(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、パーソナルコンピュータの高性能化及び低価格化やインターネットの発達に伴い、パーソナルコンピュータ及びWebカメラをインターネットで接続することによって簡易にビデオ会議を行うことが可能になっている。
また、ビデオ会議に限らず、通常の会議においても、打ち合わせ資料等を表示するためにディスプレイを利用するシーンが増えてきている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来のビデオ会議システムでは、テーブルとは別に、ディスプレイを支持するために高価な表示装置支持体を準備しなければならず、パーソナルコンピュータやインターネットを利用したビデオ会議の簡便性を損なう原因となっている。
また、上記のような表示装置支持体を使用せず、単にパーソナルコンピュータのディスプレイをテーブル上に設置した場合、ディスプレイとコンピュータやコンセント等を接続する配線がテーブル周辺に露出してしまうので、美観上好ましくないだけではなく、テーブル周辺の歩行の妨げにもなる。また、テーブル上におけるディスプレイの位置が固定されないので、ずれや落下の可能性がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、テーブル上に設置されたディスプレイ等の配線をテーブル周辺に露出しないように収納することができ、テーブル上のディスプレイのずれや落下を防止することができる、テーブル用配線トレー及びテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のテーブル用配線トレーは、テーブルの天板の縁部に取り付けられるテーブル用配線トレーであって、テーブル用配線トレーは、テーブルの天板に取り付けられた状態において、天板の上面より上方の高さ位置から天板の下面より下方の高さ位置まで縦方向に延び、且つ天板の縁部から所定の間隔を空けて配置される板状の遮蔽部と、遮蔽部の下端近傍からテーブルの天板の下方まで横方向に延びる配線保持部と、テーブル用配線トレーをテーブルの天板に固定するためのブラケット部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のテーブルは、上記のように構成されたテーブル用配線トレーを有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、テーブル用配線トレーがテーブルの天板に取り付けられた状態において、遮蔽部は、天板の上面より上方の高さ位置から天板の下面より下方の高さ位置まで縦方向に延びると共に、天板の縁部から所定の間隔を空けて配置され、配線保持部は、遮蔽部の下端近傍からテーブルの天板の下方まで横方向に延びるので、テーブル上に設置したディスプレイに接続された電源ケーブルや映像ケーブル等の配線を、テーブルの天板と遮蔽部との間を通して配線保持部まで導いてその上に載置することができる。また、ディスプレイの背面に接続された配線のコネクタ部や、ディスプレイから配線保持部へ延びる配線を、ディスプレイの後方において上下に延びる遮蔽部によって覆い隠すことができる。即ち、本発明のテーブル用配線トレーによれば、高価な表示装置支持体等を用いることなくテーブル上に設置されたディスプレイ等の周辺をすっきりとさせることができる。
また、遮蔽部は、テーブル上に設置したディスプレイの後方への移動を規制するので、テーブル上に載置したディスプレイのずれや落下を防止することができる。
さらに、テーブル用配線トレーは、ブラケット部によってテーブルの天板に固定されるので、専用の取付構造をテーブルの天板に設ける必要がなく、既存のテーブルにも後付することが可能である。
【0009】
また、本発明において、ブラケット部は、前記遮蔽部から前記テーブルの天板まで横方向に延び、ブラケット部には、テーブルの天板上に載置された電子機器の配線を配線保持部まで導くための開口が形成されている。
このように構成された本発明においては、テーブル用配線トレーを簡易な構造でテーブルの天板に固定することができると共に、テーブル上に設置したディスプレイに接続された電源ケーブルや映像ケーブル等の配線を、ブラケット部の開口を通して配線保持部まで導いてその上に載置することができる。
【0010】
また、本発明において、テーブル用配線トレーは、さらに、ブラケット部と配線保持部との間に縦方向に延び、これらのブラケット部と配線保持部とを連結する連結部を備える。
このように構成された本発明においては、配線保持部の上に載置された配線の重量を連結部によって確実に支えることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるテーブル用配線トレー及びテーブルによれば、テーブル上に設置されたディスプレイ等の配線をテーブル周辺に露出しないように収納することができ、テーブル上のディスプレイのずれや落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーを備えたテーブルを斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの側面図である。
【
図4】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの使用状態を斜め前方から見た斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの使用状態を斜め後方から見た斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの正面図である。
【
図8】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの背面図である。
【
図9】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの右側面図である。
【
