特許第6473799号(P6473799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6473799季節変動を考慮した昼夜表示を備えた時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473799
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】季節変動を考慮した昼夜表示を備えた時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/00 20060101AFI20190207BHJP
   G04B 19/22 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   G04B19/00 P
   G04B19/22 C
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-237458(P2017-237458)
(22)【出願日】2017年12月12日
(65)【公開番号】特開2018-105856(P2018-105856A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年1月19日
(31)【優先権主張番号】16206811.8
(32)【優先日】2016年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ベアト・ジロマン
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・レショー
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−075685(JP,A)
【文献】 米国特許第3305946(US,A)
【文献】 米国特許第4102121(US,A)
【文献】 米国特許第7012855(US,B1)
【文献】 米国特許第2023677(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/00
G04B 19/22
G09B 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計ムーブメントと、カレンダ機構(123,125)と、季節変動を考慮した日の出/日の入り表示手段(109,115)と、を備える時計であって、前記時計ムーブメントは、分車セット(105)と、モーションワーク(106)と、時表示部材と、前記モーションワーク(106)を介して前記分車セット(105)によって12時間に1回転の速度もしくは24時間に1回転の速度のどちらかで駆動されるように構成されるとともに前記時表示部材と回転一体の時車セット(107)と、を含み、前記カレンダ機構(123,125)は、前記時車セット(107)によって駆動されるように構成されるとともに、日付表示手段(123)および月表示手段(125)を有し、前記日の出/日の入り表示手段(115,109)は、地球儀を複製した球体(117)と、支持体と、前記支持体上で前記球体と同心円状に取り付けられるとともに地球の明暗境界線の位置を示すように構成されたリング(113a)と、を含み、前記球体(117)は、地球儀の極軸に対応する第1の軸に関して、24時間に1回転の割合で回転駆動されるように構成されており、前記リング(113a)は、さらに、前記球体の中心で前記第1の軸に直交する第2の軸に関して、前記球体(117)に対して枢転可能であるように前記支持体上に取り付けられており、前記日の出/日の入り表示手段は、さらに、赤道面に対する太陽の傾きを表すプロファイルを有するとともに1年に1回転の割合で回転駆動されるように構成された年周カム(111)と、前記カムと協働するように構成されたカム従動子と、前記カム従動子を前記リング(113a)に連結するように構成された第1の運動連鎖(112)と、を含み、前記リングで囲まれる平面は、赤道面に対する太陽の傾斜角に等しい角度を、前記第1の軸との間に形成する、時計において、
前記カレンダ機構(123,125)は、シンプルカレンダ機構であることと、
前記時計ムーブメントは、前記月表示手段(125)を介して前記年周カム(111)を前記時車セット(107)に連結する第3の運動連鎖(118)を含むことと、
前記第3の運動連鎖は、前記時車セットが、前記モーションワークによって12時間に1回転の速度で駆動されるように構成されている場合に、1:744の伝達比を有するか、または前記第3の運動連鎖は、前記時車セットが、前記モーションワークによって24時間に1回転の速度で駆動されるように構成されている場合に、1:372の伝達比を有するか、いずれかであること、を特徴とする時計。
【請求項2】
当該時計は、24時間に1回転の割合で前記球体を駆動するために、前記時車セット(107)を前記球体(117)に連結する第2の運動連鎖(120)を有することと、
前記時計ムーブメントは、一方で、前記モーションワーク(106;8)とは独立に、前記時車セット(107;2,30,32)を1段ずつ回転させるように構成された手動操作可能なタイムゾーン修正機構(101)を有するとともに、他方で、夏時間から冬時間への変更もしくはその逆の変更のために前記タイムゾーン修正機構(101)によって前記時車セットを回転させるときに、前記第2の運動連鎖を係合解除するように構成された係合解除機構(133)を有すること、を特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記時計ムーブメントは、前記モーションワーク(8;106)と噛合してモーションワーク時車と呼ばれる第1の時車(6)と、前記時車セット(2,30,32;107)と一体の時車と呼ばれる第2の時車(32)と、を有することと、
