(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明がさまざまな改変及び別の形態を許容する一方で、本発明の具体的な実施は、図面における例を用いて示されており、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、理解すべきことは、本発明を開示した特有の形態に限定することを意図しておらず、それどころか、本発明が本発明の精神内にある全ての改変、均等物及び代替物に及ぶこと、である。
【0005】
上述したように、手術器具は、外側管及び内側部材を有し得、内側部材は、外側管に対して移動可能であり、組織を切断するために採用される剪断力を形成する。本発明の態様によれば、実施形態にかかる手術器具は、外側管と内側部材との間の所望の相対運動を実現するように構成されている。本発明の態様によれば、内側部材は、外側管に対する内側部材の位置及び/または移動方向に応じて異なる速度で直線移動する。このように、このような実施形態において、手術器具は、これら切断性能及び/または他の態様のこれらの作業を最適化する前後直線運動を提供するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態において、内側部材は、外側管に対して回転されており、この回転により、同様に、内側部材は、外側管に対して直線状にかつ前後に移動させられる。一例として、
図1から
図11を参照して切断デバイス10を説明する。
図1A及び
図1Bに示すように、切断デバイス10は、駆動端部12及び切断端部14を有する。駆動端部12は、切断デバイス10の近位端部に位置している。切断端部14は、切断デバイス10の遠位端部に位置している。
【0007】
駆動端部12には、内側駆動ハブ110及び外側ハブ120がある。内側駆動ハブ110は、駆動連結体112を有しており、この駆動連結体は、回転駆動器(図示略)内に取り付けられている。回転駆動器は、駆動連結体112を回し、螺旋部材すなわち駆動部材130と内側駆動ハブ110とを回転させる。螺旋部材すなわち駆動部材130は、内側駆動ハブ110及び外側ハブ120に内側に位置している。螺旋部材すなわち駆動部材130と連結片140とは、互いに係合しており、それにより、螺旋部材すなわち駆動部材130の回転によって、螺旋部材すなわち駆動部材130を直線移動させる。
【0008】
切断デバイス10は、
図1Bに示すように、細長い内側部材すなわち切断部材150と、細長い外側部材160と、を有する。内側部材すなわち切断部材150は、中空内部152を有する管状であり、組織を切断または薄切りにする/剪断するために使用される。内側部材150は、螺旋部材130に連結されており、内側部材150の直線かつ回転運動を可能とする。
【0009】
外側部材160は、同様に、中空内部162を有する管状である。内側部材150は、外側部材160の内側に受けられている。外側部材160は、外側ハブ120に連結されている。外側部材160は、先端部164を有し得、この先端部は、例えば角が丸められており、尖っていない。切断端部14において、外側部材160は、外側部材160の壁161(
図1A)を通る切断窓166を画成する。
【0010】
図2Aから
図2Dを参照すると、内側駆動ハブ110は、駆動連結体112(
図2A、
図2B、2D)と、内腔114(
図2B)と、吸引開口部116(
図2A)と、少なくとも1つのキー118(
図2B及び
図2C)と、を有し得る。切断デバイス10の切断端部14(
図1A及び
図1B)からの破片は、吸引開口部116を通して吸引され得る。駆動連結体112は、内側駆動ハブ110の近位端部から延在し、内側駆動ハブ110を回転駆動器(図示略)に連結させる。回転駆動器は、駆動連結体112に連結されて駆動ハブ110を回転させる駆動モータを有し得る。駆動ハブ110は、回転運動を螺旋部材130に転送する一方、(螺旋部材に連結された)内側部材150を回転軸に沿って軸方向に移動させることを可能とする。
【0011】
少なくとも1つキー118は、内側駆動ハブ110の壁111から延在する。各キー118は、内側駆動ハブ110の一側面に沿う案内部として機能する。内側駆動ハブ110の各キー118は、螺旋部材130のスロット132と各別に係合し、それにより、内側駆動ハブ110の回転によって、螺旋部材130は、回転させられる一方、例えば各キー118が各スロット132に沿って直線摺動するように、螺旋部材130は、内側駆動ハブ110に対して直線移動させられる。
図1B及び
図2Bから
