却コイル、及び
前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を加熱するように前記気流と熱交換するための加熱コイルであって、温水供給管及び温水排出管に接続された加熱コイルを備え、
前記住宅の熱平衡システムの前記第3ポンプは、前記第1貯水タンクから水を汲み出し、前記冷水供給管に接続された第1補助管を介して水を前記冷却コイルに輸送することができ、
前記住宅の熱平衡システムの前記第4ポンプは、前記第2貯水タンクから水を汲み出し、前記温水供給管に接続された第2補助管を介して水を前記加熱コイルに輸送することができる、省エネ空調システム。
【請求項13】
前記第1補助管は、前記第1貯水タンクから前記第1補助管を介して前記冷水供給管に送入する水量を制御するための第7制御弁を有し、前記冷水排出管と前記第1貯水タンクとの間には第3補助管を有することにより、前記冷却コイルの水を前記冷水排出管から前記第3補助管を介して前記第1貯水タンクに輸送可能であり、前記第3補助管は、前記冷水排出管から前記第1貯水タンクに返送する水量を制御するための第8制御弁を有する、請求項12に記載の省エネ空調システム。
【請求項14】
前記冷水供給管は、前記冷水供給管への供給量を制御するための第9制御弁を有し、前記第1補助管は前記第9制御弁と前記冷却コイルとの間に位置し、前記冷水排出管は、前記冷水排出管の排出量を制御するための第10制御弁を有し、前記第3補助管は前記第10制御弁と前記冷却コイルとの間に位置する、請求項13に記載の省エネ空調システム。
【請求項15】
前記空調ケースは、前記空調ケースから送出した気流の温度を検出するための温度センサーを有し、前記温度センサーにより検出した気流の温度が予定の気流の温度値に達し、且つ前記第9制御弁及び前記第10制御弁のそれぞれの開度が20%よりも小さい場合、前記住宅の熱平衡システムの前記第3ポンプが前記第1貯水タンクから水を汲み出し、前記第1補助管を介して前記冷水供給管から進入した冷水と混合させ、前記冷却コイルに供給するように、第7制御弁及び前記第8制御弁を開ける、請求項14に記載の省エネ空調システム。
【請求項16】
前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持している場合、前記第1貯水タンクの水と前記冷水供給管の冷水との混合割合を維持するように、前記第7制御弁及び前記第8制御弁のそれぞれの開度を維持し、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持できない場合、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持するようになるまで、前記第7制御弁及び前記第8制御弁のそれぞれの開度を調整し、前記第1貯水タンクの水と前記冷水供給管の冷水との混合割合を調整する、請求項15に記載の省エネ空調システム。
【請求項17】
前記温水排出管と前記第2貯水タンクとの間に、前記加熱コイルの水を前記温水排出管から前記第2補助管を介して前記第2貯水タンクに輸送可能である第4補助管を有し、前記第2補助管は、前記第2貯水タンクから前記第2補助管を介して前記温水供給管に送入する水量を制御するための第11制御弁を有し、前記第4補助管は、前記温水排出管から前記第2貯水タンクに返送する水量を制御するための第12制御弁を有する、請求項12に記載の省エネ空調システム。
【請求項18】
前記温水供給管は、前記温水供給管の供給量を制御するための第13制御弁を有し、前記第2補助管は前記第13制御弁と前記加熱コイルとの間に位置し、前記温水排出管は、前記温水排出管の排出量を制御するための第14制御弁を有し、前記第4補助管は前記第14制御弁と前記加熱コイルとの間に位置する、請求項17に記載の省エネ空調システム。
【請求項19】
前記温度センサーにより検出した気流の温度が予定の気流の温度値に達し、且つ前記第13制御弁及び前記第14制御弁のそれぞれの開度が20%よりも小さい場合、前記住宅の熱平衡システムの前記第4ポンプが前記第2貯水タンクから水を汲み出し、前記第2補助管を介して前記温水供給管から進入した温水と混合させ、前記加熱コイルに供給するように、第11制御弁及び前記第12制御弁を開ける、請求項15に記載の省エネ空調システム。
【請求項20】
前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持している場合、前記第2貯水タンクの水と前記温水供給管の温水との混合割合を維持するように、前記第11制御弁及び前記第12制御弁のそれぞれの開度を維持し、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持できない場合、前記温度センサーにより検出した気流の温度値が前記予定の気流の温度を維持するようになるまで、前記第11制御弁及び前記第12制御弁のそれぞれの開度を調整し、前記第2貯水タンクの水と前記温水供給管の温水との混合割合を調整する、請求項19に記載の省エネ空調システム。
【請求項21】
前記空調ケース内において前記吸込口の近くには、第1のフィルタスクリーン及び第2のフィルタスクリーンの少なくとも一方を有し、前記住宅の前記室内空間には、室内温度センサー、室内湿度センサー及び室内CO2濃度センサーの少なくとも一つを有する、請求項12に記載の省エネ空調システム。
【請求項22】
前記空調ケースは加湿器を有し、前記室内湿度センサーにより検出した前記室内空間の湿度が予定の湿度値よりも低い場合、前記空調ケースにおける前記気流を加湿するように、前記加湿器を起動させる、請求項21に記載の省エネ空調システム。
【請求項23】
前記空調ケースの前記吸込口が前記外部環境から空気を吸込むことを可能とする外気ダンパーと、前記空調ケースの前記吸込口が前記室内空間から空気を吸込むことを可能とする還気ダンパーとを有し、前記室内CO2濃度センサーにより検出した前記室内空間のCO2濃度が予定のCO2濃度値よりも高い場合、前記予定のCO2濃度値に達するように、前記外気ダンパー及び前記還気ダンパーのそれぞれの開度を制御することにより前記外部環境の空気と前記室内空間の空気との混合割合を制御する請求項21に記載の省エネ空調システム。
【請求項24】
外部環境温度センサーと、前記外部環境を検知するPM2.5センサーとをさらに備え、前記外部環境温度センサーにより検出した前記外部環境の温度が予定の室内温度値よりも小さい場合、前記外部環境から吸込む空気量を向上させるように、前記外気ダンパーの開度を大きくし、前記PM2.5センサーにより検出した部環境PM2.5値が予定のPM2.5閾値よりも高い場合、前記室内空間の予定のCO2濃度値を、前記外気ダンパー及び前記還気ダンパーのそれぞれの開度を制御する基準とする、請求項23に記載の省エネ空調システム。
【請求項25】
請求項2に記載の住宅の熱平衡システムと、空調ケースと、を含み、
前記空調ケースと、を含み、
外部環境及び前記住宅の室内空間の少なくとも一方から気流を吸込むことができる吸込口、
前記気流を前記住宅の前記室内空間に輸送可能である吹出口、
前記空調ケースの前記吸込口から前記気流を前記吹出口に吹き付けるように、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置するファン、
前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を冷却するように前記気流と熱交換するための冷却コイルであって、冷水供給管及び冷水排出管に接続された冷却コイル、
前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を加熱するように前記気流と熱交換するための加熱コイルであって、温水供給管及び温水排出管に接続された加熱コイル、及び
前記吸込口の後且つ前記冷却コイル及び前記加熱コイルの前に位置し、前記気流を冷却又は加熱するように前記気流と熱交換するための補助コイルであって、補助供給管及び補助排出管に接続された補助コイルとを備え、
前記住宅の熱平衡システムの前記第3ポンプは、前記第1貯水タンクから水を前記補助供給管に汲み出し、水を前記補助コイルに輸送することができ、
前記住宅の熱平衡システムの前記第4ポンプは、前記第2貯水タンクから水を前記補助供給管に汲み出し、水を前記補助コイルに輸送することができる、省エネ空調システム。
【請求項26】
前記第1貯水タンクと前記補助供給管との間には、前記第1貯水タンクから前記補助供給管に送入する水量を制御するための第15制御弁を有し、前記冷水供給管及び前記冷水排出管のいずれか一方は、前記冷水供給管を介して前記冷却コイルに進入する水量を制御するための第16制御弁を有し、前記第2貯水タンクと前記補助供給管との間には、前記第2貯水タンクから前記補助供給管に送入する水量を制御するための第17制御弁を有し、前記温水供給管及び前記温水排出管のいずれか一方は、前記温水供給管を介して前記加熱コイルに進入する水量を制御するための第18制御弁を有する、請求項25に記載の省エネ空調システム。
【請求項27】
記空調ケースは、前記空調ケースから送出した気流の温度を検出するための温度センサーを有し、冷房モードで、前記温度センサーにより検出した気流の温度が予定の気流の温度値に達する場合、前記住宅の熱平衡システムの前記第3ポンプが前記第1貯水タンクから水を汲み出し、前記補助供給管を介して前記補助コイルに供給し前記気流を予備冷却するように、前記第15制御弁を開けるとともに、前記冷水供給管から前記冷却コイルへの供給量を少なくするように、前記第16制御弁の開度を小さくする、請求項26に記載の省エネ空調システム。
【請求項28】
前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持している場合、前記第15制御弁及び前記第16制御弁のそれぞれの開度を維持し、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持できない場合、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持するようになるまで、前記補助コイルに進入する前記第1貯水タンクの水の水量及び前記冷水供給管から前記冷却コイルに進入する水量を制御するように、前記第15制御弁及び前記第16制御弁のそれぞれの開度を調整する、請求項27に記載の省エネ空調システム。
