特許第6473850号(P6473850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473850
(24)【登録日】2019年2月1日
(45)【発行日】2019年2月20日
(54)【発明の名称】競技補助システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/00 20060101AFI20190207BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20190207BHJP
【FI】
   A63B71/00 Z
   G10K15/02
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-519012(P2018-519012)
(86)(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公表番号】特表2018-538020(P2018-538020A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】KR2016014403
(87)【国際公開番号】WO2018021631
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2018年4月9日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0094181
(32)【優先日】2016年7月25日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518123811
【氏名又は名称】アイ−オン コミュニケーションズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ ジェチョル
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−047534(JP,A)
【文献】 特開2007−034478(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/087707(WO,A1)
【文献】 米国特許第05574422(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/00−71/06
G10K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技進行者端末と結ばれて競技の進行を行う競技補助システムにおいて、
競技進行情報に対応するオーディオデータを予め保存する情報保存部と、
前記競技進行者端末から競技進行リクエスト信号を受信する信号受信部と、
前記競技進行リクエスト信号に対応する競技進行情報のオーディオデータを前記情報保存部から選択する制御部と、
前記選択されたオーディオデータを前記競技進行者端末に伝送する信号伝送部と、
を備え、
前記競技進行情報は、競技判定と関連する情報と、競技参与者と関連する情報と、競技進行と関連する情報と、を含み、
前記競技進行リクエスト信号は、競技判定信号と、競技参与者紹介信号と、を含み、
前記競技判定信号に基づいて競技参与者に対する競技記録を更新する競技記録計算部をさらに備え、
前記情報保存部は、前記競技記録計算部により更新された競技記録をさらに保存し、
前記信号受信部が前記競技進行者端末から競技参与者に対する前記競技参与者紹介信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技参与者に対応する前記更新された競技記録を選択し、前記信号伝送部は、前記更新された競技記録に対応するオーディオデータを前記競技進行者端末に伝送し、
前記競技進行者端末に伝送されたオーディオデータは、スピーカーを介して出力されることを特徴とする競技補助システム。
【請求項2】
記制御部は、前記競技判定信号に対応するオーディオデータを選択することを特徴とする請求項1に記載の競技補助システム。
【請求項3】
前記信号受信部が前記競技参与者端末から競技中断リクエスト信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技中断リクエスト信号に対応する競技進行情報のオーディオデータを前記情報保存部から選択し、前記信号伝送部は、前記選択されたオーディオデータを前記競技進行者端末に伝送することを特徴とする請求項1に記載の競技補助システム。
【請求項4】
競技進行者端末と、
前記競技進行者端末と結ばれたスピーカーと、
競技進行情報に対応するオーディオデータを予め保存する情報保存部と、
前記競技進行者端末から競技進行リクエスト信号を受信する信号受信部と、
前記競技進行リクエスト信号に対応する競技進行情報のオーディオデータを前記情報保存部から選択する制御部と、
前記選択されたオーディオデータを前記競技進行者端末に伝送する信号伝送部と、
を備え
記競技進行情報は、競技判定と関連する情報と、競技参与者と関連する情報と、競技進行と関連する情報と、を含み、
前記競技進行リクエスト信号は、競技判定信号と、競技参与者紹介信号と、を含み、
前記競技判定信号に基づいて競技参与者に対する競技記録を更新する競技記録計算部をさらに備え、
