特許第6474274号(P6474274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474274ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム、およびゲーム処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474274
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム、およびゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20190218BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20190218BHJP
   A63F 13/235 20140101ALI20190218BHJP
【FI】
   A63F13/45
   A63F13/20 A
   A63F13/235
【請求項の数】6
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-30513(P2015-30513)
(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公開番号】特開2016-150196(P2016-150196A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2015年8月20日
【審判番号】不服2017-35(P2017-35/J1)
【審判請求日】2017年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】中村 正宏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敬一郎
【合議体】
【審判長】 尾崎 淳史
【審判官】 吉村 尚
【審判官】 藤本 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−190836(JP,A)
【文献】 特開2000−157745(JP,A)
【文献】 特開平8−289981(JP,A)
【文献】 特開2013−251816(JP,A)
【文献】 特開2003−154164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信機能を搭載するコンピュータで実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは前記コンピュータを、
情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、
前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングと、前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングに基づいて規定される、周期的に到来するタイミングとの時間ずれ量に応じて処理を行なう処理手段として機能させ、
ゲームで扱われる複数種類のアイテムの各々を特定するための識別情報をそれぞれ格納した複数の前記情報記憶媒体が用意されており、
前記処理手段は、
データを遣り取りした情報記憶媒体に格納されている識別情報に基づいて進行中のゲームで扱われるアイテムの種類を特定し
前記時間ずれ量と前記特定された種類のアイテムに対応する特性値とに基づいて、前記ゲームにおいて生じる影響の度合いを決定する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報記憶媒体は、RFタグである、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記周期的に到来するタイミングを示すオブジェクトを表示させる、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、
前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングと、前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングに基づいて規定される、周期的に到来するタイミングとの時間ずれ量に応じて処理を行なう処理手段とを備え、
ゲームで扱われる複数種類のアイテムの各々を特定するための識別情報をそれぞれ格納した複数の前記情報記憶媒体が用意されており、
前記処理手段は、
データを遣り取りした情報記憶媒体に格納されている識別情報に基づいて進行中のゲームで扱われるアイテムの種類を特定し
前記時間ずれ量と前記特定された種類のアイテムに対応する特性値とに基づいて、前記ゲームにおいて生じる影響の度合いを決定する、ゲーム装置。
【請求項5】
情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、
処理手段とを備え、
ゲームで扱われる複数種類のアイテムの各々を特定するための識別情報をそれぞれ格納した複数の前記情報記憶媒体が用意されており、
前記処理手段は、記憶媒体に格納された情報処理プログラムを実行することで、
前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングと、前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングに基づいて規定される、周期的に到来するタイミングとの時間ずれ量を算出し
データを遣り取りした情報記憶媒体に格納されている識別情報に基づいて進行中のゲームで扱われるアイテムの種類を特定し
前記時間ずれ量と前記特定された種類のアイテムに対応する特性値とに基づいて、前記ゲームにおいて生じる影響の度合いを決定する、ゲームシステム。
【請求項6】
近距離無線通信機能を搭載するコンピュータで実行されるゲーム処理方法であって、
情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信ステップと、
前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングと、前記情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングに基づいて規定される、周期的に到来するタイミングとの時間ずれ量に応じて処理を行なう処理ステップとを含み、
ゲームで扱われる複数種類のアイテムの各々を特定するための識別情報をそれぞれ格納した複数の前記情報記憶媒体が用意されており、
前記処理ステップは、
データを遣り取りした情報記憶媒体に格納されている識別情報に基づいて進行中のゲームで扱われるアイテムの種類を特定するステップと、
前記時間ずれ量と前記特定された種類のアイテムに対応する特性値とに基づいて、前記ゲームにおいて生じる影響の度合いを決定するステップとを含む、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信を利用した情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信を利用した各種アプリケーションが実用化されている(例えば、特開2009−6004号公報など参照)。一般的なアプリケーションでは、RF(Radio Frequency)タグから何らかの情報を読み取ったことをトリガとして、予め定められた処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−6004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、先行技術においては、情報記憶媒体からの情報の読み取りは、瞬間的なトリガとしてのみ利用されている。そのため、情報記憶媒体を読み取り装置にかざすユーザ体験としては、「かざす」という行為に起因する一意の体験のみであった。すなわち、情報記憶媒体から読み取られた情報の種類のバリエーションはあるものの、同一種類の情報であれば、タイミングなどには依存せず、同一種類の結果が得られるのみであった。
【0005】
そのため、ユーザが情報記憶媒体をかざすという行為、および/または、かざすのをやめるという行為に起因して、新たなユーザ体験をもたらす情報処理プログラムなどが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施の形態に従えば、近距離無線通信機能を搭載するコンピュータで実行される情報処理プログラムが提供される。情報処理プログラムはコンピュータを、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングおよび情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングの一方と、所定タイミングとの時間差に応じて所定の処理を行なう処理手段として機能させる。
【0007】
好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングを所定タイミングに設定し、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングと情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングとの時間差に応じて所定の処理を行なう。
【0008】
さらに好ましくは、処理手段は、算出された時間差が大きいほど、所定の処理に生じる影響を大きくする。
【0009】
さらに好ましくは、処理手段は、算出された時間差に依存して、所定の処理に生じる影響を増減させる。
【0010】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体に含まれる情報に依存して、所定の処理に生じる影響の度合いを変化させる。
【0011】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体に含まれる情報に依存して、所定の処理で扱われるオブジェクトの同一の特性値に対する変化の度合いを変化させる。
【0012】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体に含まれる情報に依存して、所定の処理で扱われるオブジェクトの異なる特性値に対する変化の度合いを変化させる。
【0013】