【請求項29】
記空調ケースは、前記空調ケースから送出した気流の温度を検出するための温度センサーを有し、暖房モードで、前記温度センサーにより検出した気流の温度が予定の気流の温度値に達する場合、前記住宅の熱平衡システムの前記第4ポンプが前記第2貯水タンクから水を汲み出し、前記補助供給管を介して前記補助コイルに供給し前記気流を予備加熱するように、前記第17制御弁を開けるとともに、前記温水供給管から前記加熱コイルへの供給量を少なくするように、前記第18制御弁の開度を小さくする、請求項26に記載の省エネ空調システム。
【請求項30】
前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持している場合、前記第17制御弁及び前記第18制御弁のそれぞれの開度を維持し、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持できない場合、前記温度センサーにより検出した気流の温度が前記予定の気流の温度値を維持するようになるまで、前記補助コイルに進入する前記第2貯水タンクの水の水量及び前記温水供給管から前記加熱コイルに進入する水量を調整するように、前記第17制御弁及び前記第18制御弁のそれぞれの開度を調整する、請求項29に記載の省エネ空調システム。
【請求項31】
前記住宅の前記室内空間は、室内温度センサー、室内湿度センサー及び室内CO2濃度センサーの少なくとも一つを有するとともに、外部環境温度センサーをさらに含み、前記省エネ空調システムは、前記空調ケースの前記吸込口が前記外部環境から空気を吸込むことを可能とする外気ダンパーと、前記空調ケースの前記吸込口が前記室内空間から空気を吸込むことを可能とする還気ダンパーとを有する、請求項26に記載の省エネ空調システム。
【請求項32】
冷房モードで、前記外部環境温度センサーにより検出した外部環境温度が前記室内温度センサーにより検出した前記室内空間の温度よりも高い場合、前記第1貯水タンクから前記補助供給管を介して水を前記補助コイルに供給し、前記気流を予備冷却するように、前記第15制御弁を開ける、請求項31に記載の省エネ空調システム。
【請求項33】
記空調ケースは、前記空調ケースから送出した気流の温度を検出するための温度センサーを有し、前記温度センサーにより検出した前記空調ケースから送出した前記気流の温度が予定の気流の温度値よりも高いと、前記冷水供給管が前記冷却コイルに水を供給し、前記気流を前記予定の気流の温度値に冷却するように第16制御弁を開ける、請求項32に記載の省エネ空調システム。
【請求項34】
暖房モードで、前記外部環境温度センサーにより検出した外部環境温度が前記室内温度センサーにより検出した前記室内空間の温度よりも低い場合、前記第2貯水タンクから前記補助供給管を介して水を前記補助コイルに供給し前記気流を予備加熱するように、前記第17制御弁を開ける、請求項31に記載の省エネ空調システム。
【請求項35】
記空調ケースは、前記空調ケースから送出した気流の温度を検出するための温度センサーを有し、前記温度センサーにより検出した前記空調ケースから送出した前記気流の温度が予定の気流の温度値よりも低い場合、前記温水供給管が前記加熱コイルに水を供給し、前記気流を前記予定の気流の温度値までにさらに加熱するように、第18制御弁を開ける、請求項34に記載の省エネ空調システム。
【請求項36】
前記空調ケースは加湿器を有し、前記室内湿度センサーにより検出した前記室内空間の湿度が予定の湿度値よりも低い場合、前記空調ケース中の前記気流を加湿するように、前記加湿器を起動させ、前記空調ケース内において前記吸込口の近くには、第1のフィルタスクリーン及び第2のフィルタスクリーンの少なくとも一方を有する、請求項31〜35のいずれか1項に記載の省エネ空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の熱平衡システム、及びこの住宅の熱平衡システムを使用する省エネ空調システムに関し、特に、基礎杭が吸収した地中熱エネルギー、及び家庭用装置が発生した廃熱エネルギーを回収する住宅の熱平衡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代の建築は、過去の建築よりも高さが高く、重量も大きいことが多いので、地下の深くひいては岩盤にまで入る基礎杭は、建物を支持する基礎として、建物の安定性を維持するように広く使用される。地下の深くでは、基礎杭の回りの土壤の温度変化は、建物の置かれた大気環境の温度変化より遥かに安定している。これは、地下の土壤温度は、置かれた地球の緯度、及び季節の変化により異なるが、大気温度のように、緯度の変化、季節の変化、天気の変化、ひいては毎日の異なる時間により大幅に変化しないためである。このため、熱交換の原理を利用すれば、基礎杭が吸収した地中熱エネルギーを建物又は住宅に利用することができ、省エネに有益であり、省エネかつ炭素排出量の削除を達成するグリーンエネルギーによる建築を実現することができる。
【0003】
また、現代の家庭は、日常生活及び飲食の要求に基づいて、熱エネルギーが発生する家庭用装置、例えば、電子レンジ、オーブン、冷蔵庫、電気鍋、電磁調理器、蒸し鍋、エアコン、加熱炉などを多く有している。伝統的には、これらの家庭用装置は、使用又は稼働時にいずれも廃熱が発生し、且つ空気に直接排出し、それを回収しリサイクルできないことが多く、環境にやさしくない。
【0004】
このため、前記した態様のような地中熱エネルギー又は家庭用装置の廃熱を回収し使用することで、より省エネの建築又は住宅環境を作ることは、現代人が切実に期待していることである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、建築の基礎杭の置かれた場所の地中熱エネルギーを利用して、建物又は住宅環境の制御を可能とする住宅の熱平衡システムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、家庭用装置が発生した廃熱を回収し利用して、建物又は住宅環境の制御を可能とする住宅の熱平衡システムを提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、前記住宅の熱平衡システムが回収した熱エネルギーを利用可能な省エネ空調システムを提供することにある。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、住宅向けの住宅の熱平衡システムにおいて、第1エネルギー回収設備及び第2エネルギー回収設備を含む住宅の熱平衡システムを提供する。前記第1エネルギー回収設備は、第1貯水タンクと、前記住宅の建築構造の下方に連結される基礎杭と、前記第1貯水タンクに接続され前記基礎杭と熱交換可能であることにより、前記第1熱交換管路内の水を第1温度範囲に加熱する第1熱交換管路と、前記第1貯水タンクと前記第1熱交換管路との間に設けられ、前記第1貯水タンク中の水を汲みだして、前記第1貯水タンク及び前記第1熱交換管路の間で循環させるための第1ポンプとを備える。前記第2エネルギー回収設備は、第2貯水タンクと、稼働時に第1熱エネルギーが発生する少なくとも1つの第1家庭用装置と、前記第2貯水タンクに接続され、前記少なくとも1つの第1家庭用装置の稼働時に発生した第1熱エネルギーを吸収するように、前記少なくとも1つの第1家庭用装置と熱交換可能であることにより、前記第2熱交換管路内の水を第2温度範囲に加熱する第2熱交換管路と、前記第2貯水タンクと前記第2熱交換管路との間に設けられ、前記第2貯水タンク中の水を汲み出して、前記第2貯水タンク及び前記第2熱交換管路の間で循環させるための第2ポンプとを備え、前記第2温度範囲が前記第1温度範囲よりも高温である。
【0009】
本発明は、前記住宅の熱平衡システムが第3ポンプ及び第4ポンプをさらに含む住宅の熱平衡システムの他の態様を提供する。前記第3ポンプは、前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクに接続され、前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクの少なくとも一方の中の水を汲み出し室内コイルに送出するためのものである。前記第4ポンプは、前記第1貯水タンク及び第2貯水タンクに接続され、前記第1貯水タンク及び前記第2貯水タンクの少なくとも一方の水を汲み出し前記少なくとも1つの第2家庭用装置に送出するためのものである。
