特許第6473934号(P6473934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6473934放射線遮蔽構造及びそれを用いた点検方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473934
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】放射線遮蔽構造及びそれを用いた点検方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 3/00 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
   G21F3/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-44358(P2016-44358)
(22)【出願日】2016年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-161290(P2017-161290A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2017年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】509328928
【氏名又は名称】株式会社日立プラントコンストラクション
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】新田 諭
(72)【発明者】
【氏名】秋山 和則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝之
(72)【発明者】
【氏名】長島 廣幸
【審査官】 道祖土 新吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−004776(JP,A)
【文献】 特開昭50−078793(JP,A)
【文献】 実開平02−083499(JP,U)
【文献】 実開昭59−171742(JP,U)
【文献】 特開2001−042088(JP,A)
【文献】 実開昭49−046200(JP,U)
【文献】 特開2013−079908(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0127451(US,A1)
【文献】 特公昭53−038499(JP,B1)
【文献】 実開昭50−096899(JP,U)
【文献】 特開平04−273098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設構造体が貫通する貫通孔を有し、前記既設構造体を囲った内部に粒状の放射線遮蔽材を充填して前記既設構造体を覆うケーシングを備え、
前記ケーシングに前記放射線遮蔽材の排出管を取り付けて、前記放射線遮蔽材を自然落下により外部へ排出可能とし、
前記放射線遮蔽材を前記ケーシングに充填して前記ケーシングから水平方向に延出した前記排出管の管内に堆積したときの安息角をθとし、前記排出管の管径を前記放射線遮蔽材の斜辺長×sinθとしたとき、前記排出管の管長は前記放射線遮蔽材の斜辺長×cosθよりも短く設定し、
前記排出管は先端側を折り曲げ、前記ケーシングの接続面と直交する軸回りを回転可能とし、
前記ケーシングは、内部に充填した前記放射線遮蔽材の上面と接する内蓋を設け、
前記ケーシングは、前記既設構造体の底面と対向する底板と、前記底板から立設する柱及び前記柱の梁に接続して前記既設構造体の側面と対向する側板を有し、前記側板の一部は、前記ケーシングから着脱可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造。
【請求項2】
請求項に記載の放射線遮蔽構造の前記上蓋及び前記内蓋を取り外した後、排出管を下向きに回転し解放して、内部の前記放射線遮蔽材を外部へ自然落下させる工程と、
点検する既設構造体の側面と対向する前記側板を取外し、ケーシングの内部に現れた既設構造体又は前記ケーシングの内部を点検する工程と、
点検後、前記排出管を上向きに回転し閉塞して、前記ケーシング全体に振動を与えながら前記ケーシングの内部に前記放射線遮蔽材を充填した後、前記内蓋及び上蓋で覆う工程と、
を有することを特徴とする放射線遮蔽構造を用いた点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力プラントにおける線量の高い配管などの既設構造体からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽構造及びそれを用いた点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントにおける線量の高い配管や、これを支持する構造物等の既設構造体は、通常、鉛などの放射線遮蔽物によって放射線を遮蔽して、作業者に作用する放射線量を低減している。
従来の既設構造体の放射線遮蔽物としては、鉛ブロック、鉄板、鉛入りマットなどを用いていた。
【0003】
既設構造体は安全性の確保や、経年劣化による亀裂、ボルトの緩みなどの不具合をなくすために定期的な検査を行う必要がある。この点検作業は既設構造体を目視、あるいは測定器によって検査するため、既設構造体から放射線遮蔽材を取り外さなければならない。
