(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ログインした第1クライアント端末にセッションIDを割り振り、前記セッションIDにより確立されたセッション期間内に、前記第1クライアント端末が受け取った作業手順に基づいて作業者によって行われる操作が前記作業手順から逸脱したか否かを判断する要求受付処理部と、
前記セッション期間内の前記操作に従い、前記第1クライアント端末から受信した、前記第1クライアント端末で実行された処理のログ情報と、前記処理の実行に伴って前記第1クライアント端末の表示部に表示された画面の画面ハードコピー情報とを、前記セッションIDと共にデータベースに記録するログ処理部と、
前記要求受付処理部により前記操作が前記作業手順から逸脱していると判断された場合に、前記逸脱の内容と共に、前記画面ハードコピー情報の一部を符号化した第1符号化情報を前記データベースに記録する指示を前記ログ処理部に行う逸脱処理部と、を備える
作業手順管理サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態例に係る作業手順管理システム及び作業手順管理サーバについて、添付図面を参照して説明する。
本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、作業手順管理システム10の内部構成例を示す。
この作業手順管理システム10は、例えば、医薬品の製造工場において、作業者が製造指図に従って一連の作業を行う際に、この作業手順を管理するものである。以下、作業手順管理システム10について、その構成例及び動作例を説明する。
【0012】
作業手順管理システム10は、作業手順管理サーバ1と、ネットワーク3を介して接続されたクライアント端末2A、2Bを備える。クライアント端末2Aは、工場内の作業者が操作する端末である。クライアント端末2Bは、工場内の管理者が操作する端末であり、クライアント端末2Aによって実行された処理の実行結果、及びクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を表示することができる。作業手順管理サーバ1は、不図示のデータセンタに設けられている。作業手順管理サーバ1の数や性能は、クライアント端末2A、2Bの数に合わせて決定される。
【0013】
初めに、作業手順管理サーバ1の構成例を説明する。
作業手順管理サーバ1は、逸脱処理部11、要求受付処理部12及びログ処理部13を処理部として備える。また、作業手順管理サーバ1は、データベース内に製造指図データ14、逸脱情報データ15、逸脱・ログ関連データ16、ログデータ17、画面ハードコピーデータ18を備える。
【0014】
逸脱処理部11は、逸脱発生時におけるクライアント端末2Aのログ情報と画面ハードコピー情報と逸脱情報とを関連づけてデータベースに登録する。また、逸脱処理部11は、作業者が医薬品を製造するための製造指図情報や詳細情報等を製造指図データ14から検索したり、所定の処理を実行する際に逸脱情報データ15や逸脱・ログ関連データ16を更新したりする。そして、逸脱処理部11は、作業者がクライアント端末2Aを用いて行った操作が作業手順から逸脱している場合に、逸脱の内容と共に、画面ハードコピー情報の一部を符号化した第1符号化情報をデータベースに記録する指示をログ処理部13に行う。
【0015】
要求受付処理部12は、クライアント端末2A、2Bから受け付けた要求に基づいて、クライアント端末2A、2Bに処理結果を返す。そして、要求受付処理部12は、ログ処理部13を介してログデータ17にログ情報を書込んだり、画面ハードコピーデータ18に画面ハードコピー情報を書込んだりする。
【0016】
ログ処理部13は、要求受付処理部12からの指示に基づいて、ログデータ17からログ情報を検索する。また、ログ処理部13は、要求受付処理部12からの指示に基づいて、クライアント端末2Aから受信したログ情報をログデータ17に記録したり、画面ハードコピー情報を画面ハードコピーデータ18に記録したりする。
【0017】