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、前記住宅の熱平衡システム及び空調ケースを含む省エネ空調システムの態様を提供する。前記空調ケースは、外部環境及び前記住宅の室内空間の少なくとも一方から気流を吸込むことができる吸込口と、前記気流を前記住宅の前記室内空間に輸送可能である吹出口と、前記空調ケースの前記吸込口から前記気流を前記吹出口に吹き付けるように、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置するファンと、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を冷却するように前記気流と熱交換するための冷却コイルであって、冷水供給管及び冷水排出管に接続される冷却コイルと、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を加熱するように前記気流と熱交換するための加熱コイルであって、温水供給管及び温水排出管に接続された加熱コイルとを備える。前記住宅の熱平衡システムの前記第3ポンプは、前記第1貯水タンクから水を汲み出し、前記冷水供給管に接続された第1補助管を介して水を前記冷却コイルに輸送することができ、前記住宅の熱平衡システムの前記第4ポンプは、前記第2貯水タンクから水を汲み出し、前記温水供給管に接続された第2補助管を介して水を前記加熱コイルに輸送することができる。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、前記住宅の熱平衡システム及び空調ケースを含む省エネ空調システの他の態様を提供する。前記空調ケースは、外部環境及び前記住宅の室内空間の少なくとも一方から気流を吸込むことができる吸込口と、前記気流を前記住宅の前記室内空間に輸送可能である吹出口と、前記空調ケースの前記吸込口から前記気流を前記吹出口に吹き付けるように、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置するファンと、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を冷却するように前記気流と熱交換するための冷却コイルであって、冷水供給管及び冷水排出管に接続された冷却コイルと、前記吸込口及び前記吹出口の間に位置し、前記気流を加熱するように前記気流と熱交換するための加熱コイルであって、温水供給管及び温水排出管に接続された加熱コイルと、前記吸込口の後、且つ前記冷却コイル及び前記加熱コイルの前に位置し、前記気流を冷却又は加熱するように前記気流と熱交換するための補助コイルであって、補助供給管及び補助排出管に接続された補助コイルとを備える。前記住宅の熱平衡システムの前記第3ポンプは、前記第1貯水タンクから水を前記補助供給管に汲み出し、水を前記補助コイルに輸送することができ、前記住宅の熱平衡システムの前記第4ポンプは、前記第2貯水タンクから水を前記補助供給管に汲み出し、水を前記補助コイルに輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による住宅の熱平衡システムの好ましい実施例を記載した配置模式図である。
図2図1の住宅の熱平衡システムを記載した例示的フローチャートである。
図3図1の住宅の熱平衡システムを記載した他の例示的フローチャートである。
図4】本発明による省エネ空調システムの好ましい実施例を記載した配置模式図である。
図5図4の省エネ空調システムを記載した例示的な冷房の作動モードのフローチャートである。
図6図4の省エネ空調システムを記載した他の例示的な暖房の作動モードのフローチャートである。
図7】本発明による省エネ空調システムの他の好ましい実施例を記載した配置模式図である。
図8図7の省エネ空調システムを記載した例示的な作動モードのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の特徴、内容、メリット及び達成できる効果をより明確に理解できるように、本発明について、添付図面を参照して、実施例という表現形式で以下のとおりに詳しく説明する。以下で使用される図面は、単に要旨を示し、明細書の説明を補助するためのものに過ぎないので、添付される図面のスケールと配置関係等により、本発明の特許請求の範囲を解釈、限定すべきではない。
【0014】
以下の実施例に述べた基礎杭は、好ましくは、2階建て以上の建築構造、例えば、家庭用住宅、別荘、寮、レストラン、ホテルなどの建物に適用されるが、これに限定されるものではない。これらの基礎杭は、例えば、商業用ビル、工場の建物、倉庫の建物、病院の病棟、駅や空港など、又は他の種類の複合式建築構造などにも適用できる。本文における「住宅」という用語は、家庭用住宅に限定されておらず、全ての内部空間を有する使用可能な建物を含む。
【0015】
図1は、本発明の好ましい実施例の住宅の熱平衡システムの模式図であり、そのうち、住宅の熱平衡システム1は、少なくとも第1エネルギー回収設備10と、第2エネルギー回収設備20とを含む。第1エネルギー回収設備10は、第1貯水タンク11と、当該住宅の建築構造の下方に連結される基礎杭12と、第1熱交換管路13と、第1ポンプ18とを備える。当該第1熱交換管路13は、例えば、基礎杭に埋め込み又は巻き付けられることなどによって当該基礎杭と熱交換する。基礎杭の置かれた住宅の下方の深くの地下温度が相対的に安定しているので、当該地下土壤又は岩石と接触する基礎杭12も相対的安定した温度を有している。本実施例において、第1貯水タンク11と当該第1熱交換管路13との間に設けられた第1ポンプ18によって、第1貯水タンク11中の水を汲み出して、第1貯水タンク11及び第1熱交換管路13の間で循環させることで、第1熱交換管路13内の水を基礎杭12と熱交換させ、第1熱交換管路13内の水を第1温度範囲に加熱した後、第1貯水タンク11に返送し、第1貯水タンク11中の水も第1温度範囲にする。第1温度範囲は、20〜30の間にあることが好ましいが、これに限られない。例えば、住宅の置かれた緯度及び季節によっては、基礎杭の置かれた場所の一定の地下温度もそれに伴い変化する。
【0016】
第2エネルギー回収設備20は、第2貯水タンク21と、少なくとも1つの第1家庭用装置22と、第2熱交換管路23と、第2ポンプ28とを備える。当該少なくとも1つの第1家庭用装置22は、例えば、冷蔵庫、加熱炉(ガス炉や、電気炉などを含む)、オーブンなどのうちの一つ又は複数であってもよく、稼働時に第1熱エネルギー又は利用に供される廃熱が発生し得る。第2熱交換管路23は、第2貯水タンク21に接続され、当該少なくとも1つの第1家庭用装置22に接続され熱交換を行い、当該少なくとも1つの第1家庭用装置の稼働時に発生した第1熱エネルギー又は廃熱を吸収するように取付けられる。第2ポンプ28は、第2貯水タンク21と第2熱交換管路23との間に設けられ、当該第2貯水タンク21中の水を汲みだして、当該第2貯水タンク21及び当該第2熱交換管路23の間で循環させるためのものであり、それによって、第2熱交換管路23内の水を当該少なくとも1つの第1家庭用装置22との熱交換により第2温度範囲に加熱できる。第2温度範囲は、30〜40の間にあることが好ましいが、これに限られない。例えば、使用している第1家庭用装置の数、種類、及び発生した熱エネルギーの量によって、第2熱交換管路23により加熱した水温もそれに伴い変化する。
【0017】
以上に述べたように、第1エネルギー回収設備10及び第2エネルギー回収設備20の回収した熱エネルギーは、それぞれ第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21中の水を、第1温度範囲及び第2温度範囲に加熱することによって、使用に供する。本実施例において、当該第1貯水タンク11及び当該第2貯水タンク21に接続され、当該第1貯水タンク11及び当該第2貯水タンク21の少なくとも一方の中の水を、汲み出すことによって、送出使用に供するための第3ポンプ30をさらに含む。図1に示した実施例において、第1貯水タンク11は第1管路14を介して第3ポンプ30に接続され、第2貯水タンク21は第2管路24を介して第3ポンプ30に接続されている。注意すべきなのは、第2管路24は、例えば、三方管として、第1管路14を介して第3ポンプ30に接続されていることである。なお、第3ポンプ30と第1貯水タンク11との間には第1制御弁16が設けられており、第1制御弁16は、図1において、当該第1貯水タンク11の水の、当該第3ポンプ30を介する送出使用を制御するように、第1管路14と第2管路24との接する部位の前に設けられている。第3ポンプ30と第2貯水タンク21との間には第2制御弁26が設けられており、第2制御弁26は、第2貯水タンク21の水の、当該第3ポンプ30を介する送出使用を制御するように、第1管路14と第2管路24との接する部位の前の第2管路24に設けられている。これらの管路構造によって、ユーザは、必要に応じて、第3ポンプ30が第1貯水タンク11又は第2貯水タンク21から水を汲み出し送出使用に供するように、第1制御弁16又は第2制御弁26の開閉を制御することができる。操作の上で、第3ポンプ30が同時に第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21から水を汲み出し送出使用に供するように、第1制御弁16及び第2制御弁26を同時に開けてもよい。
【0018】
第3ポンプ30によって第1貯水タンク11又は第2貯水タンク21から汲み出された水は、例えば、当該住宅の室内床下冷房システム(夏用)又は床下暖房システム(冬用)用のものとして、当該住宅の室内コイルに供給されてもよく、又は、例えば下記冷水又は温水主機器タイプの省エネ空調ケースの補助水源のソースとしてもよい。図1に示した実施例において、ポンプ30が汲み出した水は、住宅の室内温度を調節するように、室内コイル50に供給される。
【0019】
又、本実施例は、第1貯水タンク11及び当該第2貯水タンク21にも接続され、当該第1貯水タンク11及び当該第2貯水タンク21の少なくとも一方の中の水を、汲み出すことで送出使用に供するための第4ポンプ40をさらに含む。図1に示した実施例において、第1貯水タンク11は、第3管路15を介して第4ポンプ40に接続され、第2貯水タンク21は第4管路25を介して第4ポンプ40に接続されている。注意すべきなのは、第3管路15は、例えば、三方管として、第4管路25を介して第4ポンプ40に接続されてもよいことである。なお、第4ポンプ40と第1貯水タンク11との間には、第3制御弁17が設けられており、第3制御弁17は、当該第1貯水タンク11の水の、当該第4ポンプ40を介する送出使用を制御するように、第3管路15と第4管路25との接する部位の前の第3管路15に設けられている。第4ポンプ40と第2貯水タンク21との間には第4制御弁27が設けられており、第4制御弁27は、第2貯水タンク21の水の、当該第4ポンプ40を介する送出使用を制御するように、第3管路15との第4管路25との接する部位の前の第4管路25の設けられている。これらの管路構造によって、ユーザは、必要に応じて、第4ポンプ40が第1貯水タンク11又は第2貯水タンク21から水を汲みだし送出使用に供するように、第3制御弁17又は第4制御弁27の開閉を制御することができる。操作の上で、第4ポンプ40が同時に第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21から水を汲み出し送出使用に供するように、第3制御弁17及び第4制御弁27を同時に開けてもよい。
