特許第6474480号(P6474480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6474480
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20190218BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20190218BHJP
   G08B 29/02 20060101ALI20190218BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   G08B25/04 B
   G08B25/04 E
   G08B29/02
   G06F13/00 351M
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-217597(P2017-217597)
(22)【出願日】2017年11月10日
【審査請求日】2017年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】392016650
【氏名又は名称】アイテック阪急阪神株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】青山 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】高木 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】秋月 良介
(72)【発明者】
【氏名】出井 健一
(72)【発明者】
【氏名】目出 祐介
(72)【発明者】
【氏名】河上 治
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−021590(JP,A)
【文献】 特開2013−037479(JP,A)
【文献】 特開2001−94679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
G06F 13/00
G08B 25/04
G08B 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置されている機器を監視する第一設備が、複数の前記建物の夫々に設置され、
前記第一設備と主回線により接続された第二設備が、複数の前記建物から離れた地点に設置され、
前記第一設備は、前記機器の情報である機器情報を取得する情報取得装置と、監視端末と、サブサーバと、を備えると共に、前記情報取得装置と前記監視端末と前記サブサーバとが前記第一設備の中に設けられた設備内回線により接続され、
前記第二設備は、メインサーバを備え、
前記主回線を介した通信を正常に行える正常状態では、前記第一設備は、前記情報取得装置が取得した前記機器情報を、前記メインサーバと前記サブサーバとの双方に送信し、前記監視端末は、前記メインサーバから前記機器情報を取得し、
前記主回線を介した通信を正常に行えない異常状態では、前記第一設備は、前記情報取得装置が取得した前記機器情報を、前記サブサーバに送信し、前記監視端末は、前記サブサーバから前記機器情報を取得し、
前記第一設備と前記第二設備とが、前記主回線に加えて副回線により接続され、
前記異常状態では、前記第一設備は、前記第一設備から前記第二設備までの前記主回線による通信経路の通信状況を確認する第一確認処理を実行すると共に、前記副回線を介して前記第二設備に対して確認指令を送信し、
前記確認指令を受信した前記第二設備は、前記第二設備から前記第一設備までの前記主回線による通信経路の通信状況を確認する第二確認処理を実行し、
前記第一確認処理では、前記主回線による前記通信経路における前記第一設備側の通信機器から順に電文を送信して当該電文に対する応答があるか否かに応じて当該通信機器が異常か否かを判断し、
前記第二確認処理では、前記主回線による前記通信経路における前記第二設備側の通信機器から順に電文を送信して当該電文に対する応答があるか否かに応じて当該通信機器が異常か否かを判断する、監視システム。
【請求項2】
前記正常状態では、前記監視端末は、前記主回線と前記設備内回線とを介して前記機器情報を前記メインサーバから取得し、
前記異常状態では、前記監視端末は、前記主回線と前記設備内回線とのうちの前記設備内回線のみを介して前記サブサーバから前記機器情報を取得する、請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
外部端末と前記第一設備とが、第一外部回線により接続され、
前記外部端末と前記第二設備とが、第二外部回線により接続され、
前記正常状態では、前記外部端末は、前記第二外部回線を介して前記メインサーバから前記機器情報を取得し、
前記異常状態では、前記外部端末は、前記第一外部回線を介して前記サブサーバから前記機器情報を取得する請求項1又は2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記情報取得装置が予め設定された特定の前記機器情報である特定情報を取得した場合に、前記第一設備は、前記特定情報を取得したことを示す報知情報を、前記外部端末に送信する請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記第一設備は、前記異常状態中に前記サブサーバに送信した前記機器情報をログ情報として蓄積し、前記異常状態から前記正常状態に切り換わった場合に、前記ログ情報を前記メインサーバに送信する請求項1から4のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記機器情報は、前記機器の稼働状態を示す稼働情報と前記機器の設定状態を示す設定情報とを含み、
