【実施例】
【0040】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。光学活性2−メチルピペラジンを例に挙げて以下に説明する。
【0041】
光学活性2−メチルピペラジンの化学純度の測定
光学活性2−メチルピペラジンの化学純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて実施した。分析条件は以下の通りである。
【0042】
機種 島津G C − 1 7A
カラム InertCap - 1 0.25m mφ × 60m
ヘリウム流量 50 ml/ min.
カラム温度 70 ℃(10m i n .)→(+20℃/min.)→270℃(10min.)
注入口温度 230℃
検出器温度 230℃
検出器 F I D
注入量 1.0μl
保持時間 2 − メチルピペラジン 10.2min. 。
【0043】
光学活性2−メチルピペラジンの光学純度の測定
得られた結晶中の光学活性2−メチルピペラジンの光学純度の測定は、液体クロマトグラフィーにより行い、R−体ピークとS−体ピークの面積比から算出した。S体が選択的に生成する場合は、次式にしたがって
光学純度(%e.e.)=(S体ピークの面積値−R体ピークの面積値)/(S体ピークの面積値+R体ピークの面積値)×100
算出した。
【0044】
分析条件は以下の通りである。
【0045】
機種 島津LC−10Vp
カラム Mightysil RP18GP,4.6mm×15cm(関東化学)
移動相 0.03%アンモニア水(酢酸でpH4.7に調製)/アセトニトリル=67/33(v/v)
流量 1.0ml/min.
温度 40℃
検出器 UV(243nm)
注入量 サンプル調製液 5.0μl
サンプル調製 50mlメスフラスコに光学活性2−メチルピペラジンの結晶を約40mg量りとり、アセトニトリルでメスフラスコ標線まで希釈した。その内の0.1mlを2mlサンプル瓶に採取し、0.8%O,O’−p−ジトルオイル−L−酒石酸無水物のアセトニトリル溶液0.5mlを加えて、50℃の温浴中で1時間静置した。最後に0.05%リン酸水0.1mlを加え、室温下で10分間静置した。
【0046】
(参考例1)
温度計、バキュームスターラー、冷却管を装着した2Lの4つ口フラスコに、L−酒石酸270g(1.8mol)、酢酸108g(1.8mol)、水270gを加え、完全溶解させた。次いで、(±)−2−メチルピペラジン300g(3.0mol)、水300gを加え、反応液を85℃以上加熱して、完全溶解させた。次いで、68〜74℃まで冷却し、(R)−2−メチルピペラジンとL−酒石酸のジアステレオマー塩を加えて結晶を析出させ、その温度で1時間熟成させた。その後、5時間かけて12〜18℃まで冷却し、析出結晶をろ過し、湿体のジアステレオマー塩 440g、含液率 22.7wt%、光学純度 92.3%e.e.、仕込み(±)−2−メチルピペラジン中のR体に対する取得塩中のR体収率は、88%であった。
【0047】
次に、2Lの4つ口フラスコに644gの水を仕込み、得られた結晶 440g((R)−2−メチルピペラジン純分=132g)を添加した。さらに、水酸化カルシウム162g(2.2mol)を添加、その後80℃まで加熱して、その温度で5時間熟成した。25℃まで2時間かけて冷却し、析出結晶を濾別して、586gの湿体結晶(主にL−酒石酸カルシウム)を除去した。濾液660gを取得し、濾液中にL−酒石酸と遊離した(R)−2−メチルピペラジンが130g存在した。
【0048】
(実施例1)
温度計、バキュームスターラー、冷却管を装着した1Lの4つ口フラスコに、参考例1で取得した濾液330g(濾液中の(R)−2−メチルピペラジン65g)を減圧下で濃縮し、(R)−2−メチルピペラジンの濃度が30%になるまで水を留去した。次いで、濃縮液にトルエン 356gを加え、混合溶液を加熱して、常圧下、84〜87℃で水とトルエンを共沸させて、水を除いた。次いで、減圧下にてトルエン212gを留去した。濃縮液を47℃まで冷却し、(R)−2−メチルピペラジン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、47℃で1時間熟成した。0〜5℃まで5時間かけて冷却し、0〜6℃で2時間熟成した。析出した結晶を減圧ろ過にて取り出し、真空乾燥し、結晶体の(R)−2―メチルピペラジンを45g取得した。得られた結晶体の(R)−2−メチルピペラジンの品質は、化学純度100%、光学純度 99.5%e.e.であり、仕込み濾液中の(R)−2−メチルピペラジンに対する取得結晶のR体収率は69%であった。