好ましくは、所定タイミングは、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング以降のタイミングに設定される。
【0014】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングと所定タイミングとの時間差が小さいほど、所定の処理に生じる影響を大きくする手段を含む。
【0015】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体に含まれる情報に依存して、所定の処理に生じる影響の度合いを変化させる。
【0016】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体に含まれる情報に依存して、所定の処理で扱われるオブジェクトの同一の特性値に対する変化の度合いを変化させる。
【0017】
さらに好ましくは、処理手段は、情報記憶媒体に含まれる情報に依存して、所定の処理で扱われるオブジェクトの異なる特性値に対する変化の度合いを変化させる。
【0018】
好ましくは、情報記憶媒体は、RFタグである。
好ましくは、情報処理プログラムは、ゲームプログラムである。
【0019】
別の実施の形態に従う情報処理装置は、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングおよび情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングの一方と、所定タイミングとの時間差に応じて所定の処理を行なう処理手段とを備える。
【0020】
別の実施の形態に従う情報処理システムは、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、処理手段とを備え、処理手段は、記憶媒体に格納された情報処理プログラムを実行することで、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングおよび情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングの一方と、所定タイミングとの時間差に応じて所定の処理を行なう。
【0021】
別の実施の形態に従えば、近距離無線通信機能を搭載するコンピュータで実行される情報処理方法が提供される。情報処理方法は、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信ステップと、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングおよび情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングの一方と、所定タイミングとの時間差に応じて所定の処理を行なう処理ステップとを含む。
【0022】
別の実施の形態に従えば、近距離無線通信機能を搭載するコンピュータで実行される情報処理プログラムが提供される。情報処理プログラムはコンピュータを、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に応じて所定の処理を実行する処理手段として機能させる。
【0023】
別の実施の形態に従う情報処理装置は、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に応じて所定の処理を実行する処理手段とを備える。
【0024】
別の実施の形態に従う情報処理システムは、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段と、処理手段とを備え、処理手段は、記憶媒体に格納された情報処理プログラムを実行することで、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に応じて所定の処理を実行する。
【0025】
別の実施の形態に従えば、近距離無線通信機能を搭載するコンピュータで実行される情報処理方法が提供される。情報処理方法は、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信ステップと、情報記憶媒体との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に応じて所定の処理を実行する処理ステップとを含む。
【発明の効果】
【0026】
本実施の形態は、ユーザが情報記憶媒体をかざすという行為、および/または、かざすのをやめるという行為に起因して、新たなユーザ体験をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施の形態に従うゲーム装置の構成例を示す模式図である。
図2】本実施の形態に従うゲーム装置による新たなユーザ体験の提供を説明するための図である。
図3】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第1のアプリケーションを示す模式図である。
図4】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第1のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。
図5】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第2のアプリケーションを示す模式図である。
図6】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第2のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。
図7】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第3のアプリケーションを示す模式図である。
図8】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第4のアプリケーションを示す模式図である。
図9】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第4のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。
図10】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第4のアプリケーションの変形例を示す模式図である。
図11】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第4のアプリケーションの変形例における処理手順を示すフローチャートである。
図12】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第5のアプリケーションを示す模式図である。
図13】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第6のアプリケーションを示す模式図である。
図14】本実施の形態に従うゲーム装置で実行される第6のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。
図15】本実施の形態に従うゲーム装置におけるRFタグの読み取りに係る処理手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。本実施の形態に従う情報処理装置の一例としてゲーム装置100について例示する。
【0029】
[A.ゲーム装置100]
図1は、本実施の形態に従うゲーム装置100の構成例を示す模式図である。
【0030】
図1を参照して、ゲーム装置100は、情報記憶媒体であるRFタグ200との間で近距離無線通信が可能な任意のコンピュータである。
【0031】
本実施の形態においては、近距離無線通信の一例として、ゲーム装置100とRFタグ200との間でNFC規格に基づく通信が行なわれる場合を例として説明する。ここで、近距離無線通信とは、一例として一方の装置からの電波によって(例えば、電磁誘導によって)他方の装置に起電力を発生させる通信方式を指す。他方の装置は、発生した起電力によって動作することが可能である(他方の装置は、電源を有していてもよいし有していなくてもよい)。
【0032】
近距離無線通信においては、ゲーム装置100とRFタグ200とが接近した場合(典型的には両者の距離が十数センチ以下となった場合)に通信可能となる。また、近距離無線通信では、2つの通信装置の通信が確立している間(通信装置に他のタグが接近している間)は電波が送出され続ける。なお、一例として電波によって通信する方式について説明したが特にこれに限られず光でもよいし、他の媒体を用いた通信でもよくその方式については何ら限定しない。
【0033】
ゲーム装置100は、近距離無線通信が可能な任意の情報処理装置である。本実施の形態においては、ゲーム装置100は、例えば携帯型ゲーム装置、携帯電話、あるいはスマートフォン等といった、携帯型(可搬型とも言う)の装置であってもよいし、パーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機等といった据置型の装置であってもよいし、業務用のアーケードゲーム装置のような大型の装置であってもよい。例えば、ゲーム装置100は、NFCリーダライタの機能を有する携帯機器である。
【0034】
RFタグ200は、ゲーム装置100との間で近距離無線通信が可能な任意の装置である。本実施の形態においては、RFタグ200は、NFCタグの機能を有する情報記憶媒体である。すなわち、タグは、近距離無線通信を行なう回路(ICチップ)と、データを記憶する記憶手段(メモリ等)とを備える。すなわち、記憶手段に対して読み書き可能な回路を含むRFID(Radio Frequency IDentification)である。なお、RFタグ200は、データを記憶する機能のみを有する装置(RFタグ)であってもよく、例えばNFCのカードエミュレーション機能を有する情報処理装置(携帯機器)であってもよい。
【0035】
以下、ゲーム装置100の構成について説明する。図1に示すように、ゲーム装置100は通信部11を備える。通信部11は、近距離無線通信に用いられるアンテナである。また、ゲーム装置100は通信チップ12を備える。通信チップ12は、後述するCPU13からの指示に従い、通信部11から送出すべきデータ(電波/信号)を生成する。生成されたデータが通信部11から送出される。通信チップ12は、例えばNFCチップである。CPU13が情報処理プログラムを実行することで、通信部11および通信チップ12は、情報記憶媒体と近距離無線通信を行なうことによって、当該情報記憶媒体とデータを遣り取りする通信手段として機能する。
