(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473823
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】アトマイザー、電子たばこおよび交換可能な液体貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20190207BHJP
【FI】
A24F47/00
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-541077(P2017-541077)
(86)(22)【出願日】2016年1月15日
(65)【公表番号】特表2018-504132(P2018-504132A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】CN2016000025
(87)【国際公開番号】WO2016124057
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2017年8月3日
(31)【優先権主張番号】201510057585.5
(32)【優先日】2015年2月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】リ ヨンハイ
(72)【発明者】
【氏名】シュ ジョンリ
(72)【発明者】
【氏名】デュアン ホンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヤンシェン
【審査官】
西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/181797(WO,A1)
【文献】
特表2013−526383(JP,A)
【文献】
特開平08−171192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
eリキッドを貯蔵するために使用され、開放端を有する液体貯蔵装置と、前記開放端に取り外し可能なように接続されたアトマイジング組立品とを備え、前記アトマイジング組立品がアトマイジングチャンバーおよび前記アトマイジングチャンバー内に配置されたアトマイジング装置を備え、前記アトマイジング装置がeリキッドを噴霧化して吸入のためのエアロゾルを形成するために使用されるアトマイザーであって、前記アトマイジング組立品が、前記液体貯蔵装置に接続するための接続部品を有し、前記アトマイジングチャンバーと連通した液体入口が前記接続部品に提供され、液体出口を有するシールが前記開放端上に提供され、かつ前記液体貯蔵装置に係合して接続できるように、前記接続部品が前記液体貯蔵装置の前記開放端に挿入された後に所定の角度だけ回転されるという点と、前記接続部品と共に回転可能なロータリー構成要素が前記開放端に提供されており、前記ロータリー構成要素が前記シールに隣接しているという点と、前記初期挿入位置から前記係合位置に回転する時、前記液体出口を前記液体入口に接続するように、前記接続部品が前記ロータリー構成要素を回転させることができるという点と、前記初期位置に回転し戻る時、前記ロータリー構成要素が前記液体出口を塞ぐように、前記接続部品が前記ロータリー構成要素を回転させることができるという点とで特徴付けられる、アトマイザー。
【請求項2】
少なくとも一つの突き出し部品が前記接続部品の端面上に提供されており、前記液体入口が前記突き出し部品上に提供されており、前記突き出し部品に適合される形状の収容穴が前記ロータリー構成要素上に提供されており、かつ前記接続部品が前記液体貯蔵装置の前記開放端に挿入される時、前記突き出し部品が前記収容穴に挿入されることができ、前記シールに隣接できるという点で特徴付けられる、請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項3】
接続リングが前記液体貯蔵装置の前記開放端上にしっかりとはめ込まれ、相対的な回転が可能なように前記ロータリー構成要素が前記接続リング内に受けられ、少なくとも一つの突き出た係合体が前記接続部品の側壁上に提供され、前記接続リングの内側壁には、前記突き出た係合体を受けるための案内スロットおよび内側に延びる段が提供され、前記段が前記突き出た係合体と係合して接続するように構成されているという点で特徴付けられる、請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項4】
突き出た位置決め部品が前記ロータリー構成要素の外側に提供され、かつ前記位置決め部品と整合する位置決めスロットが前記接続リングの内側に提供され、それぞれ前記接続部品の前記初期挿入位置および前記係合位置に対応するという点で特徴付けられる、請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項5】