製造指図データ14は、製造指図情報を記録する。製造指図情報は、作業者がクライアント端末2Aを使用して医薬品の製造を行う際に、クライアント端末2Aに伝送され、クライアント端末2Aの表示部22bに表示される。
逸脱情報データ15は、逸脱発生時における具体的な逸脱の内容を逸脱情報として記録する。
逸脱・ログ関連データ16は、発生した逸脱を特定するため情報を記録する。
ログデータ17は、クライアント端末2Aによって行われた処理を、処理が行われた発生日時と共にログ情報として記録する。
画面ハードコピーデータ18は、逸脱発生時におけるクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を記録する。
【0018】
次に、作業者が操作するクライアント端末2Aの構成例を説明する。
クライアント端末2Aは、サーバ要求処理部21、実行処理部22、画面ハードコピー取得部23及びサーバ送付データ25を備える。そして、実行処理部22には、作業者が操作を行う操作部22aと、処理の実行状況を画面に表示する表示部22bとが接続される。このクライアント端末2Aの実行処理部22は、操作部22aが操作されることによって医薬品の製造に関わる情報を検索し、更新を行うための画面(後述する
図5を参照)を表示する。このため、作業者は、クライアント端末2Aに表示された画面を通じて、医薬品を製造するための様々な処理を実行することができる。そして、クライアント端末2Aは、実行処理部22が実行した処理のログ情報と、処理の実行に伴ってクライアント端末2Aの表示部22bに表示された画面の画面ハードコピー情報とを作業手順管理サーバ1に送信している。
【0019】
サーバ要求処理部21は、常に起動しており、作業員がクライアント端末2Aを操作して入力した処理の実行を作業手順管理サーバ1に要求する。そして、サーバ要求処理部21は、実行処理部22から取得した処理のログ情報と、画面ハードコピー取得部23が取得した画面ハードコピー情報とを作業手順管理サーバ1に送信する。
【0020】
実行処理部22は、操作部22aからの操作入力を受け付け、表示部22bに処理結果、画面等を表示する。この実行処理部22は、作業者によって各種の操作が行われると起動し、作業者が作業手順(例えば、製造指図情報)に従って医薬品を製造する操作を行うために用いられ、この操作に従い、処理を実行する。そして、実行処理部22は、操作部22aからの操作入力を受け付け、表示部22bに処理結果、画面等を表示する。また、実行処理部22は、作業者によって行われた操作内容をログ情報としてサーバ要求処理部21に送る。
画面ハードコピー取得部23は、常に起動しており、作業者が何らかの操作を行うと、クライアント端末2Aの表示部22bに表示されている画面を画面ハードコピー情報として取得し、サーバ要求処理部21に送る。
【0021】
次に、管理者が操作するクライアント端末2Bの構成例を説明する。
クライアント端末2Bは、サーバ要求処理部21、実行処理部22、画面ハードコピー取得部23、逸脱検索部24及びサーバ送付データ25を備える。クライアント端末2Bにおいても、クライアント端末2Aとほぼ同じ処理を行うことができる。
【0022】
ただし、ログ処理部13は、クライアント端末2Bによって逸脱の検索要求が行われると、ログ情報及び画面ハードコピー情報をデータベースから読み出す。
そして、逸脱処理部11は、画面ハードコピー情報の一部を再び符号化した第2符号化情報と、データベースから読み出した第1符号化情報とを照合した結果(例えば、アラーム情報)をクライアント端末2Bに出力する。第1符号化情報及び第2符号化情報は、例えば、データ列であり、逸脱処理部11は、ハッシュ関数を用いて画面ハードコピー情報に含まれる所定位置のデータからデータ列を作成することができる。
【0023】
また、逸脱検索部24は、管理者が逸脱検索画面W1、逸脱詳細ログ画面W2(後述する
図7を参照)を表示させると起動する。この逸脱検索部24は、逸脱検索画面W1、逸脱詳細ログ画面W2を通じて要求された逸脱の検索要求を、サーバ要求処理部21を介して作業手順管理サーバ1に送信し、作業手順管理サーバ1によって検索された逸脱内容等を各画面に表示する。
【0024】
