特許第6474182号(P6474182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474182メッセージ転送装置、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6474182
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】メッセージ転送装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20190218BHJP
   H04W 4/14 20090101ALI20190218BHJP
【FI】
   G06F13/00 520C
   H04W4/14
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-219798(P2018-219798)
(22)【出願日】2018年11月23日
【審査請求日】2018年12月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514136107
【氏名又は名称】株式会社アクリート
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 優成
(72)【発明者】
【氏名】上川 佳一
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−143005(JP,A)
【文献】 特開2013−134541(JP,A)
【文献】 特許第6338311(JP,B1)
【文献】 特開2017−073113(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0109350(US,A1)
【文献】 Accrete 成長可能性に関する説明資料,株式会社アクリート,2018年 7月
【文献】 ソリューション&サービス,Computer TELEPHONY 第16巻 第7号,株式会社リックテレコム,2013年 6月20日,pp. 76-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04W 4/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顧客の各々を識別する顧客IDと、前記顧客から端末に送信される送信メッセージと、前記端末を識別する端末IDとを受け取る受取部であって、前記複数の顧客は、グループIDで識別されるグループのいずれか1つに属する、受取部と、
前記グループIDと、前記顧客IDと、センダーIDと、前記端末IDとの対応関係を登録するデータベースであって、複数のセンダーIDは複数のグループIDのいずれか1つに関連付けられる、データベースと、
前記データベースを更新しかつ検索するデータベース制御部と、
前記データベースにおいて前記顧客IDに対応する前記グループIDに関連付けられた前記複数のセンダーIDのいずれかを付加した前記送信メッセージを、前記端末IDで識別される前記端末に送信する送信部と、
前記送信メッセージを受信した前記端末からの返信メッセージであって、前記送信メッセージに付加されていた前記センダーIDが返信先に指定され、該端末の端末IDが付加された、前記返信メッセージを受信する受信部と、
前記返信メッセージを、前記データベースに登録された前記センダーIDと前記端末IDとのペアに対応する前記顧客IDで識別される前記顧客に伝達する伝達部と、
を有するメッセージ転送装置。
【請求項2】
前記データベース制御部は、
前記受取部が受け取った前記顧客ID又は前記グループIDをキーに前記データベースを検索することで、前記グループIDに対応する前記センダーIDを前記送信部に与え、
前記送信メッセージの送信がなされる毎に、前記送信メッセージの送信に用いられた、前記グループIDと、前記顧客IDと、前記センダーIDと、前記端末IDとの対応関係を更新し、前記返信メッセージに含まれる前記センダーIDと前記端末IDとのペアを検索キーに前記データベースを検索して、前記顧客IDを特定して前記伝達部に与える、
請求項1に記載のメッセージ転送装置。
【請求項3】
前記データベース制御部は、前記データベースを更新する更新部と、前記データベースを検索する検索部とを含み、
前記検索部は、受け取られた、前記顧客IDと前記端末IDとのペアが、前記データベースに登録されているか否かを検索し、
前記顧客IDと前記端末IDとのペアが登録されていれば、前記顧客IDと前記端末IDとのペアに対応している第1のセンダーIDを前記送信部に与え、
前記検索部は、前記顧客IDと前記端末IDとのペアが登録されていなければ、前記端末IDが前記データベースに登録されているか否かを検索し、
前記端末IDが登録されていれば、
前記検索部は、前記端末IDに対応したセンダーID以外の第2のセンダーIDであって、前記顧客IDに対応するグループIDに関連付けられた第2のセンダーIDを前記送信部に与え、
前記更新部は、前記顧客IDと前記端末IDとのペアと、前記第2のセンダーIDとを対応付けて前記データベースに登録し、
前記端末IDが登録されていなければ、
前記検索部は、前記顧客IDに対応するグループIDに関連付けられた第3のセンダーIDを前記送信部に与え、
前記更新部は、前記顧客IDと前記端末IDとのペアと、前記第3のセンダーIDとを対応付けて前記データベースに登録する、
請求項1又は2に記載のメッセージ転送装置。
【請求項4】
前記データベース制御部は、前記データベースの第1のエントリーを作成又は上書きした時から所定の時間が経過した場合、前記第1のエントリーを無効化することで、前記第1のエントリーに登録された前記グループIDと、前記顧客IDと、前記センダーIDと、前記端末IDとの関係を前記データベースから消去する、
請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のメッセージ転送装置。
【請求項5】
前記データベース制御部は、返信メッセージが前記顧客に伝達された場合、該返信メッセージを伝達する顧客を特定するために利用された第2のエントリーを無効化することで、前記第2のエントリーに登録された前記グループIDと、前記顧客IDと、前記センダーIDと、前記端末IDとの関係を前記データベースから消去する、