前記初期位置および前記係合位置に対応する前記位置決めスロットが、前記接続リングの内壁に対して90度の円弧角度を形成するという点で特徴付けられる、請求項4に記載のアトマイザー。
【請求項6】
環状のシーリングクッションが、前記液体出口の端に提供されており、前記シールのその端面に前記ロータリー構成要素が隣接するという点で特徴付けられる、請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項7】
前記液体貯蔵装置の前記ハウジングと一体的に形成されるマウスピースが前記液体貯蔵装置上に提供され、前記マウスピースと連通したガス案内チューブもまた前記液体貯蔵装置内に提供され、前記アトマイジングチャンバー内で生成されるエアロゾルが前記ガス案内チューブ内を通過し、前記マウスピースを通して吸い出されるという点で特徴付けられる、請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項8】
前記アトマイジングチャンバーと連通したガス流出口が、前記接続部品の中心に提供され、一方、軸方向に延びる軸方向チューブ部品が前記シールの中心に提供され、前記ガス流出口が前記軸方向のチューブ部品を経由して前記ガス案内チューブと連通するという点で特徴付けられる、請求項7に記載のアトマイザー。
【請求項9】
回転シャフト穴が、前記ロータリー構成要素の中心に提供され、かつ前記ロータリー構成要素が前記回転シャフト穴によって前記軸方向のチューブ部品にはめ込まれているという点で特徴付けられる、請求項8に記載のアトマイザー。
【請求項10】
前記アトマイジング装置が液体案内体と、前記液体案内体と接触した発熱体とを備え、前記液体案内体の端が前記液体入口を通して流れ込むeリキッドを吸収するために使用され、前記eリキッドが蒸発してエアロゾルを形成するように前記発熱体が前記eリキッドを加熱するという点で特徴付けられる、請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項11】
液体貯蔵体を形成する繊維質材料の層も前記液体案内体の端と前記液体入口の間に提供されているという点で特徴付けられる、請求項10に記載のアトマイザー。
【請求項12】
アトマイザーおよび電源組立品を備える電子たばこであって、前記アトマイザーが請求項1〜11のいずれか1項に記載の前記アトマイザーであり、また前記電源組立品が前記アトマイジング組立品に接続され、前記内部アトマイジング装置用の電源を提供するという点で特徴付けられる、電子たばこ。
【請求項13】
アトマイジング組立品に接続された交換可能な液体貯蔵装置であって、前記液体貯蔵装置の内部がeリキッドを貯蔵するために使用され、前記液体貯蔵装置が、液体出口を有するシールが提供されている開放端と前記シールに隣接するロータリー構成要素とを有するという点と、前記液体貯蔵装置が前記アトマイジング組立品と接続されていない時に前記ロータリー構成要素がeリキッドを内側に密封するように前記液体出口を塞ぐように使用されるという点と、前記液体貯蔵装置が前記アトマイジング組立品に接続されている時に前記ロータリー構成要素が前記液体出口を回転させて開くことができるという点とで特徴付けられる、液体貯蔵装置。
【請求項14】
前記液体貯蔵装置の前記ハウジングが透明な材料で作製されるという点で特徴付けられる、請求項13に記載の液体貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新しい喫煙装置に関連し、特に、電子たばこで使用するためのアトマイザー、アトマイザーを備えた電子たばこ、および交換可能な液体貯蔵装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子たばこを構成する重要な部品としてのアトマイザーの主な機能は、内部eリキッドを噴霧化して、吸入のためのエアロゾルを形成し、それによって従来的な紙巻たばこによって生成される煙霧をシミュレートすることであり、従来的なたばこの燃焼方法と比較して人体に対する害を著しく低減できる。現在、ほとんどのアトマイザーは、eリキッドを貯蔵するための液体貯蔵装置と、液体貯蔵装置に接続されたアトマイジング組立品とを備える。市場にあるこのタイプのアトマイザーは2つの主なカテゴリーに分けられ、1つのカテゴリーでは、液体貯蔵装置およびアトマイジング組立品が一体構造を形成し、また別のカテゴリーでは、液体貯蔵装置およびアトマイジング組立品が2部品から成る構造を形成する。ところが、これらの2つのカテゴリーの構造を有するアトマイザーはどちらも使用時に以下の欠点を示す。
