(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1の正面図である。
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
前扉3の略上半分には、回転可能なドーナツ形状のルーレット本体110を備えたルーレットユニット100が設けられるとともに、ルーレット本体110の内周円の内側に、リール窓6が形成されている。
本体2内には、リール窓6に対向する位置に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが左右に並べて配置されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rは、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、20個の図柄が周方向に並べて配列されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転中は、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0012】
前扉3の上下方向略中央部には、操作部13が設けられている。操作部13は、前側に張り出しており、平坦な上面14および前側に緩やかに凸湾曲した前面15を有している。
上面14には、右端部にメダル投入口16、左端部に精算ボタン21がそれぞれ設けられるとともに、メダル投入口16と精算ボタン21の間には、MAXベットボタン17が配置されている。また、図示は省略するが、上面14には、クレジット数表示器、配当数表示器、ベット数表示LED、リプレイ表示LED、スタート可否表示LEDおよびメダル受付可否表示LED等の各種遊技情報表示器が配置されている。
【0013】
前面15には、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、及び右ストップボタン20Rが設けられている。左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rは、前面15の左右方向の中央部において、左からこの順に並べて配置されている。スタートレバー19は、左ストップボタン20Lの左側に配置されている。
【0014】
前扉3の最下部には、メダル排出口22と、該メダル排出口22から排出されたメダルを受けるメダルトレイ23が設けられるとともに、メダル排出口22の左右両側には、一対のスピーカ25L、25Rが配置されている。
【0015】
図2に示す如く、ルーレット本体110は、周方向に均等に24分割された24個のコマ113〜113を備え、回転動作によるルーレット演出を実行する。
ルーレット本体110の内周円の内側には、リール窓6の下方に5桁の7セグメント表示器200が配置されるとともに、リール窓6の上方には、「LUCKY」の文字が付された電飾部300が設けられている。電飾部300の頂上部分の上向き矢印301がルーレットの針を表しており、ルーレット本体110の停止時に、上向き矢印が指すコマ113に表された意匠によって、遊技に係る情報を報知する。以下、電飾部300の頂上部分の上向き矢印301が指し示す位置を、指標位置という。
また、ルーレット本体110の内周円の内側には、停止時のルーレット本体110の24個のコマ113〜113の中央に対応する位置にそれぞれ、合計で24個の内周LED171〜171が配されている。
さらに、ルーレットユニット100の左上隅には左上隅装飾体140Lが配置されるとともに、右上隅には右上隅装飾体140Rが配置されている。
【0016】
図3に、ルーレットユニット100の分解斜視図を示す。
図3に示す如く、ルーレットユニット100は、ドーナツ形状のルーレット本体110と、ルーレット本体110を正面側から覆う円形上のカバー体120と、ルーレット本体110を回転可能に支持するベース体130とを組み合わせて構成される。
ルーレット本体110には、上述の如くその表面に24個のコマ113〜113が配されるとともに、内周面には全周に亘ってギア111が設けられている。また、ルーレット本体110の裏面には、ルーレット本体110が所定の回転位置にあるときに、後述するルーレット検知センサ141によって検知される検知片112が設けられている。
【0017】
カバー体120には、ルーレット本体110の内周円の内側領域に対応する領域に、
図1に示す5桁の7セグメント表示器200、電飾部300及びリール窓6が設けられるとともに、ルーレット本体110に対応する領域には、ドーナツ形状の透明カバー121が設けられている。
【0018】
ベース体130には、ルーレット本体110を駆動するルーレット駆動モータ150と、ルーレット本体110が所定の回転位置にある旨を検知するルーレット検知センサ141とが取り付けられている。ルーレット駆動モータ150はステッピングモータ、ルーレット検知センサ141は、投光部と受光部とを備えた透過型の光電センサで構成している。
ルーレット駆動モータ150は、ルーレット本体110の内周円の頂上部に対応する位置に、ベース体130の裏面側からネジ留めされている。ルーレット駆動モータ150の回転軸には、上述のルーレット本体110の内周面のギア111と噛合するリングギア151が取り付けられている。また、ルーレット駆動モータ150の背面には、放熱フィン152が取り付けられるとともに、該放熱フィン152を覆うフィンカバー153が、ベース体130の裏面側にネジ留めされている。
ルーレット検知センサ141は、ベース体130の下部に裏面側からネジ留めされている。
【0019】
ベース体130の表面には、左上隅装飾体140Lと、右上隅装飾体140Rとが取り付けられている。
ベース体130の裏面側には、表面に多数のLEDが実装された4枚の基板からなる電飾基板群170が、間に導光体160を挟んで、それぞれネジ留めされている。
電飾基板群170は、4枚の基板合わせてドーナツ形状を呈し、電飾基板群170の表面には、ルーレット本体110のバックライトとして機能するLEDと、上述の24個の内周LED171〜171とが実装されている。
【0020】
なお、図示は省略するが、ベース体130には、ルーレット本体110を外周部から重心に向かって押圧する3個のコロが、前記外周部に沿って等間隔に配置されており、これにより、ルーレット本体110は、ベース体130によって回転可能に支持されている。
【0021】
図4は、ルーレット本体110の24個のコマ113〜113に表される意匠を示している。
24個のコマ113〜113には、それぞれ「1」〜「24」の図柄番号が対応づけられている。このうち、5〜7番及び17〜19番はそれぞれ、互いに隣接する3コマ113〜113で1つの意匠を構成しているので、実質的な意匠の種類数は20種類となる。
1番のコマ113には「ブランク」、2番のコマ113には「激熱」、3番のコマ113には「7GAME」、4番のコマ113には「赤松明」、5〜7番のコマ113〜113には「RUSH」、8番のコマ113には「青松明」、9番のコマ113には「32GAME」、10番のコマ113には「継続」、11番のコマ113には「WIN」、12番のコマ113には「10G」、13番のコマ113には「20G」、14番のコマ113には「30G」、15番のコマ113には「50G」、16番のコマ113には「100G」、17〜19番のコマ113〜113には「JACKPOT」、20番のコマ113には「5GAME」、21番のコマ113には「??G」、22番のコマ113には「×2」、23番のコマ113には「BONUS」、24番のコマ113には「天国」の意匠がそれぞれ対応付けられている。
例えば、後述するボーナスゲーム中には、23番の「BONUS」が前記指標位置にある回転角度位置でルーレット本体110を停止させることにより、ボーナスゲーム中である旨を示す。このように、ルーレット本体110は、前記指標位置に停止したコマ113に付された意匠によって、種々の遊技関連情報を報知する役割を担う。
なお、スロットマシン1では、ルーレット本体110の回転角度位置を、前記指標位置に対応するコマ113の番号で管理している。このため、以下、N(N=1〜24)番のコマ113が対応する回転角度位置にてルーレット本体110を停止させることを、単にN番で停止という。
【0022】
図5は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0023】
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行する主制御装置31と、主制御装置31からの指令に基づいて、ルーレット演出、音声、電飾等を制御を実行する副制御装置32とを備えている。
【0024】