<計算機のハードウェア構成例>
次に、作業手順管理システム10の各装置を構成する計算機30のハードウェア構成を説明する。
図2は、計算機30のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0025】
計算機30は、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機30は、バス34にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33を備える。さらに、計算機30は、表示部35、操作部36、不揮発性ストレージ37、ネットワークインタフェース38とを備える。
【0026】
CPU31は、本実施の形態例に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM32から読み出して実行する。RAM33には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。このCPU31は、作業手順管理サーバ1においては、逸脱処理部11、要求受付処理部12、ログ処理部13として用いられる。また、CPU31は、クライアント端末2Aにおいては、サーバ要求処理部21、実行処理部22、画面ハードコピー取得部23を動作させるために用いられ、クライアント端末2Bにおいては、これらの処理部に加えて逸脱検索部24を動作させるために用いられる。
【0027】
表示部35は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、計算機30で行われる処理の結果等(例えば、後述する
図4、
図7の各画面)をユーザに表示する。表示部35は、クライアント端末2A、2Bの表示部22bに対応する。操作部36には、例えば、キーボード、マウス等が用いられ、ユーザが所定の操作入力、指示を行うことが可能である。操作部36は、クライアント端末2A、2Bの操作部22aに対応する。
【0028】
不揮発性ストレージ37としては、例えば、HDD(Hard disk drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等が用いられる。この不揮発性ストレージ37には、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、計算機30を機能させるためのプログラムが記録されている。また、不揮発性ストレージ37には、作業手順管理サーバ1においては、製造指図データ14、逸脱情報データ15、逸脱・ログ関連データ16、ログデータ17、画面ハードコピーデータ18が記録される。一方、クライアント端末2A、2Bにおいては、サーバ送付データ25を記録される。
ネットワークインタフェース38には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLAN、専用線、ネットワークのいずれかを介して各種のデータを送受信することが可能である。
【0029】
次に、各データの構成例を説明する。
図3は、製造指図データ14、逸脱情報データ15、逸脱・ログ関連データ16のテーブル構成図である。
【0030】
<製造指図データ>
製造指図データ14は、製品ID14a、工程品ID14b、指示名14c、製造指
図ID14dの各フィールドを有する。
製品ID14aには、製品を一意に特定するためのIDが格納されており、製品ID14aが製造指図データ14におけるキーとして用いられる。
工程品ID14bには、製造される製品がどの工程にあるかを特定するIDが格納される。
指示名14cには、作業者に指示される作業の名称が格納される。
製造指
図ID14dには、製造指図に一意に割り当てられるIDが格納される。
データ14eは、製造指
図ID14dが“0001”であるデータを示している。
【0031】
<逸脱情報データ>
逸脱情報データ15は、製造指
図ID15a、逸脱SEQ_NO15b、逸脱内容15c、逸脱発生日時15d、逸脱確認状況15e、セッションID15fの各フィールドを有する。
製造指
図ID15aには、製造指図データ14の製造指
