特許第6473953号(P6473953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6473953
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】カレンダー
(51)【国際特許分類】
   B42D 5/04 20060101AFI20190218BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20190218BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20190218BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   B42D5/04 H
   G06Q30/06
   G06Q30/02 320
   G07G1/12 321N
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-185090(P2015-185090)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-56674(P2017-56674A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年3月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日 平成27年7月13日 展示会名 第7回販促EXPO 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3−11−1) 公開者 株式会社木万屋商会(出願人) 出品内容 株式会社木万屋商会は、第7回販促EXPOにて、朝日健之及び吉田聡が発明した特願2015−185090に係るカレンダーを「デジマーケカレンダー」との名称で公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515264366
【氏名又は名称】株式会社木万屋商会
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】朝日 健之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 聡
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−297352(JP,A)
【文献】 特開2002−041762(JP,A)
【文献】 特開2005−339072(JP,A)
【文献】 特開2005−111871(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3081255(JP,U)
【文献】 特開2005−7683(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3078453(JP,U)
【文献】 特開2007−38439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 5/04
G06Q 30/02
G06Q 30/06
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の画像認識機能によって読み取り可能でその携帯端末によってウエブアクセスするための情報であって、カレンダーごとに固有の識別子である配布識別子情報を含むアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷領域と、カレンダーの日付が印刷されている部分には、カレンダーのスポンサー又はカレンダーの配布地域の商店の特売情報、飲食店の割引情報、イベント情報のいずれか一以上が記載されているカレンダーを表示したカレンダー表示領域と、
を有するカレンダーと、
アクセス情報を受信するアクセス情報受信部と、
受信したアクセス情報を取得するアクセス情報取得部と、
取得したアクセス情報を認証するアクセス情報認証部と、
アクセス情報に基づいてアクセスしてきた携帯端末に対して出力するための少なくともユーザの趣味を含むアンケート回答画面を保持するアンケート回答画面保持部と、
アクセス情報に基づいてアクセスしてきた携帯端末に対して出力するための広告画面を保持する広告画面保持部と、
認証された認証結果と、カレンダーごとの固有の識別子である配布識別子に基づいて、すでに出力されたアンケート回答画面に基づいてユーザの趣味を少なくとも含むユーザの個人情報が取得されていると判断される場合には、その個人情報と、に基づいて前記アンケート回答画面又は/及び広告画面をアクセスしてきた端末に対して出力させるように情報取得部を制御する制御部と、
からなるレスポンスサーバ装置と、
からなるカレンダーシステム。