【0049】
図1に、参考例1から実施例1までの工程を図示した。最初の晶析(「1晶析」と記載した)から最後の晶析(「晶析」と記載した)まで6工程であった。比較例2の工程に比較して、工程が短く、取り扱いの容易な性状の良い光学活性2−メチルピペラジンを取得できた。
【0050】
(実施例2)
温度計、バキュームスターラー、冷却管を装着した1Lの4つ口フラスコに、参考例1で取得した濾液330g(濾液中の(R)−2−メチルピペラジン65g)を減圧下で濃縮し、(R)−2−メチルピペラジンの濃度が30%になるまで水を留去した。次いで、濃縮液にシクロペンチルメチルエーテル 356gを加え、混合溶液を加熱して、常圧下、84〜87℃で水とシクロペンチルメチルエーテルを共沸させて、水を除いた。次いで、減圧下にてシクロペンチルメチルエーテル205gを留去した。濃縮液を47℃まで冷却し、(R)−2−メチルピペラジン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、47℃で1時間熟成した。0〜5℃まで5時間かけて冷却し、0〜6℃で2時間熟成した。析出した結晶を減圧ろ過にて取り出し、真空乾燥し、結晶体の(R)−2―メチルピペラジンを44g取得した。得られた結晶体の(R)−2−メチルピペラジンの品質は、化学純度100%、光学純度 99.6%e.e.であり、仕込み濾液中の(R)−2−メチルピペラジンに対する取得結晶のR体収率は68%であった。
【0051】
(実施例3)
温度計、バキュームスターラー、ディーンスターク装置を装着した1Lの4ツ口フラスコに、33%(S)−2−メチルピペラジン水溶液 300.0g((S)−2−メチルピペラジン 100.0g、品質:化学純度 99.9%、光学純度80.0%e.e.)を仕込んだ。次いで、トルエン586.0g(5.86wt倍/(S)−2−メチルピペラジン)を加えて撹拌した。溶液を加熱して、常圧下、84〜87℃で水とトルエンを共沸させて、水のみを除いた。次いで、減圧下にてトルエン286gを留去した。濃縮液を43〜50℃まで冷却し、(S)−2−メチルピペラジン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、43〜50℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で2時間熟成した。析出した結晶を減圧ろ過にて取り出し、真空乾燥し、結晶体の(S)−2―メチルピペラジンを66.8g取得した(収率67%)。得られた結晶体の(S)−2−メチルピペラジンの品質は、化学純度100%、光学純度 99.4%e.e.であった。
【0052】
(比較例1)
温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた1Lの4つ口フラスコに、33%(S)−2−メチルピペラジン水溶液 300.0g((S)−2−メチルピペラジン 100.0g(1.0mol)、品質:化学純度 99.9%、光学純度80.0%e.e.)を仕込み、濃縮、蒸留して(S)−2−メチルピペラジン13.3g(0.13モル)を得た。(収率:13%)得られた(S)−2−メチルピペラジンは固化して塊状であった。塊状物の(S)−2−メチルピペラジンを完全溶融させて、サンプリングを行い、(S)−2−メチルピペラジンの分析評価を行った。(S)−2−メチルピペラジンの品質は、化学純度99.9%、光学純度 80.0%e.e.で純度は変わらず、水分が約10%含まれていた。
【0053】
(実施例4)
温度計、バキュームスターラー、冷却管を装着した1Lの4ツ口フラスコに、30%(S)−2−メチルピペラジン水溶液 500.0g((S)−2−メチルピペラジン 150.0g、品質:化学純度 99.9%、光学純度99.7%e.e.)を仕込んだ。次いで、トルエン525.1g(3.5wt倍/(S)−2−メチルピペラジン)を加えて撹拌した。溶液を48℃、147mmHgで減圧濃縮し、501.3gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層56.0gを除去し、トルエン層445.3gは濃縮液と混合した。
【0054】
次いで、溶液を48℃、136〜138mmHgで減圧濃縮し、535.0gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層61.9gを除去し、トルエン層473.1gは濃縮液と混合した。
【0055】