図ID14dに含まれる値が格納され、製造指
図ID15aが逸脱情報データ15におけるキーとして用いられる。
逸脱SEQ_NO15bには、作業者が作業手順を逸脱した際に自動的に割り振られた値が格納される。そして、製造指
図ID15aと逸脱SEQ_NO15bとが逸脱情報データ15におけるキーとして用いられる。
【0032】
逸脱内容15cには、作業手順の逸脱内容が格納される。
逸脱発生日時15dには、逸脱が発生した日時が格納される。
逸脱確認状況15eには、管理者が逸脱内容を確認したか否かを示す情報が格納される。
セッションID15fには、作業者が使用するクライアント端末2Aに作業手順管理サーバ1から割り振られたセッションIDが格納される。
データ15gは、セッションID15fが“
100
0”であるデータを示している。
【0033】
<逸脱・ログ関連データ>
逸脱・ログ関連データ16は、逸脱SEQ_NO16a、SEQ16b、ログID16cの各フィールドを有する。
逸脱SEQ_NO16aには、逸脱情報データ15の逸脱SEQ_NO15bに含まれる値が格納される。
SEQ16bには、逸脱SEQ_NO16aに複数の値が格納されると、逸脱SEQ_NO16aに格納された値毎に割り振られた連番が格納される。そして、逸脱SEQ_NO16aとSEQ16bとが逸脱・ログ関連データ16におけるキーとして用いられる。
ログID16cには、逸脱SEQ_NO16aに格納された値に合わせて、後述するログデータ17のログID17aに含まれる値が格納される。
データ16dは、逸脱SEQ_NO15bが“2014001”であるデータを示している。
【0034】
図4は、ログデータ17、画面ハードコピーデータ18、サーバ送付データ25のテーブル構成図である。
【0035】
<ログデータ>
ログデータ17は、ログID17a、ログ内容17b、セッションID17c、発生日時17dの各フィールドを有する。
ログID17aには、作業者がクライアント端末2Aを使用した際のログを特定するための値が格納される。ログID17aがログデータ17におけるキーとして用いられる。ログID17aに登録されるログIDは連番で示されるが、不規則な英数字によってログIDを構成してもよい。これにより、第三者がログIDを読み出して画面ハードコピー情報を改ざんするような事態を防ぐことができる。
【0036】
ログ内容17bには、作業者がクライアント端末2Aを通じて行った操作内容や逸脱発生等のログが格納される。
セッションID17cには、クライアント端末2Aに割り当てられたセッションIDが格納される。
発生日時17dには、ログ内容17bに示される各種の処理が発生した日時が格納される。
データ17eは、セッションID17cが“1000”であるデータを示している。
【0037】
<画面ハードコピーデータ>
画面ハードコピーデータ18は、ログID18a、画面ハードコピー情報18b、符号データ18cの各フィールドを有する。
ログID18aには、ログデータ17のログID17aに含まれる値が格納される。ログID18aが画面ハードコピーデータ18におけるキーとして用いられる。ここでは、クライアント端末2Aで行われる操作である、ログ内容17bの「検索実行」、「詳細実行」、「更新実行」に対応するログID17aの値がログID18aに格納される。
【0038】
画面ハードコピー情報18bには、クライアント端末2Aで行われた操作時の画面ハードコピー情報が画像ファイルで格納されている。
符号データ18cには、例えば、画面ハードコピー情報18bの画像ファイルの一部を所定の条件(例えば、ハッシュ関数を用いた方法)で符号化した10ビットのデータ列が格納される。
データ18dは、セッションID17cが“1000”であって、画面ハードコピー情報を取得可能な処理(検索実行、詳細実行、更新実行)にて画面ハードコピー情報が取得されたデータを示している。
【0039】
<サーバ送付データ>
サーバ送付データ25は、セッションID25aのフィールドを有する。