前記タイムゾーン修正機構(101)は、係合解除可能な連結装置(12,20,36)を含み、前記連結装置は、前記第1の時車(6)と前記第2の時車(32)を、前記時表示部材(4)が1時間に進む距離に相当する角度で互いに離間して等距離にある複数の既定の相対角度位置のいずれかで回転一体化させるように構成されていること、を特徴とする、請求項2に記載の時計。
【請求項4】
前記第3の運動連鎖(118)は、1:744の減速比を有する減速輪列を構成しており、前記時車セット(107)と回転一体であるとともに18歯のカナを有する減速車セットを含み、前記減速車セットの前記カナは、24時間で1回転を終えるように構成された第1の中間車セット(119)の36歯の歯車と噛合しており、前記第1の中間車セットは2つの爪を備え、前記2つの爪は、それぞれ、31歯の日星車、および第2の中間車セットのうちの40歯の星車を、24時間に1回、1段ずつ進めるように構成されており、前記第2の中間車セットは、さらに、前記40歯の星車と同軸状に一体化された10歯のカナを含み、前記10歯のカナは、前記年周カム(111)が取り付けられている年車セットの93歯の歯部と噛合するように構成されている、ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の時計。
【請求項5】
前記時計ムーブメントは、前記時車セット(107)、前記時表示部材、前記日付表示手段(123)、前記月表示手段(125)、前記年周カム(111)、および前記球体(117)の角度位置にも影響を及ぼすように、前記分車セット(105)および前記モーションワーク(106)に作用するように構成された手動操作可能な時刻設定装置(131,T3)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の時計。
【請求項6】
季節変動を考慮した前記日の出/日の入り表示手段(115,109)は、地球儀を複製した前記球体(117)と同心円状に配置されたシェル(113)を含み、前記シェルは、夜間である地球儀の部分を昼間である他の部分から区分するように構成されている、ことと、
前記シェルは、半球の全体形状を有するとともに、略円形のリムを有し、前記リムは、地球の明暗境界線の位置を示すように構成された前記リング(113a)を形成していること、を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の時計。
【請求項7】
前記第2の軸は、前記リング(113a)の直径と略同一線上にあることと、
前記シェル(113)は、前記直径の両端を延長した2つのピボットを支持しており、前記2つのピボットは、前記支持体上で回転すること、を特徴とする、請求項6に記載の時計。
【請求項8】
前記リング(113a)を形成している前記リムは、前記2つのピボットの間の中間で、直径に関して相対する位置に配置された2つのノッチを有することを特徴とする、請求項7に記載の時計。
【請求項9】
時計ムーブメントと、カレンダ機構(223,225)と、季節変動を考慮した日の出/日の入り表示手段(209,215)と、を備える時計であって、前記時計ムーブメントは、分車セット(205)と、モーションワーク(206)と、時表示部材と、前記モーションワーク(206)を介して前記分車セット(205)によって12時間に1回転の速度もしくは24時間に1回転の速度のどちらかで駆動されるように構成されるとともに前記時表示部材と回転一体の時車セット(207)と、を含み、前記カレンダ機構(223,225)は、前記時車セット(207)によって駆動されるように構成されるとともに、日付表示手段(223)および月表示手段(225)を有し、前記日の出/日の入り表示手段(215,209)は、地球儀を複製した球体(217)と、支持体と、前記支持体上で前記球体と同心円状に取り付けられるとともに地球の明暗境界線の位置を示すように構成されたリング(213a)と、を含み、前記リング(213a)は、地球儀の極軸に対応する第1の軸に関して、24時間に1回転の割合で回転駆動されるように構成されており、前記リング(213a)は、さらに、前記球体の中心で前記第1の軸に直交する第2の軸に関して、前記球体(217)に対して枢転可能でもあるように前記支持体上に取り付けられており、前記日の出/日の入り表示手段は、さらに、赤道面に対する太陽の傾きを表すプロファイルを有するとともに1年に1回転の割合で回転駆動されるように構成された年周カム(211)と、前記カムと協働するように構成されたカム従動子と、前記カム従動子を前記リング(213a)に連結するように構成された第1の運動連鎖(212)と、を含み、前記リングで囲まれる平面は、赤道面に対する太陽の傾斜角に等しい角度を、前記第1の軸との間に形成する、時計において、
前記カレンダ機構(223,225)は、シンプルカレンダ機構であることと、
前記時計ムーブメントは、前記月表示手段(225)を介して前記年周カム(211)を前記時車セット(207)に連結する第3の運動連鎖(218)を含むことと、
前記第3の運動連鎖は、前記時車セット(207)が、前記モーションワーク(206)によって12時間に1回転の速度で駆動されるように構成されている場合に、1:744の伝達比を有するか、または前記第3の運動連鎖は、前記時車セット(207)が、前記モーションワーク(206)によって24時間に1回転の速度で駆動されるように構成されている場合に、1:372の伝達比を有するか、いずれかであること、を特徴とする時計。
【請求項10】
当該時計は、24時間に1回転の割合で前記リングを駆動するために、前記時車セット(207)を前記リング(213a)に連結する第2の運動連鎖(220)を有することと、