【0036】
図1に示すように、ゲーム装置100は、CPU13およびメモリ14を備える。CPU13は、ゲーム装置100で実行される各種の情報処理を実行するための情報処理部である。CPU13は、メモリ14を用いて上記各種の情報処理を実行する。
【0037】
ゲーム装置100はプログラム記憶部15を備える。プログラム記憶部15は、ゲーム装置100において実行される各種プログラム(後述する通信プログラムおよびアプリケーションプログラムを含む)を記憶する。プログラム記憶部15は、CPU13がアクセス可能な任意の記憶装置(記憶媒体)である。プログラム記憶部15は、例えばハードディスクやメモリ等の、ゲーム装置100に内蔵される記憶部であってもよいし、例えば光ディスクやカートリッジ等の、ゲーム装置100に着脱可能な記憶媒体であってもよいし、これらの記憶部および記憶媒体の両方であってもよい。このような場合、ゲーム装置100および任意の記憶媒体を含む情報処理システムの一例であるゲームシステムとして構成してもよい。
【0038】
本実施の形態においては、ゲーム装置100では、少なくともアプリケーションプログラムおよび通信プログラムという2種類のプログラムがプログラム記憶部15に記憶される。アプリケーションプログラムは、RFタグ200との間でデータ通信を行なう任意のアプリケーションを実行するためのプログラムである。アプリケーションプログラムは、例えば、RFタグ200からゲームデータを読み出して当該ゲームデータを用いて所定の処理を行なうゲームプログラムであってもよい。通信プログラムは、RFタグ200との間で近距離無線通信を行なうためのプログラムである。例えば、通信プログラムは、通信チップ12を動作させるためのファームウェアであり、ライブラリとしてゲーム装置100に予め用意されていてもよい。通信プログラムは、アプリケーションからの指令を受けて通信のための動作を通信チップ12に行なわせる。なお、ゲーム装置100において複数のアプリケーションプログラムが実行可能である場合、通信プログラムは、各アプリケーションで共通に使用される。アプリケーションプログラムおよび通信プログラムが情報処理プログラムとし実装されてもよい。情報処理プログラムは、別のアプリケーションにも適用できる。
【0039】
また、ゲーム装置100は、ボタンやタッチパネル等、ユーザによる指示を受付ける入力部16を備える。また、ゲーム装置100は、上記情報処理によって生成される画像を表示する表示部17を備えている。
【0040】
ゲーム装置100は、複数の装置によって構成されてもよい。例えば、ゲーム装置100は、CPU13およびメモリ14を備える装置に対して、上記通信部11および通信チップ12を備える装置が着脱可能に接続される構成であってもよい。また、ゲーム装置100は、CPU13を有する本体装置と、入力部16および/または表示部17を有する装置とが別体である構成であってもよい。例えば、他の実施形態において、ゲーム装置100は、本体装置と、入力部16および表示部17を有する端末装置とによって構成されてもよいし、本体装置と、入力部16を有する操作装置とによって構成されてもよい。また、ゲーム装置100は、表示部17を備えず、テレビを表示装置として用いる構成であってもよい。
【0041】
また、他の実施形態においては、ゲーム装置100において実行される情報処理の少なくとも一部が、ネットワーク(広域ネットワークおよび/またはローカルネットワーク)によって通信可能な複数の装置によって分散して実行されてもよい。
【0042】
[B.概要]
次に、本実施の形態に従うゲーム装置100による、ユーザがRFタグ200をかざすという行為に起因する新たなユーザ体験を提供する方法について概説する。
【0043】
本実施の形態に従うゲーム装置100に対して、ユーザが任意のタイミングでRFタグ200をかざすことができるとともに、RFタグ200をかざすのをやめる(すなわち、RFタグ200をゲーム装置100から引き離す)ことができる。このような、RFタグ200をかざすという動作、および、RFタグ200をかざすのをやめる(すなわち、RFタグ200をゲーム装置100から引き離す)という動作をいずれのタイミングで行なうのかといったスキルや戦略性を楽しむことができる。
【0044】
例えば、ある基準のタイミングから、RFタグ200をかざすという動作、および/または、RFタグ200をかざすのをやめる動作をいかに早く行なうことができるかを競うゲームを提供することができる。あるいは、ある基準のタイミングから、RFタグ200をかざすという動作、および/または、RFタグ200をかざすのをやめる動作を行なったタイミングまでの期間の長さに依存して、影響や特定などを異ならせるようなゲームを提供することができる。あるいは、RFタグ200をかざすという動作を行なってから、RFタグ200をかざすのをやめる動作を行なうまでの期間の長さに依存して、影響や特定などを異ならせるようなゲームを提供することができる。
【0045】
図2は、本実施の形態に従うゲーム装置100による新たなユーザ体験の提供を説明するための図である。ユーザがRFタグ200をかざす、および/または、ユーザがRFタグ200をかざすのをやめるといった動作に関連して、図2に示すようなタイミングを想定できる。なお、アプリケーションなどに依存して、図2に示すタイミングT1,T2,T3,T4,T4’,T5,T6のすべてが定義されるわけではない。
【0046】
タイミングT1およびタイミングT6は、RFタグ200との間でデータ(電波/信号)の遣り取り(読み取り/書き込み)が可能な期間の始期および終期を示す。すなわち、タイミングT1において、近距離無線通信機能が有効化され、タイミングT6において、近距離無線通信機能が無効化される。タイミングT1およびT6は、基本的には、アプリケーションによって決定される。あるいは、タイミングT1およびT6は、アプリケーションとは別の、オペレーティングシステムやハードウェア依存のスイッチなどによって決定される。なお、データ(電波/信号)の遣り取り(読み取り/書き込み)が可能になったタイミングと同期させて、RFタグ200を利用することが可能になったことをユーザへ告知してもよいし、可能になったタイミングとRFタグ200を利用することが可能になったことをユーザへ告知するタイミングとをずらしてもよい。
【0047】
タイミングT2,T4,T4’は、ユーザがRFタグ200をかざす、および/または、ユーザがRFタグ200をかざすのをやめるといった動作との間で定義される期間(時間差)の基準となるものである。タイミングT2,T4,T4’は、基本的には、アプリケーションによって決定される。すなわち、アプリケーションによるゲームの進行に応じて、タイミングT2,T4,T4’は、適宜決定される。
【0048】
タイミングT3は、ユーザがRFタグ200をかざし始めたタイミングに相当し、タイミングT5は、ユーザがRFタグ200をかざし終わったタイミングに相当する。すなわち、タイミングT3,T5は、ユーザの動作に依存して決定される。本実施の形態に従うゲーム装置100では、このユーザの動作に依存して決定されるタイミングT3およびタイミングT5の少なくとも一方が始期または終期となる期間の長さ(すなわち、時間差)に応じて、ゲーム処理を進行する。
【0049】
タイミングT3からタイミングT5までの期間は、RFタグ200との間でデータを遣り取りできている期間(通信が継続する期間)を意味し、基本的には、ユーザがRFタグ200をかざし続けている期間に相当する。すなわち、タイミングT3からタイミングT5までの期間は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に相当する。
【0050】
タイミングT3からタイミングT5までの期間において、ゲーム装置100は、パルス放射を所定周期で繰り返しており、この各サイクルにおいて、RFタグ200から何らかの情報が応答されるか否かに基づいて、RFタグ200との間でデータを遣り取りできているか否かを判断する。ゲーム装置100は、RFタグ200から何らの応答も得られなくなると、通信が途切れたと判断する。
【0051】
本実施の形態に従うゲーム装置100は、典型的なアプリケーションにおいて、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)およびRFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)の一方と、所定タイミング(タイミングT1,T2,T3,T4,T4’,T6)との時間差に応じてゲーム処理を進行する。
【0052】
本実施の形態に従うゲーム装置100は、典型的な別のアプリケーションにおいて、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間(タイミングT3〜T5)に応じてゲーム処理を進行する。
【0053】
以下、上述のような新規な概念を具現化したいくつかのアプリケーションについて、以下説明する。
【0054】
[C.アプリケーション]
〈c1:アプリケーション1〉
まず、第1のアプリケーションとして、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と所定タイミング(タイミングT1またはタイミングT2)との時間差に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0055】
図3は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第1のアプリケーションを示す模式図である。図3に示す第1のアプリケーションは、百人一首ゲームである。基本的なプレイ方法としては、上側ハウジング101の上側ディスプレイモジュール110に、「上の句」が表示されると、ユーザは、対応する「下の句」が印字されたRFタグ200を下側ハウジング102の下側ディスプレイモジュール120にかざす。「上の句」の表示開始タイミングから、対応する「下の句」が印字されたRFタグ200をユーザがかざして、その内容が読み取られるまでの期間の短さを競うものである。
【0056】
