【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
このように、本発明は、一態様によれば、基板上に銅を電着させるための電解液であって、銅イオンと、上記基板上での金属銅の核生成を促進する促進剤とを水溶液中に含有し、上記銅の核生成促進剤は、セシウム(Cs
2+)、アルキルアンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択される電気化学的に不活性なカチオンと、少なくとも2種の芳香族アミンとの組み合わせであることを特徴とする電解液に関する。
【0016】
上記アルキルアンモニウムは、式(N−R
1R
2R
3R
4)
+(式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は互いに独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。ただし、R
1、R
2、R
3及びR
4が同時に水素である場合を除く。)で表される化合物及びそれらの混合物であってもよい。
【0017】
第二の態様によれば、本発明は、銅拡散に対するバリアとなる材料で被覆した誘電体基板に形成された凹パターン上に銅を堆積させる電気化学プロセスであって、上記パターンの開口幅又は直径は40nm未満であり、
・上記トレンチの表面を上述した電解液と接触させる工程と、
・上記バリア層上に連続した銅堆積層を形成するのに充分な時間、上記バリア層の表面をアノード電位又はカソード電位に分極させて上記バリア層上に銅を電着させる工程と
を含むことを特徴とする電気化学プロセスに関する。
【0018】
本発明の電解液を用いると、フォームファクタが高い微細なトレンチ又は微細なビアを材料欠陥なく充填できることが明らかとなった。
【0019】
(定義)
本明細書において「電着」とは、基板の表面を金属又は有機金属の皮膜で被覆できる方法を意味する。この方法では、基板を電気的に分極させ、上記金属又は有機金属の皮膜の前駆物質を含有する液体(電解液と呼ばれる)に接触させて、上記皮膜を形成する。電着は、例えば、皮膜材料の前駆物質(例えば、金属皮膜の場合は金属イオン)源と、形成される皮膜の特性(堆積層の平坦さ及び微細さ、抵抗率等)を改善するための任意の各種薬剤とを含有する浴中で、一電極(金属皮膜の場合はカソード)を構成する被覆対象の基板と、別の電極(アノード)との間に、必要に応じて参照電極の存在下、電流を流すことによって行う。国際的な取り決めによれば、所望の基板、すなわち電気化学回路のカソードに印加される電流及び電圧が負となる。本明細書全体にわたって、上記電流及び電圧が正の値で記載される場合、その値は上記電流又は電圧の絶対値を表しているものである。
【0020】
「電解液」とは、上で定義した電着プロセスにおいて使用される金属皮膜の前駆物質を含有する液体を意味する。
【0021】
「抑制剤」とは、電着プロセスの開始時及びそのプロセス中にバリア層の表面又はバリア層上に堆積した銅の表面に吸着される物質を意味し、被覆される表面を部分的にマスキングして、該表面で起こる反応を減速させる機能を有する。
【0022】
「促進剤」とは、トレンチ底部での銅の成長を加速させる物質を意味する。促進剤は、銅の還元機構を変化させるよう作用し、金属の堆積速度を増加させる効果を示す。
【0023】
「電気化学的に不活性なカチオン」とは、上で定義した電着プロセスにおいて電流が流れる間、還元反応も酸化反応も受けないカチオンを意味する。
【0024】
「銅の核生成促進剤」とは、形成される材料及びその微細構造特性の起点となる最初の種晶(核ともいう)の密度を改善し、そのサイズを縮小することを意味する。
【0025】
ビアやトレンチ等のパターンの「開口寸法」とは、誘電体にあらかじめ形成された凹パターンの平均直径又は平均幅を意味する。これらの寸法は、誘電材料の表面で測定される。
【0026】
「連続した堆積層」とは、パターンが底部から頂部へと(ボトムアップで)最適に充填されたことを表すボイドのない銅の塊、又は、パターン容積を埋め尽くさない薄いコンフォーマルな堆積層を意味する。従来技術においては、パターン壁と銅堆積層との間で銅堆積層に穴や材料ボイドが見られる場合がある(「側壁ボイド」)。また、パターン壁から等距離にある穴状又は線状(「シーム」)のボイドが見られることもある。これらのボイドは電子顕微鏡法で観察し、堆積層の横断面を作成して定量化できる。本発明の連続した堆積層の平均ボイド率は、10体積%未満、好ましくは5体積%以下であることが好ましい。ボイドの数は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定できる。コンフォーマルな堆積層の適合度(conformity)は、80%超、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更には99%超であり得る。適合度は、走査型電子顕微鏡を用いて断面を観察してシード層の様々な場所の厚さを比較することによって算出できる。ここで選択する場所は全て、表面上ではなくパターン内に存在することが好ましい。例えば、パターン内において堆積層の一番薄い部分の厚さと一番厚い部分の厚さとの差を測定してもよい。
