特許第6474089号(P6474089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474089マッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6474089
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】マッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20190218BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20190218BHJP
【FI】
   G06Q10/10 322
   G06Q50/10
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-89487(P2018-89487)
(22)【出願日】2018年5月7日
【審査請求日】2018年5月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518159382
【氏名又は名称】株式会社タイミー
(74)【代理人】
【識別番号】100167667
【弁理士】
【氏名又は名称】安高 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100210815
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 聡子
(72)【発明者】
【氏名】小川 嶺
【審査官】 藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−024459(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/097971(WO,A1)
【文献】 特開2001−297211(JP,A)
【文献】 特開2017−107315(JP,A)
【文献】 特開2009−122782(JP,A)
【文献】 特開2002−007903(JP,A)
【文献】 特開2012−008850(JP,A)
【文献】 特開2013−073278(JP,A)
【文献】 特開2016−136380(JP,A)
【文献】 特開2002−183395(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0156674(US,A1)
【文献】 特開2002−215765(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/117687(WO,A1)
【文献】 特開2005−250961(JP,A)
【文献】 特開2004−199525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求職者および雇用者間でのマッチングを支援するマッチング支援サーバであって、
前記求職者が使用する求職者端末から送信された前記求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付ける求職希望受付部と、
前記求職希望受付部が受け付けた求職希望を、前記雇用者が使用する雇用者端末に提示する提示部と、
前記提示された求職希望に対して送信された、前記雇用者端末から前記求職者へのアプローチを受け付けるアプローチ受付部と、
前記アプローチを、前記求職者端末を介して前記求職者に選択させる選択部と、
前記求職者の勤務に対する前記雇用者の勤務評価を登録する評価登録部と、
前記求職希望受付部が、前記評価登録部に登録された勤務評価が所定の条件を満たす求職者から求職希望を受け付けると、前記受け付けた求職希望の勤務時間に応じて当該求職者に対して給与の前払いを行う支払部と、を備えるマッチング支援サーバ。
【請求項2】
前記支払部は、前記評価登録部が前記求職者の勤務に対する勤務評価を登録すると、即時に前記求職者に対して給与を支払う、請求項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項3】
前記求職希望受付部が受け付けた求職希望を登録する求職希望登録部と、
前記アプローチを選択した求職者に前記勤務時間帯の前にリマインドを行うリマインド部をさらに備え、
前記選択部は、前記リマインド部が所定時間以内に前記リマインドに対する応答を受け付けなかった場合、当該アプローチに対応する雇用時間帯をカバーする前記勤務時間帯の求職希望を前記登録している他の求職者に、求職者端末を介して当該アプローチを選択させる、請求項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項4】
前記求職希望を送信した求職者から他の求職者の紹介を受け付ける紹介受付部をさらに備え、
前記求職希望受付部は、前記紹介された他の求職者から前記求職希望を受け付ける、請求項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項5】
前記紹介受付部は、前記アプローチを選択した求職者から、前記求職者端末を介して当該アプローチにマッチする他の求職者の前記紹介を受け付け、
前記選択部は、前記紹介を、前記雇用者端末を介して前記雇用者に選択させる、請求項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項6】
前記評価登録部は、前記紹介受付部が受け付けた紹介による他の求職者が、前記リマインド部による前記リマインドに所定時間以内に応答しなかった場合、前記他の求職者を前記紹介した求職者の勤務評価を下げて登録する、請求項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項7】
前記雇用者端末から受け付けた前記雇用者が希望する雇用時間帯を少なくとも含む雇用条件を登録する雇用条件登録部をさらに備え、
前記提示部は、前記雇用時間帯をカバーする前記勤務時間帯の求職希望を、前記雇用者端末に提示する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項8】
前記提示部は、前記雇用時間帯をカバーするように、複数の求職希望を組み合わせて前記雇用者端末に提示する、請求項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項9】
前記雇用者端末から受け付けた前記雇用者が希望する雇用時間帯を少なくとも含む雇用条件を登録する雇用条件登録部をさらに備え、
前記アプローチ受付部は、前記雇用時間帯をカバーする前記勤務時間帯の求職希望を送信した求職者への自動アプローチを生成し、