【0020】
第4ポンプ40が第1貯水タンク11又は第2貯水タンク21から汲み出した水は、例えば、当該住宅の少なくとも1つの第2家庭用装置60の使用に供給されてもよい。当該少なくとも1つの第2家庭用装置60は、給湯器、ポット、洗濯機、食器洗い機又は湯たんぽなどの家庭用装置を含み、当該家庭用装置が温度の高い水を使用する必要がある場合、第4ポンプ40が汲み出した既に所定の温度を持つ水を利用することによって、当該所定の温度よりも低い低温から直接に高い温度にするのに必要な加熱エネルギーを低減させることができる。
【0021】
図1に示した実施例は、少なくとも1つの第3家庭用装置71と、第3熱交換管路73と、第5ポンプ74とを備える第3エネルギー回収設備70をさらに含む。当該少なくとも1つの第3家庭用装置71、例えば、エアコン装置であってもよく、稼働時に第2熱エネルギーが発生する。第3熱交換管路73は、第2貯水タンク21に接続されているとともに、当該少なくとも1つの第3家庭用装置71に接続され、当該少なくとも1つの第3家庭用装置71と熱交換し稼働時に発生した第2熱エネルギーを吸収できるように取付けられている。第5ポンプ74は、当該第2貯水タンク21と当該第3熱交換管路73との間に設けられ、当該第2貯水タンク21中の水を汲み出して、第2貯水タンク21及び第3熱交換管路73の間で循環させることで、当該少なくとも1つの第3家庭用装置71の稼働時に発生した第2熱エネルギーを吸収するためのものであり、それによって、第3熱交換管路73内の水を第3温度範囲に加熱し、当該第3温度範囲は、当該第2温度範囲と略近く、又は当該第2温度範囲の上限を超える。
【0022】
注意すべきなのは、図1に示した住宅の熱平衡システムは、当該第2貯水タンク21中の水を加熱するように、当該第2貯水タンク21における電熱装置211に接続された電気エネルギーが発生可能なグリーンエネルギー装置80をさらに含む。グリーンエネルギー装置80は、例えば、当該住宅に取付けられているソーラーパネル81、マイクロ風力機82及び/又は相関する集電盤8であってもよい。第2貯水タンク21における電熱装置211は、前記グリーンエネルギー装置80が発生した電気エネルギーに限らず、他の電源に接続してもよく、これによって、別に第2貯水タンク21中の水を所定の温度にさらに加熱する必要があり、前記グリーンエネルギー装置80が所望の電気エネルギーを十分に供給できない場合、足りない電気エネルギーを別に補うことができる。
【0023】
上記した内容から分かるように、第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21の水は、第3ポンプ30又は第4ポンプ40を介して汲み出され、使用に供されること可能であるので、第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21中の水は、水量の低減により他の用途にとって不十分になる場合がある。第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21中の水を補給するために、図1に示した実施例は、第1貯水タンク及び当該第2貯水タンク中の水量を補給するように、第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21に接続された外部水源Sと、外部水源Sが当該第1貯水タンク11に補給する水量を制御する第5制御弁S1と、外部水源Sが当該第2貯水タンク21に補給する水量を制御する第6制御弁S2とをさらに含む。
【0024】
図1に示した住宅の熱平衡システム1を監視及び制御するために、システムにおける貯水タンク又は管路には、住宅の熱平衡システム1における各管路中の水温状況及び貯水タンク中の水量状況を検出し、それにより異なる住宅の熱平衡システムの稼働モードの作動を判断するように、多数のセンサーが設けられている。前記センサーは、第1貯水タンク11に設けられた第1温度センサーT1及び第1液面センサーL1を含み、第2貯水タンク21には第2温度センサーT2及び第2液面センサーL2が設けられており、又、第3ポンプ30が水を送出する管路には、当該第3ポンプから送出した水温を検出するための第3温度センサーT3が設けられており、第4ポンプ40が水を送出する管路には、当該第4ポンプから送出した水温を検出するための第4温度センサーT4が設けられている。本発明の他の実施例において、住宅の熱平衡システム1は、住宅の熱平衡システム1の各管路の水温状態をさらに監視し、より完全なシステム情報を取得するように、例えば、第1熱交換管路13、第2熱交換管路23、外部水源S管路に、温度センサーをさらに設けてもよい。
【0025】
本発明の図1に示した住宅の熱平衡システムは、異なる稼働モードがある。例えば、通常使用モードで、第1エネルギー回収設備10の第1貯水タンク11中の水は、第1熱交換管13と基礎杭12との熱交換によって、第1温度範囲に達し、直接に第3ポンプ30により汲み出され、室内コイル50に供給され住宅室内の床下冷房又は床下暖房システムに用いられる。この時、第1制御弁16は開けられ、第2制御弁26は閉じられ、第2貯水タンク21の水を第3ポンプ30により汲み出し使用しない。同様に、第2エネルギー回収設備20の第2貯水タンク21中の水は、第2熱交換管23と少なくとも1つの家庭用装置22との熱交換によって第2温度範囲に達し、直接に第4ポンプ40により汲み出され、少なくとも1つの第2家庭用装置60に供給され使用される。この時、第4制御弁27は開けられ、第3制御弁17は閉じられ、第1貯水タンク11の水を第4ポンプ40により汲み出し使用しない。
【0026】
しかし、住宅の熱平衡システム1により回収した熱エネルギーが使用する熱エネルギーよりも大きい場合があり、例えば、第2エネルギー回収設備20により回収した第2貯水タンク21内の第2温度範囲を有する水量が完全に少なくとも1つの第2家庭用装置60の用水量の供給に十分である状況(即ち、少なくとも1つの第2家庭用装置60の用水量は大きくない状況)で、第2貯水タンク21中の水は、第2制御弁26を開けることで、第3ポンプ30を介して室内コイル50に供給することができる。図2に記載した例示的フローチャートを参照し、工程U1において、住宅の熱平衡システム1は、起動し始めてから、工程U2に移行する。工程U2において、先ず、第4温度センサーT4により検出した第4ポンプ40から送出した水温が30よりも高いか否かを判定する。判定結果がYESであると、工程U4に移行し、住宅の熱平衡システムは、第2温度センサーT2により検出した第2貯水タンク21中の水温が30よりも高いか否かをさらに判定する。判定結果がYESであると、工程U5に移行し、住宅の熱平衡システムは、第2貯水タンク21における第2液面センサーL2により検知した水位高さが許容最低液面(例えば、20%の容量)よりも大きいか否かをさらに判定する。判定結果がYESであると、第2貯水タンク21内の第2温度範囲を有する水量が少なくとも1つの第2家庭用装置60の用水量の供給に十分であることを示す。この時、工程U6に移行し、住宅の熱平衡システムは、ユーザが床下暖房モードをオンにし、即ち、第3ポンプ30が第1貯水タンクから水を汲み出し室内コイル50に供給しているか否かをさらに検知する。検知結果がYESであると、工程U7に移行し、住宅の熱平衡システムは、第2制御弁26を開けると共に第1制御弁16を閉じ、そして、工程U8に移行し、第3ポンプ30は、代わりに第2貯水タンク21から水を汲み出し室内コイル50に供給することで、床下暖房モードを作動させる。勿論、図2に示すように、工程U2、U4、U5及びU6のうちのいずれ一つの検知工程の判定結果がNOであると、システムは工程U3に移行し、上述した通常使用モードで各エネルギー回収設備が独立の熱回収及び使用を維持する状態を維持する(即ち、第1エネルギー回収設備10の第1貯水タンク11は水を室内コイル50に供給し、第2エネルギー回収設備20の第2貯水タンク21は水を少なくとも1つの第2家庭用装置60に供給する通常モード)。
【0027】
供給水が瞬時に用量が大きくなる状況により、回収した熱エネルギーが使用に不十分である場合があり、例えば、第2エネルギー回収設備20により回収した第2貯水タンク21内の第2温度範囲を有する水量が少なくとも1つの第2家庭用装置60の用水量の供給に不十分である状況で、第1貯水タンク11中の水は、第3制御弁17を開け第4ポンプ40を介して少なくとも1つの第2家庭用装置60に供給されることができる。例えば、図3に記載した例示的フローチャートにおいて、工程V1において、住宅の熱平衡システム1は、起動してから工程V2に移行し、住宅の熱平衡システムは、第2液面センサーL2により検知した第2貯水タンク21の水位高さが許容最低液面(例えば、20%の容量)の高さよりも小さいか否かを判定する。検知結果がYESであると、工程V4に移行し、システムは、第4温度センサーT4により検出した当該第4ポンプ40から送出した水温が30よりも低いか否かをさらに判定する。この時、当該第4ポンプ40から送出した水温が30よりも低いと、システムは、工程V5に移行し、第1温度センサーT1により検出した第1貯水タンク11中の温度が25よりも高いか否かをさらに判定する。判定結果がYESであると、工程V6に移行し、システムは、第1液面センサーL1により検知した第1貯水タンク11の水位高さが許容最低液面(例えば、20%の容量)の高さよりも大きいか否かをさらに判定する。判定結果がYESであれば、第1貯水タンク11の水位高さが許容最低液面の高さよりも大きいことを示し、工程V7に移行し、システムは、第3制御弁17を開け、第4ポンプ40が同時に第1貯水タンク11から水を汲み出すことを許容することで、供給水量を向上させ、少なくとも1つの第2家庭用装置60の使用に供する。勿論、図3に示すように、工程V1、V2、V4、V5及びV6のうちのいずれか一つの工程の判定結果がNOであると、工程V3に移行し、住宅の熱平衡システムは、通常使用モードで各エネルギー回収設備が独立の熱回収及び使用を維持する状態を維持する(即ち、第1エネルギー回収設備10の第1貯水タンク11は水を室内コイル50に供給し、第2エネルギー回収設備20の第2貯水タンク21は水を少なくとも1つの第2家庭用装置60に供給する一般モード)。