【0027】
(発明の詳細な説明)
本発明は、基板上に銅を電着させるための電解液であって、銅イオンと、上記基板上での金属銅の核生成を促進する促進剤とを水溶液中に含有し、上記銅の核生成促進剤は、セシウム(Cs
2+)、アルキルアンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択される電気化学的に不活性なカチオンと、少なくとも2種の芳香族アミンとの組み合わせを含む又はその組み合わせからなることを特徴とする電解液に関する。
【0028】
電気めっきする基板は、銅、タンタル、チタン、コバルト及びルテニウムからなる群より選択される金属であることが好ましい。
【0029】
通常、本発明に係る電着組成物は、第二銅イオンCu
2+(銅II)源を塩の形態で含む。上記電解液の調製に用いる銅イオン源としては、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅等の銅(II)塩、好ましくは硫酸銅、より好ましくは硫酸銅五水和物であることが有利である。
【0030】
具体的な特徴としては、電着組成物中の銅イオン源の濃度は、0.4mMと40mMとの間、例えば1mMと25mMとの間、より好ましくは2mMと6mMとの間である。
【0031】
本出願において「…と…との間」という表現はカットオフ値を含まず、一方、「…〜…」という表現は記載された下限値及び上限値を含む。
【0032】
上記アルキルアンモニウムとしては、例えば、式(N−R
1R
2R
3R
4)
+(式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は互いに独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。ただし、R
1、R
2、R
3及びR
4が同時に水素である場合を除く。)で表される化合物が挙げられる。NH
4+イオンは本発明には含まれない。
【0033】
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルが挙げられる。上記アルキルアンモニウムとしては、テトラアルキルアンモニウム、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム又はテトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム及びエチルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0034】
上記カチオンは、例えば硫酸塩のような塩の形態で供給される。塩におけるカチオンの対イオンは、銅(II)塩の対イオンと同じであることが好ましい。
【0035】
上記2種の芳香族アミンは、ビピリジン、1,2−ジアミノベンゼン、3,5−ジメチルアニリン、ピリジン、8−ヒドロキシキノリンスルホン酸塩、3,5−ジメチルピリジン、2,2’−ビピリミジン、2−メルカプトチアゾリン、2−メチルアミノピリジン及びイミダゾールからなる群より選択できる。上記2種の芳香族アミンは−COOH基を有さないことが有利である。
【0036】
上記芳香族アミンの合計濃度は、1.6mMと160mMとの間、好ましくは4mMと100mMとの間、例えば4mMと24mMとの間であることが好ましい。特定の実施形態において、上記2種の芳香族アミンは2,2’−ビピリジン及びイミダゾールである。
【0037】
上記2種のアミンの一方がビピリジン、好ましくは2,2’−ビピリジンである場合、ビピリジンの濃度は、0.4mMと40mMとの間、好ましくは1mMと25mMとの間、例えば2mMと6mMとの間であることが好ましい。
【0038】
上記ビピリジンは、銅イオンの濃度に対して0.5〜2モル当量であるのが好ましく、0.75〜1.25モル当量であるのがより好ましく、1モル当量程度であるのがより好ましい。
【0039】
上記2種のアミンの一方がイミダゾールである場合、イミダゾールの濃度は、1.2mMと120mMとの間、好ましくは1.5mMと75mMとの間、例えば2mMと18mMとの間であることが好ましい。
【0040】
イミダゾールは、銅イオンの濃度に対して1〜5モル当量であるのが好ましく、1〜4モル当量であるのがより好ましく、約1モル当量であるのがより好ましい。
【0041】
本発明の電解液は、銅の電着の促進剤としてチオジグリコール酸を1mg/lと500mg/lとの間、好ましくは2mg/lと100mg/lとの間の濃度で含有していてもよい。
【0042】
上記電解液は、当業者に公知の銅(II)錯化剤、好ましくはアミンを更に含有していてもよい。上記電解液は、チオジグリコール酸以外のカルボン酸及びピリジンを含有しないものであってもよい。
【0043】
上記電解液は電流を印加して使用される。無電解プロセスでは用いられず、そのため、ジメチルアミンボラン又は次亜リン酸等の銅酸化物の還元剤を含有しない。
【0044】
溶媒は原則として限定されないが(ただし、溶液の活性種を充分に可溶化し、電着を妨げないものとする)、水が好ましい。一実施形態によれば、溶媒は体積基準で主に水を含む。