前記異常状態では、前記監視端末は、前記サブサーバから前記機器情報として前記稼働情報と前記設定情報とのうち前記稼働情報のみを取得する請求項1から5のいずれか一項に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設置されている機器を監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2012−203473号公報(特許文献1)に、複数の建物の夫々に第一設備が設置され、第一設備と主回線(インターネット30)により接続された第二設備が、複数の建物から離れた地点に設置されている。この特許文献1のシステムでは、第二設備のメインサーバ(第1のコンピュータ10a,第2のコンピュータ10b)に情報を蓄積し、第一設備の第3のコンピュータ20−1から20−nが、主回線を介してメインサーバから情報を取得できるようになっている。
【0003】
このようなシステムを利用して、建物に設けた機器を監視装置によって監視可能な監視システムを構成することが考えられる。この場合、建物に設けられている機器の情報である機器情報を、主回線を介してメインサーバに送信して、メインサーバに機器情報を蓄積する。そして、建物に設置された第一設備の監視端末が、主回線を介してメインサーバから機器情報を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−203473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような監視システムでは、主回線を介した通信を正常に行えない異常状態では、主回線を介して機器情報をメインサーバに送信することができず、また、監視端末が主回線を介して機器情報を取得できないため、建物に設置された機器を監視装置によって監視することができなくなる。
【0006】
そこで、異常状態においても、監視端末によって建物に設置された機器を監視することができる監視システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、監視システムの特徴構成は、前記建物に設置されている機器を監視する第一設備が、複数の建物の夫々に設置され、前記第一設備と主回線により接続された第二設備が、複数の前記建物から離れた地点に設置され、前記第一設備は、前記機器の情報である機器情報を取得する情報取得装置と、監視端末と、サブサーバと、を備えると共に、前記情報取得装置と前記監視端末と前記サブサーバとが前記第一設備の中に設けられた設備内回線により接続され、前記第二設備は、メインサーバを備え、前記主回線を介した通信を正常に行える正常状態では、前記第一設備は、前記情報取得装置が取得した前記機器情報を、前記メインサーバと前記サブサーバとの双方に送信し、前記監視端末は、前記メインサーバから前記機器情報を取得し、前記主回線を介した通信を正常に行えない異常状態では、前記第一設備は、前記情報取得装置が取得した前記機器情報を、前記サブサーバに送信し、前記監視端末は、前記サブサーバから前記機器情報を取得し、前記第一設備と前記第二設備とが、前記主回線に加えて副回線により接続され、前記異常状態では、前記第一設備は、前記第一設備から前記第二設備までの前記主回線による通信経路の通信状況を確認する第一確認処理を実行すると共に、前記副回線を介して前記第二設備に対して確認指令を送信し、前記確認指令を受信した前記第二設備は、前記第二設備から前記第一設備までの前記主回線による通信経路の通信状況を確認する第二確認処理を実行し、前記第一確認処理では、前記主回線による前記通信経路における前記第一設備側の通信機器から順に電文を送信して当該電文に対する応答があるか否かに応じて当該通信機器が異常か否かを判断し、前記第二確認処理では、前記主回線による前記通信経路における前記第二設備側の通信機器から順に電文を送信して当該電文に対する応答があるか否かに応じて当該通信機器が異常か否かを判断する点にある。
【0008】
この構成によれば、正常状態では、情報取得装置が取得した機器情報が、情報取得装置からメインサーバとサブサーバとに送信されるため、機器情報はメインサーバとサブサーバとの双方に蓄積される。そして、例えば、主回線をVPN(Virtual Private Network)等を用いて構築することで、第一設備は、機密性が高い状態でメインサーバに機器情報を蓄積でき、監視端末は、機密性が高い状態で機器情報を取得できる。
また、異常状態では、情報取得装置からサブサーバに機器情報が送信されるため、サブサーバには、正常状態における機器情報に加えて異常状態における機器情報が蓄積される。従って、異常状態において監視端末がサブサーバから機器情報を取得することで、正常状態における機器情報に加えて異常状態における機器情報も取得できる。このため、異常状態においても、監視端末によって建物に設置された機器を監視することができる。
また、この構成によれば、第一設備が第一確認処理を実行し、第二設備が第二確認処理を実行することで、第一設備側からと第二設備側からとの双方から主回線による通信経路の通信状態を確認することができる。そして、第一設備側に加えて第二設備側からも通信状態を確認することで、例えば、第一設備では、通信経路の途中にある通信機器に異常が生じていることによって当該通信機器より第二設備側の通信状態が確認できない場合でも、当該通信機器より第二設備側の通信状態を第二設備によって確認できる。従って、第一設備と第二設備とによって通信経路における異常が生じている箇所を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】主回線及び第一外部回線を示す監視システムのブロック図
