(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記埋め込み層及び前記機能層を切断する工程では、前記埋め込み層及び前記機能層とともに、前記基体を切断する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
前記埋め込み層及び前記機能層を切断する工程後に、切断された前記基体を前記樹脂層から剥離する工程を更に含む、ことを特徴とする前記請求項2に記載の表示装置の製造方法。
前記機能層は、薄膜トランジスタ層と、前記薄膜トランジスタ層の前記第一樹脂層と対向する側とは反対側に形成された前記自発光素子層と、前記薄膜トランジスタ層と前記第一樹脂層との間に備えられる第一バリア層と、前記自発光素子層の前記薄膜トランジスタ層と対向する側とは反対側に形成された第二バリア層と、を含み、
前記第二バリア層は更に、前記薄膜トランジスタ層の側面と、前記自発光素子層の端面とを取り囲むように配置される、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の表示装置。
前記第二バリア層と前記対向基板とは、充填材と、平面視において前記充填材の周囲を取り囲むように配置されたシール材と、を介して互いに貼り合わせがされている、ことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
前記シール材の前記充填材と対向する側とは反対側であって、前記第二バリア層と前記対向基板との間に配置されるスペーサを更に含む、ことを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一実施形態に係る表示装置]
はじめに、本発明の第一実施形態に係る表示装置の概略について、
図1〜3を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第一実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。また、
図2は、
図1の切断線II‐IIにおける断面を示す図であり、第一実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
図3は、
図2の破線IIIによって囲まれる領域を拡大して示す図である。
【0016】
本発明の第一実施形態に係る表示装置10は、自発光素子層132等を含んで構成される機能層を備える第一基板100と、対向基板である第二基板200とを有するものである。
【0017】
はじめに、第一基板100の構成について説明する。第一基板100は、フレキシブルな樹脂で形成された第一樹脂層110と、第一樹脂層110上に形成された第一機能層130とを含んで構成されている。
【0018】
第一樹脂層110は、柔軟性に優れ可撓性を有する材料によって形成され、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)によって形成されることとしてもよい。
【0019】
また、第一樹脂層110の下面側(後述する薄膜トランジスタ(TFT)層131と対向する側とは反対側)には、外部からの水分を遮断する第一保護フィルム140が取りつけられていることとしてもよい。第一保護フィルム140は、例えば、ポリエチレンフィルム、アルミフィルム等で実現されることとしてもよい。
【0020】
また、
図2に示されるように、第一樹脂層110の側面部には、第一樹脂層110の上面(後述するTFT層131と対向する側の面)に載る部分を有するように設けられた第一枠体120が備えられている。また、
図1に示されるように、第一枠体120は第一樹脂層110の周囲に備えられる。
【0021】
また、第一枠体120を第一樹脂層110の上面に載るように設けるために、第一枠体120の厚さは、第一樹脂層110の厚さよりも大きいものとすることとしてもよい。
【0022】
なお、後に詳しく説明するが、表示装置10に備えられる第一枠体120は、その製造方法において第一樹脂層110の周囲に埋め込まれるように形成されるものである。したがって、第一枠体120を後の説明においては、以後、第一埋め込み層120と呼ぶこととする。
【0023】
図3に示されるように、第一埋め込み層120は、第一樹脂層110の周囲に埋め込まれるように形成されることによって、第一樹脂層110の上面に載る部分を有するように設けられることとなる。
【0024】
また、第一埋め込み層120を形成する材料の防湿性は、第一樹脂層110を形成する材料よりも防湿性が高いものである。すなわち、第一埋め込み層120の防湿性は、第一樹脂層110の防湿性よりも高いものである。
【0025】
また、第一埋め込み層120は無機材料によって形成されることとしてもよい。第一樹脂層110は、前述のようにポリイミド等の有機樹脂によって形成される。有機樹脂は、無機材料と比較して水との親和性が高いため、外部の水蒸気等に起因する水分を取り込みやすいため防湿性が低いものである。
【0026】
仮に第一樹脂層110を経由して外部の水分が表示装置10の内部に侵入した場合、自発光素子層132等に悪影響を及ぼし、表示不良等を引き起こす虞がある。
【0027】
表示装置10に備えられる第一埋め込み層120は、外部からの水分が表示装置10内部に侵入することを抑制するために、第一樹脂層110の外表面を覆うように形成される。そして第一埋め込み層120が、第一樹脂層110の上面の一部まで覆うように備えられることによって、表示装置10内部への水分の侵入を更に抑制することとなる。
【0028】
第一機能層130は、
図2に示されるようにTFT層131と、TFT層131の第一樹脂層110と対向する側とは反対側に形成された自発光素子層132と、TFT層131と第一樹脂層110との間に備えられる第一バリア層133と、自発光素子層132のTFT層131と対向する側とは反対側に形成された第二バリア層134と、を含むこととしてもよい。
【0029】
そして、
