特許第6473947号(P6473947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473947
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】車両用多目的キャリア
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/10 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
   B60R9/10
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-524268(P2018-524268)
(86)(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公表番号】特表2018-534207(P2018-534207A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】KR2016009681
(87)【国際公開番号】WO2017086579
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2018年5月29日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0162608
(32)【優先日】2015年11月19日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516337917
【氏名又は名称】ユン,イル シク
(73)【特許権者】
【識別番号】517308518
【氏名又は名称】ユン,ジュン チャン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ユン,イル シク
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジュン チャン
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1550168(KR,B1)
【文献】 実開昭52−021652(JP,U)
【文献】 特開昭51−104734(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/163400(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/099386(WO,A1)
【文献】 国際公開第00/047450(WO,A1)
【文献】 米国特許第05628440(US,A)
【文献】 米国特許第04358037(US,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02404549(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に自転車、スキー、スノーボード、その他の貨物を載せて運ぶための車両用多目的キャリアであって、
水平に配置される基礎支持棒、
前記基礎支持棒に回転可能に連結され、車両のトランク裏面に支持され、一端部に緩衝材が挟まれた一つまたは二つの垂直サポート、
前記垂直サポートと固定された角度をなすように基礎支持棒に回転可能に連結され、車両のトランク上面に支持され、トランク上面に当たる部分に一つ以上の緩衝材が取り付けられる水平サポート、
前記基礎支持棒に回転可能に連結され、基礎支持棒反対側の一端部に自動車の後方ガラスに支持される回転ホイールが設けられ、全体的にU形状をなし、前記水平サポートより長い長さを持って貨物を支えるための貨物マウント、
前記水平サポートと貨物マウントとの間に位置し、貨物マウントに回転可能に連結され、水平サポートと貨物マウントの角度を固定するための角度固定ロッド、
前記水平サポートにスライド可能に設けられ、角度固定ロッドを支持して水平サポートと貨物マウントの角度を調節するための角度固定ロッドサポート、
前記基礎支持棒の両側にスライド可能に設けられ、自転車の両ハンドルを固定するための2個のハンドル固定具、
前記貨物マウントをなす両側の平行した支持棒のいずれか一方や両方にスライドと回転が可能に設けられ、一端部に自転車フレームを固定するためのロック具が取り付けられ、自転車のいずれか一つのフレームを固定するための自転車フレーム固定ロッド、