図2】副回線及び第二外部回線を示す監視システムのブロック図
図3】正常状態における情報の送信状態を示す監視システムのブロック図
図4】異常状態における情報の送信状態を示す監視システムのブロック図
図5】確認処理による情報の送信状態を示す監視システムのブロック図
図6】正常状態においてモニタに報知情報を表示した状態を示す図
図7】異常状態においてモニタに報知情報を表示した状態を示す図
図8】サブサーバの通信監視フローチャート
図9】メインサーバの通信監視フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
監視システムの実施形態について図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、監視システムSは、第一設備1と第二設備2と外部端末7とを備えている。第一設備1は、第一建物B1に設置されている機器5を監視する設備であり、複数の第一建物B1の夫々に設置されている。図1及び図2では、複数の第一建物B1として、三棟の第一建物B1を示している。尚、第一建物B1が、第一設備1が設置されている建物に相当する。第二設備2は、機器5の情報である機器情報を蓄積するメインサーバ6を備えている。第二設備2は、複数の第一建物B1から離れた地点である第二建物B2に設置されており、第二建物B2は、複数の第一建物B1とは別の建物である。
【0011】
また、監視システムSは、外部から機器5を監視するため外部端末7を備えている。本実施形態では、監視システムSは、外部端末7として、固定外部端末7Aと、移動外部端末7Bとを備えている。そして、固定外部端末7Aは、第二建物B2及び複数の第一建物B1から離れた第三建物B3に設置された第三設備3に備えられている。固定外部端末7Aとしては、例えば、デスクトップ型のコンピュータ等が用いられる。また、移動外部端末7Bは、例えば携帯電話通信網などの無線通信網4に接続される、持ち運び可能な通信端末である。このような通信端末としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ等が用いられる。以下、固定外部端末7Aと移動外部端末7Bとを区別する必要がない場合には、単に「外部端末7」と称する。
【0012】
第一設備1と第二設備2と第三設備3と無線通信網4とは、互いにインターネット回線C1により接続されている。第一設備1は、インターネット回線C1を介して機器5の情報である機器情報を第二設備2のメインサーバ6に送信し、機器情報をメインサーバ6に蓄積する。メインサーバ6には、インターネット回線C1を介して複数の第一設備1から機器情報が送信されており、複数の第一建物B1に設置されている機器5の機器情報が蓄積される。第一設備1に設けられた監視端末12は、インターネット回線C1を介してメインサーバ6から機器情報を取得することで、自らが設置された第一建物B1の機器5を監視できるようになっている。また、本実施形態では、外部端末7は、インターネット回線C1を介してメインサーバ6から機器情報を取得することで、複数の第一建物B1に設置されている機器5を監視できるようになっている。このように、監視システムSは、複数の第一建物B1に設置されている機器5を監視することができる構成となっている。
【0013】
第一設備1は、機器5の情報である機器情報を取得する情報取得装置11と、監視端末12と、サブサーバ13と、ハブ14と、を備えている。情報取得装置11と監視端末12とサブサーバ13とハブ14とは、第一設備1の中に設けられた設備内回線C2(LAN(Local Area Network))により接続されている。情報取得装置11は、インテリジェントコントローラ(Icont)により構成されている。また、サブサーバ13は、統合インテリジェントコントローラ(統合Icont)により構成されている。尚、図1から図5では、インターネット回線C1を設備内回線C2より太い線で示している。
【0014】
第一建物B1に設置されている機器5としては、例えば、エレベータ、空調機器、換気機器、火災報知器、地震検知器、電力量計等である。1つ又は複数の機器5に対して情報取得装置11が備えられており、情報取得装置11は、各機器5から機器情報を取得する。具体的には、機器5がエレベータであれば、情報取得装置11は、エレベータの運行アルゴリズム等の設定状態を示すエレベータ設定情報や、エレベータが備える各種センサにより検出された情報であるエレベータセンサ情報や、エレベータの消費電力の情報であるエレベータ消費電力情報や、エレベータの非常スイッチが押された場合に出力されるエレベータ非常報知情報等を、機器情報として取得する。機器5が空調機器であれば、情報取得装置11は、空調機器の設定状態を示す空調設定情報や、空調機器により検出された空調機器周囲の温度の情報である温度情報や、空調機器の消費電力の情報である消費電力情報や、空調機器の故障が検知された場合に出力される空調故障情報等を、機器情報として取得する。機器5が火災検知器であれば、情報取得装置11は、火災を検知した場合の火災検知情報を機器情報として取得する。機器5が地震検知器であれば、情報取得装置11は、地震を検知した場合の地震検知情報を機器情報として取得する。尚、機器情報には、機器5の稼働状態を示す稼働情報と、機器5の設定状態を示す設定情報とが含まれる。設定情報には、上記エレベータ設定情報や空調設定情報等が含まれる。また、稼働情報には、それらの設定情報以外の情報が含まれる。更に、本実施形態では、特定の機器情報を特定情報として予め設定している。この特定情報は、この監視システムSにおいて監視すべき重要な情報であって、特に、緊急性を有する対応が必要な情報を設定すると好適である。ここでは、例えば、エレベータ非常報知情報、火災検知情報、及び地震検知情報等が、特定情報に設定されている。