しかし、鉛ブロックを用いた放射線遮蔽構造は鉛溶接によって堅固に接続されており取り外すと変形してしまい再利用ができず、点検後の復旧作業において、新たに製作し直さなければならなかった。元々、放射線遮蔽構造は既設構造体の周囲を覆うように取り付ける構成のため高度な精度を要し、特に切断面の仕上げには隙間をなくすため高精度が必要となっていた。更に、溶接による取付けのため危険作業となり特別な作業者が必要となっていた。
【0004】
一方、鉄板を用いた放射線遮蔽物は、遮蔽効果を得るために板厚を厚くしなければならず、特に狭あい部への取付けが困難であった。
また、鉛入りマットを用いた放射線遮蔽物は取り付ける既設構造体との間に隙間が生じ易く、かつ、固定方法が困難であった。また、遮蔽効果を得るために幾層重ねとなりコスト高となっていた。
【0005】
そこで特許文献1に記載の放射線遮蔽方法は、容器内に流体と共に粒状をなす遮蔽材を供給するだけで、被遮蔽体を遮蔽可能な放射線遮蔽領域を容易に設置している。また容器内に流体を供給し粒状をなす遮蔽材を回収することができ、後処理工程が容易となり、遮蔽材の再利用を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−3016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1の開示の方法は、流体の供給にポンプと、流体の供給又は排出流路となる配管が必要となり、装置構成が複雑かつ大掛かりとなり、また、流体の漏れを生じる隙間が一切ない密閉性が求められコスト高となっていた。
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、既設構造体の放射線を遮蔽する放射線遮蔽物の設置又は除去を容易にし、既設構造体の点検作業を迅速に行うことができる放射線遮蔽構造及びそれを用いた点検方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、既設構造体が貫通する貫通孔を有し、前記既設構造体を囲った内部に粒状の放射線遮蔽材を充填して前記既設構造体を覆うケーシングを備え、
前記ケーシングに前記放射線遮蔽材の排出管を取り付けて、前記放射線遮蔽材を自然落下により外部へ排出可能とし、
前記放射線遮蔽材を前記ケーシングに充填して前記ケーシングから水平方向に延出した前記排出管の管内に堆積したときの安息角をθとし、前記排出管の管径を前記放射線遮蔽材の斜辺長×sinθとしたとき、前記排出管の管長は前記放射線遮蔽材の斜辺長×cosθよりも短く設定し、
前記排出管は先端側を折り曲げ、前記ケーシングの接続面と直交する軸回りを回転可能とし、
前記ケーシングは、内部に充填した前記放射線遮蔽材の上面と接する内蓋を設け、
前記ケーシングは、前記既設構造体の底面と対向する底板と、前記底板から立設する柱及び前記柱の梁に接続して前記既設構造体の側面と対向する側板を有し、前記側板の一部は、前記ケーシングから着脱可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第1の手段によれば、ケーシングの内部に充填された放射線遮蔽材を排出管からケーシング外部へ自然落下により容易に排出することができる。これにより放射線遮蔽材で覆われていた既設構造体の点検作業を短時間かつ効率的に行うことができる。また放射線遮蔽材を再利用することができ設備コストの低廉化が図れる。
【0009】
上記課題を解決するための第2の手段として、本発明は、前記第1の手段において、前記放射線遮蔽材を前記ケーシングに充填して前記ケーシングから水平方向に延出した前記排出管の管内に堆積したときの安息角をθとしたとき、前記排出管の管径をsinθとし、前記排出管の管長はcosθよりも短く設定していることを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第2の手段によれば、ケーシング内部に充填された放射線遮蔽材が排出管内で詰まることなく、自然落下によって外部へ排出することができる。
【0010】
上記課題を解決するための第3の手段として、本発明は、前記第2の手段において、前記安息角θは10°〜20°の範囲に設定していることを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第3の手段によれば、ケーシング内部に充填された放射線遮蔽材が排出管内で詰まることなく、自然落下によって外部へ排出することができる。
【0011】
上記課題を解決するための第4の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記排出管は先端側を折り曲げ、前記ケーシングの接続面と直交する軸回りを回転可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第4の手段によれば、排出管を軸回りに回転させることにより、排出管の開閉動作を容易に行うことができ、かつ、放射線遮蔽材の排出と閉塞状態を容易に行うことができる。
【0012】
上記課題を解決するための第5の手段において、本発明は、前記第1ないし第4のいずれか1の手段において、前記ケーシングは、内部に充填した前記放射線遮蔽材の上面と接する内蓋を設けたことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第5の手段によれば、地震などの揺れに対して、ケーシング内部の放射線遮蔽材が波打ちして外部へ流出することを防止できる。
【0013】