百人一首に含まれるそれぞれの歌について、「下の句」のみがカード型のRFタグ200の表面に印字されている。ユーザは、事前準備として、これらのRFタグ200−1,200−2,…,200−Nをゲーム装置100の前に並べておく。各RFタグ200には、それぞれの表面に印字されている「下の句」をユニークに特定するための識別情報が格納されている。ゲーム装置100は、いずれかのRFタグ200がかざされたときに、そのかざされたRFタグ200から識別情報を読み取って、いずれの「下の句」が印字されたRFタグ200がかざされたのかを判断する。
【0057】
アプリケーション側で決定するイベントに応答して、上側ディスプレイモジュール110には、ランダムに選択された「上の句」を示すオブジェクト204の表示が開始される。なお、オブジェクト204の表示態様としては、「上の句」に含まれる文字列を一気に表示してもよいし、当該文字列に含まれる文字を一文字ずつ順に表示するようにしてもよい。
【0058】
オブジェクト204の表示が開始されると、風船を示すオブジェクト202が膨らみ始める。そして、オブジェクト204の表示が開始された後、対応するRFタグ200が適切にかざされるまで、オブジェクト202は膨らみ続ける。最終的に、オブジェクト204の表示が開始された後、対応するRFタグ200がかざされるまでの期間が予め定められた上限値を超えると、タイムオーバとなり、風船のオブジェクト202は割れるような演出がなされる。
【0059】
典型的には、オブジェクト202の膨らみをリセットすることなく、複数の歌を順次表示するようにしておき、風船が割れるまで何首の歌をクリアできるのかを競うことができる。1人でプレイする場合には、クリアできた歌の総数をより多くするようにユーザはプレイすることになり、複数人でプレイする場合には、各ユーザがクリアできた歌の総数を競うことになる。
【0060】
あるいは、オブジェクト204の表示が開始された後、対応するRFタグ200がかざされるまでの期間が短いほど、より高い得点が加算されるようにしてもよく、所定回数の実施において加算された総得点を競うようにしてもよい。
【0061】
さらにあるいは、複数のゲーム装置100の間を無線通信で接続し、複数のユーザが同時にプレイできる場合には、いずれのユーザが最も早く対応するRFタグ200を自己のゲーム装置100にかざしたか(正解のRFタグ200をかざすまでの時間)を競うこともできる。
【0062】
図3に示す第1のアプリケーションにおいては、時間差の算出基準となる所定タイミングは、図2に示すタイミングT1またはタイミングT2である。そして、この所定タイミングT1またはT2と、ユーザが対応するRFタグ200をかざし始めたタイミングT3、すなわちRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングとの時間差が定義される。このように、図3に示す第1のアプリケーションにおいては、タイミングT1とタイミングT3との時間差、または、タイミングT2とタイミングT3との時間差に応じて、ゲーム処理が進行される。なお、図3に示す第1のアプリケーションにおいては、タイミングT1とタイミングT2とを必ずしも区別する必要はなく、タイミングT1とタイミングT2と同一のタイミングとしてもよい。すなわち、「上の句」を示すオブジェクト204の表示が開始されるタイミングで、近距離無線通信機能を有効化してもよい。
【0063】
図4は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第1のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。図4に示す各ステップは、CPU13が情報処理プログラムを実行することで実現される。
【0064】
図4を参照して、ゲーム装置100のCPU13は、ゲーム開始が指示されると(ステップS100においてYES)、まず近距離無線通信機能を有効化する(ステップS102)。この後、下側ディスプレイモジュール120の位置に配置されている通信部11(図1)からは、パルスが周期的に放射され続ける。これによって、ゲーム装置100は、近接する任意のRFタグとの間でデータを遣り取りする。そして、CPU13は、風船を示すオブジェクト202(図3)に関連付けられるカウンタを初期化する(ステップS104)とともに、予め格納している百人一首の「上の句」からランダムに対象の「上の句」を選択する(ステップS106)。典型的には、ゲーム装置100は、「上の句」を示すオブジェクト204(図3)を提示するための画像データと、対応する「下の句」を示す識別情報(RFタグ200に格納される)とを関連付けてデータベースを有している。このようなデータベースを参照することで、CPU13は、選択された「上の句」に対応する「下の句」を示す識別情報についても取得する。ゲーム開始が指示されなければ(ステップS100においてNO)、ステップS100の処理が繰り返される。
【0065】
そして、CPU13は、計時機能であるリアルタイムクロックから発せられるイベントを受けて(ステップS108においてYES)、当該選択した「上の句」の上側ディスプレイモジュール110での表示を開始する(ステップS110)。続いて、CPU13は、何らかのRFタグ200から応答を受信したか否かを判断する(ステップS112)。計時機能であるリアルタイムクロックから発せられるイベントを受けていなければ(ステップS108においてNO)、ステップS108の処理が繰り返される。
【0066】
いずれのRFタグ200からも何らの応答も受信していなければ(ステップS112においてNO)、CPU13は、カウンタをインクリメントする(ステップS114)。そして、CPU13は、インクリメント後のカウンタが予め定められた制限値に到達しているか否かを判断する(ステップS116)。
【0067】
インクリメント後のカウンタが予め定められた制限値に到達していれば(ステップS116においてYES)、ゲームオーバを意味し、CPU13は、ゲームオーバの演出を実行し(ステップS118)、百人一首のゲーム処理を終了する。これに対して、インクリメント後のカウンタが予め定められた制限値に到達していなければ(ステップS116においてNO)、CPU13は、風船を示すオブジェクト202をインクリメント後のカウンタの値に応じた表示に更新する(ステップS120)。そして、ステップS112以下の処理が繰り返される。
【0068】
すなわち、ステップS112以下の処理において、ゲーム装置100は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と、所定タイミング(タイミングT1またはT2)との時間差に応じてゲーム処理進行する。
【0069】
これに対して、いずれかのRFタグ200から何らかの応答を受信していれば(ステップS112においてYES)、CPU13は、受信した応答に含まれる識別情報と、ステップS106において予め取得している識別情報とが一致するか否かを判断する(ステップS122)。
【0070】
受信した応答に含まれる識別情報と、予め取得している識別情報とが一致しなければ(ステップS122においてNO)、ステップS114〜S120の処理が実行される。これに対して、受信した応答に含まれる識別情報と、予め取得している識別情報とが一致すれば(ステップS122においてYES)、表示されている「上の句」に対応する「下の句」が印字されたRFタグ200が適切にかざされたことを意味するので、CPU13は、クリア数をインクリメントするとともに、そのクリア数を上側ディスプレイモジュール110に表示する(ステップS124)。
【0071】
その後、CPU13は、ゲーム処理の終了条件が満たされているか否かを判断する(ステップS126)。このゲーム処理の終了条件としては、ユーザによる明示的または黙示的な指示であってもよいし、クリア数が予め定められた値に到達したということでもよいし、ゲーム処理の継続時間が予め定められた値に到達したということでもよい。
【0072】
ゲーム処理の終了条件が満たされていなければ(ステップS126においてNO)、ステップS106以下の処理が繰り返される。これに対して、ゲーム処理の終了条件が満たされていれば(ステップS126においてYES)、百人一首のゲーム処理は終了する。
【0073】
以上のような処理手順によって、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と所定タイミング(タイミングT1またはタイミングT2)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。すなわち、第1のアプリケーションにおいては、時間差の累積値を用いてゲームオーバとすべきか否かを判断する。
【0074】
第1のアプリケーションにおいては、視覚によって得られた情報に対してどれだけ早く応答できるかというスキルを競うという、ユーザがRFタグをかざすという行為に起因する新たなユーザ体験を提供できる。
【0075】
〈c2:アプリケーション2〉
次に、第2のアプリケーションとして、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と所定タイミング(タイミングT1またはタイミングT2)との時間差、および、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差、に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0076】
図5は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第2のアプリケーションを示す模式図である。図5に示す第2のアプリケーションは、コイン落としゲームである。基本的なプレイ方法としては、上側ハウジング101の上側ディスプレイモジュール110に、何らかのトリガで図中A方向への往復運動を開始するプッシャーのオブジェクト210が配置されており、オブジェクト210が往復運動する経路上にコインを獲得できる穴のオブジェクト216が設けられている。後述するような、RFタグ200をかざす/引き離すといったユーザ操作によって制御されるクレーンのオブジェクト212を用いて、コインのオブジェクト214をオブジェクト210の経路上に配置することで、オブジェクト214がオブジェクト210によって押されて、オブジェクト216の位置まで到達すれば、コインを獲得できる。この獲得されるコインの枚数を競うものである。
【0077】