【0015】
第一設備1は、第一ルータR1を介してインターネット回線C1に接続されていると共に、第二ルータR2を介してもインターネット回線C1に接続されている。尚、第一ルータR1は、設備内回線C2によってハブ14に接続されており、第二ルータR2は、設備内回線C2によってサブサーバ13に接続されている。
第二設備2は、第三ルータR3を介してインターネット回線C1に接続されていると共に、第四ルータR4を介してもインターネット回線C1に接続されている。第三ルータR3及び第四ルータR4は、第二設備2内の回線によってメインサーバ6に接続されている。
【0016】
第三設備3に備えられた固定外部端末7Aは、第五ルータR5を介してインターネット回線C1に接続されていると共に、第六ルータR6を介してもインターネット回線C1に接続されている。第五ルータR5及び第六ルータR6は、第三設備3内の回線によって固定外部端末7Aに接続されている。
移動外部端末7Bは、無線通信網4の無線通信アンテナを介してインターネット回線C1に接続されている。無線通信網4は、無線通信事業者等が備える事業者サーバを介してインターネット回線C1に接続されている。
【0017】
図1に一点鎖線で示すように、第一ルータR1と第三ルータR3と第六ルータR6とは、インターネット回線C1を介して互いに通信を行うことができ、図2に二点鎖線で示すように、第二ルータR2と第四ルータR4と第五ルータR5とは、インターネット回線C1を介して互いに通信を行うことができる。特に、図1に示すように、第一ルータR1と第三ルータR3と第六ルータR6とは、インターネット回線C1を介してVPN(Virtual Private Network)を構成し、これにより第一設備1と第二設備2と第三設備3との間では安全性が高い状態で通信を行うことができるようになっている。
【0018】
また、図1に示すように、移動外部端末7Bも、第一ルータR1と第三ルータR3と第六ルータR6とインターネット回線C1を介して互いに通信を行うことができると共に、これらとVPNを構成して安全性が高い状態で通信を行うことができるようになっている。このように、移動外部端末7Bの通信回線の構成は、固定外部端末7Aの通信回線と比べて、具体的構成は異なるが、実質的な構成は同じとみなすことができる。そこで、以下では、固定外部端末7Aの通信回線の構成を代表例として用いて、外部端末7に関する説明を行う。また、以下の説明において、第三設備3とは、固定外部端末7Aと移動外部端末7Bとの少なくとも一方である外部端末7を含む設備を指す。
【0019】
第一設備1と第二設備2とは、第一ルータR1、インターネット回線C1、及び第三ルータR3を介して接続される主回線C3(図1参照)と、第二ルータR2、インターネット回線C1、及び第四ルータR4を介して接続される副回線C4(図2参照)と、により接続されている。そして、主回線C3は、VPNに構成されており、VPNを構成していない副回線C4に比べて安全性が高い通信を行うことができる。このように、第一設備1と第二設備2とは、主回線C3に加えて副回線C4により接続されている。
尚、図1に示すように、第一ルータR1及び第三ルータR3を含む第一ルータR1から第三ルータR3までの回線を主回線C3とし、図2に示すように、第二ルータR2及び第四ルータR4を含む第二ルータR2から第四ルータR4までの回線を副回線C4としている。
【0020】
第一設備1と第三設備3とは、第二ルータR2、インターネット回線C1、及び第五ルータR5を介して接続される第一外部回線C5(図2参照)により接続されている。また、第二設備2と第三設備3とは、第三ルータR3、インターネット回線C1及び第六ルータR6を介して接続される第二外部回線C6(図1参照)により接続されている。このように、第三設備3と第一設備1とが、第一外部回線C5により接続され、第三設備3と第二設備2とが、第二外部回線C6により接続されている。
尚、図2に示すように、第二ルータR2及び第五ルータR5を含む第二ルータR2から第五ルータR5までの回線を第一外部回線C5とし、図1に示すように、第三ルータR3及び第六ルータR6を含む第三ルータR3から第六ルータR6までの回線を第二外部回線C6としている。
【0021】
このように、第一設備1と第二設備2と第三設備3とは、VPN回線とオープンなインターネット回線との2種類の回線で接続されている。そして、図1に示すように、第一ルータR1と第三ルータR3と第六ルータR6とは、VPN回線で閉域網を構築している。また、図2に示すように、第二ルータR2と第四ルータR4と第五ルータR5は、オープンなインターネット回線に接続されている。第四ルータR4とメインサーバ6とは、ファイアウォール等のセキュリティ機器(図示せず)を介して接続されている。
【0022】
次に、正常状態及び異常状態における監視システムSについて説明する。正常状態は、主回線C3を介した通信を正常に行える状態である。異常状態は、主回線C3を介した通信を正常に行えない状態である。
【0023】
監視端末12及びサブサーバ13は、主回線C3を介してメインサーバ6に向けて定期的に電文を送信し、当該電文に対してメインサーバ6からの応答があれば正常状態と判断し、当該電文に対してメインサーバ6からの応答がなければ異常状態と判断する。
また、メインサーバ6は、主回線C3を介してサブサーバ13に向けて定期的に電文を送信し、当該電文に対してサブサーバ13からの応答があれば正常状態と判断し、当該電文に対してサブサーバ13からの応答がなければ異常状態と判断する。
【0024】
〔正常状態〕