前記垂直サポートと水平サポートそれぞれの一端部に設けられ、固定ストラップを嵌めるクリップ、
前記貨物マウントの両支持棒にスライド可能に設けられ、貨物マウントの両支持棒を横切る水平ロッドを備えたストッパー、および
前記ストッパーに回転可能に設けられ、全体的に貨物マウントより短い長さのU形状をなし、前記ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造の貨物スタンドを含み、
前記2個のクリップとその他の必要なところに固定ストラップを連結し、該固定ストラップを車両に固定して堅固に引き締めた後、自転車のサドルを支持棒に載せた状態で自転車を逆さまにして自転車フレームを自転車フレーム固定ロッドに固定し、自転車の両ハンドルを2個のハンドル固定具に各々固定して車両に自転車を固定するか、または貨物スタンドを立てて貨物を貨物スタンドに固定して車両で運ぶことを特徴とする車両用多目的キャリア。
【請求項2】
自転車、スキー、スノーボード、その他の貨物を載せて運ぶための車両用多目的キャリアであって、
水平に配置される基礎支持棒、
車両トランク表面に間隔をおいて基礎支持棒に直角に固定される線形サポート、
前記基礎支持棒に回転可能に連結され、基礎支持棒反対側の一端部に自動車の後方ガラスに支持される回転ホイールが設けれ、全体的にU形状をなし、前記線形サポートより長い長さを持って貨物を支えるための貨物マウント、
前記線形サポートと貨物マウントとの間に位置し、貨物マウントに回転可能に連結され、線形サポートと貨物マウントの角度を固定するための角度固定ロッド、
前記線形サポートにスライド可能に設けられ、角度固定ロッドを支持して線形サポートと貨物マウントの角度を調節するための角度固定ロッドサポート、
前記基礎支持棒の両側にスライド可能に設けられ、自転車の両ハンドルを固定するための2個のハンドル固定具、
前記貨物マウントをなす両側の平行した支持棒のいずれか一方や両方にスライドと回転が可能に設けられ、一端部に自転車フレームを固定するためのロック具が取り付けられ、自転車のいずれか一つのフレームを固定するための自転車フレーム固定ロッド、
前記貨物マウントの両支持棒にスライド可能に設けられ、貨物マウントの両支持棒を横切る水平ロッドを備えたストッパー、および
前記ストッパーに回転可能に設けられ、全体的に貨物マウントより短い長さのU形状をなし、前記ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造の貨物スタンドを含み、
自転車のサドルを支持棒に載せた状態で自転車を逆さまにして自転車フレームを自転車フレーム固定ロッドに固定し、自転車の両ハンドルを2個のハンドル固定具に各々固定して車両に自転車を固定するか、または貨物スタンドを立てて貨物を貨物スタンドに固定して車両で運ぶことを特徴とする車両用多目的キャリア。
【請求項3】
前記ストッパーと一定間隔をおいて同一の構造と機能の第2ストッパーが貨物マウントに設けられ、前記第2ストッパーに回転可能に設けられ、第2ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造のL型ボードスタンドをさらに含み、スノーボードを立ててボードスタンドに置いた後、直立した状態の貨物スタンドの内部空間にスノーボードを嵌めて固定することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用多目的キャリア。
【請求項4】
前記貨物マウントの両フレームそれぞれの端部の部分に回転可能に設けられ、緩衝材からなり、貨物を積載する時垂直に固定できる支持具をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用多目的キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用多目的キャリアに関し、具体的には、自転車、スキー、スノーボード、その他の貨物を安全に固定し運ぶための車両用多目的キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用自転車キャリアは2種類がある。
【0003】
図1〜2は従来の車両用自転車キャリアを示す側面図と背面図であって、図1は車両のルーフに設置される自転車キャリアを、図2は車両の後側に設置される自転車キャリアを各々示す。
【0004】