【請求項2】
前記カレンダーは、クーポン券として利用可能なクーポンを印刷したクーポン印刷領域を有し、前記配布識別子情報は、クーポン印刷領域に印刷されている請求項1に記載のカレンダーシステム。
【請求項3】
前記カレンダーは、前記クーポン券に代えて又は前記クーポン券とともに特定の地域においてのみ通貨と同等に利用可能な有価証券が印刷された有価証券印刷領域を有し、前記配布識別子情報は、有価証券印刷領域に印刷されている請求項2に記載のカレンダーシステム。
【請求項4】
前記配布識別子情報を読み取り可能な店頭に置いて配備される店頭読み取り端末をさらに有する請求項1から3のいずれか一に記載のカレンダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対する提示情報量を大幅に強化すると同時に、ユーザからの反応やアンケート回答を収集し、マーケティングなどに有効利用することが可能なデジタルと連動するカレンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
各種カレンダーに関する発明が存在する。しかし、カレンダーの特質として見過ごされている点は、カレンダーは1年間を通じて常時部屋に露出しており、他のメディア、たとえばテレビ、スマートフォン、時計、パソコンなどと比較してもその露出時間は人の生活において十分に長いと考えられる点にある。近年の情報サービスに関連する技術革新の方向性は、より人と接触している時間が長いものをインターフェイスとして、その人との情報接触時間をさらに長くして、ビジネスに結び付けるというものである。その中で微小ではあるがカレンダーのインターフェイスの側面を利用した発明もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−38439号
【特許文献2】特開2005−111871号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、QRコード(登録商標)が印刷されたカレンダーに関する。特許文献1のカレンダーはユーザのスケジュール帳に連動しており、カレンダー上のQRコードを読み取ることにより、自身のスケジュールを呼び出せることを特徴としている。特許文献2の発明は、クーポン券付きカレンダーに関する。特許文献2の発明は、カレンダーの日付表示の裏面にクーポンが印刷されていて、所定日付ごとに切り取って使用可能であるものである。
しかし、これら従来技術のカレンダーは、ユーザとのインターフェイスというカレンダーの側面を利用したものではあるが、インターフェイスとしてカレンダーから情報を引き上げるという一方向的利用に終始しており、カレンダーのユーザとカレンダー提供者との間での情報の双方向的利用の視点がなく、カレンダーのもつインターフェイス性を十分に生かしきれていたとはいえない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、第一の発明としては、携帯端末の画像認識機能によって読み取り可能でその携帯端末によってウエブアクセスするための情報であるアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷領域と、カレンダーを表示したカレンダー表示領域と、を有するカレンダーと、前記アクセス情報によるアクセス先のページであって、アクセスしてきた者に対してアンケート回答画面又は/及び宣伝広告画面を有する情報画面を保持したレスポンスサーバ装置と、からなるカレンダーシステムを提供する。
【0006】
第二の発明としては、前記カレンダーには、カレンダーごとに固有の識別子である配布識別子を印刷した配布識別子印刷領域をさらに有する第一の発明に記載のカレンダーシステムを提供する。
【0007】
第三の発明としては、前記カレンダーは、クーポン券として利用可能なクーポンを印刷したクーポン印刷領域を有し、前記配布識別子印刷領域は、クーポン印刷領域に印刷されている第二の発明に記載のカレンダーシステムを提供する。
【0008】
第四の発明としては、前記カレンダーのアクセス情報印刷領域に印刷されたアクセス情報には、前記配布識別子を示す情報である配布識別子情報が含まれている第二又は第三の発明に記載のカレンダーシステムを提供する。
【0009】
第五の発明としては、前記カレンダーは、前記クーポン券に代えて又は前記クーポン券とともに特定の地域においてのみ通貨と同等に利用可能な有価証券が印刷された有価証券印刷領域を有し、前記配布識別子印刷領域は、有価証券印刷領域に印刷されている第一から第四の発明のいずれか一に記載のカレンダーシステムを提供する。
【0010】
第六の発明としては、前記配布識別子印刷領域の配布識別子を読み取り可能な店頭に置いて配備される店頭読み取り端末をさらに有する第一から第五の発明のいずれか一に記載のカレンダーシステム。
【0011】