図10】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの左側面図である。
【
図11】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの平面図である。
【
図12】本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー及びテーブルを説明する。
まず、
図1により、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーを備えたテーブルについて説明する。
図1は本発明の実施形態によるテーブル用配線トレーを備えたテーブルを斜め上方から見た斜視図である。
本発明における「テーブル」は、ミーティングテーブル、カウンターテーブル、デスク等、天板を備えた各種の机又はテーブルを含むものとする。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のテーブル1は、四角形(
図1では台形)の天板2と、天板2の下面に取り付けられる4本の脚4とを備えている。
そして、テーブル1の天板2における1つの辺(
図1では台形における下底)の中央近傍に、テーブル用配線トレー6が取り付けられている。
【0015】
次に、
図2及び
図3により、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6について説明する。
図2は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の斜視図であり、
図3は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の側面図である。なお、
図2及び
図3では、テーブル用配線トレー6が取り付けられたテーブル1を仮想線により示している。
【0016】
図2及び
図3に示すように、テーブル用配線トレー6は、垂直方向(縦方向)に延びる矩形の遮蔽板8と、この遮蔽板8の下端から水平方向に延びる配線保持部10とを備え、これらの遮蔽板8及び配線保持部10により、側面視で略L字形を形成している。また、配線保持部10の先端には、斜め上方に折り曲げられた屈曲部12が形成されている。
以下の説明では、遮蔽板8から配線保持部10が延びる方向を「前方」とし、その反対方向を「後方」として説明する。また、水平方向の長さを「幅」、垂直方向の長さを「高さ」、前後方向の長さを「長さ」と呼ぶこととする。
【0017】
これらの遮蔽板8及び配線保持部10のサイズは任意であるが、例えば、遮蔽板8及び配線保持部10の幅は150mmから450mmの範囲内であり、好ましくは250mmである。また、遮蔽板8の高さは150mmから450mmの範囲内であり、好ましくは250mmである。また、配線保持部10が遮蔽板8から前方に延びる長さは、150mmから450mmの範囲内であり、好ましくは250mmである。
【0018】
また、遮蔽板8の高さ方向中央近傍からテーブル1の天板2の下面に向けて延びるように、板状のブラケット部14が設けられている。このブラケット部14は、遮蔽板8の高さ方向中央近傍において遮蔽板8の両側端部から前方に延びる一対の腕部16と、これらの一対の腕部16の先端の間を幅方向に延びる取付板18とを備えている。これらの腕部16及び取付板18により、ブラケット部14は平面視で遮蔽板8に向かって開口した略コ字形に形成されている。
このブラケット部14のサイズは任意であるが、例えば、ブラケット部14が遮蔽板8から前方に延びる長さは、100mmから200mmの範囲内であり、好ましくは150mmである。このうち、腕部16の長さは、40mmから100mmの範囲内であり、好ましくは70mmである。また、ブラケット部14の腕部16の位置は、例えば、遮蔽板8の下端から80mmから230mmの高さの範囲内であり、好ましくは130mmの高さ位置である。
【0019】
また、テーブル用配線トレー6は、ブラケット部14と配線保持部10とを連結する連結部20を備えている。この連結部20は、ブラケット部14の取付板18における遮蔽板8側の縁から下方へ(即ち配線保持部10に向かって)垂直(縦方向)に延びる板体であり、その下端で配線保持部10に結合されている。
【0020】
上記のように構成されたテーブル用配線トレー6は、ブラケット部14の取付板18においてテーブル1の天板2の下面に取り付けられる。ブラケット部14の取付板18には、ねじを挿通させる挿通孔22が複数個所(
図2では4か所)設けられており、テーブル1の天板2の下面には、取付板18の挿通孔22に対応する位置にねじ穴が設けられている。テーブル用配線トレー6をテーブル1の天板2に取り付ける場合、テーブル用配線トレー6の取付板18の各挿通孔22を介して、ねじをテーブル1の天板2下面のねじ穴に締結することにより、ブラケット部14がテーブル1に固定され、このブラケット部14によって遮蔽板8及び配線保持部10が支持される。
【0021】
テーブル用配線トレー6をテーブル1の天板2に取り付けた状態において、テーブル用配線トレー6の遮蔽板8は、天板2の縁部に沿って延び、且つ、天板2の縁部から所定の間隔Lを空けて配置される。この間隔Lは任意であるが、例えば30mmから80mmの範囲内であり、好ましくは50mmである。
また、遮蔽板8の上端はテーブル1の上面より上方の高さに位置し、下端はテーブル1の下面より下方の高さに位置する。上述したように、ブラケット部14は遮蔽板8の高さ方向中央近傍に設けられているので、遮蔽板8がテーブル1の上面から上方に延びる長さ及びテーブル1の下面から下方に延びる高さは、それぞれ、遮蔽板8の高さ(150mmから450mm)の半分程度である。
【0022】
次に、
図4及び
図5により、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の使用状態を説明する。
図4は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の使用状態を斜め前方から見た斜視図であり、
