特許第6474282号(P6474282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474282
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】圧力スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/38 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
   H01H35/38 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-41765(P2015-41765)
(22)【出願日】2015年2月13日
(65)【公開番号】特開2016-149335(P2016-149335A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2018年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(72)【発明者】
【氏名】土田 武司
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−102142(JP,U)
【文献】 実公昭46−015216(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/02 〜 35/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(1)内に形成された受圧室(4)に上下移動可能で保密状に挿入される受圧部材(15)であって、前記受圧室(4)に供給される圧力流体によって上方へ押圧されると共に、前記受圧室(4)の上側に装着される圧力設定バネ(20)によって下方へ付勢される受圧部材(15)と、
前記受圧部材(15)から左右方向の外方へ突設されたスイッチ操作部材(25)と、
左右方向へ複数並べて設けられると共に、前記スイッチ操作部材(25)に対面される第1スイッチ(30)及び第2スイッチ(40)と、
前記スイッチ操作部材(25)に上下移動可能に挿入されると共に、前記第1スイッチ(30)に向けてバネ(33)によって付勢された第1操作ロッド(32)と、
前記スイッチ操作部材(25)に上下移動可能に挿入されると共に、前記第2スイッチ(40)に向けてバネ(43)によって付勢された第2操作ロッド(42)と、を備える、
ことを特徴とする圧力スイッチ。
【請求項2】
請求項1の圧力スイッチにおいて、
前記第1操作ロッド(32)を上下方向へ進退調節可能にする第1調節機構(35)が、当該第1操作ロッド(32)に設けられる、
ことを特徴とする圧力スイッチ。
【請求項3】
請求項1の圧力スイッチにおいて、
前記第2操作ロッド(42)を上下方向へ進退調節可能にする第2調節機構(45)が、当該第2操作ロッド(42)に設けられる、
ことを特徴とする圧力スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧力スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の圧力スイッチには、従来では、特許文献1(日本国・実開昭63−102142号公報)に記載されたものがある。
その従来技術では、ケーシング内に装着された受圧部材と圧力設定バネとの釣り合いによってスイッチ操作部材を上下方向へ移動させ、そのスイッチ操作部材に1つのリミットスイッチの操作部を対面させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実開昭63−102142
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、圧力スイッチで圧力流体の圧力を検出するときに、複数の設定圧力を検出することが要請される場合がある。
この場合、前記の従来技術では、前記リミットスイッチによって1つの検出圧力しかできないので、複数の圧力スイッチを配置する必要が生じる。
その結果、圧力スイッチの設置スペースが大きくなるうえ、設置コストも高くなる。
本発明の目的は、複数の設定圧力を検出できる圧力スイッチを提供するにあたり、圧力スイッチの設置スペースを小さくして、設置コストを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1から図2Bまたは図3Aから図3Cに示すように、圧力スイッチを次のように構成した。
