(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダについて、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態では、レーザマーキング装置のガルバノミラーの回転角度を検出する光学式ロータリーエンコーダについて説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に係るレーザマーキング装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るレーザマーキング装置10は、マーキングヘッド1と、マーキングヘッド1の動作を制御するコントローラ2と、コントローラ2とデータ通信することが可能に接続されている印字データ生成装置3とで構成されている。印字データ生成装置3は、コントローラ2に対して印字データを展開データとして送信する。印字データ生成装置3は、展開データを生成するプログラムをインストールしたコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等で構成されることが好ましい。
【0027】
コントローラ2には、必要に応じて各種外部機器4が接続される。外部機器4としては、例えばライン上に搬送されるワークWの種別、位置等を確認するイメージセンサ等の画像認識装置401、ワークWとマーキングヘッド1との距離に関する情報を取得する変位計等の距離測定装置402、所定のシーケンスに従って機器の制御を行うPLC403、ワークWの通過を検出するPDセンサ、その他各種のセンサ等を例示的に挙げることができる。
【0028】
レーザマーキング装置10は、ワークWの表面に印字する印字パターンを設定し、ワークWの表面に印字する。
図2は、本発明の実施の形態に係るレーザマーキング装置10の、固体レーザマーカを用いる場合の構成を示すブロック図である。なお、印字とは、文字、記号、図形等のマーキングを意味しており、具体的には、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号、絵文字、アイコン、ロゴ、バーコード、二次元コード等のグラフィックを含む。また、レーザマーキング装置10として固体レーザマーカを用いることに限定されるものではなく、例えばファイバレーザマーカを用いても良い。
【0029】
レーザマーキング装置10は、コントローラ2(レーザ光発生部200及びレーザ光制御部201を含む)とマーキングヘッド1(レーザ出力部202)とを含み、レーザ出力部202に含まれるレーザ発振部204のレーザ媒質206で発振されたレーザビームLbをワークWの表面で二次元状に走査させることでワークWの表面に印字する。印字動作を制御する印字信号は、レーザビームLbのオンオフ信号であり、1パルスが発振されるレーザビームLbの1パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度を規定することができる。変形例として、周波数に基づいた走査速度によってレーザ強度を規定しても良い。
【0030】
レーザ光発生部200は、レーザ励起光源208と集光部210とを備え、レーザ励起光源208には電源から定圧電源が供給される。レーザ励起光源208は、半導体レーザ、ランプ等で構成される。具体的には、レーザ励起光源208は、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイで構成され、各素子からのレーザ発振がライン状に出力され、集光部210の入射面に入射される。
【0031】
レーザ光発生部200とレーザ出力部202とは、光ファイバケーブル212によって連結され、レーザ光発生部200が生成したレーザ励起光は、上述したレーザ媒質206に入射される。レーザ媒質206は、ロッド状の固体レーザ媒質(例えばNd:YVO
4 )で構成され、一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザビームLbを出射する、いわゆるエンドポンピングによる励起方式が採用されている。レーザ媒質206は、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザビームLbの波長を任意の波長に変換できるようにしても良い。
【0032】
レーザ媒質206は、上述した固体レーザ媒質の代わりに、レーザビームを発振させる共振器で構成することなく、波長変換のみを行う波長変換素子で構成しても良い。この場合、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行えば良い。
【0033】
波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO
4 )、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO
3 )、KAP(KAsPO
4 )、BBO、LBO、バルク型の分極反転素子(LiNbO
3 (Periodically Poled Lithium Niobate:PPLN)、LiTaO
3 等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。
【0034】
レーザ出力部202は、レーザビームLbを発振させる上述したレーザ発振部204を備えている。レーザ発振部204は、上述したレーザ媒質206が放出する誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び全反射ミラーと、これらの間に配されたアパーチャ、Qスイッチ等を備えている。レーザ媒質206が放出する誘導放出光を、出力ミラーと全反射ミラーとの間における多重反射により増幅し、Qスイッチの動作により短周期にて通断しつつアパーチャによりモード選別して、出力ミラーを経てレーザビームLbを出射する。
【0035】
レーザ発振部204として、CO
2 やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体を媒質として用いる気体レーザ方式を採用しても良い。例えば炭酸ガスレーザを用いた場合、レーザ発振部204は、内蔵電極を含むレーザ発振部204の内部に炭酸ガス(CO
2 )が充填され、コントローラ2から与えられる印字信号に基づいて内蔵電極により炭酸ガスを励起してレーザ発振させる。
【0036】
レーザビーム走査系220は、レーザ発振部204と光路を一致させたZ軸スキャナを内蔵するビームエキスパンダ242と、X軸スキャナ224と、X軸スキャナ224と直交するよう配置されたY軸スキャナ226とを備える。レーザビーム走査系220は、レーザ発振部204から出射されるレーザビームLbを、X軸スキャナ224及びY軸スキャナ226でワークWの表面上の作業領域で二次元状に走査させる。
【0037】
