特許第6474319号(P6474319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6474319仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474319
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-109630(P2015-109630)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-224217(P2016-224217A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】中村 友昭
【審査官】 堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−010571(JP,A)
【文献】 特開平10−164266(JP,A)
【文献】 特開2004−109259(JP,A)
【文献】 特開平08−274901(JP,A)
【文献】 特開平08−315031(JP,A)
【文献】 特開平08−297696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試用のためにカラオケ演奏装置を所定期間仮運用した後、当該仮運用時における環境設定を本運用に引き継ぐためのカラオケシステムであって、
少なくとも、カラオケ事業者が管理する試用カラオケ演奏装置の機種IDと、当該試用カラオケ演奏装置の仮運用申請を行う仮運用申請用通信回線の回線IDとを紐付けした仮運用申請データを送信する仮運用申請データ送信手段と、
前記仮運用申請データを受信する仮運用申請データ受信手段と、
前記仮運用申請データを受信すると、当該仮運用申請がなされた前記試用カラオケ演奏装置について、所定期間の仮運用を許可するとともに、当該仮運用申請データを所定の記憶領域に記憶する仮運用許可手段と、
前記仮運用が許可された前記試用カラオケ演奏装置から、仮運用申請解除用通信回線を介して仮運用申請解除データを送信する仮運用申請解除データ送信手段と、
前記仮運用申請解除データを受信する仮運用申請解除データ受信手段と、
前記仮運用申請解除データを受信すると、前記仮運用申請データを参照し、当該試用カラオケ演奏装置における前記仮運用申請用通信回線の回線IDと、前記仮運用申請解除用通信回線の回線IDとが異なる場合には新規導入と判断し、前記仮運用申請用通信回線の回線IDと、前記仮運用申請解除用通信回線の回線IDが一致する場合には仮運用終了と判断する新規導入判断手段と、
前記新規導入と判断された場合には、少なくとも、前記仮運用申請データに含まれる機種IDと、前記仮運用申請解除用通信回線の回線IDと、当該試用カラオケ演奏装置における環境設定データとを紐付けした引き継ぎデータを所定の記憶領域に記憶し、前記仮運用終了と判断された場合には、前記仮運用申請データを所定の記憶領域から削除するとともに、前記試用カラオケ演奏装置における環境設定データを初期化する仮運用管理手段と、
カラオケ演奏装置を新規導入する際に、少なくとも、当該カラオケ演奏装置が接続された通信回線の回線IDを含む開局申請データを送信する開局申請データ送信手段と、
前記開局申請データを受信する開局申請データ受信手段と、
前記開局申請データを受信すると、前記引き継ぎデータを参照して、当該開局申請データに含まれる通信回線の回線IDと一致する仮運用申請解除用通信回線の回線IDを特定し、特定された仮運用申請解除用通信回線を介して、当該仮運用申請解除用通信回線の回線IDに紐付けされた環境設定データを、新規導入されたカラオケ演奏装置に送信する環境設定データ送信手段と、
前記環境設定データを受信する環境設定データ受信手段と、
を備えたことを特徴とする仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステム。
【請求項2】
前記開局申請データには、新規導入するカラオケ演奏装置の機種IDを含み、
前記新規導入と判断され、前記引き継ぎデータとして記憶した機種IDと、前記開局申請データに含まれる機種IDとが異なる場合に、
前記環境設定データ送信手段は、両機種IDに共通する環境設定データのみを送信することを特徴とする請求項1に記載の仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステムに関するものであり、詳しくは、試用のためにカラオケ演奏装置を所定期間仮運用した後、当該仮運用時における環境設定を本運用に引き継ぐことが可能なカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラオケ演奏装置を新規に導入する際や、旧機種を新機種に入れ替える場合に、カラオケ演奏装置の機能等を知ってもらうため、いわゆるお試し期間である仮運用を行う場合がある。この仮運用では、カラオケ演奏装置を設置する店舗の営業形態や希望に合わせて、歌唱採点等の各種使用コンテンツの設定、マイク音量やエコー等の音響環境の設定、サーバーとの通信に使用する通信回線の種別の設定等を行い、カラオケ演奏装置を試用してもらうのが一般的である。この場合、当該仮運用しているカラオケ演奏装置を本運用する場合には、本運用するカラオケ演奏装置に対して、仮運用時と同様の設定を行う必要がある。