次いで、トルエン100g(0.7wt倍/(S)−2−メチルピペラジン)を加えて撹拌した。溶液を47℃、137mmHgで減圧濃縮し、565.8gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層64.8gを除去し、トルエン層501.0gは濃縮液と混合した。
【0056】
次いで、溶液を48℃、138mmHgで減圧濃縮し、492.7gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層52.5gを除去し、トルエン層440.2gは濃縮液と混合した。
【0057】
次いで、トルエン100g(0.7wt倍/(S)−2−メチルピペラジン)を加えて撹拌した。溶液を48℃、138mmHgで減圧濃縮し、469.7gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層54.4gを除去し、トルエン層415.3gは濃縮液と混合した。
【0058】
次いで、溶液を50〜51℃、147〜149mmHgで減圧濃縮し、456.7gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層57.2gを除去し、トルエン層399.5gは濃縮液と混合した。
【0059】
次いで、トルエン100g(0.7wt倍/(S)−2−メチルピペラジン)を加えて撹拌した。溶液を56℃、147〜153mmHgで減圧濃縮し、98.4gを留去した。留出した液をトルエン層と水層に分液し、水層11.3gを除去し、トルエン層87.1gであった。
【0060】
濃縮液を10℃まで5時間かけて冷却した。その際、30℃で結晶が析出した。その後、10〜15℃で1時間熟成し、析出した結晶を減圧ろ過にて取り出し、真空乾燥し、結晶体の2―メチルピペラジンを87.7g取得した(収率58.3%)。得られた結晶体の(S)−2−メチルピペラジンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.であった。
【0061】
ろ過した濾液を56℃、147〜153mmHgで減圧濃縮し、611.7gを留去した。濃縮液を5℃まで5時間かけて冷却した。その際、45℃で結晶が析出した。その後、5〜10℃で1時間熟成し、析出した結晶を減圧ろ過にて取り出し、真空乾燥し、結晶体の2―メチルピペラジンを28.2g取得した(収率18.8%)。得られた結晶体の(S)−2−メチルピペラジンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.であった。2回の晶析で回収した(S)−2−メチルピペラジンは115.9gとなり、収率 77.3%となった。
【0062】
(比較例2)
(±)−2−メチルピペラジン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)、2−プロパノール250mlを混合し、内容物を加熱還流、溶解した。溶解後、溶液を25℃まで一夜冷却した。生じた結晶を分離、乾燥して粗ジアステレオマー塩48.0gを得た。[α]
D:+21.2°(C=1.0 メタノール)。
【0063】
この粗ジアステレオマー塩を2−プロパノールから2回再結晶(
図2には、2晶析、3晶析と記載した)して、精製ジアステレオマー塩(R)−2−メチルピペラジン三((R)−2−フェノキシプロピオン酸)41.3gを得た。[α]
D:+23.0°(C=1.0 メタノール)融点149℃。
【0064】
精製ジアステレオマー塩41.3g(69mmol)、ジクロロメタン140ml、35%塩酸25.0g(0.24mol)、蒸留水25mlを混合して解塩し、固形分が溶解したら静置後分液した。得られた水層を濃縮乾固して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.7gを得た。[α]
D:+5.33°(C=1.0 ギ酸)
(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12mol)を25℃で1時間撹拌しフリー化した。不溶分を濾別後、溶媒を留去した。残渣にシクロヘキサン30mlを加えて加熱、還流後、不溶分を熱濾過して、20℃まで冷却した。生じた結晶を分離、乾燥して、(R)−2−メチルピペラジン4.5g(収率60.0%)を得た。[α]
D:−20.3°(C=1.0 t−ブチルメチルエーテル)、光学純度99.6%e.e.、融点90℃であった。
【0065】
図2は、比較例2における工程フロー図を示す。比較例2は多数の工程が必要であり、操作が煩雑であった。