(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の登録手段は、前記設定モードにおいて、前記設定用対象物の複数の部分をそれぞれ示す複数の位置決め用画像データ、または倍率が互いに異なる複数の位置決め用画像データを登録する、請求項1記載の画像検査装置。
前記第4の取得指令手段は、前記検査モードにおいて、前記ステージに載置された前記検査対象物の時間的変化を示す第1の画像データをライブ画像データとして取得するように前記第1の画像データ取得手段に指令を与え、
前記第2の表示指令手段は、前記検査モードにおいて、前記第4の取得指令手段の指令により取得されたライブ画像データに基づいて前記検査対象物の時間的変化を示すライブ画像を位置決め用画像と重ねて表示するように前記表示手段に指令を与える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像検査装置。
第2の取得指令手段は、前記設定モードにおいて、前記ステージに前記設定用対象物が載置された状態で、第1および第2の画像データを取得するように前記第1および第2の画像データ取得手段にそれぞれ指令を与え、
前記画像検査装置は、前記第2の取得指令手段の指令により取得された前記第1および第2の画像データのうちいずれか一方を選択するために操作される第2の操作手段をさらに備え、
前記第2の登録手段は、前記設定モードにおいて、前記第2の操作手段の操作により選択された画像データを前記基準画像データとして登録する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像検査装置。
前記制御手段は、前記設定モードにおいて、前記第2の取得指令手段の指令により取得された第1の画像データに基づくテクスチャ画像および第2の画像データに基づく高さ画像のうち少なくとも一方の画像を表示するように前記表示手段に指令を与える第5の表示指令手段をさらに含む、請求項7記載の画像検査装置。
設定モードにおいて、ステージに測定対象物として設定用対象物が載置された状態で、位置決めのための画像データとして前記設定用対象物の表面のテクスチャ画像を表す第1の画像データまたは前記設定用対象物の表面の高さ画像を表す第2の画像データを取得するステップと、
前記設定モードにおいて、取得された位置決めのための画像データに基づいて、前記設定用対象物の位置および姿勢を示す位置決め用画像データを登録するステップと、
前記設定モードにおいて、前記ステージに前記設定用対象物が載置された状態で、位置合わせのための第1または第2の画像データを取得するステップと、
前記設定モードにおいて、取得された位置合わせのための画像データを基準画像データとして登録するステップと、
前記設定モードにおいて、前記ステージに前記設定用対象物が載置された状態で、計測のための第2の画像データを取得するステップと、
前記設定モードにおいて、取得された計測のための第2の画像データに基づいて、前記設定用対象物の計測対象部分の高さ方向に成分を持つ寸法を計測するステップと、
前記設定モードにおいて、前記設定用対象物の計測対象部分の設計値および公差の少なくともいずれかの値の入力を受け付けるステップと、
検査モードにおいて、前記ステージに前記測定対象物として検査対象物が載置された状態で、登録された前記位置決め用画像データに基づいて前記検査対象物の表面の高さ画像を表す第2の画像データを取得可能な位置に前記ステージまたは前記検査対象物を移動させるステップと、
前記検査モードにおいて、前記ステージに前記検査対象物が載置された状態で、前記ステージまたは前記検査対象物の移動後に、登録された前記基準画像データに対応する位置合わせのための画像データを取得するステップと、
前記検査モードにおいて、取得された位置合わせのための画像データを位置合わせ用画像データとして登録するステップと、
前記検査モードにおいて、前記ステージに前記検査対象物が載置された状態で、計測のための第2の画像データを取得するステップと、
前記検査モードにおいて、パターンマッチングにより前記位置合わせ用データと前記基準画像データとを位置合わせすることにより、前記検査対象物についての計測のための第2の画像データの位置合わせを行うステップと、
前記検査モードにおいて、位置合わせされた計測のための第2の画像データに基づいて、前記設定用対象物の計測対象箇所に対応する前記検査対象物の計測対象箇所の寸法を計測するステップと、
前記検査モードにおいて、前記設定用対象物について計測された寸法と、前記検査対象物について計測された寸法と、受け付けられた設計値および公差の少なくともいずれかの値とに基づいて前記検査対象物の良否を判定するステップと、
前記検査モードにおいて、判定された判定結果を表示手段に表示するステップとを含む、画像検査方法。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(1)画像検査装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
図2は、
図1の画像検査装置500の測定部の構成を示す模式図である。以下、本実施の形態に係る画像検査装置500について、
図1および
図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、画像検査装置500は、測定部100、PC(パーソナルコンピュータ)200、制御部300および表示部400を備える。
【0050】
図1に示すように、測定部100は、例えば顕微鏡であり、投光部110、受光部120、照明光出力部130、ステージ装置140および制御基板150を含む。投光部110、受光部120および照明光出力部130により測定ヘッド100Hが構成される。
図2に示すように、投光部110は、測定光源111、パターン生成部112および複数のレンズ113,114,115を含む。受光部120は、カメラ121および複数のレンズ122,123を含み、デジタルズーム機能を有する。
【0051】
図1に示すように、ステージ装置140は、ステージ141、ステージ操作部142およびステージ駆動部143を含む。ステージ141には、測定対象物Sが載置される。
図2に示すように、ステージ141は、X−Yステージ10、Zステージ20およびθステージ30により構成される。ステージ141は、測定対象物Sが載置される面(以下、載置面と呼ぶ)に測定対象物Sを固定する図示しない固定部材(クランプ)をさらに含んでもよい。
【0052】
図2に示すように、投光部110は、ステージ141の斜め上方に配置される。測定部100は、複数の投光部110を含んでもよい。
図2の例においては、測定部100は2つの投光部110を含む。以下、2つの投光部110を区別する場合は、一方の投光部110を投光部110Aと呼び、他方の投光部110を投光部110Bと呼ぶ。投光部110A,110Bは受光部120の光軸を挟んで対称に配置される。
【0053】
各投光部110A,110Bの測定光源111は、例えば白色光を出射するハロゲンランプである。測定光源111は、白色光を出射する白色LED(発光ダイオード)等の他の光源であってもよい。測定光源111から出射された光(以下、測定光と呼ぶ)は、レンズ113により適切に集光された後、パターン生成部112に入射する。
【0054】
パターン生成部112は、例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)である。パターン生成部112は、LCD(液晶ディスプレイ)、LCOS(Liquid Crystal on Silicon:反射型液晶素子)またはマスクであってもよい。パターン生成部112に入射した測定光は、予め設定されたパターンおよび予め設定された強度(明るさ)に変換されて出射される。以下、強度が所定の値以上の測定光の部分を明部分と呼び、強度が所定の値より小さい測定光の部分を暗部分と呼ぶ。
【0055】
パターン生成部112により出射された測定光は、複数のレンズ114,115により比較的大きい径を有する光に変換された後、ステージ141上の測定対象物Sに照射される。受光部120は、ステージ141の上方に配置される。測定対象物Sによりステージ141の上方に反射された測定光は、受光部120の複数のレンズ122,123により集光および結像された後、カメラ121により受光される。
【0056】
カメラ121は、例えば撮像素子121aおよびレンズを含むCCD(電荷結合素子)カメラである。撮像素子121aは、例えばモノクロCCD(電荷結合素子)である。撮像素子121aは、カラーCCDであってもよいし、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の他の撮像素子であってもよい。撮像素子121aの各画素からは、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ。)が制御基板150に出力される。
【0057】
制御基板150には、図示しないA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)およびFIFO(First In First Out)メモリが実装される。カメラ121から出力される受光信号は、制御部300による制御に基づいて、制御基板150のA/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、FIFOメモリに順次蓄積される。FIFOメモリに蓄積されたデジタル信号は画素データとして順次PC200に転送される。
【0058】
図1に示すように、PC200は、CPU(中央演算処理装置)210、ROM(リードオンリメモリ)220、RAM(ランダムアクセスメモリ)230、記憶装置240および操作部250を含む。また、操作部250は、キーボードおよびポインティングデバイスを含む。ポインティングデバイスとしては、マウスまたはジョイスティック等が用いられる。
【0059】
ROM220には、システムプログラムが記憶される。RAM230は、種々のデータの処理のために用いられる。記憶装置240は、ハードディスク等からなる。記憶装置240には、画像検査プログラムが記憶される。また、記憶装置240は、制御基板150から与えられる画素データ等の種々のデータを保存するために用いられる。
【0060】
CPU210は、制御基板150から与えられる画素データに基づいて画像データを生成する。また、CPU210は、生成した画像データにRAM230を用いて各種処理を行うとともに、画像データに基づく画像を表示部400に表示させる。さらに、CPU210は、ステージ駆動部143に駆動パルスを与える。表示部400は、例えばLCDパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。
【0061】
制御部300は、制御基板310および照明光源320を含む。制御基板310には、図示しないCPUが実装される。制御基板310のCPUは、PC200のCPU210からの指令に基づいて、投光部110、受光部120および制御基板150を制御する。
【0062】
照明光源320は、例えば赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ出射する3つのLEDを含む。各LEDから出射される光の輝度を制御することにより、照明光源320から任意の色の光を発生することができる。照明光源320から発生される光(以下、照明光と呼ぶ。)は、導光部材(ライトガイド)を通して測定部100の照明光出力部130から出力される。なお、制御部300に照明光源320を設けずに、測定部100に照明光源320を設けてもよい。この場合、測定部100には照明光出力部130が設けられない。
【0063】
図2の照明光出力部130は、円環形状を有し、受光部120のレンズ122を取り囲むようにステージ141の上方に配置される。これにより、影が発生しないように照明光出力部130から測定対象物Sに照明光が照射される。照明光は測定対象物Sの略真上から照射されるので、測定対象物Sが孔部を有する場合でも、照明光は孔部の底部にまで到達する。したがって、照明光により測定対象物Sの表面だけでなく、孔部の底部も観察することができる。
【0064】
測定部100においては、照明光出力部130からの照明光が測定対象物Sに照射された状態で、測定対象物Sの表面のパターンを表すデータがテクスチャ画像データとして生成される。表面のパターンには、例えば模様および色彩が含まれる。以下、テクスチャ画像データに基づく画像をテクスチャ画像と呼ぶ。また、測定部100においては、投光部110からの測定光が測定対象物Sに照射された状態で、測定対象物Sの表面の形状を表すデータが高さ画像データとして生成される。以下、高さ画像データに基づく画像を高さ画像と呼ぶ。さらに、測定部100においては、テクスチャ画像と高さ画像との合成画像を示す合成画像データが生成されてもよい。なお、高さ画像とは距離画像とも呼ばれる画像である。
【0065】
表示部400には、テクスチャ画像および高さ画像が表示される。測定部100により上記の合成画像データが生成される場合、その合成画像データに基づく合成画像が表示部400に表示されてもよい。
【0066】
(2)ステージの構成
測定部100には、装置固有の三次元座標系と原点位置とが定義されている。本例の三次元座標系は、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を有する。
図2においては、X軸に平行な方向をX方向として矢印Xで示し、Y軸に平行な方向をY方向として矢印Yで示し、Z軸に平行な方向をZ方向として矢印Zで示す。また、Z方向に平行な軸を中心に回転する方向をθ方向と定義し、矢印θで示す。本実施の形態においては、Z方向は受光部120の光軸に平行な方向である。