主制御装置31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45が備えられている。CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45は、バスにより、データを通信可能に接続されている。また、主制御装置31には、CPU41にクロックパルスを与えるクロック発生回路46と、乱数を生成する乱数生成回路47とが備えられている。
【0025】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラムを実行し、入出力ポート44から入力される信号に基づいて、入出力ポート44に接続されている各制御対象を制御する。
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0026】
入出力ポート(入力ポート)44には、MAXベットボタン17、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20R、精算ボタン21、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51C、右リール位置検出センサ51R、メダル投入センサ52、及びメダル払出センサ53が接続されている。
【0027】
入出力ポート(出力ポート)44には、クレジット数表示器、配当数表示器、ベット数表示LED、リプレイ表示LED、スタート可否表示LEDおよびメダル受付可否表示LED等の各種遊技情報表示器が制御対象として接続されている。また、入出力ポート(出力ポート)44には、左リール4Lを回転駆動する左リール駆動モータ61L、中リール4Cを回転駆動する中リール駆動モータ61C、右リール4Rを回転駆動する右リール駆動モータ61R、メダル投入口16から投入されるメダルの受付/拒否を切り替えるためのメダルブロックソレノイド62、本体2内に設けられたメダル貯留部(図示せず)からメダルを払い出すためのメダル払出駆動モータ63、ホールコンピュータへ遊技情報を出力するための外部信号出力端子板GO、及び検査機関での試験に必要な遊技情報を出力するための試験信号出力端子板SOが制御対象として接続されている。
【0028】
MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が操作されると、それらの個々に設けられたスイッチまたはセンサから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。また、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが1回転する度に、それぞれ左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル投入口16からメダルが1枚投入される度に、メダル投入センサ52から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル払出駆動モータ63が駆動されて、メダル貯留部からメダルが払い出される度に、メダル払出センサ53から信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0029】
左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rには、ステッピングモータが採用されている。規定数のメダルがゲームにベットされた後、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rに駆動パルス信号を入力し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を開始させる。CPU41は、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rの出力信号ならびに左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力数に基づいて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置を常に把握している。
【0030】
また、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、内部抽選を実行する。具体的には、CPU41は、スタートレバー19が操作されたタイミングで、乱数生成回路47から乱数を取得する。そして、CPU41は、ROM42に格納されている抽選テーブルを参照する。抽選テーブルでは、乱数生成回路47が生成する乱数の範囲(たとえば、0〜65535)が複数の抽選区分に分けられ、抽選区分の個々に1以上の役が対応づけられている。CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数が属する抽選区分に対応づけられた役を当選役として決定する。また、CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数がどの抽選区分にも属さない場合には、内部抽選の結果を不当選(純ハズレ)と決定する。
【0031】
その後、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転速度が一定になると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rを有効化する。そして、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されたタイミングと内部抽選の結果とに基づいて、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止を制御する。このとき、左ストップボタン20Lが押操作されたタイミングでの左リール4Lの回転位置を基準として、最大引込コマ数の範囲内で左リール4Lの回転が停止される(引込制御)。中リール4Cおよび右リール4Rについても同様である。最大引込コマ数は、後述するBBゲーム及びRBゲーム中を除き、全てのリール4L、4C、4Rともに4コマとしている。
【0032】
そして、CPU41は、有効ライン上に内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが並んでいるか否かを判定する。有効ライン上に当選役に対応した図柄の組合せが並んでいれば、CPU41は、その当選役に入賞と判定し、当選役に応じた処理を実行する。
【0033】
また、CPU41は、データ送出回路45を介して、副制御装置32に各種データを送出する。各種データには、ゲーム開始の条件が成立したことを表すベット信号、スタートレバー19が操作されたことを表すレバーオン信号、左ストップボタン20Lが操作されたことを表す左停止信号、中ストップボタン20Cが操作されたことを表す中停止信号、右ストップボタン20Rが操作されたことを表す右停止信号、内部抽選やAT抽選の結果に係るデータ、及び左ストップボタン20L、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作順を指示する指示データなどが含まれる。
【0034】
副制御装置32には、データ入力回路71が備えられている。データ入力回路71は、主制御装置31のデータ送出回路45とデータを通信可能に接続されている。データ送出回路45とデータ入力回路71との間では、データ送出回路45からデータ入力回路71への一方向に通信が行われ、データ入力回路71からデータ送出回路45への通信は行われない。
【0035】
また、副制御装置32には、CPU72、ROM73、RAM74、及び入出力ポート76が備えられている。データ入力回路71、CPU72、ROM73、RAM74、および入出力ポート76は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、副制御装置32は、CPU72にクロックパルスを与えるクロック発生回路78を備える。
【0036】
入出力ポート(入力ポート)76には、ルーレット検知センサ141が接続されている。
【0037】
入出力ポート(出力ポート)76には、ルーレット駆動モータ150、7セグメント表示器200、電飾部300、内周LED171〜171、およびスピーカ25L、25Rが接続されている。
【0038】
CPU72は、ROM73に格納されているプログラムを実行し、データ入力回路71およびルーレット検知センサ141から入力される信号に基づいて、入出力ポート76に接続されている各制御対象を制御する。
【0039】
RAM74は、CPU72によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0040】
また、スロットマシン1には、貸出機中継基板91が備えられている。主制御装置31とスロットマシン1に隣接して設けられるメダル貸出機(図示せず)の制御基板とは、貸出機中継基板91を介して通信可能に接続されている。
【0041】