【0003】
また、既に本運用しているカラオケ演奏装置が故障した場合に、修理期間中は同機種のカラオケ演奏装置と入れ替える必要があるが、この際にも、入れ替え後のカラオケ演奏装置に対して従前の設定と同様の設定を行わなければならない。従来、現に使用(本運用)しているカラオケ演奏装置の設定状態を引き継ぐことが可能な技術が種々提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、ホスト装置(サーバー)にカラオケ装置のシリアル番号と設定したパラメータ情報(環境設定)を登録しておく。そして、カラオケ演奏装置が同一機種に交換された場合に、ホスト装置からパラメータ情報をダウンロードし、新たに設置されたカラオケ演奏装置に対してダウンロードしたパラメータ情報に基づいて各種の設定を行うようになっている。
【0005】
特許文献2に記載された技術は、カラオケ演奏装置のメンテナンスに関する技術であり、ホスト装置に予め記憶されたカラオケ演奏装置の接続番号と、実際にカラオケ演奏装置にて記憶されている接続番号とが異なる場合には、ホスト装置からカラオケ事業者が管理している端末管理装置に対して、カラオケ演奏装置の設置場所が変更されたことを通知するようになっている。この特許文献2に記載された技術を用いることにより、カラオケ演奏装置が新たな機種に交換されたことを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−10571号公報
【特許文献2】特許第3569344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、新規にカラオケ演奏装置の導入を検討している店舗において、お試し期間としてカラオケ演奏装置を仮運用する場合には、不正使用防止のため、当該カラオケ演奏装置が仮運用であることをサーバーに登録するが必要である。しかし、カラオケ演奏装置を導入前の店舗には、専用の通信回線がないのが一般的であり、カラオケ事業者の営業所において仮運用登録を行い、導入前の店舗にカラオケ装置を設置しているのが現状である。
【0008】
そして、カラオケ演奏装置の新規導入が決まったとしても、カラオケ事業者が管理しているカラオケ演奏装置(お試し製品)を、カラオケ事業者の営業所において仮運用登録しているため、店舗への新規導入時には、同機種のカラオケ演奏装置(新品)を当該店舗の専用通信回線を用いて本運用登録(開局処理)することになる。このため、お試し製品であるカラオケ演奏装置と、新規導入を行う店舗との対応関係が構築されていないため、例えば、所定期間、お試し製品にて設定した環境設定をただ単にサーバーに記憶しておいたとしても、対応関係のないカラオケ演奏装置(新品)に、サーバーに記憶した環境設定を引き継ぐことはできない。
【0009】
この点、特許文献1に記載された技術を用いた場合には、カラオケ演奏装置の新規導入ができなかった場合であっても、お試し製品として設定したカラオケ演奏装置の環境設定は、削除されずサーバーに記憶され続けるため、必要のない設定情報をサーバーで管理することになり、サーバーの記憶領域を有効に活用することができない。また、特許文献1に記載された技術は、交換前のカラオケ演奏装置と交換後のカラオケ演奏装置が同一通信回線を使用していることを前提として、カラオケ演奏装置と環境設定とを紐付けしており、仮運用申請時と本運用申請時とで異なる通信回線を使用した場合には、お試し製品の環境設定が、どの店舗にて設定されていたものなのか判別することができず、仮運用時の環境設定を本運用時に反映させることができない。
【0010】
また、特許文献2に記載された技術は、接続番号にてカラオケ演奏装置を管理している。すなわち、特許文献2に記載された技術を用いて、仮運用時のカラオケ演奏装置が他の設置場所に変更されたことを通知できたとしても、お試し期間のような仮運用登録時と本運用登録時で、カラオケ演奏装置と接続番号が異なる運用形態の場合には、やはり、対応関係が構築されていないため、仮運用されていた際の環境設定を引く継ぐことはできない。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、試用のためにカラオケ演奏装置を所定期間仮運用した後、当該仮運用時における環境設定を本運用に引き継ぐことが可能なカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステムは、試用のためにカラオケ演奏装置を所定期間仮運用した後、当該仮運用時における環境設定を本運用に引き継ぐためのカラオケシステムであって、仮運用申請データ送信手段と、仮運用申請データ受信手段と、仮運用許可手段と、仮運用申請解除データ送信手段と、仮運用申請解除データ受信手段と、新規導入判断手段と、仮運用管理手段と、開局申請データ送信手段と、開局申請データ受信手段と、環境設定データ送信手段と、環境設定データ受信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