前記時計ムーブメントは、一方で、前記モーションワーク(206;8)とは独立に、前記時車セット(207;2,30,32)を1段ずつ回転させるように構成された手動操作可能なタイムゾーン修正機構(201)を有するとともに、他方で、夏時間から冬時間への変更もしくはその逆の変更のために前記タイムゾーン修正機構(201)によって前記時車セットを回転させるときに、前記第2の運動連鎖を係合解除するように構成された係合解除機構(233)を有すること、を特徴とする、請求項9に記載の時計。
【請求項11】
前記時計ムーブメントは、前記モーションワーク(8;206)と噛合してモーションワーク時車と呼ばれる第1の時車(6)と、前記時車セット(2,30,32;207)と一体の時車と呼ばれる第2の時車(32)と、を有することと、
前記タイムゾーン修正機構(201)は、係合解除可能な連結装置(12,20,36)を含み、前記連結装置は、前記第1の時車(6)と前記第2の時車(32)を、前記時表示部材(4)が1時間に進む距離に相当する角度で互いに離間して等距離にある複数の既定の相対角度位置のいずれかで回転一体化させるように構成されていること、を特徴とする、請求項10に記載の時計。
【請求項12】
前記第3の運動連鎖(218)は、1:744の減速比を有する減速輪列を構成しており、前記時車セット(207)と回転一体であるとともに18歯のカナを有する減速車セットを含み、前記減速車セットの前記カナは、24時間で1回転を終えるように構成された第1の中間車セット(219)の36歯の歯車と噛合しており、前記第1の中間車セットは2つの爪を備え、前記2つの爪は、それぞれ、31歯の日星車、および第2の中間車セットのうちの40歯の星車を、24時間に1回、1段ずつ進めるように構成されており、前記第2の中間車セットは、さらに、前記40歯の星車と同軸状に一体化された10歯のカナを含み、前記10歯のカナは、前記年周カム(211)が取り付けられている年車セットの93歯の歯部と噛合するように構成されている、ことを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の時計。
【請求項13】
前記時計ムーブメントは、前記時車セット(207)、前記時表示部材、前記日付表示手段(223)、前記月表示手段(225)、前記年周カム(211)、および前記第1の軸に関する前記リング(213a)の角度位置にも影響を及ぼすように、前記分車セット(205)および前記モーションワーク(206)に作用するように構成された手動操作可能な時刻設定装置(231,T3)を有することを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の時計。
【請求項14】
前記リング(213a)が取り付けられている前記支持体は、回転することと、
前記第2の運動連鎖(220)は、前記時車セット(207)を前記回転支持体に連結する輪列を含むこと、を特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の時計。
【請求項15】
季節変動を考慮した前記日の出/日の入り表示手段(215,209)は、地球儀を複製した前記球体(217)と同心円状に配置されたシェル(213)を含み、前記シェルは、夜間である地球儀の部分を昼間である他の部分から区分するように構成されている、ことと、
前記シェルは、半球の全体形状を有するとともに、略円形のリムを有し、前記リムは、地球の明暗境界線の位置を示すように構成された前記リング(213a)を形成していること、を特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の時計。
【請求項16】
前記第2の軸は、前記リング(213a)の直径と略同一線上にあることと、
前記シェル(213)は、前記直径の両端を延長した2つのピボットを支持しており、前記2つのピボットは、前記支持体上で回転すること、を特徴とする、請求項15に記載の時計。
【請求項17】
前記リング(213a)を形成している前記リムは、前記2つのピボットの間の中間で、直径に関して相対する位置に配置された2つのノッチを有することを特徴とする、請求項16に記載の時計。
【請求項18】
当該時計はウォッチであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計ムーブメントと、カレンダ機構と、季節変動を考慮した日の出/日の入り表示手段と、を備えた時計に関し、時計ムーブメントは、分車セットと、モーションワークと、時表示部材と、モーションワークを介して分車セットによって12時間に1回転の速度もしくは24時間に1回転の速度で駆動されるように構成されるとともに時表示部材と回転一体である時車セットと、を有し、カレンダ機構は、時車セットによって駆動されるように構成されるとともに、日付表示手段および月表示手段を有し、日の出/日の入り表示手段は、地球儀を複製した球体と、支持体と、支持体上で球体と同心円状に取り付けられるとともに地球の明暗境界線の位置を示すように構成されたリングと、を含み、リングと球体は、地球儀の極軸に対応する第1の軸に関して、24時間に1回転の割合で互いに対して回転するように構成されており、さらに、リングは、支持体上で、球体の中心で第1の軸に直交する第2の軸に関して、球体に対して枢転可能でもあるように取り付けられており、日の出/日の入り表示手段は、さらに、赤道面に対する太陽の傾きを表すプロファイルを有するとともに1年に1回転の割合で回転駆動されるように構成された年周カムと、カムと協働するように構成されたカム従動子と、カム従動子をリングに連結するように構成された第1の運動連鎖と、を含み、リングで囲まれる平面は、赤道面に対する太陽の傾斜角に等しい角度を、第1の軸との間に形成する。本発明は、特に、この種の時計に関し、季節変動を考慮した日の出/日の入り表示手段は、さらに、日中(昼間)である地球の表面部分および暗闇(夜間)である地球の表面部分をも示すものである。
【背景技術】
【0002】
