【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明は、対象者の生活習慣情報と各種検査データを、当該生活習慣に由来する公知の各種検査データと比較して、当該生活習慣を継続した場合の将来の検査データを予測する装置において、前記対象者の生活習慣情報を記憶する生活習慣記憶手段と、生活習慣に由来する公知の情報を記憶する公知情報記憶手段と、前記対象者の各種検査データを記憶する検査データ記憶手段と、が具備され、前記公知情報記憶手段に記憶されている公知情報と検査データ記憶手段に記憶されている検査データを比較して、将来の検査データを予測することを特徴とする。
本発明によると、例えば、対象者の塩分の摂取量および血圧データと、公知の医学論文などに記載されているデータ(塩分と血圧との関係に関するデータ)を比較して、この状態で塩分を摂取し続けると血圧は更に上昇するということが予測されることになる。
このような場合、対象者は、塩分をどの程度に抑制すれば血圧が上昇するのを予防できるか、もしくは降下させることができるかがわかることになる。
【0010】
(2) 本発明は、対象者の生活習慣情報と検査データを関連付け、一定の生活習慣を継続した場合の過去の検査データに基づき、将来の検査データを予測する装置において、前記対象者の生活習慣情報を記憶する生活習慣記憶手段と、前記対象者の各種検査データを記憶する検査データ記憶手段と、が具備され、時間を隔てて同一の生活習慣下における検査データを複数回記憶させ、各回ごとに行った過去の検査データを蓄積することによって将来の検査データを予測することを特徴とする。
【0011】
本発明によると、例えば、対象者の塩分の摂取量および血圧データを、時間を隔て複数回記憶させ、各回ごとに行った過去の検査データを蓄積することによって、この状態で塩分を摂取し続けると血圧は更に上昇するということが予測されることになる。
【0012】
このような場合、対象者は過去の塩分の摂取量および血圧データから、対象者は将来塩分をどの程度に抑制すれば血圧が上昇するのを予防できるか、もしくは降下させることができるかが予測できることになる。
【0013】
(3)生活習慣情報には喫煙、食事、活動、飲酒、睡眠のいずれかが含まれていることが望ましい。
また、生活習慣情報としては本人や親族の病歴が含まれていてもよい。
【0014】
(4)生活習慣情報は、前記対象者の遺伝情報および病歴のいずれか一方若しくは両方であってもよい。
生活習慣情報は、前記対象者の告知によって得られるものであるので、その煩わしさからなるべく少ない方が望ましいが、少なくとも遺伝情報および病歴のいずれか一方若しくは両方程度は必要である。
【0015】
(5)検査データには各種の検体検査、身体情報のいずれかが含まれていることが望ましい。
検体検査には、糖代謝、脂質代謝、肝機能、貧血、腎機能の検査データが含まれ、身体情報には年齢、性別、身長、体重、腹囲、血圧が含まれていてもよい。
【0016】
(6)生活習慣情報を変更した場合の、将来の検査データを予測してもよい。
例えば、対象者が過去の生活習慣を変更し、塩分の摂取量を減らした状態の血圧データに基づき、今後塩分の摂取量をどの程度に抑制すれば血圧が上昇するのを予防できるか、もしくは降下させることができるかが予測できることになる。
【0017】
(7)本発明は、対象者の生活習慣情報と検査データを関連付け、一定の生活習慣を継続した場合の検査データを記録する装置において、前記対象者の生活習慣情報を記憶する生活習慣記憶手段と、前記対象者の各種検査データを記憶する検査データ記憶手段と、時間を隔てて同一の生活習慣下における検査データを複数回記憶させ、各回ごとに行った検査データを蓄積することを特徴とする。
【0018】
本発明によると、例えば対象者の塩分の摂取量および血圧データを、時間を隔て複数回記憶させ、各回ごとに行った過去の検査データを生活習慣情報に関連づけて記録することができる。
従って、対象者の塩分の摂取量および血圧データを、時間を隔て複数回記憶させ、各回ごとに行った過去の検査データを記録しておくことができる。
【0019】
(8)生活習慣を変更させた場合、その前後における検査データを比較して蓄積してもよい。
例えば、対象者の塩分の摂取量および血圧データを、時間を隔て複数回記憶させ蓄積すると、当該対象者の塩分の摂取量と血圧データの相関関係がわかることになる。
【0020】
(9)対象者の生活習慣情報に由来する各種検査データを予測し、当該予測データと現実の検査データとを比較する装置において、前記対象者の生活習慣情報を記憶する生活習慣記憶手段と、生活習慣に由来する各種検査データを公知の情報に対応付けて予測する予測手段と、前記対象者の各種検査データを記憶する検査データ記憶手段と、前記対象者の生活習慣記憶手段に記憶された生活習慣情報に従い、前記予測手段から予測データが出力される予測データ出力手段と、前記検査データと前記予測データとを比較し、その差異を記憶するデータ差異記憶手段と、が具備され、前記データ差異記憶手段に記憶された前記検査データと前記予測データとの差異を、前記対象者の体質として特定することを特徴とする。
【0021】
本発明によると、例えば、対象者が塩分を摂取しても血圧が上昇しないという検査結果が得られた場合、その検査結果と、公知の文献に記載されている情報、即ち塩分を摂取するとそれに伴い血圧が上昇するという情報と、を比較することのよって、当該対象者は一般的ではない体質(身体のタイプ)であると判断される。
【0022】
従って、当該対象者がもし高血圧症であるなら、他の生活習慣例えば飲酒などの習慣を変更することを検討すべきである、ということになる。
【0023】
(10)同一の生活習慣情報と検査データを、時間を隔てて複数回記憶させ、各回ごとに行った検査データと予測データとの差異を蓄積する蓄積手段を有していることが望ましい。
複数回にわたり検査データと予測データとの差異を蓄積することによって、対象者の体質がより明確に判断できることになる。
【0024】
(11)本発明は、対象者の各種検査データを、当該生活習慣に由来する公知の各種検査データと比較し、当該生活習慣を継続した場合の将来の発症が予測される疾病と当該疾病を未然に防止するための生活習慣の改善内容を提示する装置において、前記対象者の生活習慣情報を記憶する生活習慣記憶手段と、生活習慣に由来する公知の情報を記憶する公知情報記憶手段と、前記対象者の各種検査データを記憶する検査データ記憶手段と、が具備され、前記公知情報記憶手段に記憶されている公知情報と検査データ記憶手段に記憶されている検査データを比較して、前記生活習慣を継続する場合の将来の検査データを予測し、当該予測検査データに基づき、生活習慣の改善勧告情報を発することを特徴とする。
本発明によると、例えば前記対象者に対し「現在の生活習慣を継続すると6年後にはメタボリックシンドロームを発症する虞があるので、体重を79kg、血圧を120/80mmHg、中性脂肪を200mg/dLにすればメタボリックシンドロームの発症を予防できる。」との生活習慣の改善勧告情報を発することになる。
(12)生活習慣の改善勧告情報は、改善すべき検査項目(例えば体重)とその目標数値(例えば79kg)を含んでいる。
【0025】
従って対象者が前記改善勧告情報になるように生活習慣を改善すれば、発症のリスクは抑制されることになる。