仮運用申請データ送信手段は、少なくとも、カラオケ事業者が管理する試用カラオケ演奏装置の機種IDと、当該試用カラオケ演奏装置の仮運用申請を行う仮運用申請用通信回線の回線IDとを紐付けした仮運用申請データを送信するためのカラオケ演奏装置の機能手段である。仮運用申請データ受信手段は、仮運用申請データを受信するためのサーバーの機能手段である。仮運用許可手段は、仮運用申請データを受信すると、当該仮運用申請がなされた試用カラオケ演奏装置について、所定期間の仮運用を許可するとともに、当該仮運用申請データを所定の記憶領域に記憶するためのサーバーの機能手段である。
【0014】
仮運用申請解除データ送信手段は、仮運用が許可された試用カラオケ演奏装置から、仮運用申請解除用通信回線を介して仮運用申請解除データを送信するためのカラオケ演奏装置の機能手段である。仮運用申請解除データ受信手段は、仮運用申請解除データを受信するためのサーバーの機能手段である。
【0015】
新規導入判断手段は、仮運用申請解除データを受信すると、仮運用申請データを参照し、当該試用カラオケ演奏装置における仮運用申請用通信回線の回線IDと、仮運用申請解除用通信回線の回線IDとが異なる場合には新規導入と判断し、仮運用申請用通信回線の回線IDと、仮運用申請解除用通信回線の回線IDが一致する場合には仮運用終了と判断するためのサーバーの機能手段である。仮運用管理手段は、新規導入と判断された場合には、少なくとも、仮運用申請データに含まれる機種IDと、仮運用申請解除用通信回線の回線IDと、当該試用カラオケ演奏装置における環境設定データとを紐付けした引き継ぎデータを所定の記憶領域に記憶し、仮運用終了と判断された場合には、仮運用申請データを所定の記憶領域から削除するとともに、試用カラオケ演奏装置における環境設定データを初期化するためのサーバーの機能手段である。
【0016】
開局申請データ送信手段は、カラオケ演奏装置を新規導入する際に、少なくとも、当該カラオケ演奏装置が接続された通信回線の回線IDを含む開局申請データを送信するためのカラオケ演奏装置の機能手段である。開局申請データ受信手段は、開局申請データを受信するためのサーバーの機能手段である。環境設定データ送信手段は、開局申請データを受信すると、引き継ぎデータを参照して、当該開局申請データに含まれる通信回線の回線IDと一致する仮運用申請解除用通信回線の回線IDを特定し、特定された仮運用申請解除用通信回線を介して、当該仮運用申請解除用通信回線の回線IDに紐付けされた環境設定データを、新規導入されたカラオケ演奏装置に送信するためのサーバーの機能手段である。環境設定データ受信手段は、環境設定データを受信するためのカラオケ演奏装置の機能手段である。
【0017】
また、本発明の仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステムは、上述した構成において、開局申請データには、新規導入するカラオケ演奏装置の機種IDを含ませることが可能である。このような構成において、新規導入と判断され、引き継ぎデータとして記憶した機種IDと、開局申請データに含まれる機種IDとが異なる場合に、環境設定データ送信手段は、両機種IDに共通する環境設定データのみを送信することが可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステムによれば、カラオケ演奏装置を導入前の店舗において、所定期間、仮運用として使用していたカラオケ演奏装置の環境設定を、本運用(新規導入)の際に設置した新規なカラオケ装置に自動的に引き継ぐことができる。
【0019】
したがって、導入前に店舗の営業形態や希望に合わせた設定したデータを、新規導入したカラオケ演奏装置に引く継ぐことができるため、いちいち新たな設定作業を行う必要がなくなり、カラオケ事業者がカラオケ演奏装置を新規に設置する際の労力を軽減することができる。一方、カラオケ演奏装置を新規に導入した店舗では、今まで使用していた音響設定やコンテンツ設定と同じ環境で、カラオケ楽曲の歌唱やコンテンツを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステムの概略構成を示すブロック図。
図2】仮運用申請の手順を示すタイミングチャート。
図3】仮運用申請解除及び本運用申請の手順を示すタイミングチャート。
図4】仮運用申請の解除(本運用しない場合)の手順を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の仮運用時の設定を引き継ぎ可能なカラオケシステム(以下、カラオケシステムと略記する)の実施形態について説明する。図1図4は本発明の実施形態に係るカラオケシステムを説明するもので、図1はカラオケシステムの概略構成を示すブロック図、図2は仮運用申請の手順を示すタイミングチャート、図3は仮運用申請解除及び本運用申請の手順を示すタイミングチャート、図4は仮運用申請の解除(本運用しない場合)の手順を示すタイミングチャートである。
【0022】
<カラオケシステムの概要>
図1に示すように、本発明の実施形態に係るカラオケシステム200は、試用のためにカラオケ演奏装置(試用カラオケ演奏装置)10を所定期間仮運用した後に、当該仮運用時における環境設定を本運用に引き継ぐためのシステムである。このカラオケシステム200は、通信回線80を介して相互にデータの送受信が可能なサーバー90とカラオケ演奏装置10とを備えている。
【0023】