より具体的には、アプリケーション側で決定するイベントに応答して、オブジェクト210の往復運動が開始される。オブジェクト210の往復運動が開始されると、オブジェクト212の操作が可能になる。この状態において、ユーザは、任意のタイミングで、RFタグ200を下側ハウジング102の下側ディスプレイモジュール120にかざす。すると、オブジェクト212は、コインをすくって、オブジェクト210の経路上に向けて移動する動作を開始する(図5(a)参照)。このオブジェクト212の動作は、ユーザがRFタグ200をかざしている間、継続する。
【0078】
その後、ユーザは、好適と思うタイミングで、RFタグ200を下側ハウジング102の下側ディスプレイモジュール120にかざすのをやめる(すなわち、RFタグ200をゲーム装置100から引き離す)。すると、オブジェクト212は、移動を停止し、その先端を開いてすくっていたコインのオブジェクト218を落とす。落とされたオブジェクト218は、オブジェクト210の往復運動によって、ユーザから見て手前側に押されることになる。
【0079】
図5に示す第2のアプリケーションにおいては、2種類の時間差が用いられる。
第1の時間差(クレーンのオブジェクト212が動作を開始するまでの期間)の算出基準となる所定タイミングは、図2に示すタイミングT1またはタイミングT2である。そして、この所定タイミングT1またはT2と、ユーザが対応するRFタグ200をかざし始めたタイミングT3、すなわちRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングとの時間差が定義される。このように、図5に示す第2のアプリケーションにおいては、タイミングT1とタイミングT3との時間差、または、タイミングT2とタイミングT3との時間差に応じて、ゲーム処理が進行される。なお、図5に示す第2のアプリケーションにおいては、タイミングT1とタイミングT2とを必ずしも区別する必要はなく、タイミングT1とタイミングT2と同一のタイミングとしてもよい。すなわち、プッシャーのオブジェクト210が往復運動を開始するタイミングで、近距離無線通信機能を有効化してもよい。
【0080】
第2の時間差(クレーンのオブジェクト212が動作を継続する期間)の算出基準となる所定タイミングは、図2に示すタイミングT3である。この所定タイミングT3と、ユーザが対応するRFタグ200をかざし終わったタイミングT5、すなわちRFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミングとの時間差が定義される。このように、図5に示す第2のアプリケーションにおいては、タイミングT3とタイミングT5との時間差に応じて、ゲーム処理が進行される。言い換えれば、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間(タイミングT3〜タイミングT5)に応じて、ゲーム処理が進行される。
【0081】
図6は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第2のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。図6に示す各ステップは、CPU13(図1)が情報処理プログラムを実行することで実現される。
【0082】
図6を参照して、ゲーム装置100のCPU13は、ゲーム開始が指示されると(ステップS200においてYES)、まず近距離無線通信機能を有効化する(ステップS202)。この後、下側ディスプレイモジュール120の位置に配置されている通信部11(図1)からは、パルスが周期的に放射され続ける。これによって、ゲーム装置100は、近接する任意のRFタグとの間でデータを遣り取りする。そして、CPU13は、コインを示す1または複数のオブジェクト214をランダムに配置する(ステップS204)。ゲーム開始が指示されなければ(ステップS200においてNO)、ステップS200の処理が繰り返される。
【0083】
そして、CPU13は、計時機能であるリアルタイムクロックから発せられるイベントを受けて(ステップS206においてYES)、プッシャーのオブジェクト210の往復運動を開始する(ステップS208)。続いて、CPU13は、RFタグ200から応答を受信したか否かを判断する(ステップS210)。計時機能であるリアルタイムクロックから発せられるイベントを受けていなければ(ステップS206においてNO)、ステップS206の処理が繰り返される。
【0084】
RFタグ200から応答を受信していなければ(ステップS210においてNO)、CPU13は、プッシャーのオブジェクト210の位置を更新する(ステップS212)。そして、ステップS210以下の処理が繰り返される。
【0085】
これに対して、RFタグ200から応答を受信していれば(ステップS210においてYES)、CPU13は、クレーンのオブジェクト212の動作を開始する(ステップS214)。そして、CPU13は、RFタグ200からの応答の受信が継続しているか否かを判断する(ステップS216)。
【0086】
RFタグ200からの応答の受信が継続していれば(ステップS216においてYES)、CPU13は、クレーンのオブジェクト212の動作を継続する(ステップS218)とともに、プッシャーのオブジェクト210の位置を更新する(ステップS220)。そして、ステップS216以下の処理が繰り返される。
【0087】
これに対して、RFタグ200からの応答の受信が継続していなければ(ステップS216においてNO)、すなわち、RFタグ200から応答を受信できなくなると、CPU13は、クレーンのオブジェクト212の移動を停止し、その先端を開く動作を開始する(ステップS222)。併せて、クレーンによってすくわれていたコインが落ちて、対応する位置に配置される表示および処理が実行される。さらに、CPU13は、プッシャーのオブジェクト210の位置を更新する(ステップS224)。併せて、プッシャーと配置されているコインとの接触判定の結果に基づいて、配置されているコインの位置が更新される。位置を移動されたコインが穴のオブジェクト216の位置まで到達する(ステップS226においてYES)と、コインが穴に落ちる演出とともに、その落ちたコインに応じた得点が加算される(ステップS228)。位置を移動されたコインが穴のオブジェクト216の位置まで到達しなければ(ステップS226においてNO)、ステップS228の処理はスキップされる。
【0088】
その後、CPU13は、ゲーム処理の終了条件が満たされているか否かを判断する(ステップS230)。このゲーム処理の終了条件としては、ユーザによる明示的または黙示的な指示であってもよいし、獲得した得点が予め定められた値に到達したということでもよいし、ゲーム処理の継続時間が予め定められた値に到達したということでもよい。
【0089】
ゲーム処理の終了条件が満たされていなければ(ステップS230においてNO)、ステップS224以下の処理が繰り返される。これに対して、ゲーム処理の終了条件が満たされていれば(ステップS230においてYES)、コイン落としのゲーム処理は終了する。
【0090】
以上のような処理手順によって、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と所定タイミング(タイミングT1またはタイミングT2)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。すなわち、第2のアプリケーションにおいては、時間差に応じて、プッシャーとクレーンとの間の相対関係を変化させる。
【0091】
また、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。言い換えれば、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に応じたゲーム処理が実行される。すなわち、第2のアプリケーションにおいては、時間差に応じて、プッシャーとクレーン(あるいは、クレーンから落とされるコイン)との間の相対関係を変化させる。
【0092】
第2のアプリケーションは、オブジェクト間を適切な相対関係に維持することでより高得点が得られるゲーム処理に向けられており、ユーザは、RFタグ200をかざす/引き離すという行為によって、このようなオブジェクト間の相対関係を戦略的に決定することになる。そのため、RFタグ200をかざす/引き離すという行為についてのスキル(テクニック)を競うことになり、新たなユーザ体験を提供できる。
【0093】
〈c3:アプリケーション3〉
上述の第2のアプリケーションと同様に、第3のアプリケーションとして、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と所定タイミング(タイミングT1またはタイミングT2)との時間差、および、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差、に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0094】
図7は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第3のアプリケーションを示す模式図である。図7に示す第3のアプリケーションは、三段跳びゲームである。基本的なプレイ方法としては、上側ハウジング101の上側ディスプレイモジュール110には、三段跳びのフィールドが表示されており、キャラクタ220がホップ・ステップ・ジャンプの3回の跳躍を行なう。キャラクタ220は、何らかのトリガでフィールドに沿って走り始める。キャラクタ220が踏み切り板のオブジェクト222の上またはその直前に到達したときに、ユーザは、RFタグ200をゲーム装置100にかざす(図7(a)参照)。すると、キャラクタ220は、第1段目および第2段目の跳躍(ホップおよびステップ)を開始する。すなわち、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)において、キャラクタ220の第1段目および第2段目の跳躍が開始される。このキャラクタ220による第1段目および第2段目の跳躍は、ユーザがRFタグ200をかざし続けている期間(RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間)に亘って持続して実行される。
【0095】
さらに、ユーザは、第1段目および第2段目の跳躍が終了するタイミングを見計らって、RFタグ200をかざすのをやめる(すなわち、RFタグ200をゲーム装置100から引き離す)。すると、キャラクタ220は、第3段目の跳躍(ジャンプ)を開始する(図7(b)参照)。すなわち、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)において、キャラクタ220の第3段目の跳躍が開始される。