図6は、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの各周面(リール帯)に描かれている図柄の配列を示す図である。
【0042】
左リール4Lの周面には、「スイカ」、「バー」、「セブン」、「リプレイ2」、「ベル2」、「スイカ」、「ブランク」、「セブン」、「リプレイ2」、「ベル2」、「スイカ」、「シンボル」、「セブン」、「リプレイ1」、「ベル1」、「スイカ」、「チェリー」、「セブン」、「リプレイ1」、および「ベル1」の20個の図柄が左リール4Lの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0043】
中リール4Cの周面には、「ベル1」、「リプレイ1」、「セブン」、「バー」、「スイカ」、「ベル1」、「リプレイ2」、「セブン」、「チェリー」、「スイカ」、「ベル1」、「リプレイ2」、「セブン」、「シンボル」、「スイカ」、「ベル1」、「リプレイ1」、「セブン」、「ブランク」、および「スイカ」の20個の図柄が中リール4Cの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0044】
右リール4Rの周面には、「ベル1」、「リプレイ1」、「セブン」、「スイカ」、「バー」、「ベル1」、「リプレイ2」、「セブン」、「チェリー」、「バー」、「ベル1」、「リプレイ2」、「セブン」、「シンボル」、「バー」、「ベル1」、「リプレイ1」、「セブン」、「スイカ」、および「バー」の20個の図柄が右リール4Rの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0045】
図7は、図柄停止位置PL1,PL2,PL3,PC1,PC2,PC3,PR1,PR2,PR3および有効ラインについて説明するための図である。
【0046】
左リール4Lが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0047】
中リール4Cが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0048】
右リール4Rが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0049】
以下、リール窓6内の上段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC1,PR1を通る上段ラインL2、中段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL2,PC2,PR2を通る中段ラインL1、下段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC3,PR3を通る下段ラインL3、右下がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC2,PR3を通る右下がりラインL4、及び右上がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC2,PR1を通る右上がりラインL5という。
スロットマシン1は、中段ラインL1を有効ラインYLとするいわゆる1ライン機である。
【0050】
内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが、有効ラインYL上に並ぶと、その当選役に入賞となる。内部抽選の抽選対象の役には、ボーナス役、小役、及びリプレイ役を含む。ボーナス役は、当選した場合は入賞するまで当選状態が維持される、所謂持越し役である。これに対し、小役及びリプレイ役は、3つのリール4L,4C,4Rが全て停止して1回のゲームが終了すると、当選状態が消滅する役である。小役は、入賞に伴いメダルが払い出される役、リプレイ役は、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行することが出来る役である。
【0051】
図8に示す如く、スロットマシン1では、ボーナス役に係る抽選グループとしてCB1〜CB7の合計7通り、リプレイ役に係る抽選グループとして、RP0〜RP12の合計13通り、小役に係る抽選グループとしてBL1〜BL4の合計4通り、計24通りの抽選グループを設定している。
【0052】
抽選グループCB1〜CB7は、遊技関連規則上の第2種特別役物に係る役物連続作動装置(以下、2種BBともいう)である。入賞後に開始されるBBゲームまたはRBゲーム中のみ、左リール4Lの最大引込コマ数が1コマになる。
抽選グループCB1は、入賞時に上段ラインL2上に「セブン」図柄が揃うように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB1を上段BBともいう。
抽選グループCB2は、入賞時に中段ラインL1上に「セブン」図柄が揃うように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB2を中段BBともいう。
抽選グループCB3は、入賞時に下段ラインL3上に「セブン」図柄が揃うように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB3を下段BBともいう。
抽選グループCB4は、入賞時に右下がりラインL4上に「セブン」図柄が揃うように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB4を右下がりBBともいう。
抽選グループCB5は、入賞時に右上がりラインL5上に「セブン」図柄が揃うように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB5を右上がりBBともいう。
抽選グループCB1〜CB5の何れかが入賞すると、BBゲームが開始され、該BBゲームは、BBゲーム中に払い出されたメダル枚数が216枚を超えたゲームで終了する。
【0053】
抽選グループCB6は、入賞時に右上がりラインL5上に左から順に「セブン」、「セブン」、「バー」図柄が並ぶように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB6を右上がりRBともいう。
抽選グループCB7は、下段ラインL3上に「セブン」、「セブン」、「バー」図柄が並ぶように設定された抽選グループである。以下、抽選グループCB7を下段RBともいう。
抽選グループCB6〜CB7の何れかが入賞すると、RBゲームが開始され、該RBゲームは、RBゲーム中に払い出されたメダル枚数が99枚を超えたゲームで終了する。
【0054】
抽選グループRP0は、入賞時に右下がりラインL4上に「リプレイ1」図柄及び「リプレイ2」図柄の何れかが停止するように設定された抽選グループである。以下、抽選グループRP0を通常リプレイともいう。
抽選グループRP1〜RP9は、当選ゲームでのストップボタン20L、20C、20Rの操作順によって入賞するリプレイ役の種別が異なる所謂押し順リプレイである。ART状態中には、抽選グループRP1〜RP9の当選時に、遊技者にとって有利なリプレイ役が入賞することとなるストップボタン20L、20C、20Rの操作順(以下、正解押し順という)が報知される。
抽選グループRP1は、正解押し順が左→中→右に設定されており、正解押し順では昇格リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には通常リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP2は、正解押し順が左→右→中に設定されており、正解押し順では昇格リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には通常リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP3は、正解押し順が中→左→右に設定されており、正解押し順では昇格リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には通常リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP4は、正解押し順が中→右→左に設定されており、正解押し順では昇格リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には通常リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP5は、正解押し順が右→左→中に設定されており、正解押し順では昇格リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には通常リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP6は、正解押し順が右→中→左に設定されており、正解押し順では昇格リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には通常リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
