(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
第1の実施形態における表示装置は、表示領域内に複数の有機エレクトロルミネッセンス素子が配列されてなる有機EL表示装置であり、
図1は、本実施形態における有機EL表示装置1の概略平面図を示している。有機EL表示装置1は、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置された素子基板B1に対向基板B2が張り合わされて構成され、素子基板B1において対向基板B2が露出した領域には、有機EL表示装置1を駆動するためのドライバICが配置される。
【0013】
有機EL表示装置1の表示領域DPでは、赤色、緑色、青色、白色で発光する複数画素が後述のように規則的に配列され、各画素は、有機エレクトロルミネッセンス素子(自発光素子)を有している。
図1で示されるように、表示領域DPの各画素には、第1走査線BGと、第2走査線SGと、リセット配線Vrstと、映像信号線Dataとが接続される。第1走査線BG、第2走査線SG、リセット配線Vrstは、それぞれX方向に平行となるように敷設され、映像信号線Dataは、Y方向に平行となるように敷設される。また、
図1では省略されているが、各自発光素子に電源を供給する複数の電源供給線がY方向に平行となるように敷設される。尚、X方向とは
図1において素子基板B1の短辺が延びるような横となる方向であり、Y方向とは
図1において素子基板B1の長辺が延びるような縦となる方向である。
【0014】
図2は、第1の実施形態の有機EL表示装置1における画素領域の断面模式図である。本実施形態の有機EL表示装置1では、白色で発光する有機層OLが表示領域DPの全面にかけて各画素に共通するように形成され、RGBのカラーフィルタ層CFを備えた対向基板B2(カラーフィルタ基板)にて、有機層OLの発光が着色されるようになっている。したがって本実施形態の有機EL表示装置1は、トップエミッション型の自発光表示装置となっている。
【0015】
また有機層OLは、各画素にて個別に形成された下部電極PXと、表示領域DPの全面にかけて形成された上部電極CDとによって挟持されたものとなっており、下部電極PXおよび上部電極CDのそれぞれから注入されたホールと電子が再結合することで発光するようになっている。
【0016】
さらに同図で示されるように、各画素の下部電極PXは、スイッチング素子によって生じる段差を解消するために有機絶縁膜で形成された平坦化膜PL上に形成され、さらに各下部電極PXは、画素間を分離するためのバンク層BKによって隔てられる。対向基板B2に形成されるブラックマトリクスBMは、このバンク層BKに概ね対応しており、対向基板B2における各カラーフィルタ層CFを仕切るものとなっている。上部電極CDの上側には、有機層OLを保護するための保護層PRが形成され、対向基板B2と素子基板B1の間には充填材PUが挿入される。トランジスタTRが平坦化膜PLの下であり基板B1の上に配置される。トランジスタTRは特に制限されないが、ポリシリコン等で形成された半導体領域と、半導体領域上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、半導体領域に接続されゲート絶縁膜のコンタクトホール部内の金属等導電物にて形成されたソース電極と、半導体領域に接続されゲート絶縁膜のコンタクトホール部内の金属等導電物にて形成されたドレイン電極とで構成されている。ドレイン電極の上側の平坦化膜PLおよびその下の絶縁膜にはコンタクトホールが形成されており、そのコンタクトホールの中にコンタクトCHが形成されている。このコンタクトCHは下部電極PXに接続されている。
【0017】
ここで特に
図3は、本実施形態の有機EL表示装置1における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。
【0018】
図3(a)で示されるように、本実施形態の表示領域DPでは、所定基準よりも大きい副画素となる低精細画素と、当該所定基準よりも小さい副画素となる高精細画素が配置されるものとなっている。低精細画素は、スイッチング素子等によって構成される画素の集積度合いを低下させて製造上の負荷を少なくするためのものであり、高精細画素は、低精細画素による画素の粗さを補って精細度を向上させるものとなっている。このような低精細画素と高精細画素を表示領域DP内にレイアウトすることで、一般的なストライプ状の画素配列の場合と比べて、副画素数を少なくしつつも同等の色再現性や映像の滑らかさを実現しうることとなる。