前記選択部は、前記自動アプローチを、前記求職者端末を介して前記求職者に選択させる、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマッチング支援サーバ。
【請求項10】
前記求職希望は、前記求職者が希望する勤務地に関する情報を含み、
前記求職希望受付部が受け付けた求職希望に基づいて、求職者が希望する勤務時間帯および勤務地の傾向を分析する分析部と、
前記分析した傾向に基づいて、前記アプローチに含まれる雇用条件の設定について提示する雇用条件提示部と、をさらに備える、請求項1から請求項のいずれか一項に記載
のマッチング支援サーバ。
【請求項11】
求職者および雇用者間でのマッチングを支援するマッチング支援システムであって、
前記求職者が使用する求職者端末から送信された前記求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付ける求職希望受付部と、
前記求職希望受付部が受け付けた求職希望を、前記雇用者が使用する雇用者端末に提示する提示部と、
前記提示された求職希望に対して送信された、前記雇用者端末から前記求職者へのアプローチを受け付けるアプローチ受付部と、
前記アプローチを、前記求職者端末を介して前記求職者に選択させる選択部と、
前記求職者の勤務に対する前記雇用者の勤務評価を登録する評価登録部と、
前記求職希望受付部が、前記評価登録部に登録された勤務評価が所定の条件を満たす求職者から求職希望を受け付けると、前記受け付けた求職希望の勤務時間に応じて当該求職者に対して給与の前払いを行う支払部と、
を備えるマッチング支援システム。
【請求項12】
求職者および雇用者間でのマッチングを支援するマッチング支援方法であって、
前記求職者が使用する求職者端末から送信された前記求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付けるステップと、
前記受け付けた求職希望を、前記雇用者が使用する雇用者端末に提示するステップと、
前記提示された求職希望に対して送信された、前記雇用者端末から前記求職者へのアプローチを受け付けるステップと、
前記アプローチを、前記求職者端末を介して前記求職者に選択させるステップと、
前記求職者の勤務に対する前記雇用者の勤務評価を登録するステップと、
前記登録された勤務評価が所定の条件を満たす求職者から求職希望を受け付けると、前記受け付けた求職希望の勤務時間に応じて当該求職者に対して給与の前払いを行うステップと、
を備えるマッチング支援方法。
【請求項13】
請求項12に記載のマッチング支援方法をコンピュータによって実現させるマッチング支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の労働環境の変化により、半日や1日などの短期かつ単発のアルバイト等の日雇い労働が増加傾向にある。このような日雇いを希望する学生やフリーターなどは、仕事のやりがいや働きやすさより、勤務時間や時給という条件からアルバイトを探す者が多い。
【0003】
そこで、アルバイトを効率よく探すために、例えば、特許文献1は、複数の求人情報からコストパフォーマンスが実質的に高い仕事を容易に検索することができる仕事検索システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−3726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
学生やフリーターなどの日雇い労働の求職者は、自分の空いた時間を利用し、容易にお金を稼ぐことを希望している。しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、求職者には、自らの様々な情報を登録して求人情報を検索する負担があり、日雇い労働を容易に探したいというニーズには応えられていない。
【0006】
そこで、本開示では、求職者および雇用者間でのマッチングを容易に行うことができるマッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一態様におけるマッチング支援サーバは、求職者および雇用者間でのマッチングを支援するサーバであって、求職者が使用する求職者端末から送信された求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付ける求職希望受付部と、求職希望受付部が受け付けた求職希望を、雇用者が使用する雇用者端末に提示する提示部と、提示された求職希望に対して送信された、雇用者端末から求職者へのアプローチを受け付けるアプローチ受付部と、アプローチを、求職者端末を介して求職者に選択させる選択部と、求職者の勤務に対する雇用者の勤務評価を登録する評価登録部と、求職希望受付部が、評価登録部に登録された勤務評価が所定の条件を満たす求職者から求職希望を受け付けると、受け付けた求職希望の勤務時間に応じて当該求職者に対して給与の前払いを行う支払部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様におけるマッチング支援システムは、求職者および雇用者間でのマッチングを支援するシステムであって、求職者が使用する求職者端末から送信された求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付ける求職希望受付部と、求職希望受付部が受け付けた求職希望を、雇用者が使用する雇用者端末に提示する提示部と、提示された求職希望に対して送信された、雇用者端末から求職者へのアプローチを受け付けるアプローチ受付部と、アプローチを、求職者端末を介して求職者に選択させる選択部と、求職者の勤務に対する雇用者の勤務評価を登録する評価登録部と、求職希望受付部が、評価登録部に登録された勤務評価が所定の条件を満たす求職者から求職希望を受け付けると、受け付けた求職希望の勤務時間に応じて当該求職者に対して給与の前払いを行う支払部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様におけるマッチング支援方法は、求職者および雇用者間でのマッチングを支援する方法であって、求職者が使用する求職者端末から送信された求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付けるステップと、受け付けた求職希望を、雇用者が使用する雇用者端末に提示するステップと、提示された求職希望に対して送信された、雇用者端末から求職者へのアプローチを受け付けるステップと、アプローチを、求職者端末を介して求職者に選択させるステップと、求職者の勤務に対する雇用者の勤務評価を登録するステップと、登録された勤務評価が所定の条件を満たす求職者から求職希望を受け付けると、受け付けた求職希望の勤務時間に応じて当該求職者に対して給与の前払いを行うステップと、を備える。