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のメッセージ転送装置。
【請求項6】
前記データベース制御部は、前記受取部が受け取った前記顧客IDが所定の第1の顧客IDである場合、送信メッセージが送信されても、前記送信メッセージの送信に用いられた、前記グループIDと、前記顧客IDと、前記センダーIDと、前記端末IDとを関係づけるデータベースのエントリーの作成又は更新を行わない、
請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のメッセージ転送装置。
【請求項7】
前記データベース制御部は、前記受取部が受け取った前記顧客IDが所定の第2の顧客IDである場合、前記送信メッセージの送信に用いられた、前記グループIDと、前記センダーIDと、前記端末IDと、前記所定の第2の顧客IDに代えて所定の第3の顧客IDと、を関係づけるデータベースのエントリーを作成又は更新する、
請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載のメッセージ転送装置。
【請求項8】
前記データベース制御部は、前記返信メッセージに所定の文字列が検出された場合、第4の顧客IDを前記伝達部に与える、
請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載のメッセージ転送装置。
【請求項9】
複数の顧客の各々を識別する顧客IDと、前記顧客から端末に送信される送信メッセージと、前記端末を識別する端末IDとを受け取る受取ステップであって、前記複数の顧客は、グループIDで識別されるグループのいずれか1つに属する、受取ステップと、
データベースを更新しかつ検索するデータベース制御ステップであって、前記データベースは、前記グループIDと、前記顧客IDと、センダーIDと、前記端末IDとの関係を登録するデータベースであって、複数のセンダーIDは複数のグループIDのいずれか1つに関連付けられる、データベース制御ステップと、
前記データベースにおいて前記顧客IDに対応する前記グループIDに関連付けられた複数のセンダーIDのいずれかを付加した前記送信メッセージを、前記端末IDで識別される前記端末に送信するステップと、
前記送信メッセージを受信した前記端末からの返信メッセージであって、前記送信メッセージに付加されていた前記センダーIDが返信先に指定され、該端末の端末IDが付加された、前記返信メッセージを受信するステップと、
前記返信メッセージを、前記データベースに登録された前記センダーIDと前記端末IDとのペアに対応する前記顧客IDで識別される前記顧客に伝達するステップと、
を有するメッセージ転送方法。
【請求項10】
前記データベース制御ステップは、
前記受取ステップが受け取った前記顧客ID又は前記グループIDをキーに前記データベースを検索することで、前記グループIDに対応する前記センダーIDを前記送信するステップに与え、
前記送信メッセージの送信がなされる毎に、前記送信メッセージの送信に用いられた、前記グループIDと、前記顧客IDと、前記センダーIDと、前記端末IDとの対応関係を更新し、前記返信メッセージに含まれる前記センダーIDと前記端末IDとのペアを検索キーに前記データベースを検索して、前記顧客IDを特定して前記伝達するステップに与える、
請求項9に記載のメッセージ転送方法。
【請求項11】
前記データベース制御ステップは、前記データベースを更新するステップと、前記データベースを検索するステップとを含み、
前記検索するステップは、受け取られた、前記顧客IDと前記端末IDとのペアが、前記データベースに登録されているか否かを検索し、
前記顧客IDと前記端末IDとのペアが登録されていれば、前記顧客IDと前記端末IDとのペアに対応している第1のセンダーIDを前記送信するステップに与え、
前記検索するステップは、前記顧客IDと前記端末IDとのペアが登録されていなければ、前記端末IDが前記データベースに登録されているか否かを検索し、
前記端末IDが登録されていれば、
前記検索するステップは、前記端末IDに対応したセンダーID以外の第2のセンダーIDであって、前記顧客IDに対応するグループIDに関連付けられた第2のセンダーIDを前記送信するステップに与え、
前記更新するステップは、前記顧客IDと前記端末IDとのペアと、前記第2のセンダーIDとを対応付けて前記データベースに登録し、
前記端末IDが登録されていなければ、
前記検索するステップは、前記顧客IDに対応するグループIDに関連付けられた第3のセンダーIDを前記送信するステップに与え、
前記更新するステップは、前記顧客IDと前記端末IDとのペアと、前記第3のセンダーIDとを対応付けて前記データベースに登録する、
請求項9又は10に記載のメッセージ転送方法。
【請求項12】
前記請求項9ないし11のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ転送装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを用いてメッセージ又は画像などのメディア情報を転送する技術には多様な方式が存在する。たとえば、SMSはShort Message Serviceの略である。SMS送信とは、メールアドレスではなく携帯電話やスマートフォンの電話番号を宛先にしてメッセージを送信するサービスである。初期のSMSは、短いテキストを転送していたため、「ショートメッセージサービス」と一般に称されているが、技術の発展とともに、転送できるデータ量も増大し、転送できるメディアの種類も多様化している。
【0003】
SMSは、個別配信や一斉配信を行うことができる。SMSでは、電話番号を利用するため、メールアドレスで着信メールをフィルタリングしているユーザーにも、メッセージをより確実に届けることができる。SMSは、通信キャリアが宛先に用いる電話番号を使うため個人認証の目的で利用されることも多い。また、なりすましや重複登録を防ぐ能力が高い。
【0004】
SMSなどのメッセージ通信では、上述のように電話番号を用いた通信を利用することで、無料又は安価で比較的容易に取得できるメールアドレスなどを利用して通信するよりも、利用者(本人)を特定することをより確実に行うことができる。
【0005】