【0067】
ステージ141の載置面はX方向およびY方向に平行な面に含まれる。X−Yステージ10は、X方向移動機構およびY方向移動機構を有する。Zステージ20は、Z方向移動機構を有する。θステージ30は、θ方向回転機構を有する。
【0068】
受光部120の焦点に位置しかつ受光部120の光軸に垂直な平面を受光部120の焦点面と呼ぶ。投光部110A,110B、受光部120およびステージ141の相対的な位置関係は、投光部110Aの光軸、投光部110Bの光軸および受光部120の光軸が受光部120の焦点面で互いに交差するように設定される。
【0069】
また、投光部110の焦点(測定光のパターンが結像する点)に位置しかつ投光部110の光軸に垂直な平面を投光部110の焦点面と呼ぶ。各投光部110A,110Bは、投光部110Aの焦点面および投光部110Bの焦点面が受光部120の焦点を含む位置で交差するように構成される。
【0070】
θステージ30のθ方向の回転軸の中心は、受光部120の光軸と一致している。そのため、θステージ30をθ方向に回転させた場合に、測定対象物Sを視野から外すことなく、回転軸を中心に視野内で回転させることができる。また、X−Yステージ10およびθステージ30は、Zステージ20により支持されている。
【0071】
ステージ141のX方向移動機構、Y方向移動機構、Z方向移動機構およびθ方向回転機構には、それぞれステッピングモータが用いられる。ステージ141のX方向移動機構、Y方向移動機構、Z方向移動機構およびθ方向回転機構は、
図1のステージ操作部142またはステージ駆動部143により駆動される。
【0072】
使用者は、
図1のステージ操作部142を手動で操作することにより、ステージ141の載置面を受光部120に対して相対的にX方向、Y方向もしくはZ方向に移動させるか、またはθ方向に回転させることができる。ステージ駆動部143は、PC200より与えられる駆動パルスに基づいて、ステージ141のステッピングモータに電流を供給することにより、ステージ141を受光部120に相対的にX方向、Y方向もしくはZ方向に移動させるか、またはθ方向に回転させることができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、ステージ141はステッピングモータにより駆動することが可能であるとともに手動により操作することが可能な電動ステージであるが、これに限定されない。ステージ141はステッピングモータでのみ駆動することが可能な電動ステージであってもよいし、手動でのみ操作することが可能な手動ステージであってもよい。また、X−Yステージ10、Zステージ20およびθステージ30の配置は、上記の例に限定されない。例えば、
図2の例では、θステージ30上にX−Yステージ10が配置されるが、これに限定されず、X−Yステージ10上にθステージ30が配置されてもよい。
【0074】
(3)測定対象物の形状測定
測定部100においては、三角測距方式により測定対象物Sの形状が測定される。
図3は、三角測距方式の原理を説明するための図である。
図3に示すように、投光部110から出射される測定光の光軸と受光部120に入射する測定光の光軸(受光部120の光軸)との間の角度αが予め設定される。角度αは、0度よりも大きく90度よりも小さい。
【0075】
ステージ141上に測定対象物Sが載置されない場合、投光部110から出射される測定光は、ステージ141の載置面の点Oにより反射され、受光部120に入射する。一方、ステージ141上に測定対象物Sが載置される場合、投光部110から出射される測定光は、測定対象物Sの表面の点Aにより反射され、受光部120に入射する。
【0076】
点Oと点Aとの間のX方向における距離をdとすると、ステージ141の載置面に対する測定対象物Sの点Aの高さhは、h=d÷tan(α)により与えられる。
図1のPC200のCPU210は、制御基板150により与えられる測定対象物Sの画素データに基づいて、X方向における点Oと点Aとの間の距離dを測定する。また、CPU210は、測定された距離dに基づいて、測定対象物Sの表面の点Aの高さhを算出する。測定対象物Sの表面の全ての点の高さを算出することにより、測定対象物Sの三次元的な形状が測定される。
【0077】
測定対象物Sの表面の全ての点に測定光を照射するために、
図1の投光部110からは種々のパターンを有する測定光が出射される。
図4は、投光部110から出射される測定光のパターンの例を示す図である。測定光のパターンの種類は、
図1のパターン生成部112により制御される。
【0078】
図4(a)の測定光をライン状測定光と呼ぶ。ライン状測定光は、一の方向に平行な直線状の断面を有する測定光である。
図4(b)の測定光を正弦波状測定光と呼ぶ。正弦波状測定光は、一の方向に平行な直線状の断面を有しかつ当該一の方向に直交する他の方向に強度が正弦波状に変化するパターンを有する測定光である。
【0079】
図4(c)の測定光を縞状測定光と呼ぶ。縞状測定光は、一の方向に平行でかつ当該一の方向に直交する他の方向に並ぶような直線状の断面を有する測定光である。
図8(d)の測定光をコード状測定光と呼ぶ。コード状測定光は、一の方向に平行な直線状の断面を有し、かつ明部分と暗部分とが当該一の方向に直交する他の方向に並ぶ測定光である。
【0080】
ライン状測定光を測定対象物S上で走査する方法は一般に光切断法と呼ばれる。一般の光切断法に従ってライン状測定光の明部分が測定光の照射範囲の全体に少なくとも1回照射されるようにライン状測定光を走査することにより、測定対象物Sの高さ画像データが生成される。
【0081】
一方、正弦波状測定光、縞状測定光またはコード状測定光を測定対象物Sに照射する方法は、パターン投影法に分類される。また、パターン投影法の中でも、正弦波状測定光または縞状測定光を測定対象物Sに照射する方法は位相シフト法に分類され、コード状測定光を測定対象物Sに照射する方法は空間コード法に分類される。
【0082】
一般の位相シフト法に従って正弦波状測定光または縞状測定光の明部分が測定光の照射範囲の全体に少なくとも1回照射されるように正弦波状測定光または縞状測定光を走査することにより、測定対象物Sの高さ画像データが生成される。また、一般の空間コード法に従って、互いに異なるパターンを有する複数のコード状測定光を順次測定対象物Sに照射することにより、測定対象物Sの高さ画像データが生成される。
【0083】
(4)テクスチャ画像および高さ画像の具体例
図5は、ステージ141上に載置される測定対象物Sの一例を示す外観斜視図である。
図5の測定対象物Sは、薄肉部s10、厚肉部s20および円柱部s30を有する。薄肉部s10および厚肉部s20の各々は、矩形の板形状を有する。薄肉部s10の一側部と厚肉部s20の一側部とが互いに接合されている。薄肉部s10と厚肉部s20とが接合された状態で、薄肉部s10の下面s12と厚肉部s20の下面s22とは面一となっている。Z方向において厚肉部s20の厚みは薄肉部s10の厚みよりも大きい。厚肉部s20の上面s21上に上方に延びるように円柱部s30が設けられている。
【0084】
薄肉部s10の上面s11、厚肉部s20の上面s21および円柱部s30の上面s31のZ方向における位置(高さ)を比較する。この場合、薄肉部s10の上面s11が最も低く、円柱部s30の上面s31が最も高い。厚肉部s20の上面s21は、薄肉部s10の上面s11よりも高く、円柱部s30の上面s31よりも低い。
【0085】
円柱部s30の上面s31には、白抜きの文字「A」が印字されている。
図5の測定対象物Sの外表面は、白抜きの文字「A」以外の部分は濃い灰色で塗装されている。
図6は
図5の測定対象物Sのテクスチャ画像の例であり、
図7は
図5の測定対象物Sの高さ画像の例である。
【0086】
図6に示すように、テクスチャ画像TIは、測定対象物SをZ方向に見た画像である。
図6のテクスチャ画像TIによれば、測定対象物Sの表面上のパターンとして円柱部s30(
図5)の上面s31に印字された文字「A」を明りょうに識別することができる。一方、
図5の測定対象物Sは文字「A」以外の部分が濃い灰色で塗装されているため、そのテクスチャ画像TIにおいては、
図5の薄肉部s10、厚肉部s20および円柱部s30の画像上の境界を示す輪郭TEが識別されにくい。
【0087】
一方、
図7に示すように、高さ画像HIは、測定対象物Sの表面の各部の高さを互いに異なる複数種類の色で表す。
図7においては、色の違いがドットパターンの違いで表される。例えば、最も低い部分が青色で表され、最も高い部分が赤色で表される。他の部分は、高いほど赤色に近づき、低いほど青色に近づくように、高さに応じた色で表される。
【0088】
図7の高さ画像では、測定対象物Sの表面上のパターンを識別することはできない。したがって、
図6のテクスチャ画像TIに示される文字「A」を識別することはできない。一方、
図7の高さ画像HIにおいては、測定対象物Sの表面が高さに応じた色で表されるので、
図5の薄肉部s10、厚肉部s20および円柱部s30の画像上の境界を示す輪郭HEが識別されやすい。
【0089】
(5)画像検査装置の使用例
(5−1)設定モードおよび検査モード
以下の説明では、画像検査装置500の使用者のうち測定対象物Sの検査作業を管理する使用者を適宜設定作成者と呼び、設定作成者の管理の下で測定対象物Sの検査作業を行う使用者を適宜検査作業者と呼ぶ。また、測定対象物Sの姿勢とは、ステージ141上の測定対象物Sの回転角度を意味する。
【0090】
画像検査装置500は、設定作成者用の設定モードおよび検査作業者用の検査モードを含む複数種類のモードで使用することができる。設定モードでは、設定作成者が一の測定対象物Sについて計測対象部分を決め、その計測対象部分の寸法を計測する。それにより、その測定対象物Sと同様に設計された他の測定対象物Sの検査を行うための情報が検査設定情報として生成される。生成された検査設定情報のデータファイルは検査設定ファイルとして
図1の記憶装置240に記憶される。検査設定情報には、例えば設定用対象物Sの計測対象部分ならびに計測対象部分の寸法の設計値および公差が含まれる。以下、設定モードにおいて設定作成者により計測される測定対象物Sを設定用対象物Sと呼ぶ。
【0091】
検査モードでは、検査作業者が、
図1の記憶装置240に記憶された検査設定ファイルに基づいて他の測定対象物Sの検査を行うことができる。以下、検査モードにおいて検査作業者により検査される測定対象物Sを検査対象物Sと呼ぶ。
【0092】
検査対象物Sの検査時には、計測対象部分の寸法が計測されるとともに、計測された寸法が設計値の公差の範囲内にあるか否かが判定される。計測された寸法が公差の範囲内にある場合、当該検査対象物Sは良品であると判定される。一方、計測された寸法が公差の範囲内にない場合、当該検査対象物Sは不良品であると判定される。検査対象物Sの良否の判定結果は、検査結果として
図1の表示部400に表示される。また、検査結果を示すデータファイルは検査結果ファイルとして
図1の記憶装置240に記憶される。
【0093】
(5−2)設定モードの詳細
図8は、画像検査装置500の表示部400に表示される初期画面の一例を示す図である。
図8に示すように、画像検査装置500の初期画面には、検査設定ボタン601、検査実行ボタン602、統計解析ボタン603および設定編集ボタン604が表示される。
【0094】
設定作成者は検査設定ボタン601を操作する。それにより、
図1のCPU210が設定モードで動作する。
図9〜
図27は、設定モードでの画像検査装置500の一使用例を説明するための図である。設定作成者は、まず設定用対象物Sを所望の位置および姿勢で
図1のステージ141上に載置する。
【0095】
図9に示すように、表示部400に主表示欄411、上部副表示欄412および側部副表示欄413が表示される。主表示欄411は、表示部400の画面の左側辺から画面中央部にかけて広い領域に割り当てられる。上部副表示欄412は、主表示欄411の上方で帯状に割り当てられる。側部副表示欄413は、主表示欄411の右側方で帯状に割り当てられる。
【0096】
主表示欄411には、主としてステージ141上に載置される設定用対象物Sのテクスチャ画像、高さ画像および合成画像の他、設定用対象物Sの寸法計測に関する種々の情報が表示される。
【0097】
測定部100において、設定用対象物Sのテクスチャ画像は、所定のフレームレートで連続的に生成される。
図9の例では、ステージ141の載置面および設定用対象物Sの画像を含む最新のテクスチャ画像が主表示欄411にリアルタイム表示(動画表示)されている。
図9の設定用対象物Sは半導体パッケージである。
【0098】
主表示欄411には、テクスチャ画像とともにステージ操作ボタン421が表示される。使用者は、
図1の操作部250を用いてステージ操作ボタン421を操作することにより、ステージ141の載置面の位置をX方向、Y方向およびZ方向に移動させることができる。
【0099】
設定作成者は、主表示欄411に表示されるテクスチャ画像を視認しつつ
図1の投光部110および受光部120に対する設定用対象物Sの位置および姿勢を調整する。設定用対象物Sの位置および姿勢は、設定用対象物Sの計測対象部分の寸法が適切に計測できるように調整される。
【0100】
上部副表示欄412には、例えば受光部120の倍率、ステージ141上に照射される照明光および測定光の明るさ等の撮像条件をそれぞれ調整するための複数の操作部が表示される。そこで、設定作成者は、主表示欄411に表示されるテクスチャ画像を視認しつつ上部副表示欄412に表示される複数の操作部を操作することにより撮像条件を調整する。撮像条件は、設定用対象物Sの計測対象部分の寸法が適切に計測できるように調整される。