【0010】
本開示の一態様におけるプログラムは、上述のマッチング支援方法をコンピュータによって実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、求職者および雇用者間のマッチングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係るマッチング支援システム1の構成概要を示す図である。
図2】マッチング支援サーバ100の機能構成を示すブロック図である。
図3】求職者端末200に表示されるアプローチ一覧の画面例である。
図4】求職者端末200に表示される求職希望リストの画面例である。
図5】実施の形態1に係るマッチング支援システム1における処理を示すシーケンス図である。
図6】実施形態2に係るマッチング支援システム2の構成概要を示す図である。
図7】マッチング支援サーバ400の機能構成を示すブロック図である。
図8】実施形態2に係るマッチング支援サーバ400が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態3に係るマッチング支援サーバ500の機能構成を示すブロック図である。
図10】実施形態4に係るマッチング支援サーバ600の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態に係るマッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法およびプログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
(実施形態1)
<全体概要>
図1は、実施形態1に係るマッチング支援システム1の構成概要を示す図である。図1を参照して、実施形態1に係るマッチング支援システム1の構成概要について説明する。
【0015】
マッチング支援システム1は、マッチング支援サーバ100と、求職者20(不図示)が使用する求職者端末200と、各雇用者30a,30b,30c(不図示)が使用する雇用者端末300−a,300−b,300−cと、を備え、それらは、インターネットなどのネットワークNWを介して接続されている。なお、以下では、雇用者30a,30b,30cおよび雇用者端末300−a,300−b,300−cは、特に区別する必要がある場合を除き、雇用者30、雇用者端末300と記載する。
【0016】
マッチング支援サーバ100は、求職者端末200および雇用者端末300を介して、求職者20と雇用者30間のジョブマッチングを行うサーバ装置である。
【0017】
求職者端末200は、アルバイト等の短期かつ単発の日雇いを希望する求職者20が使用する端末である。求職者端末200は、例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯端末が好ましいが、PC等の情報処理端末であってもよく、ネットワークNWを介してマッチング支援サーバ100にアクセス可能である。
【0018】
雇用者端末300は、日雇い労働者を雇いたい雇用者30が使用する端末である。雇用者端末300は、例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯端末やPC等の情報処理端末であって、ネットワークNWを介してマッチング支援サーバ100にアクセス可能である。なお、ネットワークNWに接続される雇用者端末300は、図1に示す台数に限られない。
【0019】
求職者端末200および雇用者端末300は、汎用端末にマッチング支援アプリケーション(求職者用または雇用者用)をインストールして実現することができる。求職者20は、求職者端末200を操作して当該アプリケーションを起動し、マッチング支援サーバ100に対して利用登録を行う。各雇用者30も、同様にして利用登録を行う。
【0020】
本実施形態に係るマッチング支援システム1は、空いている時間を利用してお金を稼ぎたい求職者20と、人手の足りない時間に人を雇いたい雇用者30間のジョブマッチングを提供するシステムである。具体的には、求職者20は、求職者端末200を介して、自身の空いている時間を希望勤務時間帯とする求職希望をマッチング支援サーバ100に送信する。各雇用者30は、雇用者端末300を介して、マッチング支援サーバ100に送信された求職希望を閲覧し、例えば、人手の足りない時間帯を希望勤務時間帯として求職希望を出している求職者20に、雇いたい旨のアプローチを行う。求職者20は、求職者端末200を介して、マッチング支援サーバ100が受け付けたアプローチを閲覧し、気に入ったアプローチを選択する。これにより、当該アプローチを選択した求職者20と当該アプローチを行った雇用者30間でマッチングが成立する。
【0021】
従来、求職者がアルバイト等の日雇いの仕事を見つけるには、雇用者から提示されている多くの求人情報の中から、勤務時間等が自身の希望と合う求人情報を検索しなければならず、求職者の負担が大きかった。そこで、本実施形態では、求職者は、希望する勤務時間帯を雇用者側に提示し、雇用者側からのアプローチを待つ。求職者は、雇用者側からのアプローチの中から自身の気に入ったものを選択するだけでよい。これにより、求職者は、求人情報を検索する等の煩わしい作業を行うことなく、容易に仕事を見つけることができる。以下、その詳細について説明する。
【0022】
<マッチング支援サーバ100の構成>
図2は、マッチング支援サーバ100の機能構成を示すブロック図である。図2において、マッチング支援サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を備える。
【0023】
通信部110は、通信インタフェースであり、ネットワークNWを介して、求職者端末200及び雇用者端末300と通信を行う。
【0024】
記憶部120は、ハードディスク等の記憶装置であって、評価DB(データベース)121を有する。評価DB121は、後述する評価登録部135により登録された、雇用者から求職者への勤務評価を求職者を識別するための識別子(以下、求職者IDと記載する。)と対応付けて記憶する。なお、記憶部120は、必ずしもマッチング支援サーバ100が保有する必要はなく、外部に配置されてもよい。
【0025】
制御部130は、求職希望受付部131と、提示部132と、アプローチ受付部133と、選択部134と、評価登録部135と、支払部136と、を有する。
【0026】