【0003】
先行技術では、一体構造を持つアトマイザーは使い捨てアトマイザーと複数回使用アトマイザーにさらに分けられる。使い捨てアトマイザー内のeリキッドの容量は制限されるため、アトマイザー全体(液体貯蔵装置とアトマイジング組立品を含む)はeリキッドを使い切った時に廃棄される。その結果、使い捨てアトマイザーは、使用するのが非常に高価で、かつ環境汚染の原因となる。複数回使用アトマイザー内のeリキッドを使い切った時、特別のeリキッドボトルを使用してアトマイザーにeリキッドを再充填することが必要であり、操作が面倒であり、ユーザーにとって不便となる。
【0004】
上記の問題を解決するために、先行技術において2部品から成る構造を持つアトマイザーが登場した。このアトマイザーでは液体貯蔵装置およびアトマイジング組立品が分離できるように接続され、eリキッドを使い切った時、必要なのは液体貯蔵装置を交換するだけであり、アトマイジング組立品は繰り返し使用できる。現在、2部品から成る構造を持つアトマイザーで比較的一般的な液体貯蔵装置では、eリキッドを密封するためにすず箔が採用されており、貫通要素がアトマイジング組立品上に提供され、2つが接続される時、eリキッドがアトマイジング組立品に流れ込むように貫通要素を使用してすず箔に穴が開けられる。ところが、この解決策の主な欠点は、穴が開けられたすず箔をその元の状態に復元することができず、液体貯蔵装置を交換する必要がある時に液体貯蔵装置内に残留したeリキッドが大量にあふれ出し、ユーザーが液体貯蔵装置をアトマイジング組立品から取り外した時にアトマイザーの外側を汚し、消費者には好適とはいえないユーザー体験を与えることである。
【発明の概要】
【0005】
本発明によって解決される技術的問題は、液体貯蔵装置が分離された時にeリキッドの流出を防止できる低コストのアトマイザーを提供することにより、従来の技術の欠点を克服することである。
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明で採用された技術的解決策は以下の通りである。すなわち、本発明によるアトマイザーは、eリキッドを貯蔵するために使用され、開放端を有する液体貯蔵装置と、開放端に取り外し可能なように接続されたアトマイジング組立品とを備え、アトマイジング組立品は、アトマイジングチャンバーおよびアトマイジングチャンバー内に配置されたアトマイジング装置を備え、アトマイジング装置がeリキッドを噴霧化して吸入のためのエアロゾルを形成するために使用され、アトマイジング組立品は液体貯蔵装置に接続するための接続部品を有し、アトマイジングチャンバーと連通した液体入口が接続部品上に提供され、液体出口を有するシールが開放端上に提供され、接続部品は液体貯蔵装置と係合して接続するように液体貯蔵装置の開放端に挿入され、その後で所定の角度だけ回転されるのに適し、また接続部品と共に回転可能なロータリー構成要素が、開放端上に提供され、ロータリー構成要素がシールに隣接し、また初期挿入位置から係合位置に回転する時に、接続部品は液体出口を液体入口に接続するようにロータリー構成要素を回転させることができ、また初期位置に回転して戻る時に接続部品はロータリー構成要素が液体出口を塞ぐようにロータリー構成要素を回転させることができる。
【0007】
回転係合および接続の特別な形態のため、少なくとも一つの突き出し部品は接続部品の端面上に提供され、液体入口は突き出し部品上に提供され、突き出し部品に適合される形状の収容穴はロータリー構成要素上に提供され、また接続部品が液体貯蔵装置の開放端に挿入された時に、突き出し部品は収容穴に挿入されることができ、シールに隣接することができる。
【0008】
さらに、接続リングは、液体貯蔵装置の開放端にしっかりとはめ込まれ、ロータリー構成要素は、相対的な回転ができるように接続リング内に受けられ、少なくとも一つの突き出た係合体は、接続部品の側壁上に提供され、接続リングの内側壁には突き出た係合体を受けるための案内スロットおよび内側に延びる段が提供され、段は突き出た係合体と係合して接続するように構成されている。
【0009】
突き出た位置決め部品はロータリー構成要素の外側に提供され、位置決め部品に整合する位置決めスロットは接続リングの内側上に提供され、それぞれ接続部品の初期挿入位置および係合位置に対応することが好ましい。
【0010】
初期位置および係合位置に対応する位置決めスロットは、接続リングの内壁に対して90度の円弧角度を形成することがさらに好ましい。
【0011】
さらに、環状のシーリングクッションは、液体出口の端上に提供され、シールのその端面上にロータリー構成要素が隣接する。
【0012】