そして、サーバー90の機能手段として、仮運用申請データ受信手段94と、仮運用許可手段95と、仮運用申請解除データ受信手段96と、新規導入判断手段97と、仮運用管理手段98と、開局申請データ受信手段99と、環境設定データ送信手段100とを備えている。また、カラオケ演奏装置10の機能手段として、仮運用申請データ送信手段107と、仮運用申請解除データ送信手段108と、開局申請データ送信手段109と、環境設定データ受信手段110とを備えている。
【0024】
なお、本運用されているカラオケ演奏装置10と、カラオケ事業者が管理して仮運用を行うカラオケ演奏装置10とを区別するため、仮運用を行うカラオケ演奏装置10を試用カラオケ演奏装置として説明するが、通常のカラオケ演奏装置10と試用カラオケ演奏装置とは、本運用を行うか仮運用を行うかの違いがあるだけで、ほぼ同様の機能を有している。したがって、特に区別が必要ない場合には、両者に同一の符号を付して説明を行う。
【0025】
以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0026】
<サーバー>
サーバー90は、複数のカラオケ演奏装置10と通信を行うことにより、種々の制御信号及びデータを送受信して、カラオケ演奏装置10を総合的に管理するための装置である。また、図示しないが、サーバー90は、通信回線80や通信基地局を介して、利用者が所持する携帯情報端末等とデータ通信を行うことができるように構成してもよい。
【0027】
サーバー90は、基本的機能手段として、図1に示すように、CPU等を含むサーバー制御手段91、サーバー通信制御手段92、サーバー90で管理する各種のデータを記憶するサーバー記憶手段93を備えている。また、サーバー90は、本発明に係るカラオケシステム200の機能を発揮させるための手段として、仮運用申請データ受信手段94、仮運用許可手段95、仮運用申請解除データ受信手段96、新規導入判断手段97、仮運用管理手段98、開局申請データ受信手段99、環境設定データ送信手段100を備えている。
【0028】
<サーバー制御手段>
サーバー制御手段91は、サーバー90を総合的に制御するための電子機器であり、図示しないが、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮するようになっている。
【0029】
<サーバー通信制御手段>
サーバー通信制御手段92は、カラオケ演奏装置10や携帯情報端末との間でデータ及び信号の送受信を制御するための電子機器及びプログラムからなる。なお、本実施形態において、サーバー通信制御手段92はデータの送受信を制御するための手段であり、各データの送受信に関しては、それぞれデータの送受信手段が関与する。
【0030】
<サーバー記憶手段>
サーバー記憶手段93は、サーバー90で管理する各種のデータを記憶するための装置であり、本実施形態では、通信回線80を介して接続されたカラオケ演奏装置10から受信した各種のデータに基づいて、仮運用申請データ93a及び引き継ぎデータ93bを記憶する。
【0031】
<各種受信手段>
仮運用申請データ受信手段94は、仮運用を行う試用カラオケ演奏装置10から送信されてきた仮運用申請データ93aを受信するためのプログラムからなる。仮運用申請解除データ受信手段96は、仮運用を行っていた試用カラオケ演奏装置10から仮運用申請解除データを受信するためのプログラムからなる。開局申請データ受信手段99は、新規導入するカラオケ演奏装置10から開局申請データを受信するためのプログラムからなる。仮運用申請データ93a、仮運用申請解除データ、開局申請データについては、後に詳述する。
【0032】
<仮運用許可手段>
仮運用許可手段95は、仮運用申請データ93aを受信すると、当該仮運用申請がなされた試用カラオケ演奏装置10について、所定期間の仮運用を許可するとともに、当該仮運用申請データ93aを所定の記憶領域(サーバー記憶手段93)に記憶するためのプログラムからなる。仮運用が許可されると、当該試用カラオケ演奏装置10の運用が開始される。本実施形態では、試用カラオケ演奏装置10はお試し製品であるため、仮運用中に常時、通信回線80を介してサーバー90と接続し、楽曲データや制御プログラムを受信する必要はない。また、仮運用を許可する所定期間(例えば、30日間)を設定し、試用カラオケ演奏装置10に記憶し、当該所定期間が経過した後は、起動させないか、あるいは警告表示を行う等の措置を施すことが好ましい。
【0033】
<新規導入判断手段>
新規導入判断手段97は、仮運用を終了する試用カラオケ演奏装置10から仮運用申請解除データを受信すると、仮運用申請データ93aを参照し、当該試用カラオケ演奏装置10における仮運用申請用通信回線80の回線IDと、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDとを比較して、新規導入か否かを判断するためのプログラムからなる。新規導入判断手段97では、仮運用申請用通信回線80の回線IDと、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDとが異なる場合には新規導入と判断する。一方、仮運用申請用通信回線80の回線IDと、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDが一致する場合には仮運用終了と判断する。