【0019】
また、高精細画素と低精細画素とを分類する本実施形態の所定基準は、ブラックマトリクスBMによる開口面積となっており、低精細画素となるR画素とB画素は、高精細画素となるG画素とW画素よりも大きな開口面積となっている。そして本実施形態におけるW画素は、カラーフィルタレスであってブラックマトリクスBM間がブランクとなっており、他色の画素よりも高い輝度で発光する。すなわち本実施形態の表示装置では、W画素が導入されることによる信号処理方式が採用されて高い効率となる発光輝度調整機能が実現され、高輝度発光となるW画素が、RGBの画素で形成される共通白色成分を受け持つことで、RGBの画素による発光を少なくできて消費電力を低減することができるようになっている。このようにW画素は、輝度を稼いで表示装置の消費電力を抑えるためのものであるため、所定基準よりも大きい低精細画素に属すようにするよりも、高精細画素に属すようにするのがよい。またW画素を、低精細画素ではなく高精細画素に属すようにするほうが、彩度の高い画像表示をしやすくなる。
【0020】
また低精細画素は、
図3(a)において示されるように、横方向に第1のピッチを置いて、かつ、縦方向に第2のピッチを置いてマトリクス状に配列される。高精細画素は、低精細画素と同様のピッチでマトリクス状に配列されており、低精細画素を基準として、横方向に第1のピッチよりも小さい距離ずれて、かつ、縦方向に第2のピッチよりも小さい距離ずれた位置となっている。具体的には、
図3(b)で示されるように、低精細画素の画素中心は、矩形格子状(具体的には正方格子状)に配列された複数の格子点F(●)からなる第1の格子点群に重複して配置され、高精細画素の画素中心は、第1の格子点群に対して縦方向・横方向に半ピッチずれた位置にて矩形格子状に配列された複数の格子点S(○)からなる第2の格子点群に重複して配置される。
【0021】
また
図3(a)で示されるように、低精細画素となるR画素およびB画素は、縦方向および横方向にて交互に配置されるようになっている。本実施形態における低精細画素は、斜め45度方向よりも縦方向または横方向の画素間距離が小さくなり、低精細画素の画素間距離が小さくなる縦方向および横方向において、R画素とB画素が交互に配列される。換言すると、第1の格子点群における最小の格子点間距離に対応する方向でR画素とB画素が交互に配列されるようになっており、これにより、画素面積の大きいR画素とB画素とが近接して局所的に同色の発光が際立つのを避けるようにしている。
【0022】
また高精細画素は、低精細画素の格子点間距離が大きい斜め45度方向で隣接する2つの低精細画素の間を埋めるように配置され、本実施形態では、
図3(a)のようにG画素数とW画素数が3対1となるように配置される。W画素よりもG画素のほうが精細度認識への貢献が大きいものとなっており、W画素よりもG画素を多くすることで、精細度を向上できる。また
図3(a)おける主画素に対応する単位領域は、例えば、破線枠Mのように定義されて、同一配列の副画素で構成された単位領域が、縦横方向に配列されるものとなっており、各単位領域では、R画素やB画素がG画素よりも間引かれて、G画素の個数がR画素の個数やB画素の個数よりも多くなっている。
【0023】
また副画素の開口面積としては、低精細画素のR画素やB画素よりも、高精細画素であるG画素やW画素が小さく、さらに、W画素がG画素よりも小さいほうが望ましい。
図3においては、各副画素は、正方形が45度方向に傾斜して配置されたダイヤモンド形状をしているが、本発明はこのような態様に限定されず、画素の開口部分が他の形状をしていてもよい。尚、
図3においてW画素が何のハッチングもないもの、G画素が右下に延びる斜めのハッチングがあるもの、B画素が横方向のハッチングがあるもの、R画素が縦方向のハッチングがあるものである。
【0024】
次に
図4(a)は、第1の実施形態の変形例1における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図であり、