セッションID25aには、作業手順管理サーバ1にログインしたクライアント端末2Aに要求受付処理部12が発行したセッションIDが格納される。このセッションIDは、クライアント端末2Aが作業手順管理サーバ1にログインしている間はクライアント端末2Aのサーバ送付データ25に記録される。そして、データベース内のデータには、クライアント端末2Aに割り当てられたセッションIDが関連づけられる。
【0040】
<逸脱発生時の処理>
次に、逸脱発生時の処理について、
図5と
図6を参照して説明する。
図5は、作業者が作業手順を逸脱したときにクライアント端末2Aと作業手順管理サーバ1が行う処理の例を示す。
図5では、クライアント端末2Aが備えるサーバ要求処理部21、画面ハードコピー取得部23の処理は不図示としている。
【0041】
作業者が操作するクライアント端末2Aが作業手順管理サーバ1にログインすると、作業手順管理サーバ1によってクライアント端末2Aにセッション番号“1000”が割り当てられる。クライアント端末2Aは、このセッション番号“1000”をサーバ送付データ25に書き込み、ログオフまでセッション番号“1000”を保持する。
【0042】
作業者がクライアント端末2Aの表示部22bに表示された検索画面を操作して、製造指図等の検索を要求するために検索ボタンの押下操作を実行すると、実行処理部22は、検索処理を実行する。このとき、画面ハードコピー取得部23がクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を取得する。そして、サーバ要求処理部21が作業手順管理サーバ1に製造指図等の検索を要求すると共に、クライアント端末2Aのログ情報と画面ハードコピー情報の記録を要求する。
【0043】
作業手順管理サーバ1の要求受付処理部12は、サーバ要求処理部21からの要求を受け付けると(S1)、検索結果をクライアント端末2Aに返す。そして、ログ処理部13は、ログ・画面記録処理を実行し、ログデータ17にクライアント端末2Aの操作ログをセッションIDと共に記録し、画面ハードコピーデータ18にクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を記録する(S2)。
【0044】
続いて、作業者が、表示部22bに表示された一覧画面を操作して、製造指図等の詳細情報の表示を要求するために詳細ボタンの押下操作を実行すると、実行処理部22は、詳細表示処理を実行する。このとき、画面ハードコピー取得部23がクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を取得する。そして、サーバ要求処理部21が作業手順管理サーバ1に作業指図の一覧等の詳細表示を要求すると共に、クライアント端末2Aのログ情報と画面ハードコピー情報の記録を要求する。
【0045】
要求受付処理部12は、クライアント端末2Aからの要求を受け付けると(S3)、詳細表示情報をクライアント端末2Aに返す。そして、ログ処理部13は、ログ・画面記録処理を実行し、ログデータ17にクライアント端末2Aの操作ログをセッションIDと共に記録し、画面ハードコピーデータ18にクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を記録する(S4)。
【0046】
続いて、作業者が、表示部22bに表示された更新画面を操作して、所定の作業内容を実行するために更新ボタンの押下操作を実行すると、実行処理部22は、更新処理を実行する。この更新画面は、処理を実行する際に表示部22bに表示される画面であり、作業手順として、例えば、医薬品の原材料を容器に投入する順番が決められていれば、この順番に従って原材料を投入することが求められる。そして、作業者が作業手順に従って容器に原材料を投入すれば作業手順の逸脱は発生しない。しかし、作業者が作業手順とは異なる順番で容器に原材料を投入すれば作業手順の逸脱が発生する。
【0047】
実行処理部22が更新処理を実行する際に、画面ハードコピー取得部23がクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を取得する。そして、サーバ要求処理部21が作業手順管理サーバ1に更新処理の実行を要求すると共に、ログ情報と画面ハードコピー情報の記録を要求する。
【0048】