図2Dに示すように、少なくとも1つのキー118は、フィン状に形付けられており、少なくとも1つのスロット132は、螺旋部材130の近位端部に位置しており、内側駆動ハブ110の少なくとも1つのキー118を受ける。別の実施において、少なくとも1つのスロットは、逆に、内側駆動ハブ110の壁111に配設されている一方、少なくとも1つのキーは、螺旋部材130の壁から延在し、少なくとも1つのスロットと係合する。図示した実施において、一対のキー118は、各スロット132と係合する。しかしながら、一般的に、任意の数のキー118は、内側駆動ハブ110から延在し、螺旋部材130の壁にあるスロット132と各別に係合してもよく、その逆であってもよい。別の実施において、回転駆動器(図示略)は、複数の歯車または歯車及びスプライン歯車(spline gear)によって螺旋部材130に連結されてもよい。
【0012】
図3Aから
図3Dを参照すると、切断デバイス10の螺旋部材130は、内腔134(
図3C及び
図3D)を有する管状にある材料から形成されている。内側部材150は、螺旋部材130の内腔134内に配設されており、例えば、位置決めネジ、エポキシ樹脂の充填、射出成形、またはオーバーモールドしたプラスチックによって、そこに固定され得る。別の実施において、内側部材150は、スプライン、歯車、または歯車及びスプラインによって、螺旋部材130に連結されてもよい。
【0013】
図4Aから
図4Cを参照すると、切断デバイス10の外側ハブ120は、硬質プラスチックから形成されており、移動しない。切欠122(
図4B)は、例えば
図4Bのように中央に、外側ハブ120の壁内に配設されている。
図1Bに示すように、連結片140は、外側ハブ120の切欠122に位置している。
【0014】
図1Bに示すように、外側部材160は、外側ハブ120内に配設されており、例えば位置決めネジ、エポキシ樹脂の充填、接着剤、インサート成形またはスピン溶接などを用いた連結によって、そこに固定されている。
【0015】
図3Aから
図3Cを参照すると、螺旋部材130は、同様に、2つの螺旋チャネル136、138を有する。螺旋チャネル136、138は、螺旋部材130の外側表面の遠位部分に配設されている。図示のように、螺旋チャネル136は、右回りのネジ山であり、外側の螺旋チャネル138は、左回りのネジ山である。螺旋チャネル136、138を有する螺旋部材130における遠位部分の長さは、切断窓166(
図1及び
図1B)の長さよりも長い、短いまたは同一長さであってもよい。螺旋チャネル136、138は、それらの端部において滑らかに一体とされており、連続的な溝を形成し、それにより、螺旋部材130の遠位部分の各端部には、一方の螺旋チャネルから他方の螺旋チャネルへの滑らかな移行部がある。連続的な溝は、内側部材150の直線運動を提供し、この直線運動は、工程長さにわたって遠位側に移動し、その後、方向を変え、そして、工程長さにわたって近位側に移動し、その後、方向を変えて再び遠位側に移動すること、を含む。工程長さは、螺旋部材130にわたる螺旋チャネル136、138の範囲の関数として決定され得る。直線運動速度は、螺旋チャネル136、138の角度またはピッチと螺旋部材130の回転速度との関数として決定され得る。方向を変えることは、第1方向で移動している間に、ゼロ速度まで減速し、その後、逆方向で加速することを含む。
【0016】
本開示のいくつかの実施によれば、螺旋部材130は、回転駆動器(図示略)によって機械的に駆動され得、工程長さにわたって直線移動し、その後、螺旋チャネル136、138との連結片140の相互作用の結果として方向を変える。このような実施において、回転駆動器によって螺旋部材130にかけられた単一の回転方向における回転力のみを、螺旋部材130を駆動させるために必要とする。螺旋部材130を駆動することによって、螺旋部材が回転させられ、前後方向で直線移動させられることを意味する。本開示の他の実施によれば、螺旋部材130は、回転駆動器によって機械的に駆動されてもよく、連結片140は、工程長さにわたって直線移動し、その後、螺旋チャネル136、138との連結片140の相互作用の結果として方向を変える。連結片140は、内側部材150に連結され、内側部材150を直線移動させてその後向きを変更させてもよい。
【0017】
図5Aを参照すると、連結片140は、フォロア142及びキャップ144を有する。それぞれの端部において滑らかに一体とされた2つの螺旋チャネル136、138を有し、内側駆動ハブ110及び螺旋部材130のスロット132/キー118連結と共に連続的な溝部を形成することにより、回転駆動器は、単一方向で回転することのみを必要とし、連結片140が螺旋チャネル136、138の一方の端部に到達したときに回転方向を反転させる必要がない。すなわち、螺旋部材130は、第1方向で、その後、回転駆動器の回転方向を変える必要なく第2の逆方向で、遠位側に移動させられる。