図4(b)は、第1の実施形態の変形例2における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。変形例1においては、G画素数とW画素数とが7:1となっており、W画素を含む主画素となる単位領域M1と、W画素を含まない主画素となる単位領域M2が交互に配列される。換言すると、単位領域M2において複数存在するG画素のうちの一部が、単位領域M1ではW画素に置き換えられたものとなっており、これにより、
図3の例に比べて画質の改善が図られている。
【0025】
変形例2においては、G画素数とW画素数とが3:1となっているものの、互いに隣接する単位領域M1と単位領域M2においてW画素の配置位置が異なっており、これにより
図4の(a)の例と比べて画質の改善が図られている。また別の観点では、W画素が配置される高精細画素の列が1列おきに存在し、さらに、互いに近接するW画素を備えた高精細画素の2つの列では、W画素の配置が縦方向にずれるようになっている。
【0026】
また
図5は、第1の実施形態の変形例3における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。同図で示されるように変形例3では、高精細画素において、G画素およびW画素の他に、シアン(Cy)画素、マゼンダ(Mg)画素、イエロー(Y)画素を含むものとなっており、Cy画素、Mg画素、Y画素が配置される高精細画素の列が一列おきに存在する。そして、ひとつの列においてはCy画素、Mg画素、Y画素のいずれかと、G画素が交互に配置されており、Cy画素、Mg画素、Y画素が配置される高精細画素の列の間には、G画素とW画素が交互に配置された高精細画素の列が存在する。また、Cy・Mg・Y画素と、W画素は、異なる行にて配置されるようになっており近接するのを避けることで画質が改善されるようになっている(換言すると、高精細画素の配列に対応する第2の格子点群における縦・横方向では、G画素とW画素とが隣接し、G画素とCy・Mg・Y画素とが隣接するようになっており、第2の格子点群における最小の格子点間距離では、W画素と、Cy・Mg・Y画素が隣接しないようになっている)。尚、
図5において、Y画素が左下に延びる斜めのハッチングがあるもの、Cy画素が横方向のハッチングがあり尚且つB画素よりもハッチングの間隔が広いもの、Mg画素が縦方向のハッチングがあり尚且つR画素よりもハッチング間隔が広いものである。
【0027】
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態の有機EL表示装置1における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。
【0028】
図6(a)にて示されるように、第2の実施形態の画素のレイアウトは、第1の実施形態の場合よりも低精細画素の密度が少なくなる代わりに、高精細画素数が向上して、より滑らかな画像表示が実現されるものとなっている。
【0029】
第2の実施形態では、
図6(b)で示されるように、R画素およびB画素に対応する低精細画素の画素中心は、斜方格子状に配置された複数の格子点F(●)からなる第1の格子点群に重複するように配置され、低精細画素の周囲において高精細画素が配置されるようになっている。高精細画素は、
図6(a)においても示されるように、低精細画素の縦方向、横方向、斜め45度方向のそれぞれに配置され、第2の実施形態における画素配列では1つの低精細画素の周囲に8個の高精細画素が配置されている。
【0030】
低精細画素に含まれるR画素及びB画素は、第1の格子点群にて最小の格子点間距離で連なる複数の格子点において交互となるように配置され(すなわち、第1の格子点群が斜方格子状の配置であるため、斜め45度方向にて交互となるように配置され)、これにより低精細画素の発光色が固まって認識されるのが防止されている。また
図6(a)で示されるように、G画素(後述の、G1画素とG2画素を合わせたもの)がW画素よりも多く配置されており、G画素とW画素の比率が3:1となっている。G画素は、斜め方向で交互に配列されるR画素とB画素の間に配置されるようになっており、W画素は、第1の格子点群にて斜方格子の一単位を構成する4つの格子点の中央となる位置に配置される。
【0031】
高精細画素の画素中心は、第1の格子点群に対して縦方向または横方向に半ピッチずれて斜方格子状に配置される複数の格子点S(○)によって構成される第2の格子点群と、縦方向および横方向のピッチが、第1の格子点群のほぼ半分となって矩形格子状に配置される複数の格子点T(◇)によって構成される第3の格子点群に重複して配置されるものとなっている(