前記情報保存部は、前記競技記録計算部により更新された競技記録をさらに保存し、
前記信号受信部が前記競技進行者端末から競技参与者に対する前記競技参与者紹介信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技参与者に対応する前記更新された競技記録を選択し、前記信号伝送部は、前記更新された競技記録に対応するオーディオデータを前記競技進行者端末に伝送し、前記競技進行者端末は、前記伝送されたオーディオデータを前記スピーカーを介して出力することを特徴とする競技補助システム。
【請求項5】
記制御部は、前記競技判定信号に対応する競技進行情報のオーディオデータを選択し、前記選択されたオーディオデータは、前記信号伝送部によって前記競技進行者端末に伝送され、前記競技進行者端末は、前記スピーカーを介して前記伝送されたオーディオデータを出力することを特徴とする請求項に記載の競技補助システム。
【請求項6】
前記競技補助システムは、
前記競技進行者端末と結ばれ、競技進行リクエスト信号に対応するボタンが形成された競技進行者入力機を更に備え、
前記ボタンが押下されれば、前記競技進行者入力機は、前記ボタンのボタン押下信号を前記競技進行者端末に伝送し、前記競技進行者端末は、前記ボタンに対応する競技進行リクエスト信号を前記信号受信部に伝送することを特徴とする請求項に記載の競技補助システム。
【請求項7】
前記競技補助システムは、
競技参与者端末を更に備え、
前記信号受信部が前記競技参与者端末から競技中断リクエスト信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技中断リクエスト信号に対応する競技進行情報のオーディオデータを前記情報保存部から選択し、前記信号伝送部は、前記選択されたオーディオデータを前記競技進行者端末に伝送し、前記競技進行者端末は、前記伝送されたオーディオデータを前記スピーカーを介して出力することを特徴とする請求項に記載の競技補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競技の進行を補助するための競技補助システムに係り、更に詳しくは、競技進行者が競技進行者入力機を介して競技の判定及び進行に対応するオーディオデータを選択すれば、これを競技場スピーカーを介して出力できるようにする競技補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、社会人野球が行われる競技場の様子を示す写真である。
【0003】
大勢の観衆が入場して観覧し且つ応援するプロ野球などのプロ競技とは異なり、社会人野球などのアマチュア競技は、図1に示すように、観客動員数があまり多くない。このような静かな雰囲気で行われる競技に参与する選手及び審判は、競技中に集中度が大幅に低下し、その結果、競技に興味を失ってしまうという現象が発生する。これは、アマチュア競技の拡散を妨げる障害となる。
【0004】
もし、社会人野球などのアマチュア競技において、たとえ観客動員数があまり多くないとはいえ、プロ競技と同じレベルの場内アナウンサーによる選手の紹介、審判判定の強烈な叫び、観衆のウォークライ、応援の音楽が競技中の適切なタイミングで登場さえすれば、競技に参与する選手は自分も知らないうちに大勢の観衆の中で競技をするかのように思われ、競技が活気を帯び、少数の観客も競技に没入することができる。これは、アマチュア競技の活性化に大いに寄与する筈である。このような競技の雰囲気を造成するための取り組みが持続的に行われてきており、本発明はこのような問題を解決するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態に係る競技補助システムの目的は、観客動員数があまり多くない競技中に、競技の雰囲気が沈まないように適切なタイミングで競技の進行及び判定と関連する音声及び音響を競技場に提供することである。
【0006】
本発明の目的は、上述したことに何等限定されるものではなく、未言及の他の目的は次の記載から通常の技術者にとって明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る競技補助システムは、競技進行者端末及び競技参与者端末と結ばれて競技の進行を行う競技補助システムであって、競技進行情報が保存される情報保存部と、前記競技進行者端末から競技進行リクエスト信号を受信する信号受信部と、前記競技進行リクエスト信号に対応する競技進行情報を前記情報保存部から選択する制御部と、前記選択された競技進行情報を前記競技進行者端末に伝送する信号伝送部と、を備えていてもよい。
【0008】
前記競技進行情報は、オーディオデータを含み、前記競技進行リクエスト信号は、競技判定信号を含み、前記制御部は、前記競技判定信号に対応するオーディオデータを選択してもよい。
【0009】
前記競技進行リクエスト信号は、競技判定信号を含み、前記競技補助システムは、前記競技判定信号に基づいて競技参与者に対する競技記録を計算する競技記録計算部を更に備えていてもよい。
【0010】
前記情報保存部は、前記競技記録を保存し、前記信号受信部が前記競技進行者端末から競技参与者に対する競技参与者紹介信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技参与者に対応する競技記録を選択し、前記信号伝送部は、前記選択された競技記録を前記競技進行者端末に伝送してもよい。