すなわち、電話番号を利用するためには、通常、ネットワーク通信網の利用料金を支払うことなどが必要となるため、電話番号を取得するには、メールアドレスなどを利用する場合よりも、より厳密な本人確認が必要とされている場合が多い。また、電話番号は、本人に確実にアクセスできる連絡先としても一般に利用されている。したがって、電話番号を利用するSMSなどの通信は、メールアドレスなどを利用する通信よりも、本人を特定することがより確実である。
【0006】
反面、電話番号は、比較的自由に本人が設定できるメールアドレスなどよりも選択の自由度も狭く、かつ、取得するために一定の費用がかかることがほとんどである、また。このことによって、電話番号はメールアドレスなどと比較して、メッセージの転送の確実性及び本人の確認機能などの面で有利性があるが、電話番号のリソースはより限定されており、取得するためのコストも高くなっている。しかも、1つのメッセージを転送するコストは、電話番号を利用したSMSでは、メールアドレスを利用した通信よりも一般的に高くなっている。
【0007】
以上の説明は、電話番号を利用したSMS通信を例にしたが、以下に説明する実施形態は、SMS通信に限られるものではなく、上記の例示の通信に準じた性質を有する通信に適用できるものであることは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5855732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開示された実施の形態は、メッセージの伝達能力が高く、また本人確認の能力が高いなどの特徴を有するSMSなどの通信に対して、これらの利便性を損なうことなく、より容易に利用できる環境を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示された実施の形態によれば、複数の顧客の各々を識別する顧客IDと、前記顧客から端末に送信される送信メッセージと、前記端末を識別する端末IDとを受け取る受取部であって、前記複数の顧客は、グループIDで識別されるグループのいずれか1つに属する、受取部と、前記グループIDと、前記顧客IDと、センダーIDと、前記端末IDとの対応関係を登録するデータベースであって、複数のセンダーIDは複数のグループIDのいずれか1つに関連付けられる、データベースと、前記データベースを更新しかつ検索するデータベース制御部と、前記データベースにおいて前記顧客IDに対応する前記グループIDに関連付けられた前記複数のセンダーIDのいずれかを付加した前記送信メッセージを、前記端末IDで識別される前記端末に送信する送信部と、前記送信メッセージを受信した前記端末からの返信メッセージであって、前記送信メッセージに付加されていた前記センダーIDが返信先に指定され、該端末の端末IDが付加された、前記返信メッセージを受信する受信部と、前記返信メッセージを、前記データベースに登録された前記センダーIDと前記端末IDとのペアに対応する前記顧客IDで識別される前記顧客に伝達する伝達部と、を有するメッセージ転送装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
開示された実施の形態は、メッセージの伝達能力が高く、また本人確認の能力が高いなどの特徴を有するSMS又はこれに類似する通信に対して、これらの利便性を損なうことなく、より容易に利用できる環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】複数の実施形態を実現するブロック図である。
図2】第1の実施形態におけるデータベースの例とメッセージ送受信の例を示す図である。
図3】データベースのエントリーのデータ構造の例を示す図である。
図4】第1の実施形態のフローチャートである。
図5】端末からの返信メッセージを、メッセージ転送装置を介して顧客に伝達するフローチャートである。
図6】第2の実施形態におけるデータベースの例とメッセージ送受信の例を示す図である。
図7】データベースのエントリーのデータ構造の例を示す図である。
図8】第2の実施形態のフローチャートである。
図9】変形例1を示すフローチャートである。
図10】変形例2を示すフローチャートである。
図11】他の変形例を示す図である。
図12】変形例3を示す図である。
図13】変形例4を示す図である。
図14】実施形態の各ハードウエア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
既に説明したように、以下に説明する実施形態は電話番号を利用したSMS通信を例にして説明するが、実施形態はSMS通信に限られるものではなく、例示した通信に準じた性質を有するあらゆる通信に適用できるものであることは言うまでもない。
【0014】
また、各実施形態は、それぞれが排他的なものではなく、ある実施形態の一部を他の実施形態に組み込んだり、ある実施形態の一部を他の実施形態の一部で代替したりすることができる。
【0015】
加えて、例示したフローチャートの各フローは、矛盾のない限り順番を入れ替えることができる。また、矛盾のない限り、例示された1つのフローを、異なるタイミングで、複数回実行することができる。
また、矛盾のない限り、複数のフローを同時に実行したりすることができる。
【0016】
また、開示された実施形態の一部のプログラムは、オペレーティングシステムなどの汎用のプログラム、またはハードウエアで実現することができる。加えて、開示されたプログラムは、複数のハードウエアで分散して実行されてもよい。
【0017】
<実施形態の機能の概要>
図1は、複数の実施形態を実現するブロック図である。
顧客11と端末30とがテキストなどを含むメッセージを交換する。携帯電話は、端末30の一例である。メッセージ転送装置40は、顧客11からの送信メッセージをいずれかの端末30に転送し、端末30からの返信メッセージをいずれかの顧客11に転送する。
【0018】
複数の顧客11の各々は、複数のグループ10のいずれかに属している。なお、同一の顧客が複数のグループに属することとしたい場合には、例えば各々のグループに対応して異なる顧客IDを同一の顧客にアサインするようにすればよい。
【0019】
図1では、グループAに顧客a及び顧客bが属しており、グループBに顧客c、顧客d及び顧客eが属している。例えば、グループAは、複数のテナント企業を管理する管理会社であり、顧客a及び顧客bは、管理会社に属するテナントであってもよい。また、例えば、グループAは、あるフランチャイズチェーンの親企業(フランチャイジー)であり、顧客a及び顧客bは、フランチャイズチェーンに参加する独立店(フランチャイザー)であってもよい。