図6(b)参照)。なお高精細画素としては、必ずしもこのような第2の格子点群や第3の格子点群に画素中心が配置されておらずともよく、例えば、第1の格子点群に対して縦・横方向に1/3ピッチずつずれた格子点群上に高精細画素の画素中心が配置されていてもよく、高精細画素の配置は本実施形態の配置に限定されない。
【0032】
また第2の実施形態においては、W画素と、R又はB画素の画素間距離が、G画素と、R又はB画素の画素間距離よりも広くなっており、視感度の低いR画素やB画素に対するW画素の影響が低減されて画質が向上するようになっている。
【0033】
また副画素の開口面積としては、低精細画素のR画素やB画素よりも、高精細画素であるG画素やW画素が小さく、さらに、W画素がG画素よりも小さいほうが望ましい。
図3においては、各副画素は、正方形が45度方向に傾斜して配置されたダイヤモンド形状をしているが、本発明はこのような態様に限定されず、画素の開口部分が他の形状をしていてもよい。
【0034】
また特に、第2の実施形態の有機EL表示装置1においては、G画素がG1画素とG2画素の2種類に対応しており、前者の画素には濃緑、後者の画素には薄緑を着色するカラーフィルタ層CFが形成されている。このように2種類のG画素が単位領域に含まれることで、滑らかな表示が得られるようになっている。
【0035】
なおG1画素とG2画素において、同一の緑色を着色するカラーフィルタ層CFを形成し、G1画素では信号処理により暗い緑で発光するようにし、G2画素では信号処理により明るい緑で発光するようにしてもよい。例えば、G1画素では第1の範囲となる輝度値で発光し、G2画素では第2の範囲となる輝度値で発光するようにし、第1の範囲における中央値が第2の範囲における中央値よりも低くなるようにしてもよい。G1画素とG2画素が交互に配列されていることで、なめらかな表示が得られるようになる。尚、
図6において、G1画素が右下に延びる斜めのハッチングがあるもの、G2画素が右下に延びる斜めのハッチングがあり尚且つG1画素よりもハッチングの間隔が広いものである。
【0036】
次に、
図7は、第2の実施形態の変形例1における有機EL表示装置1の画素配列を示す図である。同図で示されるように、変形例1の表示領域DPでは、G画素がG1画素とG2画素の2種類に対応しており、前者の画素には濃緑、後者の画素には薄緑を着色するカラーフィルタ層CFが形成されている。変形例1は、G1画素とG2画素が斜め45度方向に列をなして連続的に配列されている(低精細画素の斜め方向のピッチの半分のピッチで連続的に配列されている)点にて、
図6の場合と相違しており、このようにG1画素とG2画素が近接して間に他色の画素を挟まずに配列されることで、カラーフィルタ基板を作成しやすくなる。
【0037】
また、
図8は、第2の実施形態の変形例2における有機EL表示装置1の画素配列を示す図である。
図8(a)で示されるように、変形例2の表示領域DPのG画素は、所定方向において低精細画素よりも大きなサイズで延在する延在画素として形成されている点にて、
図7の場合と相違している。
【0038】
本変形例における延在画素は、
図7の2つの画素(G1画素とG2画素)を連結させたような形状をしており、
図6や
図7の場合と比べて画素回路の配置に余裕ができるものとなる。
【0039】
ここで
図8(b)を用いて、延在画素についてさらに詳細に説明をする。
図8(b)に示される第1の格子点F1、第2の格子点F2、第3の格子点F3、第4の格子点F4は、斜方格子状に配置された第1の格子点群において最小の格子単位となる四角形の周方向に並ぶ4つの格子点を示している。そして、第1の格子点F1には第1の低精細画素L1が配置され、第2の格子点F2には第2の低精細画素L2が配置され、第3の格子点F3には第3の低精細画素L3が配置され、第4の格子点F4には第4の低精細画素L4が配置されており、第1の低精細画素L1と第2の低精細画素L2の間には第1の高精細領域H1が配置され、第2の低精細画素L2と第3の低精細画素L3の間には第2の高精細領域H2が配置され、第3の低精細画素L3と第4の低精細画素L4の間には第3の高精細領域H3が配置され、第4の低精細画素L4と第1の低精細画素L1の間には第4の高精細領域H4が配置される。また、第1の格子点F1と第3の格子点F3を結ぶ直線と、第2の格子点F2と第4の格子点F4を結ぶ直線の交点(最小の格子単位となる四角形の中心となる位置)には、第5の高精細領域F5が配置されており、各延在画素EXは、第5の高精細領域F5と、第1〜第4の高精細領域F1〜F4のいずれかと跨るように形成されるものとなっている。