昼間期間とは、一日ごとに、日の出時に太陽の上縁が東の地平線の上に現れる瞬間から、日の入り時に太陽の上縁が西の地平線の下に消えるまでの時間である。いずれの時点であっても、常に、地球の表面の半分が太陽で照らされており、もう半分は暗闇の中にある。地球の明暗境界線とは、照らされた地球の部分と暗い部分との間の境界線である。幾何学的には、地球の明暗境界線は、地球を取り囲む大円である。この大円は、太陽の周りでの地球の公転軌道面(黄道面と呼ばれる)に垂直な平面に広がっている。また、地球の中心は、これら2つの平面の交線上にあることも注目される。
【0003】
一般的に、昼間の長さは、1年を通じて変化するとともに、緯度によって異なる。このような変化は、地球の自転軸が黄道面に対して傾いていることに起因する。この傾きは、定義によれば、±23°27’である回帰線緯度に相当する。周知のように、昼間の長さは、北半球の12月の至点および南半球の6月の至点において、最も短い。分点では、地球上のどこにおいても、昼間と夜間の長さが同じである。
【0004】
昼と夜の境界の現在位置を表示するように構成されるとともに、上記前文で提示した定義を満たす時計は、既に知られている。特に、本出願人の名義による特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載がある。ところが、それらの時計の使用および設計は、いくつかの難点を伴う。
【0005】
特に、それらの時計は、赤道面に対する太陽の傾きを表すプロファイルを有するとともにムーブメントによって1年に1回転の割合で回転駆動されるように構成された年周カムを備える。これらの時計の欠点の1つは、時計の不確定な停止期間の後に、年周カムを正しい位置に戻すことが問題となり得ることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2911013号明細書
【特許文献2】欧州特許第2977832号明細書
【特許文献3】欧州特許第3007012号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の上記欠点を克服することである。本発明は、添付の請求項1による時計ムーブメントを提供することにより、本目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、時計は、時車セットによって駆動されるように構成されるとともに日付表示手段および月表示手段を有するカレンダ機構を備える。時計は、さらに、月表示手段を介して時車セットを年周カムに連結する第3の運動連鎖を備える。この特徴の第1の利点は、時計の不確定な停止期間の後に、単にカレンダ機構の日付をリセットするだけで、誤差の可能性を伴うことなく、年周カムを正しい位置に自動的に戻すことが可能であることである。
【0009】
本発明によれば、カレンダ機構は、時車セットによって駆動される。このような状況では、時計の着用者が、例えば時表示を修正するために、時表示を変更すると、この時修正の結果、自動的にカレンダ機構および年周カムは修正される。
【0010】
さらに、本発明によれば、第3の運動連鎖は、(時車セットが、モーションワークによって12時間に1回転の速度で駆動されるように構成されている場合に)1:744の伝達比を有するか、または(時車セットが、モーションワークによって24時間に1回転の速度で駆動されるように構成されている場合に)1:372の伝達比を有するか、いずれかである。
【0011】
「372」は、すべての月が31日であるとした場合の1年の日数である(そして「744」は「372」の2倍に相当する)と確認できる。すべての月が31日であるカレンダ機構は、シンプルカレンダ機構と呼ばれる。このタイプのカレンダ機構では、31日未満の月の終わりに、カレンダを更新するために手動で指針または日付ディスクを進めなければならない。月名表示の変更に関しては、これを、日付表示が31日から月の初日に変わるたびに自動的に実施することが可能である。年周カムが日付表示手段によって駆動されなければ、地球儀上の地球の明暗境界線の現在位置と実際の時刻との差が徐々に増大すると、当業者は考えがちである。しかしながら、例えば、針設定機構を用いて、31日未満の月の終わりに日付を進めれば、この日付設定操作によって、カレンダ機構と年周カムの同期が失われるおそれはない。
【0012】
本発明の具体的な実施形態によれば、時計ムーブメントは、モーションワークとは独立に、時車セットを1段進めるか戻すように回転させることによって、夏時間から冬時間もしくはその逆に切り替えるための手動操作可能な夏/冬修正機構を有する。この特徴の第1の利点は、分表示および秒表示に影響を及ぼすことなく、夏時間/冬時間の修正が実施可能となることであることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0013】
上記実施形態の効果的な変形例によれば、手動操作可能な機構は、さらに、球体上の地球の明暗境界線の位置表示に影響を及ぼすことなく、時車セットを回転させるように構成される。この特徴の利点の1つは、地球儀に対してリングの位置が変化することを、それが地球の表面に対する太陽の実際の動きを反映するものではない場合に防ぐことであることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0014】
本発明の他の特徴および効果は、単なる非限定的な例として、添付の図面を参照して提示される以下の説明を読解することで、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1の具体的な実施形態による時計の各種機構の間の運動連結を簡単に示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第2の具体的な実施形態による時計の各種機構の間の運動連結を簡単に示すブロック図である。