図2に示されるように第二バリア層134は、TFT層131の側面と、自発光素子層132の端面とを取り囲むように配置されることとしてもよい。 第一機能層130の一部を構成する第一バリア層133及び第二バリア層134は、第一機能層130の内部を、外部からの腐食性ガス、水分、金属イオン等の汚染から保護するものである。
【0030】
第一バリア層133及び第二バリア層134は、例えば、Al
2O
3、SiO
2等の金属酸化物、SiN等の金属窒化物等によって形成されることとしてもよい。また、第一バリア層133及び第二バリア層134は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法、PVD法(physical vapor deposition)、ALD(atomic layer deposition)法を用いて形成されることとしてもよい。
【0031】
また、第一機能層130の一部を構成するTFT層131は、第一樹脂層110上に薄膜トランジスタ(TFT)を有する画素がマトリクス状に配置されたものである。
【0032】
TFT層131の一部を構成する、TFTは、ポリシリコンなどの半導体膜と、半導体膜を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して半導体膜の上方に配置されたゲート電極と、ゲート絶縁膜を貫通して半導体膜に電気的に接続するソース電極及びドレイン電極と、を含むこととしてもよい。また、TFT層131を構成する複数のTFTを制御するための、制御回路(図示なし)が、例えば前述の第一樹脂層110上に配置されることとしてもよい。
【0033】
また、第一機能層130の一部を構成する自発光素子層132は、画像を構成する複数の単位画素それぞれで輝度が制御されて発光するように設けらる。自発光素子層132は、共通電極132Bと、共通電極132BとTFT層131との間にある複数の画素電極132Aと、共通電極132Bと複数の画素電極132Aとの間に介在する発光層132Cと、を含むものである。
【0034】
共通電極132Bは、ITO(Indium Tin Oxide、インジウムスズ酸化物)やIZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明金属による導電膜で形成されることとしてもよい。
【0035】
また本明細書中における発光層132Cは、有機発光層であることとしてもよいし、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)等に代表される無機発光層であることとしてもよい。、また、有機発光層は、電子輸送層、ホール輸送層、電子注入層、ホール注入層等を含むこととしてもよい。
【0036】
第一実施形態に係る表示装置10における発光層132Cは、単色(白色)の光を発する材料で、複数の画素電極132Aに対して連続的に設けられている。他の態様として、発光層132Cは、それぞれの画素電極132Aに対して、複数色(例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色)の発光部に分割されて設けられることとしてもよい。
【0037】
次に、第二基板200の構成について説明する。第二基板200は、フレキシブルな樹脂で形成された第二樹脂層210と、第二樹脂層210上に形成された第二機能層230とを含んで構成されている。
【0038】
第二樹脂層210は、柔軟性に優れ可撓性を有する材料によって形成され、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)によって形成されることとしてもよい。
【0039】
また、第二樹脂層210の上面側(後述するカラーフィルタ層231と対向する側とは反対側)には、外部からの物理的な損傷等を抑制する第二保護フィルム(図示なし)が取りつけられていることとしてもよい。第二保護フィルムは、例えば、ポリエチレンフィルム等で実現されることとしてもよい。
【0040】
また、第二樹脂層210の側面部には、第二樹脂層210の周囲を囲むように設けられた第二枠体220が備えられていることとしてもよい。また、第二枠体220は、平面視において第一枠体120と後述するシール材300と少なくとも一部が重なるように配置されることとしてもよい。
【0041】
なお、後に詳しく説明するが、第二樹脂層210の周囲を囲むように設けられる第二枠体220は、その製造方法において第二樹脂層210の周囲に埋め込まれるように形成されるものである。したがって、第二枠体220を後の説明においては、以後、第二埋め込み層220と呼ぶこととする。
【0042】
また、第二埋め込み層220を形成する材料の防湿性は、第二樹脂層210を形成する材料よりも防湿性が高いものであることとしてもよい。
【0043】
また、第二埋め込み層220は無機材料によって形成されることとしてもよい。第二樹脂層210は、前述のようにポリイミド等の有機樹脂によって形成される。仮に第二樹脂層210を経由して外部の水分が第二基板200の内部に侵入した場合、第二基板200内部に曇りが発生する等の理由により表示不良等を引き起こす虞がある。
【0044】
表示装置10に備えられる第二埋め込み層220は、外部からの水分が表示装置10内部に侵入することを抑制するために、第二樹脂層210の側端面を覆うように形成されるものである。
【0045】
第二機能層230は、
図2に示されるように、カラーフィルタ層231と、カラーフィルタ層231の第二樹脂層210と対向する側とは反対側に形成された第三バリア層232と、を含むこととしてもよい。
【0046】
第二機能層230の一部を構成するカラーフィルタ層231は、
図2に示されるようにR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の着色層231R,231G,231Bを含んで構成されていることとしてもよい。前述の自発光素子層132から発せられる光が単色(白色)である場合、自発光素子層132から発せられる光(白色)は、各色の着色層231R,231G,231Bを通過することによって、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)それぞれの色として外部にて視認されることとなる。