ケーシング1内に形成された受圧室4に、受圧部材15が上下移動可能で保密状に挿入される。その受圧部材15が、前記受圧室4に供給される圧力流体によって上方へ押圧されると共に、受圧室4の上側に装着される圧力設定バネ20によって下方へ付勢される。前記受圧部材15からスイッチ操作部材25が左右方向の外方へ突設される。左右方向へ複数並べて設けられた第1スイッチ30及び第2スイッチ40が、前記スイッチ操作部材25に対面される。前記スイッチ操作部材25に上下移動可能に挿入される第1操作ロッド32が、前記第1スイッチ30に向けてバネ33によって付勢される。前記スイッチ操作部材25に上下移動可能に挿入される第2操作ロッド42が、前記第2スイッチ40に向けてバネ43によって付勢される。
【0006】
本発明は次の作用効果を奏する。
前記受圧室の圧力に相当する上方への押圧力と、前記圧力設定バネの下方への付勢力との釣り合いによって前記受圧部材が上下方向へ移動されると、その受圧部材が前記スイッチ操作部材を介して第1操作ロッドと第2操作ロッドとを移動させる。
前記受圧室の圧力が、圧力設定バネで設定される第1設定圧力を上回るときに、第1操作ロッドが第1スイッチを操作し、または操作することを止める。また、前記受圧室の圧力が第1設定圧力を下回るときに、第1操作ロッドが第1スイッチを操作することを止め、または操作する。
さらに、前記受圧室の圧力が、圧力設定バネで設定される第2設定圧力を上回るときに、第2操作ロッドが第2スイッチを操作し、または操作することを止める。また、前記受圧室の圧力が第2設定圧力を下回るときに、第2操作ロッドが第2スイッチを操作することを止め、または操作する。
これにより、上記の圧力スイッチは、複数の設定圧力を検出できる。また、前述の従来技術のように、1つの設定圧力しか検出できない圧力スイッチを複数設置する場合に比べて、本発明の圧力スイッチでは、その設置スペースを小さくできるうえ、設置コストを低減できる。
【0007】
本発明は、下記(1)または(2)の構成を加えることが好ましい。
(1)例えば、図1から図2Bまたは図3Aから図3Cに示すように、前記第1操作ロッド32を上下方向へ進退調節可能にする第1調節機構35が、当該第1操作ロッド32に設けられる。
この場合、受圧室の圧力が所望する圧力となったときに、第1操作ロッドが第1スイッチの操作部を操作するように、または操作することを止めるように、上記第1調節機構によってスイッチ操作部材に対する前記第1操作ロッドの高さ位置または上下方向のストロークを調節することができる。
【0008】
(2)例えば、図1から図2Bまたは図3Aから図3Cに示すように、前記第2操作ロッド42を上下方向へ進退調節可能にする第2調節機構45が、当該第2操作ロッド42に設けられる。
この場合、受圧室の圧力が所望する圧力となったときに、第2操作ロッドが第2スイッチの操作部を操作するように、または操作することを止めるように、上記第2調節機構によってスイッチ操作部材に対する前記第2操作ロッドの高さ位置または上下方向のストロークを調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態を示し、圧力スイッチの断面図である。
図2図2Aおよび図2Bは、上記圧力スイッチの動作説明図であって、それぞれ、上記図1に類似する部分図である。
図3図3Aから図3Cは、本発明の第2実施形態を示す。図3Aは、上記図1に類似する部分図である。図3Bは、上記図2Aに類似する部分図である。図3Cは、上記図2Bに類似する部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1実施形態を図1から図2Bによって説明する。
ケーシング1内の左側に受圧室4とバネ室8とが上方へ順に形成される。また、ケーシング1内の右側にスイッチ室10が形成される。
【0011】
上記の受圧室4に受圧部材15が上下方向に移動可能で保密状に挿入される。その受圧部材15は、受圧室4に供給される圧油(圧力流体)によって上方へ押圧される。上記のバネ室8に圧力設定バネ20がバネ受け19とスイッチ操作部材25とを介して装着され、その圧力設定バネ20が受圧部材15を下方へ付勢する。その圧力設定バネ20は、ケーシング1の上端壁1aに進退可能に螺合された圧力調節ネジ21によって下方へ押圧されている。
【0012】
上記の受圧部材15に装着されるスイッチ操作部材25が、バネ室8の右側壁に形成された貫通孔26を通ってバネ室8からスイッチ室10へ向けて突設されている。そのスイッチ操作部材25に向けて配置される第1スイッチ30と第2スイッチ40とが、スイッチ室10内に右方へ順に配置される。上記第1スイッチ30及び第2スイッチ40は、リミットスイッチによって構成される。