【0101】
側部副表示欄413には、位置決め設定ボタン431および測定ボタン432が表示される。設定作成者は、位置決め設定ボタン431を操作することにより、後述する位置決め用画像データの登録方法を設定することができる。
【0102】
設定用対象物Sの位置および姿勢が適切に調整されるとともに撮像条件が適切に調整された後、設定作成者は測定ボタン432を操作する。それにより、測定ボタン432の操作に応答してテクスチャ画像データが取得される。取得されたテクスチャ画像データは
図1の記憶装置240に記憶される。また、ステージ141上の設定用対象物Sに測定光が照射され、高さ画像データが取得される。取得された高さ画像データは
図1の記憶装置240に記憶される。さらに、本実施の形態では、生成されたテクスチャ画像データと高さ画像データとが合成されることにより、合成画像データが取得される。取得された合成画像データは
図1の記憶装置240に記憶される。
【0103】
ここで、本実施の形態においては、テクスチャ画像データおよび高さ画像データを取得するために共通の光学系および撮像素子121aが用いられる。測定ボタン432の操作によるテクスチャ画像データおよび高さ画像データの取得時には、CPU210において撮像素子121aの画素ごとにテクスチャ画像データおよび高さ画像データの対応付けが行われる。それにより、取得されるテクスチャ画像データおよび高さ画像データは、画素ごとに対応付けられた状態で記憶装置240に記憶される。
【0104】
テクスチャ画像データ、高さ画像データおよび合成画像データが生成されると、
図10に示すように、生成されたテクスチャ画像データ、高さ画像データおよび合成画像データのいずれかに基づく設定用対象物Sの画像が主表示欄411に表示される。この状態で、側部副表示欄413には、主表示欄411に表示されるべき画像の種類を選択するための複数の画像選択ボタン433が表示される。
【0105】
図10の例では、複数の画像選択ボタン433として、テクスチャ画像を選択するためのボタン、平面図に相当する高さ画像を選択するためのボタン、および外観斜視図に相当する立体的な高さ画像を選択するためのボタンが示される。設定作成者は、複数の画像選択ボタン433のいずれかを選択することにより、設定用対象物Sについての所望の画像を主表示欄411に切り替えて表示させることができる。
【0106】
側部副表示欄413の下部には、解析ボタン434および戻るボタン435が表示される。設定作成者は、戻るボタン435を操作することにより、表示部400を
図9の表示状態に戻すことができる。それにより、設定作成者は、テクスチャ画像データ、高さ画像データおよび合成画像データを再取得することができる。
【0107】
設定作成者は、検査設定情報を生成するために
図10の解析ボタン434を操作する。この場合、
図11に示すように、主表示欄411には、直前の測定ボタン432の操作により記憶されたテクスチャ画像データ、高さ画像データおよび合成画像データに基づくテクスチャ画像、高さ画像および合成画像が一覧表示される。また、上部副表示欄412には、保存ボタン441、基準面設定ボタン442、位置合わせボタン443およびプロファイルボタン444が表示される。
【0108】
設定モードにおいては、取得されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データのうちいずれかを基準画像データとして登録することができる。基準画像データは、後述する検査モードで取得される検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データの位置合わせを行うために用いられる。その位置合わせは、設定モードで登録された基準画像データと検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データのうちのいずれかとのパターンマッチングにより実行される。それにより、検査モードにおいて検査対象物Sにおける計測対象箇所の寸法を正確に検査することが可能になる。基準画像データを用いた位置合わせの詳細は後述する。
【0109】
設定作成者は、基準画像データについての設定を行うために
図11の位置合わせボタン443を操作する。この場合、
図12に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sのテクスチャ画像が表示されるとともに、側部副表示欄413に基準画像データを登録しないことを指定するためのオフボタン451、および基準画像データを登録することを指定するためのオンボタン452が表示される。また、側部副表示欄413には、オフボタン451およびオンボタン452に加えて、詳細位置合わせ設定ボタン453、位置合わせテストボタン454、OKボタン455およびキャンセルボタン456が表示される。
【0110】
治具等を用いることによりステージ141上に載置される設定用対象物Sおよび検査対象物Sの位置および姿勢が変化しない場合には、検査モードにおいて必ずしも位置合わせを行う必要はない。このような場合に、設定作成者は、オフボタン451を操作するとともにOKボタン455を操作する。それにより、基準画像データが登録されない。
【0111】
一方、基準画像データを登録するために設定作成者がオンボタン452を操作すると、
図13に示すように、主表示欄411に表示されるテクスチャ画像上に領域指定画像が重畳表示される。この領域指定画像は、登録されることになる基準画像データに対応する画像上の領域を指定するための画像である。
図13および後続の図面においては、矩形の領域指定画像が適宜白色のハッチングで示される。
【0112】
また、
図13の例では、側部副表示欄413に画像選択操作部461、矩形領域設定ボタン462、全領域設定ボタン463および回転範囲設定操作部464が表示される。設定作成者は、画像選択操作部461を操作することにより、基準画像データを登録するために用いる画像データとして、テクスチャ画像データおよび高さ画像データのいずれか一方を選択することができる。
【0113】
テクスチャ画像データが選択されると、
図13に示すように主表示欄411にテクスチャ画像が表示される。一方、高さ画像データが選択されると、
図14に示すように主表示欄411に高さ画像が表示される。それにより、設定作成者は、画像選択操作部461を操作しつつ主表示欄411を視認することにより基準画像データに適した画像データを識別することができる。
【0114】
設定作成者は、基準画像データの登録に用いる画像データを選択した後、例えば矩形領域設定ボタン462を操作する。この場合、設定作成者は、主表示欄411上でドラッグ操作を行うことにより、矩形の領域指定画像の位置および大きさを変更することができる。それにより、設定作成者は、基準画像データに対応する画像上の領域を所望の位置および所望の大きさに設定し、設定された領域に対応する基準画像データを登録することができる。
【0115】
一方、設定作成者は、基準画像データの登録に用いる画像データを選択した後、例えば全領域設定ボタン463を操作する。それにより、設定作成者は、選択された画像データの全領域に対応する基準画像データを登録することができる。
【0116】
上記の操作により登録される基準画像データの画像の領域は、後述する検査モードの位置合わせにおけるパターンマッチングの探索領域として設定される。本例の画像検査装置500においては、検査モードの位置合わせにおけるパターンマッチングの探索条件として、上記の探索領域に加えて探索角度を設定することができる。
【0117】
設定作成者は、
図13および
図14の回転範囲設定操作部464を操作することにより、探索角度を制限することまたは探索角度を制限しないことを設定することができる。さらに、設定作成者は、探索角度を制限する場合に、探索角度の大きさを指定することができる。この場合、指定された大きさで探索角度が設定される。
【0118】
画像データの選択、探索領域の設定および探索角度の設定が終了すると、設定作成者は、側部副表示欄413に表示されるOKボタン455を操作する。それにより、基準画像データが登録された状態で、表示部400が
図12の表示状態に戻る。
【0119】
設定モードにおいては、設定用対象物Sの特徴部分を登録しておくことにより、検査モードのパターンマッチングによる位置合わせの後、登録された特徴部分に基づいてより詳細な位置合わせ(以下、詳細位置合わせと呼ぶ。)を行うことができる。
【0120】
設定用対象物Sの特徴部分を登録する場合、設定作成者は、基準画像データに関する登録作業の後に、
図12の詳細位置合わせ設定ボタン453を操作する。この場合、
図15に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sのテクスチャ画像が表示されるとともに、側部副表示欄413に複数の描画ボタン471、エッジ検出ボタン472、画像選択操作部473および複数の詳細位置合わせ方法ボタン474が表示される。
【0121】
設定作成者は、まず画像選択操作部473を操作することにより、特徴部分を登録するために用いる画像データとして、テクスチャ画像データおよび高さ画像データのいずれか一方を選択することができる。
【0122】
テクスチャ画像データが選択されると、
図15に示すように主表示欄411にテクスチャ画像が表示される。一方、高さ画像データが選択されると、主表示欄411に高さ画像が表示される。それにより、設定作成者は、画像選択操作部473を操作しつつ主表示欄411を視認することにより特徴部分を登録するために適した画像データを識別することができる。
【0123】
続いて、設定作成者は、複数の描画ボタン471を操作することにより、主表示欄411に表示される設定用対象物Sの画像上に、特徴部分を特定するための幾何図形として点または線を描画する。
図15の例では、略長方形状を有する設定用対象物Sの画像の一の短辺とその短辺に直交する一の長辺にそれぞれ沿うように2本の直線が描画されている。ここで、設定作成者は、描画作業の前に予めエッジ検出ボタン472を操作しておくことにより、設定用対象物Sの画像上で検出されるエッジに沿うように2本の直線を描画することができる。
【0124】
特徴部分を特定するための幾何図形の描画が完了すると、設定作成者は、複数の詳細位置合わせ方法ボタン474のいずれかを操作する。それにより、描画された幾何図形に基づく特徴部分の特定方法が設定される。
【0125】
図15の例では、テクスチャ画像上に描画された2本の直線により、2本の直線の交点に位置する設定用対象物Sの角部が特定される。また、その角部から延びる直線に沿う設定用対象物Sの一の短辺が特定される。特定された角部および一の短辺がその設定用対象物Sの特徴部分として登録される。
【0126】
特徴部分の登録が終了すると、設定作成者は、側部副表示欄413に表示されるOKボタン455を操作する。それにより、表示部400が
図12の表示状態に戻る。
【0127】
設定用対象物Sを用いた検査設定情報の生成前には、設定用対象物Sと同じ形状を有する測定対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データが予め標本画像データとして取得され、
図1の記憶装置240に記憶されている。
【0128】
設定作成者は、登録された基準画像データにより検査モードの位置合わせが適切に実行されるか否かを、標本画像データに基づいて判定することができる。この場合、設定作成者は、
図12の側部副表示欄413に表示される位置合わせテストボタン454を操作する。それにより、
図16に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sのテクスチャ画像が表示される。そのテクスチャ画像には、白い一点鎖線で示すように中心部で直交する2本の直線が重畳表示される。さらに、そのテクスチャ画像には、登録された基準画像データに対応する探索領域が重畳表示される。
図16では、探索領域が白いハッチングで示される。
【0129】
また、テクスチャ画像の下部には、テクスチャ画像上で横方向に延びる直線に対応する設定用対象物Sの表面形状が表される。さらに、テクスチャ画像の側部には、テクスチャ画像上で縦方向に延びる直線に対応する設定用対象物Sの表面形状が表される。この時点で主表示欄411に表示される複数の画像は、基準画像データの登録前に取得された設定用対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データに基づく画像である。
【0130】
上記のように、主表示欄411に複数の画像が表示された状態で、側部副表示欄413に標本画像選択操作部481、表示画像選択操作部482、テスト実行ボタン483および戻るボタン484が表示される。
【0131】
標本画像選択操作部481は、例えばプルダウンメニューを含み、予め
図1の記憶装置240に記憶されている1または複数の標本画像データを選択可能に構成される。設定作成者は、標本画像選択操作部481を操作することにより、所望の標本画像データを選択する。それにより、選択された標本画像データが読み出される。
【0132】
次に、設定作成者は、表示画像選択操作部482を操作することにより、主表示欄411に表示される画像を選択することができる。例えば、設定作成者は、設定用対象物Sの画像のみを主表示欄411に表示させることができる。また、設定作成者は、読み出された標本画像データに基づく画像のみを主表示欄411に表示させることができる。さらに、設定作成者は、