要求受付処理部12は、クライアント端末2Aからの要求を受け付けると(S5)、更新結果をクライアント端末2Aに返す。そして、ログ処理部13は、ログ・画面記録処理を実行し、ログデータ17にクライアント端末2Aの操作ログをセッションIDと共に記録し、画面ハードコピーデータ18にクライアント端末2Aの画面ハードコピー情報を記録する(S6)。
【0049】
そして、作業手順の逸脱が発生すると、要求受付処理部12は逸脱処理部11に逸脱登録処理を依頼する。逸脱処理部11は、逸脱登録処理にて逸脱処理部11は、逸脱情報データ15に逸脱情報を記録し、逸脱・ログ関連データ16に逸脱・ログ関連情報を記録する(S7)。
【0050】
図6は、逸脱発生時に作業手順管理サーバ1が行う処理の詳細な動作例を示す。
【0051】
初めに、要求受付処理部12は、クライアント端末2Aのサーバ要求処理部21から要求された各種の処理を受け付ける(S11)。次に、ログ処理部13は、ROM32からログ・画面記録機能を呼び出す(S12)。
【0052】
そして、ログ処理部13は、ログ・画面記録処理を実行すると、自動生成したログIDをログデータ17のログID17aに登録し、ログ内容をログ内容17bに登録する。また、ログ処理部13は、サーバ送付データ25から取得したセッションIDをログデータ17のセッションID17cに登録し、ログの発生日時を発生日時17dに登録する。続いて、ログ処理部13は、画面ハードコピーデータ18に対しても、ログID17aから読み出したログIDをログID18aに登録し、画面ハードコピー情報を画面ハードコピー情報18bに登録する。
【0053】
続いて、要求受付処理部12は、逸脱が発生したか否かを判断し(S13)、逸脱が発生していなければ処理を完了する。一方、要求受付処理部12によって逸脱が発生したと判断されると、逸脱処理部11がROM32から逸脱登録機能を呼び出す(S14)。この場合、逸脱処理部11は、製造指図データ14の製造指
図ID4eから逸脱に対応する製造指
図IDを取得し、この製造指
図IDを逸脱情報データ15の製造指
図ID15aに登録する。そして、逸脱処理部11は、逸脱発生時に自動生成した逸脱SE_NOを逸脱情報データ15の逸脱SE_NO15bに登録する。また、逸脱処理部11は、逸脱内容15cに逸脱内容を登録し、逸脱発生日時15dに逸脱発生日時を登録する。また、逸脱処理部11は、逸脱確認状況15eに「未確認」を登録し、サーバ送付データ25から取得したセッションID“1000”をセッションID15fに登録する。なお、逸脱確認状況15eに登録された「未確認」とのステータスは、管理者がクライアント端末2Bを用いて逸脱発生時の状況を確認した後に「確認済」に更新される。
【0054】
次に、逸脱処理部11は、セッションID15fに登録されたセッションID“1000”をキーとしてログデータ17を検索する。そして、逸脱処理部11は、セッションIDが一致するデータ17eに含まれるログID17aよりログ一覧を取得し、このログ一覧を逸脱・ログ関連データ16のログID16cに登録する。また、逸脱処理部11は、逸脱SEQ_NO15bから取得した逸脱SEQ_NOを逸脱SEQ_NO16aに登録する。そして、逸脱処理部11は、ログID16cに登録されたログIDの取得順に合わせて採番したSEQ番号をSEQ16bに登録する。その後、処理を完了する。
【0055】
<逸脱検索時の処理>
次に、逸脱検索時の処理について、
図7〜
図9を参照して説明する。
【0056】
初めに、逸脱検索画面W1と逸脱詳細ログ画面W2の構成を説明する。
図7は、クライアント端末2Bの表示部22bに表示される画面の表示例を示す。
図7Aは、逸脱検索画面W1の表示例を示し、
図7Bは、逸脱詳細ログ画面W2の表示例を示す。
【0057】
図7Aに示すように、逸脱検索画面W1は、逸脱一覧W1a、検索ボタンW1b、選択ラジオボタンW1c、詳細ボタンW1dを備える。
【0058】
逸脱一覧W1aは、逸脱SEQ_NOの順に、製造指