なお、工程V7において、システムは、第4ポンプ40が同時に第1貯水タンク11から水を汲み出すことを許容することで、供給水量を向上させ、少なくとも1つの第2家庭用装置60の使用に供する場合、第1貯水タンク11からの第1温度範囲を有する水温は、第2貯水タンク21からの第2温度範囲の水温よりも低いので、混合後の供給水全体の水温が低くなる。この時、システムは、工程V8に移行し、住宅の熱平衡システム1は、第2温度センサーT2により検出した第2貯水タンク21中の水温が35よりも低いか否かをさらに判定する。判定結果がYESであると、工程V9に移行し、住宅の熱平衡システム1は、第2貯水タンク21中の水を少なくとも35に加熱するように、第2貯水タンク21の電熱装置211をさらに起動させることで、第4ポンプ40を介して送出した水温を高め、さらに供給水全体の水温を高める。逆に、工程V8の判定結果がNOであると、第2貯水タンク21中の水温が依然として35よりも高いことを示す場合、工程V10に移行し、住宅平衡システム1は、省エネのために電熱装置211を起動させない。注意すべきなのは、工程V9又は工程V10の作動後、いずれも、フィードバック制御のメカニズムとして、例えば、所定の時間をおいて、再び工程V8に戻し第2貯水タンク21中の水温が35よりも低いか否かを改めて判定し、これによって、供給水全体の水温の安定性を維持する。
【0028】
上述したように、住宅の熱平衡システム1の第3ポンプ30により第1貯水タンク11から、又は第4ポンプ40により第2貯水タンク21から汲み出した水は、当該住宅の室内の床下冷房システム(夏用)又は床下暖房システム(冬用)用のものとして、当該住宅の室内コイルに供給されることができる。しかし、本発明に係る住宅の熱平衡システム1の第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21に蓄積された水は、主システムの冷水又は温水の用水量及びエネルギー消費量を節約するように、従来の冷水又は温水主システムタイプの空調システムの補助水源としてもよい。
【0029】
図4に本発明に係る住宅の熱平衡システムを使用する省エネ空調システムの一実施例を記載した配置模式図である。注意すべきなのは、図示を簡潔にするために、図4には、住宅の熱平衡システム1の第1貯水タンク11、第2貯水タンク21、第3ポンプ30及び第4ポンプ40のみが示されており、住宅の熱平衡システムの残りの要素が示されていないことである。
【0030】
図4において、省エネ空調システム300は、一般的に、室内の環境品質を調節制御したい室内空間400及び住宅又は建物の外部環境500とは独立してそれらの間に位置する空間、例えば、室内空間の天井パネルと上方フロアパネルとの間の空間又はそれに類似した配置空間に取付けられている。省エネ空調システム300は、吸込口320及び吹出口330を有する空調ケース310を備え、図4に例示した空調ケース310には、吸込口320から吹出口330までの横方向に沿ってフィルタスクリーン層380と、気流を冷却するための冷却コイル340と、気流を加熱するための加熱コイル350と、気流を加湿するための加湿器360と、ファン370とを順に有している。吸込口320は、外部環境500及び当該室内空間400の少なくとも一方から気流を吸込むことができ、吹出口330は、気流を住宅の室内空間400に輸送することができ、ファン370は、当該空調ケース310の吸込口320から気流を当該吹出口330に吹き付けるように、吸込口320及び吹出口330の間に位置する。言い換えると、ファン370を起動させた時、気流は、外部環境500及び室内空間400の少なくとも一方から吸込口320を介して空調ケース310に入り、フィルタスクリーン層380、冷却コイル340、加熱コイル350及び加湿器360を通った後、ファン370によって吹き付けられ吹出口330から室内空間400に入る。勿論、ファン370び位置は、図4に示した位置に限られず、例えば、本発明の一実施例において、ファン370は、フィルタスクリーン層380と冷却コイル340との間に設けられている。又、冷却コイル340及び加熱コイル350は、常にいずれかが起動し、冷房モード又は暖房モードに用いられ、両方が共に起動することがないので、空調構造又は管路配置の必要に応じて、図4における冷却コイル340及び加熱コイル350の位置を取り替えても良い。フィルタスクリーン層380は、単一のフィルタスクリーン層のみに限られず、複数のフィルタスクリーン層、例えば、図4に示した第1のフィルタスクリーン381及び第2のフィルタスクリーン382を用いることで、気流のろ過効果の改善をすることもできる。
【0031】
以上に述べたように、図4に示した好ましい実施例において、省エネ空調システム300は、室内空間400の開口に取付け又は接続された還気ダンパー401と、住宅と外部環境500の他の開口に取付け又は接続された外気ダンパー501とを有する。空調ケース310のファン330を起動させた時、吸込口320は、還気ダンパー401及び外気ダンパー501の少なくとも一方から空気を吸込み気流を形成することができる。これらの還気ダンパー401及び外気ダンパー501の構造によって、省エネ空調システム300は、外部環境500から空気を吸引することで室内空間400を換気することや、室内空間400から空気を吸引することで空気循環を行うこと、コントローラ600によって還気ダンパー401及び外気ダンパー501のそれぞれの開度を調節することで吸引した空気の混合割合を調整することができる。
【0032】
冷却コイル340は、冷房モードで、気流を冷却するように気流と熱交換するためのものである。本実施例において、冷却コイル340は、冷水供給管341及び冷水排出管342に接続され、冷水供給管341及び冷水排出管342は、主に、従来の冷却コイル用冷水を提供可能な主システム(図示せず)に接続され、冷水供給管341は、住宅の熱平衡システムの第3ポンプ30に接続された第1補助管343をさらに備え、それによって、第3ポンプ30は、第1貯水タンク11から水を汲み出し、当該冷水供給管341に接続された第1補助管343を介して、水を当該冷却コイル340に輸送することができる。加熱コイル350は、暖房モードで、気流を加熱するように気流と熱交換するためのものであり、温水供給管351及び温水排出管352に接続され、温水供給管351及び温水排出管352は、従来の加熱コイル用温水を提供可能な主システム(図示せず)に接続され、なお、温水供給管351は、住宅の熱平衡システムの第4ポンプ40に接続された第2補助管353を有し、それによって、第4ポンプ40は、第2貯水タンク21から水を汲み出し、当該温水供給管351に接続された第2補助管353を介して、水を当該加熱コイル350に輸送することができる。
【0033】
図4に示すように、冷却コイル340に接続された冷水供給管341の第1補助管343は、第1貯水タンク11から当該第1補助管343を介して冷水供給管341に送入する水量を制御するための第7制御弁344を有し、冷水排出管342と第1貯水タンク11との間には、第3補助管345をさらに有することにより、当該冷却コイル340の水を冷水排出管342から第3補助管345を介して第1貯水タンク11に返送することができ、第3補助管345は、冷水排出管342から第3補助管345を介して第1貯水タンク11に返送する水量を制御するための第8制御弁346を有してもよい。
【0034】
又、冷水供給管341は、主システムから当該冷水供給管341に供給する主要供給量を制御するための第9制御弁347をさらに有し、第1補助管343は第9制御弁347と冷却コイル340との間に位置し、なお、冷水排出管342は、冷水排出管342の主要排出量を制御するための第10制御弁348を有し、第3補助管345は、第10制御弁348と冷却コイル340との間に位置する。
【0035】
同様に、加熱コイル350に接続された温水供給管351の第2補助管353は、第2貯水タンク21から当該第2補助管353を介して温水供給管351に送入する水量を制御するための第11制御弁354を有し、温水排出管352と第2貯水タンク21と間には、第4補助管355をさらに有することにより、当該加熱コイル350の水を温水排出管352から第4補助管355を介して第2貯水タンク21に返送することができ、第4補助管355は、温水排出管352から第4補助管355を介して第2貯水タンク21に返送する水量を制御するための第12制御弁356を有してもよい。
【0036】
又、温水供給管351は、主システムから当該温水供給管351に輸送する主要供給量を制御するための第13制御弁357をさらに有し、第2補助管353は、第13制御弁357と加熱コイル350との間に位置し、なお、温水排出管352は、温水排出管352の主要排出量を制御するための第14制御弁358を有し、第4補助管355は第14制御弁358と加熱コイル350との間に位置する。
【0037】
注意すべきなのは、室内空間の空気及び環境品質の制御を実現するために、省エネ空調システム300は、空調ケース310において、好ましくは冷却コイル340及び加熱コイル350の後に、温度センサーT5が設けられていることで、冷却コイル340又は加熱コイル350による気流の熱交換処理後に当該空調ケース310から吹き出した気流の温度を検出する。室内空間400内において、室内温度センサーT6、室内湿度センサーM1及び室内CO2濃度センサーC1が設けられていてもよい。また、住宅外部環境500には、外部環境温度センサーT7及びPM2.5センサーP1が設けられてもよい。又、前記図4における全てのセンサーは、センス信号をコントローラ600に転送し、前記図4における還気ダンパー401、外気ダンパー501、前記図4における全ての制御弁の開度、及び空調ケース310における加湿器360は、コントローラ600によって制御されることにより、個別のダンパー又は個別の制御弁の開度、及び加湿器360の作動を調整することができる。これらのセンサー、開度が調整可能な制御弁及びダンパー構造、並びに加湿器に対する制御などにより、室内空間400の空気及び環境品質を制御する目的を達成できる。