図17に示すように、設定用対象物Sの画像と標本画像データに基づく画像とを、主表示欄411上で重畳表示させることができる。
【0133】
設定用対象物Sに対応する標本画像データが読み出された状態で、設定作成者はテスト実行ボタン483を操作する。それにより、設定用対象物Sについて登録された基準画像データに対応する標本画像データが位置合わせ用画像データとして登録される。
【0134】
すなわち、基準画像データがテクスチャ画像データである場合には、テクスチャ画像データの標本画像データが位置合わせ用画像データとして登録される。一方、基準画像データが高さ画像データである場合には、高さ画像データの標本画像データが位置合わせ用画像データとして登録される。
【0135】
その後、位置合わせ用画像データがパターンマッチングにより基準画像データに位置合わせされる。この状態で、設定作成者は、
図18に示すように、例えば主表示欄411上で設定用対象物Sのテクスチャ画像と標本画像データに基づくテクスチャ画像とが広い範囲に渡って重なり合っていることを確認することができる。それにより、登録された基準画像データが適切であることを容易かつ短時間で判定することができる。
【0136】
ここで、
図19に示すように、設定用対象物Sのテクスチャ画像のうち特徴的なパターンが存在しない部分に対応する基準画像データが登録される場合には、パターンマッチングが適切に行われない可能性がある。この場合、
図20に示すように、設定用対象物Sのテクスチャ画像と標本画像データに基づくテクスチャ画像とがほとんど重ならない状態で表示される。それにより、設定作成者は、主表示欄411を視認することにより登録された基準画像データが適切でないことを容易かつ短時間で判定することができる。したがって、設定作成者は、新たな基準画像データを再度登録することができる。
【0137】
なお、
図1のCPU210において、基準画像データへの位置合わせ用画像データの位置合わせが正確に行われたか否かを判定することが可能である場合には、その判定結果が表示部400に表示されてもよい。
【0138】
上記のように、登録された基準画像データについての判定を行った後、設定作成者は、戻るボタン484を操作する。それにより、表示部400が
図11の表示状態に戻る。
【0139】
設定モードにおいては、設定用対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さが像データが取得された後、Z方向に交差する任意の基準面を指定することが可能である。この場合、設定作成者は、
図11の基準面設定ボタン442を操作する。それにより、
図21に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sのテクスチャ画像が表示される。そのテクスチャ画像には、
図16の例と同様に、中心部で直交する2本の直線が重畳表示される。また、テクスチャ画像の下部に横方向に延びる直線に対応する設定用対象物Sの表面形状が表される。さらに、テクスチャ画像の側部に縦方向に延びる直線に対応する設定用対象物Sの表面形状が表される。
【0140】
設定作成者は、主表示欄411上でドラッグ操作を行うことにより、白いハッチングで示すように、所望の位置に所望の大きさの矩形領域を所望の数指定することができる。この場合、指定された1または複数の矩形領域の全体が含まれるように基準面が算出され、登録される。具体的には、基準面は、例えば指定された1または複数の矩形領域の表面の各部分のZ方向の位置に基づいて、最小二乗法を用いることにより算出される。
【0141】
このようにして算出された基準面が登録されることにより、設定用対象物Sについて取得された高さ画像データは、設定用対象物Sの表面の各部分の位置が登録された基準面に直交する方向においてその基準面からの距離を表すように補正される。この場合、補正後の高さデータによれば、基準面からの設定用対象物Sの表面の各部分の位置を容易に確認することができる。
【0142】
例えば、
図21に示すように、設定用対象物Sが載置されるステージ141の載置面の一部の領域に基準面が登録される場合、高さ画像データは設定用対象物Sの表面の各部分の位置がステージ141の載置面からの距離を表すように補正される。基準面の登録が完了すると、設定作成者は、側部副表示欄413に表示されるOKボタン455を操作する。それにより、表示部400が
図11の表示状態に戻る。
【0143】
設定作成者は、設定用対象物Sについて取得されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データに基づいて予め定められた計測対象部分の寸法を計測する。この場合、設定作成者は、
図11のプロファイルボタン444を操作する。それにより、
図22に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sの合成画像およびテクスチャ画像が隣り合うように表示される。また、合成画像およびテクスチャ画像の下方に、設定用対象物Sの表面形状を表示するための表示領域が形成される。
【0144】
図22の表示状態において、テクスチャ画像の上部には、表示画像切替ボタン419が表示される。設定作成者は、表示画像切替ボタン419を操作することにより、主表示欄411に表示されるテクスチャ画像を高さ画像に切り替えることができる。また、主表示欄411に表示される高さ画像をテクスチャ画像に切り替えることができる。
【0145】
側部副表示欄413には、複数の描画ボタン471、エッジ検出ボタン472および画像選択操作部473が表示される。設定作成者は、まず画像選択操作部473を操作することにより、計測対象部分の寸法を計測するために用いる画像データとして、テクスチャ画像データおよび高さ画像データのいずれか一方を選択することができる。
【0146】
続いて、設定作成者は、複数の描画ボタン471を操作することにより、主表示欄411に表示される設定用対象物Sの画像上に、計測対象部分を特定するための幾何図形として点または線を描画する。ここで、設定作成者は、描画作業の前に予めエッジ検出ボタン472を操作しておくことにより、設定用対象物Sの画像上で検出されるエッジに沿う線または点を容易に描画することができる。
【0147】
図23に示すように、主表示欄411に表示される設定用対象物Sの画像に描画された幾何図形が重畳表示される。
図23の例では、主表示欄411に表示されるテクスチャ画像上に横方向に延びる直線が重畳表示される。また、直線に対応する設定用対象物Sの表面形状が合成画像およびテクスチャ画像の下方に表示される。
【0148】
この状態で、側部副表示欄413に複数の寸法計測方法ボタン491が表示される。そこで、設定作成者は、複数の寸法計測方法ボタン491のいずれかを操作するとともに主表示欄411に表示される複数の画像上で計測対象部分を指定する。それにより、指定される計測対象部分の寸法が計測される。その結果、
図24に示すように、計測対象部分を示す画像が設定用対象物Sの画像上に重畳表示されるとともに、計測結果(計測値)が主表示欄411に表示される。
【0149】
上記のようにして、1または複数の計測対象部分の寸法が計測された後、設定作成者は、側部副表示欄413に表示されるOKボタン455を操作する。それにより、
図25に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sについての複数の画像が表示されるとともに、それらの画像の下方に計測結果が一覧表示される。このとき、計測対象部分ごとに寸法の設計値、上限値および下限値を入力するための複数の入力欄492が表示される。本例では、上限値と下限値との間の範囲が公差に相当する。
【0150】
設定作成者は、計測結果を確認しつつ計測対象部分の各々の設計値、上限値および下限値を入力する。それにより、計測結果が入力された上限値と下限値との間の範囲(公差)内である場合には、当該計測結果に対応する計測対象部分の寸法が適切であると判定することができる。一方、計測結果が入力された上限値と下限値との間の範囲(公差)内にない場合には、当該計測結果に対応する計測対象部分の寸法が適切でないと判定することができる。
【0151】
その後、設定作成者は、
図25の上部副表示欄412の保存ボタン441を操作する。それにより、設定用対象物Sの計測対象部分の寸法を計測するための種々の情報を含む検査設定情報のデータファイルが、検査設定ファイルとして
図1の記憶装置240に記憶される。それにより、検査設定情報の生成作業が終了する。
【0152】
検査設定情報には、主として、撮像条件、X−Yステージ10(ステージ141の載置面)の移動量、基準画像データ、画像処理の設定条件、特徴部分の指定方法、基準面の登録条件、計測対象部分の指定方法、寸法の計測方法、寸法の設計値、寸法の上限値、寸法の下限値、テクスチャ画像データ、高さ画像データ、合成画像データおよび後述する位置決め用画像データ等が含まれる。
【0153】
なお、
図25の表示状態においては、側部副表示欄413に工程情報ボタン493および保存オプションボタン494が表示される。設定作成者は、工程情報ボタン493を操作することにより、検査設定情報として、後述する検査モードにおける検査対象物Sの「ロット番号」、「品名」および「納入先」等の情報を入力することができる。また、設定作成者は、保存オプションボタン494を操作することにより、後述する検査モードにおいて計測結果を保存すべき条件等の種々の情報を入力することができる。
【0154】
設定モードにおいては、検査設定情報として位置決め用画像データが登録される。位置決め用画像データが登録されることにより、後述する検査モードにおける検査対象物Sの検査時に、検査対象物Sの位置および姿勢を設定モードにおける設定用対象物Sの位置および姿勢に容易かつ正確に合わせることが可能になる。
【0155】
設定作成者は、上記のように、
図9の側部副表示欄413に表示される位置決め設定ボタン431を操作することにより、位置決め用画像データの登録方法を設定することができる。以下の説明では、位置決め用画像データに基づく画像を位置決め用画像と呼ぶ。
【0156】
例えば、設定作成者は、
図9の測定ボタン432の操作により取得される設定用対象物Sのテクスチャ画像データが位置決め用画像データとして登録されるように位置決め用画像データの登録方法を設定することができる。この場合、例えば
図9に示される設定用対象物Sのテクスチャ画像が位置決め用画像となる。
【0157】
また、設定作成者は、複数の位置決め用画像データが登録されるように位置決め用画像データの登録方法を設定することもできる。複数の位置決め用画像データの登録作業が開始されると、
図26に示すように、主表示欄411に設定用対象物Sのテクスチャ画像が表示されるとともに側部副表示欄413に登録ボタン415および完了ボタン417が表示される。
【0158】
設定作成者は、設定用対象物Sが所望の位置および姿勢にある状態で登録ボタン415を操作する。それにより、取得されるテクスチャ画像データが一の位置決め用画像データとして登録される。続いて、設定作成者は、撮像条件を変更したり、X−Yステージ10(ステージ141の載置面)を移動させたりすることにより、設定用対象物Sの位置および姿勢を再調整した後登録ボタン415を操作する。それにより、新たに取得されるテクスチャ画像データが次の位置決め用画像データとして登録される。このような登録作業が繰り返されることにより、複数の位置決め用画像データが登録される。
【0159】
このとき、登録された位置決め用画像データに基づく位置決め用画像は、
図26および
図27に示すように、側部副表示欄413に順次縮小表示される。したがって、設定作成者は、登録された複数の位置決め用画像データを容易に認識することができる。
【0160】
ここで、1または複数の位置決め用画像データがそれぞれ登録される際には、各位置決め用画像データが取得される際の撮像条件がその位置決め用画像データに対応付けられた状態で
図1の記憶装置240に記憶される。また、複数の位置決め用画像データが登録される場合、その登録作業時に設定作成者により移動されるX−Yステージ10のX方向、Y方向およびZ方向の移動量が、複数の位置決め用画像データに対応付けられた状態で記憶装置240に記憶される。
【0161】
例えば、まず受光部120が低倍率に設定された状態で、
図26に示すように、設定用対象物Sの全体を示すテクスチャ画像データが取得され、取得されたテクスチャ画像データが1番目の位置決め用画像データとして登録される。このとき、その登録時点の受光部120の倍率を含む撮像条件が1番目の位置決め用画像データに対応付けられた状態で記憶装置240に記憶される。
【0162】
次に、設定作成者は、設定用対象物Sの一の角部がテクスチャ画像の中央に表示されるように、X−Yステージ10(ステージ141の載置面)をX方向およびY方向に移動させる。その後、設定作成者は、受光部120の倍率を低倍率から高倍率に変更する。それにより、
図27に示すように、設定用対象物Sの一の角部が拡大された画像を示すテクスチャ画像データが取得される。この状態で、取得されたテクスチャ画像データが2番目の位置決め用画像データとして登録される。このとき、その登録時点の受光部120の倍率を含む撮像条件が2番目の位置決め用画像データに対応付けられた状態で記憶装置240に記憶される。また、1番目の位置決め用画像データが取得された後2番目の位置決め用画像データが取得されるまでのX−Yステージ10の移動量がそれらの位置決め用画像データに対応付けられた状態で記憶装置240に記憶される。
【0163】