X軸スキャナ224及びY軸スキャナ226は、光を反射する反射面として全反射ミラーであるガルバノミラー224a、226a、ガルバノミラー224a、226aを回動軸に固定して回動するためのガルバノモータ224b、226bと、回動軸の回転位置を検出して位置信号として出力する位置検出部として、それぞれ本発明に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cを備える。また、X軸スキャナ224、Y軸スキャナ226は、スキャナ駆動回路228に接続されている。スキャナ駆動回路228はコントローラ2に接続されており、コントローラ2から供給される制御信号に基づいてX軸スキャナ224、Y軸スキャナ226を駆動する。
【0038】
ビームエキスパンダ242は、レーザ媒質206から出射するレーザビームLbのスポット径を調整する。スポット径を調整することで、ワーキングディスタンス(焦点距離)を調整することができる。すなわち、ビームエキスパンダ242で入射レンズと出射レンズとの相対距離を変化させることで、レーザビームLbのビーム径を拡大/縮小し、焦点位置を変化させることができる。
【0039】
ビームエキスパンダ242、X軸スキャナ224、Y軸スキャナ226の動作を制御することにより、ワーキングディスタンスを調整しながらレーザビームLbをワークWの表面で二次元状に走査することができる。したがって、ワークWの表面に対して焦点距離を合わせた状態で高精度に且つ最小スポットで印字することができる。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの構成を示す二面図である。
図3(a)は、光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの構成を示す平面図を、
図3(b)は、光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの構成を示す、スケールディスクの回転中心軸を含む面での模式断面図を、それぞれ示している。
図3では、
図2に示すガルバノモータ224b、226bと一体化している状態を図示しており、ガルバノモータ224b、226b自体の記載は省略している。
【0041】
光学式ロータリーエンコーダ224c、226cは、ガルバノミラー224a、226aを回転させるモータ装置の回転情報を検出するために取り付けられている。つまり、光学式ロータリーエンコーダ224c、226cで検出された信号に基づいてガルバノモータ224b、226bの回転を制御する。
【0042】
ロータリーエンコーダの原点位置信号を出力する原点センサ(原点位置信号出力センサ)301及びインクリメンタル信号を出力するインクリメンタルセンサ(インクリメンタル信号出力センサ)302、回路素子、コネクタ等が実装されたプリント基板303は、モータの筐体に固定されている。ガルバノモータ224b、226bの回転軸305には、プリント基板303の下方にスケールディスク304が固定されている。ガルバノモータ224b、226bを駆動して回転軸305が回転した場合、スケールディスク304が回転する。原点センサ301は、発光部と受光部とが外周方向に並んで配置されており、インクリメンタルセンサ302も、発光部と受光部とが外周方向に並んで配置されていてもよい。
【0043】
スケールディスク304の原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302と対向する側の面には、円板状の部材に放射状のスリットパターンが形成されている。
図4は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの角度検出原理の説明図である。
【0044】
図4に示すように、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302は、プリント基板303に固定されており、発光素子(発光部)501から光を出射する。発光素子501としては、例えばLEDを用いる。出射された光は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302と対向する位置に回転することが可能に設けられているスケールディスク304で反射され、受光素子(受光部)502が反射された光を受光する。受光素子502としては、例えばフォトダイオードを用いる。
【0045】
スケールディスク304は円板状であり、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302に対向している側の面に、反射部503と非反射部504とが交互に配置されている。ガルバノモータ224b、226bを駆動して回転軸305が回転した場合、スケールディスク304が回転し、受光素子502での受光信号に応じて、回転角度を検出することができる。
【0046】
すなわち、発光素子501から出射された光はスケールディスク304に照射される。照射された面が反射部503である場合、光束が反射して受光素子502に入射される。また、照射された面が非反射部504である場合、光束は反射されず受光素子502には入射しない。光束が入射した場合、フォトダイオードに流れる電流が電圧に変換され、内蔵されているコンパレータ等によりデジタル信号が出力される。出力されるデジタル信号は、スケールディスク304が回転している場合にはパルス信号となり、その周波数はスケールディスク304の回転速度に比例する。したがって、出力されるパルス信号に基づいて、スケールディスク304の回転状態を把握することが可能となる。なお、フォトダイオードの出力信号は、アナログ信号であっても良い。
【0047】
図5は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302の配置例を示す模式図である。
図5は、プリント基板303上での原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302の配置例を示しており、
図5(a)は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302が配置されたプリント基板303の平面図を、
図5(b)は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302が配置されたプリント基板303の側面図を、それぞれ示している。
【0048】
図5に示すように、本実施の形態では、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とは、スケールディスク304のスケールが形成されている位置と対向する位置、すなわち円板状のプリント基板303の同一円周上であって、スケールディスク304の回転中心における中心角が90度となる位置に配置されている。原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とが隣接して配置されていないので、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302との間に光学的干渉が生じることを未然に回避することが可能となる。