まず、図1から図3に基づいて、正常状態(サブサーバ13等が正常状態と判断している状態)における第一設備1、第二設備2及び第三設備3の動作について説明する。
第一設備1では、情報取得装置11が取得した機器情報を設備内回線C2を介してサブサーバ13に送信する。サブサーバ13は、情報取得装置11から取得した機器情報を蓄積する。また、サブサーバ13は、情報取得装置11から取得した機器情報を設備内回線C2と主回線C3とを介してメインサーバ6に送信する。このように、第一設備1は、情報取得装置11が取得した機器情報を、メインサーバ6とサブサーバ13との双方に機器情報を送信する。
【0025】
メインサーバ6は、複数の第一設備1から取得した機器情報を複数の第一設備1のうちの何れの第一設備1から取得したかを判別可能な状態で蓄積している。メインサーバ6は、監視端末12から機器情報の要求があった場合、当該監視端末12が設置されている第一設備1に対応する機器情報を主回線C3と設備内回線C2とを介して監視端末12に送信する。また、メインサーバ6は、外部端末7から機器情報の要求があった場合、要求された機器情報を、第二外部回線C6を介して外部端末7に送信する。このようにメインサーバ6から監視端末12や外部端末7に機器情報を送信する場合、送信される機器情報には稼働情報と設定情報との双方が含まれる。そのため、正常状態では、監視端末12は、メインサーバ6から機器情報として稼働情報と設定情報との双方を取得する。
【0026】
また、メインサーバ6は、上述したような、予め設定された特定の機器情報である特定情報を取得した場合、特定情報を取得したことを示す報知情報を、主回線C3と設備内回線C2とを介して監視端末12に送信すると共に、第二外部回線C6を介して外部端末7に送信する。このように、正常状態において情報取得装置11が特定情報を取得した場合に、第二設備2は、報知情報を監視端末12及び外部端末7に送信する。
【0027】
監視端末12は、設備内回線C2と主回線C3とを介して機器情報の要求をメインサーバ6に送信し、主回線C3と設備内回線C2とを介してメインサーバ6から機器情報を取得する。このように、監視端末12により機器情報を取得することで、監視端末12によって当該監視端末12が設置されている第一設備1の機器5の監視が可能となっている。また、監視端末12は、報知情報を取得した場合は表示装置に報知情報を表示させる。この表示装置は、監視端末12のモニタであっても良いし、監視端末12とは別に第一設備1に設けられた警告灯等であっても良い。監視端末12のモニタに報知情報が表示される場合、例えば、図6に示すように、モニタの表示画面12Aの第一表示領域E1に報知情報がポップアップ表示される。尚、図6では、表示画面12Aの第二表示領域E2に機器情報(電気系統図の情報)が表示された状態で、監視端末12が報知情報として火災検知情報を取得した場合を例示している。
【0028】
外部端末7は、第二外部回線C6を介して機器情報の要求をメインサーバ6に送信し、第二外部回線C6を介してメインサーバ6から機器情報を取得する。このように、外部端末7により機器情報を取得することで、外部端末7によって任意の第一設備1の機器5の監視が可能となっている。また、外部端末7は、報知情報を取得した場合は表示装置に報知情報を表示させる。この表示装置は、外部端末7のモニタであっても良いし、外部端末7とは別に第三設備3に設けられた警告灯等であっても良い。外部端末7のモニタに報知情報が表示される場合、例えば、上記図6と同様の表示が行われる。
【0029】
〔異常状態〕
次に、図1図2及び図4に基づいて、異常状態(サブサーバ13等が異常状態と判断している状態)における第一設備1、第二設備2及び第三設備3について説明する。
第一設備1は、主回線C3を介した通信を正常に行えない異常状態では、情報取得装置11が取得した機器情報を設備内回線C2を介してサブサーバ13に送信する。サブサーバ13は、情報取得装置11から取得した機器情報を蓄積する。また、サブサーバ13は、異常状態中に情報取得装置11から取得した機器情報をログ情報として蓄積する。このように、本実施形態では、第一設備1は、情報取得装置11が取得した機器情報を、メインサーバ6とサブサーバ13とのうちのサブサーバ13のみに機器情報を送信する。なお、第一設備1が、情報取得装置11が取得した機器情報を、メインサーバ6とサブサーバ13との双方に送信するが、主回線C3の異常のためメインサーバ6へは機器情報が到達せず、結果的にサブサーバ13のみに機器情報が送信される構成としても良い。
【0030】
サブサーバ13は、監視端末12から機器情報の要求があった場合、機器情報を設備内回線C2を介して監視端末12に送信する。また、サブサーバ13は、外部端末7から機器情報の要求があった場合、要求された機器情報を第一外部回線C5を介して外部端末7に送信する。このようにサブサーバ13から監視端末12や外部端末7に機器情報を送信する場合、送信される機器情報には稼働情報は含まれるものの設定情報は含まれない。そのため、異常状態では、監視端末12及び外部端末7は、サブサーバ13から機器情報として稼働情報と設定情報とのうち稼働情報のみを取得する。
【0031】
サブサーバ13は、情報取得装置11から特定情報を取得した場合、設備内回線C2を介して監視端末12に報知情報を送信すると共に、設備内回線C2と第一外部回線C5とを介して外部端末7に送信する。このように、異常状態において情報取得装置11が特定情報を取得した場合に、第一設備1は、報知情報を監視端末12及び外部端末7に送信する。
【0032】