【0038】
例えば、室内湿度センサーM1により検出した当該室内空間の湿度が予定の湿度値よりも低い場合、コントローラ600は、当該空調ケース中の気流を当該予定の湿度値に達するまで加湿するように、当該加湿器360を起動させる。また、外気ダンパー501及び還気ダンパー401の開度が制御可能であるので、室内CO2濃度センサーC1により検出した室内空間400のCO2濃度が予定のCO2濃度値よりも高い場合、外気ダンパー501及び当該還気ダンパー401のそれぞれの開度を制御することで、当該予定のCO2濃度値に達するように、空調ケース310が空気を吸引する時における外部環境500の空気と室内空間400の空気との混合割合を制御することができる。又、例えば、冷房モードで、外部環境温度センサーT7により検出した外部環境の温度が予定の室内温度値よりも低い場合、外部環境から吸い込まれる空気量を多くするように、外気ダンパー501の開度を大きくすることで、室内空間400の温度を調節することができる。PM2.5センサーP1により検出した当該外部環境PM2.5値が予定のPM2.5閾値よりも高い場合、コントローラ600は、室内空間400の予定のCO2濃度値を基準として、外気ダンパー501及び還気ダンパー401のそれぞれの開度を制御することで、多すぎるPM2.5の浮遊微粒子が室内空間400に流入し室内空気品質に影響を与えることを回避する。
【0039】
省エネ空調システム300は、少なくとも冷房モード又は暖房モードを作動させることができる。冷房モードを作動させる場合、加熱コイル350を作動させることなく、冷却コイル340のみを作動させ、第11制御弁354、第12制御弁356、第13制御弁357及び第14制御弁358をいずれも閉状態にする。図5は、例示的な冷房作動モードの工程を示す。工程W1において、省エネ空調システム300は起動し始めると共に、コントローラ600は、冷水供給管341の第9制御弁347及び冷水排出管342の第10制御弁348を開けることで、冷水主機器の冷水を冷却コイル340を流れるように作動させ、空調ケース310中の気流を熱交換させ降温させた後、室内空間400に吹き付け、気流を冷却コイル340によって熱交換させた後、工程W2において、空調ケース310における温度センサーT5は、降温した後に送出した気流の温度を検出すると共に、予定の気流の温度値以下であるか否かを判定する。判定がNOであると、工程W3に移行し、主システムの冷水を冷却コイル340を流れるように作動させ続けることにより、空調ケース310中の気流の降温を持続させるまま、工程W2に戻し、工程W2の判定結果がYESになるまで上記の工程を繰り返す。工程W2の判定結果がYESであると、工程W4に移行し、冷水供給管341の第9制御弁347及び冷水排出管342の第10制御弁348の開度が20%以下であるか否かを確認する。判定結果がNOであると、室内空間400の熱負荷は依然として高負荷状態であることを示し、再び工程W3に戻し、主システムの冷水を冷却コイル340を流れるように作動させ続け、空調ケース310中の気流の降温を持続させる。判定結果がYESであると、室内空間400の熱負荷は低負荷状態であることを示し、この時、工程W5に移行し、コントローラ600は、第1補助管343の第7制御弁344及び第3補助管345の第8制御弁346を開け、第3ポンプ30によって住宅の熱平衡システムの第1貯水タンク11から水を補助水源として汲み出し、第1補助管343を介して主システムから当該冷水供給管341を介して送入した冷水と混合させ、当該冷却コイル340に供給する。工程W5において、補助水源を使用し始めることにより、主システムのエネルギー使用量を低減させることができる。その後、工程W6において、工程W5に補助水源を使用し始めて省エネ降温を行った後で、温度センサーT5により検知した気流の温度が予定の温度値よりも高いか否かを判定する。判定結果がNOであると、当該予定の温度値よりも低く又はそれを維持していることを示し、工程W5に戻し、第1貯水タンク11の補助水源及び主システム冷水の混合割合を維持したままに省エネ降温を行う。判定結果がYESであると、空調ケース310から吹き出した気流の温度が当該予定の温度値よりも高いことを示し、工程W7に移行し、補助水源及び主システム冷水の混合割合を変化させるように第1補助管343の第7制御弁344及び第3補助管345の第8制御弁346のそれぞれの開度を調整し、又は、補助水源の供給を停止させ主システム冷水のみを冷却コイル340に供給するように、第1補助管343の第7制御弁344及び第3補助管345の第8制御弁346を直接に閉じる。その後、再び工程W6に戻し、温度センサーT5により検知した気流の温度が予定の温度値よりも高いか否かを改めて判断する。上述したようなフィードバック制御メカニズムにより、第1貯水タンク11の補助水源と主システムの冷水を組み合わせた使用割合を効果的に調整するように最適化し、省エネの目的を達成できる。
【0040】
同様に、例えば省エネ空調システム300が暖房モードを作動させる場合、冷却コイル340を作動させることなく、加熱コイル350のみを作動させ、第7制御弁344、第8制御弁346、第9制御弁347及び第10制御弁348をいずれも閉状態にする。図6は、例示的な暖房作動モードの工程を示す。工程X1において、省エネ空調システム300は起動し始めると共に、コントローラ600は、温水供給管351の第13制御弁357及び温水排出管352の第14制御弁358を開け、主システムの温水を加熱コイル350を流れるように作動させ、空調ケース310中の気流を熱交換させ加熱した後、室内空間400に吹き付け、気流を加熱コイル350によって熱交換させた後、工程X2において、空調ケース310における温度センサーT5は、加熱した後、空調ケース310から送出した気流の温度を検出すると共に、予定の気流の温度値以下であるか否かを判定する。判定がNOであると、工程X3に移行し、主システムの温水を加熱コイル340を流れるように作動させ続けることにより、空調ケース310中の気流の加熱を持続させるまま、工程X2に戻し、工程X2の判定結果がYESになるまで上記の工程を繰り返す。工程X2の判定結果がYESであると、工程X4に移行し、温水供給管351の第13制御弁357及び温水排出管352の第14制御弁358のそれぞれの開度が20%の開度以下であるか否かを確認する。判定結果がNOであると、室内空間400の冷負荷は依然として高負荷状態であることを示し、再び工程X3に戻し、主システムの温水を加熱コイル350を流れるように作動させ続け、空調ケース310中の気流の加熱を持続させる。判定結果がYESであると、室内空間400の冷負荷は低負荷状態であることを示し、この時、工程X5に移行し、コントローラ600は、第2補助管353の第11制御弁354及び第4補助管355の第12制御弁356を開け、第4ポンプ40によって住宅の熱平衡システムの第2貯水タンク21から水を補助水源として汲み出し、第2補助管353を介して主システムから当該温水供給管351を介して送入した温水と混合させ、当該加熱コイルに供給する。工程X5に補助水源を使用し始めることにより、主システムのエネルギー使用量を低減させることができる。その後、工程X6において、工程X5に補助水源を使用し始めて省エネ加熱を行った後で、温度センサーT5により検知した空調ケース310から吹き付けた気流の温度が予定の温度値よりも低いか否かを判定する。判定結果がNOであると、空調ケース310から吹き付けた気流の温度が当該予定の温度値よりも高く又はそれを維持していることを示し、システムは、工程X5に戻し、第2貯水タンク21の補助水源及び主システム温水の混合割合を維持したままに省エネ加熱を行う。判定結果がYESであると、空調ケース310から吹き付けた気流の温度が当該予定の温度値よりも低いことを示し、工程X7に移行し、補助水源及び主システム温水の混合割合を変化させるように、第2補助管353の第11制御弁354及び第4補助管355の第12制御弁356の開度を調整し、又は、補助水源の輸送を停止させ主システム温水のみを加熱コイル350に供給するように、第2補助管353の第11制御弁354及び第4補助管355の第12制御弁356を直接に閉じる。その後、再び工程X6に戻し、温度センサーT5により検知した気流の温度が当該予定の温度値よりも低いか否かを改めて判断する。上述したようなフィードバック制御メカニズムによって、第2貯水タンク21の補助水源と主システム温水とを組み合わせた使用割合を効果的に調整するように最適化し、省エネの目的を達成できる。
【0041】
図7には、本発明に係る住宅の熱平衡システムを使用する省エネ空調システムの他の実施例を記載した構造模式図が記載された。図7に示した実施例の構造は、大部分が図4に示した実施例の構造と類似する。注意すべきなのは、図示を簡潔にするために、図7には、住宅の熱平衡システム1の第1貯水タンク11、第2貯水タンク21、第3ポンプ30及び第4ポンプ40のみが示されており、住宅の熱平衡システムの残りの要素が示されていないことである。
【0042】
図7の省エネ空調システム300'も、一般的に、室内空間400及び外部環境500とは独立してそれらの間の空間に取付けられている。省エネ空調システム300'は、吸込口320及び吹出口330を有する空調ケース310'を備え、但し、図7に例示した空調ケース310'は、吸込口320から吹出口330までの横方向に沿ってフィルタスクリーン層380と、気流を予備冷却又は予備加熱するための補助コイル390と、気流をさらに冷却するための冷却コイル340と、気流をさらに加熱するための加熱コイル350と、気流を加湿するための加湿器360と、ファン370とを順に有する。上述したとおり、吸込口320は、外部環境500及び当該室内空間400の少なくとも一方から気流を吸込むことができ、吹出口330は、気流を住宅の室内空間400に輸送することができ、ファン370は、当該空調ケース310'の吸込口320から気流を当該吹出口330に吹き付けるように、吸込口320及び吹出口330の間に位置する。ファン370を起動させた時、気流は、外部環境500及び室内空間400の少なくとも一方から吸込口320を介して空調ケース310'に入り、フィルタスクリーン層380、補助コイル390、冷却コイル340、加熱コイル350及び加湿器360を通った後、ファン370によって吹き付けられ吹出口330から室内空間400に入る。ファン370の位置は、図7に示した位置に限られず、例えば、本発明の一実施例において、ファン370は、フィルタスクリーン層380と補助コイル390との間に設けられている。なお、構造又は管路配置の必要に応じて、冷却コイル340及び加熱コイル350の位置を取り替えてもよい。フィルタスクリーン層380は、単一のフィルタスクリーン層のみに限られず、複数のフィルタスクリーン層、例えば、図7に示した第1のフィルタスクリーン381及び第2のフィルタスクリーン382を用いることで、気流のろ過効果の改善をすることもできる。