【0013】
上記のスイッチ操作部材25の右側部分に2つの装着孔が所定の間隔をあけて右方へ順に並べて形成され、その2つの装着孔に、それぞれ、筒状の第1ガイド部材31と第2ガイド部材41とが固定される。その第1ガイド部材31の内周孔に上下移動可能に挿入された第1操作ロッド32が、バネ33によって上方へ付勢される。第2ガイド部材41の内周孔に上下移動可能に挿入された第2操作ロッド42が、バネ43によって上方へ付勢される。
【0014】
図1に示すように、受圧室4に油圧力が作用していない状態において、第1操作ロッド32の上端面と第1スイッチ30の操作部30aとの間に隙間が形成される。その隙間寸法を調節する第1調節機構35が、当該第1操作ロッド32の下部に設けられる。その第1調節機構35は、次のように構成される。
第1操作ロッド32の下部に上側溝36と下側溝37とが、高さ方向に所定の間隔をあけて周方向に形成される。下側溝37に止め輪38が装着され、その止め輪38によって第1操作ロッド32の上方への移動が制限されている。止め輪38を上側溝36と下側溝37とのいずれかに装着することにより、上記の隙間寸法を調節できる。
【0015】
図1に示すように、受圧室4に油圧力が作用していない状態において、第2操作ロッド42の上端面と第2スイッチ40の操作部40aとの間に隙間が形成される。その隙間寸法を調節する第2調節機構45が、当該第2操作ロッド42の下部に設けられる。その第2調節機構45は、次のように構成される。
第2操作ロッド42の下側部分に形成された雄ネジ部48に、調節ナット49が螺合される。その調節ナット49によって第2操作ロッド42の上方への移動が制限されている。その調節ナット49を締め込み回転または緩め回転することにより、上記の隙間寸法を調節できる。
【0016】
上記の圧力スイッチは、図1から図2Bに示すように、次のように作動する。
図1の初期状態では、受圧室4に圧油(圧力流体)が供給されてなく、圧力設定バネ20がスイッチ操作部材25および受圧部材15を下方へ移動させている。このため、そのスイッチ操作部材25が、第1ガイド部材31と止め輪38とを介して第1操作ロッド32を下方へ移動させると共に、第2ガイド部材41と調節ナット49とを介して第2操作ロッド42を下方へ移動させている。このとき、第1操作ロッド32は、第1スイッチ30の操作部30aから下方に離間されている。また、第2操作ロッド42も、第2スイッチ40の操作部40aから下方に離間されている。
【0017】
図1の初期状態において、受圧室4に圧油が供給されると、まず、その受圧室4の圧油が圧力設定バネ20に抗して受圧部材15を上方へ押動させていく。そして、受圧室4の圧力が、圧力設定バネ20の付勢力によって設定された第1設定圧力を上回ると、受圧部材15がスイッチ操作部材25を介して第1操作ロッド32を上方へ移動させる。すると、図2Aに示すように、その第1操作ロッド32が第1スイッチ30の操作部30aを押し込み操作する。これにより、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第1設定圧力を上回ったことを検知する。
引き続いて、前記受圧室4の圧油の圧力が高まると、圧力設定バネ20がさらに圧縮されて、その付勢力によって設定された第2設定圧力よりも受圧室の油圧力が上回ると、上記のスイッチ操作部材25が第2操作ロッド42を上方へ移動させる。すると、図2Bに示すように、その第2操作ロッド42が第2スイッチ40の操作部40aを押し込み操作する。これにより、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第2設定圧力を上回ったことを検知する。
最後に、バネ室8の途中高さ部に形成された段差部1cに、スイッチ操作部材25が下方から当接する。
【0018】
図2Bの状態において、受圧室4から圧油が排出されると、圧力設定バネ20がスイッチ操作部材25と受圧部材15とを下方へ移動させていく。しかし、バネ33によって上方へ付勢された第1操作ロッド32が、第1スイッチ30の操作部30aを押し込み操作し続けると共に、バネ43によって上方へ付勢された第2操作ロッド42が、第2スイッチ40の操作部40aを押し込み操作し続けている。
次いで、受圧室4の油圧力が第2設定圧力を下回ると、図2Aに示すように、前記スイッチ操作ロッド25が第2ガイド部材41と調節ナット49とを介して第2操作ロッド42を下方へ移動させていく。これにより、第2スイッチ40の操作部40aが開放される。その結果、圧力スイッチは、受圧室4の油圧力が第2設定圧力を下回ったことを検知できる。