求職希望受付部131は、求職者端末200から、求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも条件として含む求職希望を受け付ける。なお、「勤務時間帯」は、例えば、「2018年4月15日、18時〜21時30分」のように、期日と時間帯を示す。また、「勤務時間」は、例えば、「3時間」のように、時間長を示す。求職希望には、勤務地や時給・給与額、給与の支払い方法などの条件を含めてもよい。なお、求職者端末200が内蔵するGPS(Global Positioning System)等により自動取得した、求職者端末200の現在位置を、勤務地としてもよい。これにより、勤務地の入力の手間を軽減することができる。
【0027】
提示部132は、求職希望受付部131が受け付けた求職希望を、各雇用者端末300に提示する。例えば、求職希望を受け付けた旨を各雇用者端末300にプッシュ通知し、当該通知に応じて、マッチング支援サーバ100にアクセスした雇用者端末300に求職希望を閲覧させる。また、各雇用者端末300に、求職希望の内容をメールで通知してもよい。
【0028】
アプローチ受付部133は、提示部132が提示した求職希望に対して送信された雇用者端末300から求職者へのアプローチを受け付ける。雇用者30は、雇用者端末300を介して提示部132から提示された求職希望を閲覧し、例えば、人手の足りない時間帯を希望勤務時間帯として求職希望を出している求職者20に対して、雇いたい旨のアプローチを行う。アプローチ受付部133は、雇用者30が雇用者端末300を介して入力した、雇用時間帯、給与、勤務地、仕事の内容などの雇用条件を求職者20に対するアプローチとして受け付ける。なお、アプローチ受付部133は、一雇用者から複数のアプローチを受け付けてもよいし、複数の雇用者からそれぞれ受け付けてもよい。
【0029】
選択部134は、アプローチ受付部133が各雇用者端末300から受け付けたアプローチを、求職者端末200を介して求職者に選択させる。例えば、選択部134は、雇用者端末300からアプローチを受け付けた旨を求職者端末200にプッシュ通知し、当該通知に応じて、マッチング支援サーバ100にアクセスした雇用者端末300にアプローチを閲覧させる。求職者20は、求職者端末200を操作して、気に入ったアプローチを選択する。選択部134は、当該選択されたアプローチを行った雇用者30の雇用者端末300に、アプローチが選択された旨を通知する。このようにして、マッチングが成立する。
【0030】
評価登録部135は、求職者の勤務に対する雇用者の勤務評価を、求職者IDと対応付けて評価DB121に登録する。例えば、雇用者30は、求職者20が実際に仕事をした後に、その勤務態度等から求職者20を評価した内容を、雇用者端末300を介して入力する。評価登録部135は、入力された勤務評価を評価DB121に登録する。なお、雇用者30が入力する勤務評価は、10点満点からなる評価点で入力されてもよいし、予め登録されている複数のチェック項目を5段階等で評価し、その合計を評価点とするようにしてもよい。勤務評価は数値で行われてもよいし、「時間が正確であった」など文章による評価でもよい。その場合、評価登録部135は、文章の中から評価に関連するキーワードを抽出し、キーワードによって重み付けて評価点を算出するようにしてもよい。
【0031】
支払部136は、求職者20に対する給与支払い処理を行う。例えば、雇用者端末300を介した雇用者30からの指示により、求職者20が登録した銀行口座等に給与振り込みを行う。求職者20は、求職希望に、例えば、当日払い、翌日払い、月末払い、のように、給与の振り込みタイミングを含ませてもよい。
【0032】
また、支払部136は、求職希望受付部131が受け付けた求職希望を出した求職者20の、評価DB121に登録された勤務評価が所定の条件(例えば、評価点が所定の閾値以上)を満たす場合、求職希望の勤務時間に応じて給与の前払いを行う。すなわち、評価の高い求職者20は、求職希望をマッチング支援サーバ100に送信すると、実際に働く前に給与を受け取ることができる。これは、評価の高い求職者は、次も評価の高い仕事をする可能性が高いという推測に基づく。
【0033】
なお、前払いされる給与は、例えば、地域別最低賃金時間額に基づいて算出してもよいし、予め上限金額を設定しておいてもよい。また、前払い給与を受けた求職者に対して、前払いを受けた勤務時間に対してアプローチがなかった場合、その勤務時間を補填する求職希望を出すように通知してもよい。
【0034】
また、支払部136は、評価登録部135が雇用者30からの求職者の勤務評価を登録すると、即時にその求職者に対して給与の支払い処理を行うようにしてもよい。すぐに給与が欲しい求職者は、雇用者に早く勤務評価を登録してもらおうと、勤勉に働く可能性が高い。これにより、雇用者にとっては、勤勉な人材を採用する可能性が高まり、また、求職者にとっては、必要なタイミングで給与を得ることができる。
【0035】
図3は、求職者端末200に表示されるアプローチ一覧の画面例である。図3を参照して、雇用者30のアプローチの一例について説明する。
【0036】
図3において、画面210には、求職者20の求職希望211と、アプローチ一覧212が表示されている。図3の例では、求職希望211として、「2018/4/15 18:00〜21:30」(勤務時間帯)、「新宿、渋谷、恵比寿周辺」(勤務地)が表示されている。また、「月末払い」(給与支払いタイミング)が希望されている。
【0037】
求職希望211に対するアプローチ一覧212には、アプローチ213〜219が表示されている。アプローチ213〜215は、A社からのアプローチであり、例えば、アプローチ213は、「18:00〜21:30」(雇用時間帯)、「¥3200」(給与)、「新宿周辺」(勤務地)という雇用条件を示している。また、求職者20は、画面210において、求職者端末200を操作して、各アプローチの仕事内容などを示す詳細画面を表示させることもできる。
【0038】
求職者20は、アプローチ一覧212の中から、自身が気に入ったアプローチをタップ等により選択する。マッチング支援サーバ100は、求職者端末200から、アプローチの選択を受け付けるとともに、当該選択がされた旨を、当該アプローチをした雇用者30に通知する。これにより、マッチングが成立する。
【0039】
図4は、求職者端末200に表示される求職希望リストの画面例である。図4を参照して、求職者20の求職希望の一例について説明する。
【0040】
図4において、画面220には、求職者20の求職希望222〜231を一覧にした求職希望リスト221が表示されている。各求職希望には、求職者20が働きたい期日、勤務時間帯、勤務地が表示されている。例えば、求職希望222は、「2018年4月15日、18:00〜21:30」に、「新宿周辺」で働きたいことを意味している。また、求職希望225は、マッチングがすでに完了していることを意味している。例えば、求職者20は、求職希望225について求職者端末200の画面をタップすることによって、求職希望225とマッチしているアプローチの内容の詳細を閲覧することができる。