【0020】
図1において、メッセージ転送装置40は、データベース41、DB制御部42、顧客から送信メッセージ等を受け取る受取部45、受け取られた送信メッセージをいずれかの端末30に送信する送信部46、端末30からの返信メッセージ等を受信する受信部48、及び返信メッセージを顧客11に伝達する伝達部47を有する。
【0021】
なお、送信メッセージには、送信元を示すセンダーID(図1に不図示)が付加される。また、返信メッセージには、返信先を示すセンダーIDが付加される。メッセージ転送装置が送信するメッセージの発信元アドレス、またはメッセージ転送装置が受信する返信メッセージの宛先アドレスとなる電話番号は、センダーIDの一例である。
また、DB制御部42は、データベース41のエントリーを作成又は更新する更新部43と、データベース41を検索する検索部44とを備える。
【0022】
データベース41は、例えば、顧客11を識別する顧客IDと、センダーIDと、端末30を識別する端末IDとを紐づけるエントリーを持つ。また、データベース41は、グループIDと、センダーIDの集合と、顧客IDの集合とを紐づけるエントリーを有する。
DB制御部42は、顧客11又は顧客のグループ10から指令を受けることができる。顧客11又は顧客のグループ10は、DB制御部42に指令を与えることにより、データベース41に、エントリーを作成したり、エントリーを削除したりして、データベースの内容を編集することができる。また、顧客11からのメッセージ又は端末30からのメッセージ内に特定の文字列(又はコマンド)を含ませることで、DB制御部32に指令を与えることによって、データベースの内容を編集することができるようにしてもよい。なお、メッセージ内の特定の文字列(又はコマンド)、及び、顧客11又は顧客のグループ10によるデータベース41の編集の具体例は、変形例において後述する。
或いは、DB制御部は、顧客30からのセンダーID宛の音声通話によって、端末30を用いるユーザーからの指示、或いはボタン操作による指示を受け取ることによってDB制御部42が所定の動作を行って、データベースの内容を編集するようにしてもよい。
或いは、DB制御部は、所定のウェブサイトにおいて顧客30からの指示を受け取ることによってDB制御部42が所定の動作を行って、データベースの内容を編集するようにしてもよい。所定のウェブサイトのURLは、送信メッセージ内に記載して端末30の操作者にウェブサイトへの誘導を促してもよい。
【0023】
<第1の実施形態>
第1の実施形態は、図1を参照しつつ、その他の図を用いて以下に説明する。
【0024】
図2は、第1の実施形態におけるデータベースの例とメッセージ送受信の例を示す図である。
図2(A)は、データベース41の内容のうち、グループ10と、顧客11と、センダーID50との関係を示す例である。グループAは、顧客aと顧客bとを有し、センダーID51とセンダーID52とが利用できることが示されている。グループBは、顧客cと顧客dと顧客eとを有し、センダーID53とセンダーID54とが利用できることが示されている。グループCは、顧客fないし顧客kを有し、センダーID55ないしセンダーID58が利用できることが示されている。
以下では、グループBを例にして説明する。
図2(B)は、顧客11と端末30とのメッセージの送受信の例を示している。
【0025】
(送信メッセージ)
メッセージ転送装置40は、センダーID54を顧客cからの送信メッセージ70に付加して、端末aに送信している。更新部43は、顧客cと、センダーID54と、端末aとを紐づけるエントリーを、データベース41に登録する。
【0026】
また、メッセージ転送装置40の検索部44は、顧客dからの送信メッセージ70を端末aに送信する際、顧客dが過去に端末aに送信メッセージを既に送信したことを示すエントリーがデータベース41に存在するか否かをチェックする。(そのエントリーがデータベース41に存在する場合には、そのエントリーに紐づいたセンダーIDを送信メッセージに付加すればよい。)なお、図2(B)においては、そのエントリーが存在しなかったとする。この場合、検索部44は、他の顧客から端末aに送信メッセージを既に送信したことを示すエントリーがデータベース41に存在するか否かをチェックする。図2(B)の場合には、顧客cがすでにセンダーID54を送信メッセージ70に付加して端末aに送信している。このため、検索部44は、グループAに属するセンダーIDのうち、空いているセンダーIDを検索する。検索部44は、センダーID53が端末aに対して未使用であることを見出す。この結果、検索部44は、送信部46にセンダーID53を与える。送信部46は、顧客dからの送信メッセージ70にセンダーID53を付加して、端末aに送信メッセージを送信する。更新部43は、顧客IDである顧客dと、センダーID53と、端末IDである端末aとを紐づけるエントリーを、データベース41に登録する。
【0027】
(返信メッセージ)
メッセージ転送装置40の受信部48が、端末aからの返信メッセージ75にセンダーID54が付された返信メッセージ75を受信すると、検索部44は、データベース41を検索する。検索部44は、センダーID54と端末IDである端末aとのペアを検索キーにデータベース41を検索して、前記顧客IDである顧客cを得て、前記顧客IDである顧客cを伝達部47に与える。伝達部は、顧客aに端末aからの返信メッセージ75を伝達する。
【0028】
メッセージ転送装置40の受信部48が、端末aからの返信メッセージ75にセンダーID53が付された返信メッセージ75を受信すると、検索部44は、データベース41を検索する。検索部44は、センダーID53と端末IDである端末aとのペアを検索キーにデータベース41を検索して、前記顧客IDである顧客dを得て、前記顧客IDである顧客dを伝達部47に与える。伝達部は、顧客dに端末aからの返信メッセージ75を伝達する。
【0029】
図2(B)には、その他の送信メッセージ70及び返信メッセージ75の送受信の態様が示されている。
図2(B)の実施態様では、グループBに2つのセンダーIDが割り当てられている。したがって、各端末30に対して、最大で、2か所の顧客11からの送信メッセージを送ることができるという条件を守ることとなる。顧客11の各々は、上記条件を満たす限り、2つのセンダーIDを最大限に利用して、メッセージ転送装置40を介して、端末30の各々と、送信メッセージ及び返信メッセージの送受信を行うことができる。
