【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の用紙折曲装置は、用紙を折曲する折曲装置であって、用紙の折り線と平行な方向に延在し上面で前記用紙を支持する支持台と、前記支持台の側面に接触離間する用紙の挟圧部材と、前記支持
台の側面と挟圧部材との間に進退する用紙の折曲具とが備えられ、前記挟圧部材が前記支持台の側面から離間した状態で、前記用紙が前記支持
台と挟圧部材上に載置され、当該状態で上部から前記折曲具が垂下して用紙が前記折曲具の下端縁に沿って湾曲形成され、前記用紙の湾曲部が前記支持
台の側面と前記挟圧部材とによって挟持され折曲形成されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明では、支持台、挟圧部材および折曲具という単純な構造であり、その作用は次の様に単純である。
挟圧部材が支持台の側面から離間した状態、即ち挟圧部材と支持台の側面との間に空間が設けられている状態で、先ず、用紙が支持
台と挟圧部材上に載置される。
次いで、上方から折曲具が垂下すると、用紙は折曲具の下縁に当接して上方から押下され、折曲具の下縁に沿って谷折り状に湾曲形成される。
その後、前記折曲具が上方に退避し、前記挟圧部材が用紙を支持
台の側面に押し付けると、用紙は湾曲形成された部分が折り線となって鋭角に折曲形成される。
【0008】
(2)本発明において、前記挟圧部材は前記支持台の両側面に設置され、前記折曲具は2個設けられ、一方の折曲具は前記支持台の一方の側面と当該側面に接触離間する挟圧部材との間に進退し、他方の折曲具は前記支持台の他方の側面と当該側面に接触離間する挟圧部材との間に進退するように構成されていることが好ましい。
折曲具が2個設けられていると、用紙を容易に的確に三つ折りすることが可能になる。
【0009】
(3)本発明において、前記挟圧部材は、下方が固定部材に揺動自在に支持され、上端が揺動自在に構成されることが望ましい。
前記挟圧部材は、下方が固定部材に揺動自在に支持され、上端が揺動自在に構成されているので、支持台の側面と挟圧部材の側面との空間が上部が拡開するテーパ状となり、用紙をスムーズに挿入することができる。
【0010】
(4)本発明において、前記折曲具は、一端が基台に支持軸によって回転可能に装着された揺動腕の他端部近傍に設けられていることが望ましい。
前記折曲具は、一端が基台に支持軸によって回転可能に装着された揺動腕の他端部近傍に設けられているので、揺動腕を把持して揺動させると前記折曲具を容易に操作することができる。
【0011】
(5)本発明において、折曲具が前記支持台の両側部に対応する位置に2個設けられ、前記揺動腕の軸支部から遠い方に設けられた折曲具の垂下方向の寸法が、前記揺動腕の軸支部から近い方に設けられた折曲具の垂下方向の寸法よりも長く形成されていることが望ましい。
【0013】
折曲具が2個設けられ、前記揺動腕の支持軸から遠い方に設けられた折曲具の垂下方向の寸法が、前記揺動腕の支持軸から近い方に設けられた折曲具の垂下方向の寸法よりも長く形成されているので、揺動腕を回転させた際に前記2個の折曲具を同時に用紙上に押圧することができ、用紙が支持台上で移動することなく、均等に三つ折りをすることができる。
もし、両法の折曲具が同一寸法であると、揺動腕の支持軸に近い方の折曲具が先に用紙の上面を押下するので、用紙は支持台上を滑って移動するおそれがあり、均等に三つ折りをすることが難しくなる場合が生じ得る。
【0014】
(6)本発明において、前記支持台の上端近傍に、前記用紙が水平に載置される載置台が、前記支持台との間に前記折曲具の通過を許容する間隙を有して設けられていることが望ましい。
前記支持台の上端近傍に、前記用紙が水平に載置される載置台が設けられているので、用紙を載置台上に水平に載置することができ、また前記支持台との間に前記折曲具の通過を許容する間隙を有して設けられているので、折曲具を容易に通過させることができる。
【0015】
(7)本発明において、前記揺動腕の支持軸を挟んで2本の連接桿の基端が揺動可能に接続されており、一方の連接桿の他端は前記一方の挟圧部材に、他方の連接桿の他端は前記他方の挟圧部材に、それぞれ揺動自在に接続されていることが好ましい。