【0041】
図5は、実施の形態1に係るマッチング支援システム1における処理を示すシーケンス図である。図5を参照して、マッチング支援システム1における処理の流れについて説明する。
【0042】
ステップS501において、求職者端末200は、求職者20の利用登録の申請をマッチング支援サーバ100に送信する。この際、求職者20は、求職者を識別するための求職者情報(氏名、生年月日、性別、連絡先等)を、求職者端末200を介して入力する。
【0043】
ステップS502において、各雇用者端末300は、雇用者30の利用登録の申請をマッチング支援サーバ100に送信する。この際、雇用者30は、雇用者を識別するための雇用者情報(会社名、連絡先、所在地等)を、雇用者端末300を介して入力する。
【0044】
ステップS503において、マッチング支援サーバ100は、利用登録申請とともに受け付けた求職者情報を記憶部120に記憶する。また、求職者20に識別子(求職者ID)を付与し、求職者端末200に対し、求職者IDを通知する。同様に、マッチング支援サーバ100は、雇用者情報を記憶部120に記憶し、各雇用者30に付与した識別子(雇用者ID)を、それぞれ雇用者端末300に通知する。
【0045】
ステップS504において、求職者端末200は、求職者20が音声やタッチパネル等を介して入力した求職希望を、求職者IDを付加して、マッチング支援サーバ100に送信する。求職希望には、例えば、求職者が希望する勤務時間帯や勤務地が含まれる。
【0046】
ステップS505において、マッチング支援サーバ100の求職希望受付部131は、求職者端末200から求職希望を受け付ける。そして、提示部132は、ステップS504において受け付けた求職希望を、利用登録している各雇用者30の雇用者端末300に提示する。例えば、求職希望の内容をメール送信してもよいし、求職希望を受け付けた旨をプッシュ通知し、当該通知に応じてアクセスした雇用者端末300に、求職希望の内容を提示してもよい。
【0047】
ステップS506において、雇用者端末300は、求職者20が入力した求職希望を閲覧する。なお、提示部132は、求職希望に付加された求職者IDに基づいて、利用登録の際に入力された求職者情報や、評価DB121に登録されている勤務評価を求職希望と共に閲覧できるようにしてもよい。これにより、雇用者30は、求職者20の勤務態度等を参考にして、アプローチを行うことができる。
【0048】
ステップS507において、雇用者30は、閲覧した求職希望の求職者20を雇いたいと思えば、雇用者端末300を操作して、求職者20に対しアプローチを行う。具体的には、雇用者30は、雇用者端末300を介して、雇用時間帯、給与、勤務地、仕事の内容などの雇用条件を入力し、雇用者IDを付加してマッチング支援サーバ100に送信する。なお、アプローチは、一雇用者が複数行ってもよいし、複数の雇用者がそれぞれ行ってもよい。
【0049】
ステップS508において、アプローチ受付部133は、雇用者端末300から求職者20へのアプローチを受け付ける。そして、選択部134は、ステップS508において受け付けたアプローチを、求職者端末200を介して求職者に選択させる。例えば、選択部134は、雇用者端末300からアプローチを受け付けた旨を求職者端末200にプッシュ通知し、当該通知に応じて、マッチング支援サーバ100にアクセスした雇用者端末300にアプローチの雇用条件を表示させる。なお、選択部134は、アプローチに付加された雇用者IDに基づいて、利用登録の際に入力された雇用者情報をアプローチと共に閲覧できるようにしてもよい。
【0050】
ステップS509において、求職者20は、求職者端末200に表示されたアプローチの中から自身が気に入ったものを選択する。求職者端末200は、選択されたアプローチをマッチング支援サーバ100に通知する。なお、求職者20は、気に入ったアプローチがなければ、アプローチを選択しない旨の応答をマッチング支援サーバ100に送信してもよい。
【0051】
ステップS510において、選択部134は、求職者20の求職希望と、その求職希望に対する雇用者30のアプローチとのマッチングが成立したことを、求職者端末200および雇用者端末300に通知する。
【0052】
ステップS511において、アプローチされた仕事を求職者が終えた後、雇用者30は、雇用者端末300を介して求職者20に対する勤務評価を入力し、マッチング支援サーバ100に送信する。
【0053】
ステップS512において、評価登録部135は、入力された勤務評価を求職者IDと対応付けて評価DB121に登録する。そして、支払部136は、勤務評価が評価DB121に登録されたことに応じて、求職者20に対し給与の支払いを行い、求職者端末200に支払いについて通知する。
【0054】
なお、給与の支払いについては、ステップS505において、支払部136が、求職希望受付部131が求職希望とともに受け付けた求職者IDに基づいて評価DB121から勤務評価を取得し、所定の条件を満たす場合は、求職希望の勤務時間に応じた給与を前払いする。
【0055】
<効果の説明>
上述したように、本実施形態に係るマッチング支援システム1において、求職者20は、求職者端末200を介して、自身の空いている時間を希望勤務時間帯とする求職希望をマッチング支援サーバ100に送信する。各雇用者30は、雇用者端末300を介して、マッチング支援サーバ100に送信された求職希望を閲覧し、自身の雇用条件にあう求職者20に対し雇いたい旨のアプローチを行う。求職者20は、求職者端末200を介して、マッチング支援サーバ100が受け付けたアプローチを閲覧し、気に入ったアプローチを選択する。これにより、当該アプローチを選択した求職者20と当該アプローチを行った雇用者30間でマッチングが成立する。
【0056】
従来は、求職者がアルバイト等の日雇いの仕事を見つけるには、雇用者から提示されている多くの求人情報の中から、勤務時間等が自身の希望と合う求人情報を検索しなければならず、求職者の負担が大きかった。一方、本実施形態では、求職者は、求職希望を雇用者側に提示し、雇用者側からのアプローチの中から自身の気に入ったものを選択するだけでよい。これにより、求職者は、求人情報を検索する等の煩わしい作業を行うことなく、容易に仕事を見つけることができる。
【0057】
また、求職者は、雇用者から様々なアプローチを受けることにより、自身の検索では知り得なかった新しい仕事を体験することができる。これにより、様々な仕事を通じて、自分の適性が判断することができ、新たな仕事を選択する上での視野が広がる。
【0058】
また、雇用者は、様々な求職希望を閲覧することができ、多様な人材の中から人を雇うことができる。また、求職者に直接アプローチすることができるため、人材募集にかかるコストを軽減することができる。