監視端末12は、設備内回線C2を介して機器情報の要求をサブサーバ13に送信し、設備内回線C2を介してサブサーバ13から機器情報を取得する。このように、監視端末12により機器情報を取得することで、異常状態においても監視端末12によって当該監視端末12が設置されている第一設備1の機器5を監視が可能となっている。また、監視端末12は、報知情報を取得した場合は、上述したように表示装置に報知情報を表示させる。上記のとおり、この表示装置は、監視端末12のモニタであっても良いし、監視端末12とは別に第一設備1に設けられた警告灯等であっても良い。監視端末12のモニタに報知情報が表示される場合、例えば、図7に示すように、モニタの表示画面12Aの第一表示領域E1に報知情報がポップアップ表示される。尚、図7では、表示画面12Aの第二表示領域E2に機器情報(電気系統図の情報)が表示された状態で、監視端末12が報知情報としてエレベータ異常発生情報を取得した場合を例示している。
【0033】
外部端末7は、第一外部回線C5を介して機器情報の要求をサブサーバ13に送信し、第一外部回線C5を介してサブサーバ13から機器情報を取得する。このように、外部端末7により機器情報を取得することで、異常状態においても外部端末7によって任意の第一設備1の機器5を監視が可能となっている。また、外部端末7は、報知情報を取得した場合は、上述したように表示装置に報知情報を表示させる。上記のとおり、この表示装置は、外部端末7のモニタであっても良いし、外部端末7とは別に第三設備3に設けられた警告灯等であっても良い。外部端末7のモニタに報知情報が表示される場合、例えば、上記図7と同様の表示が行われる。
【0034】
但し、上記のとおり、異常状態では、監視端末12及び外部端末7は、サブサーバ13から機器情報として稼働情報と設定情報とのうち稼働情報のみを取得する。そのため、異常状態では、監視端末12又は外部端末7では、機器5に対する設定変更が行えないようになっている。具体的には、正常状態では、例えば図6に示すように、表示画面12Aには、正常状態において機器5に対する設定変更を行うときに選択する第四表示領域E4が表示されている。しかし、異常状態では、例えば図7に示すように、第四表示領域E4は正常状態とは異なる表示状態(例えば、グレーアウト状態)となっており、監視端末12又は外部端末7では、第四表示領域E4の選択操作が行えず、機器5に対する設定変更が行えないようになっている。
【0035】
〔異常検知〕
第一設備1のサブサーバ13は、正常状態から異常状態に切り換わったと判断した場合に、第一設備1から第二設備2までの主回線C3による通信経路の通信状況を確認する第一確認処理を実行すると共に、副回線C4を介して第二設備2に対して確認指令16を送信する。第一確認処理では、図5に矢印で示すように、主回線C3による通信経路における第一設備1側、より詳しくはサブサーバ13側の通信機器から順に電文を送信し、当該電文に対して通信機器からの応答があれば当該通信機器は正常な通信機器と判断し、当該電文に対して通信機器からの応答がなければ当該通信機器は異常な通信機器と判断する。具体的には、例えば、第一確認処理では、第一ルータR1に対して電文を送信し、当該電文に対して第一ルータR1からの応答があれば第一ルータR1は正常と判断し、第一ルータR1からの応答がなければ第一ルータR1は異常と判断する。第一ルータR1が正常と判断した場合には、第一ルータR1よりも更に第二設備2側の通信機器に対して、同様に電文を送信し、正常か異常かを判断する。そして、サブサーバ13は、異常な通信機器が存在すると判断すると、異常な通信機器を示す異常情報を、設備内回線C2を介して監視端末12に送信すると共に設備内回線C2及び第一外部回線C5を介して外部端末7に送信する。
【0036】
第二設備2のメインサーバ6は、第一設備1から確認指令16を受信した場合や正常状態から異常状態に切り換わったと判断した場合に、第二設備2から第一設備1までの主回線C3による通信経路の通信状況を確認する第二確認処理を実行する。第二確認処理では、図5に矢印で示すように、主回線C3による通信経路における第二設備2側、より詳しくはメインサーバ6側の通信機器から順に電文を送信し、当該電文に対して通信機器からの応答があれば正常な通信機器と判断し、当該電文に対して通信機器からの応答がなければ異常な通信機器と判断する。具体的には、例えば、第二確認処理では、第三ルータR3に対して電文を送信し、当該電文に対して第三ルータR3からの応答があれば第三ルータR3は正常と判断し、第三ルータR3からの応答がなければ第三ルータR3は異常と判断する。第三ルータR3が正常と判断した場合には、第三ルータR3よりも更に第一設備1側の通信機器に対して、同様に電文を送信し、正常か異常かを判断する。そして、メインサーバ6は、異常な通信機器が存在すると判断すると、異常な通信機器を示す異常情報を、副回線C4及び設備内回線C2を介して監視端末12に送信するとともに、第一外部回線C5を介して外部端末7に送信する。
【0037】
監視端末12は、異常情報を取得した場合は監視端末12又は第一設備1に設けられた表示装置に異常情報を表示し、外部端末7は、異常情報を取得した場合は外部端末7又は第三設備3に設けられた表示装置に異常情報を表示する。監視端末12又は外部端末7のモニタに異常情報が表示される場合、例えば、上記図7と同様の表示が行われる。
【0038】
サブサーバ13は、異常状態から正常状態に切り換わったと判断すると、設備内回線C2と主回線C3とを介してログ情報をメインサーバ6に送信する。このように、第一設備1は、異常状態中に情報取得装置11から取得したログ情報として蓄積していた機器情報を、異常状態から正常状態に切り換わった場合にメインサーバ6に送信する。これにより、メインサーバ6には、正常状態中に情報取得装置11が取得した機器情報に加えて異常状態中に情報取得装置11が取得した機器情報が蓄積される。
【0039】