【0047】
カラーフィルタ層231に含まれる着色層231R,231G,231Bのそれぞれは、樹脂内にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)それぞれの色の顔料を内部に分散したものであることとしてもよい。
【0048】
また、カラーフィルタ層231は、それぞれの色の領域を通過した光が隣接する他の色の領域に入り込むことを防ぐために、各色の着色層231R,231G,231Bの間にブラックマトリクス231Kを備えることとしてもよい。また、ブラックマトリクス231Kは、樹脂内に黒色の顔料を内部に分散したものであることとしてもよい。
【0049】
なお、第一機能層130の一部を構成する発光層132Cが、複数色(例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色)の発光部に分割されて設けられる、所謂塗り分け方式の発光層132Cである場合、第二機能層230はカラーフィルタ層231を含まないこととしてもよい。
【0050】
第二機能層230の一部を構成する第三バリア層232は、第二機能層230の内部を、外部からの腐食性ガス、水分、金属イオン等の汚染から保護するものである。第三バリア層232は、例えば、Al
2O
3、SiO
2等の金属酸化物、SiN等の金属窒化物等によって形成されることとしてもよい。また、第三バリア層232は、例えばCVD法、PVD法、ALD法を用いて形成されることとしてもよい。
【0051】
第一実施形態に係る表示装置10は、上記説明した第一基板100と、対向基板である第二基板200とは、シール材300(ダム材ともいう)及び/又は充填材400(フィル材ともいう)を介して互いに貼り合わせがされていることとしてもよい。
【0052】
図2に示されるように、第一実施形態に係る表示装置10は、第一基板100の一部を構成する第二バリア層134と、第二基板200とが、充填材400と、平面視において充填材
400の周囲を取り囲むように配置されたシール材300と、を介して互いに貼り合わせがされている。
【0053】
また、
図2に示されるように、上述のように第一基板100と第二基板200とが貼り合わせされることによって、第一バリア層133と第二バリア層134とは、シール材300と第一埋め込み層120とに挟持されることとなる。
【0054】
充填材400は、例えば光硬化樹脂等であることとしてもよい。充填材400が光硬化樹脂によって形成される場合、充填材400が配置される領域の周縁にシール材300を設け、シール材300によって囲まれる領域に、硬化前の光硬化樹脂を流し込み、その後光硬化することによって、第一基板100と第二基板200の貼り合せが行われることとしてもよい。
【0055】
また、第一基板100と、対向基板である第二基板200との間には、両基板の間隔を均一なものとするために、スペーサ350が備えられることとしてもよい。スペーサ350は、シール材300の外側領域のみに備えられることとしてもよい。また、スペーサ350は、第一基板100の端部と第二基板200の端部の間を埋めるように備えられることとしてもよい。
【0056】
図2に示されるように、第一実施形態に係る表示装置10には、シール材300の
充填材400と対向する側とは反対側であって、第二バリア層134と第二基板200との間に配置されるスペーサ350が備えられている。
【0057】
[第二実施形態に係る表示装置]
以下に、本発明の第二実施形態に係る表示装置20について、
図4を参照して説明する。
図4は、第二実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
【0058】
第二実施形態に係る表示装置20は、第一埋め込み層120の形状が、第一実施形態に係る表示装置10に備えられる第一埋め込み層120の形状と異なるものである。第二実施形態に係る表示装置20のそれ以外の構成については、第一実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0059】
第二実施形態に係る表示装置20の一部を構成する第一埋め込み層120は、平面視において第一樹脂層110の周囲に備えられるとともに、第一樹脂層110の上面(TFT層131と対向する側の面)の全体を覆うように備えられている。
【0060】
第二実施形態に係る表示装置20の第一埋め込み層120が、第一樹脂層110の周囲と上面の全面を覆うように備えられることによって、第一実施形態に係る表示装置10と比較して、表示装置20内部への水分の侵入を更に抑制することとなる。
【0061】
[第一実施形態に係る表示装置の製造方法]
次に、第一実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。
図5は、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するフローチャートである。
【0062】
図5に示されるように、第一実施形態に係る表示装置10の製造方法は、第一基板形成工程S1と、第二基板形成工程S2と、を含むこととしてもよい。
【0063】
第一基板形成工程S1は、複数の第一領域及びそれぞれの第一領域を囲む形状の第二領域を有する第一基体500を用意し、第二領域を避けて複数の第一領域に第一樹脂層110を形成する工程(第一樹脂層形成工程S11、及び、第一樹脂層一部除去工程S12)と、第二領域に、第一樹脂層110よりも防湿性の高い第一埋め込み層120を形成する工程(第一埋め込み層形成工程S13)と、第一樹脂層110及び第一埋め込み層120の上に、画像を構成する複数の単位画素それぞれで輝度が制御されて発光する自発光素子層132を含む第一機能層130を形成する工程(第一機能層形成工程S14)と、を含むものである。