【0045】
上記2種のアミンと上記電気化学的に不活性なカチオンとの混合物は、銅に特異的な抑制剤として機能し得る。また、本発明の電解液は、ポリエチレングリコール等の高分子抑制剤を含有しないことが有利である。従来技術では、通常、電解液に塩素イオン源を加えて高分子抑制剤と相乗的に作用させる。本発明においては、溶液の効力を確保するために塩素イオンを加える必要はないことが見出された。また、本発明の電解液は、塩素イオンを50ppm未満しか含まない。本発明の電解液は塩素イオンを含まないことが好ましい。
【0046】
従来技術では、通常、銅で被覆するバリア材表面の濡れ性を改善するために界面活性剤が必要である。本発明によれば、界面活性剤を電解液に配合する必要はない。
【0047】
上記電解液は、従来公知のレベリング剤及び/又は光沢剤、例えばポリピリジンを含有していてもよい。
【0048】
上記電解液のpHは、6.7よりも大きくなるよう選択するのが好ましい。これは、空洞を充填するのに使用される従来の電解液では、通常、H
+イオンの存在によって溶液の導電性を充分に確保し、結果的に充分な反応速度を得るためにpHが非常に低いことから、一層驚くべきことである。本発明の電解液のpHは、6.7を超えることが好ましく、6.8を超えることがより好ましく、8と13との間、例えば8と10との間であることがより好ましく、9から9.5程度であることが更により好ましい。
【0049】
上記組成物のpHは、芳香族アミンを銅IIイオン及び電気化学的に不活性なカチオンと混合した後、当業者に公知の塩基又は酸を用いて適宜調整できる。
【0050】
一度調整した組成物のpHは、「Handbook of Chemistry and Physics−84th edition」(David R.Lide,CRC Press)に記載の緩衝剤等を用いて上記pH範囲に適宜安定化できる。例えば、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩が挙げられる。
【0051】
本発明の電解液は、脂肪族アミンや有機酸等の銅錯化剤を含有しないことが好ましい。上記銅錯化剤としては、例えばEDTA、クエン酸、ポリカルボン酸、脂肪族アミン(エチレンジアミン等)及びグリオキシル酸が挙げられる。本発明の電解液は、チオジグリコール酸以外のポリカルボン酸を含有しないことが好ましい。
【0052】
具体的な実施形態によれば、上記銅イオンの濃度は0.4mMと40mMとの間であり、ビピリジンの濃度は0.4mMと40mMとの間であり、イミダゾールの濃度は1.2mMと120mMとの間であり、電気化学的に不活性なカチオンの濃度は0.4mMと100mMとの間である。例えば、銅イオンの濃度は2mMと6mMとの間であり、上記芳香族アミンの合計濃度は4mMと24mMとの間であり、上記カチオンの濃度は2mMと20mMとの間である。
【0053】
本発明はまた、誘電体基板に形成された凹パターンの表面に銅を堆積させる電気化学プロセスであって、上記パターンの開口寸法は40nm未満であり、
・上記パターンの表面を上述した電解液と接触させる工程と、
・上記パターンの表面をアノード電位又はカソード電位に分極させて銅を電着させることにより、連続した銅堆積層を形成する工程と
を含むことを特徴とする電気化学プロセスに関する。
【0054】
本発明の第一の態様に関して記載した全ての特徴が電着プロセスに適用される。
【0055】
本発明の方法において、上記誘電体基板は銅拡散バリアを形成する層で被覆してもよく、必要に応じて銅シード層で被覆してもよい。これらの層はどちらも当業者に公知の方法で堆積される。
【0056】
上記基板が銅拡散バリアを形成する層で被覆されている場合、本発明の方法は、1)上記バリア層上に銅シード層を堆積させる工程、又は、2)上記トレンチを上記銅堆積層で完全に充填する工程を含んでもよい。
【0057】
上記基板が銅拡散バリアを形成する層及び銅シード層で順次被覆されている場合、本発明の方法は、上記トレンチを上記銅堆積層で完全に充填する工程からなっていてもよい。
【0058】
第一の実施形態において、本発明の方法は、パターンの表面に銅シード層を堆積させる方法である。本方法によれば、上記誘電体基板は銅拡散バリアを形成する層で被覆されており、上記連続した銅堆積層は、上記バリア材と接触して少なくとも部分的に被覆する厚さ10nm未満のコンフォーマルなシード層である。
【0059】
第二の実施形態において、本発明の方法は、パターンを充填する方法である。本方法によれば、
・上記誘電体基板は、銅拡散バリアを形成する層で被覆されており、該層自体は銅シード層で少なくとも部分的に被覆されており、
・上記連続した銅堆積層は、上記シード層と接触し、上記パターンの全容積に充填される。
【0060】
第三の実施形態において、本発明の方法は、パターンを充填する方法である。本方法によれば、
・上記誘電体基板は、銅拡散バリアを形成する層で被覆されており、
・上記連続した銅堆積層は、上記バリア層と接触し、上記パターンの全容積に充填される。
【0061】