【0055】
抽選グループRP7は、正解押し順が最初に左ストップボタン20Lを操作したことに設定されており、正解押し順では通常リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には転落リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP8は、正解押し順が最初に中ストップボタン20Cを操作したことに設定されており、正解押し順では通常リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には転落リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
抽選グループRP9は、正解押し順が最初に右ストップボタン20Rを操作したことに設定されており、正解押し順では通常リプレイが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には転落リプレイが入賞するように設定された抽選グループである。
以下、抽選グループRP7〜RP9を3択リプレイ1〜3ともいう。
【0056】
抽選グループRP10は、入賞時に有効ラインYL上に「スイカ」図柄が揃うように設定された抽選グループである。以下、抽選グループRP10をスイカリプレイともいう。
抽選グループRP11は、左リール4L下段に、「チェリー」図柄または「シンボル」図柄を引き込める場合には引き込み、引き込めない場合には通常リプレイを入賞させるように設定された抽選グループである。以下、抽選グループRP11をチェリーリプレイともいう。
抽選グループRP12は、入賞時に有効ラインYL上に左から順に「リプレイ1/リプレイ2」、「リプレイ1/リプレイ2」、「バー」図柄が並ぶように設定された抽選グループである。以下、抽選グループRP12をチャンスリプレイともいう。
【0057】
抽選グループBL1〜BL3は、当選ゲームでのストップボタン20L、20C、20Rの操作順が正解押し順であった場合には、配当が9枚の小役が入賞する一方、正解押し順以外であった場合には入賞を取り零すように設定された所謂押し順小役である。ART状態中には、抽選グループBL1〜BL3の当選時に、正解押し順が報知される。
抽選グループBL1は、正解押し順が最初に左ストップボタン20Lを操作したことに設定されており、正解押し順では9枚ベルが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には入賞を取り零すように設定された抽選グループである。なお、9枚ベルの入賞図柄組合せは、有効ラインYL上に「ベル1/ベル2」図柄が並ぶように設定されている。
抽選グループBL2は、正解押し順が最初に中ストップボタン20Cを操作したことに設定されており、正解押し順では9枚ベルが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には入賞を取り零すように設定された抽選グループである。
抽選グループBL3は、正解押し順が最初に右ストップボタン20Rを操作したことに設定されており、正解押し順では9枚ベルが入賞する一方、正解押し順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には入賞を取り零すように設定された抽選グループである。
以下、抽選グループBL1〜BL3を3択ベル1〜3ともいう。
【0058】
抽選グループBL4は、当選ゲームでのストップボタン20L、20C、20Rの操作順及び操作タイミングにかかわらず、9枚ベルが入賞するように設定された抽選グループである。以下、抽選グループBL4を共通ベルともいう。
【0059】
図9は、スロットマシン1における、内部抽選仕様に係る遊技状態の遷移を示す図である。
スロットマシン1において、遊技状態(以下、RT状態ともいう)RT0〜RT2は、リプレイ役の合算当選確率が異なる遊技状態で、具体的にリプレイ役の合算当選確率は、RT2>RT1>RT0に設定している。RT0〜RT2での内部抽選にて、ボーナス役に係る抽選グループCB1〜CB7に当選し、入賞後に開始されるBBゲームまたはRBゲームがボーナスゲームである。RT0〜RT2での内部抽選にてボーナス役に係る抽選グループCB1〜CB7に当選後、入賞するまでの間も当選時のRT状態が維持され、また、ボーナスゲーム終了後も当選時のRT状態へ戻る。
【0060】
RT0状態は、初期化時の遊技状態であって、RT0状態中に、3択ベルBL1〜BL3の何れかの抽選区分に当選し、当該ゲームでのリール4L、4C、4R停止操作の結果、リール窓6枠内に、ベル小役を取り零した旨のベル零し目が表示されたことを条件に、次ゲームからRT1状態へ移行する。
RT1状態中に、6択リプレイRP1〜RP6何れかの抽選区分に当選したゲームにて、昇格リプレイが入賞したことを条件に、次ゲームからRT2状態へ移行する。
RT2状態中に、3択ベルBL1〜BL3の何れかの抽選区分に当選したゲームにて前記ベル零し目が表示されたこと、及び3択リプレイRP7〜RP9の何れかの抽選区分に当選したゲームにて転落リプレイが入賞したことのうち、何れかが成立したことを条件に、次ゲームからRT1状態へ移行する。
【0061】
次に、
図10〜12を参照して、スロットマシン1の設定値1〜6における、各RT状態での抽選仕様を説明する。
図10〜12は、各抽選区分の当選範囲に相当する抽選値を設定値毎に示している。なお、内部抽選処理での乱数値の範囲は0〜65535のため、設定値毎の各抽選区分の当選確率は、抽選値/65536により算出できる。なお、抽選値がゼロの抽選区分は、該当するRT状態での内部抽選の結果、当選することはない抽選区分である旨を示しているため、説明を省略する。また、設定値によって当選範囲に差異がある抽選区分は、背景をグレイにしている。
【0062】
図10は、RT0状態での抽選仕様を示している。
抽選区分CB1+RP7は、上段BBと3択リプレイ1とが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず4に設定している。
抽選区分CB1+RP10は、上段BBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず4に設定している。
抽選区分CB1+RP11は、上段BBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず8に設定している。
抽選区分CB1+RP12は、上段BBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず12に設定している。
【0063】
抽選区分CB2+RP7は、中段BBと3択リプレイ1とが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず4に設定している。
抽選区分CB2+RP10は、中段BBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず5に設定している。
抽選区分CB2+RP11は、中段BBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず10に設定している。
抽選区分CB2+RP12は、中段BBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず22に設定している。
【0064】
抽選区分CB3+RP10は、下段BBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず7に設定している。
抽選区分CB3+RP11は、下段BBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず12に設定している。
抽選区分CB3+RP12は、下段BBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず35に設定している。
【0065】
抽選区分CB4+RP10は、右下がりBBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず24に設定している。
抽選区分CB4+RP11は、右下がりBBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず26に設定している。
抽選区分CB4+RP12は、右下がりBBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず53に設定している。
【0066】