【0064】
そして、第一実施形態に係る表示装置10の製造方法は、第一樹脂層110を複数の第一領域にそれぞれ対応して複数の部分に分離するように、第二領域を通るラインで、第一埋め込み層120及び第一機能層130を切断する工程(切断工程S4)を含むものである。
【0065】
なお、後に詳細に説明する切断工程S4において、第二領域を通るラインで、第一埋め込み層120及び第一機能層130を切断する切断線を、
図6A〜6Kにおいて符号SLと示すこととする。
【0066】
また、第二基板形成工程S2は、第二基体600を用意し、第二基体600上に第二樹脂層210を形成する工程(第二樹脂層形成工程S21)と、第二樹脂層210よりも防湿性の高い第二埋め込み層220を形成する工程(第二埋め込み層形成工程S22)と、第二樹脂層210及び第二埋め込み層220の上に、カラーフィルタ層231を含む第二機能層230を形成する工程(第二機能層形成工程S23)と、を含むこととしてもよい。
【0067】
以下、第一実施形態に係る表示装置10の製造方法におけるそれぞれの工程について
図6A〜6Kを参照して説明する。
【0068】
図6Aは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一基体に第一樹脂層を積層した状態を示す図である。
【0069】
第一実施形態に係る表示装置の製造に際し、はじめに用意された第一基体500に、フレキシブルな第一樹脂層110を形成する(第一樹脂層形成工程S11)。第一樹脂層形成工程S11は、複数の第1領域及びそれぞれの第一領域を囲む形状の第二領域を有する第一基体500を用意し、複数の第一領域及び第二領域に第一樹脂層110を形成する工程である。
【0070】
第一基体500が有する第一領域A1とは、後の工程において第一機能層130の一部を構成する自発光素子層132が形成される領域を含むものである。また、第二領域A2とは、自発光素子層132が形成される領域の周囲を取り囲み、後の切断工程S4において切断する切断線SLを該領域内に含むものである。
【0071】
用意される第一基体500は、無機材料によって形成されたものであることとしてもよい。具体的には、第一基体500は、ガラス等によって形成されたものであることとしてもよい。
【0072】
また、第一樹脂層110は例えば所定の樹脂を溶剤等に溶かした樹脂ワニスを第一基体500上に塗布し、溶剤を揮発させることによって形成することとしてもよい。
【0073】
後の工程において、第一基体500は形成された第一樹脂層110と剥離されることとなる。したがって、第一基体500は、第一樹脂層110との剥離の容易さ等を考慮した材料によって形成されることが好ましく、例えばガラス等の無機材料で形成されることとしてもよい。
【0074】
ガラス等の無機材料で形成された第一基体500は、有機材料によって形成される第一樹脂層110との親和性が弱いため、後の工程において容易に剥離可能となる。
【0075】
図6Bは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一樹脂層の一部を除去した状態を示す図である。
【0076】
第一樹脂層一部除去工程S12においては、第一樹脂層形成工程S11にて形成された第一樹脂層110のうち、第二領域A2に形成された第一樹脂層110の一部を除去する。すなわち、第一基体500上には、複数の第一領域A1に形成された第一樹脂層110のみが残ることとなる。
【0077】
第一樹脂層一部除去工程S12における第一樹脂層110の一部除去は、例えば所定のマスクを用いてパターニングすることによって実現されることとしてもよい。
【0078】
また、第一樹脂層一部除去工程S12における第一樹脂層110の一部除去は、例えばレーザー光線を用いた加工技術であるレーザーアブレーションを適用し実現することとしてもよい。レーザーアブレーションによる第一樹脂層110の一部除去は、マスクレスにて行うことが可能となるため、運用費の削減や、専用設備の導入の必要がなく、製造コストの低減が期待できる。
【0079】
図6Cは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一埋め込み層を形成した状態を示す図である。
【0080】
第一樹脂層一部除去工程S12によって第一樹脂層110の一部が除去されることによって、第一基体500上には凹部110CPが形成されていることとなる。第一埋め込み層形成工程S13においては、該凹部110CPを埋めるように第一埋め込み層120を形成する。
【0081】
第一埋め込み層120を形成する材料の防湿性は、第一樹脂層110を形成する材料の防湿性よりも高いものである。例えば、第一埋め込み層120が防湿性に優れた無機材料によって形成される場合、第一埋め込み層120はCVD法、PVD法、ALD法を用いて形成されることとしてもよい。
【0082】
このように、第一樹脂層110に予め形成された凹部を埋めるように、第一埋め込み層120を形成することによって、第一樹脂層110の上面に載る部分を有するように第一埋め込み層120を容易に形成することができる。
【0083】
図6Dは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、自発光素子層を含む第一機能層を形成した状態を示す図である。
【0084】
第一機能層形成工程S14においては、表示装置10の表示機能を発揮するための第一機能層130を形成する。具体的には、本実施形態に係る表示装置10の第一機能層130は、TFT層131、自発光素子層132を含んで構成されている。
【0085】
TFT層131、自発光素子層132は、既知の半導体製造プロセス方法である写真蝕刻技術(PEP技術、フォトリソグラフィ技術等)を用いて形成されることとしてもよい。
【0086】
以上、
図6A〜6Dを参照して説明した工程を経て、第一基板形成工程S1が完了する。
【0087】