【0034】
<仮運用管理手段>
仮運用管理手段98は、新規導入判断手段97の判断結果に応じて処理を行うためのプログラムからなる。仮運用管理手段98では、新規導入判断手段97にて新規導入と判断された場合には、少なくとも、仮運用申請データ93aに含まれる機種IDと、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDと、当該試用カラオケ演奏装置10における環境設定データとを紐付けした引き継ぎデータ93bを所定の記憶領域(サーバー記憶手段93)に記憶する。一方、新規導入ではなく、仮運用終了と判断された場合には、仮運用申請データ93aを所定の記憶領域(サーバー記憶手段93)から削除するとともに、試用カラオケ演奏装置10における環境設定データを初期化する。
【0035】
このような処理を行うことにより、仮運用に引き続いて、カラオケ演奏装置10が新規導入された場合に、今までの環境設定を引き継ぐことができる。一方、仮運用が終了した試用カラオケ演奏装置10では、環境設定データを初期化することにより、他の店舗で、新たに仮運用を行う際に、改めて初期化処理を行うことなく仮運用を開始することができる。また、初期化処理を行うことにより、当該試用カラオケ演奏装置10の仮運用状態が解除されるので、所定期間を超えて仮運用状態が継続することがない。
【0036】
<環境設定データ送信手段>
環境設定データ送信手段100は、新規導入されたカラオケ演奏装置10から開局申請データを受信すると、引き継ぎデータ93bを参照して、当該開局申請データに含まれる通信回線80の回線IDと一致する仮運用申請解除用通信回線80の回線IDを特定して、環境設定の引き継ぎを行うためのプログラムからなる。環境設定データ送信手段100では、環境設定を引き継がせる際に、特定された仮運用申請解除用通信回線80を介して、当該仮運用申請解除用通信回線80の回線IDに紐付けされた環境設定データを、新規導入されたカラオケ演奏装置10に送信する。
【0037】
<カラオケ演奏装置及び付帯機器>
本発明の実施形態に係るカラオケシステム200を適用するカラオケ演奏装置10には、図1に示すように、カラオケリモコン装置20、マイクロホン30、スピーカ40、表示装置50、ミキシングアンプ60が付帯している。また、カラオケ演奏装置10と、サーバー90及びカラオケリモコン装置20は、ルータ70及びLAN回線、インターネット回線、電話回線等の通信回線80を介してネットワーク接続されている。
【0038】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置20は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ70及び通信回線80(LAN回線)を介して、カラオケ演奏装置10との間でデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置20は、楽曲検索手段20aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース20b、種々のデータを記憶するデータ記憶部20c、データの入出力を行うための入出力表示部20dを備えている。
【0039】
このカラオケリモコン装置20に付帯するスイッチ類や、入出力表示部20dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作、音量調整、テンポ調整、キー調整、選曲予約履歴の参照等の処理が行われる。
【0040】
<マイクロホン/スピーカ>
マイクロホン30は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン30から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ60に入力され、音楽再生制御手段111から送出されるカラオケ演奏信号とミキシングされるとともに増幅され、スピーカ40へ出力される。また、マイクロホン30からの音声入力信号は、歌唱採点値の算出や歌唱音声の録音に使用することができる。このような構成とする場合には、カラオケ演奏装置10にA/Dコンバータ等からなる音声入力手段を設け、マイクロホン30から入力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換して、歌唱採点値の算出や歌唱音声の録音に使用する。
【0041】
<表示装置>
表示装置50は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0042】
<カラオケ演奏装置>
カラオケ演奏装置10は、中央制御手段101、ROM102、RAM103、HDD104、通信制御手段105、予約楽曲管理手段106、仮運用申請データ送信手段107、仮運用申請解除データ送信手段108、開局申請データ送信手段109、環境設定データ受信手段110、音楽再生制御手段111、映像再生制御手段112を備えている。
【0043】
<中央制御手段>