【0011】
前記信号受信部が前記競技参与者端末から競技中断リクエスト信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技中断リクエスト信号に対応する競技進行情報を前記情報保存部から選択し、前記信号伝送部は、前記選択された競技進行情報を前記競技進行者端末に伝送してもよい。
【0012】
本発明の他の実施形態に係る競技補助システムは、競技進行者端末と、前記競技進行者端末と結ばれたスピーカーと、競技進行情報が保存される情報保存部と、前記競技進行者端末から競技進行リクエスト信号を受信する信号受信部と、前記競技進行リクエスト信号に対応する競技進行情報を前記情報保存部から選択する制御部と、前記選択された競技進行情報を前記競技進行者端末に伝送する信号伝送部と、を備え、前記競技進行者端末は、前記伝送された競技進行情報を前記スピーカーを介して出力してもよい。
【0013】
前記競技進行情報は、オーディオデータを含み、前記競技進行リクエスト信号は、競技判定信号を含み、前記制御部は、前記競技判定信号に対応するオーディオデータを選択し、前記選択されたオーディオデータは、前記信号伝送部によって前記競技進行者端末に伝送され、前記競技進行者端末は、前記スピーカーを介して前記伝送されたオーディオデータを出力してもよい。
【0014】
前記競技補助システムは、前記競技進行者端末と結ばれ、競技進行リクエスト信号に対応するボタンが形成された競技進行者入力機を更に備え、前記ボタンが押下されれば、前記競技進行者入力機は、前記ボタンのボタン押下信号を前記競技進行者端末に伝送し、前記競技進行者端末は、前記ボタンに対応する競技進行リクエスト信号を前記信号受信部に伝送してもよい。
【0015】
前記競技進行リクエスト信号は、競技判定信号を含み、前記競技補助システムは、前記競技判定信号に基づいて競技参与者に対する競技記録を計算する競技記録計算部を更に備えていてもよい。
【0016】
前記情報保存部は、前記競技記録を保存し、前記競技進行リクエスト信号は、競技参与者紹介信号を含み、前記信号受信部が前記競技進行者端末から競技参与者に対する競技参与者紹介信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技参与者に対応する競技記録を選択し、前記信号伝送部は、前記選択された競技記録を前記競技進行者端末に伝送し、前記競技進行者端末は、前記伝送された競技記録を前記スピーカーを介して出力してもよい。
【0017】
前記競技補助システムは、競技参与者端末を更に備え、前記信号受信部が前記競技参与者端末から競技中断リクエスト信号を受信すれば、前記制御部は、前記競技中断リクエスト信号に対応する競技進行情報を前記情報保存部から選択し、前記信号伝送部は、前記選択された競技進行情報を前記競技進行者端末に伝送し、前記競技進行者端末は、前記伝送された競技進行情報を前記スピーカーを介して出力してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態に係る競技補助システムは、観客動員数があまり多くない競技中に、競技の雰囲気が沈まないように適切なタイミングで競技の進行及び判定と関連する音声及び音響を競技場に提供することができるという効果を提供することができる。
【0019】
本発明の効果は、上述したことに何等限定されるものではなく、未言及の他の効果は次の記載から通常の技術者にとって明らかに理解できる筈である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】社会人野球の行われる競技場の様子を示す写真である。
図2】本発明の一実施形態に係る競技補助システムの概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る競技補助システムにおいて、競技進行者入力機の入力に応じて行われるステップを示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る競技補助システムにおいて、競技参与者端末の入力に応じて行われるステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態に係る競技補助システムについて詳細に説明する。本発明について説明するに当たって、通常の技術者にとって公知の機能又は構成についての詳細な説明を省略する。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る競技補助システムの概略図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る競技補助システムにおいて、競技進行者入力機の入力に応じて行われるステップを示す図である。
【0023】
本発明に係る競技補助システム100は、情報保存部110と、信号受信部120と、制御部130と、信号伝送部140及び競技記録計算部150を備えていてもよい。また、競技補助システム100は、競技進行者端末210と、競技進行者入力機220と、スピーカー230及び競技参与者端末310を更に備えていてもよい。
【0024】