正常状態と異常状態との双方において、情報取得装置11が予め設定された特定の機器情報である特定情報を取得した場合には、サブサーバ13は、特定情報を取得したことを示す報知情報を、第一外部回線C5を介して外部端末7に送信する。外部端末7は、特定情報を取得した場合は外部端末7又は第三設備3に設けられた表示装置に報知情報を表示させる。外部端末7のモニタに報知情報が表示される場合、例えば、上記図6と同様の表示が行われる。
【0040】
〔異常判定のフローチャート〕
図8のフローチャートに示すように、異常状態の有無の判定のために、サブサーバ13は、定期的にメインサーバ6に向けて電文を送信する(S11)。当該電文に対してメインサーバ6からの応答がなければ異常状態と判断する(S12:No)。そして、第一異常処理を実行する(S13)。また、サブサーバ13は、メインサーバ6からの応答があった場合であって(S12:Yes)、前回異常状態と判断して(S12:No)第一異常処理(S13)を行っている状態であった場合(S14:Yes)には、異常状態から正常状態に切り換わったと判断して第一復旧処理を実行する(S15)。ここで、第一異常処理(S13)は、上述の第一確認処理や、情報取得装置11から取得した機器情報をログ情報として蓄積する処理や、第二設備2に対して確認指令16を送信する処理を含んでいる。また、第一復旧処理(S15)は、サブサーバ13がメインサーバ6にログ情報を送信する処理を含んでいる。
【0041】
一方、図9のフローチャートに示すように、異常状態の有無の判定のために、メインサーバ6は、定期的にサブサーバ13に向けて電文を送信する(S21)。当該電文に対してサブサーバ13からの応答がなければ異常状態と判断する(S22:No)。そして第二異常処理を実行する(S23)。また、メインサーバ6は、サブサーバ13からの応答があった場合であって(S22:Yes)、前回異常状態と判断して(S22:No)第二異常処理(S23)を行っている状態であった場合(S24:Yes)には、異常状態から正常状態に切り換わったと判断して第二復旧処理を実行する(S25)。ここで、第二異常処理(S23)は、上述の第二確認処理を含んでいる。また、第二復旧処理(S25)は、メインサーバ6がサブサーバ13からのログ情報を取得する処理を含んでいる。
【0042】
2.その他の実施形態
次に、監視システムのその他の実施形態について説明する。
【0044】
)上記実施形態では、正常状態において、情報取得装置11が機器情報をサブサーバ13に送信し、サブサーバ13が機器情報をメインサーバ6に送信する構成、すなわち、サブサーバ13を介して機器情報をメインサーバ6に送信する構成を例として説明した。しかし、これに限定されず、例えば、情報取得装置11が機器情報をサブサーバ13とメインサーバ6との双方に送信する構成、すなわち、サブサーバ13を介することなく機器情報をメインサーバ6に送信する構成としてもよい。
【0045】
)上記実施形態では、異常状態において、監視端末12は、サブサーバ13から機器情報として稼働情報と設定情報とのうちの稼働情報のみを取得したが、異常状態において、監視端末12が、サブサーバ13から取得する機器情報は適宜変更してもよい。つまり、例えば、監視端末12が、サブサーバ13から機器情報における稼働情報と設定情報との双方を取得してもよく、また、サブサーバ13から機器情報における報知情報のみを取得してもよい。
【0046】
)上記実施形態では、第一設備1は、異常状態中にサブサーバ13に送信した機器情報をログ情報として蓄積し、異常状態から正常状態に切り換わった場合に、主回線C3を介してログ情報をメインサーバ6に送信したが、第一設備1は、異常状態中にサブサーバ13に送信した機器情報を、異常状態中に副回線C4を介してメインサーバ6に送信してもよい。
【0047】
)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0048】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した監視システムの概要について説明する。
【0049】
監視システムは、建物に設置されている機器を監視する第一設備が、複数の前記建物の夫々に設置され、前記第一設備と主回線により接続された第二設備が、複数の前記建物から離れた地点に設置され、前記第一設備は、前記機器の情報である機器情報を取得する情報取得装置と、監視端末と、サブサーバと、を備えると共に、前記情報取得装置と前記監視端末と前記サブサーバとが前記第一設備の中に設けられた設備内回線により接続され、前記第二設備は、メインサーバを備え、前記主回線を介した通信を正常に行える正常状態では、前記第一設備は、前記情報取得装置が取得した前記機器情報を、前記メインサーバと前記サブサーバとの双方に送信し、前記監視端末は、前記メインサーバから前記機器情報を取得し、前記主回線を介した通信を正常に行えない異常状態では、前記第一設備は、前記情報取得装置が取得した前記機器情報を、前記サブサーバに送信し、前記監視端末は、前記サブサーバから前記機器情報を取得し、前記第一設備と前記第二設備とが、前記主回線に加えて副回線により接続され、前記異常状態では、前記第一設備は、前記第一設備から前記第二設備までの前記主回線による通信経路の通信状況を確認する第一確認処理を実行すると共に、前記副回線を介して前記第二設備に対して確認指令を送信し、前記確認指令を受信した前記第二設備は、前記第二設備から前記第一設備までの前記主回線による通信経路の通信状況を確認する第二確認処理を実行し、前記第一確認処理では、前記主回線による前記通信経路における前記第一設備側の通信機器から順に電文を送信して当該電文に対する応答があるか否かに応じて当該通信機器が異常か否かを判断し、前記第二確認処理では、前記主回線による前記通信経路における前記第二設備側の通信機器から順に電文を送信して当該電文に対する応答があるか否かに応じて当該通信機器が異常か否かを判断する。