【0059】
また、本実施形態に係るマッチング支援システム1では、雇用者は、求職者に対する勤務評価を登録する。登録された勤務評価が高い求職者には、求職希望が出された時点で給与が前払いで支払われる。また、雇用者より勤務評価が登録されると、求職者に即時に給与が支払われる。これにより、求職者にとっては、お金が急に必要な場合に、積極的に勤勉に労働する動機付けとなる。
【0060】
一方、雇用者にとっては、求職者のこれまでの勤務に対する評価を参考にして、アプローチを行うことができるため、勤務態度が良好な人を採用することができる。
【0061】
(実施形態2)
実施形態1に係るマッチング支援システム1では、求職希望を出した求職者とその求職希望に対するアプローチを行った雇用者間でマッチングを行った。実施形態2に係るマッチング支援システム2は、アプローチを選択した求職者が勤務時間帯の直前にアプローチをキャンセル(いわゆる、ドタキャン)した場合の対策を提供する。
【0062】
<全体概要>
図6は、実施形態2に係るマッチング支援システム2の構成概要を示す図である。図6を参照して、実施形態2に係るマッチング支援システム2の概要について説明する。
【0063】
マッチング支援システム2は、マッチング支援サーバ400と、求職者端末200−a,200−b,200−cと、雇用者端末300−a,300−b,300−cと、を備え、それらは、インターネットなどのネットワークNWを介して接続されている。図6の例では、求職者端末200−a,200−b,200−cは、それぞれ求職者20a,20b,20c(不図示)が使用する端末である。以下では、求職者端末200−a,200−b,200−cは、特に区別する必要がある場合を除き、求職者端末200と記載する。なお、ネットワークNWに接続される求職者端末200は、図6に示す台数に限られない。
【0064】
本実施形態に係るマッチング支援サーバ400は、例えば、雇用者30のアプローチAとマッチングが完了している求職者20aに対し、勤務時間帯(雇用時間帯)の前にリマインドを行う。リマインドに対する求職者20aからの応答が所定時間以内になければ、他の求職者20b,20cに対して、アプローチAを選択させる。これにより、雇用者30は、ドタキャンされた場合でも、その代わりの人材を見つけることができる。
【0065】
また、リマインドに応答しなかった求職者20aのこれまでの勤務評価を下げる処理を行う。さらに、求職者20aが、他の求職者20d(不図示)により紹介を受けていた場合は、紹介者である求職者20dの勤務評価も下げる。すなわち、ドタキャンした求職者20aに対しては、ペナルティとして求職者自身および紹介者の勤務評価を下げることにより、アプローチを受けにくくなる、紹介者の信頼を失う等の代償を予見させ、ドタキャンを思いとどまらせる抑止力となる。
【0066】
<マッチング支援サーバ400の構成>
図7は、マッチング支援サーバ400の機能構成を示すブロック図である。図7において、マッチング支援サーバ400は、通信部110と、記憶部420と、制御部430と、を備える。なお、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0067】
記憶部420は、評価DB421と、求職希望DB422と、を有する。評価DB421は、後述する評価登録部435の指示により、雇用者から求職者への勤務評価を求職者IDと対応付けて記憶する。求職希望DB422は、後述する求職希望登録部431の指示により、求職希望受付部131が受け付けた求職希望を求職者IDと対応付けて記憶する。なお、記憶部420は、必ずしもマッチング支援サーバ400が保有する必要はなく、外部に配置されてもよい。
【0068】
制御部430は、実施形態1に係る制御部130が有する各機能ブロックのうち、選択部134及び評価登録部135を、選択部434及び評価登録部435に代え、さらに、求職希望登録部431と、リマインド部432と、紹介受付部433とを有する。すなわち、制御部430は、求職希望受付部131と、提示部132と、アプローチ受付部133と、選択部434と、評価登録部435と、支払部136と、求職希望登録部431と、リマインド部432と、紹介受付部433と、を有する。
【0069】
求職希望登録部431は、求職希望受付部131が受け付けた求職希望を、求職希望DB422に登録する。
【0070】
リマインド部432は、アプローチを選択した求職者20に対し、そのアプローチの勤務時間帯(すなわち、雇用時間帯)の前にリマインドを行う。例えば、アプローチした勤務の前日や数時間前に、アプローチを選択した求職者20に対して、求職者端末200を介したメールやプッシュ通知によるアプローチの再確認を行う。リマインドを受けた求職者は、予定通り勤務するのであれば、その旨を応答する。また、リマインド部432は、リマインドを行ってから所定時間以内にリマインドに対する応答を受け付けなければ、後述する選択部434及び評価登録部435にリマインドの応答がなかった旨(ドタキャンされた旨)を通知する。
【0071】
紹介受付部433は、求職者20からの他の求職者の紹介を受け付ける。例えば、求職者20は、友人に対してマッチング支援システム2の利用登録を促すために紹介を行うことができる。 また、紹介受付部433は、アプローチを選択した求職者20から、求職者端末200を介して当該アプローチにマッチする他の求職者の紹介を受け付ける。ここで、「アプローチにマッチする」求職者とは、アプローチの雇用条件を満たすことができる求職者のことであり、例えば、雇用条件の雇用時間帯及び勤務地で勤務することができる求職者である。なお、求職者20は、例えば、SNS等を利用して他の求職者を紹介してもよい。
【0072】
求職者20aに行われたアプローチに、例えば、「あと2人募集しています」など、紹介を受け付けるフラグがあれば、求職者20aは、求職者端末200−aを介して、他の求職者20b,20cを、当該アプローチを行った雇用者30に紹介する旨をマッチング支援サーバ400に送信する。紹介受付部433は、求職者20aから紹介された求職者20b,20cについて選択部434に通知する。
【0073】
選択部434は、上述の選択部134が行う処理に加え、次の処理を行う。すなわち、選択部434は、リマインド部432から、所定時間以内にリマインドに対する応答がなかった旨の通知を受けると、求職希望DB422に登録された求職希望の中から、ドタキャンされたアプローチの雇用時間帯をカバーする勤務時間帯の求職希望を登録している他の求職者を検索し、当該他の求職者に対してアプローチを選択させる。アプローチを選択した求職者がいれば、当該求職者とマッチングが成立する。
【0074】