【0043】
図7に示した好ましい実施例において、省エネ空調システム300'は、同様に、室内空間400の開口に取付け又は接続された還気ダンパー401と、住宅と外部環境500の他の開口に取付け又は接続された外気ダンパー501とを有する。空調ケース310'のファン370を起動させた時、吸込口320は、還気ダンパー401及び外気ダンパー501の少なくとも一方から空気を吸込み気流を形成することができる。これらの還気ダンパー401及び外気ダンパー501の構造によって、省エネ空調システム300'は、外部環境500から空気を吸引することにより室内空間400を換気することや、室内空間400から空気を吸引するこにより空気循環を行うこと、さらに、コントローラ600によって、還気ダンパー401及び外気ダンパー501のそれぞれの開度を調節制御することで吸引した空気の混合割合を調整することができる。
【0044】
図7における補助コイル390は、冷房モード又は暖房モードで空調ケース310'中の気流を予備冷却又は予備加熱するためのものである。補助コイル390は、補助供給管391及び補助排出管392に接続されている。第1貯水タンク11と補助供給管391との間には、第5補助管393を有し、第1貯水タンク11と補助排出管392との間には、第6補助管394を有し、この構造によって、第1貯水タンク中の水は、第3ポンプ30から汲み出され第5補助管393を介して補助供給管391に進入した後、また補助コイル390に進入し補助コイル390を流れ、その後、補助排出管392及び第6補助管394を介して、第1貯水タンクに戻る。第5補助管393及び第6補助管394のいずれかは、第1貯水タンク11から汲み出され補助供給管391に進入する水量を制御するための第15制御弁397を有する。それによって、空調ケース310'中の気流の補助コイル390による予備冷却の程度を制御することができる。
【0045】
図7における冷却コイル340は、冷房モードで、気流を冷却するように気流と熱交換するためのものであり、冷水供給管341及び冷水排出管342に接続されている。本実施例における冷水供給管341及び冷水排出管342は、主に、従来の冷却コイル用冷水を提供可能な主システム(図示せず)に接続され、冷水供給管341と冷水排出管342とのうちのいずれかは、主システムから当該冷水供給管341に輸送する主要供給量を制御するための第16制御弁349を有する。
【0046】
又、図7において、第2貯水タンク21と補助供給管391との間には第7補助管395を有し、第2貯水タンク21と補助排出管392との間には第8補助管396を有し、この構造によって、第2貯水タンク中の水は、第4ポンプ40から汲み出され第7補助管395を介して補助供給管391に進入した後、また補助コイル390に進入し補助コイル390を流れ、その後、補助排出管392及び第8補助管396を介して第2貯水タンクに戻る。第7補助管395及び第8補助管396のいずれかは、第2貯水タンク21から汲み出され補助供給管391に進入する水量を制御するための第17制御弁398を有する。それによって、空調ケース310'中の気流の補助コイル390による予備加熱の程度を制御することができる。
【0047】
なお、図7における加熱コイル350は、暖房モードで、気流を加熱するように気流と熱交換するためのものであり、加熱コイル350は、温水供給管351及び温水排出管352に接続され、温水供給管351及び温水排出管352も、主に、従来の加熱コイル用温水を提供可能な主システム(図示せず)に接続され、温水供給管351と温水排出管352とのうちのいずれかは、主システムから当該温水供給管351に輸送する主要供給量を制御するための第16制御弁349を有する。
【0048】
図7に示した実施例において、室内空間の空気及び環境品質の制御を実現するために、省エネ空調システム300'は、同様に、空調ケース310'において、好ましくは冷却コイル340及び加熱コイル350の後に、温度センサーT5が設けられていることで、気流が冷却コイル340又は加熱コイル350と熱交換処理された後に吹き出した温度を検出する。室内空間400において、同様に、室内温度センサーT6、室内湿度センサーM1及び室内CO2濃度センサーC1が設けられていてもよい。また、住宅外部環境500において、同様に、外部環境温度センサーT7及びPM2.5センサーP1が設けられていてもよい。又、前記図7における全てのセンサーは、センス信号をコントローラ600に転送し、前記図7における還気ダンパー401、外気ダンパー501、図7における全ての制御弁のそれぞれの開度、及び空調ケース310'における加湿器360は、コントローラ600によって制御されることにより、個別のダンパー又は制御弁の開度、及び加湿器360の作動を調整することができる。これらのセンサー、開度が調整可能な制御弁及びダンパー構造、並びに加湿器に対する制御などによって、室内空間400の空気及び環境品質を制御する目的を達成できる。
【0049】
例えば、室内湿度センサーM1により検出した当該室内空間の湿度が予定の湿度値よりも低い場合、コントローラ600は、当該空調ケース中の気流を当該予定の湿度値に達するまで加湿するように、当該加湿器360を起動させる。また、外気ダンパー501及び還気ダンパー401の開度が制御可能なので、室内CO2濃度センサーC1により検出した室内空間400のCO2濃度が予定のCO2濃度値よりも高い場合、外気ダンパー501及び当該還気ダンパー401のそれぞれの開度を制御することで、当該予定のCO2濃度値に達するように、空調ケース310が空気を吸引する時の外部環境500の空気と室内空間400の空気との混合割合を制御することができる。又、例えば、PM2.5センサーP1により検出した当該外部環境PM2.5値が予定のPM2.5閾値よりも高い場合、コントローラ600は、室内空間400の予定のCO2濃度値を基準として、外気ダンパー501及び還気ダンパー401のそれぞれの開度を制御することで、多すぎるPM2.5の浮遊微粒子が室内空間400に流入し室内空気品質に影響を与えることを回避する。
【0050】
省エネ空調システム300'は、冷房モード又は暖房モードを作動させることができる。冷房モードを作動させる場合、加熱コイル350を作動させることなく、補助コイル390及び冷却コイル340のみを作動させ、第17制御弁398及び第18制御弁359をいずれも閉状態にする。冷房モードの作動モードで、省エネ空調ケース310'の温度センサーT5は、省エネ空調ケース310'から送出した気流の温度を検出し、温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値に達する場合、コントローラ600は、当該第15制御弁397を開け、住宅の熱平衡システムの第3ポンプ30により当該第1貯水タンク11から水を汲み出し補助供給管391を介して補助コイル390に供給することで、空調ケース310'中の気流を予備冷却し、当該第16制御弁349の開度を小さくすることで、主システムが冷水供給管341から冷却コイル340に輸送する供給量を低減させることによって、エネルギー消費を節約する。また、温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値を維持する場合、コントローラは、第15制御弁397及び第16制御弁349のそれぞれの開度を維持し、温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値を維持できない場合、コントローラ600は、第15制御弁397及び第16制御弁349のそれぞれの開度を調整することで、温度センサーにより検出した気流の温度が当該予定の気流の温度を維持するようになるまで、第1貯水タンク11の水が補助コイル390に進入した水量及び主システムの冷水供給管341から当該冷却コイル340に進入した水量を調整する。前記冷房モードでの作動モードによって、住宅の熱平衡システムが回収した熱エネルギーを効果的に利用し、空調主システムのエネルギー消費を低減させることができる。
【0051】
暖房モードを作動させる場合、省エネ空調システム300'は、冷却コイル340を作動させることなく、補助コイル390及び加熱コイル350のみを作動させ、第15制御弁397及び第16制御弁349をいずれも閉状態にする。暖房モードの作動モードで、省エネ空調ケース310'の温度センサーT5は、省エネ空調ケース310'から送出した気流の温度を検出し、温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値に達する場合、コントローラ600は、当該第17制御弁398を開け、住宅の熱平衡システムの第4ポンプ40により当該第2貯水タンク21から水を汲み出し補助供給管391を介して補助コイル390に供給することで空調ケース310'中の気流を予備加熱し、当該第18制御弁359の開度を小さくし、主システムが温水供給管351から加熱コイル350に輸送する供給量を低減させることによって、エネルギー消費を節約する。また、温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値を維持する場合、コントローラは、第17制御弁398及び第18制御弁359のそれぞれの開度を維持し、温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値を維持でいない場合、コントローラ600は、第17制御弁398及び第18制御弁359のそれぞれの開度を調整することで、温度センサーにより検出した気流の温度が当該予定の気流の温度値を維持するようになるまで、第2貯水タンク21の水が補助コイル390に進入した水量及び主システムの温水供給管351から加熱コイル350に進入した水量を調整する。前記暖房モードでの作動モードによって、住宅の熱平衡システムが回収した熱エネルギーを効果的に利用し、空調主システムのエネルギー消費を低減させることができる。