【0040】
また別の観点においては、本変形例の延在画素EXは、第1の格子点群において最小の格子単位を構成する四角形の一辺における中点と、当該四角形の対角線の交点とを含むように延在するものとなっており、上述の第2の格子点群に属する1つの格子点Sと、当該格子点Sに隣接して第3の格子点群に属する1つの格子点Tと重複するように延在するものとなっている。
【0041】
なお、このような延在画素EXとしては、必ずしも長方形状の形状をしておらずともよく、楕円状であってもよいし他の形状をしていてもよいが、少なくとも低精細画素よりも開口面積が小さくなるようにする。
【0042】
次に、
図9は、第2の実施形態の変形例3における有機EL表示装置1の画素配列を示す図である。同図で示されるように、変形例3の有機EL表示装置1では、
図7の場合とで、W画素とG画素の配置が異なるとともに、W画素がG画素よりも小さい開口面積となっている。
【0043】
具体的には、W画素の画素中心は、複数の格子点Tが属する矩形格子状の第3の格子点群に対応して配置され、G画素の画素中心は、複数の格子点Sが属する斜方格子状の第2の格子点群に対応して配置される。また主画素に対応する単位領域Mでは、W画素がG画素よりも多くの個数を有するようになっているが、W画素をG画素よりも小さな開口面積としてバランスをとることで、精細度認識への貢献の大きいG画素を際立たせるようにしている。
【0044】
このように、G画素よりも開口面積の小さいW画素を、G画素よりも多くすることで、コンタクトCH等を形成するスペースを確保しやすくして製造上の負荷が低減できることとなる。また、単位領域M内の4つのW画素が同一輝度となるように制御してもよい。この場合においては、同一の映像信号線Dataから4つのW画素に信号が分岐されて供給されてもよいし、単位領域M内の4つのW画素に跨る画素電極PXが形成されて、当該画素電極PXに1つの映像信号線Dataから信号が供給されてもよい。また、画素電極PXとしては、第3の格子点群に属する少なくとも2つの格子点Tを含むように形成されて、この2つの格子点Tを含む画素電極PXに1つの映像信号線Dataから信号が供給されてもよい。尚、コンタクトCHは、W画素に関してはW画素の開口とG画素の開口の間に配置され、G画素に関してはW画素の開口とG画素の開口の間に配置され、B画素に関してはW画素の開口とB画素の開口の間に配置され、R画素に関してはW画素の開口とR画素の開口の間に配置される。G画素、B画素、R画素に関してはもっとも開口に小さいW画素との間に設けられ、W画素に関しては隣にもっとも開口の小さいW画素が無いのでG画素との間に設けられる。このようにすることで、各画素を隣接させつつコンタクトCHを設けることができる。
【0045】
次に、
図10は、第2の実施形態の変形例4における有機EL表示装置1の画素配列を示す図である。同図で示されるように変形例4では、高精細画素において、G画素およびW画素の他に、シアン(Cy)画素、マゼンダ(Mg)画素、イエロー(Y)画素を含むものとなっている。具体的には、第3の格子点群に対応する格子点Tにおいて、Cy・Mg・Y・W画素が配置され、第2の格子点群に対応する格子点SにおいてG画素が配置されるものとなっている。このように、Cy・Mg・Y画素を高精細画素に含ませるようにすることで、より高画質の有機EL表示装置1を実現できる。また高精細画素としては、着色されるカラーに基づいて開口面積を異ならせるようにしてもよい。
【0046】
以上のようにして、第2の実施形態の有機EL表示装置1とその変形例を説明したが、上記では第1の実施形態の有機EL表示装置1等との相違点を中心に説明をしており、第1の実施形態等の場合とほぼ同様になる点についての説明は適宜省略している。
【0047】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図11は、第3の実施形態の有機EL表示装置1における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。
【0048】
図11(a)で示されるように、第3の実施形態の有機EL表示装置1では、一対のR画素とB画素の間に高精細画素が存在しないように隣接して配置されて、その周囲に、低精細画素よりも所定の方向において大きな寸法を有する高精細画素が配置されるようになっている。一対の低精細画素が近接して配置されることで、第2の実施形態の変形例2(