【0030】
したがって、図2(B)のグループBの3つの顧客11の各々に専用のセンダーIDをアサインする場合には、3つのセンダーIDが必要とされるが、2つのセンダーID(センダーID53及びセンダーID54)をアサインするだけで、メッセージの送受信を実現できることになる。なお、上記の制限による不都合を回避するための様々な方策については、後述する。なお、上記の制限による不都合を回避するために、新たなセンダーIDを、不都合が発生しているグループに追加してアサインするようにしてもよい。
【0031】
図3は、データベース41のエントリーのデータ構造の例を示す図である。
図3(A)は、グループ(B)に、顧客cと顧客dと顧客eとが属していること、センダーID53とセンダーID54とが属していることを示している。検索部44は、このエントリーを検索することで、顧客IDをキーにしてグループを検索することができる。また、検索部44は、顧客ID又はグループIDから、利用できるセンダーIDを取得することができる。
【0032】
図3(B)は、グループBに関して、顧客IDと、センダーIDと、端末IDとの紐づけを記憶する複数のエントリーである。検索部44は、顧客IDと端末IDとのペアをキーとして、図3(B)を検索することで、既に、顧客IDと端末IDとのペアがメッセージの送受信を行ったことがあるか否かを(メッセージの送受信を行ったことがあれば、いずれのセンダーIDが使われたかを)チェックできる。メッセージの送受信が行われたことがないことが分かった場合には、更に、特定の端末IDをキーにして検索を行うことで、特定の端末に対して、既に使われているセンダーIDを得ることができる。特定の端末に既に使われているセンダーIDのすべてをキーにして、図3(A)のエントリーを検索することで、利用可能なセンダーIDが存在するか否かの情報、及び、存在する場合に、利用できるセンダーIDを得ることができる。
なお、図3(B)は、エントリーの例であって、他の形式でもエントリーが構成され得ることは、当業者に自明である。
【0033】
図4は、第1の実施形態のフローチャートである。以下に、このフローチャートを用いて、第1の実施形態の動作の例を説明する。なお、以下の各ステップの動作主体は、メッセージ転送装置である。
[S402]顧客11から、顧客ID、送信メッセージ、端末IDが受け取られる。処理はステップS404に移る。
【0034】
[S404]顧客IDからグループIDが特定される。なお。グループIDが顧客11から得られた場合は、このステップを実行しなくてもよい。処理はステップS406に移る。
【0035】
[S406]特定されたグループIDに関して、顧客IDと端末IDとのペアがデータベースに登録されているかがチェックされる。このチェックが肯定的であれば(yes)、処理はステップS408に移る。このチェックが否定的であれば(no)、処理はステップS412に移る。
[S408]顧客IDと端末IDとのペアに紐付く第1のセンダーIDを送信部に与える。処理はステップS424に移る。
【0036】
[S412]特定されたグループIDに関して端末IDがデータベースに登録されているかがチェックされる。このチェックが肯定的であれば(yes)、処理はステップS416に移る。このチェックが否定的であれば(no)、処理はステップS414に移る。
[S414]特定されたグループIDに属する第3のセンダーIDを送信部に与える。処理はステップS418に移る。
【0037】
[S416]端末IDに紐づいたセンダーID以外の第2のセンダーIDであって、特定されたグループIDに属する第2のセンダーIDを送信部に与える。処理は、ステップS420に移る。
[S418]顧客IDと端末IDとのペアと、第3のセンダーIDとを紐付けたエントリーをデータベースに登録する。処理はステップS424に移る。
[S420]顧客IDと端末IDとのペアと、第2のセンダーIDとを紐付けたエントリーをデータベースに登録する。処理はステップS424に移る。
[S424]第1のセンダーID、第2のセンダーID又は第3のセンダーIDを付加した送信メッセージを端末IDで特定される端末に送信する。
【0038】
以上の処理によって、グループ10にアサインされたセンダーIDの数が、同じグループ10に属する顧客11の数より少なくても、利便性を犠牲にすることを極力抑えて、センダーIDを有効に利用することができる。
【0039】
図5は、端末30からの返信メッセージを、メッセージ転送装置40を介して顧客に伝達するフローチャートである。以下に、この処理について説明する。以下の処理の動作主体は、メッセージ転送装置40である。
[S502]端末30から、返信メッセージ、センダーID及び端末IDを受信する。処理はステップS504に移る。
[S504]センダーIDと端末IDのペアをキーにしてデータベースから顧客IDを検索する。処理はステップS506に移る。
[S506]顧客IDに対応する顧客に返信メッセージを伝達する。
【0040】
以上の処理によって、端末30から、センダーIDを宛先とした返信メッセージを、適切な顧客に伝達することができる。センダーIDを顧客11が共有しつつ、メッセージの相互通信が確実に行えることになる。
【0041】
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態におけるデータベースの例とメッセージ送受信の例を示す図である。図1のブロック図を適宜参照しながら説明する。
【0042】
図6(A)は、データベース41の内容のうち、グループ10と、顧客11と、センダーID60との関係を示す例である。グループAは、顧客aと顧客bとが存在し、センダーID61が利用できることが示されている。グループBは、顧客cと顧客dと顧客eとが存在し、センダーID62が利用できることが示されている。グループCは、顧客fないし顧客kが存在し、センダーID63が利用できることが示されている。
以下では、グループBを例にして説明する。
図6(B)は、顧客11と端末30とのメッセージの送受信の例を示している。
【0043】
(送信メッセージ)
メッセージ転送装置40は、センダーID62を顧客cからの送信メッセージ80に付加して、時刻1に、端末cに送信している。更新部43は、顧客cと、センダーID62と、端末cと、時刻1とを紐づけるエントリーを、データベース41に登録する。
【0044】