また、選択部434は、紹介受付部433から求職者の紹介について通知を受けると、紹介した求職者に行われているアプローチをした雇用者30に対し、雇用者端末300を介して、求職者の紹介を行う。選択部434は、雇用者端末300から、紹介された求職者を採用するか否かの選択を受け付ける。紹介された求職者が選択されれば、マッチングが成立する。なお、紹介された求職者とのマッチングが成立した場合は、紹介者の勤務評価を上げる等、インセンティブをつけてもよい。
【0075】
評価登録部435は、リマインド部432から所定時間以内にリマインドに対する求職者20の応答がなかった旨の通知をうけると、ドタキャンした求職者20の勤務評価を下げて評価DB421に登録する。また、ドタキャンした求職者20aが、例えば、他の求職者20dからの紹介だった場合、他の求職者20dの勤務評価も下げる。このように、紹介者にドタキャンした連帯責任を負わせることにより、紹介された求職者に対しては、ドタキャンを思いとどまらせ、また、紹介する求職者に対しては、安易な紹介をさせないという抑止力になる。
【0076】
図8は、実施形態2に係るマッチング支援サーバ400が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図8を参照して、雇用者30aからのアプローチAとマッチングが完了している求職者20aに対して、マッチング支援サーバ400が実行するドタキャン対策について説明する。
【0077】
ステップS801において、リマインド部432は、アプローチAの雇用時間帯(勤務時間帯)の前に求職者20aに対し、リマインドを行う。例えば、求職者端末200−aに対し、アプローチAの内容をメール送信やプッシュ通知して、求職者20aに念押しの確認をする。
【0078】
ステップS802において、リマインド部432は、所定時間以内に求職者端末200−aからの応答を受け付けたか否か判定する。応答を受け付けたと判断すれば(ステップS802において、Yes)、処理は終了する。そうでなければ(ステップS802において、No)、処理はステップS803に進む。
【0079】
ステップS803において、選択部434は、求職希望DB422に登録された求職希望の中から、アプローチAの雇用時間帯をカバーする勤務時間帯の求職希望を登録している他の求職者を検索し、当該他の求職者に対してアプローチAを選択させる。
【0080】
ステップS804において、評価登録部435は、ドタキャンした求職者20aの勤務評価を下げて評価DB421に登録する。
【0081】
ステップS805において、評価登録部435は、求職者20aが他の求職者から紹介された求職者か否かを判断する。例えば、評価登録部435は、紹介受付部433に対し、求職者20aの紹介を受け付けていたか否かを問い合わせて判断することができる。求職者20aが紹介された求職者ではないと判断すれば(ステップS805において、No)、処理は終了する。そうでなければ(ステップS805において、Yes)、処理はステップS806に進む。
【0082】
ステップS806において、評価登録部435は、求職者20aを紹介した他の求職者(紹介者)の勤務評価を下げて評価DB421に登録する。そして、処理は終了する。
【0083】
<効果の説明>
上述したように、本実施形態に係るマッチング支援サーバ400は、雇用者30のアプローチAとマッチングが完了している求職者20aに対し、勤務時間帯(雇用時間帯)の前にリマインドを行う。リマインドに対する求職者20aからの応答が所定時間以内になければ、他の求職者20b,20cに対して、アプローチAを選択させる。また、求職者20aのこれまでの勤務評価を下げる処理を行う。また、求職者20aが、他の求職者20dにより紹介を受けていた場合は、紹介者である求職者20dの勤務評価も下げる。これにより、雇用者30は、ドタキャンされた場合でも、その代わりの人材を見つけることができる。また、ドタキャンした求職者20aに対しては、ペナルティとして求職者自身および紹介者の勤務評価を下げることにより、アプローチを受けにくくなる、紹介者の信頼を失う等の代償を予見させ、ドタキャンを思いとどまらせる抑止力となる。
【0084】
また、本実施の形態に係るマッチング支援サーバ400は、求職者端末200から、求職者の紹介を受け付ける。これにより、求職者は、どのような人と一緒に仕事をするか予め知ることができるため、安心して単発の仕事に臨むことができる。また、雇用者は、必要な募集人数を集めやすくなり、また、紹介により、求職者の質が担保されるという安心感がある。
【0085】
(実施形態3)
実施形態1に係るマッチング支援サーバ100は、求職者から求職希望を受け付けると、受け付けた求職希望を雇用者に提示した。実施形態3では、求職者から受け付けた求職希望のうち、予め雇用者が登録した雇用条件を満たす求職希望についてのみ雇用者に提示する点で、実施形態1と相違する。
【0086】
実施形態3に係るマッチング支援システム3は、実施形態2に係るマッチング支援システム2が備えるマッチング支援サーバ400に代えて、マッチング支援サーバ500を備える。
【0087】
図9は、実施形態3に係るマッチング支援サーバ500の機能構成を示すブロック図である。図9において、マッチング支援サーバ500は、通信部110と、記憶部520と、制御部530と、を備える。なお、実施形態1及び2と共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0088】
記憶部520は、評価DB421と、求職希望DB422と、雇用条件DB523と、を有する。雇用条件DB523は、後述する雇用条件登録部531の指示により、雇用者からの雇用条件を雇用者IDと対応付けて記憶する。なお、記憶部520は、必ずしもマッチング支援サーバ500が保有する必要はなく、外部に配置されてもよい。
【0089】
制御部530は、実施形態2に係る制御部430が有する各機能ブロックのうち、提示部132を、提示部532に代え、さらに、雇用条件登録部531を有する。すなわち、制御部530は、求職希望受付部131と、提示部532と、アプローチ受付部133と、選択部434と、評価登録部435と、支払部136と、求職希望登録部431と、リマインド部432と、紹介受付部433と、雇用条件登録部531と、を有する。
【0090】
雇用条件登録部531は、雇用者端末300から送信された雇用者30の希望する雇用条件を、雇用者IDと対応付けて雇用条件DB523に登録する。雇用条件は、例えば、雇用時間帯、給与、勤務地、仕事の内容を含む。
【0091】