中央制御手段101は、カラオケ演奏装置10を総合的に制御するための電子機器であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM102等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮するようになっている。
【0044】
<ROM/RAM>
ROM102は、カラオケ演奏装置10を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための電子機器である。また、RAM103は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能する電子機器である。本実施形態では、RAM103に、予約楽曲管理テーブル103aが一時的に記憶される。
【0045】
<HDD>
HDD104は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース104a、背景映像データベース104bが格納されている。本実施例では、仮運用時に試用カラオケ演奏装置10にて設定された店舗の環境設定や、サーバー90の環境設定データ送信手段100から送信された当該試用カラオケ演奏装置10の環境設定もHDD104に格納される。なお、HDD104に替えて、あるいはHDD104と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0046】
<楽曲データベース/背景映像データベース>
楽曲データベース104aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けしてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータ、ガイドボーカルデータ、演奏楽曲の主旋律等からなり歌唱採点の基準であるリファレンスデータを含んでいる。背景映像データベース104bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた背景映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0047】
<通信制御手段>
通信制御手段105は、カラオケリモコン装置20やサーバー90との間で、データ及び信号の送受信を制御するための電子機器及びプログラムからなる。この通信制御手段105の機能により、カラオケリモコン装置20やサーバー90との間で送受信するデータ及び信号の同期や誤り制御等を行う。また、本実施形態においては、通信制御手段105の機能により、仮運用申請や仮運用申請解除のために、回線IDとなるグローバルIPアドレスや電話番号、カラオケ演奏装置10の機種を特定する機種IDや、試用カラオケ演奏装置10にて設定された環境設定データを、サーバー90との間で送受信する際の通信制御を行う。なお、本実施形態において、通信制御手段105はデータの送受信を制御するための手段であり、各データの送受信に関しては、それぞれデータの送受信手段が関与する。
【0048】
<予約楽曲管理手段/予約楽曲管理テーブル>
予約楽曲管理手段106は、任意の利用者がカラオケ楽曲の予約を行う際に、カラオケリモコン装置20を用いて決定された予約楽曲の情報がカラオケ演奏装置10に送信された後に、カラオケ演奏装置10において、当該利用者の利用者IDと予約楽曲の楽曲IDとを対応付けして、予約楽曲管理テーブル103aにて管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約楽曲管理手段106は予約楽曲管理テーブル103aを作成し、この予約楽曲管理テーブル103aをRAM103に記憶して管理する。予約楽曲管理テーブル103aは、利用者により楽曲検索手段20aの機能を用いて選曲された楽曲の楽曲ID及び利用者IDを関連付けて、演奏順に並べたデータテーブルである。
【0049】
<仮運用申請データ送信手段>
仮運用申請データ送信手段107は、少なくとも、カラオケ事業者が管理する試用カラオケ演奏装置10の機種IDと、当該試用カラオケ演奏装置10の仮運用申請を行う仮運用申請用通信回線80の回線IDとを紐付けした仮運用申請データ93aを送信するためのプログラムからなる。すなわち、カラオケ事業者が試用カラオケ演奏装置10の仮運用申請を行う際には、カラオケ事業者が加入している通信回線(仮運用申請用通信回線)80を介してサーバー90とデータの送受信を行い、サーバー90に対して仮運用申請データ93aを送信する。
【0050】
このような運用を行うのは、試用カラオケ演奏装置10の仮運用を行う店舗では、未だ通信回線80が引かれていないことを想定しているためである。また、試用カラオケ演奏装置10の仮運用を行う店舗において、既に通信回線80が引かれていたとしても、当該通信回線80を他の用途(例えば、現在店舗に設置している旧機種のカラオケ演奏装置や他カラオケメーカーのカラオケ演奏装置の通信用途)に使用していると、当該通信回線80を仮運用に使用できないためである。
【0051】
<仮運用申請解除データ送信手段>