さらに、液体貯蔵装置のハウジングと一体的に形成されたマウスピースは液体貯蔵装置上に提供され、マウスピースと連通したガス案内チューブも液体貯蔵装置の内側に提供され、アトマイジングチャンバー内で生成されるエアロゾルは、ガス案内チューブ内を通過して、マウスピースを通して吸い出されることができる。
【0013】
さらに、アトマイジングチャンバーと連通したガス流出口は、接続部品の中心に提供され、一方、軸方向に延びる軸方向チューブ部品は、シールの中心に提供され、ガス流出口は軸方向のチューブ部品を経由してガス案内チューブと連通する。
【0014】
特定の実施形態として、アトマイジング装置は、液体案内体と、液体案内体と接した発熱体とを備え、液体案内体の端は、液体入口に流れ込むeリキッドを吸収するために使用され、eリキッドが蒸発してエアロゾルを形成するように発熱体はeリキッドを加熱する。
【0015】
さらに、液体貯蔵体を形成する繊維質材料の層も、液体案内体の端と液体入口との間に提供される。
【0016】
本発明はまた、アトマイザーおよび電源組立品を備えた電子たばこを提供し、アトマイザーは様々な特定の解決策および好ましい改良された解決策によるアトマイザーとすることができ、電源組立品はアトマイジング組立品に接続され、内部アトマイジング装置のための電源を提供する。
【0017】
本発明はまた、アトマイジング組立品に接続された交換可能な液体貯蔵装置を提供し、液体貯蔵装置の内部はeリキッドを貯蔵するために使用され、液体貯蔵装置は、液体出口を有するシールが提供されている開放端とシールに隣接するロータリー構成要素とを有し、液体貯蔵装置がアトマイジング組立品に接続されていない時にはロータリー構成要素がeリキッドを内側にシールするように液体出口を塞ぐために使用され、液体貯蔵装置がアトマイジング組立品に接続されている時には、ロータリー構成要素は回転して液体出口を開くことができる。
【0018】
液体貯蔵装置のハウジングは、透明な材料で作製されることが好ましい。
【0019】
本発明の有益な効果は以下の通りである。本発明によるアトマイザー内のアトマイジング組立品および液体貯蔵装置は分離できるように接続されるため、eリキッドを使い切った時に必要なのは比較的低コストの液体貯蔵装置を破棄して新しいものと交換するだけであり、一方で比較的高コストのアトマイジング組立品は繰り返し使用することができ、使用コストの大幅な低減が可能となる。さらに、アトマイジング組立品は、液体貯蔵装置に接続するための接続部品を有し、接続部品は、液体貯蔵装置と係合して接続するように、液体貯蔵装置の開放端内に挿入されてその後で所定の角度だけ回転させるのに適し、またシールおよびロータリー構成要素が開放端に提供されている。正常な状態では、アトマイジング組立品が液体貯蔵装置と接続されていない時、ロータリー構成要素は液体出口をシールで塞ぐことができ、倉庫での保管時または輸送時にeリキッドが液体貯蔵装置から漏れないように保証する。液体貯蔵装置と係合して接続する時、アトマイジング組立品の接続部品は、液体出口が開くようにロータリー構成要素を回転させることができ、eリキッドがアトマイジング組立品にスムーズに流れ込む。液体貯蔵装置から係合が解除される時、eリキッドが内側に再びシールされるように、接続部品はロータリー構成要素を液体出口がシールされる初期位置に回転させて、分離中にeリキッドが液体貯蔵装置から漏れないように保証し、消費者に好適なユーザー体験を与える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、一実施形態における液体貯蔵装置の構造の略図である。
【
図2】
図2は、一実施形態におけるアトマイジング組立品の構造の略図である。
【
図3】
図3は、一実施形態における液体貯蔵装置の構造の概略分解図である。
【
図4】
図4は、一実施形態における液体貯蔵装置にある接続リングの構造の略図である。
【
図5】
図5は、一実施形態におけるアトマイジング組立品の内部断面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態におけるアトマイジング組立品の構造の概略分解図である。
【
図7】
図7は、ロータリー構成要素が一実施形態におけるシールで液体出口を塞いでいる状態の略図である。
【
図8】
図8は、アトマイジング組立品がロータリー構成要素を回転させて、一実施形態におけるシールに対して液体出口を開いている状態の略図である。
【
図9】