メッセージ転送装置40は、センダーID62を顧客eからの送信メッセージ80に付加して、時刻2に、端末cに送信している。更新部43は、顧客eと、センダーID62と、端末cと、時刻2とを紐づけるエントリーを、データベース41に登録する。
【0045】
メッセージ転送装置40は、センダーID62を顧客dからの送信メッセージ80に付加して、時刻3に、端末cに送信している。更新部43は、顧客cと、センダーID62と、端末cと、時刻3とを紐づけるエントリーを、データベース41に登録する。
図6(B)の他の送信メッセージに関しても、同様の処理が行われる。
【0046】
(返信メッセージ)
メッセージ転送装置40の受信部48が、端末cからの返信メッセージ85にセンダーID62が付された返信メッセージ85を受信すると、検索部44は、データベース41を検索する。
【0047】
検索部44は、センダーID62と端末IDである端末cとのペアを検索キーにデータベース41を検索して、最も新しい時刻を持つエントリーを検索する。最も新しい時刻は、時刻3である。センダーID62と端末IDである端末cと時刻3とを有するエントリーから、顧客IDである顧客dを得ることができる。
前記顧客IDである顧客dを伝達部47に与える。伝達部は、顧客dに端末cからの返信メッセージ85を伝達する。
図6(B)には、その他の送信メッセージ80及び返信メッセージ85の送受信の態様が示されている。
【0048】
図6(B)の実施態様では、各グループに1つのセンダーIDが割り当てられている。したがって、各端末30は、1か所の顧客11へ返信メッセージを返すことができるという条件を守ることとなる。顧客11の各々は、1つのセンダーIDを最大限に利用して、メッセージ転送装置40を介して、端末30の各々と、送信メッセージ及び返信メッセージの送受信を行うことができる。
【0049】
したがって、図6(B)のグループBの3つの顧客11の各々に専用のセンダーIDをアサインする場合には、3つのセンダーIDが必要とされるが、1つのセンダーID(センダーID62)をアサインするだけで、メッセージの送受信を実現できることになる。
【0050】
なお、上記の制限によって不都合を回避するためのその他の様々な方策については、後述する。なお、上記の制限によって不都合を回避するために、新たなセンダーIDを、不都合が発生しているグループに追加してアサインするようにしてもよい。なお、複数のセンダーIDが1つのグループにアサインされた場合には、複数のセンダーIDに関して、例えば個別に時刻を管理するようにすればよい。
【0051】
図7は、データベース41のエントリーのデータ構造の例を示す図である。
図7(A)は、グループBに、顧客cと顧客dと顧客eとが属していること、センダーID62が属していることを示している。検索部44は、このエントリーを検索することで、顧客IDをキーにしてグループを検索することができる。また、検索部44は、顧客ID又はグループIDから、利用できるセンダーIDを取得することができる。
【0052】
図8は、第2の実施形態のフローチャートである。以下に、このフローチャートを用いて、第2の実施形態の動作の例を説明する。なお、以下の各ステップの動作主体は、メッセージ転送装置である。
図8(A)は、送信メッセージの処理を示すフローチャートである。
[S802]顧客ID、送信メッセージ、端末IDが受け取られる。処理はステップS804に移る。
【0053】
[S804]顧客IDからグループIDが特定される。なお。グループIDが顧客11から得られた場合は、このステップを実行しなくてもよい。処理はステップS806に移る。
[S806]グループIDからセンダーIDが特定される。処理はステップS808に移る。
【0054】
[S808]顧客IDと、端末IDと、センダーIDと、送信する時刻とを紐付けたエントリーをデータベースに登録又は更新する。処理はステップS810に移る。
[S810]特定されたセンダーIDを付加した送信メッセージを端末IDで特定される端末に送信する。
【0055】
図8(B)は、返信メッセージの処理を示すフローチャートである。以下に、そのフローについて説明する。下記の処理の実行主体は、メッセージ転送装置である。
[S822]返信メッセージ、センダーID及び端末IDを受信する。処理はステップS824に移る。
【0056】
[S824]センダーIDと端末IDのペアをキーにしてデータベースを検索し、検索されたエントリーのうちで最も新しい時刻を持つエントリーから顧客IDを得る。処理はステップS826に移る。
[S826]得られた顧客IDに対応する顧客に返信メッセージが伝達される。
以上の処理によって、端末30からの返信メッセージが顧客11に伝達される。
【0057】
<変形例1>
図9は、変形例1を示すフローチャートである。
【0058】
図9では、データベースの作成又は更新の際に、直近に発生したイベントに係るエントリーによって、古いエントリーが上書きされるようにデータベースの処理が行われる。これによって、データベースに登録された複数のエントリーから最新のエントリーを探す手間を省くことができる。処理の詳細は以下のとおりである。
図9(A):送信メッセージ)
[S852]顧客ID、送信メッセージ、端末IDが受け取られる。処理はステップS854に移る。
[S854]顧客IDからグループIDが特定される。顧客から、グループIDが取得できた場合には、この処理は不要である。処理はステップS856に移る。
[S856]グループIDからセンダーIDを特定する。処理はステップS857に移る。
【0059】
[S857]センダーIDと端末IDのペアを持つエントリーを、データベースから発見できたかがチェックされる。このチェック結果が肯定的(yes)であれば、処理はステップS858に移る。このチェック結果が否定的(no)であれば、処理はステップS860に移る。
【0060】
[S858]顧客IDと、端末IDと、センダーIDと、送信する時刻とを紐付けたエントリーを、発見されたエントリーに上書きする。この処理は、上書きではなく、発見されたエントリーを消去する処理の後に、顧客IDと、端末IDと、センダーIDと、送信する時刻とを紐付けたエントリーを新たに登録してもよい。処理はステップS862に移る。
[S860]顧客IDと、端末IDと、センダーIDと、送信する時刻とを紐付けたエントリーをデータベースに登録する。処理はステップS862に移る。
[S862]特定されたセンダーIDを付加した送信メッセージを、端末IDで特定される端末に送信する。