仮運用申請解除データ送信手段108は、仮運用が許可された試用カラオケ演奏装置10から、仮運用申請解除用通信回線80を介して仮運用申請解除データを送信するためのプログラムからなる。仮運用申請解除データは、仮運用中の試用カラオケ演奏装置10の仮運用(試用)を解除(終了)させるためのデータである。仮運用申請解除データの送受信に使用される仮運用申請解除用通信回線80の回線IDに基づいて、サーバー90の新規導入判断手段97における新規導入判断が行われる。カラオケ演奏装置10を新規導入するか否かの判断は、上述したとおりである。
【0052】
<開局申請データ送信手段>
開局申請データ送信手段109は、カラオケ演奏装置10を新規導入する際に、当該カラオケ演奏装置10からサーバー90に対して、少なくとも、当該カラオケ演奏装置10が接続された通信回線80の回線IDを含む開局申請データを送信するためのプログラムからなる。開局申請データは、仮運用した試用カラオケ演奏装置10の環境設定を新規導入するカラオケ演奏装置10に引き継がせる際に利用する。
【0053】
なお、開局申請データには、新規導入するカラオケ演奏装置10の機種IDを含ませることが可能である。この場合には、仮運用した試用カラオケ演奏装置10の機種と新規導入するカラオケ演奏装置10の機種が異なる場合であっても、例えば、マイク音量やエコー等の音響設定のように両機種IDに共通する環境設定のみを引き継ぐことができる。
【0054】
<環境設定データ受信手段>
環境設定データ受信手段110は、環境設定データを受信するためのプログラムからなる。すなわち、仮運用を終了して、カラオケ演奏装置10を新規導入する際に、サーバー90から新規導入するカラオケ演奏装置10に対して、仮運用において設定された環境設定データが送信され、新規導入するカラオケ演奏装置10では、環境設定データ受信手段110の機能により当該環境設定データを受信する。これにより、新規導入するカラオケ演奏装置10は、仮運用において設定された環境設定データを引き継ぐことができる。
【0055】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段111は、楽曲IDに対応する楽曲データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源(シンセサイザ)を駆動しカラオケ演奏信号を構成する楽音信号を生成するとともにアナログ変換してミキシングアンプ60に出力するための電子機器である。また、ミキシングアンプ60は、マイクロホン30から入力される歌唱音声信号と、音楽再生制御手段111から送出されるカラオケ演奏信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ40より出力するための装置である。
【0056】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段112は、カラオケ楽曲の演奏中に、背景映像データベース104bから抽出した背景映像データと、楽曲データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の楽曲データに同期させて表示装置50に出力するための電子機器である。
【0057】
<仮運用申請>
試用カラオケ演奏装置10の仮運用申請は、所定期間の間、カラオケ事業者が所有している試用カラオケ演奏装置10をお試し製品として使用するための申請処理であり、図2に示すように、カラオケ事業者が使用している通信回線80(例えばカラオケ事業者の営業所やサービスステーション等の通信回線)を用いて、試用カラオケ演奏装置10とサーバー90との間でデータの送受信を行うことにより実施される。すなわち、試用カラオケ演奏装置10の仮運用申請を行うには、仮運用申請データ送信手段107の機能により、カラオケ事業者(営業所)の通信回線80を用いて、サーバー90に仮運用申請データ93aを送信する(S1)。仮運用申請データ93aには、使用している通信回線80の回線ID「α」と、当該試用カラオケ演奏装置10の機種種別「A」とが含まれている。
【0058】
サーバー90では、仮運用申請データ受信手段94の機能により、当該仮運用申請データ93aを受信し、仮運用許可手段95の機能により、当該仮運用申請データ93aをサーバー記憶手段93に登録(記憶)する(S2)。さらに、サーバー90は、仮運用許可手段95の機能により、仮運用を許可する期間データ(例えば、30日間)を試用カラオケ演奏装置10に送信する(S3)。試用カラオケ演奏装置10は、仮運用を許可する期間データを受信し(S4)、仮運用を行う店舗に試用カラオケ演奏装置10を設置し(S5)、当該試用カラオケ演奏装置10における環境設定(コンテンツ設定、音響設定等)を行う(S6)。上記した仮運用申請により、試用カラオケ演奏装置10の設置店舗では、30日間の仮運用が可能となる。
【0059】
<仮運用申請解除及び本運用申請>
仮運用が許可された所定期間(お試し期間)の期間中あるいは期間終了後に、カラオケ演奏装置10を新規導入する場合には、図3に示すように、新規導入する店舗の通信回線80を用いて、試用カラオケ演奏装置10とサーバー90との間でデータの送受信を行う。すなわち、試用カラオケ演奏装置10の仮運用を終了してカラオケ演奏装置10を新規導入するには、仮運用申請解除データ送信手段108の機能により、店舗の通信回線80を用いて、サーバー90に仮運用申請解除データを送信する(S11)。仮運用申請解除データには、使用している通信回線80の回線ID「β」と、当該試用カラオケ演奏装置10の機種種別「A」とが含まれている。その後、当該試用カラオケ演奏装置10では、仮運用における環境設定がリセットされる(S12)