抽選区分CB5+RP10は、右上がりBBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず4に設定している。
抽選区分CB5+RP11は、右上がりBBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず8に設定している。
抽選区分CB5+RP12は、右上がりBBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず8に設定している。
以下、抽選グループCB1〜CB5を含む抽選区分をBBグループともいう。
【0067】
抽選区分CB6+RP10は、右上がりRBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず37に設定している。
抽選区分CB6+RP11は、右上がりRBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず30に設定している。
抽選区分CB6+RP12は、右上がりRBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず49に設定している。
【0068】
抽選区分CB7+RP10は、下段RBとスイカリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は14、設定値が2の場合は15、設定値が3の場合は17、設定値が4の場合は20、設定値が5の場合は24、設定値が6の場合は31にそれぞれ設定している。
抽選区分CB7+RP11は、下段RBとチェリーリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は10、設定値が2の場合は11、設定値が3の場合は12、設定値が4の場合は14、設定値が5の場合は17、設定値が6の場合は22にそれぞれ設定している。
抽選区分CB7+RP12は、下段RBとチャンスリプレイとが重複当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は24、設定値が2の場合は27、設定値が3の場合は31、設定値が4の場合は34、設定値が5の場合は40、設定値が6の場合は50にそれぞれ設定している。
以下、抽選グループCB6〜CB7を含む抽選区分をRBグループともいう。
【0069】
抽選区分BL1は、3択ベル1が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず5032に設定している。
抽選区分BL2は、3択ベル2が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず5032に設定している。
抽選区分BL3は、3択ベル3が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず5032に設定している。
抽選区分BL4は、共通ベルが単独当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は546、設定値が2の場合は585、設定値が3の場合は630、設定値が4の場合は683、設定値が5の場合は745、設定値が6の場合は819にそれぞれ設定している。
【0070】
抽選区分RP0は、通常リプレイが単独当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は6339、設定値が2の場合は6334、設定値が3の場合は6327、設定値が4の場合は6319、設定値が5の場合は6306、設定値が6の場合は6284にそれぞれ設定している。
抽選区分RP10は、スイカリプレイが単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず665に設定している。
抽選区分RP11は、チェリーリプレイが単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1153に設定している。
抽選区分RP12は、チャンスリプレイが単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず411に設定している。
【0071】
図11は、RT1状態での抽選仕様を示している。なお、BBグループ、RBグループ、3択ベルグループ、共通ベル、スイカリプレイ、チェリーリプレイ、及びチャンスリプレイについては、RT0状態と同等であるため、説明は省略する。
抽選区分RP0は、通常リプレイが単独当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は328、設定値が2の場合は528、設定値が3の場合は728、設定値が4の場合は928、設定値が5の場合は1128、設定値が6の場合は1328にそれぞれ設定している。
抽選区分RP1は、6択リプレイ1が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1086に設定している。
抽選区分RP2は、6択リプレイ2が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1086に設定している。
抽選区分RP3は、6択リプレイ3が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1086に設定している。
抽選区分RP4は、6択リプレイ4が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1086に設定している。
抽選区分RP5は、6択リプレイ5が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1086に設定している。
抽選区分RP6は、6択リプレイ6が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず1086に設定している。
【0072】
図12は、RT2状態での抽選仕様を示している。なお、BBグループ、RBグループ、3択ベルグループ、共通ベル、スイカリプレイ、チェリーリプレイ、及びチャンスリプレイについては、RT0状態と同等であるため、説明は省略する。
抽選区分RP0は、通常リプレイが単独当選する抽選区分で、その抽選値は、設定値が1の場合は1476、設定値が2の場合は1352、設定値が3の場合は1230、設定値が4の場合は1109、設定値が5の場合は984、設定値が6の場合は848にそれぞれ設定している。
抽選区分RP7は、3択リプレイ1が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず15000に設定している。
抽選区分RP8は、3択リプレイ2が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず15000に設定している。
抽選区分RP9は、3択リプレイ3が単独当選する抽選区分で、その抽選値は設定値にかかわらず15000に設定している。
【0073】
なお、ボーナスゲーム中には、3択ベルグループ及び共通ベルが内部抽選結果にかかわらず当選とされる。このため、ボーナスゲーム中には、基本的に9枚ベルの入賞が繰り返される。
また、スロットマシン1において、複数種類の異なる役が重複当選した場合の優先引込順は、優先順にリプレイ役、ボーナス役、小役の順としている。
【0074】
次に、
図13を参照して、上述した正解押し順の報知、即ち指示機能に係る遊技状態の遷移について説明する。
本スロットマシン1では、上述の正解押し順の報知が行われない、即ち指示機能が無効とされる遊技状態を通常状態、RT状態がリプレイ役の合算当選確率が相対的に高いRT2状態で、且つ遊技者が指示機能による恩恵をフルに受けられる遊技状態をART状態、指示機能は有効であるがRT0またはRT1状態に滞在中をART準備状態、通常状態よりも、ART状態へ移行する確率が通常状態よりも高い遊技状態をCZ状態という。
通常状態からCZ状態へは、ボーナスゲーム終了後に移行する。CZ状態は、基本的に32ゲーム継続し、CZ状態の終了までにART移行権を獲得していれば、ART準備状態またはART状態へ移行する。さらに具体的には、CZ状態の終了までにART移行権を獲得済で、CZ状態終了時にRT0状態またはRT1状態滞在中の場合はART準備状態に移行する一方、CZ状態終了時にRT2状態滞在中の場合はART状態へ移行する。逆に、CZ状態の終了までにART移行権を獲得できなかった場合は、通常状態へ転落する。なお、CZ状態中には指示機能は有効化されているため、3択ベルグループの当選ゲームにて、ART状態中よりも低い頻度(例えば、32ゲーム中に1回等)で正解押し順を報知してもよい。
【0075】
ART準備状態では、RT0状態またはRT1状態から、RT2状態へ早期に移行させるべく、内部抽選結果に応じて、ストップボタン20L、20C、20Rの操作順が報知される。
