【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、既設構造体が貫通する貫通孔を有し、前記既設構造体を囲った内部に粒状の放射線遮蔽材を充填して前記既設構造体を覆うケーシングを備え、
前記ケーシングに前記放射線遮蔽材の排出管を取り付けて、前記放射線遮蔽材を自然落下により外部へ排出可能
とし、
前記放射線遮蔽材を前記ケーシングに充填して前記ケーシングから水平方向に延出した前記排出管の管内に堆積したときの安息角をθとし、前記排出管の管径を前記放射線遮蔽材の斜辺長×sinθとしたとき、前記排出管の管長は前記放射線遮蔽材の斜辺長×cosθよりも短く設定し、
前記排出管は先端側を折り曲げ、前記ケーシングの接続面と直交する軸回りを回転可能とし、
前記ケーシングは、内部に充填した前記放射線遮蔽材の上面と接する内蓋を設け、
前記ケーシングは、前記既設構造体の底面と対向する底板と、前記底板から立設する柱及び前記柱の梁に接続して前記既設構造体の側面と対向する側板を有し、前記側板の一部は、前記ケーシングから着脱可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第1の手段によれば、ケーシングの内部に充填された放射線遮蔽材を排出管からケーシング外部へ自然落下により容易に排出することができる。これにより放射線遮蔽材で覆われていた既設構造体の点検作業を短時間かつ効率的に行うことができる。また放射線遮蔽材を再利用することができ設備コストの低廉化が図れる。
【0009】
上記課題を解決するための第2の手段として、本発明は、前記第1の手段において、前記放射線遮蔽材を前記ケーシングに充填して前記ケーシングから水平方向に延出した前記排出管の管内に堆積したときの安息角をθとしたとき、前記排出管の管径をsinθとし、前記排出管の管長はcosθよりも短く設定していることを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第2の手段によれば、ケーシング内部に充填された放射線遮蔽材が排出管内で詰まることなく、自然落下によって外部へ排出することができる。
【0010】
上記課題を解決するための第3の手段として、本発明は、前記第2の手段において、前記安息角θは10°〜20°の範囲に設定していることを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第3の手段によれば、ケーシング内部に充填された放射線遮蔽材が排出管内で詰まることなく、自然落下によって外部へ排出することができる。
【0011】
上記課題を解決するための第4の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記排出管は先端側を折り曲げ、前記ケーシングの接続面と直交する軸回りを回転可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第4の手段によれば、排出管を軸回りに回転させることにより、排出管の開閉動作を容易に行うことができ、かつ、放射線遮蔽材の排出と閉塞状態を容易に行うことができる。
【0012】
上記課題を解決するための第5の手段において、本発明は、前記第1ないし第4のいずれか1の手段において、前記ケーシングは、内部に充填した前記放射線遮蔽材の上面と接する内蓋を設けたことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第5の手段によれば、地震などの揺れに対して、ケーシング内部の放射線遮蔽材が波打ちして外部へ流出することを防止できる。
【0013】
上記課題を解決するための第6の手段において、本発明は、前記第1ないし第5のいずれか1の手段において、前記排出管は、先端側の外側面にリング状の段差を設けたことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第6の手段によれば、排出管の先端側に容易にホースを固定できる。また接続したホースが放射線遮蔽材の排出時に外れることを防止できる。
【0014】
上記課題を解決するための第7の手段において、本発明は、前記第1ないし第6のいずれか1の手段において、前記ケーシングは、前記既設構造体の底面と対向する底板と、前記底板から立設する柱及び前記柱の梁に接続して前記既設構造体の側面と対向する側板を有し、前記側板の一部は、前記ケーシングから着脱可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第7の手段によれば、既設構造体の点検時にケーシングの側板を容易に取り外すことができ、点検作業を容易かつ効率的に行うことができる。
【0015】
上記課題を解決するための第8の手段において、本発明は、前記第1ないし第7のいずれか1に記載の手段において、前記放射線遮蔽材は、直径が2mm〜5mmの鉛粒であることを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第8の手段によれば、充填され集合状態にある鉛粒の流動性が維持できケーシング内部から自然落下により容易に排出することができる。また、ケーシングと既設構造体との間の隙間(約1mmで最大でも3mm程度)から外部へ漏出することを防止でき、かつ、ケーシング内で実用上十分な均一性で充填することができ確実に放射線を遮蔽することができる。
【0016】
上記課題を解決するための第9の手段において、本発明は、
第1の手段の放射線遮蔽構造の前記
上蓋及び前記内蓋を取り外した後、排出管を
下向きに回転し解放して、内部の前記放射線遮蔽材を外部へ自然落下させる工程と、
点検する既設構造体の側面と対向する前記側板を取外し、ケーシングの内部に現れた既設構造体又は前記ケーシングの内部を点検する工程と、
点検後、前記排出管を
上向きに回転し閉塞して、前記ケーシング
全体に振動を与えながら前記ケーシングの内部に前記放射線遮蔽材を充填
した後、前記内蓋及び上蓋で覆う工程と、
を有することを特徴とする放射線遮蔽構造を用いた点検方法を提供することにある
上記第9の手段によれば、ケーシング内部へ粒状の放射線遮蔽材を充填又はケーシング内部から自然落下により排出することにより、既設構造体から放射線遮蔽材を容易に着脱することができる。このため既設構造体の点検作業を容易かつ効率的に行うことができる。