図9は、一実施形態における電子たばこの構造の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明において開示されているアトマイザーは、主に電子たばこ、液体薬剤成分揮発装置またはその他の芳香族成分放出装置に適している。この実施形態では、電子たばこの例が説明されている。アトマイザーは、液体貯蔵装置と、相互に分離されるように接続されたアトマイジング組立品とで構成され、回転係合および接続構造がそれらの間で使用され、それらの間の液体フローチャネルの開閉が可能となり、液体貯蔵装置が分離された時にeリキッドが外側に漏れるのを防止するという目的が達成される。さらに、本発明により提供される電子たばこは、3つの部品、すなわち電源組立品と、アトマイジング組立品と、液体貯蔵装置とで構成される。液体貯蔵装置内のeリキッドは消耗品であるため、液体貯蔵装置は、使用中に消費者によって頻繁に交換されなければならず、その耐用年数は比較的短く、アトマイジング組立品は耐用年数が二番目に短く、電源組立品は、簡単には損傷せず、簡単に経年変化しないため、最も長い耐用年数を持つ。アトマイジング組立品は繰り返し使用することができ、使用コストを効果的に低減させる。当然ながら、アトマイジング組立品が損傷した場合は、電源組立品と整合する新しいアトマイジング組立品と交換できることが理解される。上述のアトマイザー構造および使用原理、アトマイザーが使用される電子たばこ、および交換可能な液体貯蔵装置については、特定の実施形態によって下記にさらに詳細に説明する。
【0022】
図1および
図2を参照するが、この実施形態は、電子たばこ用のアトマイザーを提供し、アトマイザーは互いに分離できるように接続される主に2つの部品、液体貯蔵装置100およびアトマイジング組立品200を備え、
図1および
図2は、それぞれ液体貯蔵装置100およびアトマイジング組立品200の外部構造を示す。液体貯蔵装置100は、ハウジング101と、ハウジング101の一方の端に位置するマウスピース102とを備え、マウスピース102およびハウジング101は一体的にユニットを形成し、eリキッドを貯蔵するためのチャンバーはハウジング101の内側に提供される。この実施形態の好ましい解決策では、ハウジング101は、透明な材料、例えば、ガラスまたは透明なプラスチックで作製され、ユーザーは、ハウジング101を通してどの程度eリキッドが内側に残っているかを見ることができ、また残っているeリキッドの量を示すスケールもハウジング101に提供されている。ハウジング101の他方の端は開放端103であり、アトマイジング組立品200は、開放端103に分離できるように接続され、ロータリー構成要素106は開放端103の内側に提供されている。正常な状態では、ロータリー構成要素106はeリキッドを液体貯蔵装置100の内側に密封するために使用され、アトマイジング組立品200が開放端103に接続された時にのみ、液体貯蔵装置100の内部にあるeリキッドがアトマイジング組立品200にスムーズに流れ込むように、ロータリー構成要素106が回転させられる。
【0023】
アトマイジング組立品200は外側スリーブ201を備え、外側スリーブ201の内側にはアトマイジングチャンバーおよびアトマイジングチャンバー内に配置されたアトマイジング装置が提供されている。アトマイジング装置は、eリキッドを噴霧化して吸入のためのエアロゾルを形成するために使用され、アトマイジング装置の特定の構造については下記に説明する。液体貯蔵装置100に接続するための接続部品202は、アトマイジング組立品200上に提供され、アトマイジングチャンバーと連通した液体入口203は接続部品202上に提供され、この実施形態では、相互に対称的に配置された2つの液体入口203がある。接続部品202は、液体貯蔵装置100の開放端103に挿入してから、所定の角度だけ回転して、液体貯蔵装置100と係合して接続するのに適しており、また回転中に、ロータリー構成要素106を回転させて、eリキッドが液体入口203に入るように液体貯蔵装置200の内部にあるeリキッドを放出することができる。液体貯蔵装置100と接続部品202の間に形成される特定の回転係合および接続の構造については、下記に説明する。
【0024】
接続部品202の反対側のアトマイジング組立品200のもう一方の端には、ねじ付きスリーブ207が提供されており、アトマイジング組立品200は、電子たばこが組み立てられるように、ねじ付きスリーブ207によって電源組立品に接続できる。アトマイジング組立品200および電源組立品は、どちらも比較的長期間にわたり使用されるため、液体貯蔵装置100内にあるeリキッドを使い切った時、必要となるのは液体貯蔵装置100を交換するだけであり、アトマイザー全体を廃棄する必要はない。これにより、消費者にとって使用コストが大幅に削減され、一方でアトマイザー全体の廃棄による環境汚染も低減される。
【0025】
ここで
図2および