また、ART状態では、RT2状態を維持させるべく、内部抽選結果に応じて、ストップボタン20L、20C、20Rの操作順が報知される。
よって、ART状態中には、相対的にリプレイ役の合算当選確率が高いRT2状態が維持される上、3択ベルグループの当選ゲームでは、正解押し順の報知によって9枚の配当が得られることによって、持ちメダルが徐々に増加するメダル増加期間となる。
一方、通常状態中及びCZ状態中は基本的に、相対的にリプレイ役の合算当選確率が低いRT1状態に滞在し、3択ベルグループの当選ゲームでは正解押し順が報知されないので、持ちメダルが徐々に減少するメダル減少期間となる。
【0076】
CZ状態中にボーナスゲームへ移行した場合は、ART移行権の獲得が確定し、ボーナスゲーム終了後は、必要に応じてART準備状態を経て、ART状態へ移行する。
また、ART準備状態またはART状態中にボーナスゲームへ移行した場合には、ボーナスゲーム終了後、移行前の状態へ戻る。
【0077】
本スロットマシン1は、セットタイプのART機である。セットタイプのART機は、上述のART移行権の獲得時に、継続セット数を決定するとともに、各セットの開始時に、継続セット数を1減算するとともに、継続ゲーム数の初期値を決定する。各セットの消化中には、上乗せ条件を満たした場合に、当該上乗せ条件に応じて継続セット数及び/または継続ゲーム数の上乗せが行われるとともに、1ゲームの消化毎に継続ゲーム数を1減算し、継続ゲーム数がゼロになったゲームで実行中のセットは終了となる。実行中のセットの終了時に継続セット数が残っていれば、次のセットが開始されART状態が継続する一方、継続セット数がゼロの場合には、ART状態は終了となる。
また、上記の終了条件の他、通常状態へ転落することなく、CZ状態、ART準備状態、ART状態及びボーナスゲームに滞在し続けて実行されたゲーム数が1500ゲームに至ったゲームにて、強制的にART状態を終了するリミッタ機能も合わせて搭載している。
【0078】
図14は、ルーレットユニット100のルーレット本体110の回転動作によって実行される複数種類のルーレット演出のうち、代表的な演出例を示している。
各種ルーレット演出は、ルーレット本体110の停止位置によって、内部抽選結果、ART移行権獲得に係る情報、継続セット数及び/または継続ゲーム数の上乗せに係る情報、現在滞在中の遊技状態に係る情報を報知または示唆することを目的に実行される。
複数種類のルーレット演出にはそれぞれIDが付されており、基本的には、スタートレバー19操作時の各種抽選の結果に応じて、ルーレット演出を実行するか否か、また実行する場合にはルーレット演出IDを決定する。
【0079】
例えば、ルーレット演出ID:RR1に対応する「チャンス演出(青)A」は、スタートレバー19操作後、全てのリール4L、4C、4Rが回転中の状態で、最初のストップボタン20L、20C、20Rの操作(以下、第1停止操作という)が行われたことを契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、8番の「青松明」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR2に対応する「チャンス演出(青)B」は、2つのリール4L、4C、4Rに対する停止操作が行われた後、回転中の最後のリール4L、4C、4Rに対応するストップボタン20L、20C、20Rの操作(以下、第3停止操作という)が行われたことを契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、8番の「青松明」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR3に対応する「チャンス演出(赤)A」は、第1停止操作を契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、4番の「赤松明」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR4に対応する「チャンス演出(赤)B」は、第3停止操作を契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、4番の「赤松明」で停止させる演出である。
【0080】
ルーレット演出ID:RR5に対応する「WIN演出A」は、第3停止操作を契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、11番の「WIN」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR6に対応する「WIN演出B」は、第1停止操作を契機に、ルーレット本体110の時計回りの回転を開始し、第3停止操作を契機に11番の「WIN」で停止させる演出である。
【0081】
ルーレット演出ID:RR7に対応する「10G上乗せ演出」は、第3停止操作を契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、12番の「10G」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR8に対応する「20G上乗せ演出」は、第3停止操作を契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、13番の「20G」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR9に対応する「30G上乗せ演出」は、第3停止操作を契機に、ルーレット本体110の回転を開始し、14番の「30G」で停止させる演出である。
【0082】
ルーレット演出ID:RR10に対応する「激熱煽り成功演出」は、スタートレバー19の操作を契機にルーレット本体110の回転を開始した後、1番の「ブランク」を中心に正逆方向(時計周り/反時計回り方向)の揺動を繰り返した後、第3停止操作を契機に2番の「激熱」で停止させる演出である。
ルーレット演出ID:RR11に対応する「激熱煽り失敗演出」は、スタートレバー19の操作を契機にルーレット本体110の回転を開始した後、1番の「ブランク」を中心に正逆方向(時計周り/反時計回り方向)の揺動を繰り返した後、第3停止操作を契機に1番の「ブランク」で停止させる演出である。
【0083】
図15は、各ルーレット演出IDに対応するルーレット演出の内容を定義した、ルーレット演出テーブルの構成を示す。
ルーレット演出テーブルでは、ルーレット演出の開始及び動作切替を行うタイミング契機として、スタートレバー19操作時、第1停止操作時、及び第3停止操作時の3つの契機を設定している。
そして、ルーレット演出IDごとに、各契機の到来に応じたルーレット本体110の動作仕様として、目標位置、回転速度、回転方向及び揺動の有無の4つのパラメータを設定することとしている。なお、4つのパラメータの何れも「−」となっている場合は、その契機で動作切替を行わない旨を示している。
目標位置には、基本的には回転後のルーレット本体110のコマ位置を入力するが、「−」は目標位置がないことを示している。回転速度は、低速/中速/高速の3段階から1つを選択する。回転方向は、正回転(時計回り)/逆回転(反時計回り)/任意から1つを選択する。揺動については、有/無から1つを選択する。
【0084】
<ルーレット本体の回転角度位置の管理>
ルーレット本体110の回転角度位置は、上述の如く、指標位置にあるコマ113の番号(1〜24)で管理している。また、ルーレット本体110の検知片112が、ルーレット検知センサ141により検知された場合に、指標位置にあるコマ113の番号は、1番となるように構成している。このため、ルーレット本体110の検知片112が、ルーレット検知センサ141により検知されたことに応じて、ルーレット本体110の回転角度位置は1番に初期化される。
初期化後は、ルーレット駆動モータ150に付与した駆動パルス数や、ルーレット駆動モータ150の回転方向に応じて、ルーレット本体110の回転角度位置を適宜更新することにより、現在の回転角度位置を把握出来るようになっている。
【0085】
<ルーレット演出に要する時間の最短化制御>
本スロットマシン1では、上述の如く、各種ルーレット演出にて、最終的に指標位置に停止したルーレット本体110のコマ113に付された意匠によって、各種遊技情報の報知または示唆するが、目標位置までのルーレット本体110の回転移動には時間を要するため、遊技進行の遅延を避けられない問題がある。そこで、本スロットマシン1では、この遅延を最小限に抑制する工夫をしている。
具体的には、上述した実行すべき各ルーレット演出IDに対応するルーレット演出の内容において、回転方向が任意に設定されるとともに、目標位置にコマ番号の指定がある場合に、現在のルーレット本体110の回転角度位置及び目標位置から、回転距離が短くなる回転方向にて、ルーレット本体110を回転させることとしている(回転方向によって回転距離の差異がない場合には正回転)。