【0018】
図6Aから
図6Cを参照すると、フォロア142は、シリンダ状頭部142a及び2本の脚部142bを有する。
図5Bから
図5Dに示すように、脚部142bは、弓体を形成し、螺旋部材130の外側表面の遠位部分に形成された螺旋チャネル136、138のチャネル内に載置されている。脚部142bの弓体は、螺旋部材130の螺旋チャネル136、138によって表現される直径に関連して寸法付けられている。
図7A及び
図7Bを参照すると、連結片140のキャップ144を示しており、このキャップは、
図5Aの部分分解図で最もよく示されるように、フォロア142を覆い、吸引された破片を除去するのに十分な吸込を可能とするシールを提供する。同様に、フォロア142が旋回することを可能とするために、キャップ144は、フォロア142とは別個の片であってもよい。
【0019】
図8A及び
図8Bに示すように、切断窓166は、ほぼ楕円形状を有しており、外側部材160の先端部164に近接してかつ遠位先端部164から螺旋部材130に近接する位置まで外側部材160の長さに沿って配設されている。切断窓166は、所定長さにわたって内側部材150を露出させる。切断窓166の近位端部166aは、U字状である。切断窓166の遠位端部166bは、同様に、U字状である。しかしながら、理解されることは、切断窓166が図示した実施形態とは異なる態様で形付けられかつ/寸法付けされてもよいことである。いくつかの実施形態において、遠位端部166bは、任意で、鋭利な端部を形成してもよい。さらなる実施形態において、遠位端部166bは、任意で、フックを形成するサドル形状を有してもよく、このフックは、内側部材150が切断するときに、対象組織を突き刺して組織を保持し得る。
【0020】
図9は、内側部材150が中空内部152を有するほぼ管状であることを示す。破片の吸引は、内側部材150の中空内部152を通して、そして、螺旋部材130の内腔134(
図3C及び
図3D)を通して、内側駆動ハブ110の吸引開口部116(
図2A)まで、発生する。内側部材150の遠位端部150bは、切断するための鋭利縁部154に対して面取りされている。内側部材150は、その軸回りに同時に回転し、その軸に沿って直線移動して組織を切断する。内側部材150の遠位端部150bの切断面は、組織を剪断する。例えば、
図10を参照すると、切断デバイス10は、対象組織に対して接線方向に配置され、それにより、切断窓166は、内側部材150を組織に対して露出させる。組織は、内側部材150によって切断される前に、切断窓166を通して突出する。内側部材150が回転して(例えば
図10に示す方向で下方に)直線移動するときに、矢印によって示されるように、内側部材150の切断縁部154は、内側部材150が前進して組織を切断するにしたがって、組織を剪断する。内側部材150の切断縁部154(
図9)が外側部材160の内側で切断窓166の遠位端部166b(
図8A及び
図8B)を越えて前進すると、切断を完了する。
【0021】
図11は、内側部材の別の実施を示す。内側部材250の遠位端部250bは、面取り点に対して角度付けされ得、それにより、対象組織における切断は、一側部において開始され、その後、組織の幅にわたって横断する。同様に、切断デバイスを対象組織に対して接線方向に配置すると、内側部材250を回転させて直線移動させることにより、切断される組織を剪断する。
【0022】
特に
図5C及び
図5Dを参照すると、螺旋部材130及び内側駆動ハブ110(
図2Aから
図2D)を回転駆動器(図示略)によって機械的に駆動するにしたがって、連結片140のフォロア142(
図6A及び
図6B)は、螺旋チャネル136、138を辿り、螺旋チャネル136、138を有する螺旋部材130の遠位端部分の端部においてフォロア142が螺旋チャネル136から螺旋チャネル138へ滑らかに移行するように旋回する。フォロア142を螺旋チャネル136、138に連結することにより、螺旋部材130は、同様に直線移動させられる。このため、内側部材150は、同時に回転し、直線移動して組織を切断する。
【0023】
螺旋部材130が遠位端部に向けて移動すると、内側部材150の切断縁部154(
図9)は、前進して切断窓166(
図8A及び