【0096】
第3のアプリケーションにおいては、第1段目および第2段目の跳躍(ホップおよびステップ)の開始および終了のタイミング(および、その間の期間)、ならびに、第3段目の跳躍(ジャンプ)の開始および終了のタイミング(および、その間の期間)をそれぞれ適切に調整する必要があるとされており、キャラクタ220の跳躍距離は、キャラクタ220が走り始めたタイミング(タイミングT1またはタイミングT2)とRFタグ200をかざし始めたタイミングT3との時間差(最適値からのずれ)、および、RFタグ200をかざし始めたタイミングT3とRFタグ200をかざすのをやめたタイミングT5との時間差(最適値からのずれ)に依存して決定される。それぞれの時間差がそれぞれの最適値に近ければ近いほど、キャラクタ220の跳躍距離は伸びることになる。すなわち、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)と所定タイミング(タイミングT1またはタイミングT2)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。
【0097】
第3のアプリケーションにおける処理手順については、上述の第2のアプリケーションにおける処理手順(図6)に類似しているので、詳細な説明は繰り返さない。
【0098】
第3のアプリケーションは、所定タイミング(動作の基準タイミング)からの時間差についての最適値が黙示的に定められており、それぞれの時間差がこの最適値に近くなるように、ユーザは、RFタグ200をかざす/引き離すという行為を行なう。そのため、RFタグ200をかざす/引き離すという行為についてのスキル(テクニック)を競うことになり、新たなユーザ体験を提供できる。
【0099】
〈c4:アプリケーション4〉
次に、第4のアプリケーションとして、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0100】
図8は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第4のアプリケーションを示す模式図である。図8に示す第4のアプリケーションは、アクションゲームである。基本的なプレイ方法としては、1人対戦または複数人対戦でゲーム処理が進行し、各ユーザには、所定量のエネルギー(総エネルギーの数値を示すオブジェクト236)が予め割り当てられている。この所定量のエネルギーの制限内で複数のロボットを生成することができるものとする。生成されるロボットの種類は、一種類でもよいし、複数種類でもよい。複数種類のロボットを生成させるルール下においては、例えば、各ロボットが印字されたRFタグ200を複数用意しておき、これらの複数のRFタグ200をユーザが戦略的に選択できるようにしてもよい。図7に示す例では、ユーザが何らかのロボットの外観が印字されたRFタグ200をかざすと、RFタグ200に格納されている識別情報が読み取られ、当該読み取られた識別情報に対応するロボットのオブジェクト234が、上側ハウジング101の上側ディスプレイモジュール110に表示される。
【0101】
複数のロボットを生成可能な場合には、それぞれの特性値を異ならせておき、状況に応じて生成するロボットを選択するという戦略性のユーザ体験を提供できる。
【0102】
第4のアプリケーションでは、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)からRFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)までの時間差に応じて、生成されるロボットの特性値を異ならせる。すなわち、ゲーム装置100は、算出された時間差に依存して、ゲーム処理に生じる影響を増減させる。
【0103】
言い換えれば、第4のアプリケーションでは、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)が所定タイミングに設定され、ゲーム装置100は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグとの間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じてゲーム処理を進行する。
【0104】
すなわち、第4のアプリケーションでは、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間(タイミングT3〜T5)に依存させて、生成されるロボットが有する特性値(例えば、有しているパワー値、攻撃力、防護力など)や、ロボットの大きさを異ならせてもよい。さらに、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間(タイミングT3〜T5)に依存させて、生成されるロボットの外観を進化させるようにしてもよい。
【0105】
このとき、生成されるロボットの種類が異なっている場合であっても、同じ特性値を変化させてもよい。すなわち、いずれの種類のRFタグ200がかざされたとしても、常に攻撃力を変化させるようにしてもよい。言い換えれば、ゲーム装置100は、RFタグ200に含まれる情報に依存して、ゲーム処理で扱われるオブジェクトの同一の特性値に対する変化の度合いを変化させてもよい。
【0106】
あるいは、生成されるロボットの種類が異なっている場合には、変化させる特性値を異ならせてもよい。例えば、識別情報1を格納するRFタグ200がかざされたときには、識別情報1に対応するロボットを生成させるとともに、特性値のうちパワー値を変化させ、一方で、識別情報2を格納するRFタグ200がかざされたときには、識別情報2に対応するロボットを生成させるとともに、特性値のうち攻撃力を変化させるようにしてもよい。言い換えれば、ゲーム装置100は、RFタグ200に含まれる情報に依存して、ゲーム処理で扱われるオブジェクトの異なる特性値に対する変化の度合いを変化させてもよい。
【0107】
なお、RFタグ200に格納されている識別情報に応じて、生成されるロボットが有する特性値の変化度合いを異ならせてもよい。すなわち、RFタグ200に含まれる情報に依存して、ゲーム処理に生じる影響の度合いを変化させてもよい。
【0108】
図8に示す例では、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差が大きいほど、ゲーム処理に生じる影響が大きくなる。具体的には、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間(タイミングT3〜T5)が長いほど、より多くのエネルギーが注入される。より多くのエネルギーが注入されるほど、ロボットが有する特性値がより高くなり、またロボットのサイズもより大きくなる。
【0109】
図8(b)において表示されるロボットのオブジェクト234は、図8(a)において表示されるロボットのオブジェクト234に比較して大きくなっており、これは、RFタグ200をかざし続けたることでエネルギーが注入された結果による生じる形態変化の一例である。
【0110】
エネルギーの注入量は、総エネルギーを示すインジケータのオブジェクト230のうち、表示態様を異ならせたサブインジケータのオブジェクト232によって示される。また、オブジェクト230に近接して、エネルギーの注入量の数値を示すオブジェクト238が表示される。ユーザがRFタグ200をかざしている期間中、エネルギーの注入量を示すオブジェクト232の長さおよびオブジェクト238の示す数値は、増大し続けることになる。
【0111】
第4のアプリケーションでは、生成できるロボットの数および各ロボットに注入できる総エネルギーのいずれにも制限があるので、ユーザは、これらの制限内で、いずれのロボットを、いつのタイミングで、どの程度のエネルギーを注入して、生成するのかといった点において、戦略性を楽しむことができる。すなわち、ユーザは、ゲーム中の状況に応じて、より強力なロボットを生成させたり、より非力なロボットを生成させたりすることで、より対戦を有利に進めようとする。
【0112】
図9は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第4のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。図9に示す各ステップは、CPU13(図1)が情報処理プログラムを実行することで実現される。
【0113】
図9を参照して、ゲーム装置100のCPU13は、ゲーム開始が指示されると(ステップS300においてYES)、まず近距離無線通信機能を有効化する(ステップS302)。ゲーム開始が指示されなければ(ステップS300においてNO)、ステップS300の処理が繰り返される。この後、下側ディスプレイモジュール120の位置に配置されている通信部11(図1)からは、パルスが周期的に放射され続ける。これによって、ゲーム装置100は、近接する任意のRFタグとの間でデータを遣り取りする。
【0114】
CPU13は、ゲーム進行を開始する(ステップS304)とともに、RFタグ200から応答を受信したか否かを判断する(ステップS306)。ステップS304のゲーム進行においては、各種オブジェクトを配置するとともに、予め定められた規則性に従って、各オブジェクトの位置などを逐次更新する。また、ロボット同士が接触した場合などには、それぞれのロボットの特性値に基づいて、各ロボットのエネルギーを減らすようにしてもよい。そして、エネルギーがゼロになったロボットは、ゲームフィールドから消滅する。
【0115】
RFタグ200から応答を受信していなければ(ステップS306においてNO)、ステップS306の処理が繰り返される。
【0116】
これに対して、RFタグ200から応答を受信していれば(ステップS306においてYES)、CPU13は、図8(a)および図8(b)に示すような、ロボットを生成する画面(エネルギーの注入量を決定する画面)を表示する。そして、CPU13は、エネルギーの注入量に関連付けられるカウンタを初期化する(ステップS308)。
【0117】
RFタグ200からの応答の受信が継続していれば(ステップS310においてYES)、CPU13は、カウンタをインクリメントする(ステップS312)とともに、図8に示す、ロボットのオブジェクト234、サブインジケータのオブジェクト232、エネルギーの注入量の数値を示すオブジェクト238の表示形態を更新する(ステップS314)。そして、ステップS310以下の処理が繰り返される。