また、現在のルーレット本体110の回転角度位置と目標位置とが同じ場合には、ルーレット本体110を1周させる代わりに、現在のルーレット本体110の回転角度位置を中心に、1コマ以内で正逆方向へ揺動させた後、目標位置にて停止させることとしている。
例えば、実行すべきルーレット演出IDがRR1であった場合、第1停止操作時のルーレット本体110の回転角度位置が9〜20だった場合には正回転により、1〜7及び21〜24であった場合には逆回転により、8であった場合には揺動後、8番で停止させる。
これにより、ルーレット演出の実行に要する時間を最短化することが出来るので、ルーレット演出実行による遊技進行の遅延を最小限に抑制することが出来る。
【0086】
<ルーレット本体110の位置ズレ防止制御>
上述の如く、ルーレット本体110の回転角度位置は、ルーレット本体110の検知片112がルーレット検知センサ141により検知されたことに応じて、ルーレット本体110の回転角度位置は1番に初期化され、初期化後は、ルーレット駆動モータ150に付与した駆動パルス数や、ルーレット駆動モータ150の回転方向に応じて、ルーレット本体110の回転角度位置を適宜更新することにより、管理している。
また、上述の如く、ルーレット演出には、通常の正逆方向の回転動作のほか、遊技機以外では殆ど使用されない特有の動作として、揺動動作を含む。この揺動動作では、ルーレット駆動モータ150での脱調(ミスステップ)が生じやすく、この結果、内部的な理論上の回転角度位置と実際の停止位置とにズレが生じる場合がある。このズレは、その後のルーレット本体110の回転動作によってルーレット本体110の検知片112がルーレット検知センサ141により検知されて、回転位置が初期化されるまで解消されない。このため、長期間に亘り回転位置が初期化されず、この間に多くの揺動動作が行われた場合には、大きな位置ズレが生じる虞がある
【0087】
そこで、本スロットマシン1では、回転位置が初期化された後に実行された揺動動作回数をカウントし、カウント値が閾値(具体的には7回)に達した場合には、ルーレット本体110の検知片112がルーレット検知センサ141により検知されることになるルーレット本体110の回転動作を強制的に差し込む(以下、強制初期化動作という)ことにより、大きな位置ズレが生じることを防止している。
強制初期化動作は、ルーレット本体110のコマ位置1番が指標位置を通過する動作によって実現できるため、カウント値が7回に至った後の最初のルーレット本体110の回転動作時に、上述の最短化制御に代えて、コマ位置1番を通過して目標位置に至る経路を選択する制御とすることで実現している。
例えば、カウント値が7回に至った後の最初のルーレット本体110の回転動作が、ルーレット演出ID:RR1に対応するルーレット演出の実行に係るものであり、ルーレット本体110の現在の回転角度位置が10番であった場合、第1停止操作を契機に、10番から1番を経て8番に回転させるべく、ルーレット本体110を反時計回りに回転させる。
このように、ルーレット本体110の回転を制御することにより、強制初期化動作が差し込まれているにもかかわらず、あたかもルーレット演出の一部であるかの如く見せることが出来る。従って、強制初期化動作の実行によって、遊技者に違和感を与えることはない。
【0088】
なお、上記では、回転位置が初期化された後に実行された揺動動作回数をカウントし、該カウント値が閾値に達した場合にルーレット本体110の強制初期化動作を実行することにより、大きな位置ズレが生じることを防止したが、これに代えて、回転位置が初期化された後に、1番を経ることがないルーレット演出が実行された回数、即ち、回転位置が初期化されることのないルーレット演出の実行回数をカウントし、該カウント値が閾値に達した場合にルーレット本体110の強制初期化動作を実行することによっても、大きな位置ズレが生じることを防止することが出来る。
【0089】
<ルーレット駆動モータ150の温度上昇を考慮したルーレット演出実行モード制御>
本スロットマシン1では、ルーレット駆動モータ150の温度上昇を考慮し、ルーレット演出の実行モードとして、3通りのモードを用意している。
上述の如く、ルーレット駆動モータ150は、ステッピングモータにより構成しており、ステッピングモータは、高速回転時よりも低速回転時のほうが温度上昇しやすく、また、低速回転時よりも、停止の際にブレーキをかけるための全層励磁時のほうが温度上昇しやすい特性を有する。また、自身の温度が高いほど、自身の温度は上がりづらく、且つ非励磁での停止時には冷めやすくなる。
本スロットマシン1では、上述の如きルーレット駆動モータ150の温度変化を模擬したモータ温度管理値により、ルーレット駆動モータ150の温度を管理し、ルーレット演出の実行によって、ルーレット駆動モータ150の実際温度が、動作可能範囲が超えることがないように、現時のモータ温度管理値に応じて、3通りのルーレット演出実行モードから、1のルーレット演出実行モードを設定することとしている。
【0090】
具体的に、3通りのルーレット演出実行モードは、通常演出モード、演出抑制モード、及び演出禁止モードである。
通常演出モード及び演出抑制モードは、ルーレット本体110の回転動作によるルーレット演出は実行されるが、その頻度が互いに異なる演出実行モードである。
一方、演出禁止モードは、ルーレット本体110の回転動作によるルーレット演出は実行されず、該ルーレット演出に代えて、24個の内周LED171〜171の点滅制御による擬似ルーレット演出が実行されるモードである。
演出禁止モードは、ルーレット駆動モータ150の温度が設計時の想定を超えたと推測される場合にのみ選択される、保険的な意味合いの演出実行モードである。従って、パチンコホールでは基本的に、通常演出モードと演出抑制モードの2つの演出モード間で、演出実行モードの切り替えが行われる。
【0091】
図16に、モータ温度管理値の増減仕様を示す。
モータ温度管理値には、電源投入時に初期値のゼロがセットされ、以降は、タイマ割込処理にて、ルーレット駆動モータ150の駆動状況と現時のモータ温度管理値とに応じて予め定めた値を、現時のモータ温度管理値に加算することにより、モータ温度管理値を増減させることとしている。
具体的に、ルーレット駆動モータ150の駆動状況としては、ルーレット駆動モータ150の回転中、全層励磁中及び停止中の3つのステータスと、回転中の場合にはその回転速度(PPS)とを識別可能なものとしている。また、ルーレット駆動モータ150の回転速度(PPS)は、上述の低速/中速/高速の3段階の回転速度と、加速/減速制御のための回転速度とを含め、416、312、250、208、83、63、50PPSの7段階としている。
【0092】
図16に示す如く、タイマ割込処理時に、現在のモータ温度管理値が0〜1999の範囲にある場合、ルーレット駆動モータ150が416PPSで回転中の場合は196、312PPSで回転中の場合は263、250PPSで回転中の場合は333、208PPSで回転中の場合は345、83PPSで回転中の場合は455、63PPSで回転中の場合は500、50PPSで回転中の場合は526、全層励磁中の場合は526を現在のモータ温度管理値に加算する一方、ルーレット駆動モータ150が停止中の場合は、現在のモータ温度管理値から17を減算する。
現在のモータ温度管理値が2000〜3999の範囲にある場合、ルーレット駆動モータ150が416PPSで回転中の場合は211、312PPSで回転中の場合は313、250PPSで回転中の場合は417、208PPSで回転中の場合は417、83PPSで回転中の場合は556、63PPSで回転中の場合は606、50PPSで回転中の場合は625、全層励磁中の場合は625を現在のモータ温度管理値に加算する一方、ルーレット駆動モータ150が停止中の場合は、現在のモータ温度管理値から29を減算する。
現在のモータ温度管理値が4000〜5999の範囲にある場合、ルーレット駆動モータ150が416PPSで回転中の場合は196、312PPSで回転中の場合は308、250PPSで回転中の場合は408、208PPSで回転中の場合は417、83PPSで回転中の場合は571、63PPSで回転中の場合は606、50PPSで回転中の場合は606、全層励磁中の場合は667を現在のモータ温度管理値に加算する一方、ルーレット駆動モータ150が停止中の場合は、現在のモータ温度管理値から56を減算する。
現在のモータ温度管理値が6000〜7999の範囲にある場合、ルーレット駆動モータ150が416PPSで回転中の場合は159、312PPSで回転中の場合は270、250PPSで回転中の場合は345、208PPSで回転中の場合は408、83PPSで回転中の場合は588、63PPSで回転中の場合は606、50PPSで回転中の場合は606、全層励磁中の場合は645を現在のモータ温度管理値に加算する一方、ルーレット駆動モータ150が停止中の場合は、現在のモータ温度管理値から56を減算する。