図8B)を閉じ、それにより、切断デバイス10は、対象組織と係合して切断する。一方、螺旋部材130が遠位端部から離間するように移動すると、切断縁部154は、後退し、切断窓166を開き、それにより、結果として生じた破片は、窓166を通して内側部材150の中空内部152内に吸引され得る。また、切断窓166を開くことにより、組織が次の切断のために引き込まれることを可能とする。螺旋部材130が遠位端部に向けてまたは遠位端部から離間するように移動すると切断デバイス10がさまざまな手術(例えば切断、吸引など)を実行するので、さまざまな機能に従って螺旋部材130を移動させることを最適化するのに有利であり得る。例えば、いくつかの場合において、螺旋部材130を遠位端部からよりゆっくりと離間するように移動させ、そのため、切断後に比較的長期間にわたって切断窓166を開いたままとすることは、有利であり得、破片の十分な吸引を可能とし、より多くの組織に関して時間を提供し、次の切断のための準備において切断窓166に入れる。したがって、本開示の態様は、その位置及び/または運動方向に応じてさまざまな速度で直線移動するように構成された螺旋デバイスを提供する。
【0024】
連結片140のフォロア142の脚部162bは、螺旋チャネル136、138にわたって進み、入力回転運動から螺旋部材130の所望の直線運動を生成する。連結片140が第1螺旋チャネル136に沿って移動することにより、螺旋部材130は、遠位端部に向けて移動され、切断デバイスは、切断作業を実行させられる。一方、連結片140を第2螺旋チャネル138に沿って移動させることにより、螺旋部材130は、遠位端部から離間するように移動させられ、切断デバイスが吸引作業を実行して切断のためにより多くの組織を切断窓166内に引き込むことを可能とする。
【0025】
第1螺旋チャネル136は、第1螺旋角またはピッチを有するネジ山によって画成されている。
図3A及び
図3Bに示すように、第1螺旋チャネル136に関するネジ山は、螺旋部材130の距離に沿って均等に分布された4つの回旋137a〜137dを画成する。一方、第2螺旋チャネル138は、第2螺旋角またはピッチを有するネジ山によって画成されている。第2螺旋チャネル138に関するネジ山は、螺旋部材130の同じ長さに沿って均等に分布された6つの回旋139a〜139fを画成する。このため、第1螺旋チャネル136は、同一距離にわたって第2螺旋チャネル138よりも少ない回旋を有する。所定距離にわたる回旋数は、同一距離にわたって直線的に進むために螺旋部材130によって必要な回転数にほぼ対応している。螺旋部材130の所定距離にわたってより多くの回旋を画成するために、ネジ山は、一般的に、より小さい螺旋角またはピッチを有しなければならない。このため、第2螺旋チャネル138に関連する第2螺旋角またはピッチは、第1螺旋チャネル136に関連する第1螺旋角またはピッチよりも小さい。
【0026】
所定距離にわたって直線移動するため、連結片140が第1螺旋チャネル136にわたって進むときに、すなわち、螺旋部材130が遠位端部に向けて移動するときに、螺旋部材130は、より少なく回転しなければならない。逆に、連結片140が第2螺旋チャネル138にわたって進むときに、すなわち、螺旋部材130が遠位端部から離間するように移動するときに、螺旋部材130は、より多く回転しなければならない。螺旋部材130を一定速度で回転させると、(1)螺旋部材が遠位端部に向けて移動して切断作業を実行するときに、螺旋部材130は、比較的より早い直線速度で移動し、(2)逆に、螺旋部材130が遠位端部から離間するように移動するときに、螺旋部材130は、比較的より遅い直線速度で移動し、吸引作業を実行して後続の切断のためにより多くの組織を切断窓166内に引き込む。
【0027】
第1螺旋チャネル136は、特有の螺旋角またはピッチで構成され得、それにより、切断デバイスは、最適な実行のために特有の直線速度で切断作業を実行する。一方、第2螺旋チャネル138は、比較的より小さな螺旋角またはピッチで構成され得、より長い期間にわたって切断窓166を少なくとも部分的に開いたままとする。上述のように、螺旋部材130をよりゆっくりと遠位端部から離間するように移動させ、そのため、切断後により長期間にわたって切断窓166を開いたままとすることに、有利であり得る。これにより、破片の十分な吸引を可能とし、次の切断の準備においてより多くの組織が切断窓166に入るための時間を提供する。
【0028】
螺旋部材130の同一の直線距離にわたって、第1螺旋チャネル136のためのネジ山が4つの回旋137a〜137dを画成し、第2螺旋チャネル138のためのネジ山が6つの回旋139a〜139fを画成しているが、理解されることは、他の実施形態において、第1螺旋チャネル及び第2螺旋チャネルは、異なる各別の螺旋角を有して構成されてもよく、それにより、第1螺旋チャネル及び第2螺旋チャネルは、
図3Aから
図3Cに示すものではない異なる各別の回旋数を有する、ことである。さらに、