図1に示すように車両のルーフに自転車を支持した場合、車両上に自転車を積載するのが難しく、車両の走行中に空気抵抗を多く受けて車両の燃費が減少することは勿論、空気抵抗による騒音も激しく、自転車の重心が高くて積載状態が不安であり、揺れが激しい場合には自転車が離脱し、また、走行中に運転者が自転車の積載状態を確認するのが難しいという問題がある。
【0005】
図2に示すような後面積載の場合、自転車重さが車両の後尾に集まって車両の損傷と燃費減少の恐れがあり、自転車がナンバープレートと尾灯を遮って安全運転を阻害し、また走行中に運転者が自転車の積載状態を確認することができず、走行中は勿論、自転車の設置中に自転車が車両に接触して自転車と車両が損傷するという問題がある。
【0006】
図3は、本出願人によって2015年1月12日(出願番号2015−0004144)に出願されて韓国登録特許第1550168号公報に登録された車両用自転車キャリアであり、上記の問題点を改善して、自転車を車両後方のトランク上側に逆さまに設置し、車両と自転車の接触を防止して車両と自転車の接触による損傷を防止することは勿論、できるだけ自転車による空気抵抗を減らして車両燃費を保全するようにし、車両の走行中にも運転者が自転車の積載状態を確認できるようにし、車両尾灯とナンバープレートを遮らないようにした発明であるが、その構造が複雑で製作費用が多くかかり、自転車のみを固定することができるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第1550168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の車両用自転車キャリアのこのような問題点を考慮して導き出されたものであり、自転車を車両後方のトランク上側に逆さまに設置し、車両と自転車の接触を防止して車両と自転車の接触による損傷を防止することは勿論、できるだけ自転車による空気抵抗を減らして車両燃費を保全するようにし、車両の走行中にも運転者が自転車の積載状態を確認できるようにし、車両尾灯とナンバープレートを遮らないようにし、且つ、その構造が本出願人の韓国登録特許第1550168号公報に比べて非常に簡単であり、製作費用を節減することは勿論、自転車以外にスノーボードと他の貨物も積載できる車両用多目的キャリアを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明は、自転車、スキー、スノーボード、その他の貨物を載せて運ぶための車両用多目的キャリアであって、水平に配置される基礎支持棒10、前記基礎支持棒10に回転可能に連結され、車両のトランク裏面に支持され、一端部に緩衝材22が挟まれた一つまたは二つの垂直サポート20、前記垂直サポート20と固定された角度をなすように基礎支持棒10に回転可能に連結され、車両のトランク上面に支持され、トランク上面に当たる部分に一つ以上の緩衝材34が取り付けられる水平サポート30、前記基礎支持棒10に回転可能に連結され、基礎支持棒反対側の一端部に自動車の後方ガラスに支持される回転ホイール48が設けられ、全体的にU形状をなし、前記水平サポート30より長い長さを持って貨物を支えるための貨物マウント40、前記水平サポート30と貨物マウント40との間に位置し、貨物マウント40に回転可能に連結され、水平サポートと貨物マウントの角度を固定するための角度固定ロッド50、前記水平サポート30にスライド可能に設けられ、角度固定ロッド50を支持して水平サポート30と貨物マウント40の角度Aを調節するための角度固定ロッドサポート55、前記基礎支持棒10の両側にスライド可能に設けられ、自転車の両ハンドル110を固定するための2個のハンドル固定具60、前記貨物マウント40をなす両側の平行した支持棒42、44のいずれか一方や両方にスライドと回転が可能に設けられ、一端部に自転車フレームを固定するためのロック具72が取り付けられ、自転車のいずれか一つのフレーム120を固定するための自転車フレーム固定ロッド70、前記垂直サポート20と水平サポート30それぞれの一端部に設けられ、固定ストラップを嵌めるクリップ80、前記貨物マウント40の両支持棒にスライド可能に設けられ、貨物マウントの両支持棒を横切る水平ロッドを備えたストッパー90、および前記ストッパー90に回転可能に設けられ、全体的に貨物マウントより短い長さのU形状をなし、前記ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造の貨物スタンド92を含み、前記2個のクリップ80とその他の必要なところに固定ストラップを連結し、この固定ストラップを車両に固定して堅固に引き締めた後、自転車のサドルを支持棒42、44に載せた状態で自転車100を逆さまにして自転車フレーム120を自転車フレーム固定ロッド70に固定し、自転車の両ハンドル110を2個のハンドル固定具60に各々固定して車両に自転車を固定するか、または貨物スタンド92を立てて貨物を貨物スタンドに固定して車両で運ぶことができるようにする車両用多目的キャリアを提供する。