次に、
図6E〜6Gを参照して第二基板形成工程S2について説明する。第二基板形成工程S2は、先に説明した第一基板形成工程S1とは別工程で行われることとなる。
【0088】
図6Eは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第二基体に第二樹脂層を積層した状態を示す図である。
【0089】
第二基板形成工程S2においては、はじめに用意された第二基体600に、フレキシブルな第二樹脂層210を形成する(第二樹脂層形成工程S21)。第二樹脂層形成工程S
21においては、第二基体600の一方側の面の全てを覆うように第二樹脂層210を形成することとしてもよい。
【0090】
また、用意される第二基体600は、無機材料によって形成されたものであることとしてもよい。具体的には、第二基体600は、ガラス等によって形成されたものであることとしてもよい。
【0091】
また、第二樹脂層210は例えば所定の樹脂を溶剤等に溶かした樹脂ワニスを第二基体600上に塗布し、溶剤を揮発させることによって形成することとしてもよい。
【0092】
後の工程において、第二基体600は形成された第二樹脂層210と剥離されることとなる。したがって、第二基体600は、第二樹脂層210との剥離の容易さ等を考慮した材料によって形成されることが好ましく、例えばガラス等の無機材料で形成されることとしてもよい。
【0093】
ガラス等の無機材料で形成された第二基板200は、有機材料によって形成される第二樹脂層210との親和性が弱いため、後の工程において容易に剥離可能となる。
【0094】
図6Fは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第二樹脂層の一部を除去した後、第二埋め込み層を形成した状態を示す図である。
【0095】
第二埋め込み層220は、形成された第二樹脂層210の一部を除去することによって形成された凹部
210CPに所定の材料を埋め込むことによって形成される。該凹部
210CPは、例えば、所定のマスクを用いてパターニングする方法や、レーザー光線を用いた加工技術であるレーザーアブレーションを適用した方法によって形成されることとしてもよい。
【0096】
また、第二埋め込み層220を形成する材料の防湿性は、第二樹脂層210を形成する材料の防湿性よりも高いものであることとしてもよい。第二埋め込み層220が無機材料によって形成される場合、例えばCVD法、PVD法,ALD法を用いて形成されることとしてもよい。
【0097】
図6Gは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、カラーフィルタ層を含む第二機能層を形成した状態を示す図である。
【0098】
カラーフィルタ層231は、既知の方法である写真蝕刻技術(PEP技術、フォトリソグラフィ技術等)を用いて形成されることとしてもよい。
【0099】
以上、
図6E〜6Gを参照して説明した工程を経て、第二基板形成工程S2が完了する。
【0100】
次に、
図6Dに示される第一基板100と、
図6Gに示される第二基板200とを貼り合せる(第一、第二基板貼り合せ工程S3)。
図6Hは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、
図6Dに示される第一基板と、
図6Gに示される第二基板とを貼り合せた状態を示す図である。
【0101】
両基板(第一、第二基板100,200)の貼り合せは、両基板に形成された第一埋め込み層120、第二埋め込み層220の周辺に備えられたシール材300を介して行われることとしてもよい。そして、第一基板100および、第二基板200の間には、間隙を埋めるように充填材400が充填されることとしてもよい。
【0102】
また、本工程において、第一基板100と第二基板200との間隔が一定なものとなるように、後に行われる切断工程S4にて切断される位置、すなわち第一埋め込み層120及び第一機能層130を切断する切断線SL上にスペーサ350を設けることとしてもよい。
【0103】
また、
図6Dに参照されるように、対向基板である第二基板200に備えられた第二埋め込み層220が、第二領域A2に対応する位置にあるように、第二基板200が、第一基板100に貼り合わされることとしてもよい。
【0104】
このように貼り合せることによって、切断工程S4において切断されるライン上に、第一埋め込み層120、第二埋め込み層220のそれぞれが配置されることとなる。ここで、第一埋め込み層120及び/又は第二埋め込み層220が無機材料で形成されている場合、一般的に無機材料は有機材料よりも脆く割れやすい性質を有するため、後の切断工程S4において切断が容易に行えるという利点を有する。
【0105】
次に、第一、第二基板貼り合せ工程S3にて貼り合わされたものを、表示装置10に相当する単位ごとに切断する(切断工程S4)。
図6Iは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、多面取りパネルを表示装置に相当する単位ごとに切断した状態を示す図である。
【0106】
切断工程S4は、例えば、第一、第二基体500,600をスクライブ(例えば、金属等の針を用いて刻みをつける、あるいはレーザー光線をして刻みをつける)し、ブレイク(スクライブした刻みに沿って分断)することによって行われることとしてもよい。すなわち、切断工程S4においては、第一埋め込み層120、第一機能層130とともに、第一基体500を切断することとしてもよい。また、切断工程S4においては、第一埋め込み層120、第一機能層130とともに、第二基板200を切断することとしてもよい。
【0107】
次いで、表示装置10に相当する単位ごとに切断した状態のものから、切断された第一、第二基体500,600のそれぞれを剥離する(基体(ガラス基板)除去工程S5)。
【0108】
図6Jは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一、第二基体を剥離した状態を示す図である。