引き続いて、受圧室4の油圧力が第1設定圧力を下回ると、図1に示すように、前記スイッチ操作ロッド25が第1ガイド部材31と止め輪38とを介して第1操作ロッド32を下方へ移動させていく。これにより、第1スイッチ30の操作部30aが開放される。その結果、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第2設定圧力を下回ったことを検知できる。
最後に、受圧部材15がケーシング1の下端壁1bに受け止められる。
【0019】
上記の第1実施形態は次の長所を奏する。
前記受圧室4の油圧力に相当する上方への押圧力と、前記圧力設定バネ20の下方への付勢力との釣り合いによって前記受圧部材15が上下方向へ移動されると、その受圧部材15が前記スイッチ操作部材25を介して第1操作ロッド32と第2操作ロッド42とを移動させる。
前記受圧室4の油圧力が第1設定圧力を上回ると、第1操作ロッド32が第1スイッチ30の操作部30aを押し込み操作する。また、前記受圧室4の油圧力が第1設定圧力を下回ると、第1操作ロッド32が第1スイッチ30の操作部30aを開放する。
さらに、前記受圧室4の油圧力が第2設定圧力を上回ると、第2操作ロッド42が第2スイッチ40の操作部40aを押し込み操作する。また、前記受圧室4の圧力が第2設定圧力を下回ると、第2操作ロッド42が第2スイッチ40の操作部40aを開放する。
これにより、上記の圧力スイッチは、第1設定圧力と第2設定圧力との2つの設定圧力を検出できる。また、前述の従来技術のように、1つの設定圧力しか検出できない圧力スイッチを複数設置する場合に比べて、本発明の圧力スイッチでは、その設置スペースを小さくできるうえ、設置コストを低減できる。
【0020】
図3Aから図3Cは、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態においては、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
この第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
【0021】
上記の第1ガイド部材31の内周孔に上下移動可能に挿入された第1操作ロッド32が、バネ33によって下方へ付勢される。
また、上記の第2ガイド部材41の内周孔に上下移動可能に挿入された第2操作ロッド42が、バネ43によって下方へ付勢される。
【0022】
上記のスイッチ操作部材25の下方に第1スイッチ30と第2スイッチ40とがバネ室8の右外方へ順に設けられる。その第1スイッチ30の操作部30aと第2スイッチ40の操作部40aとが、それぞれ、第1操作ロッド32と第2操作ロッド42とに下側から対面される。
なお、第1スイッチ30及び第2スイッチ40は、ケーシング1外に露出しているが、これら第1スイッチ30及び第2スイッチ40にカバーを装着することが好ましい。
【0023】
図3Aに示すように、受圧室4に油圧力が作用していない状態において、第1操作ロッド32がバネ33に抗して第1スイッチ30の操作部30aを押し込み操作し、その第1操作ロッド32がスイッチ操作部材25に対して上方へ移動されている。その第1操作ロッド32の上部に第1調節機構35が設けられる。その第1調節機構35は、第1操作ロッド32の上側部分に形成された雄ネジ部71と、その雄ネジ部71に螺合された調節ナット72とを有する。その調節ナット72の下端面と第1ガイド部材31の上端面との間に隙間が形成されている。その調節ナット72を締め付け回転または緩め回転することにより、上記隙間の寸法を調節できる。
【0024】
また、図3Aに示すように、受圧室4に油圧力が作用していない状態において、第2操作ロッド42がバネ43に抗して第2スイッチ40の操作部40aを押し込み操作し、その第2操作ロッド42がスイッチ操作部材25に対して上方へ移動されている。その第2操作ロッド42の上部に第2調節機構45が設けられる。第2調節機構45は、第2操作ロッド42の上側部分に形成された雄ネジ部48と、その雄ネジ部48に螺合された調節ナット49とを有する。その調節ナット49の下端面と第2ガイド部材41の上端面との間に隙間が形成されている。その調節ナット49を締め付け回転または緩め回転することにより、上記隙間の寸法を調節できる。
【0025】
上記の圧力スイッチは、図3Aから図3Cに示すように、次のように作動する。