現在のモータ温度管理値が8000以上の範囲にある場合、ルーレット駆動モータ150が416PPSで回転中の場合は107、312PPSで回転中の場合は235、250PPSで回転中の場合は308、208PPSで回転中の場合は370、83PPSで回転中の場合は441、63PPSで回転中の場合は526、50PPSで回転中の場合は556、全層励磁中の場合は625を現在のモータ温度管理値に加算する一方、ルーレット駆動モータ150が停止中の場合は、現在のモータ温度管理値から129を減算する。
【0093】
そして、
図17に示す如く、モータ温度管理値が0〜6999の範囲にある場合には通常演出モード、7000〜9999の範囲にある場合には演出抑制モード、10000以上の場合には、演出禁止モードをそれぞれ設定することとしている。
【0094】
図18に、通常演出モード及び演出抑制モードにおけるルーレット演出抽選仕様の一部を抜粋して示す。
図18に示す如く、例えば、通常状態中の内部抽選処理の結果、スイカリプレイRP10、チェリーリプレイRP11、チャンスリプレイRP12の何れかに当選したゲームにおいて、通常演出モードにおいては、8%の確率で演出なし、1%の確率でルーレット演出ID:RR1、1%の確率でルーレット演出ID:RR2、5%の確率でルーレット演出ID:RR3、5%の確率でルーレット演出ID:RR4、80%の確率でルーレット演出ID:RR10に対応するルーレット演出を実行すると決定される。
上述の如く、本スロットマシン1では、通常状態からはボーナスゲームを介してしかCZ状態へ移行しないため、通常状態において遊技者は、ボーナス役CB1〜CB7の当選を期待して遊技を行う。また、本スロットマシン1において、ボーナス役CB1〜CB7を含む抽選区分であるBBグループ及びRBグループは、ボーナス役CB1〜CB7と、スイカリプレイRP10、チェリーリプレイRP11、またはチャンスリプレイRP12とが重複当選するように設定されているため、スイカリプレイRP10、チェリーリプレイRP11、またはチャンスリプレイRP12が入賞した場合には、ボーナス役CB1〜CB7の重複当選が期待できる。そこで、上述の契機で、ルーレット演出ID:RR1〜RR4、及びRR10に対応する各ルーレット演出を実行することによって、ボーナス役CB1〜CB7の当選期待度が高い旨を遊技者に示唆することが出来る。
【0095】
しかしながら、通常状態中の内部抽選処理の結果、スイカリプレイRP10、チェリーリプレイRP11、チャンスリプレイRP12の何れに当選したゲームにおいては、ボーナス役CB1〜CB7には当選しておらず、ルーレット演出を実行しなくても、特段の問題は生じない。このため、通常状態中の内部抽選処理の結果、スイカリプレイRP10、チェリーリプレイRP11、チャンスリプレイRP12の何れに当選したゲームにおいて、演出抑制モードにおいては、100%の確率で演出なしとしている。
【0096】
同様に、通常状態中の内部抽選処理の結果、通常リプレイRP10、6択リプレイRP1〜RP6の何れかに当選したゲームにおいて、通常演出モードにおいては、67%の確率で演出なし、10%の確率でルーレット演出ID:RR1、10%の確率でルーレット演出ID:RR2、5%の確率でルーレット演出ID:RR3、5%の確率でルーレット演出ID:RR4、1%の確率でルーレット演出ID:RR10、2%の確率でルーレット演出ID:RR11に対応するルーレット演出を実行すると決定されるが、演出抑制モードにおいては、100%の確率で演出なしとしている。
【0097】
また、通常演出モードにおいて、ART状態中の10G/20G/30Gの上乗せ時にそれぞれ実行されるルーレット演出ID:RR7に対応する「10G上乗せ演出」、ルーレット演出ID:RR8に対応する「20G上乗せ演出」、ルーレット演出ID:RR9に対応する「30G上乗せ演出」についても、演出抑制モードにおいては、100%の確率で演出なしとしている。
通常演出モードでの「10G上乗せ演出」、「20G上乗せ演出」及び「30G上乗せ演出」に関し、演出抑制モードにおいては、第3停止操作時に、7セグメント表示器200の変動表示を開始し、最終的に7セグメント表示器200に上乗せゲーム数を表示する7セグメント表示器200上での演出にて代用することとしている。
【0098】
一方で、仮に実行しなかった場合には、遊技進行上、遊技者に無用な不安や不信感を付与する虞があるルーレット演出については、演出抑制モードにおいても実行することとしている。
具体的には、通常状態中のBBグループ/RBグループの当選時に実行されるルーレット演出ID:RR5に対応する「WIN演出A」、及びルーレット演出ID:RR6に対応する「WIN演出B」がこれに相当する。
【0099】
以上説明したように、実行しなくても特段の問題が生じないルーレット演出としては、所謂「ガセ演出」に相当するルーレット演出が代表例として挙げられ、演出抑制モードにおいては、所謂「ガセ演出」に相当するルーレット演出の実行確率を通常演出モードよりも低下させることで、ルーレット演出の実行頻度を抑制している。加えて、実行しなかった場合には問題が生じ得るルーレット演出のうち、上述の上乗せ結果の報知に係るルーレット演出等、7セグメント表示器200上での演出で同等の効果が得られるものについては、7セグメント表示器200上での演出で代用することとしている。
これらの制御によって、演出抑制モードにおいては、ルーレット駆動モータ150が停止中とされる期間が通常演出モードよりも長くなり、結果として、モータ温度管理値が徐々に小さな値となり、やがて通常演出モードに復帰することになる。
【0100】
次に、演出禁止モードにおける、擬似ルーレット演出について説明する。
上述の如く、演出禁止モードでは、ルーレット本体110の回転動作によるルーレット演出は実行されず、該ルーレット演出に代えて、24個の内周LED171〜171の点滅制御による擬似ルーレット演出を実行する。
演出禁止モードにおいては、
図18を参照して説明した通常演出モードにおけるルーレット演出抽選仕様を共用し、ルーレット演出を実行するか否か、実行する場合にはルーレット演出IDを決定する。
次に、ルーレット演出テーブルを参照し、決定したルーレット演出IDに対応する演出内容を、24個の内周LED171〜171の点滅制御による擬似ルーレット演出の演出内容に変換して実行することとしている。
【0101】
例えば、現在のルーレット本体110の回転角度位置が1、ルーレット本体110の1番のコマ位置に対応する内周LED171が点灯状態とされ、他の23個の内周LED171〜171が消灯状態とされた状態で、実行すべきルーレット演出IDとしてRR1が選択された場合、第1停止操作を契機に、ルーレット本体110の2番のコマ位置に対応する内周LED171から、7番のコマ位置に対応する内周LED171を順に点灯状態から消灯状態とした後、最終的に、8番のコマ位置に対応する内周LED171を点灯状態とする擬似ルーレット演出を実行する。
このように、演出禁止モードでは、通常演出モードでのルーレット演出のルーレット本体110の回転動作を、24個の内周LED171〜171の点灯制御による光の動きに代えた演出を実行する。そして、最終的に点灯状態が維持される内周LED171に対応する、ルーレット本体110のコマ位置に付された意匠の内容によって、遊技関連情報の報知または示唆を行う。
【0102】
上述の通り、本スロットマシン1において、演出禁止モードは、ルーレット駆動モータ150の温度が設計時の想定を超えたと推測される場合にのみ選択される、保険的な意味合いの演出実行モードであるため、故障等の疑いがあるものの、このような場合であっても、ルーレット演出に代えて擬似ルーレット演出を実行することにより、遊技の進行に支障を来たさないように構成している。
【0103】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記実施例では、ルーレット演出を実行可能なルーレットユニット100を備えたスロットマシンについて説明したが、本発明は、スロットマシンに限らず、パチンコ機や、アミューズメント施設に設置されるゲーム装置にも適用可能である。
また、本発明は、その動作によって遊技関連情報を報知または示唆する可動演出を実行可能な可動体と、該可動体を駆動する駆動源とを備えていれば、可動体の種別にかかわらず、適用可能である。
大型のルーレット役物100を搭載し、ルーレット本体110の回転動作によるルーレット演出により種々の遊技関連情報を報知または示唆するスロットマシンにおいて、実行すべきルーレット演出IDに対応するルーレット演出の内容において、回転方向が任意に設定されるとともに、目標位置にコマ番号の指定がある場合に、現在のルーレット本体110の回転角度位置及び目標位置から、回転距離が短くなる回転方向にて、ルーレット本体110を回転させる。