図3を参照するが、接続リング104は、液体貯蔵装置100の開放端103に固定される。接続リング104の断面は実質的に円形であり、またロータリー構成要素106は、相対的な回転が可能なように接続リング104内に受けられる。少なくとも一つの突き出た係合体205が接続部品202の側壁に提供されている。この実施形態では、特にアトマイジング組立品200の中心軸に対して対称的に配置された2つの突き出た係合体205がある。接続リング104の内側壁には、突き出た係合体205を受けるための案内スロット105と、内側に延びた段107が提供されており、段107は突き出た係合体205と係合して接続するように構成されている。案内スロット105は、液体貯蔵装置100の軸方向に提供され、その数は2つであり、かつ突き出た係合体205に対応する位置に提供されており、段107は接続リング104の内側端に配置された円弧形の突出部である。
【0026】
液体出口110を有するシール109は開放端103に提供され、シール109はeリキッドを液体貯蔵装置100の内側に密封するために使用され、eリキッドは液体出口110の内側からのみ流れ出ることができる。液体入口203に対応して、この実施形態では2つの液体出口110もあり、当然理解できる通り、1つまたは2つ以上の液体出口110でもよい。接続部品202と共に回転できるロータリー構成要素106の上端面は、液体出口110を閉じる目的でシール109に隣接し、特定の位置に回転する時にのみ液体出口110を開く。
【0027】
液体貯蔵装置100の様々な構成要素を組み立てるプロセスについては、下記に説明する。組立時に、まず、ロータリー構成要素106が接続リング104の内側に配置され、案内スロット105と同じ幅のノッチ118がロータリー構成要素106の側壁上に提供され、また配置時に、ノッチ118は、突き出た係合体205が案内スロット105を通過してノッチ118内に挿入され、ロータリー構成要素106と接続部品202の関節動作が可能となるように、案内スロット105と整列されなければならない。次にシール109がロータリー構成要素106に対してしっかりとはめ込まれ、接続リング104に固定して取り付けられる。特に、位置決めポスト108は、接続リング104の側壁上に提供され、整合する位置決めスロット112はシール109の側壁上に提供され、接続リング104のシール109への接続は位置決めポスト108を位置決めスロット112に挿入することにより達成される。最終的に、接続リング104は、ハウジング101の開放端103内に挿入され、シール109の開放端103に対するシーリング作用が実現されるように、固定されるようにはめ込まれる。この実施形態では、接続リング104は締りばめによってハウジング101の開放端103にはめ込まれる。
【0028】
この実施形態の好ましい解決策では、接続部品202の端面上に少なくとも一つの突き出し部品204が提供されている。この実施形態では2つの突き出た部品204であることが好ましい。液体入口203はこれらの突き出た部品204上に提供され、突き出た部品204に適合される形状の収容穴114はロータリー構成要素106上に提供され、また接続部品202が液体貯蔵装置100の開放端103に挿入された時、突き出た部品204は、収容穴114内に挿入でき、かつシール109に隣接し、収容穴114に挿入される突き出た部品204はまた、ロータリー構成要素106を回転させることができる。ロータリー構成要素106の回転時には、突き出た部品204上の収容穴114および液体入口203は常に同じ位置で相互に対応することが容易に理解される。接続部品202が開放端103に挿入された直後に初期位置に位置する時、シール109にある液体出口110は、液体入口203および収容穴114に対してずらされ、この時点で、ロータリー構成要素106の他の中実部品が液体出口110を密封する。接続部品202がロータリー構成要素106を係合位置まで回転させた時のみ、液体出口110は液体入口203と位置的に整列されて接続される。
【0029】
図4を
図3と併せて参照するが、突き出た位置決め部品117はロータリー構成要素106の外側に提供され、位置決め部品117は外壁から突き出た小さなラグまたは突き出たポストである。位置決め部品117に整合する位置決めスロット122および121は、接続リング104の内側に提供され、それぞれ接続部品202の初期挿入位置および係合位置に対応する。回転中に、位置決め部品117は位置決めスロット122と位置決めスロット121の間で切り替えられ、位置決め部品が位置決めスロット122または位置決めスロット121まで回転した時に、指によってはっきりと感じられる。位置決め部品117は、位置決め部品117の係合が、位置決めスロット122または位置決めスロット121から解除された時に弾性アーム116がいくらか変形できるように、弾性アーム116とロータリー構成要素106の間に比較的小さなノッチを持つ、弾性アーム116上に位置することが好ましい。この実施形態の好ましい解決策では、初期位置および係合位置に対応する位置決めスロット122および位置決めスロット121は、内壁に対して90度の円弧角度を形成するが、すなわち、初期位置から係合位置への接続部品202の回転は90度の回転を必要とする。