以上の処理によって、データベースの作成又は更新の際に、直近に発生したイベントに係るエントリーによって、古いエントリーが上書きされるようにデータベースの処理が行われる。
【0061】
図9(B):返信メッセージ)
端末30から得られた返信メッセージの処理は以下のとおりである。なお、以下の処理の動作主体は、メッセージ転送装置である。
[S882]返信メッセージ、センダーID及び端末IDを受信する。処理はステップS884に移る。
[S884]センダーIDと端末IDのペアをキーにしてデータベースを検索し、顧客IDを得る。処理はステップS866に移る。
[S886]得られた顧客IDに対応する顧客に返信メッセージを伝達する。
以上の処理で、端末30から得られた返信メッセージが、顧客11に伝達される。
【0062】
<変形例2>
図10は、変形例2を示すフローチャートである。
変形例2では、所定の時間が経過すると、顧客11がセンダーIDを占有して使用することを開放する処理を示している。この処理の詳細は、以下のとおりである。
処理は、例えば、定期的な割り込み処理によって開始されることが望ましい。
[S1002]以下のステップS1004の処理を、データベースのすべてのエントリーに対して実行する。
【0063】
[S1004]エントリーが作成されたか最後に更新されてから所定の時間が経過したエントリーを削除する。なお、削除対象となるエントリーは、センダーIDを占有することに関連するエントリーである。
[S1006]繰り返し処理がステップS1002との間で実行される。
【0064】
以上の処理によって、顧客11にアサインされたセンダーIDの占有が、所定の時間の経過後に開放され、センターIDが他の利用に供されることとなり、顧客11により共有されるリソースであるセンダーIDの有効利用を図ることができる。
【0065】
<他の変形例>
図11は、その他の変形例を示す図である。なお、図11では、一連の処理として記載されているが、図11に示される各処理のうち、一部の処理だけが採用されて実行されてもよい。
【0066】
(1)[S1101,S1102]
【0067】
この処理では、センダーIDを確保して顧客11から端末30への送信メッセージの送信と、端末30から顧客11への返信メッセージの伝達が行われると、確保されたセンダーIDに関連するデータベースのエントリーを削除する処理を行う。
【0068】
この処理によって、一往復のメッセージのやり取りでセンダーIDの確保が解放されることとなり、センダーIDを他のメッセージ転送にアサインすることができる。
【0069】
(2)[S1104,S1106]
【0070】
この処理では、所定の顧客IDを持つ顧客からの送信メッセージが受け取られた場合には、データベースのエントリーの更新処理を行わないようにする。この処理によって、送信メッセージの送信のみで、返信メッセージの受領を望まないニーズに適合した処理が実現できる。例えば、フランチャイズチェーンにおいて、お知らせを端末30に送信して、返信メッセージをお知らせの送信元が受信したくない場合などに利用することができる。
【0071】
(3)[S1108,S1110]
【0072】
この処理は、メッセージ送信に利用された顧客IDの顧客ではなく、特定の顧客IDの顧客に返信メッセージが伝達されるようにする処理である。この処理を行うことによって、端末30からの返信メッセージを一か所の顧客に伝達させるようなニーズにこたえることができる。
【0073】
(4)[S1112,S1114]
【0074】
この処理は、返信メッセージ中に所定の文字列を含ませることにより、返信メッセージの伝達先の顧客11を選択することができるようにする処理である。例えば、あるグループにアサインされたセンダーIDがすべて利用されており、端末30から返信メッセージを送りたいと欲する端末30に、返信メッセージを送ることができない場合に、この処理を利用すれば、返信メッセージを伝達したいことを示す文字列をメッセージ内に記載することによって、返信メッセージに付加されたセンダーIDによって定まる伝達先の顧客11とは異なる顧客に、端末30から返信メッセージを送ることが可能となる。
以上の各種変形例は、ニーズに応じて、取捨選択して利用することが可能であり、多様な機能を付加することができる。
【0075】
<変形例3>
図12は、実施形態の第3の変形例を示す図である。図12(A)は、送信メッセージ80と、返信メッセージ85の送受信の態様を示している。
顧客m0は、送信メッセージ80を端末p0ないし端末p7に一斉配信している。なお、各端末に送られる送信メッセージ80の内容は、同じ内容でもよいし、個々の端末に応じて異なるメッセージの内容であってもよい。送信メッセージ80は、共通のセンダーID70を付加して、端末に送られるようにしてもよい。
そして、この送信メッセージ80を受信した端末p0ないし端末p7の各々は、センダーID70を宛先にして、返信メッセージ85を返信する。
【0076】
図13(B)は、データベース41に格納されるエントリーの主要部を示している。図3(B)のエントリーは、顧客m0又は、顧客m0が属するグループのオペレータなどによって、予め作成されていてもよい。検索部44は、返信メッセージを受けると、データベース41に格納されている図12(B)のエントリーを検索する。この結果、図12(A)に示されるように、たとえば、端末p0の返信メッセージ85は、顧客m3に伝達される。その他の返信メッセージも、図12(A)及び図12(B)に示される顧客に返信される。
以上のように、顧客m0が、送信メッセージを一斉送信すると、そのメッセージを受信した端末からの返信メッセージは、顧客m1ないし顧客m4にほぼ均等に配分されて、伝達される。この返信先の顧客を定めるエントリーは、図12(B)に示されている。
このようにすることにより、複数の端末からの返信メッセージに対して、顧客m1ないし顧客m4が分担して対応することが可能となる。
【0077】
なお、上記の説明では、図12(B)のエントリーは、予め作成されていることとして説明したが、図12(B)のエントリーは、予め作成されていなくてもよい。