競技進行者端末210とは、ネットワーク400を介して競技補助システム100に接続してデータが送受信可能な装置のことをいい、好適な例としては、スマートフォン、タブレットPCなどが挙げられる。ネットワーク400とは、データが伝送可能な公知の有線又は無線のネットワークのことをいい、インターネット、データ通信網などを網羅する。競技進行者端末210は、競技進行者、例えば、審判が所持することが好ましい。
【0025】
競技進行者入力機220とは、競技進行者が所持する入力装置であって、判定又は進行と関連するボタンが設けられて、競技中に手軽に押下可能な持ち運び易い装置のことをいう。競技進行者入力機220は、競技進行者端末210とブルートゥース(登録商標)などの公知の近距離無線通信網を介して結ばれてもよく、ワイファイ(登録商標)などの公知の無線通信網を介して結ばれてもよく、有線で互いに結ばれてもよい。
【0026】
競技進行者入力機220のボタンが押下されれば、競技進行者入力機220は、ボタンが押下された旨を知らせるボタン押下信号を競技進行者端末210に伝送し(S110)、競技進行者端末210は、押下されたボタンに対応する競技進行リクエスト信号を信号受信部120に伝送する(S120)。
【0027】
ここで、競技進行者が競技進行者入力機220のボタンを押下すると説明したが、競技進行者が競技進行者入力機220なしに競技進行者端末210を介して競技進行リクエスト信号を信号受信部120に伝送してもよい。
【0028】
情報保存部110には、競技進行情報が保存される。競技進行情報は、オーディオデータ、出戦選手の名簿及び競技記録を含んでいてもよい。競技が野球競技である場合、競技進行情報は、「ストライク」、「ボール」、「アウト」、「セーフ」などの判定に対する審判の音声を含むオーディオデータであってもよい。オーディオデータの形態で製作された審判の判定音声は、観衆及び選手に面白さを与える口ぶりやトーンに形成されることが好ましく、音楽又は観衆のウォークライと結合されてもよい。
【0029】
また、競技進行情報は、選手の競技記録及びこれを音声に変換したオーディオデータであってもよい。競技が野球競技である場合、競技進行情報は、選手の競技記録を音声に変換したオーディオデータであって、「4番打者イ・デホ」、「4番打者イ・デホ、今日、2打数無安打です。」、「4番打者イ・デホ、これまで5競技出戦して打率2割8分5厘で、ホームラン1つです。」などの場内アナウンサーの音声を含んでいてもよい。オーディオデータの形態で製作された場内アナウンサーの音声は、観衆及び選手に面白さを与える口ぶりやトーンに形成されることが好ましく、音楽又は観衆のウォークライと結合されてもよい。
【0030】
競技進行情報は、競技参与者である監督によって競技前に提出された出戦選手の名簿であってもよい。監督は、有無線ネットワークを介して競技補助システム100に接続して出戦選手の名簿を入力してもよい。
【0031】
信号受信部120は、競技進行者端末210からネットワーク400を介して競技進行リクエスト信号を受信する(S120)。競技進行リクエスト信号は、競技参与者紹介信号、競技進行信号及び競技判定信号を含んでいてもよい。例えば、競技参与者紹介信号は、「4番打者イ・デホ」などの競技参与者紹介又は競技参与者の競技記録紹介と関連する競技進行情報をリクエストする信号であり、競技進行信号は、「プレイボール」などの競技進行報知に対するオーディオデータをリクエストする信号であり、競技判定信号は、「ストライク」、「ボール」、「アウト」、「セーフ」などの審判判定に対するオーディオデータをリクエストする信号である。
【0032】
制御部130は、競技進行リクエスト信号に対応する競技進行情報を情報保存部110から選択する。
【0033】
信号伝送部140は、制御部130によって選択された競技進行情報をネットワーク400を介して競技進行者端末210に伝送する(S130)。
【0034】
競技進行者端末210は、スピーカー230とブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信網を介して結ばれてもよく、ワイファイ(登録商標)などの無線ネットワークを介して結ばれてもよく、有線で互いに結ばれてもよい。競技進行者端末210は、信号伝送部140によって伝送された競技進行情報をスピーカー230を介して出力する(S140)。「ストライク」、「ボール」、「アウト」、「セーフ」などの判定に対する審判の音声を含めたオーディオデータ又は選手紹介をする場内アナウンサーの音声を含めたオーディオデータがスピーカー230を介して出力される。スピーカー230は、映像信号を出力するディスプレイ装置とともに競技進行者端末210に結ばれてもよい。
【0035】
競技記録計算部150は、競技進行リクエスト信号として伝送される競技判定信号に基づいて、競技参与者に対する競技記録を計算する。競技進行者端末210を介して伝送される全ての判定信号の記録が情報保存部110に保存された競技参与者の競技記録に適用され続けて競技参与者の競技記録が更新される。
【0036】