図3Aから
図3Cにおいて、第1螺旋チャネル136の全長が第1螺旋角またはピッチによって画成され得、第2螺旋チャネル138の全長が第2螺旋角またはピッチによって画成され得るが、理解されることは、他の実施形態が、複数の螺旋角またはピッチによって画成された1以上の螺旋チャネルを採用し得、これら複数の螺旋角またはピッチによって、螺旋部材が一方向で移動するときに、螺旋部材がさまざまな異なる速度で移動させられる、ことである。さらに、理解されることは、別の実施において、螺旋チャネルが、第1螺旋チャネルが第2螺旋チャネルの螺旋角よりもより小さい螺旋角を有するように構成され得、それにより、螺旋部材が(切断作業をよりゆっくりと実行するために)遠位端部に向けて比較的よりゆっくりと、そして、(例えばより迅速に、吸引作業を実行するために)遠位端部からより速く離間するように、移動させられる、ことである。
【0029】
螺旋部材130は、一般的に、上述した切断デバイス10で使用され得る。しかしながら、理解されることは、態様にかかる螺旋部材130を他の対応の切断デバイスに採用して対応する利点を達成し得る、ことである。
【0030】
一般的に、本開示にかかるいくつか態様によれば、手術器具は、最適な直線運動を提供するように構成された螺旋チャネルを有する螺旋部材を採用する。螺旋チャネルは、それらの端部において滑らかに一体とされており、直線運動の端部において方向を変えるために設けられた連続するチャネルを形成し得る。特に、螺旋チャネルは、さまざまな螺旋角を有するネジ山によって画成されており、それにより、螺旋部材の回転は、さまざまな所望直線速度での直線運動を引き起こす。
【0031】
結果として生じる直線運動は、手術器具の任意の構成部材間の相対運動を伴い得、本明細書で説明した例及び実施に限定されない。螺旋部材は、第1構成部材(例えば筐体内)に固定され得、第2構成部材に対する螺旋部材の回転は、同様に、第1及び第2構成部材間の相対的な直線運動を引き起こす。本開示にかかるいくつかの実施によれば、螺旋部材は、静止し得、フォロアは、キャリッジまたは案内部内のように、螺旋部材に沿って直線移動することが可能とされてもよい。フォロアは、内側部材に連結され得、螺旋部材の回転運動によってフォロアを移動させるにしたがって、内側部材を直線移動させる。歯車、ベルト及びプーリのような別個の動力伝達装置を使用して、内側部材に回転運動をかけてもよい。本開示にかかるいくつかの実施によれば、内側部材は、螺旋部材と同じ軸、平行な軸または非平行な軸回りで回転してもよい。
【0032】
例えば、
図12に示す螺旋部材130は、回転駆動器(図示略)によって駆動されるが、
図1Aから
図11の実施における螺旋部材130とは異なり、
図12における螺旋部材130は、内側部材350と共には直線移動しない。むしろ、内側部材350は、螺旋部材130に対して直線移動する。例えば、螺旋部材130は、筐体素子に対して静止したままであり得る一方、内側部材350は、筐体素子に対して直線移動する。
図12に示すように、フォロア342は、螺旋部材130の螺旋チャネル136、138に対して直線移動する。フォロア342の運動は、上述のように、螺旋チャネル136、138によって決定される。フォロア342は、内側部材350に連結されており、それにより、内側部材350は、同様に、螺旋チャネル136、138に従って平行軸に沿って直線移動する。特に、内側部材350は、外側部材(図示略)に対するその位置及び/または運動方向に応じて様々な速度で直線移動する。内側部材350を回転させるため、螺旋部材130は、内側部材350に連結された歯車348に係合する歯車346に連結されている。歯車348が内側部材350と共に直線移動するにしたがって、歯車346は、より長い歯車348に沿って摺動し、この歯車と係合されたままである。螺旋部材130を回転させることにより、歯車346、348の対応する回転を引き起こし、内側部材350を回転させる。したがって、螺旋部材130は、外側部材に対する内側部材350の直線かつ回転運動を引き起こし、所望の切断作業、吸引作業などを生成する。
【0033】
1以上の特有の実施を参照しながら本開示を説明したが、当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、これら実施に変更をなしてもよい、ことを理解する。これら実施及びこれらの明らかな変形例のそれぞれは、本開示の精神及び範囲内にあるように意図されており、これら精神及び範囲は、以下の特許請求の範囲で規定される。同様に、意図されることは、本開示の態様によるさらなる実施が本明細書で説明したいずれかの実施からの任意の数の特徴を組み合わせてもよい、ことである。