【0118】
これに対して、RFタグ200からの応答の受信が継続していなければ(ステップS310においてNO)、CPU13は、現在のカウンタの値に応じた特性値および/または外観を有するロボットをゲームフィールドの登場させる(ステップS316)。
【0119】
その後、CPU13は、ゲーム処理の終了条件が満たされているか否かを判断する(ステップS318)。このゲーム処理の終了条件としては、ユーザによる明示的または黙示的な指示であってもよいし、生成可能なロボットの残数がゼロになったということでもよいし、ゲーム処理の継続時間が予め定められた値に到達したということでもよい。
【0120】
ゲーム処理の終了条件が満たされていなければ(ステップS318においてNO)、ステップS304以下の処理が繰り返される。これに対して、ゲーム処理の終了条件が満たされていれば(ステップS318においてYES)、ゲーム処理は終了する。
【0121】
以上のような処理手順によって、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。言い換えれば、ゲーム装置100は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間に応じてゲーム処理を進行する。すなわち、第4のアプリケーションにおいては、時間差に応じて、ロボットに対するエネルギーの注入量を変化させる。
【0122】
第4のアプリケーションは、予め定められた制限内でロボットを生成させるようなアクションゲームに向けられており、ユーザは、RFタグ200をかざす/引き離すという行為によって、ロボットを戦略的に生成させることになる。そのため、RFタグ200をかざす/引き離すという行為についての戦略を競うことになり、新たなユーザ体験を提供できる。
【0123】
〈c5:アプリケーション4の変形例〉
上述の第4のアプリケーションでは、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続する期間(タイミングT3〜T5)が長いほど、より多くのエネルギーが注入されるが、この注入されるエネルギーの上限値を設けてもよい。すなわち、第4のアプリケーションの変形例として、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差、および/または、アプリケーションによって決定されるタイミングT4’とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0124】
図10は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第4のアプリケーションの変形例を示す模式図である。図10には、ユーザがRFタグ200をかざすことで、エネルギーが注入される状態の画面例を示す。図10に示す画面例では、エネルギーを注入できる期間を示すオブジェクト239が表示されている。すなわち、オブジェクト239は、現時点からタイミングT4’(図3)に到達するまでの残り時間を示す。タイミングT4’は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)を基準に決定される。すなわち、タイミングT4’は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)以降のタイミングに設定される。
【0125】
例えば、ユーザがRFタグ200をかざしたタイミング(タイミングT3)から10秒間に亘ってエネルギーを注入できるようなルールでは、タイミングT4’は、タイミングT3が決定されると、その10秒後のタイミングとして設定される。すなわち、タイミングT4’は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)以降のタイミングに設定される。
【0126】
タイミングT4’に到達すると、ユーザがRFタグ200をかざし続けていても、すなわちRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能な状態が継続していいても、エネルギーの注入は中止される。すなわち、各ロボットに注入されるエネルギーの上限値は、タイミングT4’によりクランプされることになる。
【0127】
このような注入可能なエネルギーの上限値をクランプすることで、ゲーム進行に係る制限がより大きくなり、ユーザにはより高い戦略性が要求されることになる。これによって、ユーザには、戦略性に富んだ新たなユーザ体験を提供できる。
【0128】
図11は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第4のアプリケーションの変形例における処理手順を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートに比較して、ステップS311の処理を新たに追加したものであり、それ以外のステップについては、図9中の対応するステップと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0129】
図11を参照して、RFタグ200からの応答の受信が継続していれば(ステップS310においてYES)、CPU13は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングから所定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS311)。
【0130】
RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングから所定時間が経過していなければ(ステップS311においてNO)、CPU13は、カウンタをインクリメントする(ステップS312)とともに、図8に示す、ロボットのオブジェクト234、サブインジケータのオブジェクト232、エネルギーの注入量の数値を示すオブジェクト238の表示形態を更新する(ステップS314)。そして、ステップS310以下の処理が繰り返される。
【0131】
これに対して、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミングから所定時間が経過していれば(ステップS311においてYES)、CPU13は、現在のカウンタの値に応じた特性値および/または外観を有するロボットをゲームフィールドの登場させる(ステップS316)。
【0132】
以上のような処理手順によって、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差、および/または、アプリケーションによって決定されるタイミングT4’とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。
【0133】
〈c6:アプリケーション5〉
上述の第4のアプリケーションと同様に、第5のアプリケーションとして、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0134】
図12は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第5のアプリケーションを示す模式図である。図12に示す第5のアプリケーションは、紙焦がしゲームである。基本的なプレイ方法としては、上側ハウジング101の上側ディスプレイモジュール110には、虫眼鏡のオブジェクト240が表示されており、ユーザがRFタグ200をかざしている間だけ、紙が焦げるような演出が行なわれる。図12(a)に示すように、RFタグ200のかざし始めは、焦げた部分を示すオブジェクト242は相対的に小さいが、RFタグ200をかざしている期間が長くなるほど、図12(b)に示すように、オブジェクト242は徐々に大きくなっていく。
【0135】
すなわち、図12に示す例では、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差が大きいほど、ゲーム処理に生じる影響が大きくなる。
【0136】
なお、異なる特性を有する虫眼鏡にそれぞれ対応する複数のRFタグ200を用意しておき、ユーザが任意に選択したRFタグ200をかざすと、そのRFタグ200に対応する虫眼鏡が表示されて、焦げる時間や焦げる部分の大きさなどを異ならせるようにしてもよい。
【0137】
第5のアプリケーションにおける処理手順については、上述の第4のアプリケーションにおける処理手順(図6)に類似しているので、詳細な説明は繰り返さない。
【0138】
第5のアプリケーションでは、ユーザがRFタグ200をかざし続けている間、虫眼鏡による紙を焦がす演出が継続されるので、ユーザはRFタグ200をあたかも虫眼鏡のように扱う、新たなユーザ体験を提供できる。すなわち、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。
【0139】
言い換えれば、第5のアプリケーションでは、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)が所定タイミングに設定され、ゲーム装置100は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグとの間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じてゲーム処理を進行する。
【0140】
〈c7:アプリケーション6〉
次に、第6のアプリケーションとして、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)と所定タイミング(タイミングT4またはタイミングT4’)との時間差に応じて実行されるゲーム処理について説明する。
【0141】
図13は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第6のアプリケーションを示す模式図である。図13に示す第6のアプリケーションは、ゴルフゲームである。基本的なプレイ方法としては、1人対戦または複数人対戦でゲーム処理が進行するゴルフゲームである。ユーザは、事前準備として、複数のRFタグ200−1,200−2,…,200−Nをゲーム装置100の前に並べておく。各RFタグ200には、ゴルフクラブが印字されており、また対応するゴルフクラブを特定するための識別情報も格納されている。ゲーム装置100は、いずれかのRFタグ200がかざされたときに、そのかざされたRFタグ200から識別情報を読み取って、いずれのゴルフクラブが印字されたRFタグ200がかざされたのかを判断する。それぞれのゴルフクラブには、異なった特性値(飛距離および弾道の飛び出し角など)が予め定義されている。