更新された競技記録は、競技参与者が競技場に登場するときにスピーカー230を介して出力されてもよい。選手が競技場に登場するとき、競技進行者が競技進行者入力機220を介して競技参与者紹介に対応するボタンを押下すれば、競技進行者端末210は、信号受信部120に競技進行リクエスト信号として競技参与者紹介信号を送り、制御部130は、競技参与者に対応する競技記録を選択し、信号伝送部140は、競技記録を競技進行者端末210に伝送し、競技進行者端末210は、競技記録をスピーカー230を介して出力する。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態に係る競技補助システムにおいて、競技参与者端末の入力に応じて行われるステップを示す図である。
【0038】
競技参与者端末310とは、ネットワーク400を介して競技補助システム100に接続してデータが送受信可能な装置のことをいい、好適な例としては、スマートフォン、タブレットPCなどが挙げられる。競技参与者端末310は、競技参与者、例えば、監督、コーチ及び選手が所持することが好ましい。
【0039】
競技参与者端末310は、選手交替などの競技中断のリクエストを行うために使用可能である。競技参与者端末310が競技中断リクエスト信号をネットワーク400を介して信号受信部120に伝送すれば(S210)、制御部130は、競技中断リクエスト信号に対応する競技進行情報、例えば、「タイムアウト」の音声を含めたオーディオデータを情報保存部110から選択し、信号伝送部140は、選択された競技進行情報を競技進行者端末210に伝送し(S220)、競技進行者端末210は、伝送された競技進行情報をスピーカー230を介して出力してもよい(S230)。
【0040】
本発明の一実施形態に係る競技補助システム100は、ドローンと、映像情報受信部と、映像情報伝送部及びディスプレイ装置を更に備えていてもよい。ドローンは、競技参与者を撮影してもよく、映像情報受信部は、公知の有無線ネットワークを介してドローンから撮影データを受信し、映像情報伝送部は、撮影データを競技補助システム100に加入された会員の端末又は競技場のディスプレイ装置に伝送してもよい。
【0041】
以下、本発明の一実施形態に係る競技補助システム100について、野球競技を例にとってステップ別に説明する。野球競技は、本発明の構成を説明するために例として挙げた競技に過ぎず、本発明が野球競技に限定されるものではないということに留意すべきである。本発明は、全ての運動競技やイベントに適用可能である。
【0042】
野球競技に参与する競技参与者である監督及び選手は、競技補助システム100に会員として加入されていることが好ましい。野球競技が始まる前に、競技参与者である両チームの監督は、競技補助システム100に接続してID及びパスワードを入力し、競技出戦選手の名簿及び打順を入力する。
【0043】
競技補助システム100の情報保存部110には、各選手の競技記録、例えば、名前、所属、ポジション、背番号、打率、防御率、出戦競技数などが保存されている。競技記録は、野球競技が行われる間に競技記録計算部150によって更新されて情報保存部110に保存される。
【0044】
野球競技が始まると、競技進行者である審判は、競技進行者入力機220を所持して競技の進行を行う。審判は、競技の開始を知らせ、競技進行者入力機220の「開始」ボタンを押下すれば、競技進行者入力機220は、無線又は有線で結ばれた競技進行者端末210に「開始」のボタン押下信号を伝送する。競技進行者端末210は、競技進行リクエスト信号として「開始」信号をネットワーク400を介して信号受信部120に伝送する。制御部130は、信号受信部120に伝送された「開始」信号に対応する競技進行情報を情報保存部110から検索して、「プレイボール」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行情報として選択し、信号伝送部140がネットワーク400を介して「プレイボール」という音声が含められたオーディオデータを競技進行者端末210に伝送する。競技進行者端末210は、有線又は無線で結ばれたスピーカー230に「プレイボール」という音声が含まれたオーディオデータを伝送して、競技場に「プレイボール!」という音声が出力されるようにする。競技場の雰囲気を高調させるために、音声に加えて、高いリズムの賑やかな音楽又は観衆のウォークライを一緒に出力してもよい。
【0045】
攻撃チームの1番打者が登場するとき、審判は、競技進行者入力機220の「打者入場」ボタンを押下すれば、競技進行者入力機220は、無線又は有線で結ばれた競技進行者端末210に「打者入場」のボタン押下信号を伝送する。競技進行者端末210は、競技進行リクエスト信号として「打者入場」信号をネットワーク400を介して信号受信部120に伝送する。制御部130は、信号受信部120に伝送された「打者入場」信号に対応する競技進行情報を情報保存部110から検索して、攻撃チーム監督が入力した出戦選手の名簿から1番打者に対する競技記録及びこれに対する音声が含まれたオーディオデータを競技進行情報として選択し、信号伝送部140がネットワーク400を介して1番打者に対する競技記録及びこれに対する音声が含まれたオーディオデータを競技進行者端末210に伝送する。競技進行者端末210は、有線又は無線で結ばれたスピーカー230に1番打者の競技記録に対する音声が含まれたオーディオデータを伝送して、競技場に「1番打者キム・チョルス」又は「1番打者キム・チョルス、これまで12競技に出戦して打率3割2分9厘です。」という音声が出力されるようにする。競技場の雰囲気を高調させるために、音声に加えて、1番打者に指定された高いリズムの賑やかな音楽又は観衆のウォークライを一緒に出力してもよい。