【0010】
また、本発明は、自転車、スキー、スノーボード、その他の貨物を載せて運ぶための車両用多目的キャリアであって、水平に配置される基礎支持棒10、車両トランク表面に間隔をおいて基礎支持棒に直角に固定される線形サポート30−1、前記基礎支持棒10に回転可能に連結され、基礎支持棒反対側の一端部に自動車の後方ガラスに支持される回転ホイール48が設けられ、全体的にU形状をなし、前記線形サポート30−1より長い長さを持って貨物を支えるための貨物マウント40、前記線形サポート30−1と貨物マウント40との間に位置し、貨物マウント40に回転可能に連結され、線形サポートと貨物マウントの角度を固定するための角度固定ロッド50、前記線形サポート30−1にスライド可能に設けられ、角度固定ロッド50を支持して線形サポート30−1と貨物マウント40の角度Aを調節するための角度固定ロッドサポート55、前記基礎支持棒10の両側にスライド可能に設けられ、自転車の両ハンドル110を固定するための2個のハンドル固定具60、前記貨物マウント40をなす両側の平行した支持棒42、44のいずれか一方や両方にスライドと回転が可能に設けられ、一端部に自転車フレームを固定するためのロック具72が取り付けられ、自転車のいずれか一つのフレーム120を固定するための自転車フレーム固定ロッド70、前記貨物マウント40の両支持棒にスライド可能に設けられ、貨物マウントの両支持棒を横切る水平ロッドを備えたストッパー90、および前記ストッパー90に回転可能に設けられ、全体的に貨物マウントより短い長さのU形状をなし、前記ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造の貨物スタンド92を含み、自転車のサドルを支持棒42、44に載せた状態で自転車100を逆さまにして自転車フレーム120を自転車フレーム固定ロッド70に固定し、自転車の両ハンドル110を2個のハンドル固定具60に各々固定して車両に自転車を固定するか、または貨物スタンド92を立てて貨物を貨物スタンドに固定して車両で運ぶことができる車両用多目的キャリアも提供する。
【0011】
本発明において、ストッパー90と一定間隔をおいて同一の構造と機能の第2ストッパー90−1が貨物マウント40に設けられ、前記第2ストッパー90−1に回転可能に設けられ、第2ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造のL型ボードスタンド94をさらに含み、スノーボードを立ててボードスタンド94に置いた後、直立した状態の貨物スタンド92の内部空間にスノーボードを嵌めて固定してもよい。
【0012】
また、本発明のキャリアは、貨物マウント40の両フレーム42、44それぞれの端部の部分に回転可能に設けられ、緩衝材からなり、貨物を積載する時に必要により垂直に固定できる支持具46をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0013】
このように構成された本発明の車両用多目的キャリアによれば、自転車などの荷物を車両後方のトランク上側に容易に設置し、車両の走行中にも運転者が貨物の積載状態を確認することができ、車両尾灯とナンバープレートを遮らないので安全運転に役に立ち、貨物の積載状態でも車両のトランクを思い通りに開閉することができるため、運転者の便宜性を害せず、且つ、従来に比べてキャリアの構造が簡単であり、製作と設置が遥かに便利である。
【0014】
また、キャリアを車両に固定して盗難を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の車両用自転車キャリアを示す図であって、車両のルーフに設置される自転車キャリアを示す側面図と背面図である。
図2】従来の車両用自転車キャリアを示す図であって、車両の後側に設置される自転車キャリアを示す側面図と背面図である。
図3】3Aおよび3Bは本出願人の従来の車両用自転車キャリアに自転車が積載された状態の自動車の側面図と背面図である。
図4】本発明に係る車両用多目的キャリアの分解斜視図である。
図5図3の主要部の分解斜視図である。
図6】本発明の多目的キャリアに自転車を設置した状態の斜視図である。