【0109】
先に説明したように、ガラス等の無機材料で形成された第一、第二基体500,600は、有機材料によって形成される第一、第二樹脂層110,210との親和性が弱いため、本工程において容易に剥離可能となる。
【0110】
最後に、第一基体500が剥離され露出した第一樹脂層110の面に、外部からの水分の侵入、あるいは外部からの物理的損傷を防止するための第一保護フィルム140を取りつける(保護膜形成工程S6)。
【0111】
なお、保護膜形成工程S6においては、第二基体600が剥離され露出した第二樹脂層210の面に、物理的損傷を防止するための第二保護フィルム(図示なし)を取りつけることとしてもよい。
【0112】
図6Kは、第一実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、保護フィルムを取りつけ第一実施形態に係る表示装置が完成した状態を示す図である。
図6Kに示されるように、第一保護フィルム140は第一樹脂層110の第一機能層130が配置される側とは反対側に配置されることとなる。
【0113】
以上の工程を経て、第一実施形態に係る表示装置10を得ることができる。
【0114】
上記製造工程を経て得られる表示装置10は、樹脂層と、前記樹脂層の周囲に、前記樹脂層の上面に載る部分を有するように設けられた枠体と、前記樹脂層の上面及び前記枠体の上面に積層され、画像を構成する複数の単位画素それぞれで輝度が制御されて発光する自発光素子層132と、を含む、ことを特徴とする表示装置10である。
【0115】
そして、上記製造工程を経て得られる表示装置10は、水分バリア性を高め、これによって信頼性が向上された表示装置10である。
【0116】
[第三実施形態に係る表示装置]
以下に、本発明の第三実施形態に係る表示装置30について、
図7を参照して説明する。
図7は、第三実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
【0117】
第三実施形態に係る表示装置30は、第一埋め込み層120の形状が、第一実施形態に係る表示装置10に備えられる第一埋め込み層120の形状と異なるものである。第三実施形態に係る表示装置30のそれ以外の構成については、第一実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0118】
第三実施形態に係る表示装置30の一部を構成する第一埋め込み層120は二つの部分にて構成されるものである。より具体的には、第一埋め込み層120のうち、第一樹脂層の上面に載る部分は、CVD、PVD、ALD等によって形成された第一無機絶縁膜120Aによって形成されたものである。
【0119】
第一無機絶縁膜120AはAlO、SiO、SiN、SiC、SiCN、SiON、SiOCN等の材料によって形成された膜であることとしてもよい。該材料がCVD、PVD、ALD等によって形成されることにより、第一無機絶縁膜120Aはより緻密な膜として形成されることとなる。
【0120】
高密度の第一無機絶縁膜120Aは、水分、ガスを遮断する性能が高く、その結果、表示装置30の信頼性を更に高めることとなる。一方で、第一無機絶縁膜120Aはプロセス上、膜厚の大きい被膜を形成することが困難である。
【0121】
そのため、第三実施形態に係る表示装置30は、第一無機絶縁膜120Aの他に、SOG(Spin on Glass)、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)等によって形成される第二無機絶縁膜120Bを含むものである。
【0122】
SOG、PSG、BPSG等によって形成される第二無機絶縁膜120Bは第一無機絶縁膜120Aと比較して低密度である反面、材料の特性上、膜厚の大きい被膜を形成することが可能であり、埋め込み特性が優れるものである。
【0123】
このように、第一埋め込み層120が、密度の異なる二つの無機絶縁膜により構成されることにより、第一埋め込み層120の厚さが、第一樹脂層110の厚さよりも大きいものとなる。これによって、シール材300が凹部110CPに入り込むことに起因するシール性の低下や、あるいはスペーサ350が凹部110CPに入り込んで両基板の間隔を不均一なものとすることを抑制することとなる。
【0124】
また、切断線SL上に、無機材料によって形成される第三実施形態に係る表示装置30の第一埋め込み層120が備えられることにより、製造プロセスにおいて切断が容易に行えるという利点も有することとなる。
【0125】
[第四実施形態に係る表示装置]
以下に、本発明の第四実施形態に係る表示装置40について、
図8を参照して説明する。
図8は、第四実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
【0126】
第四実施形態に係る表示装置40は、第一埋め込み層120の形状が、第一実施形態に係る表示装置10に備えられる第一埋め込み層120の形状と異なるものである。第四実施形態に係る表示装置
40のそれ以外の構成については、第一実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0127】
第四実施形態に係る表示装置40の一部を構成する第一埋め込み層120は、平面視において第一樹脂層110の周囲に備えられるとともに、第一樹脂層110の上面(TFT層131と対向する側の面)の全体を覆うように備えられている。
【0128】
また、第四実施形態に係る表示装置40の一部を構成する第一埋め込み層120は、第三実施形態に係る表示装置30の一部を構成する第一埋め込み層120と同様、二つの部分にて構成されるものである。
【0129】
そして、第一樹脂層110の上面の全体を覆う部分は、CVD、PVD、ALD等によって形成された第一無機絶縁膜120Aによって形成されたものである。また、第四実施形態に係る表示装置40は、第一無機絶縁膜120Aの他に、SOG、PSG、BPSG等によって形成される第二無機絶縁膜120Bを含むものである。