これらの実施形態において、堆積したシード層は、パターン内で測定した厚さが0.5nmと10nmとの間、例えば2nmと5nmとの間であることが好ましい。
【0062】
本発明の方法によれば、開口寸法の小さいパターン、特に幅が非常に小さいトレンチに銅を堆積できる。このように、パターンの開口寸法は、40nm、35nm、30nm及び25nmからなる群より選択される上限値より小さくてもよい。上記パターンの開口寸法は、5nm以上であることが好ましい。
【0063】
パターンの深さ/開口寸法の比で表されるフォームファクタは、2:1〜20:1の範囲、例えば3:1〜10:1の範囲で変動してもよい。本発明に係る方法は、例えば2:1を超える、3:1を超える、4:1を超える、5:1を超える、6:1を超える又は更には7:1を超える及びそれ以上のフォームファクタなど、特に高いフォームファクタを有する空洞に銅を均一に堆積でき、有利である。
【0064】
上記銅拡散バリアを形成する層は、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)、炭窒化タングステン(WCN)、マンガン(Mn)及び窒化マンガン(Mn
3N
2)から選択される少なくとも1種の材料を含んでいてもよい。上記バリア層の厚さは、通常、0.5nmと10nmとの間である。
【0065】
上記銅拡散バリアを形成する層は、銅拡散バリアを形成する材料層及び銅付着を促進する材料層(ライナー)を含む、異なる材料からなる複数の層の積層体を構成していてもよい。第一の実施形態例によれば、使用される誘電体基板は、少なくとも上記パターン内において、1)厚さが0.5nmと3nmとの間の窒化タンタル層、2)厚さが0.5nmと3nmとの間のコバルト層、及び、3)厚さが0.5nmと5nmとの間の銅層で順次被覆されている。
【0066】
第二の実施形態例によれば、使用される誘電体基板は、少なくとも上記パターン内において、1)厚さが0.5nmと3nmとの間の窒化タンタル層、及び、2)厚さが0.5nmと5nmとの間のルテニウム層で順次被覆されている。
【0067】
堆積工程中、充填される空洞の表面は、定電流モード(印加電流を固定)、定電圧モード(必要に応じて参照電極に対して、印加電位を固定)又は(電流若しくは電圧)パルスモードのいずれかで分極させてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、パターンの空洞表面の分極は、連続モードを用いて単位面積当たり0.1mA/cm
2〜50mA/cm
2、好ましくは0.5mA/cm
2〜5mA/cm
2、好ましくは0.5〜1.5mA/cm
2の範囲で電流を印加することによって行う。
【0069】
本発明の他の一実施形態によれば、パターンの空洞表面の分極は、中周波数又は高周波数の電流パルスモード又は電圧パルスモードで行う。
【0070】
上記表面の分極は、例えば、電流パルスモードを用いて分極期間と分極させない休止期間とを交互に繰り返すことによって行ってもよい。分極期間の周波数は、0.1kHzと50kHzとの間(すなわち、分極時間は0.02ミリ秒と10ミリ秒との間)、好ましくは1kHzと20kHzとの間、例えば5kHzと15kHzとの間であってもよく、一方、休止期間の周波数は、0.1kHzと50kHzとの間、好ましくは1kHzと10kHzとの間、例えば5kHzであってもよい。最大強度が0.01mA/cm
2と10mA/cm
2との間、例えば約0.4から5mA/cm
2の電流を印加して表面を分極させてもよい。
【0071】
40nm未満のパターンの充填時間は、パターンのサイズにもよるが、10秒と10分との間であることが有利であり、15秒と5分との間であることが好ましい。一実施形態において、開口寸法が40nm未満、深さが50nmを超えるトレンチを完全に充填するためには、電着工程の時間は2分未満である。
【0072】
本発明に係る電解液は、「通電投入(hot entry)」工程を最初に行う手順に従って使用できるが、被覆する表面を電気分極させずに電着浴と接触させ、この状態で所望の時間保持する「非通電投入(cold entry)」工程を最初に行う手順に従って使用することもでき、特に有利である。このように、具体的な一特徴によれば、本発明に係る方法は、電着前に、充填する空洞の表面を電気分極させずに本発明に係る電着組成物と接触させ、必要に応じてこの状態で少なくとも30秒間保持する「非通電投入」工程を含む。
【0073】
本発明に係る電着プロセスは、20℃と30℃との間の温度、すなわち室温で行ってもよい。そのため、電着浴を加熱する必要がない。
【0074】
本発明に係る方法によって、材料欠陥なく優れた品質で銅を充填できた。
【0075】
本方法は、バリア層の表面が少なくとも部分的に銅シード層で被覆された空洞を充填するのに使用できる。
【0076】
本発明に係る方法は、銅拡散バリアを形成する材料を少なくとも1種含み、且つ、銅シード層で被覆されていない表面を有する空洞を充填するのに使用することもでき、有利である。
【0077】
最後に、本発明は、以上の方法によって得られる半導体デバイスに関する。
【0078】
以下の図面及び実施例によって本発明をより詳しく説明する。