第七の発明としては、第一から第六の発明のいずれか一に記載のカレンダーを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本願のカレンダーは、ユーザとサービス提供者との間での双方向的働きかけを可能とするためユーザの携帯端末と連動し、カレンダーに印刷された情報を介してユーザに対して動画等を配信することが可能となり、提示する情報量を拡充することが可能となった。サービス提供者にとっては、ユーザに対し動画等を配信することにより、自社の製品・サービスを宣伝することが可能となった。また、カレンダーに印刷された情報からアンケート画面に推移することにより、ユーザの個人情報・アンケート回答等各種情報を取得することができ、ユーザの消費行動の把握や、配信すべき広告の決定等、その後のマーケティングにフィードバックすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1のカレンダー使用の概念図
図2】実施形態1のカレンダー概念図
図3】実施形態1のアンケート画面の概念図
図4】実施形態1のレスポンスサーバ装置の機能ブロック図
図5】実施形態1の識別番号が印刷されたカレンダー概念図
図6】実施形態1のクーポンが印刷されたカレンダーの概念図
図7】実施形態1の店頭読み取り端末の概念図
図8】実施形態1の店頭読み取り端末の機能ブロック図
【符号の説明】
【0014】
0201 カレンダー表示領域
0202 アクセス情報
0222 アクセス情報印刷領域
0223 年間共通掲示部
0203 めくり紙
0207a〜0207d クーポンを切り離し容易にするためのミシン目
0402 受信部
0403 アクセス情報取得部
0404 アクセス情報認証部
0405 制御部
0406 情報取得部
0407 広告画面保持部
0408 アンケート画面保持部
0409 送信部
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。実施形態1は請求項1から7に関する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施しうる。
【0016】
≪実施形態1≫
【0017】
<概要>
本実施形態は、カレンダー及びカレンダーシステムに関する。
【0018】
<機能的構成>
本実施形態について図を用いて説明する。本実施形態のカレンダーシステムは、「カレダー」と、「レスポンスサーバ装置」とからなる。図1は、ユーザが本願カレンダーを使用している場面の概念図である。ユーザは、カレンダー(0102)に印刷されているアクセス情報を、自身の携帯端末(0103)の画像認識機能によって読み取り、レスポンスサーバ装置(0101)から配信されるアンケート回答画面又は/及び宣伝広告画面の配信を受けることができる。ここにいう「携帯端末」には、携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等携帯可能なデジタルデバイスで通信できるものを広く含む。
【0019】
<各構成の説明>
(カレンダー)
以下、本願カレンダーシステムの詳細について、図2以下を用いて説明する。
本願の「カレンダー」(0200)は、携帯端末の画像認識機能によって読み取り可能で、その携帯端末によってウエブアクセスするための情報であるアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷領域と、カレンダーを表示したカレンダー表示領域とを有するよう構成される。
【0020】
アクセス情報印刷領域(0222)に印刷されている「アクセス情報」(0202)とは、前述したように、携帯端末の画像認識機能によって読み取り可能でその携帯端末によってアクセス可能な情報である。アクセス先から得られる情報としては、カレンダーと有機的に結び付いた情報であると好ましい。例えば、情報アクセス先のサーバには、当日、本日の安売り情報を商店からアップロードされ、カレンダーのユーザは、その日に対応づけられているコードに基づいてアクセスをすれば、当日に限りその日の安売り情報を得られる、という仕組みなどが考えられる。なおカレンダーからアクセスしてきたユーザに特典として、安売り情報を掲載するとより魅力的な情報となり、売り上げに寄与することが考えられる。アクセス情報は、具体的には、例えば、携帯端末で認識可能な画像や、バーコード、QRコードが考えられる。これらの画像を読み取らせるために、専用のアプリケーションをユーザ(アクセスしてきた者)の携帯端末にダウンロードさせるようにしてもよい。図2では、アクセス情報印刷領域の中心部分印刷された船の画像がアクセス情報である。アクセス情報は、本カレンダーの中心的価値をなすものであるから、カレンダーの販売時点や配布前時点では、隠されていることが好ましい。そこで、アクセス情報が印刷される部分をめくって露出させるようにしてもよい。図2は、「めくり紙」(0203)を貼り付けて、アクセス情報を隠している。めくり紙の裏面には、アクセス方法や、ダウンロードすべき画像認証アプリケーションの入手方法等、利用ガイドが記載されていてもよい。アクセス情報の印刷領域は、カレンダーの各月、各日の印刷面、印刷領域でもよいし、1年を通じて同じ印刷領域が掲示されるような形式のカレンダーであれば、そこにアクセス情報を印刷してもよい。