例えば、端末からセンダーID70を宛先とする返信メッセージが受信部46に受信されると、検索部44は、端末IDとセンダーIDとのペアをキーとして、データベース41を検索する。検索部44は、ヒットするエントリーがデータベースに見いだせない場合には、更新部43にエントリーを作成するよう指示する。更新部43は、この指示に基づいて、あらかじめ定められた規則に基づいて、返信メッセージを発した端末に関連するデータベース41に、例えば図12(B)に示されるように返信メッセージを発した端末に関連するエントリーを追加する。例えば、更新部43は、返信メッセージの数が、なるべく均等になるように、それぞれの顧客に返信メッセージを伝達するように、図12(B)に示されるエントリーを作成する。例えば、ラウンドロビンアルゴリズムを利用して、返信メッセージを順番に異なる顧客に伝達してもよい。
【0078】
なお、返信メッセージの配信の顧客への伝達のパターンは、図12に示される例に限定されるものではない。例えば、各顧客から送信されたメッセージに対する各端末からの返信メッセージを、例えば、特定の1つの顧客に集中して伝達するように、図12(B)のエントリーを予め作成しておいてもよい。或いは、図12(B)のエントリーは、端末からの返信メッセージが受信された都度、更新部43が作成するようにしてもよい。
以上の変形例は例示であって、複数のセンダーIDが用いられてもよいし、図12(B)に示される顧客とセンダーIDと端末との紐づけは、必要に応じて設定することができる。なお、図12(B)では、時刻を利用していないが、送信メッセージ又は返信メッセージの送受信の時刻をもデータベース41に記録して、メッセージ転送の制御を行ってもよいことは言うまでもない。
【0079】
<変形例4>
図13は、実施形態の他の変形例を示している。図13(A)では、送信メッセージ80又は返信メッセージ85の中に、例えば「STOP」の文字列が存在している場合を示している。この場合には、送信メッセージ又は返信メッセージが送られた後に、送信メッセージ又は返信メッセージを転送するために用いられたデータベース41中のエントリーを削除することとしてもよい。当該エントリーを削除することにより、送信メッセージ又は返信メッセージの転送に係る顧客とセンダーIDと端末との紐づけが消去されることとなるため、その後は、この消去されたエントリーによって紐づいていた顧客と端末とのメッセージ通信が行えなくなることとなる。
このように、メッセージ内に所定の文字列を含ませることにより、更新部43に対して、データベース41の編集を行わせることができる。
【0080】
図13(B)は、送信メッセージ内に、例えば「Broadcast」の文字列を含ませることにより、顧客からの該送信メッセージを、複数の端末に一斉配信することができる。このメッセージを顧客m0から送信することにより、上記変形例3における一斉配信において、個々の端末を指定することなく、一斉配信を行わせることができる。
その他、送信メッセージ又は返信メッセージに、所定のメッセージが存在する場合に、所定の転送を行わせること、或いは、データベースの所定のエントリーを編集することが可能となる。
【0081】
<ハードウエア構成>
図14は、実施形態の各ハードウエア構成を示した図である。ハードウエア構成は、CPU901、本実施形態のプログラム及びデータが格納されるROM902、RAM903、ネットワークインターフェース905、入力インタフェース906、表示インタフェース907、外部メモリインタフェース908を有する。これらのハードウエアは、バス904によって相互に接続されている。
【0082】
ネットワークインターフェース905は、ネットワーク915に接続されている。ネットワーク915には、有線LAN、無線LAN、インターネット、電話網などがある。入力インタフェース906には、入力部916が接続されている。表示インタフェース907には、表示部917が接続される。外部メモリインタフェース908には、記憶媒体918が接続される。記憶媒体918は、RAM、ROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、メモリーカード等であってもよい。記憶媒体には、本実施形態を実現するプログラムが格納され得る。
【0083】
上述の実施形態を実現するプログラムは、図9に示されるハードウエア構成を備えるコンピュータにより実行され得る。また,実施形態のプログラムは,コンピュータに実行させる方法として,インプリメントされてもよい。本実施形態のプログラムの一部又は全部は、オペレーティングシステムにより実行されてもよい。また、プログラムの一部がハードウエアにより実現されてもよい。プログラムは記憶媒体918、ROM902、又はRAM903に記憶されてもよい。
【0084】
実施形態は,ハードウエアの装置としてインプリメントされ得る。
以上の実施例は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0085】
10 グループ
11 顧客
40 メッセージ転送装置
41 データベース
42 制御部
43 更新部
44 検索部
45 受取部
46 送信部
47 伝達部
48 受信部
【要約】
【課題】
メッセージの伝達能力が高く、また本人確認の能力が高いなどの特徴を有するSMSなどの通信に対して、これらの利便性を損なうことなく、より容易に利用できる環境を提供すること。
【解決手段】
複数の顧客の各々を識別する顧客IDと、前記顧客から端末に送信される送信メッセージと、前記端末を識別する端末IDとを受け取る受取部であって、前記複数の顧客は、グループIDで識別されるグループのいずれか1つに属する、受取部と、前記グループIDと、前記顧客IDと、センダーIDと、前記端末IDとの対応関係を登録するデータベースであって、複数のセンダーIDは複数のグループIDのいずれか1つに関連付けられる、データベースと、前記データベースを更新しかつ検索するデータベース制御部と、前記データベースにおいて前記顧客IDに対応する前記グループIDに関連付けられた前記複数のセンダーIDのいずれかを付加した前記送信メッセージを、前記端末IDで識別される前記端末に送信する送信部と、前記送信メッセージを受信した前記端末からの返信メッセージであって、前記送信メッセージに付加されていた前記センダーIDが返信先に指定され、該端末の端末IDが付加された、前記返信メッセージを受信する受信部と、前記返信メッセージを、前記データベースに登録された前記センダーIDと前記端末IDとのペアに対応する前記顧客IDで識別される前記顧客に伝達する伝達部と、を有するメッセージ転送装置が提供される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14