【0050】
この構成によれば、正常状態では、情報取得装置が取得した機器情報が、情報取得装置
からメインサーバとサブサーバとに送信されるため、機器情報はメインサーバとサブサー
バとの双方に蓄積される。そして、例えば、主回線をVPN(Virtual Private Network
)等を用いて構築することで、第一設備は、機密性が高い状態でメインサーバに機器情報
を蓄積でき、監視端末は、機密性が高い状態で機器情報を取得できる。
また、異常状態では、情報取得装置からサブサーバに機器情報が送信されるため、サブ
サーバには、正常状態における機器情報に加えて異常状態における機器情報が蓄積される
。従って、異常状態において監視端末がサブサーバから機器情報を取得することで、正常
状態における機器情報に加えて異常状態における機器情報も取得できる。このため、異常
状態においても、監視端末によって建物に設置された機器を監視することができる。
また、この構成によれば、第一設備が第一確認処理を実行し、第二設備が第二確認処理を実行することで、第一設備側からと第二設備側からとの双方から主回線による通信経路の通信状態を確認することができる。そして、第一設備側に加えて第二設備側からも通信状態を確認することで、例えば、第一設備では、通信経路の途中にある通信機器に異常が生じていることによって当該通信機器より第二設備側の通信状態が確認できない場合でも、当該通信機器より第二設備側の通信状態を第二設備によって確認できる。従って、第一設備と第二設備とによって通信経路における異常が生じている箇所を特定することが可能となる。
【0053】
また、外部端末と前記第一設備とが、第一外部回線により接続され、前記外部端末と前記第二設備とが、第二外部回線により接続され、前記正常状態では、前記外部端末は、前記第二外部回線を介して前記メインサーバから前記機器情報を取得し、前記異常状態では、前記外部端末は、前記第一外部回線を介して前記サブサーバから前記機器情報を取得すると好適である。
【0054】
この構成によれば、外部端末は、正常状態では、第二外部回線を介してメインサーバから機器情報を取得できる。また、正常状態及び異常状態の双方においてサブサーバに機器情報が保存されるため、異常状態では、外部端末は、サブサーバから機器情報を取得することができる。これにより、正常状態と異常状態との双方において、外部端末によって建物に設置された機器を監視することができる。
【0055】
また、前記情報取得装置が予め設定された特定の前記機器情報である特定情報を取得した場合に、前記第一設備は、前記特定情報を取得したことを示す報知情報を、前記外部端末に送信すると好適である。
【0056】
この構成によれば、第一設備は、情報取得装置が特定情報を取得した場合に報知情報を外部端末に送信する為、外部端末は、第一設備に報知情報を要求することなく、迅速に報知情報を取得できる。そのため、緊急性を有する対応が必要な場合にも迅速に対応することが可能となる。
【0057】
また、前記第一設備は、前記異常状態中に前記サブサーバに送信した前記機器情報をログ情報として蓄積し、前記異常状態から前記正常状態に切り換わった場合に、前記ログ情報を前記メインサーバに送信すると好適である。
【0058】
この構成によれば、メインサーバは、異常状態から正常状態への復旧後に、異常状態の間にサブサーバに蓄積された機器情報をログ情報として取得できる。そのため、メインサーバには、正常状態における機器情報に加えて異常状態における機器情報が蓄積されることになる。従って、異常状態から正常状態への復旧後に、監視装置は、異常状態における機器情報と正常状態における機器情報との双方をメインサーバから取得することができる。
【0059】
また、前記機器情報は、前記機器の稼働状態を示す稼働情報と前記機器の設定状態を示す設定情報とを含み、前記異常状態では、前記監視端末は、前記サブサーバから前記機器情報として前記稼働情報と前記設定情報とのうち前記稼働情報のみを取得すると好適である。
【0060】
この構成によれば、異常状態では、監視端末は、サブサーバから機器情報の一部である稼働情報のみを取得するため、異常状態における通信量を少なく抑えることができる。なお、異常状態において建物に設置された機器の設定を変更する必要性は低いため、監視端末が設定情報を取得しなくても問題は生じ難い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示に係る技術は、建物に設置されている機器を監視する監視システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1:第一設備
2:第二設備
5:機器
6:メインサーバ
7:外部端末
11:情報取得装置
12:監視端末
13:サブサーバ
B1:第一建物(建物)
B2:第二建物(地点)
C2:設備内回線
C3:主回線
C4:副回線
C5:第一外部回線
C6:第二外部回線
【要約】
【課題】異常状態において、監視端末によって機器を監視できる監視システムの実現。
【解決手段】主回線C3を介した通信を正常に行える正常状態では、第一設備1は、情報取得装置11が取得した機器情報を、メインサーバ6とサブサーバ13との双方に送信し、監視端末12は、メインサーバ6から機器情報を取得し、主回線C3を介した通信を正常に行えない異常状態では、第一設備1は、情報取得装置11が取得した機器情報を、サブサーバ13に機器情報を送信し、監視端末12は、サブサーバ13から機器情報を取得する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9