【0030】
回転時の接続部品202の初期位置および係合位置に関する説明を続ける。
図4を参照するが、段107よりも軸方向にわずかに高い制限位置120が接続リング104の段107上に提供されており、制限位置119はまたロータリー構成要素106の外壁上にも対応して提供されている。接続部品202上の突き出た係合体205が案内スロット105に挿入されてまだ回転していない時が、初期位置である。接続部品202が、それによってロータリー構成要素106を90度回転させた時、制限位置119は制限位置120に達して、相互に制限し合い、すなわち、制限位置120は接続部品202が過度に回転するのを防止できる。同時に、位置決め部品117は、位置決めスロット121に落ち込み、その時点で接続部品202が係合位置に達し、この状態で液体出口110は液体入口203と接続される。接続部品202が反対方向に回転して初期位置に戻る時、ロータリー構成要素106は、液体出口220を塞ぐように90度回転する。制限位置120は段107上には提供されないこと、または接続部品202は回転中に制限位置を通過することもあることを説明しておかなければならない。すなわち、接続部品202のねじ込みを緩める必要がある時に、液体貯蔵装置から分離させるように初期位置に達するために、反対方向に回転する必要がなく、むしろねじ込み方向にさらに90度回転させることができる。
【0031】
ここで
図3を参照するが、回転中のシーリング効果をさらに向上させるために、液体出口110の端に環状のシーリングクッション111が提供されており、シール109のその端面にはロータリー構成要素106が隣接する。この実施形態では、シール109全体が、シリコーンゴム材料で作製されることが好ましく、シーリングクッション111およびシール109は一体構造を形成し、またシーリングクッション111はロータリー構成要素106と隣接するシール109のその端面から突き出す。ロータリー構成要素106が液体出口110を塞ぐ時、シーリングクッション111はロータリー構成要素106の端面に弾力的に接する。液体出口110が液体入口203と整列する時、シーリングクッション111は、突き出し部品204の端面に弾力的に接し、いかなる状態でも液体の漏れがないように保証される。
【0032】
アトマイジング組立品200の内側からエアロゾルを放出するためのガス流チャネルの説明を続ける。
図3を参照するが、液体貯蔵装置100のハウジング101と一体的に形成されたマウスピース102が液体貯蔵装置100上に提供されている。またマウスピース102と連通したガス案内チューブ123は液体貯蔵装置100内部に提供され、ガス案内チューブ123もまたハウジング101と一体構造で形成され、またアトマイジングチャンバー209内で生成されるエアロゾルはガス案内チューブ123内を通過し、マウスピース102を通して吸い出されることができる。当然ながら、ガス案内チャネルは液体貯蔵装置100の外側に形成されてもよいことが理解される。
【0033】
アトマイジングチャンバー209と連通したガス流出口206は、接続部品202の中心に提供され、一方、軸方向に延びる軸方向チューブ部品113は、シール109の中心に提供されるが、軸方向のチューブ部品113はシール109と一体構造を形成し、またガス流出口206は軸方向のチューブ部品113を経由してガス案内チューブ123と連通することが好ましい。回転シャフト穴115はロータリー構成要素106の中心に提供され、ロータリー構成要素106は回転シャフト穴115によって軸方向のチューブ部品113の周りにはめ込まれ、回転シャフト穴115は2つの側で収容穴114と連通する。シール109上の2つの液体出口110は、軸方向のチューブ部品113の中心軸に対して対称的に配置される。接続部品202によって、ロータリー構成要素106は軸方向のチューブ部品113の中心軸の周りに回転させられる。
【0034】
図5および