【0052】
図8は、図7の省エネ空調システム300'の他の例示的な作動モードの工程を示す。工程Y1において、省エネ空調システム300'は起動し始めて工程Y11に移行し、外部環境温度センサーT7により検出した室外温度が室内温度センサーT6により検出した室内温度よりも高いか否かを判定する。工程Y11中の判定結果がYESである場合、冷房モードが工程Y12に移行し、コントローラ600は、第15制御弁397を開け、第3ポンプ30により第1貯水タンク11から水を汲み出し補助コイル390に供給することで、空調ケース310'中の気流を予備冷却する。補助コイル390が予備冷却を開始した後、工程Y13に移行し、空調ケース310'における温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値以下であるか否かを判定する。工程Y13の判定結果がYESである場合、工程Y14に移行し、省エネ空調システム300'は、第3ポンプ30により第1貯水タンク11から水を汲み出し補助コイル390に供給することで空調ケース310'中の気流を予備冷却するように、室内空間400を温度調節することを維持する。工程Y13の判定結果がNOである場合、省エネ空調ケース310'から吹き出した気流の温度が当該予定の気流の温度値よりも高いことを示し、工程Y15に移行し、省エネ空調システム300'のコントローラ600は、第16制御弁349を開けると共に、主システムの冷水を冷却コイル340に送入することで、空調ケース310'中の補助コイル390により予備冷却した気流をさらに冷却する。その後、工程Y16に移行し、省エネ空調システム300'のコントローラは、第15制御弁397及び第16制御弁349のそれぞれの開度の大きさを調整することで、空調ケース310'における温度センサーT5により検出した気流の温度を予定の気流の温度値に達させる。
【0053】
また、工程Y11中の判定結果がNOである場合、暖房モードと判定し、工程Y21に移行し、再び外部環境温度センサーT7により検出した室外温度が室内温度センサーT6により検出した室内温度よりも低いか否かを確認する。工程Y21中の判定結果がYESである場合、工程Y22に移行し、コントローラ600は、第17制御弁398を開け、第4ポンプ40により第2貯水タンク21から水を汲み出し補助コイル390に供給することで空調ケース310'中の気流を予備加熱する。補助コイル390が予備加熱を開始した後、工程Y23に移行し、空調ケース310'における温度センサーT5により検出した気流の温度が予定の気流の温度値以上であるか否かを判定する。工程Y23の判定結果がYESである場合、工程Y24に移行し、省エネ空調システム300'は、第4ポンプ40により第2貯水タンク21から水を汲み出し補助コイル390に供給することで、空調ケース310'中の気流を予備加熱するように、室内空間400を温度調節することを維持する。工程Y23の判定結果がNOである場合、空調ケース310'から吹き出した気流の温度が当該予定の気流の温度値よりも低いことを示し、工程Y25に移行し、省エネ空調システム300'のコントローラ600は、第18制御弁359を開けると共に、主システムの温水を加熱コイル350に送入することで、空調ケース310'中の補助コイル390により予備加熱した気流をさらに加熱する。その後、進入工程Y26に移行し、省エネ空調システム300'のコントローラ600は、第17制御弁398及び第18制御弁359のそれぞれの開度の大きさを調整することで、空調ケース310'における温度センサーT5により検出した気流の温度を予定の気流の温度値に達させる。図8に示した省エネ空調システム300'の作動モードによって、本発明に係る住宅の熱平衡システムの第1貯水タンク11及び第2貯水タンク21が回収した熱エネルギーを、省エネ空調システムの補助エネルギーとして十分に利用し、エネルギー消費を節約する効果を達成できる。
【0054】
以上をまとめると、本発明により提出した住宅の熱平衡システム及びその稼働モード、ならびに当該住宅の熱平衡システムが回収した熱エネルギーを使用する省エネ空調システム及びその稼働モードは、地中熱エネルギー、家庭用装置の廃熱、及びグリーンエネルギー装置が発生したエネルギーを確実に効果的に利用し、エネルギー消費を節約する目的を達成すると同時に、室内空気品質を維持する効果を達成できる。なお、実際のエネルギーの消費が前記実施例に記載されるシステムの負荷を超え、主システムを起動させる必要があっても、前記実施例は、エネルギーの消費を低減させる補助システムとして機能することができる。
【0055】
以上に述べた実施例は、本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものに過ぎず、当業者が本発明の内容を理解してそれに基づいて実施できることを目的とし、これにより本発明の特許請求の範囲を限定するべきではない。本発明に記載される発明の均等な変化又は修飾は、本発明の特許請求の範囲に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0056】
1 : 住宅の熱平衡システム
10 : 第1エネルギー回収設備
11 : 第1貯水タンク
12 : 基礎杭
13 : 第1熱交換管路
14 : 第1管路
15 : 第3管路
16 : 第1制御弁
17 : 第3制御弁
18 : 第1ポンプ
20 : 第2エネルギー回収設備
21 : 第2貯水タンク
22 : 第1家庭用装置
23 : 第2熱交換管路
24 : 第2管路
25 : 第4管路
26 : 第2制御弁
27 : 第4制御弁
28 : 第2ポンプ
30 : 第3ポンプ
40 : 第4ポンプ
50 : 室内コイル
60 : 第2家庭用装置
70 : 第3エネルギー回収設備
71 : 第3家庭用装置
73 : 第3熱交換管路
74 : 第5ポンプ
80 : グリーンエネルギー装置
81 : ソーラーパネル
82 : マイクロ風力機
83 : 集電盤
211 : 電熱装置
300 : 省エネ空調システム
300' : 省エネ空調システム
310 : 空調ケース
310' : 空調ケース
320 : 吸込口
330 : 吹出口
340 : 冷却コイル
341 : 冷水供給管
342 : 冷水排出管
343 : 第1補助管
344 : 第7制御弁
345 : 第3補助管
346 : 第8制御弁
347 : 第9制御弁
348 : 第10制御弁
349 : 第16制御弁
350 : 加熱コイル
351 : 温水供給管
352 : 温水排出管
353 : 第2補助管
354 : 第11制御弁
355 : 第4補助管
356 : 第12制御弁
357 : 第13制御弁
358 : 第14制御弁
359 : 第18制御弁
360 : 加湿器
370 : ファン
380 : フィルタスクリーン層
381 :第1のフィルタスクリーン
382 : 第2のフィルタスクリーン
390 : 補助コイル
391 : 補助供給管
392 : 補助排出管
393 : 第5補助管
394 : 第6補助管
395 : 第7補助管
396 : 第8補助管
397 : 第15制御弁
398 : 第17制御弁
400 : 室内空間
401 : 還気ダンパー
500 : 外部環境
501 : 外気ダンパー
600 : コントローラ
C1 : 室内CO2濃度センサー
L1 : 第1液面センサー
L2 : 第2液面センサー
M1 : 室内湿度センサー
P1 : PM2.5センサー
S : 外部水源
S1 : 第5制御弁
S2 : 第6制御弁
T1 : 第1温度センサー
T2 : 第2温度センサー
T3 : 第3温度センサー
T4 : 第4温度センサー
T5 : 温度センサー
T6 : 室内温度センサー
T7 : 外部環境温度センサー
U1 : 工程
U2 : 工程
U3 : 工程
U4 : 工程
U5 : 工程
U6 : 工程
U7 : 工程
U8 : 工程
V1 : 工程
V10 : 工程
V2 : 工程
V3 : 工程
V4 : 工程
V5 : 工程
V6 : 工程
V7 : 工程
V8 : 工程
V9 : 工程
W1 : 工程
W2 : 工程
W3 : 工程
W4 : 工程
W5 : 工程
W6 : 工程
W7 : 工程
X1 : 工程
X2 : 工程
X3 : 工程
X4 : 工程
X5 : 工程
X6 : 工程
X7 : 工程
Y1 : 工程
Y11 : 工程
Y12 : 工程
Y13 : 工程
Y14 : 工程
Y15 : 工程
Y16 : 工程
Y21 : 工程
Y22 : 工程
Y23 : 工程
Y24 : 工程
Y25 : 工程
Y26 : 工程
【要約】      (修正有)
【課題】住宅の熱平衡システム、及びこの熱平衡システムを利用する省エネ空調システムを提供する。
【解決手段】この住宅の熱平衡システム1は、第1貯水タンク11と、住宅の建築構造の下方に連結される基礎杭12と、第1貯水タンク11に接続され基礎杭12と熱交換可能であることにより、第1熱交換管路13内の水を第1温度範囲に加熱する第1熱交換管路13とを備える第1エネルギー回収設備10と、第2貯水タンク21と、稼働時に第1熱エネルギーが発生する少なくとも1つの第1家庭用装置22と、第2貯水タンク21に接続され少なくとも1つの第1家庭用装置22と熱交換可能であることにより、第2熱交換管路23内の水を第2温度範囲に加熱する第2熱交換管路23とを備える第2エネルギー回収設備20と、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8