図ID、逸脱内容、逸脱発生日時、逸脱確認状況を一覧表示する。ここで、検索ボタンW1bは、管理者が押下操作を実行することで逸脱一覧W1aに逸脱情報データ15から読み出された逸脱情報を一覧表示させることができる。このとき、逸脱内容の項目には、「上限値を超えて値を更新」、「作業をスキップ」といった情報が表示されている。選択ラジオボタンW1cは、管理者が詳細を確認しようとする逸脱情報を選択するために用いられる。詳細ボタンW1dは、管理者によって押下操作が実行されると、選択ラジオボタンW1cで選択された逸脱情報の詳細を示す逸脱詳細ログ画面W2が表示される。
【0059】
図7Bに示すように、逸脱詳細ログ画面W2は、逸脱情報W2aと、逸脱詳細ログ一覧W2b、画面表示ボタンW2cを備える。
【0060】
逸脱情報W2aは、セッションID“1000”に対応する逸脱情報データ15に格納された情報を表示する。
逸脱詳細ログ一覧W2bは、逸脱SEQ_NOが“2014001”であって、セッションID“1000”に対応するログデータ17に格納された情報を表示する。そして、逸脱詳細ログ一覧W2bに含まれる画面フィールドには、画面表示ボタンW2cが表示される。管理者は、画面表示ボタンW2cの押下操作を実行すると、この画面表示ボタンW2cが含まれる行のログIDによって特定される画面ハードコピー情報が表示される。
【0061】
次に、具体的な処理を説明する。
図8は、管理者が逸脱検索を行う際におけるクライアント端末2Bと作業手順管理サーバ1の処理例を示す。
図8においても、クライアント端末2Bが備えるサーバ要求処理部21、画面ハードコピー取得部23の処理を不図示としている。
【0062】
管理者が、クライアント端末2Bの表示部22bに表示された逸脱検索画面W1を操作して検索ボタンW1bの押下操作を実行すると、実行処理部22は、ログ検索処理を実行する。このとき、サーバ要求処理部21が作業手順管理サーバ1にログの検索を要求する。
【0063】
作業手順管理サーバ1の要求受付処理部12は、クライアント端末2Bが要求した処理を受け付ける(S21)。このとき、逸脱処理部11は、逸脱検索処理を実行し(S22)、逸脱情報データ15から取得した情報に基づいて、逸脱検索画面W1に逸脱一覧W1aを表示する。
【0064】
管理者が、逸脱検索画面W1の逸脱一覧W1aに含まれる選択ラジオボタンW1cを選択し、詳細ボタンW1dの押下操作を実行すると、サーバ要求処理部21が作業手順管理サーバ1に対して逸脱詳細ログ画面W2を表示させるための要求を行う。
【0065】
要求受付処理部12は、クライアント端末2Bが要求した処理を受け付ける(S23)。逸脱処理部11は、逸脱関連ログ検索処理を実行し、管理者によって選択された製造指
図IDに対応する逸脱の詳細情報を、逸脱情報データ15と逸脱・ログ関連データ16から検索する(S24)。
【0066】
また、ログ処理部13は、ログ検索処理を実行し、ログデータ17からログ情報を取得し、画面ハードコピーデータ18から画面ハードコピー情報を取得する(S25)。そして、逸脱詳細ログ画面W2を新規に起動して、逸脱情報W2aと、逸脱詳細ログ一覧W2bをクライアント端末2Bの表示部22bに表示する。
【0067】
次に、管理者が逸脱詳細ログ一覧W2bの画面表示ボタンW2cの押下操作を実行すると、ログ処理部13が画面ハードコピーデータ18から取得した画面ハードコピー情報がクライアント端末2Bに新規画面で表示される。
【0068】
図9は、逸脱検索時に作業手順管理サーバ1が行う処理の詳細な動作例を示す。
【0069】
初めに、要求受付処理部12は、クライアント端末2Bのサーバ要求処理部21から要求された処理を受け付けると(S31)、この処理が逸脱検索であるか否かを判断する(S32)。要求受付処理部12が逸脱検索であると判断した場合、逸脱処理部11は、逸脱検索処理を実行し(S33)、逸脱情報データ15から取得したデータ15gをクライアント端末2Bに返して処理を終了する。このとき、クライアント端末2Bには、逸脱検索画面W1が表示される。
【0070】
要求受付処理部12が逸脱検索ではないと判断した場合、ログ処理部13は、逸脱関連ログ検索であるか否かを判断する(S34)。ログ処理部13が逸脱関連ログ検索ではないと判断した場合、処理を終了する。
【0071】