提示部532は、上述の提示部132が行う処理に加え、次の処理を行う。すなわち、提示部532は、求職希望受付部131が受け付けた求職希望のうち、雇用条件DB523に登録された雇用条件を満たす求職希望を、当該雇用条件と対応付けられた雇用者30に、雇用者端末300を介して提示する。例えば、雇用時間帯をカバーする勤務時間帯の求職希望を提示する。また、雇用時間帯をカバーするように、複数の求職希望を組み合わせて提示してもよい。また、条件に優先順位を付け、所定の順位までの条件を満たす求職希望を提示するようにしてもよい。
【0092】
<効果の説明>
上述したように、本実施形態では、求職者から受け付けた求職希望のうち、予め雇用者が登録した雇用条件を満たす求職希望についてのみ雇用者に提示する。これにより、雇用者は、より自身の希望にあった求職者に対して容易にアプローチできるようになる。
【0093】
また、本実施形態では、雇用時間帯をカバーするように、複数の求職希望を組み合わせて雇用者に提示される。これにより、雇用者は、人手が不足する時間帯に人を割り当てやすくなり、雇用者の求人活動の手間が軽減される。
【0094】
(実施形態3の変形例)
実施形態3の変形例では、マッチング支援サーバにおいて、雇用条件を満たす求職希望を送信した求職者に対して、自動生成したアプローチを選択させる。
【0095】
具体的には、上述した実施形態3に係るマッチング支援サーバ500のアプローチ受付部133は、雇用時間帯をカバーする勤務時間帯の求職希望を送信した求職者への自動アプローチを生成してもよい。すなわち、雇用者端末300からのアプローチを受け付ける代わりに、予め雇用条件登録部531に登録されている雇用条件を満たす求職希望に対して、自動的にアプローチを生成する。そして、選択部434は、自動アプローチを、求職者端末200に提示する。なお、自動アプローチを生成する条件として、求職者の勤務評価が所定の条件を満たす等の条件を設定してもよい。
【0096】
これにより、雇用者は、予め雇用条件を登録しておくだけで、求職者にアプローチを行うことができ、雇用者の求人活動の手間を軽減することができる。
【0097】
(実施形態4)
本実施形態に係るマッチング支援システム4では、求職者が希望する勤務時間帯、勤務地の傾向を分析し、分析した傾向に基づいて、アプローチに含める雇用条件の設定について雇用者に提示する。
【0098】
実施形態4に係るマッチング支援システム4は、実施形態3に係るマッチング支援システム3が備えるマッチング支援サーバ500に代えて、マッチング支援サーバ600を備える。
【0099】
図10は、実施形態4に係るマッチング支援サーバ600の機能構成を示すブロック図である。図10において、マッチング支援サーバ600は、通信部110と、記憶部520と、制御部630と、を備える。なお、実施形態1〜3と共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0100】
制御部630は、実施形態3に係る制御部530が有する各機能ブロックに加え、さらに、分析部631と、雇用条件提示部632と、を有する。
【0101】
分析部631は、求職希望受付部131が受け付けた求職希望、または求職希望DB422に登録されている求職希望から、求職者が希望する勤務時間帯および勤務地を抽出する。そして、抽出した勤務時間帯および勤務地から、求職者の求職希望の傾向を分析する。例えば、どの時間帯、どの地域に、どれぐらいの求職希望が出されているかを求める。
【0102】
雇用条件提示部632は、分析部631が分析した傾向に基づいて、アプローチに含まれる雇用条件の設定について雇用者30に提示する。例えば、雇用条件提示部632は、雇用者30の雇用者端末300を介した提示要求に応じて、分析部631で分析した傾向に基づいて、求職希望が多い時間帯、地域を判定し、アプローチを受けてもらうのに適した給与設定を提示する。例えば、分析した傾向から、求職希望が少ないと予想される雇用条件については、通常よりも高めの給与設定を提示する。また、求職希望が多いと予想される雇用条件については、給与が通常もしくは通常より低めの給与設定を提示する。
【0103】
また、雇用条件提示部632は、求職者20の求職者端末200を介した提示要求に応じて、分析部631が分析した傾向や給与設定等を提示してもよい。求職者20は、当該提示に基づいて求職希望を出すことで、より高い給与のアプローチを受けることができる。
【0104】
<効果の説明>
上述したように、本実施形態では、求職者が希望する勤務時間帯、勤務地の傾向を分析し、分析した傾向に基づいて、アプローチに含める雇用条件の設定について提示する。これにより、雇用者は適切な給与設定を行うことができ、求職者にアプローチを選択してもらえる可能性が高まる。したがって、雇用者は、容易に人材を集めることができる。また、求職者は、求職希望の傾向を閲覧することにより、雇用条件のよいアプローチを受けるにはどのような求職希望を出せばよいか参考にすることができる。
【0105】
<プログラム>
マッチング支援サーバ100,400,500及び600を構成する各機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。例えば、当該プログラムは、コンピュータに、マッチング支援方法を実行させるためのプログラムである。
【0106】
さらに、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0107】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短期間で動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0108】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0109】
1,2,3,4 マッチング支援システム、100,400,500,600 マッチング支援サーバ、110 通信部、120 記憶部、130,430,530,630 制御部、200 求職者端末、300 雇用者端末

【要約】
【課題】求職者および雇用者間でのマッチングを容易に行うことができるマッチング支援サーバ、マッチング支援システム、マッチング支援方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】求職者および雇用者間でのマッチングを支援するマッチング支援サーバは、求職者が使用する求職者端末から送信された求職者が希望する勤務時間帯を少なくとも含む求職希望を受け付ける求職希望受付部と、求職希望受付部が受け付けた求職希望を、雇用者が使用する雇用者端末に提示する提示部と、提示された求職希望に対して送信された、雇用者端末から求職者へのアプローチを受け付けるアプローチ受付部と、アプローチを、求職者端末を介して求職者に選択させる選択部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10