所望の数の位置決め用画像データが登録されると、設定作成者は、完了ボタン417を操作する。それにより、表示部400は
図9の表示状態に戻る。
【0164】
(5−3)検査モードの詳細
検査作業者が
図8の検査実行ボタン602を操作することにより、
図1のCPU210が検査モードで動作する。検査モードにおいては、設定作成者によって生成された検査設定情報に基づいて検査作業者が検査対象物Sの検査を行う。
【0165】
図28〜
図34は、検査モードでの画像検査装置500の一使用例を説明するための図である。
図8の検査実行ボタン602が操作されることにより、
図28に示すように、表示部400に主表示欄411、上部副表示欄412および側部副表示欄413が表示される。
【0166】
図28の例では、主表示欄411にステージ141の載置面を示すテクスチャ画像が表示されている。上部副表示欄412には、例えば複数種類の撮像条件をそれぞれ調整するための複数のプルダウンメニューが表示される。
【0167】
側部副表示欄413には、検査設定ファイル選択部511および測定ボタン513が表示される。検査設定ファイル選択部511は、例えばプルダウンメニューを含み、設定モードにおいて予め
図1の記憶装置240に記憶されている1または複数の検査設定ファイルのうちいずれか1つを選択可能に構成される。
【0168】
検査作業者は、検査設定ファイル選択部511を操作することにより、所望の検査設定ファイルを選択する。それにより、選択された検査設定ファイルの検査設定情報が読み出される。本例では、上記の設定モードにおいて
図9〜
図25に示す手順で生成される検査設定情報が読み出されるものとする。
【0169】
検査設定情報に含まれる位置決め用画像データが1つである場合、
図29に示すように、その位置決め用画像データに基づく位置決め用画像がリアルタイム表示されるテクスチャ画像に重なるように半透明状態で主表示欄411に表示される。このとき、その位置決め用画像データに対応付けられた撮像条件が読み出される。それにより、受光部120の倍率等の撮像条件が、読み出された位置決め用画像データに対応する撮像条件に調整される。
【0170】
この状態で、検査作業者はステージ141上に検査対象物Sを載置する。検査対象物Sが受光部120による撮像領域内に進入すると、
図30に示すように、主表示欄411には設定用対象物Sの位置決め用画像と検査対象物Sの最新のテクスチャ画像とが同時に表示される。
【0171】
検査作業者は、主表示欄411を視認することにより、
図31に示すように、位置決め用画像における設定用対象物Sの部分とテクスチャ画像における検査対象物Sの部分とがほぼ全ての領域に渡って重なり合うように検査対象物Sの位置および姿勢を調整する。それにより、検査対象物Sの位置および姿勢が、設定モードにおいて位置決め用画像が生成されるときの設定用対象物Sの位置および姿勢に一致するまたは近づく。
【0172】
主表示欄411に位置決め用画像が表示される際には、
図1のCPU210において位置決め用画像データと最新のテクスチャ画像データとの一致の度合いが一致度として算出される。一致度は、位置決め用画像における設定用対象物Sの部分とテクスチャ画像における検査対象物Sの部分との重なり合う面積が大きいほど高くなり、その重なり合う面積が小さいほど低くなる。
【0173】
本実施の形態においては、一致度には予め定められたしきい値が設定されている。しきい値は、一定以上の検査精度を得るために許容される検査対象物Sの位置および姿勢の誤差範囲を考慮して定められる。
【0174】
図29〜
図31に示すように、側部副表示欄413には、一致度インジケータ512が表示される。一致度インジケータ512においては、算出される一致度が棒グラフで表されるとともに、しきい値が所定の目盛りで表される。それにより、検査作業者は、設定用対象物Sの位置決め用画像および検査対象物Sのテクスチャ画像を視認するとともに一致度インジケータ512により表示される一致度に基づいてステージ141上の検査対象物Sの位置および姿勢を容易かつ正確に調整することができる。
【0175】
検査作業者は、検査対象物Sの位置および姿勢の調整が完了すると、測定ボタン513を操作する。それにより、読み出された検査設定情報に基づいて、検査対象物Sの計測対象箇所が計測され、検査対象物Sの検査が行われる。
【0176】
具体的には、まずステージ141上の検査対象物Sについて計測対象部分の寸法を計測するためのテクスチャ画像データおよび高さ画像データが取得される。このとき、取得されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データは、画素ごとに対応付けられた状態で記憶装置240に記憶される。その後、検査設定情報として読み出された基準画像データに対応する画像データが位置合わせ用画像データとして登録される。例えば、基準画像データがテクスチャ画像データである場合には、検査対象物Sのテクスチャ画像データが位置合わせ用画像データとして登録される。また、基準画像データが高さ画像データである場合には、検査対象物Sの高さ画像データが位置合わせ用画像データとして登録される。その後、パターンマッチングにより位置合わせ用画像データを基準画像データに位置合わせすることにより、検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データが位置合わせされる。
【0177】
次に、検査設定情報に詳細位置合わせのための特徴部分の情報が含まれる場合には、登録された特徴部分に対応する検査対象物Sの画像データの部分が検出される。また、検出された部分が登録された設定用対象物Sの画像データの特徴部分に合うように、検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データがより詳細に位置合わせされる。
【0178】
続いて、検査設定情報に基準面の情報が含まれる場合には、その基準面を登録するために指定された1または複数の矩形領域に対応する1または複数の領域の高さ画像データが抽出される。また、抽出された高さ画像データに基づいて基準面が算出され、登録される。その後、検査対象物Sについて取得された高さ画像データは、検査対象物Sの表面の各部分の位置が登録された基準面に直交する方向においてその基準面からの距離を表すように補正される。この場合、補正後の高さデータによれば、基準面からの検査対象物Sの表面の各部分の位置を容易に確認することができる。
【0179】
検査対象物Sについてテクスチャ画像データおよび高さ画像データの位置合わせが完了すると、設定モードにおいて実行された計測手順に従って検査対象物Sの計測対象部分の寸法が計測される。
【0180】
計測が終了すると、各計測対象部分についての計測結果が設定モードにおいて設定された上限値と下限値との間の範囲(公差)内であるか否かが判定される。その結果、全ての計測対象部分についての計測結果が設定された上限値と下限値との間の範囲内である場合には、その検査対象物Sは良品であると判定される。一方、1または複数の計測対象部分のうち少なくとも1つの計測対象部分の計測結果が設定された上限値と下限値との間の範囲(公差)内にない場合には、その検査対象物Sは不良品であると判定される。
【0181】
画像検査装置500の誤操作、画像検査装置500の誤設定または外乱等の影響により一部または全ての計測対象部分について計測結果が得られない場合がある。この場合、
図1のCPU210において当該検査対象物Sの検査に失敗したことが判定されてもよい。
【0182】
上記の一連の処理が完了すると、
図32に示すように、表示部400に例えば検査対象物Sのテクスチャ画像、高さ画像および検査結果の一覧が表示される。また、テクスチャ画像データ、高さ画像データ、合成画像データ、各計測対象部分の寸法および検査結果を含むデータファイルが、検査結果ファイルとして記憶装置240に記憶される。その後、検査作業者は、
図32の閉じるボタン514を操作する。それにより、表示部400は、
図8の表示状態に戻る。
【0183】
なお、検査結果の一覧においては、検査対象物Sが良品であると判定された場合に検査結果として「OK」が表示されてもよい。また、検査対象物Sが不良品であると判定された場合に検査結果として「NG」が表示されてもよい。検査対象物Sの検査に失敗したことが判定された場合に検査結果として「Fail」が表示されてもよい。さらに、検査結果の一覧においては、検査対象部分ごとに計測結果が上限値と下限値との間の範囲内であるか否かを示す判定結果が表示されてもよい。
【0184】
ここで、検査モードにおいて読み出される検査設定情報に、
図26および
図27に示すように登録された複数の位置決め用画像データが含まれる場合について説明する。この場合、検査設定情報が読み出されると、
図33に示すように、1番目に登録された位置決め用画像データに基づく位置決め用画像が半透明状態で主表示欄411に表示される。また、側部副表示欄413に、次へボタン515が表示される。
【0185】
図33の例では、1番目の位置決め用画像として、低倍率で取得された設定用対象物Sの全体の位置決め用画像が表示されている。このとき、受光部120の倍率等の撮像条件が、1番目の位置決め用画像データに対応する撮像条件に調整される。
【0186】
検査作業者は、ステージ141上に検査対象物Sを載置し、設定用対象物Sの位置決め用画像および検査対象物Sのテクスチャ画像を視認するとともに一致度インジケータにより表示される一致度に基づいて検査対象物Sの位置および姿勢を調整する。
【0187】
その後、検査作業者は、次へボタン515を操作する。それにより、
図34に示すように、2番目に登録された位置決め用画像データに基づく位置決め用画像が半透明状態で主表示欄411に表示される。次の位置決めデータ(3番目以降の位置決め用画像データ)が存在しない場合、側部副表示欄413に、
図33の次へボタン515は表示されない。
【0188】
図34の例では、2番目の位置決め用画像として、高倍率で取得された設定用対象物Sの一の角部を示す位置決め用画像が表示されている。このとき、受光部120の倍率等の撮像条件が、2番目の位置決め用画像データに対応する撮像条件に調整される。また、X−Yステージ10が、1番目および2番目の位置決め用画像データに対応するように記憶された移動量分移動される。それにより、主表示欄411には、検査対象物Sの一の角部を示す最新のテクスチャ画像がリアルタイム表示される。
【0189】
この場合、検査対象物Sは1番目の位置決め用画像に基づいてほぼ正確に位置決めされているので、2番目の位置決め用画像が表示される際に、ステージ141を微調整することにより、より正確な位置決めを短時間で行うことができる。
【0190】
検査モードにおいて検査結果ファイルが
図1の記憶装置240に記憶された後、設定作成者は、
図8の統計解析ボタン603を操作することにより、過去に実行された検査結果の統計解析を行うことができる。その統計解析においては、例えば、過去に検査が行われた検査対象物Sについての解析結果として、検査設定情報、検査された検査対象物Sの数、検査位置の合計、有効に検査が行われた計測対象部分の数および良品と判定された検査対象物Sの数等を表示部400に表示させることができる。
【0191】
また、設定作成者は、
図8の統計解析ボタン603を操作することにより、印字装置を用いて所望の検査結果ファイルから所望の情報をプリントアウトすることができる。このとき、検査結果ファイルに検査対象物Sの「ロット番号」、「品名」および「納入先」等の情報が含まれている場合には、検査結果のレポートを容易かつ短時間で作製することができる。
【0192】
なお、設定作成者は、
図8の設定編集ボタン604を操作することにより、記憶装置240に記憶された1または複数の検査設定ファイルから所望の検査設定ファイルを指定することができる。また、指定された検査設定ファイルの検査設定情報を編集し、編集後の検査設定ファイルを再度記憶装置240に記憶させることができる。例えば、設定作成者は、所望の検査設定ファイルを選択するとともに、その検査設定ファイルの検査設定情報のうち、位置決め用画像データを他の位置決め用画像データに変更することができる。
【0193】
(5−4)検査設定結合機能
設定作成者は、
図8の設定編集ボタン604を操作することにより、検査設定ファイルの編集に加えて、複数の検査設定ファイルを結合して新たな検査設定ファイルを生成することもできる。この機能を検査設定結合機能と呼ぶ。
【0194】
検査設定結合機能について具体的な使用例とともに説明する。
図35は、1つの設定用対象物Sに対して複数の計測対象部分が存在する場合の一例を示す図である。
図35の例では、半導体パッケージである設定用対象物Sの四隅の近傍に第1の計測対象部分tp1、第2の計測対象部分tp2、第3の計測対象部分tp3および第4の計測対象部分tp4がそれぞれ存在する。
【0195】
ここで、第1〜第4の計測対象部分tp1〜tp4について、より高い精度で検査を行うために受光部120の倍率を高倍率に設定すると、設定用対象物Sの全体を受光部120の撮像範囲内に収めることができない。そこで、設定作成者は、第1〜第4の計測対象部分tp1〜tp4についてそれぞれ個別の検査設定情報を生成する。この場合、第1〜第4の計測対象部分tp1〜tp4をそれぞれ含む複数の部分が高倍率の受光部120により撮像される。
図35では、高倍率の受光部120による撮像範囲が計測対象部分ごとに一点鎖線で示される。
【0196】