【0046】
ここでは、競技記録に対する音声が含まれたオーディオデータが情報保存部110に保存されていて、競技進行者端末210に伝送されると説明したが、競技進行者端末210には競技記録のみが伝送され、競技進行者端末210にインストールされたプログラムから伝送された競技記録を音声に変換してもよい。
【0047】
守備チームの投手が投球をしてストライクになると、審判は、競技進行者入力機220の「ストライク」ボタンを押下する。競技進行者入力機220は、無線又は有線で結ばれた競技進行者端末210に「ストライク」のボタン押下信号を伝送する。競技進行者端末210は、競技進行リクエスト信号として「ストライク」信号をネットワーク400を介して信号受信部120に伝送する。制御部130は、信号受信部120に伝送された「ストライク」信号に対応する競技進行情報を情報保存部110から検索して、「ストライク」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行情報として選択し、信号伝送部140がネットワーク400を介して「ストライク」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行者端末210に伝送する。競技進行者端末210は、有線又は無線で結ばれたスピーカー230に「ストライク」という音声が含まれたオーディオデータを伝送して、競技場に「ストライク!」という音声が出力されるようにする。競技場の雰囲気を高調させるために、音声に加えて、音楽又は観衆のウォークライを一緒に出力してもよい。
【0048】
攻撃チームの打者が2塁打を打つと、審判は、競技進行者入力機220の「2塁打」ボタンを押下する。競技進行者入力機220は、無線又は有線で結ばれた競技進行者端末210に「2塁打」のボタン押下信号を伝送する。競技進行者端末210は、競技進行リクエスト信号として「2塁打」信号をネットワーク400を介して信号受信部120に伝送する。制御部130は、信号受信部120に伝送された「2塁打」信号に対応する競技進行情報を情報保存部110から検索して、「2塁打」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行情報として選択し、信号伝送部140がネットワーク400を介して「2塁打」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行者端末210に伝送する。競技進行者端末210は、有線又は無線で結ばれたスピーカー230に「2塁打」という音声が含まれたオーディオデータを伝送して、競技場に「2塁打!」という音声が出力されるようにする。競技場の雰囲気を高調させるために、音声に加えて、音楽又は観衆のウォークライを一緒に出力してもよい。
【0049】
競技記録計算部150は、各打者の攻撃結果を用いて各打者の競技記録を更新し、更新された競技記録は情報保存部110に保存されて次の打順で用いられる。
【0050】
ここでは、競技判定と関連する音声が含まれたオーディオデータが情報保存部110に保存されていて、競技進行者端末210に伝送されると説明したが、競技進行者端末210に予め保存されたオーディオデータが用いられてもよい。
【0051】
競技参与者である監督が代打を起用したり、投手を交替しようとしたりする場合には、競技参与者端末220を介して「タイムアウト(time−out)」を選択すれば、競技参与者端末310は、競技中断リクエスト信号として「タイムアウト」のボタン押下信号をネットワーク400を介して信号受信部120に伝送する。制御部130は、信号受信部120に伝送された「タイムアウト」信号に対応する競技進行情報を情報保存部110から検索して、「タイムアウト」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行情報として選択し、信号伝送部140がネットワーク400を介して「タイムアウト」という音声が含まれたオーディオデータを競技進行者端末210に伝送する。競技進行者端末210は、有線又は無線で結ばれたスピーカー230に「タイムアウト」という音声が含まれたオーディオデータを伝送して、競技場に「タイムアウト!」という音声が出力されるようにする。競技場の雰囲気を喚起させるために、音声に加えて、音楽又は観衆のウォークライを一緒に出力してもよい。
【0052】
本発明の一実施形態に係る競技補助システムは、観客動員数があまり多くないアマチュア競技に活力を与えて、選手及び審判の競技への集中度を高め、選手、審判及び観衆に遊技的な面白さを与えて、アマチュアスポーツのすそ野の拡大に寄与することができる。
【0053】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において各種多様に変形可能であるということは、通常の技術者にとって自明であるといえる。
【符号の説明】
【0054】
100 競技補助システム、110 情報保存部、120 信号受信部、130 制御部、140 信号伝送部、150 競技記録計算部、210 競技進行者端末、220 競技進行者入力機、230 スピーカー、310 競技参与者端末、400 ネットワーク。
図1
図2
図3
図4