【0021】
アクセス情報印刷領域部分にフォトフレームとして使用できるよう、写真を設置できるような工夫がされているものであってもよい。たとえば、「写真の四辺の角を差し込んで固定できるような切り込み」がこれにあたる。カレンダーの一部がフォトフレームとなることにより、ユーザが自分の好きな写真を入れて掲示することができ、ユーザオリジナルのカレンダーとすることが可能となり、本カレンダーの面白みが向上し、愛着が湧き、掲示の継続につながると考えられる。
【0022】
カレンダーには、年間共通掲示部(0223)を設けてもよい。年間共通掲示部とは、カレンダーの表紙の裏面等、各月のカレンダーのように、当月が経過したら切り離されるものと異なり、カレンダーが掲示されている限り存続する部分である。年間共通掲示部には、各市区町村の緊急連絡先や、避難場所の情報、ゴミの出し方等年間を通じて特に重要な情報や、当該カレンダーのスポンサー、スポンサーが所属する団体、地域名称等スポンサー情報が印刷されているものであってもよい。
【0023】
ユーザは、カレンダー上のアクセス情報印刷領域に、携帯端末に付属するカメラをかざして画像を認識させると、アクセス先のページへ飛んで、宣伝広告画面である当該画像の動画や、アンケート回答画面を表示させることが可能である。ユーザは、動画を視聴し、商品・サービスの詳細を確認したり、アンケートに回答してプレゼントに応募したりすることが可能である。このときのレスポンスサーバ装置における処理は後述する。アクセス情報印刷領域には、ユーザにアクセス先のページにアクセスしたいと思わせるような、各種絵や画像等(0204)が印刷され、ユーザの関心を惹くようなものであることが好ましい。
【0024】
カレンダー表示領域(0201)は、通常のカレンダー同様に、年月日や曜日が記載されている。カレンダーとしての本来的機能も果たすべく、これらの情報は分かりやすく表示されていることが好ましい。カレンダー表示領域の裏面には、翌月や、翌々月以降に使えるクーポンが印刷されており、ミシン目によって切り離し可能なように、ミシン目が入っている(0207aから0207d)。クーポンについては後で詳述する。
【0025】
カレンダーの日付が印刷されている部分には、祝日、六曜、旧暦、月齢といった表示のほかに、スポンサーやカレンダー配布地域の商店の特売情報、飲食店の割引情報、イベント情報が記載されているものであってもよい。このような情報は、スポンサーの宣伝・広告につながるだけでなく、ユーザによるカレンダーの不使用廃棄を防止することにもつながり、カレンダー制作のスポンサーを獲得することが可能となる。また、ユーザにとっては、生活上の有用な情報に接する機会が増え、カレンダーに対する親しみを涵養することにつながる。さらに、12月には、翌年のカレンダーの配布開始日や、入手方法、配布場所等が記載されていることが好ましい。これにより、ユーザが継続して本願にかかるカレンダーを使用することにつながり、スポンサーを獲得することにつながる。
【0026】
図2の具体例においては、カレンダー表示領域の下部には、「クイズ&アンケートに応募しよう」といった、クイズ又はアンケート画面にアクセスすることを誘導する記載(0205)があり、アンケート等に回答した結果、抽選で当たる商品と人数などが記載されている(0206)。これにより、カレンダー表示領域から、アクセス情報印刷領域に視線を移行させ、アクセス先のページであるアンケート回答画面へのアクセスを誘導している。
【0027】
(レスポンスサーバ装置)
「レスポンスサーバ装置」(図1・0101)は、前記アクセス情報によるアクセス先のページであって、アクセスしてきた者に対してアンケート回答画面又は/及び宣伝広告画面を有する情報画面を保持するよう構成される。
アンケート回答画面とは、アクセスしたユーザに対してアンケート内容を展開する画面であり、ユーザからアンケートを回答させることにより、アンケート結果や、ユーザの個人情報を取得することができる。アンケートの具体的内容は、その日に特定の商店にて購入したい商品が何であるかを示す情報でもよいし、さらには、特定の商店にて販売される予定の品が何円以下であれば購入したいというものであってもよいし、さらに、興味を持った商品・サービスを選択肢の中から選ばせるような人気投票や、本願カレンダーの使い易さを回答させるものであってもよい。また、ユーザの個人情報としては、属性情報である氏名、年齢、住所、電話番号、職業、家族構成、勤務先といった情報や、マーケティングに直結する情報としては、ユーザの趣味、興味のある分野、欲しい製品、最近の購買履歴、商品の購入態様(実店舗で購入するのか、ネット通販を利用するのか)といった情報が考えられる。ユーザがアンケートに答えたくなるようにするため、アンケート回答者のなかから抽選でプレゼントがもらえるようにすることが好ましい。図3は、アンケート画面の具体例である。画面上部には、アンケート回答者の中から抽選で当たるホテル宿泊券が表示されている、画面下部には、氏名・住所・年齢・職業等を入力する欄が設けられ、ユーザは、所定の内容を入力することにより、ホテル宿泊券の抽選に応募することができる。