図6を参照するが、これは、アトマイジング組立品200の内部構造を開示している。アトマイジング組立品200は、外側スリーブ201を備え、アトマイジングチャンバー209は、外側スリーブ201の内側に形成され、アトマイジング装置はアトマイジングチャンバー109内に提供される。この実施形態では、アトマイジング装置は、液体案内体210と、液体案内体210と接する発熱体211とを備え、液体案内体210は2つの端および微小孔性内部構造を有し、eリキッドは微小孔性構造によって生じる毛細管作用によって、液体案内体210に徐々に滲出できる。発熱体211は、特に液体案内体210の中央位置にらせん状に巻かれた電気加熱式ワイヤーである。液体案内体210は、シート213に固定して取り付けられ、その2つの端は液体入口203に近接し、液体入口203を通して流れ込むeリキッドを吸収するために使用され、発熱体211は、eリキッドが蒸発してエアロゾルを形成するようにeリキッドを加熱する。接続部品202は、外側スリーブ201の一方の端上に位置し、発熱体211は、それによって生成されたエアロゾルがガス流出口206を通してスムーズに放出されることができるように、接続部品202上のガス流出口206に整列される。ねじ付きスリーブ207および電極リング208は外側スリーブ201の他方の端に提供され、電極リング208は断熱され、ねじ付きスリーブ207の内側にはめ込まれ、電極リング208は空気が電極リング208の内部からアトマイジングチャンバー209に入ることができるように中空構造である。ねじ込み接続はアトマイジング組立品200と電源組立品との間にねじ付きスリーブ207によって確立でき、2接点式電極としての電極リング208およびねじ付きスリーブ207は、対応して電源組立品の陽極/陰極に接続され、一方、発熱体211は、ねじ付きスリーブ207および電極リング208に電気的に接続される。
【0035】
この実施形態の好ましい解決策では、液体貯蔵体212を形成する繊維質材料の層もまた、液体案内体210の端と液体入口203の間に提供される。液体案内体210の両端は液体貯蔵体212と接し、また液体貯蔵体212は、液体入口203を通して流れ込むeリキッドを吸収して一定量のeリキッドを一時的に貯蔵でき、液体貯蔵体212に吸収されたeリキッドは、液体案内体210を通して発熱体211に徐々に案内される。液体貯蔵体212の層を液体入口203の下に追加的に提供する効果は、過度の量のeリキッドがアトマイジングチャンバー209に流れ込むのを防止することである。別の代替的な解決策では、液体案内体210の端と液体入口203の間に液体貯蔵体212は提供されず、液体案内体210の2つの端が液体入口203内に直接的に延び、液体入口203の空間を完全に充填する。
【0036】
図7および
図8を参照するが、これらは接続部品がそれぞれ初期位置および係合位置にある時の様々な構成要素の状態の略図を示す。回転中、液体貯蔵装置100上のハウジング101の位置、およびシール109および接続リング104の位置は変化せず、接続部品202に従いロータリー構成要素106の周辺方向への位置のみが変化する。
図7では、接続部品202上にある突き出た係合体205が案内スロット105によって案内されて挿入できる時、突き出た部品204はロータリー構成要素106上の収容穴114と整列して位置付けられて、収容穴114に挿入されるが、この時、収容穴114の位置は液体出口110の位置に対してずらされ、ロータリー構成要素106の端面1061は液体出口110にしっかりと隣接してeリキッドを密封することがわかる。
図8では、接続部品202が90度だけ回転した時、突き出た係合体205は段107と係合して接続し、同時に、収容穴114が液体出口110と整列して液体出口110が開かれるように、ロータリー要素106もまた90度回転し、また同時に、液体出口110が液体入口203と接続されるように、突き出た部品204が液体出口110と隣接することがわかる。接続部品202が回転して初期位置に戻る時、接続部品202およびロータリー構成要素106は
図7に示す状態に戻る。
【0037】
図9を参照するが、この実施形態は、3つの部品のみ、すなわち、順に接続されて全体でロッド形状を形成する液体貯蔵装置100、アトマイジング組立品200、および電源組立品300で構成される必要がある、電子たばこを提供する。上述した通り、アトマイジング組立品200は、一方の端に接続部品202を、他方の端にねじ付きスリーブ207を有し、アトマイジング組立品200の一方の端は、接続部品202によって液体貯蔵装置100の開放端103に係合して接続する。ねじ付き部品301は、電源組立品300の一方の端上に提供され、ねじ込み接続はアトマイジング組立品200の他方の端とねじ付き部品301との間にねじ付きスリーブ207によって形成され、また同時に電源組立品300は、アトマイジング組立品200内部のアトマイジング装置のための動作電源を提供する。
【0038】
上記の実施形態は、本明細書の単なるいくつかの実施形態であり、本発明の内容の理解を促すために与えられている。それらは、本発明の技術的解決策に対していかなる制限もするものではなく、また、可能性のあるすべての解決策の完全なリストを表すものでもない。従って、本発明の構造、プロセスフローまたは工程に対する何らかの多少の改善や等価な置き換えは、その保護の範囲内に含まれるものとする。