図5は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の使用状態を斜め後方から見た斜視図である。
【0023】
テーブル用配線トレー6は、例えばビデオ会議を行うためにディスプレイ24をテーブル1上に設置する際に使用される。
図4に示すように、テーブル1の天板2における1つの辺の中央近傍に、テーブル用配線トレー6を取り付けると共に、テーブル用配線トレー6の前方においてテーブル1の天板2上にディスプレイ24を設置する。ディスプレイ24に接続された電源ケーブルや映像ケーブル等の配線26は、テーブル1の天板2の縁部、遮蔽板8、及びブラケット部14の腕部16によって形成された開口に挿通され、テーブル用配線トレー6の配線保持部10の上に載置される。
【0024】
図5に示すように、ディスプレイ24の背面に接続された配線26のコネクタ部や、ディスプレイ24から配線保持部10へ延びる配線26は、ディスプレイ24の後方において上下に延びる遮蔽板8によってテーブル1の後方から遮蔽される。また、ディスプレイ24に接続された配線26の余長部分は、テーブル用配線トレー6の配線保持部10の上に載置される。
【0025】
次に、上述した本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6及びテーブル1の作用効果を説明する。
まず、本発明の実施形態によれば、テーブル用配線トレー6がテーブル1の天板2に取り付けられた状態において、遮蔽板8は、天板2の上面より上方の高さ位置から天板2の下面より下方の高さ位置まで縦方向に延びると共に、天板2の縁部から所定の間隔を空けて配置され、配線保持部10は、遮蔽板8の下端近傍からテーブル1の天板2の下方まで略水平方向に延びるので、テーブル1上に設置したディスプレイ24に接続された電源ケーブルや映像ケーブル等の配線26を、テーブル1の天板2と遮蔽板8との間を通して配線保持部10まで導いてその上に載置することができる。また、ディスプレイ24の背面に接続された配線26のコネクタ部や、ディスプレイ24から配線保持部10へ延びる配線26を、ディスプレイ24の後方において上下に延びる遮蔽板8によって覆い隠すことができる。即ち、本発明の実施形態のテーブル用配線トレー6によれば、高価な表示装置支持体等を用いることなくテーブル1上に設置されたディスプレイ24等の周辺をすっきりとさせることができる。
また、遮蔽板8は、テーブル1上に設置したディスプレイ24の後方への移動を規制するので、テーブル1上に載置したディスプレイ24のずれや落下を防止することができる。
さらに、テーブル用配線トレー6は、ブラケット部14によってテーブル1の天板2に固定されるので、専用の取付構造をテーブル1の天板2に設ける必要がなく、既存のテーブル1にも後付することが可能である。
【0026】
特に、ブラケット部14には、テーブル1の天板2の上面より上方の高さ位置と配線保持部10との間で配線を引き回すための開口が形成されているので、テーブル用配線トレー6を簡易な構造でテーブル1の天板2に固定することができると共に、テーブル1上に設置したディスプレイに接続された電源ケーブルや映像ケーブル等の配線を、ブラケット部14の開口を通して配線保持部10まで導いてその上に載置することができる。
【0027】
また、テーブル用配線トレー6は、ブラケット部14と配線保持部10との間に縦方向に延び、これらのブラケット部14と配線保持部10とを連結する連結部20を備えるので、配線保持部10の上に載置された配線26の重量を連結部20によって確実に支えることができる。
【0028】
図6乃至
図12により、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の全体形状を示す。
図6は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の斜視図であり、
図7は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の正面図であり、
図8は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の背面図であり、
図9は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の右側面図であり、
図10は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の左側面図であり、
図11は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の平面図であり、
図12は、本発明の実施形態によるテーブル用配線トレー6の底面図である。
図6乃至
図12においては、本発明によるテーブル用配線トレー6の形状において特徴のある部分を実線で表し、残りの部分を破線で表している。
【0029】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0030】
まず、上記の説明では、
図1に示したように、平面視で台形の天板2を備えたテーブル1にテーブル用配線トレー6が取り付けられている場合を例示したが、これとは異なる形状の天板(例えば矩形や多角形、円形等)を有するテーブルや、カウンターテーブル、デスク等、天板を備えた各種の机又はテーブルにテーブル用配線トレー6を取り付けることもできる。
【0031】
また、上記の説明では、
図1に示したように、テーブル1の天板2における1つの辺の中央近傍に、テーブル用配線トレー6が取り付けられている場合を例示したが、天板2の1つの辺に複数のテーブル用配線トレー6を取り付けてもよく、天板2の複数の辺のそれぞれにテーブル用配線トレー6を取り付けてもよい。
【0032】
また、上記の説明では、配線保持部10は、遮蔽板8の下端からテーブル1の天板2の下方まで水平方向に延びると説明したが、配線保持部10は、テーブル1の天板2の下面に向けて上方に、又は天板2の下面から遠ざかる方向に若干下方に傾斜していてもよい。