【0049】
また、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302は、
図4における発光素子501と受光素子502とが、同一円周上に隣接して配置されている。これにより、原点位置信号の受光量の立ち上がりが急峻となり、原点位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【0050】
図6は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの原点センサ301の受光感度の例示図である。
図6に示すように、従来の原点センサ301の受光信号61では、受光の立ち上がりが比較的緩やかであり、しかも隣接するインクリメンタル信号が重畳することにより、受光光量が安定せず、立ち上がり部分、すなわち原点位置信号を検知しづらいおそれがあった。
【0051】
本実施の形態に係る原点センサ301の受光信号62では、受光の立ち上がりが急峻となり、しかも隣接するインクリメンタル信号が重畳されにくいので、受光光量が安定し、立ち上がり部分、すなわち原点位置信号を確実に検知することが可能となる。
【0052】
インクリメンタルセンサ302についても、同様の効果を奏することができる。
図7は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cのインクリメンタルセンサ302の受光感度の例示図である。
図7に示すように、従来のインクリメンタルセンサ302の受光信号71では、隣接する原点位置信号が重畳することにより、受光光量が大きくなり、インクリメンタル信号を検知しづらいおそれがあった。
【0053】
それに対して、本実施の形態に係るインクリメンタルセンサ302の受光信号72では、隣接する原点位置信号が重畳されにくいので、インクリメンタル信号として正常な正弦波を検知することができる。したがって、回転数を正しく把握することが可能となる。
【0054】
スケールディスク304の原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302と対向している側の面には、スケールが設けられている。スケールは、インクリメンタルセンサ302の検知対象となるインクリメンタルスケール部と、原点センサ301の検知対象となる原点スケール部とで構成されている。
【0055】
図8は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cのスケールの構成を示す模式図である。
図8に示すように、インクリメンタルスケール部81と、原点スケール部84とは、スケールディスク304の外周部の同一円周上に配置されている。
図8ではインクリメンタルスケール部81は左右対称の形状をしており、それぞれスケールディスク304の回転中心の中心角が90度になる位置に配置されている。
【0056】
図8では、原点スケール部84を、反射部82と非反射部83との境界としている。原点位置信号の立ち上がりを確実に検出することができるからである。もちろん、スケールディスク304の外周部では、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302がスケールディスク304と対向するように配置されているので、同一円周上で反射部82と非反射部83とが隣接するように配置されていれば原点スケール部84として機能する。
【0057】
インクリメンタルスケール部81は、反射部82と非反射部83とが同一円周上で交互に形成されている。
図8の例では、インクリメンタルスケール部81の中央と原点スケール部84とが、スケールディスク304の回転中心の中心角が90度になる位置に配置されている。原点スケール部84とインクリメンタルスケール部81との間は、反射部82又は非反射部83のいずれかが連続して形成されている。つまり、原点スケール部84の周囲では、原点位置信号以外の出力信号は検出されることがないので、確実に原点位置信号を検知することができる。スケールの配置は、これらの条件を満たしていれば、
図8の例の限定されるものではない。
図8に示すように、外周部に設けられたインクリメンタルスケール部81の内周側は、
図8において左側では反射部82、右側では非反射部83としてある。
【0058】
また、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302を、スケールディスク304の回転中心の中心角が90度になる位置に、それぞれ2個ずつ配置しても良い。
図9は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302の他の配置例を示す模式図である。
図9は、プリント基板303上での原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302の配置例を示しており、
図9(a)は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302が配置されたプリント基板303の平面図を、
図9(b)は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302が配置されたプリント基板303の側面図を、それぞれ示している。
【0059】
図9に示すように、本実施の形態では、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とは、スケールディスク304のスケールが形成されている位置と対向する位置、すなわち円板状のプリント基板303の同一円周上であって、スケールディスク304の回転中心における中心角が互いに90度となる位置に交互に配置されている。原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とが隣接して配置されていないので、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302との間に光学的干渉が生じることを未然に回避することが可能となる。原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とは、円周方向には90度隔ててはいるものの、隣接して配置されている。半径方向には隣接して配置されていないので、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302との間で光学的干渉は少ない。
【0060】
また、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302は、