図8)の場合と比べて、多くの延在画素を配列しやすくすることができ、画素回路の配置にさらなる余裕を持たせることができるものとなる。
【0049】
ここで
図11(b)を用いて、延在画素についてさらに詳細に説明をする。本実施形態の表示領域DPでは、まず複数の格子点Fが矩形格子状に配置された第1の格子点群に重複してB画素の画素中心が配置され、さらに各B画素に対しては、斜め45度方向(第一の格子点群において最小の格子単位を構成する四角形の対角線方向)にてR画素が隣接するように配置される。このR画素は、第1の格子点群に属する格子点F(●)を基準として、縦方向に1/4ピッチ、横方向に1/4ピッチずれた格子点S(○)を基準として配置されるものとなっている。
【0050】
そして、一対のB画素とR画素の周囲を埋めるようにして配置される高精細画素は、第1の格子点群において最小の格子単位を構成する四角形の対角線方向にて、低精細画素よりも長い寸法を有する延在画素となっている。換言すると、本実施形態における延在画素は、格子点Fから縦方向に1/2ピッチずれた点(×)、横方向に1/2ピッチずれた点(×)、又は、縦方向および横方向に1/2ピッチずれた点(×)のいずれかから、第1の格子点群における最小の格子単位の四角形の対角線方向に延在し、これらのいずれかの点を基準として縦方向および横方向に1/4ピッチずつずれた点(△)に至るものとなっている。
【0051】
なお、このような延在画素としては、必ずしも長方形状の形状をしておらずともよく、楕円状であってもよいし他の形状をしていてもよいが、少なくとも低精細画素よりも開口面積が小さくなるようにする。
【0052】
以上のようにして、第3の実施形態の有機EL表示装置1を説明したが、上記では第2の実施形態等の有機EL表示装置1との相違点を中心に説明をしており、第2の実施形態等の場合とほぼ同様になる点についての説明は適宜省略している。
【0053】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図12は、第4の実施形態の有機EL表示装置1における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。
【0054】
図12(a)で示されるように、第4の実施形態の有機EL表示装置1では、低精細画素にW画素が含まれるようになっており、R画素およびB画素がG画素よりも間引かれているうえに、さらにB画素の一部がW画素に置き換えられたものとなっている。また、各単位領域Mの低精細画素では、R画素とB画素とW画素が4:3:1の比率で存在している。また横方向で隣接する単位領域MではW画素の位置が同一となるように配列されており、縦方向で隣接する単位領域MではW画素の位置が互い違いとなるように配列されている。
【0055】
低精細画素であるB画素の一部がW画素に置き換えられることで、視感度の低い青色に白色が割り当てられることとなり解像度に対する悪影響を減少させることができる。
【0056】
図12(b)は、第4の実施形態の変形例1にかかる有機EL表示装置1の表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。
図12Bで示されるように変形例1の表示領域DPでは、低精細画素のB画素の一部がW画素に置き換えられているほかに、さらに、高精細画素においてもW画素が含まれるようになっている点で、
図12(a)の場合と相違している。なお
図12(a)および
図12(b)においては、各副画素は、正方形が45度方向に傾斜して配置されたダイヤモンド形状をしているが、本発明はこのような態様に限定されず、画素の開口部分が他の形状をしていてもよい。
【0057】
以上のようにして、第4の実施形態の有機EL表示装置1を説明したが、上記では第1の実施形態等の有機EL表示装置1との相違点を中心に説明をしており、第1の実施形態等の場合とほぼ同様になる点についての説明は適宜省略している。
【0058】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図13は、第5の実施形態の有機EL表示装置1における表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。
【0059】