図3図3Aおよび図3Bは、第1および第2の時車と、それら2つの時車の回転一体化および割り出しまたは二者択一的に係合解除を実施するように構成された係合解除可能な連結装置と、を含む機構として知られる例示的な機構の、それぞれ断面図および図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図1は、本発明の第1の例示的な実施形態による時計の各種機構を結び付ける運動連結を示すブロック図である。この極めて基本的なブロック図は、太矢印を用いて、ムーブメントによって供給される駆動力を各種機構に伝達するための手段を表しており、さらに、細矢印を用いて、ユーザが手動で入力したコマンドを伝達するように構成された運動連結を表している。
【0017】
図1のブロック図において、運動連結をシンボル表示している矢印は、それらの間で、時計の各種機構を表すシンボルを連結している。これらのシンボルが表す機構として、駆動部材と調速部材および脱進機とを組み合わせた駆動機構103と、駆動機構によって1時間に1回転の割合で駆動されるように構成された、分表示部材と一体の(参照符号105で示す)分車セットと、時表示部材と回転一体の時車セット107と、時車セットが12時間ごとに1回転の割合で駆動されるように、分車セットを時車セットに連結するモーションワーク106と、モーションワーク106と時車セット107との間に挿入された(参照符号101で示す)タイムゾーン修正機構、が含まれる。
【0018】
本発明によれば、図示の時計は、さらに、季節変動を考慮した日の出/日の入り表示手段を備え、これらの手段は、地球儀を複製した球体と、支持体と、支持体上で球体と同心円状に取り付けられて、地球の明暗境界線の位置を示すように構成されたリングと、を含む。リングと球体は、地球儀の極軸に対応する第1の軸に関して、24時間に1回転の割合で互いに対して回転駆動されるように構成されている。さらに、リングは、球体の中心で第1の軸に直交する第2の軸に関して、球体に対して枢転可能でもあるように、支持体上に取り付けられている。日の出/日の入り表示手段は、さらに、赤道面に対する太陽の傾きを表すプロファイルを有するとともに1年に1回転の割合で回転駆動されるように構成された年周カムと、カムと協働するように構成されたカム従動子と、カム従動子をリングに連結するように構成された第1の運動連鎖と、を含み、リングで囲まれる平面は、赤道面に対する太陽の傾斜角に等しい角度を、第1の軸との間に形成する。再び図1を参照すると、図示の実施形態では、時計は、地球儀を表現した球体117と、暗闇(夜間)である地球表面の半分を暗くしたり覆い隠したりするために球体117と同心円状に配置された半球シェル113と、を含む日の出および/または日の入り表示機構115を備えることが分かる。シェル113は、略円形のリム113aを有し、このリムは、本発明による日の出/日の入り表示手段のリングを形成している。
【0019】
再び図1を参照すると、図示の時計は、さらに、時車セット107によって駆動されるように構成されたカレンダ機構を備えることが分かる。図示のカレンダ機構は、日付表示手段123および月表示手段125を有する。本発明によれば、カレンダ機構は、「シンプルカレンダ」タイプのものである。当業者には周知のように、シンプルカレンダ機構では、31日未満の月の終わりに、日付を修正するために、日付表示を手動で進めなければならない。月名表示の変更に関しては、日付表示が31日から月の初日に変わるたびに、それが自動的に実施される。
【0020】
図示の例では、時車セットは、日付表示手段123を経由しない減速輪列118を介して、月表示手段125を駆動するように構成されている。減速輪列118は、次のように構成される。時車セット107は、18歯のカナを含む減速車セット(図示せず)と回転一体である。減速車セットのカナは、(参照符号119で示す)第1の中間車セットの36歯の歯車と噛合しており、従って、これは24時間で1回転を終えるように構成されている。第1の中間車セット119は、さらに2つの爪を有し、これらは、それぞれ、31歯の日星車の歯の1つ、および第2の中間車セット(図示せず)の一部をなす40歯の星車の歯の1つと、24時間ごとに1回、協働することで、それら2つの星車のそれぞれを1段進めるように構成されている。第2の中間車セットは、さらに、40歯の星車と同軸状に配置された10歯のカナを含む。10歯のカナは、月表示手段125の年車セットの93歯の歯部と噛合するように構成されている。
【0021】
さらに図1を参照すると、図示の時計は、さらに、年周カム111とカム従動子(図示せず)とを含む(参照符号109で示す)傾転制御機構を備えることが分かる。本発明によれば、時車セット107は、月表示手段125を経由する第3の運動連鎖118を介して年周カムを駆動する。図示の例では、年周カム111は、月表示手段の年車セットによって支持されている。このように、年車セットは、傾転制御機構109および月表示手段125の両方の一部をなしている。従って、本発明により時車セット107と年周カム111を連結する第3の運動連鎖は、図示の例では、月表示手段125に関連して上述した減速輪列118によって形成されることは理解されるであろう。減速輪列118の減速比は、1:744である。ただし、図示の例では、時車セット107は、12時間ごとに完全な1回転するように構成されていることに留意すべきである。本発明によれば、代替的に、時車セットは、12時間ごとではなく24時間ごとに1回転の割合で回転するように構成することが可能であり、その場合、減速輪列の減速比は1:372となって、輪列が短縮されることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0022】