【0028】
レスポンスサーバ装置が保持し、アクセスしたユーザの端末に対し配信する宣伝広告画面とは、製品・サービスの宣伝に関する画像、(音声)、動画である。カレンダーのアクセス情報は当然静止画なのであるが、これにアクセスすることにより、ユーザはアクセス情報に印刷されていた画像の動画を視聴することができることが、本願の面白さの1つである。
【0029】
レスポンスサーバにおける処理を図4に示す。ユーザがアクセス情報にアクセスすると、レスポンスサーバの受信部(0402)においてアクセス情報(0401)を受信する。受信部は、アクセス情報取得部(0403)にアクセス情報を出力し、さらにアクセス情報認証部(0404)に対しアクセス情報を出力する。アクセス情報認証部は、アクセス情報、ユーザ情報等を認証し、制御部(0405)に対し、アクセス情報及び認証結果を出力する。制御部は、情報取得部(0406)を制御し、広告画面保持部(0407)及び/又はアンケート画面保持部(0408)が保持する広告画面情報・アンケート画面情報を取得して、送信部(0409)に対し、出力する。広告画面情報・アンケート画面情報を取得した送信部は、ユーザの携帯端末等に対し、当該情報を配信する。
【0030】
本願のカレンダーは、カレンダーごとに固有の識別子である配布識別子を印刷した配布識別子印刷領域をさらに有するものであってもよい。図5は、カレンダーごとに固有の識別子である配布識別子(0509)が印刷されている本願のカレンダーの概念図である。図5では、配布識別子は、「01005」である。カレンダーごとに固有の識別子が印刷されていることにより、例えば、当該カレンダーのユーザがアンケートの回答で、趣味欄で「食べ歩き」と回答した場合には、そのユーザが2回目にアクセスしてきた際には、レストラン・カフェ情報の広告を重点的に配信することにより、より効果的な広告配信が可能になる。
【0031】
本願のカレンダーは、クーポン券として利用可能なクーポンを印刷したクーポン印刷領域を有し、前記した配布識別子を示す情報である配布識別子情報が含まれているものであっても良い。図6は、クーポン券として利用可能なクーポンが印刷されているカレンダーの概念図である。クーポンは、ミシン目(0607aから0607d)等により切り離しが容易となっており、切り離したクーポンを店舗に持参するなどして使用する。オンラインの場合には、クーポン番号を入力することにより、クーポンの使用が可能である。カレンダー表示領域に表示されている当月の裏面に、翌月使用できるクーポンが印刷されていることにより、いらなくなったカレンダーをクーポンとして再利用し、かつ、カレンダーの使用を妨げることがないよう、カレンダーとして使用している部分がその月使えるクーポンにあたらないようにしているものが好ましい。
【0032】
クーポンのミシン目部分について、月(例えば1月)と月(例えば2月)とを隔てる線(図5の0607a、図6の0607a)については、最初から切り離されているものであってもよい(後述するシーズンクーポンを除く。)。月と月とを隔てる線が最初から切り離されていることにより、クーポンの切り離しがより容易になる。
【0033】
図5中、カレンダー印刷領域(0501)とアンケート応募情報が記載されている部分を隔てる線(0507d)を折り返すと、どの月に使えるクーポンが印刷されているかを示す情報が分かるようなものであっても良い。図5の0507dは、図6の0607dとしているが、図6では、「2月クーポン」「3月クーポン」というように、印刷されており、図5の1月のカレンダーの0507dを折り返すと、「2月クーポン」と表示され、翌月に使えるクーポンがすぐに判明する。
【0034】
クーポンは、カレンダー印刷領域をめくったら、クーポン全体が上下逆さまに表示されないように、上開き印刷されていることが好ましい。これにより、どのクーポンが使えるのかがカレンダーを掲示したままの状態で一見して分かることになる。
【0035】
マーケティングに役立てるため、クーポン毎に使われた数量のログを記録することが好ましい。これにより、どのクーポンが人気で、どれが不人気であったかわかり、ユーザの購買行動情報の集積、分析が可能となり、その後の宣伝・広告の改善に役立てることができる。
【0036】
(クーポンの配布識別子)