ステップS34にて、ログ処理部13が逸脱関連ログ検索であると判断した場合、逸脱処理部11は、逸脱関連ログ検索処理を実行する(S35)。そして、逸脱処理部11は、逸脱SEQ_NO15bをキーとして、逸脱・ログ関連データ16から取得したログID16cに関連づけられるログデータ17のデータ17eと、画面ハードコピーデータ18のデータ18dをクライアント端末2Bに返す。このとき、クライアント端末2Bには、逸脱詳細ログ画面W2が表示される。そして、作業手順管理サーバ1は、本処理を終了する。
【0072】
以上説明した一実施の形態例に係る作業手順管理システム10は、逸脱発生時には、クライアント端末2Aからの処理要求に基づき、ログデータ、逸脱情報データを記録すると共に、クライアント端末2Aの画面ハードコピー情報についても記録する。このとき、逸脱処理部11は、逸脱発生時の情報が改ざんされないようにするため、取得した画面ハードコピー情報の所定位置から抽出したデータを符号化して記録する。これにより、画面ハードコピー情報が改ざんされたとしても、改ざんされた画面ハードコピー情報の所定位置から抽出したデータを符号化した値が、記録した値と異なるため、画面ハードコピー情報が改ざんされたことを検出できる。また、画面ハードコピー情報が改ざんされたことは、例えばアラーム情報がクライアント端末2Bに出力されることにより、管理者が知ることができる。このため、画面ハードコピーデータ18に記録された画面ハードコピー情報の信頼性を高めることができる。
【0073】
また、クライアント端末2Bには、逸脱検索画面W1に逸脱内容が表示され、逸脱詳細ログ画面W2に詳細なログ及び画面ハードコピー情報が表示される。逸脱検索時に逸脱発生の逸脱情報と合わせて、ログ情報と画面ハードコピー情報を表示させることで、逸脱内容の認識を速やかに行えることで確認者の工数を低減することができる。このため、従来のように、管理者が逸脱状況を確認する際に、作業者からヒアリングを行っても、作業者の証言内容の信憑性が欠けていたことにより、確認の手間が掛かっていた従来の方法に比べて、管理者が作業を管理する手間を軽減することができる。
【0074】
そして、作業手順管理システム10では、製品の特徴に応じた工程毎の適切な作業手順を作業者に自動的に提示し、かつ、作業実績を入力させることで作業者の作業手順を厳密に管理することができる。
【0075】
また、例えば、医薬業界で重要となる情報の改ざん防止を確実に行えることで、情報の信頼性を確保することができる。さらに、逸脱検索時に逸脱発生時の画面の詳細遷移や、画面の表示情報を具体的に表示することで逸脱発生の経緯を明確に示すことができ、管理者の判断時間の低減を行うことができる。
【0076】
[変形例]
なお、逸脱発生時だけでなく、逸脱発生に至るまでの手順についても画面ハードコピー情報として取得してもよい。これによりどのような手順で逸脱発生に至ったかを確認しやすくなる。
【0077】
また、作業者が作業する様子をカメラで撮影しておき、逸脱発生時には、画面ハードコピー情報と共に、作業が行われた様子を静止画又は動画で記録することで、逸脱発生が起きた状況を管理することもできる。
【0078】
また、作業手順管理システム10は、医薬品の製造工程だけでなく、その他の製品の製造工程における作業手順を管理するために用いてもよい。
【0079】
また、逸脱発生とは関係のない画面ハードコピー情報は逸脱情報と関連しないものだけを削除することも可能である。これにより、作業手順管理サーバ1が備える不揮発性ストレージ37の記録領域の圧迫を防ぐことができる。
【0080】
また、上述した実施の形態例では、作業者が用いるクライアント端末2Aと、管理者が用いるクライアント端末2Bのように分けたが、1台のクライアント端末を作業者と管理者が共用してもよい。この場合、作業者と管理者がそれぞれ別のログインID、パスワードを入力し、作業手順管理サーバ1はログIDを識別することで、作業手順管理サーバ1に接続しているクライアント端末のユーザが作業者又は管理者のいずれであるかを把握することができる。
【0081】
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。