図1に示す本発明の実施形態によれば、球体117に対するシェル113の動きは、球体の中心で交差する2つの直交軸に関する別個の回転の組み合わせの結果である。これら2つの回転のうちの第1の回転は、これら2つの軸のうちの第1の軸に関して24時間に1回転の割合で回転するように構成された地球によるものであり、他方の回転は、夜を表す暗半球シェル113(暗半球)が第2の軸に関して枢転することに相当し、これは、第1の軸に対する半球の傾斜角の変化として現れる。暗半球113と球体117の互いに対する動きは、機能的に独立した2つの動きであるので、日の出および/または日の入り表示機構115は、図1において2度示されている。同図を参照すると、1度は、24時間に1回転の割合での第1の軸に関する球体117の回転を表現するために、2度目は、第2の軸に関する暗半球113の枢転を表現するために、機構115が示されていることは理解されるであろう。
【0023】
本発明によれば、第2の軸に関する枢転動は、地球の赤道面の上または下の太陽の相対的な傾きを表すプロファイルを有する年周カム111を用いて制御される。カム従動子(図示せず)は、カムプロファイルにおける変化を、第1の運動連結112を介して半球シェル113に伝達するように構成される。本発明の第1の実施形態によれば、暗半球113は、固定支持体上で枢転するように取付けられており、表示機構115の構成、ならびに第1の運動連結112の構成は、例えば欧州特許第2911013号における記載に沿ったものであり得る。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
再び図1を参照すると、その動作が示されている時計は、時計の着用者によって手動操作されるように構成された、いくつかの修正機構をさらに備えることが分かる。まず第1に、前述のように、(参照符号101で示す)タイムゾーン修正機構が、モーションワーク106と時車セット107との間に挿入されている。以下で説明するように、その時変更が、例えば旅行に伴って経度が実際に変わったことに関連するのか、または冬時間から夏時間への変更もしくはその逆の変更に関連するのかに応じて、2通りの異なる方法で機構101を制御することができる。図示の例では、時計の着用者が、旅行中にタイムゾーンを変更するときには、時計の制御ステム131によって時刻表示を修正することができる。これを実行するためには、着用者は、ステム131を位置T2に動かしてから、竜頭を回転させることで、一連の1時間飛ばしで時針を進めるか戻すように動かさなければならない。上述のように、時車セット107は、第3の運動連鎖118を介して、月表示機構125および年周カム111を駆動する。さらに、時車セット107は、日付機構123、および第1の軸に関する地球117の回転も駆動する。このため、年周カム111と、カレンダ機構123、125と、日の出および/または日の入り表示機構115とは、駆動機構103によって駆動されるときだけではなく、位置T2にある制御ステム131によって手動で進めるか戻すように駆動されるときにも、同期して進むように構成されていることは理解されるであろう。
【0025】
図示の例では、冬時間から夏時間への変更もしくは夏時間から冬時間への変更の際には、時計の着用者は、プッシャP2を操作することによって、1時間進めるか戻すように正確に時刻表示を動かすことができる。プッシャP2は、操作されると、タイムゾーン修正機構101に作用するだけではなく、地球を24時間に1回転の割合で回転駆動するように構成された第2の運動連鎖120を係合解除するために係合解除機構133にも作用する。第2の運動連鎖を係合解除することで、球体117に対する暗半球113の相対角度位置が、夏時間と冬時間の間の移行による影響を受けることを防いでいることは理解されるであろう。
【0026】
上記のタイムゾーン修正機構101に加えて、本例の時計は、従来型の時刻設定機構を備える。この時刻設定機構によって、時計の着用者は、時計の制御ステム131を用いて時刻を設定することが可能となる。これを実行するためには、着用者は、ステム131を位置T3に動かしてから、竜頭を回転させなければならない。現在の多くの時計におけるのと同様に、時刻設定機構は、モーションワーク106を駆動するように構成されており、これが次に、分車セット105および時車セット107を駆動する。前述のタイムゾーンの修正の場合と同様に、時車セット107は、第3の運動連鎖118を介して、月表示機構125および年周カム111を駆動する。さらに、時車セット107は、日付機構123、および第1の軸に関する地球の回転も駆動する。このため、年周カム111と、カレンダ機構123、125と、日の出および/または日の入り表示機構115とは、位置T3にある制御ステム131によって手動で進めるか戻すように駆動されるときにも、同期して進むように構成されていることは理解されるであろう。
【0027】
最後に、本実施形態の時計のカレンダ機構は、さらに、月修正機構を含む。時計の着用者が、例えば時計の不確定な停止期間の後に、月表示を修正したいときには、プッシャP1を操作することによって月表示を1段ずつ進めるか戻すように動かすことができる。本例におけるように、月表示手段125の年車セットが年周カム111も支持していると、日付修正器を用いて日付表示が変更されるときでも、年周カムは、日付表示と同期して進む。
【0028】
添付の図2は、図1のブロック図と非常に類似したブロック図であるが、本発明の第2の例示的な実施形態による時計の各種機構を結び付ける運動連結を示している。同図から分かるように、第2の実施形態は第1の実施形態と非常に類似しており、特に、時計の着用者によって操作されるように構成された修正機構は、第1の実施形態に関して説明したものと同じものである。図2は、駆動部材と調速部材および脱進機とを組み合わせた駆動機構203と、駆動機構によって1時間に1回転の割合で駆動されるように構成された、分表示部材と一体の(参照符号205で示す)分車セットと、時表示部材と回転一体の時車セット207と、時車セットが12時間ごとに1回転の割合で駆動されるように、分車セットを時車セットに連結するモーションワーク206と、モーションワーク206と時車セット207との間に挿入された(参照符号201で示す)タイムゾーン修正機構と、年周カム211とカム従動子(図示せず)とを含む(参照符号209で示す)傾転制御機構と、最後に、地球儀を複製した球体217と球体に同心円状に配置された半球シェル213とを含む(参照符号215で示す)日の出および/または日の入り表示機構と、を示している。