【0130】
このように、第一無機絶縁膜120Aが第一樹脂層110の上面の全体を覆うことによって、表示装置40の信頼性を更に高めることとなる。
【0131】
なお
図8に示される第四実施形態に係る表示装置40では、第一機能層130の一部を構成する第一バリア層133が設けられているが、第一無機絶縁膜120Aが備えられることにより、第一バリア層133は省略することとしてもよい。
【0132】
[第三実施形態に係る表示装置の製造方法]
次に、第三実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。なお、第三実施形態に係る表示装置30の製造は、第一実施形態に係る表示装置10の製造と同様、
図5に示されるフローにそって行われる。
【0133】
以下、第三実施形態に係る表示装置30の製造方法におけるそれぞれの工程について
図9A〜9Kを参照して説明する。
【0134】
図9Aは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一基体に第一樹脂層を積層した状態を示す図である。
【0135】
第三実施形態に係る表示装置の製造に際し、はじめに用意された第一基体500に、フレキシブルな第一樹脂層110を形成する(第一樹脂層形成工程S11)。第一樹脂層形成工程S11は、複数の第1領域及びそれぞれの第一領域を囲む形状の第二領域を有する第一基体500を用意し、複数の第一領域及び第二領域に第一樹脂層110を形成する工程である。
【0136】
第三実施形態に係る表示装置30の製造においては、第一基体500上の第一樹脂層110が形成される面に、犠牲剥がれ層700が予め形成されている。犠牲剥がれ層700は、α−カーボン、α−Si、金属薄膜等によって形成されることとしてもよい。
【0137】
ここで、先に説明した第一実施形態に係る表示装置10の製造と同様に、第三実施形態に係る表示装置30の製造においても、後に第一基体500を除去する工程(基体(ガラス基板)除去工程S5)が行われることとなる。
【0138】
例えば上記例示した材料によって形成された犠牲剥がれ層700と第一樹脂層110との剥離は、第一基体500と第一樹脂層110との剥離と比べ容易なものとなる。これによって、第一基体500を除去する工程(基体(ガラス基板)除去工程S5)をより容易に実施することができる。
【0139】
なお、犠牲剥がれ層700は先に説明した第一実施形態に係る表示装置10の製造においても用いることができる。
【0140】
第三実施形態に係る表示装置30の製造において用意される第一基体500や、第一樹脂層110は、第一実施形態に係る表示装置10の製造に用いたものと同様のものを用いることができる。また、第一樹脂層110は、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて形成することができる。
【0141】
図9Bは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一樹脂層の一部を除去した状態を示す図である。
【0142】
第一樹脂層一部除去工程S12においては、第一樹脂層形成工程S11にて形成された第一樹脂層110のうち、第二領域A2に形成された第一樹脂層110の一部を除去する。すなわち、第一基体500上には、複数の第一領域A1に形成された第一樹脂層110のみが残ることとなる。
【0143】
第三実施形態に係る表示装置の製造における、第一樹脂層110の一部除去は、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて行うこととしてもよい。
【0144】
図9Cは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一埋め込み層を形成した状態を示す図である。第三実施形態に係る表示装置30は、第一埋め込み層120の形状が、第一実施形態に係る表示装置10に備えられる第一埋め込み層120の形状と異なり、二つの部分にて構成されるものである。
【0145】
第一樹脂層一部除去工程S12にて第一樹脂層110の一部が除去されることによって、第一基体500上には凹部110CPが形成されていることとなる。第一埋め込み層形成工程S13においては、該凹部110CPを埋めるように第一埋め込み層120を形成する。
【0146】
第一埋め込み層120の形成は、はじめに、第一樹脂層110の上面に載る部分となる、第一無機絶縁膜120AをAlO、SiO、SiN、SiC、SiCN、SiON、SiOCN等の材料を用い、CVD、PVD、ALD等によって形成する。
【0147】
第一無機絶縁膜120Aは、第一樹脂層110の全面に一旦形成した後、凹部110CPに相当する場所のみを残して、他の部分を取り除くことによって形成することとしてもよいし、マスク等を用いて、凹部110CPに相当する場所にのみ形成することとしてもよい。
【0148】
第一無機絶縁膜120Aは、膜厚の大きい被膜を形成することが困難であるため、第一樹脂層110の一部を除去したことによって形成された凹部110CPを完全に埋めることは困難である。
【0149】
そこで、第二無機絶縁膜120Bを第一無機絶縁膜120A上に、SOG(Spin on Glass)、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)等によって凹部110CPを完全に埋めるように形成する。
【0150】
なお、第一無機絶縁膜120Aを第一樹脂層110の全面に一旦形成した後、凹部110CPに相当する場所のみに第
二無機絶縁膜120Bを形成することによって、第四実施形態に係る表示装置40を製造することができる。
【0151】
図9Dは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、自発光素子層を含む第一機能層を形成した状態を示す図である。
【0152】