図7】本発明の多目的キャリアに一般貨物を載せて固定した状態の斜視図である。
図8】スノーボードを固定した実施形態の斜視図である。
図9】9A〜9Cは一般貨物、自転車、スノーボードを運ぶ場合の本発明の多目的キャリアを自動車に2個設置した状態の側面図と背面図である。
図10】角度固定ロッドとサポートを用いて貨物マウントの角度を調整する例を示す側面図である。
図11】本発明の他の実施形態を示す斜視図とD部分の拡大図である。
図12図11のキャリア2台を並んで設置した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図4は本発明に係る車両用多目的キャリアの分解斜視図であり、図5図3の主要部の分解斜視図である。
【0017】
図示されたように、本発明の多目的キャリアは、車両に自転車、スキー、スノーボード、その他の貨物を載せて運ぶためのものであり、水平に配置される基礎支持棒10を中心に構成される。直線型バー形態の垂直サポート20が基礎支持棒10にスライドおよび回転可能に連結される。具体的には、図面に示すように、基礎支持棒10に雌結合形態のブラケットが設けられ、このブラケットに垂直サポート20を嵌めることだけすれば結合されるようにすることが好ましい。この垂直サポート20は設置された状態で車両のトランク裏面に支持され、この時、車両表面の損傷を防止するために一端部に衝撃吸収や弾性機能を有する緩衝材22を嵌めることが好ましい。垂直サポート20は設置形態に応じて1個または2個であってもよい。例えば、キャリアを一つのみ使用する場合には安定のために垂直サポート20が2個であることが好ましく、複数台のキャリアを並列に配置して使用する場合には垂直サポート20が1個のみあってもよい。それについては後ほど詳しく説明する。
【0018】
垂直サポート20と一定に固定された角度をなすように基礎支持棒10に、具体的には、前述したブラケットに直線型バー形態の水平サポート30が結合される。水平サポート30は垂直サポート20と一定角度をなして回転可能であり、設置された状態で車両のトランク上面に支持されるため、トランク上面の損傷を防止するために車両表面と当たる部分に一つ以上の緩衝材34を嵌めることが好ましい。
【0019】
また、基礎支持棒10に、具体的には、前述したブラケットに全体的にU形態を持って長尺の貨物マウント40が回転可能に結合される。貨物マウント40の基礎支持棒10反対側の一端部には緩衝材からなる回転ホイール48が設けられる。貨物マウント40の長さは水平サポート30より長くなければならない。後ほど詳しく説明するが、貨物マウント40は自転車、スノーボード、その他の貨物を支える役割をする。
【0020】
水平サポート30と貨物マウント40との間に位置し、貨物マウント40に回転可能に角度固定ロッド50を連結し、角度固定ロッド50は、貨物マウント40の両支持棒42、44に回転可能に連結され、U形状を有するものであり、後述するように水平サポートと貨物マウントの角度を調節および固定するためのものである。
【0021】
水平サポート30にスライド可能に角度固定ロッドサポート55が設けられる。後述するように、このサポート55には窪んだ溝が形成されおり、この溝に角度固定ロッド50が噛み合った状態で、サポート55が水平サポート30に沿って動けば、貨物マウント40を所望の角度に調整することができる。
【0022】
基礎支持棒10の両側に2個のハンドル固定具60がスライド可能に設けられ、このハンドル固定具60に自転車の両ハンドル110を固定することができる。自転車ハンドルを固定した後に引き締めて固定することさえできれば、ハンドル固定具60はいかなる構造を取ってもよい。
【0023】
貨物マウント40をなす両側の平行した支持棒42、44のいずれか一方や両方にスライドと回転が可能な自転車フレーム固定ロッド70が設けられ、一端部に自転車フレームを固定するためのペンチ状のロック具72が取り付けられている。自転車フレームを堅固に引き嵌めることさえできれば、ロック具72はペンチ以外の他の構造を有してもよい。また、垂直サポート20と水平サポート30それぞれの一端部には、自転車やその他の貨物を堅固に縛って固定するための固定ストラップを嵌めるクリップ80が設けられることが好ましい。貨物マウント40の両支持棒にスライド可能にストッパー90が設けられる。図5に詳しく示すように、このストッパー90は貨物マウントの両支持棒を横切る水平ロッドを備える。ストッパー90は、貨物マウント40に沿って移動可能であり、両側に設けられたネジなどを用いて固定されることができる。このストッパー90には貨物スタンド92が回転可能に設けられる。貨物スタンド92は全体的に貨物マウントより短い長さのU形状を有し、回転した状態で、具体的には、直立した状態でストッパー90の水平ロッドにかかって回転が止まる構造である。