図4における発光素子501と受光素子502とが、スケールディスク304の外周部の同一円周上に隣接して配置されている。これにより、原点位置信号の受光量の立ち上がりが急峻となり、原点位置の検出精度を向上させることが可能となる。原点センサ301を、インクリメンタルセンサ302と同じように外周部に配置することで、受光量の立ち上がりを急峻にしている。
【0061】
図10は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cのスケールの他の構成を示す模式図である。
図10に示すように、インクリメンタルスケール部81と、原点スケール部84とは、スケールディスク304の外周部の同一円周上に配置されている。
図10でもインクリメンタルスケール部81は左右対称の形状をしており、それぞれスケールディスク304の回転中心の中心角が90度になる位置に配置されている。
【0062】
例えば
図10では、原点スケール部84を反射部として設けている。インクリメンタルスケール部81は、反射部と非反射部とが同一円周上で交互に形成されている。インクリメンタルスケール部81の中央と原点スケール部84とが、スケールディスク304の回転中心の中心角が90度になる位置に配置されている。
【0063】
原点スケール部84とインクリメンタルスケール部81との間は、非反射部83が連続して形成されている。つまり、原点スケール部84の周囲では原点位置信号以外の出力信号は検出されることがないので、確実に原点位置信号を検知することができる。
【0064】
さらに、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302を、スケールディスク304の回転中心を挟んで互いに対向する位置、すなわちスケールディスク304の回転中心の中心角が180度になる位置に1個ずつ配置しても良い。
図11は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cの原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302の他の配置例を示す模式図である。
図11は、プリント基板303上での原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302の配置例を示しており、
図11(a)は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302が配置されたプリント基板303の平面図を、
図11(b)は、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302が配置されたプリント基板303の側面図を、それぞれ示している。
【0065】
図11に示すように、本実施の形態では、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とは、スケールディスク304の外周部において回転中心を挟んで互いに対向する位置、すなわち円板状のプリント基板303の同一円周上であって、スケールディスク304の回転中心における中心角が180度となる位置に配置されている。原点センサ301とインクリメンタルセンサ302とが大きく離隔して配置されているので、原点センサ301とインクリメンタルセンサ302との間に光学的干渉が生じることを未然に回避することが可能となる。
【0066】
また、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302は、
図4における発光素子501と受光素子502とが、同一円周上に隣接して配置されている。これにより、原点位置信号の受光量の立ち上がりが急峻となり、原点位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【0067】
図12は、本発明の実施の形態に係る光学式ロータリーエンコーダ224c、226cのスケールの他の構成を示す模式図である。
図12(a)に示すように、インクリメンタルスケール部81と、原点スケール部84とは、スケールディスク304の外周部の同一円周上に配置されている。
図12(a)では、インクリメンタルスケール部81は、左右いずれか一方において、スケールディスク304の回転中心の中心角が180度になる位置に配置されている。
【0068】
図12(a)では、原点スケール部84を、反射部82と非反射部83との境界としている。原点位置信号の立ち上がりを確実に検知することができるからである。もちろん、スケールディスク304の外周部では、原点センサ301及びインクリメンタルセンサ302がスケールディスク304と対向するように配置されているので、同一円周上で反射部82と非反射部83とが隣接するように配置されていれば原点スケール部84として機能する。
【0069】
インクリメンタルスケール部81は、反射部82と非反射部83とが同一円周上で交互に形成されている。
図12(a)の例では、インクリメンタルスケール部81の中央と原点スケール部84とが、スケールディスク304の回転中心の中心角が180度になる位置に配置されている。そして、原点スケール部84を境界として、反射部82又は非反射部83のいずれかが連続して形成されている。
【0070】
また、
図12(b)に示すように、原点スケール部84を反射部82として設けても良い。この場合、インクリメンタルスケール部81は、
図12(a)と同様に、反射部(原点スケール部84)82と非反射部83とが同一円周上で交互に形成されている。そして、インクリメンタルスケール部81の中央と原点スケール部84とが、スケールディスク304の回転中心の中心角が180度になる位置に配置されている。
【0071】
原点スケール部84とインクリメンタルスケール部81との間は、非反射部83が連続して形成されている。つまり、原点スケール部84の周囲では原点位置信号以外の出力信号が検出されることがないので、確実に原点位置信号を検知することができる。
【0072】
以上のように本実施の形態によれば、インクリメンタルスケール部81の中央と原点スケール部84とを離して配置することができ、インクリメンタルセンサ302と原点センサ301との間で光学的干渉が生じることを未然に回避することが可能となる。また、インクリメンタルスケール部81と原点スケール部84とが、スケールディスク304の外周部の同一円周上に配置されており、しかもスケールディスク304の回転中心の中心角が90度以上になる位置に配置されていることから、原点位置信号の受光量の立ち上がりが急峻となり、原点位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【0073】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば原点センサ301とインクリメンタルセンサ302との位置関係は、同一円周上で離隔していれば良いので、インクリメンタルスケール部81の中央と原点スケール部84とが、スケールディスク304の回転中心の中心角が90度以上180度以下となる位置に配置されていれば、特に限定されるものではない。