第1〜第4の計測対象部分tp1〜tp4についてそれぞれ個別の検査設定情報が生成されると、第1〜第4の計測対象部分tp1〜tp4にそれぞれ対応する4つの検査設定ファイルが記憶装置240に記憶される。以下の説明では、第1の計測対象部分tp1に対応する検査設定ファイルのファイル名を第1の計測対象部分ファイルと呼び、第2の計測対象部分tp2に対応する検査設定ファイルのファイル名を第2の計測対象部分ファイルと呼ぶ。また、第3の計測対象部分tp3に対応する検査設定ファイルのファイル名を第3の計測対象部分ファイルと呼び、第4の計測対象部分tp4に対応する検査設定ファイルのファイル名を第4の計測対象部分ファイルと呼ぶ。
【0197】
第1〜第4の計測対象部分ファイルが記憶装置240に記憶されることにより、設定作成者は、検査設定結合機能を用いて第1〜第4の計測対象部分ファイルを結合し、新たな検査設定ファイルを生成することができる。
【0198】
図36および
図37は、検査設定結合機能の使用例を説明するための図である。検査設定結合機能を用いる場合、設定作成者は、まず
図8の設定編集ボタン604を操作する。それにより、
図36に示すように、表示部400の上部副表示欄412にファイルボタンおよびヘルプボタンとともに結合ボタン521が表示される。
【0199】
さらに、設定作成者は、
図36の結合ボタン521を操作する。それにより、
図37に示すように、主表示欄411の中央部に、結合対象となる複数の検査設定ファイルのファイル名をそれぞれ入力するための複数の入力欄522が表示される。そこで、設定作成者は、各入力欄522に結合対象となる複数の検査設定ファイルのファイル名を入力する。本例では、4つの入力欄522にそれぞれ「第1の計測対象部分ファイル」、「第2の計測対象部分ファイル」、「第3の計測対象部分ファイル」および「第4の計測対象部分ファイル」が入力される。
【0200】
設定作成者は、結合対象をさらに追加したい場合、追加ボタン523を操作する。それにより、新たな入力欄522を主表示欄411上に表示させることができる。
【0201】
所望のファイル名を入力した後、設定作成者は、保存ボタン524を操作する。それにより、入力された複数の検査設定ファイルの検査設定情報が結合され、新たな検査設定ファイルが結合検査設定ファイルとして生成される。生成された結合検査設定ファイルは記憶装置240に記憶される。本例では、第1〜第4の計測対象部分ファイルが結合される。
【0202】
なお、測定管理者は、保存ボタン524の操作前に主表示欄411に表示される工程情報ボタン525を操作することにより、結合検査設定ファイルの検査設定情報として、上記の「ロット番号」、「品名」および「納入先」等の情報を入力することができる。
【0203】
検査モードにおいて検査作業者が結合検査設定ファイルを選択すると、第1〜第4の計測対象部分をそれぞれ検査するための複数の検査設定情報が一度に読み出される。その後、第1〜第4の計測対象部分ファイルの複数の検査設定情報に基づいて第1〜第4の計測対象部分の寸法が順次検査される。
【0204】
(5−5)テクスチャ画像データおよび高さ画像データの連結機能
設定モードにおいては、X−Yステージ10を移動させつつ設定用対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを取得することができる。検査モードにおいても、X−Yステージ10を移動させつつ検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを取得することができる。
【0205】
この場合、X−Yステージ10の移動前に生成されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データとX−Yステージ10の移動後に生成されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データとを連結することができる。それにより、各モードにおいて複数のテクスチャ画像データが連結された連結テクスチャ画像データが生成される。また、複数の高さ画像データが連結された連結高さ画像データが生成される。
【0206】
上記の機能によれば、設定作成者は、受光部120の撮像範囲よりも大きい範囲に対応する連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データを取得することができる。それにより、設定作成者は、受光部120の撮像範囲よりも広い範囲に渡って散在する複数の計測対象部分に対応する一の検査設定情報を作成することが可能になる。
【0207】
図38は、連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データの一生成例を説明するための図である。
図38(a)〜(c)においては、ステージ141の載置面を上方から見た平面図が示される。各平面図には、受光部120の撮像範囲が点線で示される。ステージ141の載置面上には、帯状の測定対象物SがX方向に延びるように載置されている。
【0208】
図38(a)に示すように、本例の測定対象物Sの長さは、受光部120の撮像範囲内に収まらない。そのため、測定対象物Sの全体を撮像するためには、X−Yステージ10をX方向に移動させつつ測定対象物Sの各部を複数回撮像する必要がある。
【0209】
この場合、設定作成者は、
図38(b)に示すように、まず測定対象物Sの一端部が撮像されるようにX−Yステージ10を移動させ、測定対象物Sの一端部が撮像されるときのX−Yステージ10の位置を登録することができる。
【0210】
次に、設定作成者は、
図38(c)に示すように、測定対象物Sの他端部が撮像されるようにX−Yステージ10を移動させ、測定対象物Sの他端部が撮像されるときのX−Yステージ10の位置を登録することができる。
【0211】
これにより、登録されたX−Yステージ10の複数の位置からその移動量が算出されるとともにその移動量に基づいて、登録されたX−Yステージ10の複数の位置の間でテクスチャ画像データおよび高さ画像データが取得されるべき回数(取得回数)が算出される。
【0212】
取得回数は、隣り合う位置で取得されるテクスチャ画像データおよび高さ画像データの一部が互いに重複するように算出される。当該重複部分は、隣接するテクスチャ画像データおよび高さ画像データを連結する際ののりしろとなる。重複部分を含むようにテクスチャ画像データおよび高さ画像データが取得されることにより、パターンマッチングを用いて隣接するテクスチャ画像データおよび高さ画像データを高い精度で連結することができる。
【0213】
上記のようにして、X−Yステージ10の移動範囲およびテクスチャ画像データおよび高さ画像データの取得回数が決定された後、X−Yステージ10が移動されつつ測定対象物Sが複数回撮像される。複数回の撮像により取得される複数のテクスチャ画像データおよび高さ画像データがそれぞれ連結されることにより、連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データが生成される。
【0214】
ここで、連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データは、それぞれ広範囲に渡る複数のテクスチャ画像データおよび複数の連結高さ画像データを含む。そのため、通常のテクスチャ画像データおよび高さ画像データに比べてデータ量が大きくなる。
【0215】
そこで、本例の画像検査装置500においては、設定モードにおいて連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データが生成される際に、保存するデータ量のサイズを複数の候補から選択するための選択操作部が表示部400に表示される。それにより、設定作成者は、所望のデータ量のサイズを選択することができる。この場合、データ量が選択されたサイズに収まるように生成された連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データの画素データの間引き(ビニング処理)が実行され、間引きされた連結テクスチャ画像データおよび連結高さ画像データが記憶装置240に保存される。
【0216】
(6)画像検査処理
(6−1)CPUの構成
測定部100において測定された高さ画像データを用いることにより、複数の測定対象物Sの各々について予め設定された検査対象部分の寸法を計測することができる。それにより、複数の測定対象物Sを検査することが可能になる。一方で、高さ画像データの測定においては、検査対象部分に正確な測定が不可能または困難な部分を含むことが多い。正確な測定が不可能または困難な部分とは、例えば影が発生する部分または光の多重反射が発生する部分である。
【0217】
したがって、検査対象部分が測定可能となるように、測定対象物Sの位置および姿勢を含めた測定条件を適切に調整しなければならない。しかしながら、熟練していない設定作成者には、測定対象物Sの測定条件を適切に調整することは難しい。また、複数の測定対象物Sを検査する場合、複数の測定対象物Sについて実際の検査対象部分のばらつきをなくすことは容易ではない。
【0218】
そこで、上述のように、画像検査装置500には、設定モードおよび検査モードが設けられる。
図39は、PC200のCPU210により実行される画像検査処理を示すフローチャートである。
図39に示すように、画像検査処理においては、設定モードにおけるCPU210の制御動作が行われた後(ステップS100)、検査モードにおけるCPU210の制御動作が行われる(ステップS200)。
【0219】
図40は、CPU210の構成を示すブロック図である。
図40に示すように、CPU210は、登録部210A、取得指令部210B、表示指令部210C、計測部210D、受け付け部210E、一致度算出部210F、位置合わせ部210Gおよび判定部210Hを含む。CPU210が
図1の記憶装置240に記憶された画像検査プログラムを実行することにより、登録部210A、取得指令部210B、表示指令部210C、計測部210D、受け付け部210E、一致度算出部210F、位置合わせ部210Gおよび判定部210Hの機能が実現される。
【0220】
登録部210Aは、測定部100または制御部300を通して取得される種々のデータまたは情報を記憶装置240に記憶することにより、当該データまたは情報を登録する。取得指令部210Bは、測定対象物Sのテクスチャ画像データまたは高さ画像データを取得するように測定部100および制御部300に指令を与える。表示指令部210Cは、テクスチャ画像データ、高さ画像データまたは他の画像データに基づいて画像等を表示するように表示部400に指令を与える。
【0221】
計測部210Dは、測定対象物Sのテクスチャ画像データまたは高さ画像データに基づいて、測定対象物Sの計測対象部分の寸法を計測する。受け付け部210Eは、測定対象物Sの計測対象部分の設計値および公差の入力を受け付ける。一致度算出部210Fは、登録された位置決め用画像データと取得されたテクスチャ画像データとの一致度を算出する。
【0222】
位置合わせ部210Gは、パターンマッチングにより位置合わせ用画像データを基準画像データに位置合わせすることにより、テクスチャ画像データおよび高さ画像データの位置合わせを行う。判定部210Hは、測定対象物Sについて計測された寸法ならびに受け付けられた設計値および公差に基づいて測定対象物Sの良否を判定する。
【0223】
以下、設定モードおよび検査モードにおけるCPU210の制御動作を
図40および後述するフローチャートを用いて説明する。
【0224】
(6−2)設定モードにおけるCPUの制御動作
図41〜
図45は、設定モードにおけるCPU210の制御動作を示すフローチャートである。まず、設定作成者は、ステージ141に設定用対象物Sを載置し、適切な測定条件を設定する。この測定条件には、上記の撮像条件が含まれる。CPU210は、設定作成者による操作部250の操作に基づいて、測定条件を登録する(ステップS101)。
【0225】
次に、CPU210は、ステージ141に設定用対象物Sが載置された状態で、測定部100および制御部300に指令を与えることにより、設定用対象物Sのテクスチャ画像データを取得する(ステップS102)。CPU210は、表示部400に指令を与えることにより、取得したテクスチャ画像データに基づいて設定用対象物Sのテクスチャ画像を表示部400に表示する(ステップS103)。
【0226】
続いて、CPU210は、取得したテクスチャ画像データを位置決め用画像データとして登録するか否かを判定する(ステップS104)。上記の具体例では、設定作成者は、複数の位置決め用画像データを登録することが設定されている場合に、操作部250を操作することにより、テクスチャ画像データを位置決め用画像データとして登録するか否かをCPU210に指示することができる。
【0227】
テクスチャ画像データを位置決め用画像データとして登録することが指示された場合、CPU210は、テクスチャ画像データを位置決め用画像データとして登録する(ステップS105)。一方、テクスチャ画像データを位置決め用画像データとして登録することが指示されない場合、CPU210はステップS102の処理に戻る。位置決め用画像データが登録されるまで、ステップS102〜S104の処理が繰り返される。
【0228】
ステップS105の後、CPU210は、位置決め用画像データを追加するか否かを判定する(ステップS106)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、位置決め用画像データを追加するか否かをCPU210に指示することができる。位置決め用画像データを追加することが指示された場合、CPU210はステップS102の処理に戻る。全ての位置決め用画像データが追加されるまで、ステップS102〜S106の処理が繰り返される。
【0229】