【0029】
図示の例では、時車セット207は、第1の例示的な実施形態に関連して上述した運動連鎖118と同じものであり得る第3の運動連鎖218を介して、年周カムを駆動する。
【0030】
第2の実施形態では、第1の実施形態の場合と同様に、半球213と球体217の相対的な動きは、球体の中心で交差する2つの直交軸に関する別個の回転の組み合わせの結果である。ただし、第2の実施形態によれば、球体217は駆動されないので、暗半球213が2つの回転を同時に実行する。この動作モードは、暗半球213が取り付けられる支持体(図示せず)が回転支持体であることによって可能となる。さらに図2を参照すると、図示の実施形態では、時車セット207は、夏時間から冬時間への変更に関連して上述した係合解除機構133と非常に類似したものであり得る係合解除機構233が設けられた運動連鎖220(以下、「第2の運動連鎖220」)によって、回転支持体(図示せず)に連結されることは明らかである。係合解除機構233を除いて、表示機構215の構成および第2の運動連結220の構成は、例えば欧州特許第2977832号および欧州特許第3007012号のいずれかにおける記載に沿ったものとすることができる。これら2つの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
再び図2を参照すると、傾転制御機構209と表示機構215との間に基準機構216が挿入されていることが分かる。この機構216は、表示機構215に連結された出力、および2つの入力を有することが分かる。(「第4の運動連結」221と呼ばれる)運動連結221は、2つの入力のうちの第1の入力に、時車セット207を連結している。このように、機構216は、「駆動入力」と呼ばれるその第1の入力を介して、時車セットによって駆動される。また、カムプロファイルにおける変化を伝達するように構成されたカム従動子(図示せず)が、(「第1の運動連結」212と呼ばれる)運動連結212によって第2の入力に連結されていることも分かる。このように、機構216は、「制御入力」と呼ばれるその第2の入力を介して、カム211のプロファイルによって制御される。第2の運動連結220と同様に、機構216の出力は、24時間に1回転の速度で表示機構215を駆動するように構成されている。ただし、機構216は、第2の運動連結220に対していくらかのオフセットを伴って、表示機構を駆動する。機構216は、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの形態で実現することができる。それは、例えば、差動機構であってよく、特に、欧州特許第2977832号に記載されているような差動機構であってよい。また、それは、係合解除機構であってもよく、特に、欧州特許第3007012号に記載されているような係合解除機構であってよい。
【0032】
さらに図2を参照すると、図示の時計は、さらに、日付表示機構223と月表示機構225の組み合わせで形成されたカレンダ機構を備えることが分かる。このカレンダ機構は、「シンプルカレンダ」タイプのものである。
【0033】
次に図3Aおよび図3Bを参照して、参照符号101で全体を示す夏/冬修正機構について、さらに詳細に以下で説明する。モーションワーク106と時車セット107との間に挿入された機構101を図1において既に示したことが想起されるであろう。また、図2に示した機構201は、機構101と同じものであり得る。機構101は、内筒と呼ばれる第1の筒2を有し、これは、(図1に示す)駆動機構103によって駆動される筒カナC上に、通常の方法で回転軸Xに関して回転取り付けされるためのものである。内筒2は、時針をなす表示針4を支持しており、これは、機構101から突出する筒2の自由端に外側から圧嵌される。
【0034】
内筒2は、このようにして時筒をなして、プレート7を有する下側歯車と呼ばれる第1の外歯車6を支持している。この場合、効果的には、この下側歯車6は時車をなして、より具体的には「モーションワーク時車」をなして、モーションワーク106の歯車8(部分的に示す)と噛合するものと規定される。通常の動作では、この時車6は、モーションワークの歯車8によって伝えられる時間情報を受けて、その情報を、以下で示すように、間接的に内側の時筒2および表示針4に伝える。実際に、下側の時車6は、時筒2上で自由に回転するように取り付けられる。この目的のため、針4を支持している自由端と反対側の時筒2の端に、時車6が固定保持されている星車12を自由状態で支持するショルダ部を形成する鍔部10を有する。星車12は、プレート13と、外歯部14と、円周フランジ16と、を有し、円周フランジは、プレート13の下で、歯部14に隣接した端に沿って、歯部に対して裏側で同軸状に配置されている。
【0035】
時車6は、星車12の側部に固定保持されて、その歯部14に当接している。実際に、時車6は、そのプレート7の孔開口を有する中央部によって、フランジ16に外側から力嵌め、圧嵌、および/またはリベット締めされる。このように、星車12と時車6とは、直接的に回転一体であり、本例では、それらを組み立てた結果として、時筒2上に配置される単一部品をなす。従って、星車12と時車6は、モーションワークの歯車8によって、一緒に同時に動かされることが可能である。
【0036】