切り取って使用可能なクーポン券ごとに、配布識別子(0610)が印刷されていることにより、どのユーザがどのクーポンを使ったか、情報を集積することが可能になる。また、そのユーザをアンケート回答と紐づけることにより、ユーザを特定できることになり、当該ユーザがウエブアクセスしてきた際には、効果的な広告を送信することが可能になる。
【0037】
(シーズンクーポン)
翌月使えるクーポンのほか、月を限定しないで使えるクーポンが印刷されている部分があってもよい。たとえば、7月から9月という夏季に使えるシーズンクーポンがこれにあたる。このようなシーズンクーポンがあることにより、カレンダー制作時点では判明しない翌年の夏祭りの日や、バーゲンの期間にも使えるクーポンを提供することが可能となる。月ごとのクーポンはカレンダー印刷領域の裏面に印刷されているが、シーズンクーポンはこれと異なり、カレンダー印刷領域部分、すなわち、表面にあたる部分に印刷されていてもよい。
【0038】
本発明のカレンダーシステムは、前記カレンダーのアクセス情報印刷領域に印刷されたアクセス情報に、前記配布識別子を示す情報である配布識別子情報が含まれているよう構成される。これにより、ユーザが自身の携帯端末でアクセスしたときに、どのカレンダーのユーザがアクセスしたかがわかり、他のクーポン使用情報と紐づけることにより、当該ユーザの全体の購買活動を把握することが可能である。また、アンケート回答で得られた個人情報である個人属性情報、マーケティング情報を統合することにより、たとえば、30代男性のクーポン使用状況、興味のある分野といった年齢及び性別による傾向を把握することが可能であり、そのような同属性を有するユーザに対して、効果的な宣伝・広告を行うことが可能となり、最終的には、ユーザの囲い込み(そのユーザが継続的に消費者になること)につなげることが可能となる。
【0039】
本発明のカレンダーは、前記クーポン券に代えて又は前記クーポン券とともに特定の地域においてのみ通貨と同等に利用可能な有価証券が印刷された有価証券印刷領域を有するものであってもよい。この場合、前記配布識別子印刷領域は、有価証券印刷領域に印刷されている。ここにいう有価証券とは、権利が仮体した紙片であり、たとえば、A地域において、本件有価証券を提示することにより、商品Bと交換したり、サービスCを受けられたりするものをいう。この有価証券も、クーポン券同様に、配布識別情報が印刷されていることにより、同一識別情報を持つ主体がどのような商品・サービスを受領したかの行動を把握することができ、行動を分析することにより、当該識別情報の主体に対して、適切な広告配信等を行うことが可能となる。どの有価証券が使われたかについてのログを記録することにより、その後のマーケティングに役立てることについては、クーポンの場合と同様である。
【0040】
本発明のカレンダーシステムは、前記配布識別子印刷領域の配布識別子を読み取り可能な店頭に置いて配備される店頭読み取り端末を有するものであってもよい。店頭読み取り端末とは、具体的には、POSレジや、バーコード読取装置、QRコード読取装置などである。店頭にて配布識別子を読み取ることにより、当該識別情報を持つユーザがどのクーポンや有価証券を使ったかを簡易に情報収集することができ、サーバ等に情報を送信し、サーバにおいて、情報を集計することが可能となる。
【0041】
(処理の流れ)
店頭読み取り端末の処理を説明する。ユーザが端末をかざすなどしてユーザが持参したクーポン記載のコード(0801)を、店頭に設置されたコード読取部(0802)で読取り、コード認証部(0803)に対し出力する。コード認証部は、送信情報取得部(0804)に対し、認証結果を出力する。また、コード認証部は、制御部(0805)に対し、認証結果を出力する。制御部は、送信部(0806)を制御し、レスポンスサーバ装置に対して、「クーポンID:コードID」(0810)を出力する。またコード読取部が読み取ったコードを、クーポン識別部(0807)に対し出力する。クーポン識別部はクーポン内容情報取得部(0808)に対し、クーポン識別情報を出力する。制御部は、クーポン内容情報取得部を制御し、クーポン内容情報(0812)を取得させ、クーポン内容情報取得部は、表示部(0809)に対し、クーポン内容情報を出力する。表示部は、クーポン内容(0811)を、レジスター等店頭端末やユーザの端末に出力する。
【0042】
<効果>
本願のカレンダーは、携帯端末と連動することで、ユーザに対して動画等を配信することが可能となり、提示する情報量を拡充することができる。提供者は、動画を配信することにより、自社の製品・サービスを宣伝することができる。カレンダーに印刷されたアクセス情報からアンケート画面にアクセスすることにより、ユーザ情報や、アンケートで得られた情報を取得することができ、消費行動の把握や、マーケティングにフィードバックすることが可能である。以上の構成により、カレンダーを介して、ユーザと提供者とが、双方向に働きかけることが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8