図13(a)で示されるように、第5の実施形態の有機EL表示装置1は、単位領域単位領域Mにおいて、低精細画素と高精細画素の他に、透明画素TPを含んでおり、透明ディスプレイとなっている。また
図13(a)における低精細画素は、第2の実施形態の
図6の低精細画素の配置と同様となっており、透明画素(透明開口部)TPと、高精細画素であるG画素とW画素とが、低精細画素の周囲に配置されるようになっている。
【0060】
図13(b)は、第5の実施形態の有機EL表示装置1の変形例1の表示領域DPの画素のレイアウトを示す図である。同図で示されるように、変形例1においてはW画素が配置される代わりに透明画素TPがさらに配置されて、ディスプレイの透明度がさらに向上するようになっている。
【0061】
またこの変形例1においてはW画素が配置されないことから、対向基板B2にカラーフィルタ層CFが配置されることによる着色よりも、有機層OLがRGB別々に塗り分けられて着色されるようにするのが望ましい。
【0062】
図14は、有機層OLが塗り分けられて着色される変形例1の透明画素TPの断面の一例を示す図である。透明画素TPにおいては、有機層OLや下部電極PX等が存在せず、素子基板B1側から光がそのまま対向基板B2の外側に透過するようになっており、これにより透明ディスプレイが実現される。
【0063】
なお有機層OLが塗り分けられて着色される変形例1の場合には、
図14で示されるように対向基板B2にてブラックマトリクスBMが形成されていなくてもよい。有機層OLのうちの発光層は各画素ごとに塗り分けられる形状となる。また、有機層OLの一部(具体的には、電子注入層や電子輸送層、正孔輸送層や正孔注入層)が透明画素TPや他の画素にて共通するように形成されていてもよい。また
図14においてはバンク層BKや有機層OLが形成されていないが、透明画素TPにおいてもこれらが存在してもよいし、バンク層BKにより有機層OLが画素毎に分断されるようにして形成されていてもよい。また透明画素TPとしては、バンク層BKや有機層OLが存在しない方が透過率の向上のために望ましい。また透過率の向上のためにも、他の画素にて下部電極PXと接続される薄膜トランジスタにおけるゲート絶縁膜が、透明画素TP内では排除されていてもよい。
【0064】
なお、上記の各実施形態の表示領域DPの画素配列においてW画素の代わりに透明画素TPが配置されていてもよいし、W画素の一部が透明画素TPに置き換えられるようにしてもよい。具体的には、
図3〜8、10〜12における全てのW画素が透明画素TPに置き換えられてもよく、一部のW画素が透明画素TPに置き換えられてもよい。
【0065】
図15はRGB別々に塗り分けられた形態の有機EL表示装置における画素領域の断面模式図の一例を示すものである。
【0066】
対向基板B2上にはカラーフィルタCFやブラックマトリクスBMが無く、有機層OL1がバンク層BK上にて分断されている。(有機層OL1の材料は発光層に関しては、各色の画素ごとに別のものとなっており、その他の電子注入層や電子輸送層、正孔輸送層や正孔注入層は共通のものとなっているが、
図15においては電子注入層等の表記を省略しており、有機層OL1がバンク層BK上にて分断されている。)さらにこの形態の有機EL表示装置にはW画素が存在せず、R画素、G画素、B画素が存在する。Y画素、Cy画素、Mg画素が存在しても良い。
【0067】
図15の形態は、
図3〜8、10〜12における全てのW画素が透明画素TPに置き換えられたものに適用可能である。さらに
図13の(b)に適用可能である。このようにして透明ディスプレイとすることが可能となり、その透過率は透明画素TPの面積密度に比例する。
【0068】
この場合透明画素TPは透過率を上げるために、すくなくともG画素よりも開口が大きく、できればB画素やR画素よりも同じか大きい方が好ましい。
【0069】
図15のように塗り分け方式としたために、カラーフィルタによる光量の減衰が無いためにW画素による低消費電力処理が原理的に不要であり、W画素が無い分、そのW画素の箇所を光透過部に置き換え可能であり、透明ディスプレイの透過率UPを図ることが可能となる。W画素挿入に伴う画像処理も不要となり、開発コストダウン、画像処理に伴う消費電力UP、画像処理のための回路やプログラム格納領域が不要になる。W画素の有機層OL1も当然に形成する必要もない。尚、電子注入層や電子輸送層、正孔輸送層や正孔注入層は電気混色を防ぐために各色でバンク層BKにて分離してもよいし、これら電子注入層や電子輸送層、正孔輸送層や正孔注入層を各画素にて共通とし、有機層OL1内の発光層のみを各画素においてバンクにて分離するようにしてもよい。また、ブラックマトリクスもないようにしたが、光学混色をより防ぐためにバンク層BK直上の対向基板B2上に設けてもよい。塗り分けの方法としてはマスクを用いて塗り分けを行ってもよく、インクジェット等のプリント方式によって塗り分けを行っても良い。