【0024】
このように構成された多目的キャリアの使用例について説明する。
【0025】
図6は、本発明の多目的キャリアに自転車を設置した状態の斜視図である。図示されたように、自転車100を逆さまにして自転車フレーム120を自転車フレーム固定ロッド70で固定し、自転車の両ハンドル110を2個のハンドル固定具60に各々固定してキャリアに自転車を固定することができる。
【0026】
図7は、本発明の多目的キャリアに一般貨物を載せて固定した状態の斜視図である。図示されたように、この場合、貨物スタンド92を立てて、貨物を貨物スタンドに固定する。必要により、幾つかのストラップを用いてキャリアに貨物を堅固に固定することができる。
【0027】
一方、図4〜5によれば、ストッパー90と一定間隔をおいて同一の構造と機能の第2ストッパー90−1を貨物マウント40に設け、第2ストッパー90−1にL型ボードスタンド94を回転可能に設けることもできる。ボードスタンド94は第2ストッパーの水平ロッドにかかって回転が止まる構造であり、この実施形態はスノーボードを設置するためのものである。
【0028】
図8は、スノーボードを固定した実施形態の斜視図である。この場合、ボードスタンド94を直角に立て、スノーボード130を立ててボードスタンド94に置いた後、直立した状態の貨物スタンド92の内部空間にスノーボードを嵌めて固定することができ、図示されたように、スノーボードを2個嵌めることができる。勿論、スノーボードの代わりにまたはスノーボードと共にスキーも運ぶことができる。
【0029】
再び図4〜5を参照すれば、貨物マウント40の両フレーム42、44それぞれの端部の部分に緩衝材からなる支持具46を回転可能に設けることが好ましい。非常に重い貨物を積載する時には荷重を支持する手段がさらに必要となり、この支持具46はそのためのものであり、普段には水平に折り畳んで置き、必要時に垂直に固定することができる。垂直状態の両支持具46が車両表面に支持されて重い貨物も支えることができる。
【0030】
このように構成された本発明の多目的キャリアは単独で使用してもよいが、2個以上並んで設置して多数の物や重い貨物を運ぶこともできる。図9は、このような実施形態を示す。
【0031】
図9Aは一般貨物、9Bは自転車、9Cはスノーボードを運ぶ場合の本発明の多目的キャリアを自動車に2個設置した状態の側面図と背面図である。
【0032】
図示されたように、2個のキャリアを並んで設置した状態で、重い貨物や2台の自転車や2対のスノーボードを容易に運ぶことができる。
【0033】
必要であれば、重い貨物を運ぶ時、2台のキャリアを横切って貨物をさらに支持するための水平スタンドをさらに設けることができるが、それに関する詳しい説明は省略する。
【0034】
図10は、角度固定ロッド50とサポート55を用いて貨物マウント40の角度を調整する例を示す側面図である。
【0035】
図11は、本発明の他の実施形態を示す斜視図とD部分の拡大図である。
【0036】
この実施形態においては、前述した実施形態の垂直サポート20を使用せず、水平サポート30の代わりに2個の線形サポート30−1をトランク上面に固定したことだけ差があり、残りの構造は同様である。すなわち、車両トランク表面に間隔をおいて基礎支持棒に直角に線形サポート30−1を固定する。この線形サポート30−1に前述した角度固定ロッドサポート55をスライド可能に固定する。線形サポート30−1をトランク表面に固定するための固定手段33に形成された孔に基礎支持棒10が挿入されて固定される。この実施形態は、前述した実施形態の垂直サポート20が不要であり、また、キャリアを固定するための別途の固定ストラップも用いる必要がなく、車両表面に堅固に固定されて安定性がさらに大きいという点で有利である。
【0037】
図12はこのような構造の2台のキャリアを並んで設置した状態の斜視図であり、キャリアに自転車、スノーボードまたはその他の貨物を積載する方法は前述した実施形態と同様である。このような構造の実施形態においては、線形サポート30−1が車両に結合されているため、キャリアの盗難も防止することができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12