【0142】
上側ハウジング101の上側ディスプレイモジュール110には、ゴルフをプレイするキャラクタ250とともに、各ショットのパワーを示すメータのオブジェクト252が表示されている。ユーザがRFタグ200をゲーム装置100にかざすと、オブジェクト252内のインジケータを示すオブジェクト254が往復運動を開始する。ユーザは、ゴルフゲームの進行に応じて、適切なゴルフクラブに対応するRFタグ200を選択してかざすことになる。RFタグ200がかざされている間、インジケータ(オブジェクト254)の往復運動は継続する。そして、ユーザがRFタグ200をかざすのをやめる(すなわち、RFタグ200をゲーム装置100から引き離す)と、そのタイミングでインジケータが停止し、その停止したインジケータの位置(すなわち、メータ内の相対位置)に応じて、ショットのパワーが決定される。図13に示す例では、メータ内の両端に最も高いパワーが割り当てられている。そのため、ユーザは、ボールを可能な限り遠くに飛ばしたいときには、インジケータがメータの両端に位置したタイミングを狙って、RFタグ200を引き離すことになる。あるいは、状況に応じて、ショットのパワーを調整することになる。
【0143】
第6のアプリケーションにおいて、図2に示すタイミングT4は、タイミングT3を基準として周期的に設定されることになる。すなわち、RFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)との時間差が、予め定められた周期の倍数に近いほど、ショットのパワーはより小さくなる。言い換えれば、ゲーム装置100は、算出された時間差に依存して、ゲーム処理に生じる影響を増減させる。すなわち、ゲーム装置100は、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT)と所定タイミング(タイミングT4)との時間差が小さいほど、ゲーム処理に生じる影響を小さくする。
【0144】
なお、RFタグ200に格納されている識別情報に応じて、ゴルフクラブに関連付けて生成されるショットのパワーに対する変化度合いを異ならせてもよい。すなわち、RFタグ200に含まれる情報に依存して、ゲーム処理に生じる影響の度合いを変化させてもよい。
【0145】
第6のアプリケーションでは、ユーザは、状況に応じて、ゴルフクラブの選択、および/または、ショットのパワーの調整を適切に行なって、より少ないスコアでカップインするという戦略性を楽しむことができる。
【0146】
図14は、本実施の形態に従うゲーム装置100で実行される第6のアプリケーションにおける処理手順を示すフローチャートである。図14に示す各ステップは、CPU13(図1)が情報処理プログラムを実行することで実現される。
【0147】
図14を参照して、ゲーム装置100のCPU13は、ゲーム開始が指示されると(ステップS400においてYES)、まず近距離無線通信機能を有効化する(ステップS402)。ゲーム開始が指示されなければ(ステップS400においてNO)、ステップS400の処理が繰り返される。この後、下側ディスプレイモジュール120の位置に配置されている通信部11(図1)からは、パルスが周期的に放射され続ける。これによって、ゲーム装置100は、近接する任意のRFタグとの間でデータを遣り取りする。
【0148】
CPU13は、ゲーム進行を開始する(ステップS404)とともに、RFタグ200から応答を受信したか否かを判断する(ステップS406)。ステップS404のゲーム進行においては、各ホールに関連付けられたオブジェクトを配置するとともに、ショットが打たれた後は、ボールの弾道などを計算する。また、各ユーザのスコアなども逐次更新することになる。
【0149】
RFタグ200から応答を受信していなければ(ステップS406においてNO)、ステップS406の処理が繰り返される。
【0150】
これに対して、RFタグ200から応答を受信していれば(ステップS406においてYES)、CPU13は、受信した応答に含まれる識別情報から対応するゴルフクラブを決定し、図13に示すようなショットを打つ画面を表示する(ステップS408)。そして、CPU13は、ショットのパワーに関連付けられるカウンタを初期化する(ステップS410)とともに、図13に示す、インジケータを示すオブジェクト254を含むメータのオブジェクト252を表示する(ステップS412)。
【0151】
RFタグ200からの応答の受信が継続していれば(ステップS414においてYES)、CPU13は、カウンタをインクリメントする(ステップS416)とともに、インクリメント後のカウンタに応じて、メータ内のインジケータの位置(図13中のオブジェクト254)を更新する(ステップS418)。そして、ステップS414以下の処理が繰り返される。
【0152】
これに対して、RFタグ200からの応答の受信が継続していなければ(ステップS414においてNO)、CPU13は、現在のカウンタの値から位相を算出し、当該算出した位相からショットのパワーを決定する(ステップS420)。一例として、CPU13は、RFタグ200からの応答の受信が継続していた期間(カウンタの値T3−5)を予め定められた周期を示す値(周期C)で割り算し、その余り(T3−5modC)を位相として算出する。この位相が小さいほど、あるいは、大きいほど、より大きなパワーが割り当てられる。
【0153】
そして、CPU13は、決定したショットのパワーと、選択されているゴルフクラブの特性値とに基づいて、ボールの飛距離などを算出する(ステップS422)。この算出された飛距離に応じたボールの飛び出しなどの演出が表示される。
【0154】
その後、CPU13は、ゲーム処理の終了条件が満たされているか否かを判断する(ステップS424)。このゲーム処理の終了条件としては、ユーザによる明示的または黙示的な指示であってもよいし、全ユーザがホールアウトしたということでもよい。
【0155】
ゲーム処理の終了条件が満たされていなければ(ステップS424においてNO)、ステップS404以下の処理が繰り返される。これに対して、ゲーム処理の終了条件が満たされていれば(ステップS424においてYES)、ゲーム処理は終了する。
【0156】
以上のような処理手順によって、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)と所定タイミング(タイミングT4)との時間差に応じてゲーム処理が実行される。別の見方をすれば、RFタグ200との間でデータの遣り取りが不可能になったタイミング(タイミングT5)とRFタグ200との間でデータの遣り取りが可能になったタイミング(タイミングT3)との時間差に応じたゲーム処理が実行される。
【0157】
第6のアプリケーションは、適切なゴルフクラブを選択するとともに、RFタグ200をかざす/引き離すという行為によってショットのパワーを調整することで、ゴルフを戦略的に進行することになる。そのため、RFタグ200をかざす/引き離すという行為についての戦略を競うことになり、新たなユーザ体験を提供できる。
【0158】
[D.パルス放射の周期]
上述したように、本実施の形態に従うゲーム装置100は、ユーザによるRFタグ200をかざす/引き離すという行為に起因して生じるタイミング間の時間差に応じたゲーム処理を進行する。ユーザ体験を向上させるという観点からは、このような時間差をより正確に算出することが好ましい。すなわち、ユーザの行為に対する応答性を高めることが好ましい。
【0159】
そこで、上述のようなゲーム処理の進行を決定する時間差(あるいは、タイミング)の検出時には、RFタグ200との間で情報を遣り取りする頻度(周期)を他の場合に比較して高めるようにしてもよい。
【0160】
図15は、本実施の形態に従うゲーム装置100におけるRFタグ200の読み取りに係る処理手順を説明するための図である。図15を参照して、ユーザがRFタグ200をかざし始めると、すなわちRFタグ200との間でデータの遣り取りが開始されると、ゲーム装置100は、パルス放射の周期をそれ以前の周期に比較して短くする。そして、ゲーム装置100は、RFタグ200との間でデータを遣り取りできている期間(通信が継続する期間)において、パルスをより短い周期で放射し続ける。このようなパルス放射の周期を短縮することで、ユーザがRFタグ200をゲーム装置100から引き離したタイミングをより高い精度で検出できる。
【0161】
図15には、RFタグ200との間でデータの遣り取りが開始されると、パルスの放射頻度を短くする処理例を示すが、これに限られず、例えば、ゲーム処理が開始されると、パルスの放射頻度を短くするようにしてもよい。この方式を採用することで、ユーザがRFタグ200をゲーム装置100にかざしたタイミングをより高い精度で検出できる。
【0162】
[E.その他の形態]
上述したそれぞれのアプリケーション例では、1つのRFタグ200から識別情報を読み取り構成について例示したが、一度に複数の識別情報が読み取られた場合には、読み取られた識別情報を任意に組み合わせて、上述した1または複数の処理を実行してもよい。
【0163】
[F.利点]
本実施の形態に従うゲーム装置100は、RFタグ200をかざす/引き離すといったユーザ操作によってゲーム処理が制御される。すなわち、本実施の形態においては、情報処理プログラムによってゲーム進行を異ならせるのではなく、ユーザ自身がRFタグ200を用いて直接的に操作を行なうことで、ゲーム処理を進行できる。これによって、同一のRFタグ200をかざした場合であっても、そのかざしている時間に応じて、オブジェクトの表示を変化させるといった、新たなユーザ体験を提供できたり、RFタグ200を引き離すタイミングのテクニックによってユーザの技量を競うことによる新たなユーザ体験を提供できたりする。
【0164】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0165】
11 通信部、12 通信チップ、13 CPU、14 メモリ、15 プログラム記憶部、16 入力部、17 表示部、100 ゲーム装置、101 上側ハウジング、102 下側ハウジング、110 上側ディスプレイモジュール、120 下側ディスプレイモジュール、200 RFタグ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15