上記課題を解決するための第6の手段において、本発明は、前記第1ないし第5のいずれか1の手段において、前記排出管は、先端側の外側面にリング状の段差を設けたことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第6の手段によれば、排出管の先端側に容易にホースを固定できる。また接続したホースが放射線遮蔽材の排出時に外れることを防止できる。
【0014】
上記課題を解決するための第7の手段において、本発明は、前記第1ないし第6のいずれか1の手段において、前記ケーシングは、前記既設構造体の底面と対向する底板と、前記底板から立設する柱及び前記柱の梁に接続して前記既設構造体の側面と対向する側板を有し、前記側板の一部は、前記ケーシングから着脱可能なことを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第7の手段によれば、既設構造体の点検時にケーシングの側板を容易に取り外すことができ、点検作業を容易かつ効率的に行うことができる。
【0015】
上記課題を解決するための第8の手段において、本発明は、前記第1ないし第7のいずれか1に記載の手段において、前記放射線遮蔽材は、直径が2mm〜5mmの鉛粒であることを特徴とする放射線遮蔽構造を提供することにある。
上記第8の手段によれば、充填され集合状態にある鉛粒の流動性が維持できケーシング内部から自然落下により容易に排出することができる。また、ケーシングと既設構造体との間の隙間(約1mmで最大でも3mm程度)から外部へ漏出することを防止でき、かつ、ケーシング内で実用上十分な均一性で充填することができ確実に放射線を遮蔽することができる。
【0016】
上記課題を解決するための第9の手段において、本発明は、第1の手段の放射線遮蔽構造の前記上蓋及び前記内蓋を取り外した後、排出管を下向きに回転し解放して、内部の前記放射線遮蔽材を外部へ自然落下させる工程と、
点検する既設構造体の側面と対向する前記側板を取外し、ケーシングの内部に現れた既設構造体又は前記ケーシングの内部を点検する工程と、
点検後、前記排出管を上向きに回転し閉塞して、前記ケーシング全体に振動を与えながら前記ケーシングの内部に前記放射線遮蔽材を充填した後、前記内蓋及び上蓋で覆う工程と、
を有することを特徴とする放射線遮蔽構造を用いた点検方法を提供することにある
上記第9の手段によれば、ケーシング内部へ粒状の放射線遮蔽材を充填又はケーシング内部から自然落下により排出することにより、既設構造体から放射線遮蔽材を容易に着脱することができる。このため既設構造体の点検作業を容易かつ効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
上記構成による本発明によれば、既設構造体の放射線を遮蔽する放射線遮蔽材を容易に取付け又は取り外す作業を行うことができ、既設構造体の点検作業を短時間かつ効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の放射線遮蔽構造の構成概略を示す斜視図である。
図2】排出管の説明図である。
図3】放射線遮蔽構造を用いた既設構造体の点検方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の放射線遮蔽構造及びそれを用いた点検方法の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施形態の既設構造体とは、原子力プラントにおける線量の高い配管や、これを支持する架台などの構造物である。
【0020】
[放射線遮蔽構造10]
図1は本発明の放射線遮蔽構造の構成概略を示す斜視図である。図示のように、本発明の放射線遮蔽構造10は、ケーシング20と、放射線遮蔽材40を主な基本構成としている。
【0021】
[ケーシング20]
ケーシング20は、上面に開口を有し、この開口から後述する放射線遮蔽材40を充填する箱状の容器である。ケーシング20は、建屋の壁面などから水平方向に延出する支持架台上に取り付けている。ケーシング20は、底板22と、底板22から垂直方向に延出する柱23と、柱23に接続する梁24と、側板25を備えている。なお一部の側板25aは、柱23及び梁25と締結ボルトにより着脱可能な構成を採用している。図1に示す既設構造体12となる配管は建屋の壁面から水平方向に伸びるL鋼のサポート部材14上にUボルト16を用いて固定されている。ケーシング20は既設構造体12を覆う鉛ブロックと、サポート部材14が貫通する貫通孔21を側面に設けている。貫通孔21と、鉛ブロック及びサポート部材14との隙間は最大でも約3mm以内となるように製作される。
【0022】
このようなケーシング20は、貫通孔21に既設構造体12が挿通しており、既設構造体12の底面及び側面を覆う構成となる。そしてケーシング20の上面開口には上蓋26を設けて、内部には中蓋27を設けている。
上蓋26は側板25aと同様に、梁25と締結ボルトにより着脱可能な構成を採用し、既設構造体12の点検時や、放射線遮蔽材40を充填する際に取り外すことができる。
【0023】
内蓋27は、ケーシング20の内部に充填した放射線遮蔽材40の上面を覆う蓋となる。これにより地震などの揺れに対して、ケーシング20内部の放射線遮蔽材40が波打ちして外部へ流出することを防止できる。
側板25には排出管30が接続している。図2は排出管の説明図である。排出管30は、ケーシング20の内部に充填された放射線遮蔽材40を外部へ自然落下により排出するものであり、側板25の下方に取り付けている。