図3Aの初期状態では、受圧室4に圧油(圧力流体)が供給されてなく、圧力設定バネ20がスイッチ操作部材25および受圧部材15を下方へ移動させている。このため、そのスイッチ操作部材25が、バネ33に抗して第1操作ロッド32を第1スイッチ30の操作部30aに押し込み操作させると共に、バネ43に抗して第2操作ロッド42を第2スイッチ40の操作部40aに押し込み操作させる。
【0026】
図3Aの初期状態において、受圧室4に圧油が供給されると、まず、その受圧室4の圧油が圧力設定バネ20に抗して受圧部材15を上方へ移動させていく。
そして、受圧室4の圧力が圧力設定バネ20の付勢力によって設定された第1設定圧力を上回ると、図3Bに示すように、スイッチ操作部材25が第1ガイド部材31と調節ナット72とを介して第1操作ロッド32を持ち上げる。これにより、第1スイッチ30の操作部30aが開放される。その結果、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第1設定圧力を上回ったことを検知できる。
引き続いて、前記受圧室4の圧油の圧力が高まると、圧力設定バネ20がさらに圧縮され、その付勢力によって設定された第2設定圧力よりも受圧室4の圧力が上回ると、図3Cに示すように、スイッチ操作部材25が第2ガイド部材41と調節ナット49とを介して第2操作ロッド42を持ち上げる。これにより、第2スイッチ40の操作部40aが開放される。その結果、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第2設定圧力を上回ったことを検知できる。
最後に、バネ室8の途中高さ部に形成された段差部1cにスイッチ操作部材25が下方から当接する。
【0027】
図3Cの状態において、受圧室4の圧油が排出されていくと、圧力設定バネ20が受圧部材15を介してスイッチ操作部材25を下方へ移動させていく。
そして、受圧室4の圧力が第2設定圧力を下回ると、図3Bに示すように、第2操作ロッド42が第2スイッチ40の操作部40aを押し込み操作する。これにより、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第2設定圧力を下回ったことを検知できる。
引き続いて、受圧室4の圧力が第1設定圧力を下回ると、図3Aに示すように、第1操作ロッド32が第1スイッチ30の操作部30aを押し込み操作する。これにより、圧力スイッチは、受圧室4の圧力が第1設定圧力を下回ったことを検知できる。
最後に、受圧部材15がケーシング1の下端壁1bに受け止められる。
【0028】
上記の第2実施形態は次の長所を奏する。
前記受圧室4の油圧力に相当する上方への押圧力と、前記圧力設定バネ20の下方への付勢力との釣り合いによって前記受圧部材15が上下方向へ移動されると、その受圧部材15が前記スイッチ操作部材25を介して第1操作ロッド32と第2操作ロッド42とを移動させる。
前記受圧室4の圧力が第1設定圧力を上回ると、第1操作ロッド32が第1スイッチ30の操作部30aを開放する。また、前記受圧室4の圧力が第1設定圧力を下回ると、第1操作ロッド32が第1スイッチ30の操作部30aを押し込み操作する。
さらに、前記受圧室4の油圧力が第2設定圧力を上回ると、第2操作ロッド42が第2スイッチ40の操作部40aを開放する。また、前記受圧室4の圧力が第2設定圧力を下回ると、第2操作ロッド42が第2スイッチ40の操作部40aを押し込み操作する。
これにより、上記の圧力スイッチは、第1設定圧力と第2設定圧力との2つの設定圧力を検出できる。また、前述の従来技術のように、1つの設定圧力しか検出できない圧力スイッチを複数設置する場合に比べて、本発明の圧力スイッチでは、その設置スペースを小さくできるうえ、設置コストを低減できる。
【0029】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
圧力スイッチに設置されるスイッチは、2つで例示したが、3つ以上でもよい。
圧力スイッチは、例示したように垂直姿勢に配置することに代えて、水平姿勢に配置したり斜め姿勢に配置してもよい。
圧力流体は、例示した圧油に代えて、他の液体または圧縮空気等の気体であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1:ケーシング,4:受圧室,15:受圧部材,20:圧力設定バネ,25:スイッチ操作部材,30:第1スイッチ,32:第1操作ロッド,33:バネ,35:第1調節機構,40:第2スイッチ,42:第2操作ロッド,43:バネ,45:第2調節機構.
図1
図2
図3