夏/冬修正機構は、さらに、段付きの2つの駆動ローラ20を含み、それらはそれぞれ円柱状の基部22を有し、そこからスタッド24が垂直に延出している。それらのローラは、両方とも、レスト状態において、その基部22によって星車12の歯部14に係合し、その基部によって、時車6のプレート7の側部(参照符号なし)に対して横に当接して、自由レスト状態にある。このレスト位置は、図3Bの上面図にも示している。それらのローラ20は、さらに、この場合は閉じた環状バネで形成される弾性復帰手段26によって、そのレスト位置で歯部14に弾性保持されており、その環状バネは、星車12に対して同軸状に取り付けられて、ローラ20の基部22の外周に対して径方向に作用している。この場合、注目されるのは、バネ26は、機構101への固定取り付けを全く用いることなく、駆動ローラ20に当接させて、自由状態で取り付けられるということである。また、バネ26は、時車6のプレート7に対しても、より具体的にはプレート7上においても、自由状態で載置されている。従って、バネ26は、自己支持されるとともに、自己センタリングする。
【0037】
夏/冬修正機構は、さらに、外筒と呼ばれる第2の筒30を含み、これはガイド孔31を有し、この孔31によって第1の筒2に外側から固定される。この第2の筒30は、下側の時車6の上方に配置されて「上側歯車」より具体的には「時車」と呼ばれる第2の外歯車32を支持している。この場合、歯車6、32の上側位置と下側位置は、時針を上向きにして修正機構を示す図3Aの図面を参照するものと規定される。上側歯車32は、プレート33を有し、その外歯部によって歯車34と噛合しており、そして歯車34は、時計の外側から手動操作可能な修正部材で駆動される。
【0038】
従って、上側歯車32は、夏/冬修正車をなしており、これにより、以下で明らかとなるように、モーションワークに作用することなく、ひいては、通常はモーションワークによって時筒2に運動連結されている分および秒のような他の時間情報を混乱させることなく、時筒2および表示針4の位置の修正が直接可能である。効果的には、外筒30は、内側の時筒2に外側から力嵌めされることで、時筒に固定される。従って、これら2つの筒は、回転一体であり、一緒に動かすことが可能である。なお、時筒2、外筒30、上側歯車32は、合わせて時車セット107を形成していることは理解されるであろう。このように、上側の修正車32は、外筒30を介して内側の時筒2に作用することが可能である。
【0039】
時筒2は、モーションワーク106によって、特にモーションワークの歯車8によって、通常動作においても駆動されるものと規定される。これは、修正車32のプレート33に径方向溝36が配置されており、その溝内にスタッド24が遊係合して、溝内で径方向に並進可能であることによる。従って、星車12自体が時車6によって駆動されたときに、ローラ20は、修正車32と、2つの筒2および30を回転駆動することが可能である。
【0040】
他のタイムゾーンに変更するには、時計の使用者は、修正車32を回転させなければならず、このとき、(星車12および時車6は静止したままで)ローラ20は、角変位して、星車12の歯部14において歯飛びし、バネ26を楕円状にする。その後、ローラ20は、星車12の歯部14においてレスト位置に戻るが、図3Bの位置に対してオフセットされている。このとき、針4は、他のタイムゾーンを示している。図面では(12時間表示のために)星車12の歯部は12歯を有しているが、この歯部は、24時間時計に適用するためには24歯を有し得るものと規定される。
【0041】
また、添付の請求項で規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書の主題をなす実施形態に対して、当業者には明らかである種々の変更および/または改良を実施してもよいことは明らかであろう。
【符号の説明】
【0042】
2 第1の筒(内筒)(時筒)(時車セット)
4 表示針(時針)
6 第1の外歯車(下側歯車)(第1の時車)
7 第1の外歯車のプレート
8 モーションワークの歯車(モーションワーク)
10 鍔部
12 星車(連結装置)
13 星車のプレート
14 星車の外歯部
16 円周フランジ
20 駆動ローラ(連結装置)
22 駆動ローラの基部
24 スタッド
26 環状バネ(弾性復帰手段)
30 第2の筒(外筒)(時車セット)
31 ガイド孔
32 第2の外歯車(上側歯車)(夏/冬修正車)(第2の時車)(時車セット)
33 第2の外歯車のプレート
34 (修正部材で駆動される)歯車
36 径方向溝(連結装置)
101 タイムゾーン修正機構(夏/冬修正機構)
103 駆動機構
105 分車セット
106 モーションワーク
107 時車セット
109 傾転制御機構(日の出/日の入り表示手段)
111 年周カム
112 第1の運動連結
113 半球シェル(暗半球)
113a 半球シェルのリム(リング)
115 日の出/日の入り表示機構(日の出/日の入り表示手段)
117 球体(地球)
118 減速輪列(第3の運動連鎖)
119 第1の中間車セット
120 第2の運動連鎖
123 日付表示手段(日付機構)(カレンダ機構)
125 月表示手段(月表示機構)(カレンダ機構)
131 制御ステム(時刻設定装置)
133 係合解除機構
201 タイムゾーン修正機構
203 駆動機構
205 分車セット
206 モーションワーク
207 時車セット
209 傾転制御機構(日の出/日の入り表示手段)
211 年周カム
212 第1の運動連結
213 半球シェル(暗半球)
213a 半球シェルのリム(リング)
215 日の出/日の入り表示機構(日の出/日の入り表示手段)
216 基準機構
217 球体
218 第3の運動連鎖
219 第1の中間車セット
220 第2の運動連鎖(第2の運動連結)
221 第4の運動連結
223 日付表示器(日付表示機構)(日付表示手段)(カレンダ機構)
225 月表示器(月表示機構)(月表示手段)(カレンダ機構)
231 制御ステム(時刻設定装置)
233 係合解除機構
C 筒カナ
P1 プッシャ
P2 プッシャ
T2 (制御ステムの)位置
T3 (制御ステムの)位置(時刻設定装置)
X 回転軸
図1
図2
図3