【0024】
排出管30は、側板25から水平方向に延出し、所定角度で先端側を折り曲げている。排出管30は側板25に対して軸心の軸回りを回転自在となるように取り付けている。本実施形態の排出管30は、軸心と直交方向に延出する回転レバー32を取り付けている。また側板25には回転レバー32が180度軸回りを回転可能な一対のストッパー34を取り付けている。このような構成の排出管30は、回転レバー32が一方のストッパー34に接触した状態のとき、先端開口が下向きとなる。一方、回転レバー32を180度回転させて他方のストッパー34に接触した状態のとき、先端開口が上向きとなる。
【0025】
また排出管30は、先端側の外側面にリング状の段差36を設けている。このような構成の排出管30は、先端側に容易にホースを固定できる。また接続したホースが放射線遮蔽材40の排出時に外れることを防止できる。
【0026】
本実施形態の排出管30の管径及び管長は以下のように設定している。
放射線遮蔽材40となる鉛粒を平面に積み上げた時に自発的に崩れることなく安定を保つ安息角をθとする。本実施形態の鉛粒の安息角θは、ケーシング20に放射線遮蔽材40を充填してケーシング20の側板25から水平方向に延出する排出管30の管内にも堆積して形成され、θ=10°〜20°となるように設定している。このときの排出管30の管径(直径)をsinθとしている。そして排出管30の管長(ケーシング20の側板25から排出管30を水平方向に延出させて先端側を折り曲げるまでの直線の長さ)はcosθよりも短く設定している。排出管30の管長がcosθよりも長くなると、管内の鉛粒が安息角θで安定した状態となり排出されない。一方、排出管30の管長がcosθよりも短くなると、管内に堆積した鉛粒の安息角θが形成されず安定せずに先端開口が下向きのとき外部へ自然落下により排出することができる。
なおケーシング20は材質に充填した放射線遮蔽材40の重量に耐えうる所定強度を備え、加工容易な鋼材などの金属性材料を用いることができる。
【0027】
[放射線遮蔽材40]
放射線遮蔽材40は、既設構造体12から照射される高線量の放射線を遮蔽可能とするものであり、一例として本実施形態では鉛粒を用いている。鉛粒は粒径を2mm〜5mm、好ましくは3mmに設定している。放射線遮蔽材40は、既設構造体12の放射線を遮蔽できるものであれば良く、ガンマ線、エックス線では鉄などを用いることができる。
【0028】
このような放射線遮蔽材40は、ケーシングと既設構造体との間の隙間(最大でも約3mm)から外部へ漏出することを防止でき、かつ、ケーシング内で実用上十分な均一性で充填することができ放射線を遮蔽することができる。
鉛粒は小さい程流動性が増すが、ケーシングの隙間から漏れ出す虞があり、最大隙間寸法の3mm程度が好ましい。
【0029】
[放射線遮蔽構造を用いた点検方法]
上記構成による放射線遮蔽構造を用いた既設構造体の点検方法について以下、説明する。
【0030】
図3は放射線遮蔽構造を用いた既設構造体の点検方法の説明図である。
同図(1)に示すように、既設構造体12に取り付けた放射線遮蔽構造10のケーシング20から上蓋26及び中蓋27を取り外す。
同図(2)に示すように、排出管30の先端にホース50を取り付けて、排出管30の先端が上向きから下向きとなるように回転レバーを回転させると開放状態となり、放射線遮蔽材40がホース50を介して自然落下しながら容器52に排出される。
【0031】
同図(3)に示すように、ケーシング20内部の放射線遮蔽材を除去した後、一部の側板25aを取り外すとケーシング20から既設構造体12が露出し、既設構造体12の点検作業を行う。
同図(4)に示すように、点検作業の終了後、側板25aを取り付けて、排出管30の先端を下向きから上向きとなるように軸回りを回転させると閉塞状態となる。そして内部に充填されていた放射線遮蔽材40を再度ケーシング20の上面開口から充填する。この際、ケーシング20全体に振動を与えるなどして、放射線遮蔽材40が隙間なく充填されるようにすると良い。
【0032】
同図(5)に示すように、放射線遮蔽材40の充填後、中蓋27で放射線遮蔽材40の上面を覆い、さらに上蓋26でケーシング20の上面開口を閉じることにより、既設構造体12の放射線が遮蔽されて点検作業が終了する。
このような本発明の放射線遮蔽構造を用いた既設構造体の点検方法によれば、既設構造体の放射線を遮蔽する放射線遮蔽材を容易に取付け又は取り外す作業を行うことができ、既設構造体の点検作業を短時間かつ効率的に行うことができる。また点検後の放射線遮蔽材は再度ケーシングに充填して再利用することができる。また、既設構造体の放射線を遮蔽する放射線遮蔽材の重量をケーシングで受けることにより、既設構造体に係る放射線遮蔽材の重量負担を軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の放射線遮蔽構造及びそれを用いた点検方法は、特に原子力プラントなど高線量の既設構造体の点検作業時において特に産業上利用できる。
【符号の説明】
【0034】
10………放射線遮蔽構造、12………既設構造体、14………サポート部材、16………Uボルト、20………ケーシング、21………貫通孔、22………底板、23………柱、24………梁、25………側板、26………上蓋、27………中蓋、30………排出管、32………回転レバー、34………ストッパー、40………放射線遮蔽材、50………ホース、52………容器。
図1
図2
図3