なお、上記の具体例では、1つの位置決め用画像データのみを登録することが設定されている場合に、ステップS104から後述するステップS106までの処理が省略され、後述するステップS107の処理で取得されるテクスチャ画像データが位置決め用画像データとして登録される。
【0230】
全ての位置決め用画像データが追加された後、CPU210は、設定作成者による操作部250の操作に応答して測定部100および制御部300に指令を与えることにより、設定用対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを順次取得する(ステップS107)。CPU210は、表示部400に指令を与えることにより、取得したテクスチャ画像データおよび高さ画像データに基づいて設定用対象物Sのテクスチャ画像および高さ画像を表示部400に表示する(ステップS108)。
【0231】
次に、CPU210は、取得したテクスチャ画像データが基準画像データとして選択されたか否かを判定する(ステップS109)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、テクスチャ画像データを基準画像データとして選択するかまたは高さ画像データを基準画像データとして選択するかをCPU210に指示することができる。上記の具体例では、設定作成者が操作部250を用いて
図13および
図14の画像選択操作部461を操作することにより画像データの選択が行われる。
【0232】
ここで、表示部400には、テクスチャ画像および高さ画像が表示される。そのため、設定作成者は、テクスチャ画像および高さ画像を視認しつつ、テクスチャ画像データおよび高さ画像データのいずれを基準画像データとして選択するべきか否かを判断することができる。
【0233】
テクスチャ画像データを基準画像データとして選択することが指示された場合、CPU210は、テクスチャ画像データを基準画像データとして選択する(ステップS110)。一方、テクスチャ画像データを基準画像データとして選択することが指示されず、高さ画像データを基準画像データとして選択することが指示された場合、CPU210は、高さ画像データを基準画像データとして選択する(ステップS111)。
【0234】
次に、CPU210は、選択された基準画像データにおいて、探索領域として矩形領域が指定されたか否かを判定する(ステップS112)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、探索領域として矩形領域を指定するかまたは探索領域として全領域を指定するかをCPU210に指示することができる。また、矩形領域を指定する場合には、設定作成者は、操作部250を操作することにより、矩形領域の位置および大きさを指定することができる。
【0235】
探索領域として矩形領域を指定することが指示された場合、CPU210は、指定された矩形領域を探索領域として登録する(ステップS113)。一方、探索領域として矩形領域を指定することが指示されず、全領域を指定することが指示された場合、CPU210は、探索領域として全領域を登録する(ステップS114)。
【0236】
続いて、CPU210は、選択された基準画像データにおいて、探索角度が指定されたか否かを判定する(ステップS115)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、探索角度を指定するかまたは探索角度を制限しないかをCPU210に指示することができる。また、探索角度を指定する場合には、設定作成者は、操作部250を操作することにより、探索角度の大きさを指定することができる。
【0237】
探索角度を指定することが指示された場合、CPU210は、指定された角度を探索角度として登録する(ステップS116)。一方、探索角度を指定することが指示されず、探索角度を制限しないことが指示された場合、CPU210は、探索角度を無制限に登録する(ステップS117)。
【0238】
その後、CPU210は、ステップS109〜S117において設定された内容で基準画像データを登録するか否かを判定する(ステップS118)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、基準画像データを登録するか否かをCPU210に指示することができる。基準画像データを登録することが指示された場合、CPU210は、基準画像データを登録する(ステップS119)。一方、基準画像データを登録することが指示されていない場合、CPU210は、ステップS122の処理に進む。
【0239】
基準画像データが登録された場合、CPU210は、取得したテクスチャ画像データまたは高さ画像データの特徴部分が指定されたか否かを判定する(ステップS120)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、取得したテクスチャ画像データまたは高さ画像データの任意の特徴部分をCPU210に指定することができる。取得したテクスチャ画像データまたは高さ画像データの特徴部分が指定された場合、CPU210は、指定された画像データの特徴部分を登録する(ステップS121)。一方、基準画像データの特徴部分が指定されていない場合、CPU210は、ステップS122の処理に進む。
【0240】
次に、CPU210は、設定用対象物Sの高さ画像データの基準面が指定されたか否かを判定する(ステップS122)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、設定用対象物Sの高さ画像データの基準面をCPU210に指定することができる。基準面が指定された場合、CPU210は、設定用対象物Sの高さ画像データの指定された基準面を登録する(ステップS123)。一方、基準面が指定されていない場合、CPU210は、ステップS125の処理に進む。
【0241】
基準面が登録された場合、CPU210は、登録した基準面に基づいて設定用対象物Sの高さ画像データを補正する(ステップS124)。具体的には、CPU210は、設定用対象物Sの表面の各部分の位置が高さ方向において登録された基準面からの距離を表すように、取得した高さ画像データを補正する。
【0242】
次に、CPU210は、設定用対象物Sの計測対象部分が指定されたか否かを判定する(ステップS125)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、設定用対象物Sの計測対象部分をCPU210に指定することができる。計測対象部分が指定された場合、CPU210は、指定された設定用対象物Sの計測対象部分を登録する(ステップS126)。一方、計測対象部分が指定されていない場合、CPU210は、ステップS130の処理に進む。計測対象部分が登録された場合、CPU210は、取得したテクスチャ画像データまたは高さ画像データに基づいて、登録した計測対象部分の寸法を計測する(ステップS127)。
【0243】
続いて、CPU210は、設定用対象物Sの計測対象部分の設計値および公差が入力されたか否かを判定する(ステップS128)。なお、設計値および公差のうち一方の入力が省略されてもよい。設定作成者は、操作部250を操作することにより、設定用対象物Sの計測対象部分の設計値および公差をCPU210に入力することができる。設計値および公差が入力された場合、CPU210は、入力された設定用対象物Sの計測対象部分の設計値および公差を登録する(ステップS129)。一方、設計値および公差が入力されていない場合、CPU210は、ステップS130の処理に進む。
【0244】
その後、CPU210は、設定モードの終了が指示されたか否かを判定する(ステップS130)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、設定モードの終了をCPU210に指示することができる。上記の具体例では、設定作成者が操作部250を用いて
図25の保存ボタン441を操作することにより設定モードの終了が指示される。このとき、CPU210は、設定モードの終了の指示に応答して上記のステップS101〜S129の処理により登録された情報を含む検査設定情報のデータファイルを検査設定ファイルとして記憶装置240に記憶する。
【0245】
設定モードの終了が指示されていない場合、CPU210は、ステップS109の処理に戻る。これにより、設定モードの終了が指示されるまで、ステップS109〜S130の処理が繰り返される。一方、設定モードの終了が指示された場合、CPU210は設定モードを終了する。
【0246】
(6−3)検査モードにおけるCPUの制御動作
図46および
図47は、検査モードにおけるCPU210の制御動作を示すフローチャートである。
図46および
図47の処理は、検査作業者が任意の検査設定ファイルを指定することにより、指定された検査設定ファイルの検査設定情報に基づいて実行される。
【0247】
まず、CPU210は、表示部400に指令を与えることにより、登録された1または複数の位置決め用画像データのうち1つの位置決め用画像データに基づいて位置決め用画像を表示部400に表示する(ステップS201)。検査作業者は、ステージ141に検査対象物Sを載置する。
【0248】
CPU210は、ステージ141に検査対象物Sが載置された状態で、テクスチャ画像データを取得するように測定部100および制御部300に指令を与えることにより、検査対象物Sのテクスチャ画像データを取得する(ステップS202)。CPU210は、表示部400に指令を与えることにより、取得したテクスチャ画像データに基づいて検査対象物Sのテクスチャ画像を表示部400に表示する(ステップS203)。
【0249】
ここで、表示部400には、位置決め用画像および検査対象物Sのテクスチャ画像が表示されている。そのため、検査作業者は、位置決め用画像および検査対象物Sのテクスチャ画像を視認しつつステージ141に載置された検査対象物Sの位置および姿勢を調整することができる。これにより、検査作業者は、検査対象物Sの位置および姿勢を設定用対象物Sの位置および姿勢にそれぞれ近づけることができる。
【0250】
また、CPU210は、位置決め用画像データと検査対象物Sのテクスチャ画像データとの一致度を算出する(ステップS204)。CPU210は、表示部400に指令を与えることにより、算出した一致度および一致度についてのしきい値を表示部400に表示する(ステップS205)。上記の具体例では、一致度およびしきい値が
図29〜
図31の一致度インジケータ512により表示される。検査作業者は、表示部400に表示された一致度を視認することにより、ステージ141に検査対象物Sを載置する際に検査対象物Sの位置および姿勢を設定用対象物Sの位置および姿勢にそれぞれ容易に近づけることができる。また、検査作業者は、表示部400に表示された一致度についてのしきい値を視認することにより、検査対象物Sの位置および姿勢を設定用対象物Sの位置および姿勢にそれぞれ近づける際の許容度を認識することができる。
【0251】
続いて、CPU210は、他の位置決め用画像の表示が指示されたか否かを判定する(ステップS206)。検査作業者は、操作部250を操作することにより、他の位置決め用画像を表示するか否かをCPU210に指示することができる。他の位置決め用画像の表示が指示された場合、CPU210は、ステップS201の処理に戻る。
【0252】
他の位置決め用画像の表示が指示されない場合、CPU210は、登録された全ての位置決め用画像データに基づく位置決め用画像が表示部400に表示されたか否かを判定する(ステップS207)。全ての位置決め用画像が表示されていない場合、CPU210はステップS200の処理に戻る。一方、全ての位置決め用画像が表示された場合、CPU210は、検査対象物Sの画像データの取得が指示されたか否かを判定する(ステップS208)。設定作成者は、操作部250を操作することにより、検査対象物Sの画像データの取得をCPU210に指示することができる。検査対象物Sの画像データの取得が指示されていない場合、CPU210は、ステップS201の処理に戻る。
【0253】
上記のフローによれば、複数の位置決め用画像が登録されている場合に、全ての位置決め用画像が表示されるまで、ステップS201〜S207の処理が繰り返される。これにより、検査作業者は、複数の位置決め用画像を用いて検査対象物Sの位置および姿勢を段階的に調整することができる。
【0254】
検査対象物Sの画像データの取得が指示された場合、CPU210は、測定部100および制御部300に指令を与えることにより検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを順次取得する(ステップS209)。次に、CPU210は、取得した検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データのうち、登録した基準画像データに対応する画像データを位置合わせ用画像データとして登録する(ステップS210)。
【0255】
続いて、CPU210は、設定した位置合わせ用画像データに基づいて、検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを位置合わせする(ステップS211)。具体的には、CPU210は、パターンマッチングにより位置合わせ用データを基準画像データに位置合わせすることにより、検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを位置合わせする。探索領域または探索角度が設定されている場合には、パターンマッチングは設定された探索領域内または探索角度内で行われる。