【0060】
サーバー90では、仮運用申請解除データ受信手段96の機能により、当該仮運用申請解除データを受信し(S13)、新規導入判断手段97の機能により、受信した各種IDに基づいて新規導入か否かを判断する(S14)。ここで、仮運用申請データ93aに含まれる機種種別が「A」であり、仮運用申請解除データに含まれる機種種別が「A」であり、仮運用申請用通信回線80の回線IDが「α」であり、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDが「β」であったとする。
【0061】
この場合には、仮運用申請を行った通信回線80の回線ID「α」と仮運用申請解除を行った通信回線80の回線ID「β」とが異なるため、カラオケ演奏装置10の新規導入と判断して、仮運用管理手段98の機能により、仮運用申請データ93aに含まれる機種IDと、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDと、当該試用カラオケ演奏装置10における環境設定データとを紐付けした引き継ぎデータ93bをサーバー記憶手段93に記憶して(S15)、仮運用申請を解除する(S16)。
【0062】
そして、カラオケ演奏装置(本運用カラオケ演奏装置)10が新規導入されると、開局申請データ送信手段109の機能により、当該カラオケ演奏装置(本運用カラオケ演奏装置)10が新設された店舗の通信回線80を用いて、当該通信回線80の回線IDを含む開局申請データをサーバー90に送信する(S17)。ここで、開局申請データに含まれる回線IDが「β」であり、開局申請データには機種種別が「A」が含まれているものとする。
【0063】
サーバー90では、開局申請データ受信手段99の機能により、開局申請データを受信すると(S18)、環境設定データ送信手段100の機能により、新規導入されたカラオケ演奏装置10に対して、仮運用における環境設定を送信し(S19)、サーバー記憶手段93に記憶している当該環境設定を消去する(S20)。一方、新規導入されたカラオケ演奏装置10では、環境設定データ受信手段110の機能により環境設定データを受信し(S21)、仮運用時の環境設定を自動設定する(S22)。
【0064】
<仮運用申請の解除(本運用しない場合)>
仮運用が許可された所定期間(お試し期間)の間、試用カラオケ演奏装置10を使用したが、店舗への導入がなされない時に、当該お試し期間の期間中あるいは期間が終了後に、仮運用申請を解除する場合には、図4に示すように、カラオケ事業者が使用している通信回線80を用いて、試用カラオケ演奏装置10とサーバー90との間でデータの送受信を行う。すなわち、試用カラオケ演奏装置10の仮運用を終了して仮運用申請の解除には、仮運用申請解除データ送信手段108の機能により、カラオケ事業者が使用している通信回線80を用いて、サーバー90に仮運用申請解除データを送信する(S31)。仮運用申請解除データには、使用している通信回線80の回線ID「α」と、当該試用カラオケ演奏装置10の機種種別「A」とが含まれている。その後、当該試用カラオケ演奏装置10では、仮運用における環境設定をリセットする(S32)。
【0065】
サーバー90では、仮運用申請解除データ受信手段96の機能により当該仮運用申請解除データを受信し(S33)、新規導入判断手段97の機能により、受信した各種IDに基づいて新規導入か否かを判断する(S34)。ここで、仮運用申請データ93aに含まれる機種種別が「A」であり、仮運用申請解除データに含まれる機種種別が「A」であり、仮運用申請用通信回線80の回線IDが「α」であり、仮運用申請解除用通信回線80の回線IDが「α」であったとする。この場合には、仮運用申請を行った通信回線80の回線ID「α」と仮運用申請解除を行った通信回線80の回線ID「α」とが同一であるため、仮運用申請の解除と判断して、仮運用申請を解除する(S35)。
【符号の説明】
【0066】
200 カラオケシステム
10 カラオケ演奏装置
20 カラオケリモコン装置
20a 楽曲検索手段
20b 楽曲索引データベース
20c データ記憶部
20d 入出力表示部
30 マイクロホン
40 スピーカ
50 表示装置
60 ミキシングアンプ
70 ルータ
80 通信回線
90 サーバー
91 サーバー制御手段
92 サーバー通信制御手段
93 サーバー記憶手段
93a 仮運用申請データ
93b 引き継ぎデータ
94 仮運用申請データ受信手段
95 仮運用許可手段
96 仮運用申請解除データ受信手段
97 新規導入判断手段
98 仮運用管理手段
99 開局申請データ受信手段
100 環境設定データ送信手段
101 中央制御手段
102 ROM
103 RAM
103a 予約楽曲管理テーブル
104 HDD
104a 楽曲データベース
104b 背景映像データベース
105 通信制御手段
106 予約楽曲管理手段
107 仮運用申請データ送信手段
108 仮運用申請解除データ送信手段
109 開局申請データ送信手段
110 環境設定データ受信手段
111 音楽再生制御手段
112 映像再生制御手段
図1
図2
図3
図4