第三実施形態に係る表示装置の製造における第一機能層形成工程S14は、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて行うこととしてもよい。
【0153】
以上、
図9A〜9Dを参照して説明した工程を経て、第一基板形成工程S1が完了する。
【0154】
次に、
図9E〜9Gを参照して第二基板形成工程S2について説明する。第二基板形成工程S2は、先に説明した第一基板形成工程S1とは別工程で行われることとなる。
【0155】
図9Eは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第二基体に第二樹脂層を積層した状態を示す図である。
【0156】
第二基板形成工程S2においては、はじめに用意された第二基体600に、フレキシブルな第二樹脂層210を形成する(第二樹脂層形成工程S21)。第二樹脂層形成工程S
21においては、第二基体600の一方側の面の全てを覆うように第二樹脂層210を形成することとしてもよい。
【0157】
ここで、用意される第二基体600には、犠牲剥がれ層700同様、犠牲剥がれ層800が形成されることとしてもよい。なお、犠牲剥がれ層800は先に説明した第一実施形態に係る表示装置10の製造においても用いることができる。
【0158】
第三実施形態に係る表示装置30の製造において用意される第二基体600や、第二樹脂層210は、第一実施形態に係る表示装置10の製造に用いたものと同様のものを用いることができる。また、第二樹脂層210は、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて形成することができる。
【0159】
図9Fは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第二樹脂層の一部を除去した後、第二埋め込み層を形成した状態を示す図である。
図9Gは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、カラーフィルタ層を含む第二機能層を形成した状態を示す図である。
【0160】
第二埋め込み層220の形成、及びカラーフィルタ層231の形成は、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて形成することができる。
【0161】
以上、
図9E〜9Gを参照して説明した工程を経て、第二基板形成工程S2が完了する。
【0162】
次に、
図9Dに示される第一基板100と、
図9Gに示される第二基板200とを貼り合せる(第一、第二基板貼り合せ工程S3)。
図9Hは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、
図9Dに示される第一基板と、
図9Gに示される第二基板とを貼り合せた状態を示す図である。
【0163】
両基板(第一、第二基板100,200)の貼り合せは、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて形成することができる。
【0164】
次に、第一、第二基板貼り合せ工程S3にて貼り合わされたものを、表示装置10に相当する単位ごとに切断する(切断工程S4)。
図9Iは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、多面取りパネルを表示装置に相当する単位ごとに切断した状態を示す図である。
【0165】
切断工程S4は、第一実施形態に係る表示装置10の製造にて説明した方法と同様の方法にて行われることとしてもよい。
【0166】
次いで、表示装置10に相当する単位ごとに切断した状態のものから、切断された第一、第二基体500,600のそれぞれを剥離する(基体(ガラス基板)除去工程S5)。
【0167】
図9Jは、第
三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、第一、第二基体を剥離した状態を示す図である。
【0168】
先に説明したように、第三実施形態に係る表示装置の製造においては、犠牲剥がれ層700、800が形成されているため、第一、第二基体500,600は、本工程において容易に剥離されることとなる。
【0169】
なお、第一、第二基体500,600の剥離とともに、犠牲剥がれ層700、800も第一、第二樹脂層110、210から剥離されることとなるが、仮に犠牲剥がれ層700、800の一部又は全部が第一、第二樹脂層110、210から剥離されなくてもよい。
【0170】
最後に、第一基体500が剥離され露出した第一樹脂層110の面に、外部からの水分の侵入、あるいは外部からの物理的損傷を防止するための第一保護フィルム140を取りつける(保護膜形成工程S6)。
【0171】
なお、保護膜形成工程S6においては、第二基体600が剥離され露出した第二樹脂層210の面に、物理的損傷を防止するための第二保護フィルム(図示なし)を取りつけることとしてもよい。
【0172】
図9Kは、第三実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図であり、保護フィルムを取りつけ第
三実施形態に係る表示装置が完成した状態を示す図である。
図9Kに示されるように、第一保護フィルム140は第一樹脂層110の第一機能層130が配置される側とは反対側に配置されることとなる。
【0173】
以上の工程を経て、第三実施形態に係る表示装置30を得ることができる。
【0174】
上記製造工程を経て得られる表示装置30は、樹脂層と、前記樹脂層の周囲に、前記樹脂層の上面に載る部分を有するように設けられた枠体と、前記樹脂層の上面及び前記枠体の上面に積層され、画像を構成する複数の単位画素それぞれで輝度が制御されて発光する自発光素子層132と、を含む、ことを特徴とする表示装置30である。
【0175】
そして、上記製造工程を経て得られる表示装置30は、水分バリア性を高め、これによって信頼性が向上された表示装置30である。