揺動腕の支持軸を挟んで2本の連接桿の基端が揺動可能に接続されており、一方の連接桿の他端は前記一方の挟圧部材に、他方の連接桿の他端は前記他方の挟圧部材に、それぞれ揺動自在に接続されているので、前記揺動腕を、支持軸を支点として揺動させると、一方の連接桿と他方の連接桿は相互に逆方向に移動し、挟圧部材が前記支持台の両側に接触する方向、もしくは離間する方向に揺動することになる。
【0016】
(8)本発明において、前記連接桿と揺動腕とは接続軸を介して接続されており、前記接続軸は前記揺動腕の支持軸の径方向に移動可能に設けられていることが望ましい。
前記連接桿と揺動腕とは接続軸を介して接続されており、前記接続軸は前記揺動腕の支持軸の径方向に移動可能に設けられているので、前記両接続軸は支持軸の径方向に内側に偏倚することが可能となり、前記挟圧部材の前記支持台への接触時の圧接力が弱まり、厚い用紙もしくは複数枚の用紙を折曲する際にも対応可能となる。
もし、前記支持軸が偏倚しないと、厚い用紙もしくは複数枚の用紙を前記挟圧部材にて支持台の両側面に圧接する際に、無理を生じる恐れがある。
【0017】
(9)本発明において、前記接続軸は、前記支持軸に対して遠心方向に弾性体によって付勢されていることが望ましい。
前記接続軸は、前記支持軸に対して遠心方向に弾性体によって付勢されているので、薄い1枚の用紙を折曲する場合は、前記両支持軸は離間し、前述のような厚い用紙もしくは複数枚の用紙を折曲する場合は、弾性体の弾性力に抗して前記両支持軸は接近し、前記挟圧部材の前記支持
台の両側面に対する圧接力が自動的に調整されることになる。
【0018】
(10)本発明において、前記支持軸には円板状の弾性部材が装着されており、前記接続軸は当該弾性部材によって遠心方向に付勢されていることが望ましい。
前記支持軸には円板状の弾性部材が装着されており、前記接続軸は当該弾性部材によって付勢されているので、構造が簡単で安価な部品で前記接続軸を付制することができる。
【0019】
(11)本発明において、前記基台には、前記接続軸が挿通され前記支持軸の周囲を公転し得る円弧上の透孔が開設されていることが望ましい。
前記基台には、前記接続軸が挿通され前記支持軸の周囲を公転し得る円弧上の透孔が開設されているので、前記接続軸は前記透孔がガイドとなって支持軸の周囲をスムーズに公転し得る。
【0020】
(12)本発明において、前記透孔の径方向外側の内縁には、前記接続軸を節度的に公転させるための凹部もしくは凸部が設けられていることが望ましい。
前記透孔の径方向外側の内縁には、前記接続軸を節度的に公転させるための凹部もしくは凸部が設けられているので、前記接続軸は前記透孔の凹部もしくは凸部間に付勢され、前記接続軸は前記透孔内を節度的に公転し、結果として前記揺動腕も節度的に揺動することになる。
【0021】
(13)本発明において、前記支持台の上面は摩擦部が施され、且つ上面と側面との角部は湾曲形成されていることが望ましい。
前記支持台の上面は摩擦部が施され、且つ上面と側面との角部は湾曲形成されているので、前記用紙の上面から前記折曲具が垂下しても、用紙が支持台の上面を移動することがない。
【0022】
(14)本発明の用紙折曲方法は、用紙を三つ折りに折曲する折曲方法であって、
前記用紙の折り線と平行な方向に延在し上面で前記用紙を支持する支持台と、前記支持台の両側面に夫々接触離間する2個の用紙の挟圧部材とが備えられ、それらの上部に前記用紙を水平に載置する第1の工程と、前記支持台の両側面と前記各挟圧部材とが離間している状態で、上部から2個の折曲具が垂下して前記用紙を前記夫々の折曲具の下端縁に沿って2か所で湾曲形成させる第2の工程と、前記用紙が湾曲されている状態で、前記折曲具が上方に退避する第3の工程と、前記用紙が前記支持台の両側面と前記各挟圧部材との間に位置する状態で、前記挟圧部材が前記支持台の両側面の方向に圧接し、前記用紙の湾曲部を折曲形成する第4の工程とよりなることを特徴とする。
本発明の作用は前述の用紙折曲装置と事実上異なるところはない。