【0070】
尚、
図15においてはブラックマトリクスが存在しない。そのために発光領域ERが、各画素の開口に対応するものとなる。この発光領域ERは下部電極PX、有機層OL1、上部電極CDが互いに接する領域であり、電流をこれら構成要素に流した時に発光する領域となる。
【0071】
また第5の実施形態の透明ディスプレイの裏側から表側への透過率は、表示領域DPにおける透明画素TPの面積密度に比例するものとなっている。対向基板B2においてブラックマトリクスBMが形成される場合には、透明画素TPのブラックマトリクスBMによる開口面積としては、高精細画素(G画素)の開口面積よりも大きくするのが好ましく、さらに、低精細画素(R画素やB画素)の開口面積よりも同一か大きくなるようにするのが望ましい。また、対向基板B2においてブラックマトリクスBMが形成されない場合には、第1走査線BGや映像信号線Data等の配線によって仕切られる透明画素TPの開口面積としては、G画素の有機層OLによる発光面積よりも大きくするのが好ましく、さらに、R画素やB画素の有機層OLによる発光面積と同一か大きくなるようにするのが望ましい。
【0072】
以上のようにして、第5の実施形態の有機EL表示装置1を説明したが、上記では第1の実施形態等の有機EL表示装置1との相違点を中心に説明をしており、第1の実施形態等の場合とほぼ同様になる点についての説明は適宜省略している。
【0073】
また
図16は主画素としての単位領域Mと画像アドレスとの関係を示している。以下、
図16を用いて、各実施形態における主画素としての単位領域M内に配置される副画素について説明をする。
【0074】
P(x、y)は、任意の場所の画像アドレスを表している。
図16にてあらわされているように、1フレーム内にて1行目順次左から右に画像アドレスがスキャンされていき、読みだされた表示データに従って有機EL表示装置1が駆動される。次に2行目の左から右にスキャンされ、順次下の列に移っていって最終的にP(m,n)がスキャンされて、読みだされた表示データに従って有機EL表示装置1が駆動される。ここでm、n、x、yはそれぞれ自然数である。
【0075】
このように各々のP(x、y)に対応する有機EL表示装置1の領域が単位領域Mである。この単位領域Mに対応するP(x、y)に格納されたデータは各色ごとに同一の画素データが格納されており、違う色においては異なるデータとなる。例えば単位領域MにR画素が2つ、B画素が2つ、G画素が3つ、W画素が1つ含まれていた場合、これら単位画素M内の2つのR画素はP(x、y)から読みだされた同一のデータを用い、2つのB画素はP(x、y)から読みだされた同一のデータを用い、3つのG画素はP(x、y)から読みだされた同一のデータを用い、1つのW画素はP(x、y)から読みだされた同一のデータを用いる形となる。R画素、B画素、G画素、W画素においては各々違うP(x、y)に対応する格納領域の違うデータを用いることとなる。
【0076】
なお、上記の各実施形態における表示装置は、有機EL表示装置1となっているが、本発明はこれに限定されず、例えば、量子ドット発光素子(QLED:quantum-dot light emitting diode)のような自発光素子を表示領域DPの各画素に備えた自発光表示装置であってもよいし、液晶表示装置であってもよい。またボトムエミッション型の自発光表示装置であってもよい。
【0077】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、本発明で述べた単位領域Mの形状については、記載した実施形態に限定されず、内部に構成される画素の位置関係を概略維持して、より単純化した矩形や多角形等としてもよい。本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。また例えば、上記の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。