【0256】
その後、CPU210は、登録された画像データの特徴部分に基づいて、検査対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データを詳細に位置合わせする(ステップS212)。設定モードにおいて基準画像の特徴部分が登録されていない場合には、ステップS211の処理は省略される。次に、CPU210は、登録された基準面に基づいて検査対象物Sの高さ画像データを補正する(ステップS213)。設定モードにおいて基準面が登録されていない場合には、ステップS213の処理は省略される。
【0257】
続いて、CPU210は、登録された設定用対象物Sの計測対象部分に対応する検査対象物Sの計測対象部分の寸法を計測する(ステップS214)。その後、CPU210は、設定用対象物Sについて計測された寸法、検査対象物Sについて計測された寸法ならびに受け付けた設計値および公差に基づいて検査対象物Sの良否を判定する(ステップS215)。なお、設定モードにおいて、設計値および公差のうち一方が省略されている場合、CPU210は、設定用対象物Sについて計測された寸法、検査対象物Sについて計測された寸法ならびに受け付けた設計値および公差のうち他方に基づいて検査対象物Sの良否を判定する。CPU210は、表示部400に指令を与えることにより、判定結果を表示部400に表示する(ステップS216)。これにより、CPU210は検査モードを終了する。なお、検査モードの終了時に、CPU210は上記の判定結果等のデータファイルを検査結果ファイルとして記憶装置240に記憶する。
【0258】
(7)効果
本実施の形態に係る画像検査装置500においては、設定モードにおいて、設定用対象物Sの位置および姿勢を示す位置決め用画像データが登録される。位置決め用画像データに基づく位置決め用画像は、設定用対象物Sの位置および姿勢を示す。設定モードにおいては、設定作成者が設定用対象物Sの計測対象部分に影または光の多重反射等が発生しないように設定用対象物Sの位置および姿勢を調整した状態で位置決め用画像データを取得することができる。
【0259】
検査モードにおいて、検査対象物Sのテクスチャ画像データが取得され、テクスチャ画像データに基づく検査対象物Sのテクスチャ画像が位置決め用画像とともに表示部400に表示される。そのため、検査作業者は、表示部400に表示された検査対象物Sのテクスチャ画像および位置決め用画像を視認することにより、ステージ141に検査対象物Sを載置する際に検査対象物Sの位置および姿勢を設定用対象物Sの位置および姿勢にそれぞれ近づけることが可能になる。これにより、検査作業者が熟練していない場合であっても、検査モードにおいて、検査対象物Sの計測対象部分に影または光の多重反射等が発生しないように検査対象物Sの位置および姿勢を調整することができる。
【0260】
また、検査モードにおいて取得される検査対象物Sについてのテクスチャ画像データおよび高さ画像データは、設定モードにおいて取得された設定用対象物Sについてのテクスチャ画像データおよび高さ画像データに高い精度でそれぞれ位置合わせされる。そのため、設定モードにおいて計測された設定用対象物Sの計測対象部分に対応する検査対象物Sの計測対象部分の寸法を検査モードにおいて高い精度で計測することが可能になる。これにより、検査作業者が熟練していない場合であっても、検査モードにおいて複数の検査対象物Sについて所望の計測対象部分の寸法を計測することができる。これらの結果、検査対象物Sの形状を容易にかつ正確に検査することができる。
【0261】
(8)他の実施の形態
(8−1)上記実施の形態では、設定モードにおいて設定用対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データが取得された後、基準画像データの登録に用いる画像データが選択されるが、本発明はこれに限定されない。基準画像データの登録に用いる画像データの選択は、テクスチャ画像データおよび高さ画像データの取得される前に行われてもよい。この場合、画像検査装置500においては、基準画像データの登録時に選択された画像データのみが基準画像データとして取得されてもよい。
【0262】
(8−2)上記実施の形態では、測定ボタン432,513の操作によりテクスチャ画像データおよび高さ画像データが取得され、取得されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データに基づいて、基準画像データ、位置合わせ用画像データおよび位置決め用画像データが登録され、特徴部分を登録するために用いる画像データが選択され、測定対象物Sの計測対象部分が計測されるが、本発明はこれに限定されない。
【0263】
基準画像データの登録処理、位置合わせ用画像データの登録処理、位置決め用画像データの登録処理、特徴部分を登録するために用いる画像データの選択処理、および測定対象物Sの計測対象部分の計測処理ごとに、各処理に必要な画像データが取得されてもよい。
【0264】
例えば、基準画像データとして予めテクスチャ画像データを登録することが既知である場合には、基準画像データの登録処理時に測定対象物Sのテクスチャ画像データのみが取得されてもよい。また、測定対象物Sの高さ方向に成分を持つ寸法のみを計測する場合には、測定対象物Sの計測対象部分の計測処理時に測定対象物Sの高さ画像データのみが取得されてもよい。
【0265】
(8−3)上記実施の形態では、測定対象物Sの計測対象部分の計測を行うためにテクスチャ画像データおよび高さ画像データが取得されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、測定対象物Sの高さ方向に成分を持つ寸法のみを計測する場合には、計測対象部分の寸法を計測するための画像データとして高さ画像データのみが取得されてもよい。
【0266】
(8−4)上記実施の形態において、テクスチャ画像データと高さ画像データとが共通の受光部120を用いて生成されるが、本発明はこれに限定されない。テクスチャ画像データと高さ画像データとが別個の受光部を用いて生成されてもよい。この場合、画像検査装置500には、一方の受光部により生成されたテクスチャ画像データと高さ他方の受光部により生成された画像データとを関連付けて記憶する記憶部が設けられる。当該記憶部は、一方の受光部に設けられてもよいし、他方の受光部に設けられもよい。あるいは、当該記憶部は、PC200の記憶装置240により実現されてもよい。
【0267】
(8−5)上記実施の形態では、設定モードにおいて取得された設定用対象物Sのテクスチャ画像データおよび高さ画像データのうち一方が設定作成者により基準画像データとして選択されるが、本発明はこれに限定されない。基準画像データとして用いる画像データの選択は、設定作成者による画像選択操作部461の操作に基づいて行われる代わりに、予め定められた条件に従ってCPU210により実行されてもよい。
【0268】
予め定められた条件として、例えば取得されたテクスチャ画像データおよび高さ画像データのうちエッジの検出量が大きい画像データを基準画像データとして用いることが記憶装置240に記憶される。CPU210は、記憶装置240に記憶された条件に従って、位置合わせに適した画像データを選択する。この場合、熟練していない設定作成者が、位置合わせに適していない画像データを誤って選択することが防止される。
【0269】
(8−6)上記実施の形態では、位置決め用画像データとして設定用対象物Sのテクスチャ画像データが用いられるが、本発明はこれに限定されない。位置決め用画像データは、設定用対象物Sの計測対象部分の寸法を計測するために用いられるテクスチャ画像データとは異なってもよい。例えば、位置決め用画像データとして、設定用対象物Sの高さ画像データが用いられてもよい。また、位置決め用画像データとして、設定用対象物Sとは異なる物体を撮像することにより得られるテクスチャ画像データまたは高さ画像データが用いられてもよい。
【0270】
(8−7)上記実施の形態の検査モードにおいて、検査対象物Sの位置および姿勢を検査作業者に調整させるための位置決め用画像が位置決め用画像データに基づいて表示部400に表示されるが、本発明はこれに限定されない。検査モードにおいて、位置決め用画像が位置決め用画像データに基づいて表示部400に表示されなくてもよい。
【0271】
例えば、検査モードにおいて、位置決め用画像データに基づいてステージ141がステージ駆動部143により移動されてもよい。この場合、位置決め用画像データおよびステージ141に載置された検査対象物Sのテクスチャ画像データに基づいて、検査対象物Sの位置および姿勢が設定用対象物Sの位置および姿勢にそれぞれ近づくようにステージ141が自動的に移動される。そのため、検査作業者は、検査対象物Sの位置および姿勢の調整を行う必要がない。
【0272】
あるいは、検査モードにおいて、検査対象物Sの位置および姿勢を検査作業者に調整させるための音声誘導または映像誘導が位置決め用画像データに基づいて行われてもよい。
図48は、位置決め用画像データに基づく映像誘導の一例を示す図である。投光部110のパターン生成部112は、測定光を用いてプロジェクタとして映像をステージ141に投影することが可能である。そこで、
図48に示すように、検査モードにおいて、測定対象物Sの平面映像Sxが位置決め用画像データに基づいてステージ141に投影されてもよい。検査作業者は、平面映像Sxに重なるように測定対象物Sをステージ141に載置することにより、検査対象物Sの位置および姿勢を調整することができる。
【0273】
あるいは、治具がステージ141に設けられてもよい。
図49は、測定対象物Sの位置決めのための治具がステージ141に設けられた例を示す図である。
図49に示すように、治具144はステージ141の略中央に固定される。治具144には測定対象物Sを挿入可能である。設計モードにおいて、測定管理者は、設定用対象物Sの位置および姿勢を調整した状態で設定用対象物Sを治具144に挿入する。検査モードにおいて、検査作業者は、検査対象物Sを治具144に挿入することにより、検査対象物Sの位置および姿勢を調整することができる。この場合、設定モードにおいて、位置決め用画像データが登録されなくてもよい。
【0274】
(8−8)上記実施の形態では、検査モードにおいて位置決め用画像が半透明状態で主表示欄411上に表示されるが、本発明はこれに限定されない。位置決め用画像は、主表示欄411に表示されるテクスチャ画像の表示領域とは異なる領域に表示されてもよい。例えば、位置決め用画像は、側部副表示欄413に表示されてもよい。この場合においても、検査作業者は、位置決め用画像を視認しつつ検査対象物Sの位置および姿勢を調整することができる。
【0275】
(8−9)上記実施の形態では、同一の画像検査装置500において、設定モードにより検査設定情報が生成され、検査モードにおいてその検査設定情報に基づく検査対象物Sの検査が行われるが、本発明はこれに限定されない。例えば、一の画像検査装置500において設定モードで生成された検査設定情報を、他の画像検査装置500の記憶装置240に記憶させてもよい。この場合、他の画像検査装置500の検査モードにおいて、一の画像検査装置500で作成された検査設定情報を用いて検査対象物Sの検査を行ってもよい。
【0276】
(8−10)上記実施の形態において、測定ヘッド100Hが固定され、測定ヘッド100Hに対してステージ141が相対的に移動するように構成されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステージ141が固定され、ステージ141に対して測定ヘッド100Hが移動するように構成されてもよい。
【0277】
(8−11)上記実施の形態において、画像検査装置500は三角測距方式に基づいて高さ画像データを生成するが、本発明はこれに限定されない。画像検査装置500は、他の方式に基づいて高さ画像データを生成してもよい。
【0278】
例えば、画像検査装置500は、測定対象物Sと受光部120との距離を変化させつつ画像データを生成し、測定対象物Sに焦点が合った部分の画像データを合成することにより高さ画像データを生成してもよい。この場合、測定ヘッド100Hは、単一焦点型の光学系により構成されてもよいし、共焦点型の光学系により構成されてもよいし、光干渉型の光学系により構成されてもよい。
【0279】
(9)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0280】
上記実施の形態においては、測定対象物S、設定用対象物Sおよび検査対象物Sが測定対象物の例であり、ステージ141がステージの例である。受光部120、照明光出力部130、制御基板310および照明光源320が第1の画像データ取得手段の例である。投光部110、受光部120および制御基板310が第2の画像データ取得手段の例である。CPU210が制御手段および処理装置の例であり、表示部400が表示手段の例であり、操作部250および表示部400が第1〜第4の操作手段の例であり、画像検査装置500が画像検査装置の例である。
【0281】
取得指令部210Bが第1〜第6の取得指令手段の例であり、登録部210Aが第1〜第4の登録手段の例であり、計測部210Dが第1および第2の計測手段の例であり、受け付け部210Eが受け付け手段の例である。表示指令部210Cが第1〜第5の表示指令手段の例であり、位置合わせ部210Gが位置合わせ手段の例であり、判定部210Hが判定手段の例であり、一致度算出部210Fが一致度算出手段の例である。
【0282】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。